JP2001105760A - 水なし平版印刷版原版およびその製造方法 - Google Patents

水なし平版印刷版原版およびその製造方法

Info

Publication number
JP2001105760A
JP2001105760A JP29043799A JP29043799A JP2001105760A JP 2001105760 A JP2001105760 A JP 2001105760A JP 29043799 A JP29043799 A JP 29043799A JP 29043799 A JP29043799 A JP 29043799A JP 2001105760 A JP2001105760 A JP 2001105760A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
printing plate
photosensitive layer
silicone rubber
hydroxy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29043799A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunitaka Fujiyoshi
国孝 藤吉
Koichi Nagase
公一 長瀬
Keiko Sugikawa
恵子 杉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP29043799A priority Critical patent/JP2001105760A/ja
Publication of JP2001105760A publication Critical patent/JP2001105760A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41NPRINTING PLATES OR FOILS; MATERIALS FOR SURFACES USED IN PRINTING MACHINES FOR PRINTING, INKING, DAMPING, OR THE LIKE; PREPARING SUCH SURFACES FOR USE AND CONSERVING THEM
    • B41N1/00Printing plates or foils; Materials therefor
    • B41N1/003Printing plates or foils; Materials therefor with ink abhesive means or abhesive forming means, such as abhesive siloxane or fluoro compounds, e.g. for dry lithographic printing

