JP2001151888A - 光学材料用樹脂組成物 - Google Patents
光学材料用樹脂組成物Info
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Abstract
密成型性、接合部材との屈折率適合性などの特性に優れ
た硬化型樹脂組成物及びその硬化物を用いた光学材料を
提供する。 【解決手段】 下記式(1)で表される芳香族エピスル
フィド化合物(A)とグリシジル基を1分子中に2つ以
上持つ液状芳香族グリシジルエーテル化合物及び/又は
液状グリシジルエステル化合物(B)、酸無水物(C)
並びに硬化触媒(D)を必須成分として含有することを
特徴とする光学材料用樹脂組成物。但し、式(1)中、
XはS又はOを示し、X中のSの占める割合は50%以
上である。 【化1】
Description
ズ、プリズム、光ファイバー、光学フィルム、フィルタ
ーなど光学材料そのものに成形体として用いられたり、
前記光学材料の接着、コーティング用途、発光素子、光
センサーなどの封止に好適に使用される光学材料用樹脂
組成物に関する。
その軽量性、耐衝撃性、易成形性などの利点ゆえに光学
レンズ、フィルム、プリズム、光ディスク基板などに利
用されている。更には、光学特性を利用する光ファイバ
ーや、光ディスク、発光素子、光センサーなどの封止
材、コーティング材、接着材などの加工用にも積極的に
利用されている。
樹脂は、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリジエチレン
グリコールビスアリルカーボネート樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリカーボネート樹脂等があり、視力矯正用の樹
脂レンズとしてはポリメタクリル酸メチル樹脂とポリジ
エチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂がよく
用いられている。しかしながら、ポリメタクリル酸メチ
ル樹脂とポリジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ート樹脂は、共に屈折率が1.50前後と低いため、こ
の樹脂を視力矯正用レンズとした場合、無機ガラスに比
較してレンズの端厚みが大きくなるという欠点がある。
また、これらは吸湿しやすく、変形や屈折率変化が起こ
りやすく、耐熱性も100℃以下で難点とされている。一
方、ポリカーボネートは屈折率並びに耐熱性は高いが、
これも吸湿変形をおこしやすい欠点を有している。
レイ用光学フィルム、発光素子など光を利用する素子に
おいては、それらを張り合わせたり、接合したり、また
封止したりするのに透明樹脂が接着剤、コーティング
剤、封止材として用いられている。これら光学材料には
透明性はもとより、低複屈折性、低吸湿性、高耐熱性、
精密成型性、接合部材との屈折率適合性などの特性が求
められている(例えば、特開平10-67977号公報、ポリフ
ァイル1999年7月号28頁など)。
案されており、更にこの透明樹脂の高屈折率化を目的に
ハロゲン原子や硫黄原子、芳香族基の導入が試みられて
いる。例えば、クロル、ブロム原子を含むメタクリレー
ト化合物の重合体、ブロム原子を含むヒドロキシ化合物
とイソシアネート化合物との反応により得られるウレタ
ン構造を有する熱硬化型光学材料(特開昭58-164615号
公報等)が提案されている。しかしながら、ハロゲン原
子を用いた場合は比重が大きくなり、軽量性が損なわれ
る結果となる。このため、ポリチオール化合物とポリイ
ソシアネート化合物との反応により得られるチオウレタ
ン構造を有する熱硬化型光学材料が、特公平4-58489
号、特開平5-148340号、特開平10-120676公報に提案さ
れている。しかしながら、これらは樹脂成分の混合後か
ら成型までの可使時間が短い欠点を有し、また低吸水率
化に関する言及もみられない。
の提案も見られる。組成物の易加工性からビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等の液状エポ
キシ樹脂を用いて酸無水物硬化剤で硬化を行う。この場
合、最もガラス転移温度を高く、最も吸水率を小さくす
るエポキシ樹脂/酸無水物硬化剤の最適組成が決まって
おり(例えば3級アミン触媒を用いた場合はエポキシ基
/酸無水物基=1.0/0.75〜0.9当量比)、したがって硬
化物の耐熱性や吸水率を維持しすると、屈折率は決まっ
たものとなって他部材との屈折率整合性をとることがで
きない。また、この方法においても依然吸水率が2%を
超えて高く、屈折率も1.55以下と十分なものではな
い(例えば、エポキシ樹脂ハンドブック、日刊工業新聞
社発行、III-3章、VI-2章など)。
合物のエポキシ基の一部又は全部をエピスルフィド基に
変換した化合物を用いた光学材料の提案が特開平1-9861
5号公報、特開平3-81320号公報に見られるが、多官能チ
オール化合物の具体例は見られるがエピスルフィド基を
有する具体的な化合物を用いた組成物並びに硬化物の特
性について記載されていない。また、特開平9-71580号
公報、特開平9-110979号公報には、新規なアルキルスル
フィド型エピスルフィド化合物とその組成物及び硬化物
が提案されている。アミン触媒を用いたアルキルスルフ
ィド型エピスルフィド化合物の硬化物は、100℃以上
の軟化点、1.69以上の屈折率、35以上のアッベ数
を持つ好適な光学材料となる。硬化剤として1級アミン
若しくは酸無水物を硬化剤とした組成物の説明はある
が、1級アミンを用いた実施例では軟化点が100℃以下
