JP7188089B2 - Cr含有鋼の精錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼の精錬方法に関し、さらに詳しくは、Crを含有する鋼であるCr含有鋼の精錬方法に関する。
ステンレス鋼に代表される、Crを含有する鋼の精錬方法の一例として、次の方法が知られている。はじめに、Crを含有する溶鋼を反応容器に収納して、反応容器内の溶鋼に対して大気圧下において脱炭処理を実施する(粗脱炭精錬工程)。粗脱炭精錬工程での脱炭処理により、スラグが生成する。粗脱炭精錬工程後の溶鋼の液面には、脱炭処理により生成したスラグが浮上している。粗脱炭精錬工程において、溶鋼中のCrが酸化してCr23が生成する。Cr23はスラグ中に吸収される。そこで、反応容器に脱酸剤を添加して、スラグ中のCr23を還元し、Crを溶鋼中に回収する(Cr還元処理工程)。粗脱炭精錬工程及びCr還元処理工程はたとえば、電気炉法、転炉法、又は、VAD(Vacuum Arc Degassing)法により実施される。Cr還元処理後、溶鋼からスラグを除滓する(除滓処理工程)。
Cr含有鋼の場合、CrによりC活量が低下するため、脱炭反応が抑制されてしまう。そこで、除滓処理工程後の溶鋼に対してさらに、仕上げの脱炭処理を実施する(仕上げ脱炭精錬工程)。仕上げ脱炭精錬工程では、減圧下において脱炭処理を実施する。減圧下で脱炭処理を実施すれば、雰囲気中のCOガス分圧(PCO)が低くなり、溶鋼中のCrの酸化が抑制される。そのため、減圧下で脱炭処理を実施すれば、Crの酸化を抑制しつつ、溶鋼中のC濃度をさらに下げることができる。仕上げ脱炭精錬工程後、溶鋼に脱酸剤を添加して、スラグ中のCr23を還元するCr還元処理を再び実施する(Cr還元処理工程)。仕上げ脱炭精錬工程、及び、仕上げ脱炭精錬工程後のCr還元処理工程はたとえば、VOD(Vacuum Oxygen Decarburization)法により実施される。Cr還元処理工程後、溶鋼に対して最終の成分調整を実施する。以上の方法により、Cr含有鋼の精錬方法が実施される。精錬方法を実施後の溶鋼を周知の方法で鋳造して、Cr含有鋼材とする。周知の鋳造方法は、連続鋳造法や造塊法である。
Cr含有鋼の精錬方法では、製造コストの低減が望まれている。そこで、特開昭56-17405号公報(特許文献1)では、Cr含有鋼の一例であるステンレス鋼の精錬方法において、粗脱炭精錬工程後のCr還元処理工程を省略することにより、製造コストを抑えた精錬方法が提案されている。
具体的には、特許文献1に提案されたステンレス鋼の精錬方法は、電気炉又は転炉での大気圧下での脱炭精錬工程と、減圧下での脱ガス工程とを含む。この精錬方法では、電気炉又は転炉での大気圧下での脱炭精錬工程で発生した酸化クロム含有スラグをそのまま減圧下での脱ガス工程に移行する。そして、減圧下での脱ガス工程において、スラグ中の酸化クロムを溶鋼中の残留炭素により還元する。特許文献1に提案されたステンレス鋼の精錬方法は、大気圧下における脱炭精錬工程後のCr還元処理工程を省略できる。そのため、経済性及び作業性を向上できる、と記載されている。
特開昭56-17405号公報
特許文献1に記載の精錬方法では、粗脱炭精錬工程にて生成したスラグ中のCr23を、次工程の減圧下での脱ガス工程において、脱炭剤として利用する。ところで、粗脱炭精錬工程と、その後の仕上げ脱炭精錬工程とを、異なる反応容器で実施する場合、粗脱炭精錬工程後の溶鋼を、粗脱炭精錬用の反応容器から、仕上げ脱炭精錬用の反応容器に出鋼する。このとき、スラグが粗脱炭精錬工程用の反応容器から仕上げ脱炭精錬用の反応容器に十分に排出しきれない場合がある。この場合、粗脱炭精錬工程用の反応容器に残存するスラグ中のCr23は、仕上げ脱炭精錬工程時に脱炭剤として利用することができない。そのため、仕上げ脱炭精錬工程において脱炭剤としてスラグのみを利用する場合、酸素源が不足する場合があり、その場合、追加の酸素源として酸素吹精等を実施しなければならない。また、スラグが粗脱炭精錬工程用の反応容器に過剰に残存してしまうと、粗脱炭精錬中に酸化してスラグに吸収されたCrを十分に回収できない。この場合、精錬工程でのCrの歩留まりが低下してしまい、精錬工程後に実施される最終の成分調整工程において、Crを追加で添加しなければならない。したがって、粗脱炭精錬工程と仕上げ脱炭精錬工程とを異なる反応容器を用いて実施する場合であって、粗脱炭精錬工程で生成したスラグを仕上げ脱炭精錬工程に使用する場合、粗脱炭精錬工程で生成したスラグの排出性が高いことが望まれる。
本開示の目的は、粗脱炭精錬工程で生成したスラグの排出性を高めることができる、Cr含有鋼の精錬方法を提供することである。
本開示によるCr含有鋼の精錬方法は、準備工程と、粗脱炭精錬工程と、出鋼工程と、仕上げ脱炭精錬工程と、Cr還元処理工程とを備える。
準備工程では、Crを含有する溶鋼を収納した、粗脱炭精錬用反応容器を準備する。
粗脱炭精錬工程では、粗脱炭精錬用反応容器に収納された溶鋼に対して、大気圧下又は減圧下において、脱炭処理を実施する。
出鋼工程では、粗脱炭精錬工程後の粗脱炭精錬用反応容器を傾けて、粗脱炭精錬用反応容器内の溶鋼と、粗脱炭精錬用反応容器内のスラグとを、仕上げ脱炭精錬用反応容器に出鋼する。上記スラグ中のCr23濃度は質量%で7.0~17.5%であり、スラグ中のCaO濃度のSiO2濃度に対する比であるスラグ塩基度は1.0~1.6である。
仕上げ脱炭精錬工程では、仕上げ脱炭精錬用反応容器内の溶鋼及びスラグに対して、減圧下において、スラグ中のCr23と溶鋼中のCとを反応させる脱炭処理を実施する。
Cr還元処理工程では、仕上げ脱炭精錬工程後の仕上げ脱炭精錬用反応容器内に脱酸剤を添加して、スラグ中のCr23を還元する。
