JP2003041311A - 溶銑の脱硫処理方法 - Google Patents

溶銑の脱硫処理方法

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JP2003041311A JP2001232367A JP2001232367A JP2003041311A JP 2003041311 A JP2003041311 A JP 2003041311A JP 2001232367 A JP2001232367 A JP 2001232367A JP 2001232367 A JP2001232367 A JP 2001232367A JP 2003041311 A JP2003041311 A JP 2003041311A
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Takeshi Murai
剛 村井
Eiju Matsuno
英寿 松野
Yoshiteru Kikuchi
良輝 菊地
Eiji Sakurai
栄司 櫻井
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶銑を脱硫処理する際に、スラグ改質のため
の過剰なAl添加を防止しつつ、スラグ中の酸素による
脱硫反応の阻害及び復硫反応を防止して、到達硫黄濃度
を低位に安定させる。 【解決手段】 溶銑保持容器3内に収容された溶銑1の
脱硫処理を行うに際し、脱硫剤添加前に溶銑上に存在す
るスラグ2のFeO濃度とスラグ量とを測定し、測定し
たスラグ中FeO濃度とスラグ量とに応じて、下記の
(1)式を満足するようにAl含有スラグ改質剤4を溶
銑保持容器内に添加し、スラグの酸化度を低減させて脱
硫処理を実施する。但し(1)式において、(%FeO)は
スラグ中のFeO濃度(質量%)、Ws はスラグ量(kg
/ton)、QAlはAl含有スラグ改質剤中のAl添加量
(kg/ton)である。 (%FeO)Ws/400≦QAl≦(%FeO)Ws/300…(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶銑の脱硫処理方
法に関し、詳しくは脱硫時に溶銑上に存在するスラグの
酸化度を低減して効率良く脱硫する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】溶銑から鋼を製造するに当たり、その処
理工程を効率的に行う、鋼中の硫黄含有量を低減させる
等の目的で溶銑段階で脱硫処理が施されている。この脱
硫処理は、Ar等不活性ガスのガス吹き込みによる攪拌
方式や回転翼(「インペラー」とも呼ぶ)による機械的
攪拌方式により攪拌されている溶銑にCaO系の脱硫剤
を添加して行う方法が一般的である。その際の脱硫反応
は下記の(2)式で示される還元反応で行われる。
【0003】
【数1】
【0004】従って、(2)式の反応、即ち、脱硫反応
を促進させるためには、溶銑の酸素ポテンシャルを低減
することが有効である。又、脱硫反応により生成したC
aSは溶銑から浮上し、溶銑保持容器内の溶銑上へスラ
グとして分離される。しかしながら、スラグの酸素ポテ
ンシャルが高ければ、(2)式の反応が右から左へと進
み、所謂「復硫反応」が起こってしまい、見掛け上、脱
硫が充分に行われないこととなる。
【0005】こうした背景から、スラグ中の酸素による
脱硫の阻害並びに復硫を防止する対策が実施されてい
る。従来、この対策は溶銑保持容器内にAl等の脱酸剤
(還元剤とも云う)を添加し、スラグを還元する方法が
採られている。
【0006】例えば、特開平11−100608号公報
には、溶銑鍋での脱珪処理後、溶銑上に浮遊するスラグ
上にAlを添加してスラグを還元し、その後、脱硫する
方法が開示されており、又、特開昭60−56007号
公報には、脱硫処理の際に脱硫剤添加量の0.3倍以下
に相当するAl或いはCを添加してスラグを還元する方
法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
2つの公報を始めとして従来の溶銑脱硫方法では、スラ
グ還元用の脱酸剤を添加する際に、スラグ中の低級酸化