と低く、また酸無水物との硬化物に関して、屈折率、吸
水率などの具体的記載がなく、効果は明らかでない。更
に、エポキシ基とエピスルフィド基とが混在する化合物
から得た硬化物は耐熱性並びに/若しくは強度が低いと
いう課題があり、また、それらと酸無水物を硬化剤とし
て用いた組成物並びに硬化物特性に関する具体的な記載
はない。
て、西久保らはチオエステル開始剤と4級アンモニウム
塩触媒の組み合わせが最も重合活性であることを報告し
ている(例えば、Polymer Journal, 28(1), pp68-75, 1
996又はPrpg. Polym.Sci. Vol.18, pp963-995, 199
3)。また、J.P.Bellらは、エピスルフィド化合物と一
級アミンとの硬化反応について検討している。これらの
いずれの公知の文献においてもエピスルフィド化合物と
酸無水物硬化剤との硬化反応に関して言及していない。
とより、低吸湿性、高耐熱性、精密成型性、接合部材と
の屈折率適合性などの特性に優れた硬化型樹脂組成物並
びにその硬化物を用いた光学材料を提供することにあ
る。具体的にはエポキシ化合物の自己硬化物に比較して
耐熱性に優れ、同種のエポキシ化合物を用いても酸無水
物硬化物及びアミン硬化物に比較して低吸水率かつ高屈
折率であり、従来のエピスルフィド化合物の硬化物に比
較して耐熱性及び屈折率適合性に優れた材料を提供す
る。
く達成する光学用材料として、本発明者らは鋭意検討し
た結果、以下の樹脂組成物並びにその硬化物が目的を達
成することを明らかにした。すなわち、本発明は、式
(1)で表される反応性基を1分子中に2つ以上もつ芳
香族エピスルフィド化合物(A成分)、
が硫黄原子であるときはβ-エピチオプロピル基であ
り、X中に占めるSの割合は三員環を構成するSとOの
合計に対して平均50モル%以上である。また、R1〜R4
は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基
を示し、同じであってもよい)、グリシジル基を1分子
中に2つ以上持つ芳香族グリシジルエーテル化合物(B
1)及び/又はグリシジル基を1分子中に2つ以上持つ
グリシジルエステル化合物(B2)からなるグリシジル
化合物(B成分)、酸無水物(C成分)並びに硬化触媒
(D成分)を必須成分として含有し、更にA、B及びC
成分中の官能基の比率が、酸無水物基1当量に対して、
グリシジル基とβ-エピチオプロピル基の総計が1.3
5〜3.5倍当量であり、β-エピチオプロピル基が0.
5〜2.2倍当量であり、グリシジル基が0.5〜1.
9倍当量であり、また硬化触媒(D成分)がA、B及び
C成分の総重量を100重量部としたとき、0.01〜
5重量部であることを特徴とする光学材料用樹脂組成物
である。また、本発明は、前記の樹脂組成物を重合硬化
して得られる硬化物であり、屈折率が1.5以上、吸水
率(85℃、85RHにおける飽和吸水率)が1%以下
であることを特徴とする光学材料である。
エピスルフィド化合物(A成分)は、1分子中にグリシ
ジルエーテル基をもつ公知の芳香族グリシジルエーテル
化合物(エポキシ樹脂ともいう)から公知の手法により
得られる。公知の芳香族グリシジルエーテル化合物とし
ては、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4-
ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(4-ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、9,9-ビス(4-ヒドロキフェニル)フ
ルオレン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジメチルシラ
ン、4,4'-ビフェノール、テトラメチル-4,4'-ビフェ
ノール等のビスフェノール類、フェノールノボラック、
クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ナフト
ール若しくはナフタレンジオールと1、4-ビスキシレ
ノールとの縮合化合物等の多官能フェノール類、又は芳
香環の一部若しくは全ての水素原子をハロゲン原子、炭
素数1〜4のアルキル基で置換したものを、エピクロロ
ヒドリンと反応させて得られる1分子中にグリシジルエ
ーテル基を2つ以上有するものが挙げられる。これらは
単独で用いても、併用してもかまわない。
らグリシジルエーテル化合物をチオシアン酸塩、チオ尿
素、トリフェニルフォスフィンスルフィド、3-メチルベ
ンゾチアゾール-2-チオン等のチオ化合物と、好ましく
はチオシアン酸塩、チオ尿素と反応させて、グリシジル
基の一部若しくは全てをチイロニウム塩に変換して製造
される。これらチオ化合物は量論的にエポキシ基に対し
て等当量以上使用するが、生成物の純度、反応速度から
考えて、幾分の過剰量の使用が好ましい。一方、グリシ
ジルエーテル化合物中のグリシジル基の一部をエピチオ
プロピル基に変換する目的であれば、等当量以下で差し
支えない。一方、本発明の目的を達成する組成物を勘案
すればエポキシ基からエピスルフィド基への変換は50
モル%以上が必要であるので、1/2倍当量以上のチオ
化合物は必要である。
もよいが、溶媒を使用するときは、チオ化合物あるいは
芳香族グリシジルエーテル化合物を溶媒中に細かく分散
して不均一系で行うか、又はいずれかが可溶のものを使
用することが目的物の収率向上に望ましい。具体例とし
ては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール
等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジ
