JPH10140227A - 高合金鋼の合わせ湯による製造方法 - Google Patents

高合金鋼の合わせ湯による製造方法

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JPH10140227A
JPH10140227A JP29237596A JP29237596A JPH10140227A JP H10140227 A JPH10140227 A JP H10140227A JP 29237596 A JP29237596 A JP 29237596A JP 29237596 A JP29237596 A JP 29237596A JP H10140227 A JPH10140227 A JP H10140227A
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molten steel
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Hiroki Asada
博樹 浅田
Takashi Kubo
孝 久保
Hiroshi Tanaka
宏 田中
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 合わせ湯による高合金鋼の製造方法において
は、転炉への合金元素の汚染があり、又、合わせ湯時の
NやPのピックアップのためN、Pの低い高合金鋼を安
価に製造することができない。 【解決手段】 溶銑予備処理が施された溶銑を転炉3に
て精錬して得た溶鋼と、溶解炉4にて合金原料又は合金
原料とスクラップとを溶解して得た粗溶湯とを、溶鋼及
び粗溶湯が共に未脱酸の状態で合わせ、次いで、合わせ
て得た溶鋼を二次精錬炉6にて精錬して高合金鋼を製造
する。その際、合わせる前の溶鋼と粗溶湯の〔C〕濃度
を共に0.05wt%以下とすることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉から出銑され
る溶銑を転炉にて精錬した溶鋼と、溶解炉で溶解した合
金成分を多量に含む粗溶湯とを合わせて、高合金鋼を製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼や36wt%Ni鋼等の高
合金鋼の製造方法として、電気炉−VADプロセスが知
られている。このプロセスでは、主原料として高合金鋼
のスクラップを使用し、高価な純金属や合金鉄等の合金
原料の使用量を少なくすることができるので原料コスト
は安価であるが、溶解の熱源が電力であるためエネルギ
ーコストが高く、又、このプロセスでは一般に炉容が小
さいので生産性が悪く、そのため耐火物コストが高いと
いう問題があった。この問題を解決する製造方法とし
て、転炉を用いた高合金鋼の製造方法が提案されてい
る。
【0003】特開昭59−38320号公報(以下、
「先行技術1」と記す)には、脱燐処理を施した溶銑
と、合金原料及びスクラップを電気炉等の溶解炉にて溶
解して得た粗溶湯とを合わせ湯し、得られた溶湯を転炉
にて精錬して高合金鋼を製造する方法が開示されてい
る。
【0004】先行技術1によれば、合わせ湯法により溶
銑の顕熱が利用できるので溶解に要する電力原単位が低
減し、且つ生産性が向上するとしている。
【0005】又、特開平2−85334号公報(以下、
「先行技術2」と記す)には、ステンレス鋼のスクラッ
プや金属Niを電気炉等溶解炉で溶解して得た粗溶湯と
溶銑とを合わせ湯し、得られた溶湯を転炉にて精錬し、
次いで、転炉精錬して得た溶鋼と、ステンレス鋼のスク
ラップを電気炉等溶解炉で溶解して得た粗溶湯とを再度
合わせ湯して高クロム・高ニッケル鋼を製造する方法が
開示されている。
【0006】先行技術2によれば、先行技術1と同様に
電力原単位の低減と生産性の向上が達成されると共に、
転炉精錬の前後で合わせ湯を行なうので、ステンレス鋼
のスクラップを多量に消費可能となり、製造コストが大
