JP3220233B2 - 極低炭・極低硫含クロム溶鋼の精錬方法 - Google Patents
極低炭・極低硫含クロム溶鋼の精錬方法Info
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Description
ロム溶鋼の精錬方法に関するものである。
としては、上吹もしくは上底吹転炉又は電気炉と、VO
DもしくはAODとを組み合わせた複合脱炭工程による
方法が広く知られている。しかしながら、そのうちVO
Dを用いた方法で、極低炭・極低硫含クロム溶鋼の精錬
方法を示したものは少なく、わずかに特開平3−211214
号公報に示される方法が知られている程度である。
による極低炭含クロム溶鋼の精錬方法において、VOD
による仕上げ脱炭を行う場合、吹酸脱炭時に生成するCr
酸化物の還元回収にはFeSiが用いられることから、出鋼
中のSiが高い。それ故、VOD仕上げ脱炭後には生成Si
O2量が多くなり、スラグ塩基度を高く保つことが困難で
あるため、溶鋼の脱酸時に脱硫が進行し難く、その結
果、極低硫化は達成できないという問題があった。
方法では、VODにおける仕上げ脱炭、Cr酸化物還元後
に、SiO2リッチなスラグを除去せねばならず、VODに
おける作業性の低下を招くという問題があった。この発
明は、上記の問題を有利に解決するもので、VODにお
ける作業性を低下させることなく、容易に極低炭・極低
硫含クロム溶鋼を溶製することができる精錬技術を提供
するものである。
を解決するために、VODにおいてSiO2レススラグによ
る仕上げ脱炭を行い、引き続き減圧下でFeSi以外すなわ
ち生成物が塩基度を低下させることがない物質例えばA
l、Al−Ca合金、Al−Mg合金等の還元・脱酸剤を投入し
て、スラグ塩基度を高く保ったまま攪拌を実施すること
により、作業性を低下させることなく容易にVODによ
り極低炭・極低硫含クロム溶鋼の溶製を可能ならしめる
ものである。
拌機能をそなえる減圧精錬容器を用いて含クロム溶鋼を
精錬するに当たり、減圧精錬開始時における含クロム溶
鋼中の〔%Si〕を0.10wt%(以下単に%で示す)以下と
して、減圧下において送酸脱炭精錬を開始し、含クロム
溶鋼中の〔%C〕が所定の濃度になるまで脱炭した後、
精錬容器を減圧下に保持したまま、Si以外の還元・脱酸
剤及び脱硫フラックスを投入し、攪拌することにより、
スラグ中Cr酸化物の還元及び溶鋼の脱酸、脱硫処理を行
うことからなる極低炭・極低硫含クロム溶鋼の精錬方法
である。
化物の還元のみならず、溶鋼の脱酸も併せて行い得るも
のをいい、Al、Al−Ca合金及びAl−Mg合金等が有利に適
合する。また脱硫フラックスとしては、生石灰、さらに
はCaF2などを添加配合したものが有利に適合する。
〜0.40%まで脱炭し、FeSiを用いて脱炭中に生成するCr
酸化物を還元回収し、かつ溶鋼中〔%Si〕を0.10%以下
に調整してからVODに出鋼し、VODでは送酸及び真
空仕上げ脱炭によって、〔%C〕が100 ppm 以下程度ま
で低減し、引き続き減圧下に保持したまま、FeSi以外の
還元・脱酸剤すなわち生成物がスラグ塩基度を低下させ
ない還元・脱酸剤例えばAl等を投入した後、減圧下で強
力に攪拌することにより、脱酸後もSiO2リッチなスラグ
を除去することなく、スラグの塩基度を高く保つことが
できるので、作業性を低下させることなく容易に極低炭
・極低硫含クロム溶鋼を溶製することができるのであ
る。
超えると、VODでの送酸脱炭中に生成するSiO2量が増
大し、スラグ塩基度が高く保てないだけでなく、副原料
の生石灰原単位が増大し、オーバーフローの危険性があ
るため、ヒートサイズの低下を余儀なくされ、生産性の
低下を招くので、VOD処理開始時における〔%Si〕は
0.10%以下とする必要がある。
ら、生成した酸化クロムを出鋼前に還元回収するために
は、溶鋼中〔%Si〕が0.01%以上になるようにSiを添加
する必要がある。
底吹機能を有する85t転炉(k−BOP)に、脱P溶銑
を45t装入し、粗脱炭を行ないつつ、Fe−Cr合金鉄を投
入し、粗脱炭終了後、〔%Si〕が0.10%以下となるよう
に溶鋼トン当り11kg/tのFeSiを投入して、脱炭中に生成
するスラグ中Cr酸化物の還元及び溶鋼の脱硫を行った。