グライム等のエーテル類、エチルセルソルブ、ブチルセ
ルソルブ等のヒドロキシエーテル類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられ、
これらの併用、例えば水と芳香族炭化水素類との組み合
わせで2相で行うことも可能で、この場合は、未反応の
グリシジルエーテル化合物を同時に洗浄除去することが
可能である。また、反応液中に酸を反応促進剤として添
加することが好ましい。酸の具体例としては、硝酸、硫
酸、塩酸、燐酸、酢酸、プロピオン酸等があげられ、こ
れらを併用してもかまわない。添加量は、反応総液量に
対して0.1〜20wt%である。反応温度は、通常2
0〜100℃で行われ、反応時間は通常20時間以下で
ある。ここで得られる反応中間生成物は通常固体で得ら
れるので、ろ別後、必要に応じて原料芳香族グリシルエ
ーテル化合物が溶解可能なトルエンなどの溶媒で洗浄し
て未反応原料化合物を除去し、更に水にて洗浄液のpHが
3〜5になるまで洗浄する。得られた中間体を粉砕し、
過剰の炭酸ナトリウム水溶液若しくは炭酸カリウム水溶
液中に20〜70℃にて2〜20時間分散させる。得ら
れた反応固形物を水洗、乾燥後、トルエン等の有機溶剤
に溶解し、不溶の未反応塩をろ別して、目的の芳香族エ
ピスルフィド化合物溶液を得る。この溶液から溶剤を除
去して芳香族エピスルフィド化合物を得る。
成分)は、グリシジル基を1分子中に2つ以上持つ芳香
族グリシジルエーテル化合物(B1)及び/又はグリシ
ジルエステル化合物(B2)から選択される少なくとも
1種である。芳香族グリシジルエーテル化合物(B1)
は、前述したA成分の原料となる同様のものを使用でき
る。また、グリシジル基を1分子中に2つ以上持つグリ
シジルエステル化合物(B2)としては公知のものが使
用でき、具体的にはジグリシジルフタレート、ジグリシ
ジルヘキサヒドロフタレート、グリシジルテトラヒドロ
フタレートを例示できる。より低い吸水率を得る目的に
はグリシジルエーテル化合物が好ましい。また、これら
は単独でも2種類以上を混合して用いてもよい。
は、硬化剤として用いられる公知の酸無水物が使用で
き、具体例としてはメチルテトラヒドロ無水フタル酸、
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミッ
ク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物など
の脂環式酸無水物類、無水フタル酸、無水トリメリット
酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート
無水物、グリセロールトリストリメリテート無水物、ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物などの芳香族酸無水
物類、無水ヘット酸、テトラブロモ無水フタル酸などの
ハロゲン系酸無水物類などを例示できる。透明性と易成
型性の観点から液状の脂環式酸無水物類が好ましい。ま
た、これらは単独でも2種類以上を混合して用いてもよ
い。
を両立しながら高い屈折率を任意に調整可能であり、そ
のような効果を発揮する組成物は、A、B及びC成分中
の官能基比率が、酸無水物基1当量に対して、グリシジ
ル基とβ-エピチオプロピル基の総計が1.35〜3.5
倍当量、好ましくは1.5〜3.2倍当量であり、β-
エピチオプロピル基が0.5〜2.2倍当量、好ましく
は0.5〜2.0倍当量であり、かつグリシジル基が
0.5〜1.9倍当量、好ましくは0.5〜1.5倍当
量となるように、A,B並びにC成分の組成比を決定す
る。なお、酸無水物基(=(CO)2O)、グリシジル基
及びβ-エピチオプロピル基は、それぞれ1モルを1当
量として計算される。
合物は一般的には室温で固体状態でありあるために単独
では無溶剤組成物として扱いにくく、またコーティング
後の造膜性も脆いものとなる。一方、グリシジル基の単
独硬化では十分な架橋構造をもった硬化物を得られな
い。また、硬化物の屈折率を任意に調整する目的で、β
-エピチオプロピル基及びグリシジル基を持つ化合物の
混合系で触媒共存下における硬化を行うと、β-エピチ
オプロピル基の硬化速度がグリシジル基のそれよりも早
く、また硬化物の未反応グリシジル基が残存して相分離
による白濁やガラス転移点の低下が生じる。そこで、本
発明では、この系に酸無水物硬化剤を共存させると、硬
化触媒が酸無水物基を活性化して硬化反応を開始するた
めに、β-エピチオプロピル基とグリシジル基と共に硬
化反応に関与して、均一な透明硬化物を得ることを可能
とした。
チオプロピル基及び酸無水物基の3成分が共存すること
で組成物の粘度調整範囲が広範になると同時に、前述の
官能基比率の範囲となるようにA、B、C成分の配合量
を調製することで、目的の特性を得られることを見いだ
した。すなわち、酸無水物基1当量に対して、グリシジ
ル基とβ-エピチオプロピル基の総当量が1.35倍当量
以上とすることで、まず硬化物中の未反応酸無水物基の
残存をなくし、吸水率を低くすることが可能となった。
また、β-エピチオプロピル基を0.5倍当量以上とす
ることで硬化物の高屈折率を1.5以上に、かつ硬化物
中のエステル結合の比率を下げて吸水率を1%以下(8
5℃、85RHに於ける飽和吸水率)と低くした。一
方、グリシジル基を0.5倍当量以上共存させることで
架橋点がチオエステル結合主体となることによるガラス
転移点の低下を抑制した。更に、本発明の大きな特徴
は、3つの官能基が共存することで、グリシジル基を
1.9倍当量まで、またβ-エピチオプロピル基を2.