幅に低下するとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし先行技術1及び
先行技術2では、合金成分を多量に含む溶湯を転炉にて
精錬するため、この溶湯が転炉内壁に付着し、転炉の次
ヒートの鋼種に合金成分であるNiやCrの汚染が発生
して、目的とする鋼種が製造できないという問題が発生
する。
【0008】又、先行技術2では転炉精錬後にも合わせ
湯を行なうが、転炉精錬後の合わせ湯においては、転炉
精錬により溶鋼中の溶解〔O〕濃度が上昇するので、合
わせ湯の際に溶解炉にて溶解した粗溶湯中〔C〕が高い
と、粗溶湯中〔C〕と溶鋼中〔O〕とが反応してCOガ
スが発生し危険であるばかりでなく、取鍋内のスラグが
COガスの発生によりフォーミングして操業上のトラブ
ルを招くこともある。又、このCOガスの発生を防止す
るため、溶鋼及び粗溶湯を脱酸して溶解〔O〕を低下し
た後に合わせ湯を行なうと、合わせ湯時に空気の巻き込
みやスラグの巻き込みによりNやPのピックアップが発
生し、高合金鋼の品質要求を十分に満足しないという問
題が発生する。
【0009】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは生産性を向上し、電力原単位を
低減すると同時に、転炉に合金元素の汚染がなく、且
つ、合わせ湯時にCOガスの発生やスラグのフォーミン
グと、NやPのピックアップを防止した高合金鋼の合わ
せ湯による製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に係る高合
金鋼の合わせ湯による製造方法は、溶銑予備処理が施さ
れた溶銑を転炉精錬して得た溶鋼と、合金原料又は合金
原料とスクラップとを溶解炉にて溶解して得た粗溶湯と
を、溶鋼及び粗溶湯が共に未脱酸の状態で合わせ、次い
で、合わせて得た溶鋼を二次精錬炉にて精錬することを
特徴とするものである。
【0011】本願請求項2に係る高合金鋼の合わせ湯に
よる製造方法は、請求項1に記載の高合金鋼の合わせ湯
による製造方法おいて、転炉精錬して得た溶鋼、及び、
溶解炉にて溶解して得た粗溶湯の〔C〕濃度が、共に
0.05wt%以下であることを特徴とするものであ
る。
【0012】本発明では高炉から出銑され、脱燐又は脱
硫処理の溶銑予備処理が施された溶銑を使用する。高合
金鋼は材質特性上PやSが低く抑えられており、溶銑段
階でこれらの不純物を取り除くことが、その後の精錬工
程を容易とするからである。そして溶銑を転炉精錬にて
脱炭して溶鋼(以下、「溶鋼I」と記す。又、これと区
別するために合わせ湯にて得た溶鋼を「溶鋼II」と記
す))とした後に、電気炉等の溶解炉で溶解した合金原
料又は合金原料とスクラップとの粗溶湯と合わせるの
で、転炉は合金元素による汚染が発生しない。
【0013】そして溶鋼I及び粗溶湯共に未脱酸の状
態、即ち溶解〔O〕濃度が高い状態で合わせ湯を行なう
ので、合わせ湯時の空気やスラグの巻き込みによるNや
Pのピックアップを防止することができる。これは、合
わせ湯時に空気が溶鋼II中に巻き込まれても、溶解
〔O〕濃度が高い場合には溶鋼IIへのNの吸着が妨げら
れてNのピックアップが発生しないためと、合わせ湯時
に溶鋼I湯面上又は粗溶湯々面上に存在するスラグが溶
鋼II中に巻き込まれても、脱燐反応は酸化反応であるの
で、未脱酸状態ではスラグ中のPが溶鋼IIに戻る、所謂
「復燐」の発生がなく、Pのピックアップを防止できる
からである。
【0014】更に、合わせ湯時のCOガスの発生を防止
するためには、合わせ湯前の溶鋼I及び粗溶湯の〔C〕
濃度を0.05wt%以下とすることが望ましい。溶鋼
中では平衡するCとOとの濃度積は下に凸の双曲線であ
るため、溶鋼IIにおいて平衡するCとOとの濃度積は溶
鋼Iと粗溶湯との加重平均のCとOとの濃度積より低く
なる。そのため、溶鋼I及び粗溶湯共に未脱酸であって
も、溶鋼Iと粗溶湯とで〔C〕濃度が異なると、過剰の