本開示によるCr含有鋼の精錬方法は、粗脱炭精錬工程で生成したスラグの排出性を高めることができる。
図1は、粗脱炭精錬工程において利用される粗脱炭精錬用反応容器と、仕上げ脱炭精錬工程において利用される仕上げ脱炭精錬用反応容器との模式図である。 図2は、粗脱炭精錬用反応容器内の溶鋼及びスラグを、仕上げ脱炭精錬用反応容器に出鋼する様子を示す模式図である。 図3は、熱力学計算ソフトを用いて得られた、1730℃における本実施形態のCr含有鋼の精錬工程で生成するスラグ(CaO-Cr23-SiO2系スラグ)の3元系状態図である。 図4は、図3の3元系状態図において、スラグの固相率を低下させて液相率を高める方法を説明するための模式図である。 図5は、熱力学計算ソフトによるシミュレートにより得られた、粗脱炭精錬工程後のスラグ中のCr23濃度(質量%)とスラグの液相率(%)との関係を示す図である。 図6は、熱力学計算ソフトによるシミュレートにより得られた、粗脱炭精錬工程後のスラグ中の塩基度とスラグの液相率(%)との関係を示す図である。 図7は、粗脱炭精錬工程後のスラグ中のCr23濃度が17.5%以下の範囲における、塩基度と、スラグの排出率との関係を示す図である。 図8は、本実施形態のCr含有鋼の精錬方法の工程を示すフロー図である。
本発明者らは、粗脱炭精錬工程後、粗脱炭精錬工程で生成したCr23を脱炭剤として利用する仕上げ脱炭精錬工程を実施するCr含有鋼の精錬方法において、粗脱炭精錬工程後のスラグの排出性を高める方法を検討した。
本発明者らは、はじめに、粗脱炭精錬工程後の溶鋼及びスラグを、粗脱炭精錬用反応容器から仕上げ脱炭精錬用反応容器に出鋼する方法について検証した。図1に示すとおり、粗脱炭精錬工程を転炉法又はAOD法で実施し、仕上げ脱炭精錬工程をVOD法で実施する場合を想定する。この場合、粗脱炭精錬用反応容器1は、上部に開口部11を有する。また、仕上げ脱炭精錬用反応容器2も、上部に開口部21を有する。粗脱炭精錬工程では、脱炭処理によりスラグ4が生成される。スラグ4の比重は溶鋼3の比重よりも軽いため、スラグ4は溶鋼3の液面上に浮上する。
粗脱炭精錬用反応容器1内の溶鋼3及びスラグ4を、仕上げ脱炭精錬用反応容器2に出鋼する場合、図2に示すとおり、粗脱炭精錬用反応容器1を傾けて、粗脱炭精錬用反応容器1の開口部11から、溶鋼3及びスラグ4を、仕上げ脱炭精錬用反応容器2に注ぐ。
この出鋼工程時において、溶鋼3は粗脱炭精錬用反応容器1から仕上げ脱炭精錬用反応容器2に容易に排出されるものの、スラグ4は、粗脱炭精錬用反応容器1を傾けても、粗脱炭精錬用反応容器1の内壁面上を滑りにくく、粗脱炭精錬用反応容器1から排出されない場合があることが、本発明者らの検証により判明した。そこで、本発明者らは、この原因について検討を行った。その結果、次の事項が判明した。
上述のとおり、周知の粗脱炭精錬工程の場合、スラグ4中のCrを溶鋼3に還元するために、脱炭処理後に脱酸剤を添加してCr還元処理を実施する。この場合、スラグ4中のCr23濃度は低下し、スラグ4の流動性が高くなる。そのため、スラグ4の排出性は高く、粗脱炭精錬用反応容器1にスラグ4が残存しにくい。
一方、粗脱炭精錬工程にて生成したスラグ4を仕上げ脱炭精錬工程の脱炭剤として利用する場合、スラグ4中の酸素源となるCr23濃度をある程度確保する必要がある。そのため、たとえば、特許文献1のように、粗脱炭精錬工程の脱炭処理後のCr還元処理工程を省略して、スラグ4中のCr23濃度を確保する。スラグ4中のCr23濃度をある程度確保すれば、スラグ4の流動性が低下する。そのため、粗脱炭精錬工程で生成したスラグ4中のCr23を脱炭剤として利用する仕上げ脱炭精錬工程を実施する場合、粗脱炭精錬工程後のスラグ4の排出性が低下する。その結果、粗脱炭精錬用反応容器1を傾けて、仕上げ脱炭精錬用反応容器2に溶鋼3及びスラグ4を出鋼しても、スラグ4が粗脱炭精錬用反応容器1に残存してしまう場合がある。
スラグ4が粗脱炭精錬用反応容器1に多く残存すれば、粗脱炭精錬工程において酸化物としてスラグ4に吸収されたCrを、仕上げ脱炭精錬工程において十分に回収することができない。その結果、Cr含有鋼の精錬方法において、Cr回収量が低減する。
以上の検証の結果、本発明者らは、粗脱炭精錬工程後のスラグ4の排出性に注目した。粗脱炭精錬工程後のスラグ4の排出性を高めれば、つまり、粗脱炭精錬工程後に粗脱炭精錬用反応容器1を傾けて仕上げ脱炭精錬用反応容器2に出鋼するときにスラグ4が粗脱炭精錬用反応容器1から仕上げ脱炭精錬用反応容器2に排出されやすければ、より多くのスラグ4が仕上げ脱炭精錬用反応容器2に収納される。この場合、仕上げ脱炭精錬工程において、スラグ4中のCrをより多く回収して溶鋼中にCrを還元することが可能である。
そこで、本発明者らは、粗脱炭精錬工程後のスラグ4の排出性を高める方法について検討を行った。その結果、粗脱炭精錬工程後のスラグ4の排出性を高める方法の一つとして、粗脱炭精錬工程後のスラグ4の固相率を低下させて液相率を高めれば、スラグ4の流動性が高まり、粗脱炭精錬用反応容器1を傾けたときにスラグ4を排出させやすいと考えた。粗脱炭精錬用反応容器1を傾けたとき、固体状態のスラグ4よりも液体状態のスラグ4の方が流動性が高く、粗脱炭精錬用反応容器1の内壁面を滑りやすい。したがって、粗脱炭精錬用反応容器1内のスラグ4の固相率を低下させて液相率を高めれば、粗脱炭精錬用反応容器1を傾けたときにスラグ4が粗脱炭精錬用反応容器1から流れやすくなり、スラグ4の排出性がより高まると考えられる。
そこで、本発明者らは、粗脱炭精錬工程後のスラグの固相率を低下させて液相率を高めるために、スラグの組成について検討を行った。