2倍当量までの組成物においても、硬化物中に未反応官
能基を残すことなくガラス転移点を維持しながら、さら
なる高屈折率化と低吸水率化が可能となったことにあ
る。
ジル基とβ-エピチオプロピル基の総当量が1.35倍当
量を下回ると硬化物の吸水率が高くなり、3.5倍当量
を越えると硬化物中に未反応のグリシジル基が残存して
ガラス転移点が低下する。グリシジル基が0.5倍当量
を下回ると硬化物のガラス転移点が低下し、1.9倍当
量を越えると硬化物中に未反応のグリシジル基が残存し
てガラス転移点が低下し、更に屈折率を高くする効果が
薄れる。またβ-エピチオプロピル基が0.5倍当量を下
回ると、β-エピチオプロピル基の添加によるところの
硬化物の低吸水率化、高屈折率化が十分に達成されず、
2.2倍当量を越えると硬化物がもろくなる。
硬化触媒の共存下で酸無水物により硬化させた場合は、
酸無水物基1当量に対してグリシジル基を1.1〜1.2
5倍当量では最も高いガラス転移点、最も低い吸水率を
示すが吸水率は2%を越え、この範囲をはずれると未反
応基が多く残存してガラス転移点が低下する。β-エピ
チオプロピル基のみの化合物を酸無水物で硬化させた場
合は、硬化物中のチオエステル結合が多くなり、満足す
る高いガラス転移点が得られない。更に、これら硬化物
はβ-エピチオプロピル基及びグリシジル基を持つ化合
物の混合系でないので屈折率の調整範囲が狭い。
とすることにより組成物の広範な粘度調製範囲を達成
し、得られる硬化物が低吸水率と耐熱性とを両立しなが
ら高い屈折率で任意に調整可能なことを見いだした。そ
して、本発明の樹脂組成物では前記3成分の他に、硬化
触媒(D成分)を必須とする。
化させる目的で使用される硬化触媒(D成分)は、エポ
キシ樹脂/酸無水物硬化系に用いられる公知のものを使
用することが可能で、前記A〜C成分を含む組成物に混
合して、50〜200℃、好ましくは80〜180℃で
加熱して目的の硬化物を与える。硬化触媒の例として
は、3級アミン類、ホスフィン類、4級アンモニウム塩
類、ルイス酸類が使用される。具体例としては、トリエ
チルアミン、トリフェニルアミン、トリ-n-ブチルアミ
ン、N,N-ジメチルアニリン、ピリジンなどの3級アミン
類、イミダゾール、N-メチルイミダゾール、2-メチル
イミダゾール、4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-
2-メチルイミダゾール等の各種イミダゾール類、1、8-
ジアザビシクロ(5、4、0)ウンデセン-7、1、5-ジアザ
ビシクロ(4、3、0)ノネン-5、6-ジブチルアミノ-1、8
-ジアザビシクロ(5、4、0)ウンデセン-7等のアミジン
類等に代表される3級アミン系化合物及びこれらと有機
酸等との付加物、前記アミン類とハロゲン、ルイス酸、
有機酸、鉱酸、四フッ化ホウ素酸等との4級アンモニウ
ム塩、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ン、トリ-n-ブチルホスフィン等のホスフィン類、並び
に3フッ化ホウ素、3フッ化ホウ素のエーテラート等に
代表されるルイス酸類などである。これらの中で硬化物
の着色が少ないことから、イミダゾール類、4級アンモ
ニウム塩類の使用が好ましく、4級アンモニウム塩の使
用がより好ましい。また、これらは単独でも2種類以上
を混合して用いてもよい。以上のような硬化触媒(D成
分)の使用量は、A〜C成分の総量100重量部に対し
て、通常0.01〜5重量部であり、好ましくは0.05
〜3重量部、より好ましくは0.1〜2重量部である。
硬化触媒の量が5重量部より多いと、硬化物の吸水率並
びに着色が増加し、またこれより少ないと十分に硬化せ
ずに耐熱性が不十分となる。
てチオエステル化合物若しくはメルカプタン化合物を加
えてもよく、組成物のポットライフが長いこと、硬化物
の着色が少ないことから沸点が100℃以上のチオエス
テル化合物が好ましい。メルカプタン化合物の具体例と
しては、2-メルカプトエタノールや、チオグリコール酸
2-エチルヘキシル、3-メルカプトプロピオン酸-2-エチ
ルヘキシルなどの含エステル脂肪族メルカプタン化合物