CとOとが反応してCOガスが発生する。本発明では、
両者の〔C〕濃度を共に0.05wt%以下とするの
で、〔C〕濃度の差は小さく、COガスの発生量を少な
く抑えることができ、COガス発生によるスラグのフォ
ーミングも防止できる。
【0015】そして合わせ湯にて得た溶鋼IIを加熱機能
や脱ガス機能を有した取鍋精錬炉やRH脱ガス設備等の
二次精錬炉にて精錬し、所定の組成範囲に調整すると共
に清浄性を高めて高合金鋼を製造する。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明による高合金鋼の製
造工程図である。以下、図1に基づき本発明を説明す
る。尚、本発明が対象とする高合金鋼とは合金元素の総
量が5wt%以上含まれる鋼である。合金元素の総量が
5wt%未満の鋼は、転炉と取鍋精錬炉との組合せで容
易に且つ大量に製造できるからである。
【0017】高炉1から出銑された溶銑に、一般的に行
なわれている機械的攪拌法や気体吹き込み攪拌法等の溶
銑予備処理設備2にて、脱燐及び/又は脱硫処理を施
す。高合金鋼ではP、S共に含有量が少ない程材料特性
が向上するので、通常、脱燐、脱硫処理共に実施する。
その後、溶銑を転炉3に装入して上吹き酸素ランスにて
2 ガスを吹きつけ脱炭精錬を行なう。
【0018】この転炉3では熱バランス的には通常の炭
素鋼の精錬と同様に、転炉3に装入する溶銑と高合金鋼
スクラップとの総重量に対する高合金鋼スクラップの配
合比率を最大20wt%程度までとすることができる。
転炉3では、好ましくは〔C〕濃度が0.05wt%以
下となるまで脱炭精錬を行ない、精錬後はAl、Ca、
Ti、Zr等の強脱酸剤を添加せずに、未脱酸状態のま
まで溶鋼Iを取鍋に出鋼する。転炉3の型式は、上吹き
転炉でも、炉底に攪拌用ガスを併用した上下吹き転炉で
もどちらもよく、又、合金成分の調整に余裕がある場合
には、転炉精錬において炭素鋼のスクラップも当然使用
可能である。転炉で使用する石灰は、Sの混入を防止す
るために、低硫石灰を用いることが好ましい。
【0019】一方、合金原料又は合金原料と高合金鋼の
スクラップとを電気炉等の溶解炉4にて溶解して粗溶湯
を得る。溶銑、即ち溶鋼Iには合金成分が含まれていな
いので溶鋼Iで希釈されることを考慮して、粗溶湯中の
合金元素の濃度を決める必要がある。粗溶湯中の合金元
素の濃度を最終目標の合金元素濃度の80%以上を確保
する濃度とすれば、合わせ湯後以降の合金原料添加によ
る溶鋼IIの温度低下による熱ロスが少なくなり製造コス
トが低下するので好ましい。
【0020】溶解炉4にて溶解した粗溶湯をAl、C
a、Ti、Zr等の強脱酸剤を添加せず未脱酸状態で取
鍋に出湯する。そして、このとき粗溶湯の〔C〕濃度は
0.05wt%以下とすることが好ましく、必要に応じ
て、脱炭機能を有するVAD精錬炉等の精錬炉5にて脱
炭処理して、粗溶湯中〔C〕濃度を0.05wt%以下
とする。尚、溶解炉4に脱炭機能があれば、溶解炉4に
て溶解後脱炭処理を続けて行なえばよく、又、溶解後に
〔C〕濃度が0.05wt%以下であれば脱炭処理は不
要である。
【0021】こうして得た粗溶湯を溶鋼Iを収納する取
鍋に注入して、溶鋼Iと粗溶湯との合わせ湯を行なう。
溶解炉4が脱炭機能を有しており、溶解炉4にて溶解・
脱炭処理を行なう場合には、溶鋼Iを収納する取鍋にて
溶解炉4から粗溶湯を直接受けることができる。
【0022】合わせ湯にて得た溶鋼IIを二次精錬炉6に
て精錬し、所定の温度及び組成に調整する。二次精錬炉
6の必要な機能は、溶鋼IIの加熱機能、脱ガス機能、及
び成分調整機能であり、これらの機能を有するRH脱ガ
ス設備、又は、RH脱ガス設備と取鍋精錬炉の組合せに
より、一般的には溶鋼IIの加熱、脱ガス、成分調整の順
に行ない、目的とする組成の高合金鋼を製造する。又、
高合金鋼に要求される不純物濃度が厳格である場合に
は、二次精錬炉6にて脱燐、脱硫、脱炭等の処理を施す
ことができる。精錬して得られた高合金高の溶鋼IIは、