粗脱炭精錬工程において、Crを含有する溶鋼に対して、転炉法又はAOD法により脱炭処理を実施する場合、CaO、Cr23、及び、SiO2を含有するCaO-Cr23-SiO2系スラグが生成する。なお、このとき生成するスラグは、CaO、Cr23、及び、SiO2の他に、Fe、MgO等も含有するが、CaO、Cr23、及び、SiO2はスラグの状態(固相、液相)に大きく影響するため、CaO、Cr23、及び、SiO2に注目して検討することが有効であると考えられる。
図3は、熱力学計算ソフトである商品名FactStageを用いて得られた、1730℃におけるCaO-Cr23-SiO2系スラグの状態図である。図3を参照して、粗脱炭精錬工程後のスラグの組成が図3中の領域10である場合、スラグは、Ca6SiO5、Ca2SiO4、及び、CaCr24を含む固相である。この場合、スラグの流動性は低い。そのため、スラグは粗脱炭精錬用反応容器から排出されにくいと考えられる。
一方、図3中のハッチングされた領域15は液相域である。したがって、図4中の矢印A1及びA2に示すとおり、粗脱炭精錬工程後のスラグの組成を、領域10から領域15に近づければ、スラグの固相率が低下して液相率が高まる。その結果、スラグの流動性が高まり、粗脱炭精錬用反応容器におけるスラグの排出性が高まると考えられる。
粗脱炭精錬工程後のスラグの固相率を低下させて液相率を高めるには、図4に示すとおり、スラグ中のCr23濃度(質量%)を低減し(図4中の矢印A1)、かつ、スラグ塩基度を低減する(図4中の矢印A2)ことが有効である。ここで、スラグ塩基度とは、スラグ中のCaO濃度(質量%)のSiO2濃度(質量%)に対する比であり、次の式で定義される。
スラグ塩基度=スラグ中のCaO濃度/スラグ中のSiO2濃度
以上の検討結果に基づいて、本発明者らは、粗脱炭精錬工程後のスラグ中のCr23濃度とスラグの液相率との関係、及び、粗脱炭精錬工程後のスラグ塩基度とスラグの液相率との関係について、上述の熱力学計算ソフトによりシミュレートを行った。図5は、熱力学計算ソフトによるシミュレートにより得られた、スラグ中のCr23濃度(質量%)とスラグの液相率(%)との関係を示す図である。図6は、熱力学計算ソフトによるシミュレートにより得られた、スラグ中の塩基度とスラグの液相率(%)との関係を示す図である。図5では、シミュレート条件として、粗脱炭精錬工程後の溶鋼温度を1730℃とし、スラグ中の塩基度(=CaO濃度/SiO2濃度)を1.5とした。図6では、シミュレート条件として、粗脱炭精錬工程後の溶鋼温度を1730℃とし、スラグ中のCr23濃度を9.0%とした。
[スラグ中のCr23濃度について(図4中の矢印A1)]
図5を参照して、スラグ中のCr23濃度が6.0%である場合、CaO-Cr23-SiO2系スラグの液相率は100%となる。そして、Cr23濃度が6.0%から増大するに従い、CaO-Cr23-SiO2系スラグの液相率が低下する。上述のシミュレート条件では、Cr23濃度が17.5%以下であれば、CaO-Cr23-SiO2系スラグの液相率を90%以上とすることができる。
[スラグ塩基度について(図4中の矢印A2)]
さらに、図6を参照して、上述のシミュレート条件において、スラグ塩基度が1.0~1.6では、スラグ塩基度が増加してもスラグの液相率は94.0%以上と高く、液相率は94.0~96.0%でほぼ一定である。一方、塩基度が1.6を超えると、スラグの液相率は急激に低下して、80%未満となる。
以上のスラグ中のCr23濃度、及び、スラグ塩基度の検討結果に基づいて、本発明者らは、粗脱炭精錬工程後のスラグ中のCr23濃度を17.5%以下とし、かつ、スラグ塩基度を1.0~1.6とすれば、粗脱炭精錬工程後のスラグの液相率を高く維持でき、その結果、出鋼時のスラグの排出性を高めることができると考えた。そこで、後述の実施例に示す試験を実施して、粗脱炭精錬工程後のスラグ中のCr23濃度が17.5%以下の範囲における、スラグ塩基度と、スラグの排出率との関係を調査した。
図7は、粗脱炭精錬工程後のスラグ中のCr23濃度が17.5%以下の範囲における、スラグ塩基度と、スラグの排出率との関係を示す図である。ここで、スラグの排出率(%)は、次の式(A)で定義される。
スラグの排出率=仕上げ脱炭精錬工程後の回収Cr量/粗脱炭精錬工程後のスラグ中のCr量×100 (A)
ここで、式(A)中の「粗脱炭精錬工程後のスラグ中のCr量」(単位はkg)は次式(B)で定義される。また、式(A)中の「仕上げ脱炭精錬工程後の回収Cr量」(単位はkg)は次式(C)で定義される。
粗脱炭精錬工程後のスラグ中のCr量=粗脱炭精錬工程時に溶鋼に投入されたCr量(kg)-粗脱炭精錬工程後の溶鋼の質量(kg)×粗脱炭精錬工程後の溶鋼のCr濃度(%) (B)
仕上げ脱炭精錬工程後の回収Cr量(kg)=仕上げ脱炭精錬工程後の溶鋼の質量(kg)×仕上げ脱炭精錬工程後の溶鋼のCr濃度(%)-粗脱炭精錬工程後の溶鋼の質量(kg)×粗脱炭精錬工程後の溶鋼のCr濃度(%)-仕上げ脱炭精錬工程時に投入されたCr量(kg) (C)
図7を参照して、Cr23濃度が17.5%以下の範囲において、スラグ塩基度(CaO/SiO2)を1.0~1.6とすれば、上記式で定義されたスラグ排出率が80%以上となり、スラグの排出性を高めることができた。一方、スラグ塩基度が1.6を超えると、塩基度の増加とともに、スラグ排出率が急激に低下した。つまり、図7において、スラグ塩基度とスラグ排出率との関係において、塩基度=1.6近傍に変曲点がみられた。
以上の検討結果から、本発明者らは、Cr含有鋼の精錬方法において、粗脱炭精錬工程後のスラグ中のCr23濃度を17.5%以下とし、かつ、塩基度を1.0~1.6とすることにより、スラグの排出性が高まることを見出した。
以上の知見に基づいて完成した本実施形態のCr含有鋼の精錬方法は、準備工程と、粗脱炭精錬工程と、出鋼工程と、仕上げ脱炭精錬工程と、Cr還元処理工程とを備える。