類、トリメチロールプロパントリス(β-チオプロピオ
ネート)、ペンタエリストールテトラキス(β-チオグ
リコレート)などのポリメルカプト化合物が挙げられ
る。チオエステル化合物の具体例としては、 S-フェニ
ルチオアセテート、前記メルカプトン化合物の酢酸チオ
エステルや安息香酸チオエステル類などが挙げられる。
以上のような開始剤は、A〜C成分の総量100重量部
に対して、通常0.01〜5重量部であり、好ましくは
0.05〜2重量部、より好ましくは0.05〜1重量部
である。開始剤の量が5重量部より多いと、組成物のポ
ットライフが短くなり、また硬化物の耐熱性が損なわれ
る。
材料としての特性を阻害しない範囲で、公知の酸化防止
剤、紫外線吸収剤等の添加剤を加えて、得られる材料の
実用性を向上せしめることは可能である。また、公知の
外部及び/又は内部離型剤を使用又は添加して、得られ
る硬化材料の型から離型性を向上せしめることも可能で
ある。更に、接着剤やコーティング剤と使用する際は、
粘度調整の目的で加える溶剤や希釈剤、また基材との密
着性を高める目的でγ-グリシジルプロピルトリメトキ
シシランなどのシランカップリング剤、トリアジンチオ
ールなどの密着付与剤を添加することもできる。また、
コーティング時の平滑性や蒸発ムラを抑制する目的で、
シリコン系やフッ素系の界面活性剤を加えることができ
る。
を得るに際して、原料となる芳香族エピスルフィド化合
物(A成分)とグリシジル化合物(B成分)をあらかじ
め室温若しくは加熱して混合し、一方酸無水物(C成
分)並びに硬化触媒(D成分)を別途混合しておき、酸
化防止剤、紫外線吸収剤又は離型剤などの添加剤を溶解
するに好ましいどちらかに溶解し、使用する直前に両者
を混合することが好ましい。混合後の組成物をガラスや
金属製の型に注入し、加熱により硬化反応を進めた後、
型から外して光学材料を得る。各原料、添加剤の混合前
若しくは混合後に減圧下に脱ガス操作を行うことは、注
型重合硬化中の気泡発生を防止する観点から好ましい方
法である。硬化時間は、通常1〜60時間であり、硬化
温度は50〜200℃、好ましくは80〜180℃であ
る。また、硬化終了後、材料を硬化温度より低い50〜
160℃の温度で10分〜5時間程度のアニール処理を
行うことは、本材料の歪みを除くために好ましい処理で
ある。
が使用されており、例えば光拡散板、導光板、プリズム
シートにはプリズムやマイクロレンズがスクリーン印刷
により形成されているが、本発明の組成物又は材料をこ
れに適用することもできる。また、光学レンズ、プリズ
ム、光ファイバー、光学フィルムなどの接着剤やコーテ
ィング剤用途にも好適に使用できる。通常用いられる光
学材料は屈折率が1.5〜1.62の範囲にあるものが多
く(例えばポリカーボネートでは1.586、MS樹脂
では1.51〜1.57、ポリアリレート1.61)、こ
れらの屈折率に合わせて接着剤やコーティング剤を調整
して用いることができ、界面の屈折率差による反射や写
り込みを防止することに優れる。
として使用する際は、基材に屈折率を合わせた組成とな
るようにA、B及びC成分を配合し、更に粘度調整の目
的で加える溶剤や希釈剤、また基材との密着性を高める
目的でγ-グリシジルプロピルトリメトキシシランなど
のシランカップリング剤、トリアジンチオールなどの密
着付与剤や、コーティング時の平滑性や蒸発ムラを抑制
する目的で、シリコン系やフッ素系の界面活性剤を加
え、均一な樹脂組成物を調製し、必要に応じて表面処理
を施した基板に塗布し、適当な乾燥方法により溶剤の一
部又は全てを除いた後、接着剤の場合は加圧しながら、
コーティング材の場合はそのまま、50〜200℃に加
熱して硬化させる。更には、本発明の材料は透明性、低
吸湿、耐熱性であることから、発光ダイオード(LED)
封止用材料としても好適に用いることができる。LEDの
封止は、金属、セラミックなどのステム又はメタルフレ
ーム上にマウントされたLEDデバイスをキャスティング
又はトランスファーモールド成形方法によって被い、加
熱封止する。
る。 合成例1 水2630mlに機械攪拌しなが325g(6.49eq)の特級硫酸、
次にチオ尿素494g(6.49eq)を懸濁させた。次に、機械攪