なおこの時の還元後スラグは塩基が2.0 となるように生
石灰により調整した。粗脱炭炉出鋼成分は表1に示した
とおりである。
にて減圧送酸を開始し、Alを5.5 kg/t投入して溶鋼温度
を1700℃まで上昇させた。なお、このときAlの酸化に伴
い生成するAl2O3 に対し、 Al2O3:CaO =1:1となる
ように生石灰を投入した。溶鋼温度が上昇した後、20〜
30Torrの減圧下で〔%C〕=100ppmまで送酸脱炭し、そ
の後2Torr以下までさらに減圧して、攪拌により、真空
脱炭を実施した。引き続き、減圧下に保持したまま、還
元・脱酸剤としてAlを3.8 kg/t投入し、同時にスラグ融
点の上昇を防ぐため生石灰も8kg/t投入し、2Torr以下
で10分間の攪拌を行った。還元・脱硫処理前後における
スラグ組成及び溶鋼成分はそれぞれ、表2,表3に示し
たとおりである。
硫率の違いを、還元後のスラグ塩基度との関係で示す。
同図から明らかなように、この発明に従い、減圧下にお
ける精錬容器内でSiO2レスのスラグにより仕上げ脱炭
し、引き続き減圧下でFeSi以外の還元・脱酸剤を用い
て、送酸脱炭時に生成するCr酸化物を回収し攪拌を行う
ことにより、スラグの塩基度を高く保つことができ、そ
の結果脱硫率が向上し、極低硫化が可能となった。
ける処理工程及び処理時間の違いを比較して示す。同図
から明らかなように、この発明では、仕上げ脱炭に引き
続き減圧下で、スラグ中Cr酸化物の還元及び溶鋼の脱
酸、脱硫処理を実施できるので、従来のような除滓を必
要とする場合に比べ、作業性が向上し、また処理時間の
短縮化が図れた。
いた精錬処理において、VODの作業性を低下させるこ
となしに、含クロム溶鋼の極低炭・極低硫化を実現する
ことができる。
を、還元後のスラグ塩基度との関係で示した図である。
理時間の違いを比較して示した図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 送酸機能及び底吹攪拌機能をそなえる減
圧精錬容器を用いて含クロム溶鋼を精錬するに当たり、 減圧精錬開始時における含クロム溶鋼中の〔%Si〕を0.
10wt%以下として、減圧下において送酸脱炭精錬を開始
し、含クロム溶鋼中の〔%C〕が所定の濃度になるまで
脱炭した後、精錬容器を減圧下に保持したまま、Si以外
の還元・脱酸剤及び脱硫フラックスを投入し、攪拌する
ことにより、スラグ中Cr酸化物の還元及び溶鋼の脱酸、
脱硫処理を行うことを特徴とする極低炭・極低硫含クロ
ム溶鋼の精錬方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16965192A JP3220233B2 (ja) | 1992-06-26 | 1992-06-26 | 極低炭・極低硫含クロム溶鋼の精錬方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16965192A JP3220233B2 (ja) | 1992-06-26 | 1992-06-26 | 極低炭・極低硫含クロム溶鋼の精錬方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0610024A JPH0610024A (ja) | 1994-01-18 |
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ID=15890425
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP16965192A Expired - Fee Related JP3220233B2 (ja) | 1992-06-26 | 1992-06-26 | 極低炭・極低硫含クロム溶鋼の精錬方法 |
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1992
- 1992-06-26 JP JP16965192A patent/JP3220233B2/ja not_active Expired - Fee Related
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