準備工程では、Crを含有する溶鋼を収納した、粗脱炭精錬用反応容器を準備する。
粗脱炭精錬工程では、粗脱炭精錬用反応容器に収納された溶鋼に対して、大気圧下又は減圧下において、脱炭処理を実施する。
出鋼工程では、粗脱炭精錬工程後の粗脱炭精錬用反応容器を傾けて、粗脱炭精錬用反応容器内の溶鋼と、粗脱炭精錬用反応容器内のスラグとを、仕上げ脱炭精錬用反応容器に出鋼する。上記スラグ中のCr23濃度は質量%で7.0~17.5%であり、スラグ中のCaO濃度のSiO2濃度に対する比であるスラグ塩基度は1.0~1.6である。
仕上げ脱炭精錬工程では、仕上げ脱炭精錬用反応容器内の溶鋼及びスラグに対して、減圧下において、スラグ中のCr23と溶鋼中のCとを反応させる脱炭処理を実施する。
Cr還元処理工程では、仕上げ脱炭精錬工程後の仕上げ脱炭精錬用反応容器内に脱酸剤を添加して、スラグ中のCr23を還元する。
上述のCr含有鋼の精錬方法では、粗脱炭精錬工程後であって出鋼工程前に、粗脱炭精錬用反応容器に脱酸剤を添加してスラグ中のCr23を還元するCr還元処理を省略してもよい。
上述のCr含有鋼の精錬方法では、出鋼工程後であって、仕上げ脱炭精錬工程前に、仕上げ脱炭精錬用反応容器内のスラグを除滓する除滓処理を省略してもよい。
上述のCr含有鋼の精錬方法において、粗脱炭精錬工程では、AOD法又はV-AOD法により溶鋼に対して脱炭処理を実施してもよい。
上述のCr含有鋼の精錬方法において、仕上げ脱炭精錬工程では、減圧下において、溶鋼及びスラグに対する酸素吹精を省略してもよい。
以下、本実施形態のCr含有鋼の精錬方法について詳述する。
[製造工程]
図8は、本実施形態のCr含有鋼の精錬方法の工程を示すフロー図である。図8を参照して、本実施形態のCr含有鋼の精錬方法は、準備工程(S1)と、粗脱炭精錬工程(S2)と、出鋼工程(S3)と、仕上げ脱炭精錬工程(S4)と、Cr還元処理工程(S5)とを含む。以下、各工程について説明する。
[準備工程(S1)]
準備工程(S1)では、Crを含有する溶鋼を収納した粗脱炭精錬用反応容器を準備する。
[溶鋼について]
本実施形態の精錬方法の対象となる溶鋼は、Crを含有している。溶鋼の化学組成は、Crを含有している他は特に限定されない。溶鋼にCrが少しでも含有されていれば、本実施形態の精錬方法の効果がある程度は得られる。溶鋼中のCr含有量はたとえば、質量%で5.0%以上である。溶鋼中のCr含有量が質量%で8.0%以上であれば、本実施形態の精錬方法において、より有効に効果が得られる。溶鋼中のCr含有量は9.0%以上であってもよいし、10.5%以上であってもよい。溶鋼中のCr含有量の上限は特に限定されないが、たとえば、30.0%であり、より好ましくは28.0%であり、さらに好ましくは26.0%である。
本実施形態の精錬方法を実施する前に、溶鋼に対して周知の予備処理(溶銑予備処理)を実施してもよい。予備処理はたとえば、脱硫処理、脱珪処理、脱燐処理等である。
脱硫処理では、溶鋼中の硫黄(S)を低減、除去する。脱硫処理はたとえば、CaO、CaC2、Mg等の脱硫剤を溶鋼に吹き込んで実施してもよいし、溶鋼が収納された反応容器(溶銑鍋)に対してKR(Kanbara Reactor)法に基づいて実施してもよい。
脱珪処理では、溶鋼中の珪素(Si)を低減、除去する。脱珪処理はたとえば、溶鋼中にミルスケール、焼結鉱等の脱珪剤を添加して実施してもよいし、反応容器に収納された溶鋼を不活性ガス等で撹拌しながら溶鋼に酸素を吹き込むことにより実施してもよい。
脱燐処理では、溶鋼中の燐(P)を低減、除去する。脱燐処理はたとえば、石灰、酸化鉄、蛍石等の脱燐剤を溶鋼中に添加して実施してもよいし、反応容器に収納された溶鋼を不活性ガス等で撹拌しながら溶鋼に酸素を吹き込む(酸素吹精)ことにより、上述の脱珪処理と同時に脱燐処理を実施してもよい。
上述の脱珪処理及び脱燐処理は、粗脱炭精錬工程前に、粗脱炭精錬用反応容器に収納された溶鋼に対して実施してもよい。
準備工程(S1)において、溶鋼を収納する粗脱炭精錬用反応容器は周知の反応容器を利用すればよい。次工程の粗脱炭精錬工程(S2)を転炉法により実施する場合、粗脱炭精錬用反応容器は転炉である。粗脱炭精錬工程(S2)をAOD法又はV-AOD法(減圧高速脱炭法)により実施する場合、粗脱炭精錬用反応容器はAOD炉である。転炉法、AOD法、又は、V-AOD法により粗脱炭精錬工程(S2)を実施する場合、図1に示すとおり、粗脱炭精錬用反応容器1は、上部に開口部11を有する。
粗脱炭精錬工程(S2)を転炉法により実施する場合、上述のとおり、粗脱炭精錬工程(S2)を実施する前に、粗脱炭精錬用反応容器(転炉)に収納されている溶鋼に対して、脱珪処理及び脱燐処理を実施してもよい。この場合、脱珪処理及び脱燐処理後に溶鋼の液面に浮上したスラグには、多数の珪素酸化物及び燐酸化物が含有されている。そのため、粗脱炭精錬工程(S2)を実施する前に、脱珪処理及び脱燐処理により生成したスラグを除滓してもよい。また、粗脱炭精錬工程(S2)を実施する前に、溶鋼にCr源を添加して、溶鋼中のCr濃度を調整してもよい。
[粗脱炭精錬工程(S2)]
粗脱炭精錬工程(S2)では、粗脱炭精錬用反応容器に収納された溶鋼に対して、大気圧下又は減圧下において脱炭処理を実施する。ここで、「大気圧下」とは、粗脱炭精錬工程(S2)を実施する雰囲気の気圧が大気圧であることを意味する。また、「減圧下」とは、粗脱炭精錬工程を実施する雰囲気の気圧が大気圧よりも低いことを意味する。
粗脱炭精錬工程(S2)を転炉法により実施する場合、たとえば、大気圧下において、溶鋼に酸素及び不活性ガスを吹き込んで、酸素及び不活性ガスにより溶鋼を撹拌しながら、酸素による脱炭処理を実施する。不活性ガスはたとえば、窒素ガス又は希ガス(たとえばアルゴンガス)である。脱炭処理中において、溶鋼中の炭素が酸素と反応してCO又はCO2となり、溶鋼中のC濃度が低下する。