拌しながらエピコート828(ヒ゛スフェノールA型エホ゜キシ樹脂、油
化シェル製、エポキシ当量)1.00kg(5.41eq)を少しづ
つ加え、完了したら、50℃にて6時間撹拌を行った。生
成した塩(白色固体)をガラスフィルターで濾過し、濾
液のPHが3〜5程度になるまで粉砕水洗後に室温で減圧乾
燥した。更に、塩中の未反応原料エポキシを除くため2
kgのジクロロメタン溶媒中で粉砕攪拌した。固体をろ
別後、更に同量のジクロロメタンで洗浄し、室温にて真
空乾燥を行った。水5300mlにNa2CO3 416gを溶解し、こ
れによく粉砕した前記塩1.00kg(3.27eq)を加えて、60
℃にて6時間の撹拌を行った。生成物(白色固体)をガ
ラスフィルターで濾過し、濾液のpHが8程度になるまで
粉砕、水洗後に室温で減圧乾燥を行った。更に、6倍量
のトルエン中にて目的物を溶解し、不溶物をろ別し、硫
酸マグネシウムにて乾燥後、トルエン溶液をシリカゲル
ショートカラム中にとおし、トルエン溶媒を減圧除去し
てエピスルフィド化合物(A1)を580g得た。
0mgを重クロロホルム溶媒に溶解し、270MHzのプ
ロトンNMR分析を行った。エポキシ環中のメチレンに対
応する2.7ppm、2.9ppmがほとんど消失し、チイラ
ン環中のメチレンに対応する2.3ppm、2.6ppmが見
られたことで、グリシジル基からβ-エピスルフィドプ
ロピル基に変換されていることを確認した。また、この
ものの融点は85℃であった。
定法で行った。 <液比重>比重びんを用いて25℃にて測定を行った。 <硬化物比重>25mm角x3mm厚みの硬化物を用い
て、水中浮力法にて比重を求めた。 <硬化収縮率>前記手法で求めた液比重(dL)並びに
硬化物比重(ds)を用いて次式により算出した。 硬化収縮率(%)= 100x(ds−dL)/dL <屈折率nD及びアッベ数>25℃でアッベ屈折計を用
いた。 <全光線透過率>厚み3mmの硬化物を用い、C光源基
準の透過率を求めた。 <外観>肉眼により曇りがないか観察した。 <吸水率1>50mm角x3mm厚みの硬化物を用い
て、23℃、24時間の水中浸漬より求めた(JIS720
9)。 <吸水率2>25mm角x3mm厚みの硬化物を用いて
85℃、85RHにおける飽和吸水率を求めた。ただ
し、後に述べるガラス転移温度Tgが110℃以下の硬
化物については測定しなかった。 <吸水率3>25mm角x3mm厚みの硬化物を用い
て、121℃、100RH下で48時間保持したときの
吸水率を求めた。ただし、後に述べるガラス転移温度T
gが130℃以下の硬化物については測定しなかった。 <HDT(℃)> 12.5mm幅x120mm長さx3mm厚みの硬
化物を用いて、JIS-K7207に従って求めた。 <動的粘弾性測定によるガラス転移点Tg1>5mm幅x
15mm長さx1mm厚みの硬化物を用いて、周波数1Hz
引っ張りモードに於いて2℃/分の昇温で室温から25
0℃まで動的粘弾性測定を行い、tanδのピーク温度を
Tg1(℃)とした。 <熱量測定(DSC)によるガラス転移温度Tg2>硬
化物約20mgを用い、室温から250℃まで10℃/
分の昇温に於いて熱流曲線の偏曲点よりガラス転移温度
Tg2(℃)を求めた。また、いずれの硬化物に於いて
も偏曲点を1つしか観測されなかった。
ン環に起因する1510cm-1吸収ピークを基準にして、
硬化前のエポキシ環915cm-1、チイラン環620cm-1
並びに酸無水物基1780cm-1の吸収ピークの強度比を
1として、硬化後の吸収ピーク強度比より各反応基の残
存率を推定した。吸収ピークがスペクトルのベースライ
ンのばらつき以内であるときは、検出限度以下(*)、
若干見られる場合はtr.と表中に示した。また、硬化
物中に生成するエステル結合1735cm-1の吸収ピーク
に対するチオエステル結合1705cm-1の吸収ピーク比
より架橋点構造を推定した。ただし、両吸収とも近いた
めに分離できたチオエステル結合の定量は0.3以上で
あった。それ以下は、検出限度以下(*)として表中に
記載した。
ピコート828(B成分、油化シェル製、エポキシ当量1
87)(b1)75gとをビーカー中で80℃にて加熱混
合して均一な粘調液体を得た。一方、メチルヘキサヒド