物濃度が不明であるため、添加する脱酸剤が不足する場
合には、スラグの還元が十分に行われず、一方、添加す
る脱酸剤が過剰の場合には、経済的に問題があるばかり
でなく、過剰な脱酸剤が溶銑に歩留まり、その後の酸素
を用いた脱炭吹錬時にAlを酸化するための酸素と時間
とが必要になると云う問題点がある。
【0008】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、溶銑鍋等の溶銑保持容器に収
容された溶銑を脱硫処理する際に、スラグ改質のための
過剰なAl添加を防止しつつ、溶銑上に存在するスラグ
中の酸素による脱硫反応の阻害及び復硫反応を防止し
て、到達硫黄濃度を低位に安定させることのできる脱硫
方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた。以下に検討結果を
説明する。
【0010】スラグを還元するために必要なAl量は、
スラグ中のFeO濃度に依存しており、従って、Alを
過剰に添加すればスラグ還元用に添加したAlは溶銑中
に歩留まり、後の脱炭吹錬工程においてAlを酸化除去
するための酸素並びに時間が必要となり、一方、添加す
るAlが不足する場合にはスラグの還元が十分に行われ
ない。そこで、溶銑上に存在するスラグのFeO濃度を
測定し、測定したFeO濃度に応じて添加するAl量を
決めれば、過不足なくAlを添加することができるとの
知見を得た。又、Al添加後に溶銑とスラグを強制的に
攪拌することにより、必要最小限のAl量でスラグの還
元が行われるとの知見も得た。
【0011】本発明は、これらの知見に基づきなされた
もので、第1の発明による溶銑の脱硫処理方法は、溶銑
保持容器内に収容された溶銑の脱硫処理を行うに際し、
脱硫剤添加前に溶銑上に存在するスラグのFeO濃度と
スラグ量とを測定し、測定したスラグ中FeO濃度とス
ラグ量とに応じて、下記の(1)式を満足するようにA
l含有スラグ改質剤を溶銑保持容器内に添加し、スラグ
の酸化度を低減させて脱硫処理を施すことを特徴とする
ものである。但し、(1)式において、(%FeO)はスラ
グ中のFeO濃度(質量%)、Ws はスラグ量(kg/to
n)、QAlはAl含有スラグ改質剤中のAl添加量(kg/
ton)を表すものである。
【0012】
【数2】
【0013】第2の発明による溶銑の脱硫処理方法は、
第1の発明において、Al含有スラグ改質剤を溶銑保持
容器内に添加した後、溶銑とスラグとを攪拌し、次い
で、脱硫剤を添加して脱硫処理を施すことを特徴とし、
第3の発明による溶銑の脱硫処理方法は、第1の発明又
は第2の発明において、スラグ中のFeO濃度を、固体
電解質を用いた酸素センサーにより測定することを特徴
とするものである。
【0014】スラグ中の鉄酸化物をAlにより還元する
反応は、下記の(3)式に示すように、鉄酸化物の形態
に関わらず、3個のFe原子と2個のAl原子とが反応
して還元反応が行われる。
【0015】
【数3】
【0016】従って、スラグ中の全ての鉄酸化物をAl
により還元する場合には、スラグ中のFeO濃度(質量
%)と、溶銑上に存在するスラグ量Ws (kg/ton)と、
Al含有スラグ改質剤中のAl添加量QAl(kg/ton)即
ちスラグ還元用のAl添加量との間には、Fe及びAl
の原子量から化学量論的に下記の(4)式が成立する。
(4)式の左辺はスラグ中の酸素量と添加するAl量と
の比を表している。
【0017】
【数4】
【0018】それ故、(4)式の左辺に示す[(%FeO)
Ws /QAl]の比(以下「酸素/Al比」と記す)が3
97を越える場合には、添加するAlが不足する状態を
表し、一方、酸素/Al比が397よりも小さくなる場
合には、添加するAlが過剰である状態を表すことにな
る。
【0019】そこで、溶銑の脱硫処理において、脱硫剤
の添加前に溶銑上に存在するスラグのFeO濃度及びス
ラグの質量を測定し、スラグ還元用のAl添加量を種々
変更してスラグの酸素/Al比を変更させ、その後、脱
硫剤を添加して脱硫処理を施し、脱硫処理後の溶銑中硫
黄濃度即ち到達硫黄濃度に及ぼす酸素/Al比の影響を
調査した。
【0020】その結果、酸素/Al比が小さくなるほど