粗脱炭精錬工程(S2)をAOD法により実施する場合、AOD炉(粗脱炭精錬用反応容器)の下部側面に配設された羽口から、酸素及び不活性ガスの混合ガスをAOD炉内の溶鋼に吹き込み、大気圧下にて脱炭処理を行う。AOD法では、不活性ガスを利用することにより、雰囲気中のCOガス分圧(PCO)を低下する。これにより、溶鋼中のCrの酸化を抑制しながら脱炭を行うことができる。
粗脱炭精錬工程(S2)をV-AOD法により実施する場合、AOD炉の下部側面に配設された羽口から酸素と不活性ガスとの混合ガスをAOD炉内の溶鋼に吹き込み、かつ、AOD炉上方に配置される真空蓋によりAOD炉を閉空間とする。そして、AOD炉内の雰囲気の気圧を大気圧よりも低くして、減圧下において、脱炭処理を実施する。
粗脱炭精錬工程(S2)により、粗脱炭精錬用反応容器内の溶鋼中の炭素が酸素と反応してCO又はCO2ガスとなり、溶鋼から外部に放出される。そのため、溶鋼中のC濃度が低下する。粗脱炭精錬工程(S2)ではさらに、スラグが生成する。スラグは、脱炭処理時において、溶鋼中の元素等が酸化することにより生成し、Fe、SiO2、MgO、CaO、Cr23等を含有している。スラグの比重は溶鋼の比重よりも軽いため、溶鋼中を浮上して、溶鋼の液面上に浮いている。なお、周知ではあるが、粗脱炭精錬工程時(S2)において、溶鋼に対して、酸化カルシウム(CaO)を主成分とする周知のスラグ原料を添加(投入)する。
なお、本実施形態では、溶鋼がCrを含有するため、粗脱炭精錬工程(S2)において、溶鋼への酸素の吹き込みにより、溶鋼中の炭素が酸素と反応するだけでなく、溶鋼中のCrも酸素も反応して、Cr酸化物(Cr23)が生成する。生成したCr23は、上述のとおり、スラグに吸収される。
粗脱炭精錬工程(S2)において、脱炭処理時における溶鋼の温度は、周知の温度で足りる。粗脱炭精錬工程(S2)における脱炭処理時の溶鋼温度はたとえば、1600~1800℃である。好ましくは、後述のとおり、出鋼工程での溶鋼温度が1720~1740℃となるように、脱炭処理時の溶鋼温度を調整すればよい。なお、スラグ温度は実質的に、溶鋼温度と等しくなる。
[粗脱炭精錬工程(S2)後、仕上げ脱炭精錬工程(S4)前の処理について]
本実施形態では、粗脱炭精錬工程(S2)後であって、仕上げ脱炭精錬工程(S4)前に、粗脱炭精錬用反応容器内の溶鋼及びスラグに対して脱酸剤を添加するCr還元処理を省略する。本実施形態では、粗脱炭精錬工程(S2)により生成したスラグ中のCr23を仕上げ脱炭精錬工程(S4)において脱炭剤として利用するため、Cr還元処理を実施する必要がないためである。Cr還元処理を省略すれば、製造コストを抑えることができる。なお、この場合、粗脱炭精錬工程(S2)において、出鋼時におけるスラグ中のCr23の濃度が7.0~17.5%となり、スラグ塩基度が1.0~1.6となるように調整する。スラグ中のCr23濃度及びスラグ塩基度はたとえば、スラグ原料の組成(CaO等)を調整することにより調整可能である。
なお、本実施形態において、粗脱炭精錬工程(S2)後であって、仕上げ脱炭精錬工程(S4)前に、溶鋼及びスラグに対して脱酸剤を添加して、Cr還元処理を実施してもよい。ここで、脱酸剤はたとえば、Si及びAlであり、より具体的には、フェロシリコンや金属アルミニウムである。ただし、本実施形態では、仕上げ脱炭精錬工程(S4)において、スラグ中のCr23を脱炭剤として利用するため、Cr還元処理を実施する場合においても、出鋼時において、スラグ中のCr23の濃度が質量%で7.0~17.5%であり、スラグ塩基度が1.0~1.6となるようにする。
[出鋼工程(S3)]
出鋼工程(S3)では、粗脱炭精錬工程(S2)後の溶鋼及びスラグを、粗脱炭精錬用反応容器から仕上げ脱炭精錬用反応容器に出鋼する。仕上げ脱炭精錬用反応容器は、仕上げ脱炭精錬用の周知の反応容器を利用すればよい。仕上げ脱炭精錬用反応容器はたとえば、取鍋である。出鋼工程(S3)において、出鋼されるスラグ中のCr23濃度は、質量%で7.0~17.5%であり、かつ、スラグ中のCaOのSiO2に対する比である塩基度は、1.0~1.6である。
ここで、本実施形態において、出鋼されるスラグ中のCr23濃度は、出鋼前の粗脱炭精錬用反応容器内のスラグを採取して測定される。具体的には、スラグ中のCr23濃度は次の方法で測定される。出鋼前の粗脱炭精錬用反応容器内から、スラグのサンプルを採取する。採取されたスラグのサンプルに対して、周知の蛍光X線分析により、スラグ中のCr23濃度を求める。具体的には、スラグのサンプルに対して、周知の蛍光X線分析装置(X-ray Fluorescence Spectrometry:XRF)を用いて、JIS K 0119(2008)に準拠した蛍光X線分析を実施して、スラグ中のCr23濃度を求める。なお、本明細書において、Cr23濃度は、小数第2位を四捨五入して、小数第1位で示す。
また、本実施形態において、出鋼されるスラグのスラグ塩基度は、出鋼前の粗脱炭精錬用反応容器内のスラグを採取して測定される。具体的には、スラグ塩基度は次の方法で測定される。出鋼前の粗脱炭精錬用反応容器内から、スラグのサンプルを採取する。サンプルを用いて、上述と同じ方法により、スラグ中のCaO濃度(質量%)、及び、SiO2濃度(質量%)を測定する。得られたCaO濃度及びSiO2濃度を用いて、以下の式から、スラグ塩基度を求める。
スラグ塩基度=スラグ中のCaO濃度/スラグ中のSiO2濃度
なお、本明細書において、スラグ中のCaO濃度(質量%)は小数第2位を四捨五入して小数第1位で示す。また、スラグ中のSiO2濃度(質量%)は小数第2位を四捨五入して小数第1位で示す。さらに、スラグ塩基度は小数第2位を四捨五入して、小数第1位で示す。