ロ無水フタル酸(C1)36.1g中にテトラ-n-ブチルア
ンモニウムクロライド(D1)1.37gを溶解して均一
溶液とした後、前述の粘調液体とS-フェニルチオアセ
テート(S1)0.75gと50℃にて混合して目的の組成
物を得た。これをシリコンゴムシート型中をアルミ箔で
被ったものを型として、これに目的の組成物を注型し、
100℃にて1時間、160℃にて2時間加熱し、厚み
1〜3mmの透明な成型体を得て、物性を測定した。
ジル基とβ-エピスルフィド基との総当量比を一定
(2.44)とし、グリシジル基とβ-エピスルフィド
基との当量比を変えて組成物を調製し、実施例1と同様
にして硬化物を作成、物性を測定した。
当量に対してグリシジル基単独又はβ-エピスルフィド
基単独で当量比を同等にして組成物を調製し、実施例1
と同様にして硬化物を作成、物性を測定した。
お、表1〜6において、官能基当量比及び重量比におけ
るA〜Dは、A〜D成分に対応し、Aは実質的に全てが
エピチオプロピル基であると計算され、IR分析のチオエ
ステル/エステルは、吸収強度比を示す。また、略号は
次のとおりである。 A1:合成例1で得たエピスルフィド化合物 b1:エピコート828 b2:YDF-8170C b3:CY-184 C1:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸 D1:テトラ-n-ブチルアンモニウムクロライド S1:S-フェニル酢酸
2%未満、吸水率2が1%以下であり、また耐熱性の指
標であるHDTも100℃以上、ガラス転移温度Tg1は1
30℃以上、Tg2は110℃以上を示した。更に、屈
折率は1.55以上であり、A成分の配合割合が増える
とともに大きくすることが可能であった。一方、比較例
1は、未反応エポキシ基の残存が見られ、HDTが50
℃、ガラス転移温度が100℃以下と耐熱性に劣ってい
た。また、比較例2においても未反応チイラン環が残存
しており、同様にHDTが51℃、ガラス転移温度が90
℃と耐熱性に劣っていた。
量になるように、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(C
1)35.4gとエピコート828(b1)50gとし、更
にA成分として化合物(A1)を酸無水物基1当量に対し
て0.58〜1.76倍当量となるようにした他は実施
例2と同様に行った。また、A成分を加えずに同様に行
ったものを比較例3とした。結果を表2に示す。実施例
は、いずれも吸水率2(85℃、85RHにおける飽和
吸水率)が1%以下、吸水率3(121℃、100R
H、48時間後)が1.5%以下となり、比較例3の
1.3%、2.3%と較べても低いことが明らかになっ
た。また、耐熱性は、A成分の含有量が増しても、Tg
1が170℃、Tg2が140℃とほとんどかわらず、比
較例3の160℃、130℃に較べて高かった。また、
A成分の含有量が増すと共に屈折率を1.56〜1.
6まで調整可能であった。一方、一連の硬化物中にはエ
ポキシ環、チイラン環、酸無水物基の残存は赤外スペク
トルの検出限界以下であった。
17倍当量になるように、メチルヘキサヒドロ無水フタ
ル酸(C1)35.4gとA成分となる化合物(A1)50
gとし、更にB成分としてエピコート828(b1)を酸
無水物基1当量に対して0.635倍当量となるように
した他は実施例2と同様に行った。結果を表2に示す。
吸水率2(85℃、85RHにおける飽和吸水率)が1
%以下、吸水率3(121℃、100RH、48時間
後)が1.5%以下となり、耐熱性は、B成分の含有量
が減少しても、Tg1及びTg2ともPCT試験温度以上で
あった。一方、硬化物中にはエポキシ環、チイラン環、
酸無水物基の残存は赤外スペクトルの検出限界以下であ
った。
基とβ-エピスルフィド基との総当量比を2.98、1.
63、1.08倍当量となるように、実施例2における
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸量を変え、他は同様に
行った。結果を表2に示す。酸無水物基1当量に対して
グリシジル基とβ-エピスルフィド基との総当量比を2.