脱硫剤添加前のスラグ中FeO濃度は低くなっており、
それに伴い、脱硫処理後の到達硫黄濃度も低くなってい
た。即ち、酸素/Al比が400以下であれば、脱硫へ
の影響がほとんどないレベルまでスラグ中FeO濃度は
低減し、到達硫黄濃度は目標とする範囲に収まることが
分かった。但し、酸素/Al比が300未満では、溶銑
の脱硫の改善効果は飽和して変わらずに、過剰に添加さ
れるAlが無駄になるために製造コストの上昇を招くと
共に、溶銑のAl濃度が増加して、その後の処理でAl
を酸化させるための酸素、時間が必要になることが分か
った。
【0021】従って、本発明では酸素/Al比が300
〜400の範囲となるように、即ち、上記の(1)式を
満足する範囲でスラグ還元用のAl添加量を設定するこ
とにした。
【0022】脱硫処理の場合、脱硫反応を促進させるた
めに溶銑と脱硫剤とは強制的に攪拌され、この攪拌時に
Al含有スラグ改質剤とスラグとは混合されて反応する
が、Al含有スラグ改質剤を添加した後、脱硫剤を添加
する前に予め溶銑とスラグとを攪拌してAl含有スラグ
改質剤とスラグとの反応を推進させることが好ましい。
これにより、Alと空気との反応が抑制され、少ないA
l添加量で有効にスラグの酸化度を低減させることがで
きる。又、スラグのFeO濃度の測定は、オンラインで
の迅速測定が可能であるので、固体電解質を用いた酸素
センサーにより行うことが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態
を示す図であって、溶銑保持容器内にAl含有スラグ改
質剤を投入する様子を示す概略図である。
【0024】高炉等から出銑された溶銑1を溶銑鍋等の
溶銑保持容器3にて受銑し、溶銑1を収容する溶銑保持
容器3を脱硫処理設備に搬送する。脱硫処理設備には、
上下方向の移動が可能であり、溶銑保持容器3内の溶銑
1中に浸漬され、溶銑1を攪拌するための回転翼6と、
溶銑保持容器3内にAl含有スラグ改質剤4や脱硫剤
(図示せず)等を投入するための投入装置7とが設置さ
れている。又、上下方向の移動が可能であり、その先端
が溶銑1中に浸漬され、スラグ2のFeO濃度を測定す
るための酸素センサー5も設置されている。
【0025】尚、溶銑1を脱硫処理設備に搬送する前
に、溶銑1に対して脱珪処理や脱燐処理を施しても良
い。脱珪処理や脱燐処理で生成したスラグは、徐滓して
も、又、除滓しなくてもどちらでも良いが、Al含有ス
ラグ改質剤4の使用量低減の観点から、ある程度徐滓す
ることが望ましい。
【0026】溶銑1の上にはスラグ2が存在し、溶銑1
を覆っている。このスラグ2は、高炉から排出されたス
ラグが混入したものや、脱硫処理の前に脱珪処理若しく
は脱燐処理を施した場合には、脱珪処理及び脱燐処理に
用いたフラックスが残留したものである。保温剤として
添加したフラックスもスラグ2の起因となる。
【0027】溶銑1の脱硫処理に先立ち、スラグ2のF
eO濃度((%FeO))を測定する。スラグ2中のFeO
濃度の測定はスラグ2を採取して化学分析により求める
ことも可能ではあるが、固体電解質を用いた酸素センサ
ー5を用いてFeO濃度を測定することが好ましい。こ
の場合、酸素センサー5によりスラグ2の酸素ポテンシ
ャルを測定し、酸素ポテンシャルとFeO濃度との検量
線を予め作成しておくことで、瞬時にスラグ2のFeO
濃度を測定することができる。
【0028】又、溶銑1の脱硫処理に先立ち、溶銑保持
容器3内のスラグ2の質量も測定する。スラグ2の質量
は、スラグ2の厚みの測定又は溶銑1を覆うスラグ2の
面積率の目視測定等により測定することができる。そし
て、溶銑保持容器3内に収容された溶銑1の質量から、
溶銑トン当たりのスラグ量(Ws )を求める。溶銑質量
は高炉等から溶銑保持容器3への出銑時に溶銑保持容器
3を秤量することで把握することができる。
【0029】このようにして測定したスラグ2のFeO
濃度((%FeO))とスラグ量(Ws)とを前述した
(1)式に代入し、スラグ2の還元に必要なAl添加量
(QAl)の範囲を設定する。そして、Al含有スラグ改
質剤4のAl含有量に応じて、Al添加量が(1)式の
範囲内の任意の量になるようにAl含有スラグ改質剤4