[出鋼時のスラグ中のCr23濃度:7.0~17.5%]
本実施形態のCr含有鋼の精錬方法では、粗脱炭精錬工程(S2)にて生成し、粗脱炭精錬用反応容器内に収納されているスラグ中のCr23を脱炭剤として利用して、仕上げ脱炭精錬工程(S4)を実施する。仕上げ脱炭精錬工程(S4)において、脱炭剤として利用されたCr23は還元され、還元されたCrは溶鋼中に回収される。精錬処理でのCr歩留まりを考慮すれば、粗脱炭精錬工程(S2)により生成したスラグ中のCrは、なるべく溶鋼中に回収できる方が好ましい。したがって、出鋼工程(S3)において、粗脱炭精錬用反応容器内のスラグを、仕上げ脱炭精錬用反応容器内になるべく多く排出するのが好ましい。
出鋼工程(S3)では、図2に示すとおり、粗脱炭精錬用反応容器1を傾けて、粗脱炭精錬用反応容器1の開口部11から溶鋼3及びスラグ4を仕上げ脱炭精錬用反応容器2に注ぐ。スラグ4の流動性が低ければ、スラグ4が粗脱炭精錬用反応容器1の内壁面を滑りにくくなる。そのため、粗脱炭精錬用反応容器1を傾けても、スラグ4は粗脱炭精錬用反応容器1内に留まりやすくなり、スラグ4の排出性が低下する。そこで、本実施形態では、上述のとおり、スラグ4の固相率を低下させて液相率を高めることにより、スラグ4の排出性を高める。
具体的には、本実施形態では、出鋼時のスラグ中のCr23濃度を質量%で7.0~17.5%とする。図5に示すとおり、Cr23濃度が17.5%以下であれば、スラグ塩基度を1.0~1.6にすることを前提として、スラグの液相率を90%以上とすることができ、スラグの流動性を確保できる。したがって、出鋼時におけるスラグ中のCr23の濃度を質量%で17.5%以下とする。出鋼時におけるスラグ中のCr23の濃度の好ましい上限は質量%で17.3%であり、さらに好ましくは17.1%であり、さらに好ましくは、17.0%である。
一方、出鋼時のスラグ中のCr23の濃度が低すぎれば、スラグの液相率は十分に高く維持されるものの、仕上げ脱炭精錬工程(S4)において脱炭剤として機能するCr23量が不足する。そのため、仕上げ脱炭精錬工程(S4)において、スラグを利用した脱炭処理を十分に実施できない。したがって、出鋼時におけるスラグ中のCr23濃度を質量%で7.0%以上とする。出鋼時におけるスラグ中のCr23の濃度の好ましい上限は質量%で7.2%であり、さらに好ましくは7.4%であり、さらに好ましくは、7.6%である。
[出鋼時のスラグ塩基度:1.0~1.6]
上述のとおり、粗脱炭精錬用反応容器内のスラグの液相率には、Cr23濃度だけでなく、スラグ塩基度も影響する。図6に示すとおり、スラグ塩基度が1.6を超える場合、スラグ中のCr23濃度が7.0~17.5%であっても、スラグの液相率が90%未満となり、スラグの流動性が顕著に低下する。この場合、図7に示すとおり、スラグの排出性が低く、粗脱炭精錬用反応容器を傾けても、スラグが仕上げ脱炭精錬用反応容器に排出されにくい。
スラグ塩基度が1.6以下であれば、スラグ中のCr23濃度が7.0~17.5%であることを前提として、スラグの液相率が90%以上となる。そのため、粗脱炭精錬用反応容器を傾けたときに、スラグが仕上げ脱炭精錬用反応容器に排出されやすくなる。出鋼時のスラグ塩基度の好ましい上限は1.5であり、さらに好ましくは1.4であり、さらに好ましくは1.3である。
一方、出鋼時のスラグ塩基度の下限が1.0未満であれば、粗脱炭精錬用反応容器内の内壁が溶損しやすくなる。したがって、出鋼時のスラグ塩基度は1.0以上である。出鋼時のスラグ塩基度の好ましい下限は1.1であり、さらに好ましくは1.2である。
[除滓処理工程について]
背景技術にて説明したとおり、粗脱炭精錬工程及び仕上げ脱炭精錬工程を含む従来の精錬方法では、仕上げ脱炭精錬工程前に、仕上げ脱炭精錬用反応容器内のスラグを除滓する除滓処理を実施する。しかしながら、本実施形態の仕上げ脱炭精錬工程(S4)では、仕上げ脱炭精錬用反応容器内のスラグのCr23を脱炭剤として利用して、脱炭処理を実施する。そのため、出鋼工程(S3)後、仕上げ脱炭精錬工程(S4)前において、溶鋼の液面に浮上しているスラグを除去する除滓処理は省略される。
[仕上げ脱炭精錬工程(S4)]
出鋼工程(S3)後、仕上げ脱炭精錬用反応容器内の溶鋼及びスラグに対して、仕上げ脱炭精錬工程(S4)を実施する。仕上げ脱炭精錬工程(S4)では、仕上げ脱炭精錬用反応容器内の雰囲気の気圧を、大気圧よりも減圧して、脱炭処理を実施する。大気圧下と比較して、減圧下では、雰囲気中のCOガス分圧(PCO)が低くなり、Crが溶鋼に溶解しやすくなる。そのため、溶鋼中のCrの酸化が抑制され、かつ、脱炭処理が進行する。本実施形態では、上述のとおり、粗脱炭精錬工程(S2)にて生成したスラグを、仕上げ脱炭精錬工程(S4)の脱炭剤として利用する。これにより、粗脱炭精錬工程(S2)において、Cr還元処理や、スラグを排滓する除滓処理を省略することができ、製造コストを抑えることができる。
仕上げ脱炭精錬工程(S4)の脱炭処理方法は、脱炭処理時の雰囲気を大気圧よりも減圧できれば、つまり、減圧下で脱炭処理を実施できれば、特に限定されない。仕上げ脱炭精錬工程(S4)はたとえば、真空脱炭法により実施する。好ましくは、仕上げ脱炭精錬工程(S4)は、VOD(Vacuum Oxygen Decarburization)法により脱炭処理を実施する。VOD法により仕上げ脱炭精錬工程(S4)を実施する場合、図1に示すとおり、真空槽5内に取鍋(仕上げ脱炭精錬用反応容器)2を配置し、真空槽5内を減圧して保持する。これにより、スラグ中のCr23と溶鋼中のCとが反応して、脱炭処理が進行する。なお、脱炭処理の進行に伴い、Crが還元され、溶鋼中に回収される。