98〜1.63倍当量(実施例2、6及び7)はいずれ
もTg1が160℃以上を示し、また吸水率2も1%以下
と低かった。それに対して総当量比が1.08倍当量の
比較例4ではガラス転移温度が低く、吸水率が高くなっ
た。
は比較例1、2と同様に行った。結果を表2に示す。比
較例5はB成分の硬化物であり、160℃で2時間処理
後も粘調な液体であった。比較例6はA成分の硬化物で
あるが、A成分は融点が85℃の固体であり、また組成
物にテトラ-n-ブチルアンモニウムクロライドを100
℃で加熱混合した後も室温では固体であった。硬化物
は、Tg1が140℃、吸水率2が0.56%、屈折率
1.628の淡黄色透明な成形体が得られた。比較例7
はA成分とB成分との硬化物であるが、室温では透明な
成形体であるがDSC測定で求めたガラス転移温度Tg2
が100℃未満と低いことがわかった。
ところ、硬化物物性はほとんど変わらなかった。実施例
4〜9及び比較例3〜7の組成及び測定結果を表2に示
す。
クロライド(実施例10)、1,8-ジアザビシクロ(5、
4、0)ウンデセン-7(DBU、実施例11)又はトリフ
ェニルホスフィン(実施例12)と変えて、A、B、C
の3成分を実施例2と同様の組成物を調製した。但し、
実施例11及び12では、開始剤に相当するS-フェニ
ル酢酸は用いなかった。この組成物をそれぞれ表3及び
表4に示す熱硬化条件で硬化反応を行い、硬化物のガラ
ス転移温度Tg2(℃)をDSCで測定した。テトラ-n-
ブチルアンモニウムクロライド触媒(実施例10)並び
にDBU触媒(実施例11)では120℃〜160℃硬
化でほぼ140℃のガラス転移温度Tg2に達した。一
方、トリフェニルホスフィン触媒(実施例12)では、
実施例10及び11に比較して同一硬化条件で硬化物の
Tg2が10℃ほど低く観測された。一方、120℃に
て22時間さらに160℃にて2時間加熱した各硬化物
を空気中にて室温から260℃へ10℃/分で昇温し、
260℃にて2分間保持したときの熱重量減少を調べた
(TGA測定)。いずれも99%以上の重量保持率であっ
た。また、TGA測定後の硬化物は260℃の熱履歴を受
けるが、熱履歴後の硬化物の着色度合いを比較すると、
テトラ-n-ブチルアンモニウムクロライド触媒の場合
は、透明淡黄色でほとんど着色が見られなかったが、DB
U、トリフェニルホスフィンの順に着色が強くなった。
測定結果を表3及び表4に示す。
の時間をゲル化時間として測定した。結果を表5に示
す。化合物(A1)/エピコート828/酸無水物の3元系
(実施例2の組成物、実施例13)は、従来のエピコー
ト828/酸無水物硬化系(比較例3の組成物.比較例
8)ほぼ同等のゲル化時間を示し、硬化速度が速いこと
がわかった。一方、化合物(I)単独系(比較例6の組
成物、比較例9)は実施例に比較して遅かった。
東都化成(株)製、エポキシ当量156)(b2)若しく
はCY184(ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエス
テル、チバスペシャリティケミカルズ社製、エポキシ当
量170)(b3)と換えた他は、実施例2と同様な官能
基比にして組成物を調製し、硬化物の特性を測定した。
また、比較例3と同様にして、エポキシ化合物を変えて
調製した硬化物の特性も比較例として測定した。配合組
成及び結果を表6に示す。実施例ではエピスルフィド化
合物の添加により、ガラス転移温度が20〜30℃上昇
した。また、吸水率2が1%以下であった。
もとより、低吸湿性、高耐熱性、精密成型性、接合部材
との屈折率適合性などの特性に優れた硬化物を与える。
また、本発明の光学材料は、透明性、低吸湿性、高耐熱
性、高屈折率を有するためレンズ、フィルター、光学フ
ィルム等の用途に適する。
Claims (2)
- 【請求項1】 式(1)で表される反応性基を1分子中
に2つ以上もつ芳香族エピスルフィド化合物(A成
分)、 【化1】 (ここで、Xが酸素原子であるときはグリシジル基、X
が硫黄原子であるときはβ-エピチオプロピル基であ
り、X中に占めるSの割合は三員環を構成するSとOの
合計に対して平均50モル%以上である。また、R1〜R4
は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基
を示し、同じであってもよい)、グリシジル基を1分子
中に2つ以上持つ芳香族グリシジルエーテル化合物(B
1)及びグリシジル基を1分子中に2つ以上持つグリシ
ジルエステル化合物(B2)から選ばれる少なくとも1
種のグリシジル化合物(B成分)、酸無水物(C成分)
並びに硬化触媒(D成分)を必須成分として含有し、更
に3成分中の官能基の比率が、酸無水物基1当量に対し
て、グリシジル基とβ-エピチオプロピル基の総計が
1.35〜3.5当量であり、β-エピチオプロピル基が
0.5〜2.2当量であり、グリシジル基が0.5〜
1.9当量であり、また硬化触媒(D成分)がA、B及
びC成分の総重量を100重量部としたとき、0.01
〜5重量部であることを特徴とする光学材料用樹脂組成
物。 - 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物を重合硬化し
て得られる硬化物であり、屈折率が1.5以上、吸水率
(85℃、85RHにおける飽和吸水率)が1%以下で
あることを特徴とする光学材料。
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