連続鋳造機等の鋳造設備7にて鋳造される。
【0023】
【実施例】36wt%Ni鋼(以下、「アンバー材」と
記す)の製造に本発明を適用した。アンバー材はシャド
ウマスクの素材であり、その成分は〔C〕濃度が0.0
05wt%以下で〔P〕及び〔S〕共に低く、且つ
〔N〕や〔O〕も低いことが望ましい高Ni・高純度・
高清浄鋼である。
【0024】そのため合わせ湯後に、アークによる溶融
金属の加熱と不活性ガス雰囲気下での溶融金属とフラッ
クスとの攪拌による精錬とが可能な取鍋精錬炉(以下、
この取鍋精錬炉を「AP」とも記す)にて脱硫処理した
後、RH脱ガス設備にて脱炭処理を施す製造方法を採用
した。図2に本実施例における製造工程を、又、表1に
各製造工程における成分推移を示す。以下、図2及び表
1に従い説明する。
【0025】
【表1】
【0026】高炉から出銑された溶銑を機械的攪拌法に
より脱硫処理し、更に気体吹き込み攪拌法にて脱燐処理
し、〔C〕濃度が3.8wt%、〔S〕濃度が0.00
4wt%、〔P〕濃度が0.005wt%の溶銑を得
た。この溶銑115トンを上下吹き転炉に装入し、低硫
石灰と蛍石とをフラックスとして用いて精錬し、〔C〕
濃度を0.027wt%まで吹き下げて精錬を終了し、
得られた溶鋼Iを出鋼温度1680℃で取鍋に出鋼し
た。出鋼時に脱酸材も又合金原料も添加せず、溶鋼Iを
未脱酸状態とした。出鋼後取鍋内の溶鋼Iの〔N〕濃度
は0.0018wt%、〔P〕濃度は0.005wt%
であった。
【0027】又、電気炉にて65トンの電解Niを溶解
し、溶解後取鍋に出湯して得た粗溶湯をVAD精錬炉に
て脱炭処理し、〔C〕濃度が0.002wt%、〔N
i〕濃度が97.6wt%、〔P〕濃度が0.006w
t%、〔N〕濃度が0.0010wt%、温度1620
℃の未脱酸状態の粗溶湯を得た。
【0028】この粗溶湯を溶鋼Iを収納した取鍋に注入
して溶鋼Iと合わせ湯し、〔Ni〕濃度が35.4wt
%、〔P〕濃度が0.005wt%、〔N〕濃度が0.
0015wt%、温度1540℃の未脱酸の溶鋼IIを約
180トン得た。合わせ湯時にスラグのフォーミングは
全く認められず、スラグのフォーミング状況からCOガ
スの発生は非常に少ないものと推測できた。又、合わせ
湯時の〔N〕濃度と〔P〕濃度は、溶鋼Iと粗溶湯との
加重平均と同等の値となり、N及びPのピックアップは
全く認められなかった。
【0029】その後、合わせ湯時の溶鋼IIの温度降下と
以後の温度降下を補うために、取鍋精錬炉にて、取鍋底
のポーラス煉瓦からArガスを吹き込んで溶鋼IIとスラ
グとを攪拌しながら、溶鋼IIを未脱酸状態でアーク加熱
して1620℃まで昇熱した(1次AP)。1次AP
後、一旦取鍋を取鍋精錬炉から外してスラグドラッガー
にて取鍋内スラグを除滓した(1次除滓)。未脱酸の状
態で溶鋼IIとスラグとを攪拌するので脱燐が進行し、更
にこのスラグを除滓するのでその後の復燐が防止され
て、〔P〕濃度を低く維持することができた。
【0030】1次除滓後、取鍋を取鍋精錬炉に戻し、脱
硫剤として低硫石灰2トンと脱硫剤で且つ滓化促進剤で
ある蛍石0.7トンを取鍋内溶鋼II上に添加し、更に脱
酸剤としてAlを600kg添加した後、溶鋼IIを上述
したポーラス煉瓦からのArガスで攪拌しながらアーク
加熱して、溶鋼IIの脱酸と脱硫剤(低硫石灰と蛍石)の
滓化とを行ない、次いで滓化後、Arガス量を増加して
溶鋼IIと脱硫剤とを強攪拌して脱硫処理した(2次A
P)。2次AP終点での〔S〕濃度は0.0006wt
%であった。2次AP後、復硫防止のために、再度取鍋
を取鍋精錬炉から外してスラグドラッガーにて取鍋内ス
ラグを除滓した(2次除滓)。
【0031】2次除滓後、取鍋を取鍋精錬炉に戻し、C
aO−Al2 3 −SiO2 系の合成スラグを3000
kg溶鋼II上に添加し、上述したポーラス煉瓦からAr
ガスを吹き込みつつアーク加熱して合成フラックスを滓
化させた(3次AP)。3次APにより溶鋼IIの表面は