の添加量を設定し、投入装置7を介してAl含有スラグ
改質剤4を溶銑保持容器3内に添加する。
【0030】Al含有スラグ改質剤4と同時に脱硫剤を
添加して直ちに脱硫処理を施してもも良いが、少量のA
l添加量でスラグ2中のFeO濃度を効率良く還元させ
るために、Al含有スラグ改質剤4の添加後、攪拌翼6
により溶銑1とスラグ2とを攪拌し、その後、脱硫剤を
添加して脱硫処理することが好ましい。Al含有スラグ
改質剤4の添加後に溶銑1とスラグ2とを攪拌すること
により、添加したAlとスラグ2中の鉄酸化物との反応
が迅速に起こり、スラグ2中のFeO濃度は3%以下ま
で低下し、それ以降、スラグ2中のFeOによる脱硫の
阻害及び脱硫後の復硫を抑制することができる。
【0031】Al含有スラグ改質剤4としては、金属A
l、Al灰、金属Al又はAl灰とCaOやAl23
等のフラックスとの混合物等を用いることができる。A
l含有スラグ改質剤4の大きさは、歩留まりの観点か
ら、添加時に飛散しない程度であることが好ましい。
又、脱硫剤としては慣用の脱硫剤で良く、CaO系やソ
ーダ系若しくは金属Mg系等を用いることができる。脱
硫処理は、攪拌翼6を回転させ、溶銑1と脱硫剤とを攪
拌・混合することにより実施する。脱硫処理後、次工程
の転炉設備や溶銑予備処理を更に実施する場合には溶銑
予備処理設備へ溶銑保持容器3を搬出する。
【0032】このようにして溶銑1の脱硫処理を実施す
ることで、スラグ2の改質のための過剰なAl添加を防
止しつつ、スラグ2のFeO濃度を迅速に且つ安定して
低くすることができ、その結果、スラグ2中の酸素によ
る脱硫の阻害及び脱硫後の復硫が抑制され、到達硫黄濃
度を低位に安定させることが可能となる。
【0033】尚、上記説明では回転翼6を用いた脱硫方
法について説明したが、溶銑1中への不活性ガス吹き込
みによる脱硫方法においても、上記に沿って本発明を実
施することができる。但し、ガス吹き込み方式による攪
拌では、吹き込みガスによる抜熱や浸漬ランスによる抜
熱等により溶銑1の温度降下が大きいため、回転翼6を
用いた機械的攪拌方式が好ましい。又、上記説明では溶
銑保持容器3として取鍋型の溶銑鍋の例で説明している
が、トーピードカーであってもガス吹き込み方式による
攪拌を用いた脱硫方法により本発明を実施することがで
きる。
【0034】
【実施例】炭素濃度が4質量%以上で硫黄濃度が0.0
3〜0.06質量%である約140トンの溶銑を高炉か
ら溶銑鍋に出銑し、出銑後、溶銑の脱珪処理並びに脱珪
スラグの除滓を行った後、溶銑を収容した溶銑鍋を脱硫
処理設備へ搬送した。脱硫処理設備では、溶銑鍋内のス
ラグのFeO濃度を酸素センサーにより測定し、回転翼
を溶銑鍋内の溶銑に浸漬させて回転させ、Al含有スラ
グ改質剤として金属Alを用い、スラグを攪拌しつつ酸
素/Al比が250〜440の範囲となるように金属A
lの添加量を調整し、溶銑の脱硫に及ぼす酸素/Al比
の影響を調査する試験を行った。溶銑鍋内のスラグ量
(Ws )はスラグ厚みと溶銑鍋の内径と目視によるスラ
グの占める面積比から算出した。溶銑鍋内スラグの組成
はCaO−SiO2 系であった。
【0035】その後、溶銑鍋内へ脱硫剤として、CaO
−CaF2 系フラックスをCaO純分が10kg/tonとな
るように添加して脱硫処理を施し、処理後の溶銑から分
析試料を採取して化学分析し、脱硫処理による到達硫黄
濃度を調査した。
【0036】表1に各試験における試験条件及び試験結
果を示し、又、図2に酸素/Al比と到達硫黄濃度との
関係を示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1及び図2に示すように、酸素/Al比
が400を越えると、到達硫黄濃度が0.005質量%
以上となり、脱硫が不充分になることが分かった。又、
酸素/Al比が300未満では、到達硫黄濃度は0.0
05質量%以下であり、脱硫の点からは全く問題なかっ
たが、溶銑のAl濃度が増加するので成分調整に配慮す
る必要があり、過剰にAlが添加されているため、経済
的にも問題があることが分かった。これに対して、酸素
/Al比が300〜400の範囲では、Alが過剰に添