なお、通常のVOD法では、脱炭処理中において、ランス6から酸素を溶鋼に吹き付けて、脱炭処理を進行させる。しかしながら、本実施形態では、スラグ中のCr23が脱炭剤として機能する。そのため、本実施形態の仕上げ脱炭精錬工程(S4)において、VOD装置を利用する場合、酸素吹精を実施しなくてもよい。なお、本実施形態の仕上げ脱炭精錬工程(S4)において周知のVOD装置を利用する場合、酸素吹精を実施してもよい。
上述の説明では、仕上げ脱炭精錬工程として、VOD法を利用した脱炭処理について説明した。しかしながら、本実施形態における仕上げ脱炭精錬工程(S4)は、VOD法による脱炭処理に限定されない。仕上げ脱炭精錬用反応容器を減圧下に保持できる装置であれば、本実施形態の仕上げ脱炭精錬工程(S4)を実施できる。たとえば、VOD法に代えて、VAD法により仕上げ脱炭精錬工程(S4)を実施してもよいし、VD(Vacuum Decarburization)法により仕上げ脱炭精錬工程(S4)を実施してもよい。
仕上げ脱炭精錬工程(S4)での雰囲気の気圧は特に限定されない。仕上げ脱炭精錬工程(S4)での好ましい気圧は100torr以下であり、さらに好ましくは80torr以下であり、さらに好ましくは60torr以下であり、さらに好ましくは40torr以下であり、さらに好ましくは20torr以下であり、さらに好ましくは10torr以下である。
仕上げ脱炭精錬工程(S4)では、溶鋼及びスラグを収納する仕上げ脱炭精錬用反応容器の雰囲気を、大気圧よりも減圧して保持することにより、脱炭処理を実施する。このとき、酸素吹精を実施しなくてよい。ただし、上述のとおり、脱炭処理時の雰囲気を大気圧よりも減圧し、かつ、酸素吹精を実施してもよい。この場合、脱炭処理が促進され、脱炭処理時間を短縮できる。なお、仕上げ脱炭精錬工程(S4)において、溶鋼にさらにCrを添加してもよい。
[Cr還元処理工程(S5)]
上述のとおり、仕上げ脱炭精錬工程(S4)では、スラグ中のCr23を脱炭剤として利用するため、脱炭処理中にスラグ中のCrがある程度還元されて溶鋼中に回収される。しかしながら、仕上げ脱炭精錬工程(S4)後のスラグには、依然として、Cr23が残存する。Cr還元処理工程(S5)では、仕上げ脱炭精錬工程(S4)後のスラグ中のCrを還元し、還元されたCrを溶鋼中に回収する。
Cr還元処理工程(S5)では、仕上げ脱炭精錬工程(S4)後の仕上げ脱炭精錬用反応容器内の溶鋼及びスラグに、脱酸剤を添加して、スラグ中のCr酸化物を還元する。ここで、脱酸剤は周知のもので足りる。脱酸剤はたとえば、Si、Al、CaOである。脱酸剤としてSiを利用する場合、たとえば、フェロシリコン等を添加する。脱酸剤として、Alを利用する場合、たとえば、金属アルミニウム等を添加する。脱酸剤としてCaOを利用する場合、たとえば、生石灰等を添加する。Cr還元処理工程(S5)により、スラグ中のCr23が還元され、還元されたCrが溶鋼に回収される。
以上の精錬方法により、精錬されたCr含有鋼が製造される。上述の精錬方法を適用した場合、粗脱炭精錬工程(S2)後に、スラグ中のCr23を還元するためのCr還元処理工程や、スラグを除滓する除滓処理工程を省略することができ、製造コストを抑えることができる。さらに、粗脱炭精錬工程(S2)にて生成したスラグ中のCr23を脱炭剤として利用して、仕上げ脱炭精錬工程(S4)を減圧下で実施する。これにより、仕上げ脱炭精錬工程(S4)において必ずしも酸素吹精を実施する必要がなくなり、製造コストを抑えることができる。また、出鋼工程(S3)において、粗脱炭精錬用反応容器内のスラグのCr23濃度を質量%で7.0~17.5%とし、スラグ塩基度を1.0~1.6とすることにより、スラグ排出性が高まり、粗脱炭精錬用反応容器から仕上げ脱炭精錬用反応容器にスラグが容易に排出される。そのため、Cr回収率を高めることができ、精錬工程におけるCr歩留まりを高めることができる。
[精錬工程後の製造工程]
Cr還元処理工程(S5)後の溶鋼に対しては、周知の工程を実施してもよい。たとえば、Cr還元処理工程(S5)後の溶鋼に対して除滓処理を実施して、溶鋼の液面に浮上しているスラグを除去する。続いて、必要に応じて、溶鋼に対して最終の成分調整を実施する。成分の最終調整はたとえば、LF(Ladle Furnace)法や、LT(Ladle Treatment)法により実施する。
精錬工程後の溶鋼を周知の方法で鋳造して、Cr含有鋼材を製造する。たとえば、連続鋳造法により溶鋼からCr含有鋳片を製造する。Cr含有鋳片はたとえば、スラグ、ブルーム、ビレットである。また、造塊法により、溶鋼からCr含有インゴットを製造してもよい。
以下、実施例により本実施形態のCr含有鋼の精錬方法の一態様の効果をさらに具体的に説明する。実施例での条件は、上述の本実施形態のCr含有鋼の精錬方法の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例である。したがって、本実施形態のCr含有鋼の製造方法は、この一条件例に限定されない。
API(American Petroleum Institute)規格のL80-13Crに相当する化学組成を有する試験番号1~9の溶鋼を準備した。溶鋼をAOD炉に収納した後、大気圧下において、AOD法による脱炭処理を実施した(粗脱炭精錬工程)。脱炭処理時の条件は、各試験番号で変更した。粗脱炭精錬工程後、AOD炉を傾けて、AOD炉内の溶鋼及びスラグを取鍋に出鋼した。なお、出鋼直前のスラグ組成を、次の方法で測定した。出鋼前の粗脱炭精錬用反応容器内から、スラグのサンプルを採取した。採取されたスラグのサンプルに対して、蛍光X線分析装置(XRF)を用いて、JIS K 0119(2008)に準拠した蛍光X線分析を実施し、スラグ組成(トータルFe濃度(質量%)、SiO2濃度(質量%)、MgO濃度(質量%)、CaO濃度(質量%)、及び、Cr23濃度(質量%))を求めた。さらに、出鋼直前の粗脱炭精錬用反応容器内の溶鋼温度(℃)を、温度センサー(熱電対)を用いて測定した。得られた溶鋼温度を「出鋼温度」と定義した。