合成スラグで覆われ、この合成スラグにより溶鋼IIの酸
化防止と溶鋼IIから浮上する脱酸生成物の吸収が行なわ
れ、溶鋼IIの清浄性が向上する。
【0032】次いでRH脱ガス設備にて脱炭処理及び成
分調整を実施した。RH脱ガス設備は、酸素ガスを真空
槽内の溶鋼II面に吹き付けることが可能な上吹きランス
を有している。脱炭処理は、上吹きランスから溶鋼IIの
表面に酸素ガスを吹き付けて、先ず脱酸剤成分であるA
lを安全に除去して溶解〔O〕濃度を増加させた後、溶
解〔O〕と溶鋼II中〔C〕とのCO生成反応を高真空下
で行わせて実施した。真空槽内の圧力は,酸素ガス吹き
つけ時は40torr、真空脱炭時は約4torrであ
る。脱炭処理により〔C〕濃度は0.060wt%から
0.004wt%に低下した。真空脱炭終了後、Alを
添加して溶鋼IIを脱酸すると共に、Fe−Mn合金鉄に
てMnを調整して脱ガス処理を終了した。終了時の溶鋼
IIの温度は1540℃であった。
【0033】このようにして製造した高合金鋼の溶鋼II
を、断気してスラブ連続鋳造機で鋳造して鋳片を得た。
得られた鋳片を圧延して製造したシャドウマスクは、不
純物が少なく、且つ清浄性の高い極めて高品質なもので
あった。尚、表1に示すように取鍋精錬中に〔C〕濃度
が上昇するが、これは溶鋼IIを脱酸した状態で、アーク
加熱を行なうため電極の炭素で加炭されたためである。
【0034】尚、本発明と対比するため、合わせ湯前の
溶鋼I及び粗溶湯をAl脱酸し、その他の製造方法は実
施例と全く同一である比較例も実施した。比較例では、
〔N〕濃度は合わせ湯により約0.0010wt%ピッ
クアップし、又〔P〕濃度は合わせ湯により0.001
wt%ピックアップし、更に1次AP中に、溶鋼IIが脱
酸されているため、0.002wt%の復燐が発生し、
合計0.003wt%のピックアップが発生した。そし
て鋳片での〔N〕濃度は0.0020wt%、〔P〕濃
度は0.011wt%であった。
【0035】図3に合わせ湯前から1次AP終点までの
〔P〕濃度の推移を、実施例と比較例とを比較して示
す。尚、図3では合わせ湯前の〔P〕濃度は溶鋼Iと粗
溶湯との加重平均で表している。このように比較例では
P、Nが高く、目標とした不純物水準のアンバー材の製
造が不可能であった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、溶解炉で溶解した粗溶
湯と転炉出鋼した溶鋼とを未脱酸の状態で合わせ湯を行
なうので、転炉に合金元素の汚染がなく、且つ合わせ湯
時のCOガスの発生やP及びNのピックアップを完全に
防止することが可能となり、不純物の少ない高合金鋼を
大量に且つ安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高合金鋼の製造工程図である。
【図2】本発明の実施例における製造工程図である。
【図3】合わせ湯前から1次AP終点までの〔P〕濃度
の推移を、実施例と比較例とで比較して示した図であ
る。
【符号の説明】
1 高炉 2 溶銑予備処理設備 3 転炉 4 溶解炉 5 精錬炉 6 二次精錬炉 7 鋳造設備

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶銑予備処理が施された溶銑を転炉精錬
    して得た溶鋼と、合金原料又は合金原料とスクラップと
    を溶解炉にて溶解して得た粗溶湯とを、溶鋼及び粗溶湯
    が共に未脱酸の状態で合わせ、次いで、合わせて得た溶
    鋼を二次精錬炉にて精錬することを特徴とする高合金鋼
    の合わせ湯による製造方法。
  2. 【請求項2】 転炉精錬して得た溶鋼、及び、溶解炉に
    て溶解して得た粗溶湯の〔C〕濃度が、共に0.05w
    t%以下であることを特徴とする請求項1に記載の高合
    金鋼の合わせ湯による製造方法。
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