加されることもなく、到達硫黄濃度は安定して0.00
5質量%以下であった。
【0039】従来、スラグのFeO濃度を測定せずにA
l含有スラグ改質剤を添加して脱硫した場合にも、酸素
/Al比が偶然300〜400の範囲だったものは到達
硫黄濃度が低く且つ過剰のAl添加が防止されていた
が、その割合は70%程度であった。尚、表1の備考欄
には、本発明の範囲内で製造した試験は実施例と表示
し、本発明の範囲を外れた試験は比較例と表示した。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、溶銑の脱硫処理の際に
スラグを還元するためのAl含有スラグ改質剤をスラグ
中のFeO濃度に応じて添加するので、過剰なAlを添
加することなく、スラグのFeO濃度を安定して低くす
ることができ、その結果、スラグ中酸素による脱硫反応
の阻害及び復硫反応が抑制され、到達硫黄濃度を低位に
安定させて脱硫処理することが可能となり、工業上有益
な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスラグ改質の実施の形態の例を示
す模式図である。
【図2】酸素/Al比と脱硫処理後の溶銑中到達硫黄濃
度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 溶銑 2 スラグ 3 溶銑保持容器 4 Al含有スラグ改質剤 5 酸素センサー 6 回転翼 7 投入装置
フロントページの続き (72)発明者 菊地 良輝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 櫻井 栄司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K014 AA02 AB03 AB16 AB21 AC04 AC08 AC16 AD17 AD23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶銑保持容器内に収容された溶銑の脱硫
    処理を行うに際し、脱硫剤添加前に溶銑上に存在するス
    ラグのFeO濃度とスラグ量とを測定し、測定したスラ
    グ中FeO濃度とスラグ量とに応じて、下記の(1)式
    を満足するようにAl含有スラグ改質剤を溶銑保持容器
    内に添加し、スラグの酸化度を低減させて脱硫処理を施
    すことを特徴とする溶銑の脱硫処理方法。 (%FeO)Ws/400≦QAl≦(%FeO)Ws/300…(1) 但し、(1)式において各符号は以下を表すものであ
    る。 (%FeO):スラグ中のFeO濃度(質量%) Ws :スラグ量(kg/ton) QAl:Al含有スラグ改質剤中のAl添加量(kg/ton)
  2. 【請求項2】 Al含有スラグ改質剤を溶銑保持容器内
    に添加した後、溶銑とスラグとを攪拌し、次いで、脱硫
    剤を添加して脱硫処理を施すことを特徴とする請求項1
    に記載の溶銑の脱硫処理方法。
  3. 【請求項3】 スラグ中のFeO濃度を、固体電解質を
    用いた酸素センサーにより測定することを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の溶銑の脱硫処理方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012041598A (ja) * 2010-08-18 2012-03-01 Nippon Steel Corp 溶銑の脱硫方法
CN105219921A (zh) * 2014-06-03 2016-01-06 本钢板材股份有限公司 一种新型钢包改质剂
JP2016180133A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 株式会社神戸製鋼所 溶銑の脱硫方法
JP7401752B2 (ja) 2020-01-14 2023-12-20 日本製鉄株式会社 モデル構築装置、予測装置、モデル構築方法、予測方法及びコンピュータプログラム

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