Figure 0007188089000001
表1中の「スラグ組成」欄の「T.Fe」には、スラグ中の全Fe濃度(質量%)を示す。ここで、全Fe濃度とは、スラグに含まれる全てのFeの合計濃度を意味する。「スラグ組成」欄の「SiO2」欄には、スラグ中のSiO2濃度(質量%)を示す。「MgO」欄には、スラグ中のMgO濃度(質量%)を示す。「CaO」欄には、スラグ中のCaO濃度(質量%)を示す。「Cr23」欄には、スラグ中のCr23濃度(質量%)を示す。「スラグ塩基度」欄には、以下の式で定義されるスラグ塩基度を示す。
スラグ塩基度=CaO濃度(質量%)/SiO2濃度(質量%)
表1中の「出鋼温度」欄には、上述の出鋼温度(℃)を示す。
さらに、上述の式(B)を用いて、粗脱炭精錬工程後のスラグ中のCr量(kg)を求めた。得られた粗脱炭精錬工程後のスラグ中のCr量を、表1中の「酸化Cr量」欄に示す。
出鋼工程後の溶鋼及びスラグに対して、仕上げ脱炭精錬工程を実施した。本実施例では、仕上げ脱炭精錬工程として図1に示す周知のVOD装置を利用した。具体的には、溶鋼及びスラグを収納した仕上げ脱炭精錬用反応容器(取鍋)を真空槽に収納した。真空槽内の気圧を10torr以下に減圧したまま保持し、スラグ中のCr23を脱炭剤とする脱炭処理を実施した。なお、酸素吹精は実施しなかった。仕上げ脱炭精錬工程を実施した後、仕上げ脱炭精錬用反応容器内に脱酸剤を添加して、Cr還元処理工程を実施した。Cr還元処理工程後、上述の式(C)を用いて、仕上げ脱炭精錬工程後の回収Cr量(kg)を求めた。得られた仕上げ脱炭精錬工程後の回収Cr量を、表1中の「回収Cr量」欄に示す。
得られた酸化Cr量及び回収Cr量を用いて、上述の式(A)に基づいて、スラグの排出率(%)を求めた。求めたスラグの排出率を表1中の「スラグ排出率」欄に示す。
[試験結果]
表1を参照して、試験番号2、5、7及び8では、出鋼工程でのスラグ中のCr23濃度が7.0~17.5%と適切であり、かつ、スラグ塩基度が1.0~1.6と適切であった。そのため、スラグ排出率が80%以上であり、粗脱炭精錬用反応容器から、仕上げ脱炭精錬用反応容器へのスラグの排出性が高かった。
一方、試験番号1、3、4、及び、6では、出鋼工程でのスラグ塩基度が1.6を超えた。そのため、スラグ排出率が80%未満であり、粗脱炭精錬用反応容器から、仕上げ脱炭精錬用反応容器へのスラグの排出性が低かった。スラグの液相率が低く、スラグの流動性が低かったと考えられる。
また、試験番号9では、出鋼工程でのCr23濃度が高すぎ、17.5%を超えた。そのため、スラグ排出率が80%未満であり、粗脱炭精錬用反応容器から、仕上げ脱炭精錬用反応容器へのスラグの排出性が低かった。スラグの液相率が低く、スラグの流動性が低かったと考えられる。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
1 粗脱炭精錬用反応容器
2 仕上げ脱炭精錬用反応容器
3 溶鋼
4 スラグ
5 真空槽
10,15 領域

Claims (5)

  1. Cr含有鋼の精錬方法であって、
    Crを含有する溶鋼を収納した、粗脱炭精錬用反応容器を準備する準備工程と、
    前記粗脱炭精錬用反応容器に収納された前記溶鋼に対して、大気圧下又は減圧下において、脱炭処理を実施する粗脱炭精錬工程と、
    前記粗脱炭精錬工程後の前記粗脱炭精錬用反応容器を傾けて、前記粗脱炭精錬用反応容器内の前記溶鋼と、前記粗脱炭精錬用反応容器内のスラグであって、前記スラグ中のCr濃度が質量%で7.0~15.5%であり、前記スラグ中のCaO濃度のSiO濃度に対する比であるスラグ塩基度が1.2~1.6である前記スラグとを、仕上げ脱炭精錬用反応容器に出鋼する出鋼工程と、
    前記仕上げ脱炭精錬用反応容器内の前記溶鋼及び前記スラグに対して、減圧下において、前記スラグ中のCrと前記溶鋼中のCとを反応させる脱炭処理を実施する仕上げ脱炭精錬工程と、
    前記仕上げ脱炭精錬工程後の前記仕上げ脱炭精錬用反応容器内に脱酸剤を添加して、前記スラグ中のCrを還元するCr還元処理工程と、
    を備える、Cr含有鋼の精錬方法。
  2. 請求項1に記載のCr含有鋼の精錬方法であって、
    前記粗脱炭精錬工程後であって前記出鋼工程前に、前記粗脱炭精錬用反応容器に前記脱酸剤を添加して前記スラグ中のCrを還元するCr還元処理を省略する、
    Cr含有鋼の精錬方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のCr含有鋼の精錬方法であって、
    前記出鋼工程後であって、前記仕上げ脱炭精錬工程前に、前記仕上げ脱炭精錬用反応容器内の前記スラグを除滓する除滓処理を省略する、
    Cr含有鋼の精錬方法。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のCr含有鋼の精錬方法であって、
    前記粗脱炭精錬工程では、AOD法又はV-AOD法により前記溶鋼に対して脱炭処理を実施する、
    Cr含有鋼の精錬方法。
  5. 請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のCr含有鋼の精錬方法であって、
    前記仕上げ脱炭精錬工程では、減圧下において、前記溶鋼及び前記スラグに対する酸素吹精を省略する、
    Cr含有鋼の精錬方法。
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