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】経時による品質の低下が起こりにくい、経時安
定性に優れた水なし平版印刷版原版を提供する。 【解決手段】支持体上に、プライマー層、感光層および
シリコーンゴム層をこの順に積層してなる水なし平版印
刷版原版であって、該プライマー層が芳香環を有する化
合物を含有すると共に該感光層がウレタン樹脂と多官能
モノマーを含有し、該感光層のシリコーンゴム層側表面
を、IREがGe、入射角が45度の条件で赤外分光計
(FT−IR−ATR法)を用いて測定した反射スペク
トルにおいて、1510cm-1におけるピーク強度(d
1510)を1560cm-1におけるピーク強度(d1560
で割った値(d1510/d1560)が0.1〜3.5である
ことを特徴とする水なし平版印刷版原版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水なし平版印刷版原
版およびその製造方法に関するものであり、経時による
品質の低下が起こりにくい、経時安定性に優れた水なし
平版印刷版原版およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、シリコーンゴム層をインキ反
発層として使用し、湿し水を用いずに平版印刷を行うた
めの印刷版原版が種々提案されている。
【0003】例えば、ポジ型感光性平版印刷版原版とし
ては、特公昭54−26923号公報、特公昭56−2
3150号公報などにおいて、基板上に光重合性感光層
とシリコーンゴム層とが積層された水なし平版印刷版原
版、また特公平3−56622号公報、特開昭61−1
53655号公報などにおいて、基板上に光架橋性感光
層とシリコーンゴム層とが積層された水なし平版印刷版
原版などが提案されている。
【0004】また、特公昭61−54219号公報、特
開昭60−9799号公報などにおいては、基板上に感
光層およびシリコーンゴム層を積層してなる水なし平版
印刷版原版において、基板と感光層との間にエポキシ樹
脂およびエポキシ樹脂と多官能イソシアネートを含む中
間層、すなわちプライマー層を介在させたものが提案さ
れており、実用性の高い水なし平版印刷版原版を提供し
ている。
【0005】これらの水なし平版印刷版原版は、作製後
長期間経過すると、画像再現性の低下、更には現像不良
などの問題を生じることがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点の解決を図り、経時による品質の低下が起こり
にくい、経時安定性に優れた水なし平版印刷版原版を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の水なし平版印刷版原版は主として次の構成
を有する。すなわち、「支持体上に、プライマー層、感
光層およびシリコーンゴム層をこの順に積層してなる水
なし平版印刷版原版であって、該プライマー層が芳香環
を有する化合物を含有すると共に該感光層がウレタン樹
脂と多官能モノマーを含有し、該感光層のシリコーンゴ
ム層側表面を、IREがGe、入射角が45度の条件で
赤外分光計(FT−IR−ATR法)を用いて測定した
反射スペクトルにおいて、1510cm-1におけるピー
ク強度(d1510)を1560cm -1におけるピーク強度
(d1560)で割った値(d1510/d1560)が0.1〜
3.5であることを特徴とする水なし平版印刷版原
版。」である。
【0008】また、本発明の水なし平版印刷版原版の製
造方法は次の構成を有する。すなわち、「プライマー層
のキュア温度が150℃〜280℃であることを特徴と
する前記の水なし平版印刷版原版の製造方法」、「プラ
イマー層のキュア時間が30秒以上であることを特徴と
する前記の水なし平版印刷版原版の製造方法。」であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。
【0010】本発明において用いられる水なし平版印刷
版原版の支持体としては、通常の水なし平版印刷版原版
で用いられるもの、あるいは提案されているものであれ
ば、いずれでも良い。例えば、アルミニウム、銅、亜
鉛、鋼などの金属板が挙げられる。これらの支持体に
は、ハレーション防止その他の目的で更に他の物質をコ
ーティングして支持体として用いることも可能である。
【0011】プライマー層としては、芳香環を有する化
合物を含有するものであれば、いずれでも良い。芳香環
を有する化合物としては、例えば、ノボラック樹脂、レ
ゾール樹脂、ピロガロール樹脂、芳香環を有するエポキ
シ樹脂、芳香環を有する感光性樹脂等が挙げられる。な
かでも芳香環を有するエポキシ樹脂が好ましい。
【0012】芳香環を有するエポキシ樹脂としては、例
えば、ビスフェノールAジグリシジルエステル、その他
のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF
ジグリシジルエステル、その他のビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールADジグリシジルエステ
ル、その他のビスフェノールAD型エポキシ樹脂、テレ
フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルフタルイミ
ド、ジブロモフェニルグリシジルエステル、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂、アニリンとエピクロルヒドリンを反応させ
たもの、アミノフェノールとエピクロルヒドリンを反応
させたもの、フェノールとアニリンをホルムアルデヒド
と共縮合させノボラックタイプの樹脂をエポキシ化させ
たものトリレンジイソシアネートとグリシドールを反応
させたもの等が挙げられるが、これらには限定されな
い。
【0013】また、プライマー層には、現像液等に対す
る耐溶剤性および支持体との接着性の面から、上記芳香
環を有する化合物以外の成分を加えても良い。これらそ
の他の成分としては、芳香環を有さないエポキシ樹脂、
ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ
ビニルブチラール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ミルクカゼイン、ゼラチンなどを挙げることができ
るが、これらに限定されない。これらの他の成分は、単
独で、あるいは二種以上混合して用いることができる。
【0014】また、これらのプライマー層にはフィルム
形成能を向上させるために適当な架橋剤を適量加えても
良い。ここで言う架橋剤としては、例えば、多官能イソ
シアネート類、脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水
物、ポリアミノアミド、レゾール系フェノール樹脂、ユ
リア樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
【0015】イソシアネート化合物の具体例としては、
例えば、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−ト
ルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシア
ネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートが
挙げられ、これらをメタノール、エタノール、イソプロ
パノール、プロパノール、フェノール等でブロックした
ブロックイソシアネートも挙げられる。
【0016】脂肪族アミンとしては、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ジプロプレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミ
ン、ヘキサメチレンジアミンなどの鎖状脂肪族アミン、
メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−
アミノ−3−メチルジンクロヘキシル)メタン、ジアミ
ノジンクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シク
ロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビ
ス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ(5,5)ウンデカン等の環状アミン、m
−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン等の脂肪族
芳香族アミンが挙げられる。
【0017】芳香族アミンとしては、メタフェニレンジ
アミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニ
ルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタン等が
挙げられる。
【0018】酸無水物としては、ドデセニル無水コハク
酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、
ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカンニ
酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカンニ酸)無水物
等の脂肪族酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル
酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイ
ミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無
水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、
メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等の脂環式酸
無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロ
メリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、
エチレングリコールビストリメリテート、グリセロール
トリストリメリテート等の芳香族酸無水物、無水ヘット
酸、テトラブロモ無水フタル酸等のハロゲン系酸無水物
等が挙げられる。
【0019】また、本発明のプライマー層には、紫外線
硬化機構を用いてフィルム形成能を向上させたものを用
いても良い。紫外線硬化機構を用いる方法としては、例
えば、公知のエポキシ樹脂にアクリル酸等を付加させて
ラジカル機構により重合させる方法、エポキシ基を直接
重合させる光重合開始剤を用いる方法等が挙げられる。
【0020】エポキシ基を直接重合させる光重合開始剤
としては、HPF6、HSbF6等のブレンステッド酸の
オニウム塩類、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニ
ウム塩、芳香族ヨウドニウム塩、鉄芳香族化合物塩、ア
ルミニウム錯体/光分解性ケイ素化合物系触媒等が挙げ
られる。
【0021】また、本発明のプライマー層には、支持体
からのハレーションを防止するためや、検版性の向上を
目的に、酸化チタンや炭酸カルシウムのような白色顔料
や黄色顔料を添加することもできる。また、かかる顔料
を添加する場合には、顔料が沈降するのを防いで液の保
存安定性を向上させるために、顔料分散剤と混合して用
いるのが好ましい。更に塗工性を改良する目的で、界面
活性剤等を添加することも可能である。
【0022】プライマー層の厚さとしては0.5〜20
μm、より好ましくは1〜10μmである。かかる範囲
内とすることにより支持体表面の形態欠陥および化学的
悪影響の遮断効果が得られ、経済的に不利になることも
ない。
【0023】本発明において用いられる感光層として
は、多官能モノマー、ウレタン樹脂を含有するものであ
ればいずれでも良い。
【0024】多官能モノマーとしては、例えば以下のよ
うな化合物が挙げられるがこれらに限定されない。 (1)アミノ基含有モノマー アミノ基含有モノマーとしては、例えばモノアミン化合
物やジアミン化合物、ポリアミン化合物のようなアミン
化合物とグリシジルメタクリレート、メタクリル酸、メ
タクリル酸無水物などのエチレン性不飽和基を有する化
合物との反応生成物が挙げられる。この場合のアミン化
合物としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0025】ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチル
アミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジ
アミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタン
ジアミン、モノオキシエチレンジアミン、ジオキシエチ
レンジアミン、トリオキシエチレンジアミン、ポリオキ
シエチレンジアミン、モノオキシプロピレンジアミン、
ジオキシピロピレンジアミン、トリコキシプロピレンジ
アミン、ポリオキシピロピレンジアミン、N−ヒドロキ
シエチルヘキサプロピレンジアミン、N−ヒドロキシイ
ソプロピルヘキサピロピレンジアミン、N,N’−ジヒ
ドロキシエチルヘキサプロピレンジアミン、トリメチレ
ンビス(4−アミノベンゾエート)、キシリレンジアミ
ン、N−ヒドロキシエチル−m−キシリレンジアミン、
N−ヒドロキシイソプロピル−m−キシリレンジアミ
ン。
【0026】アミノ基含有モノマーの具体例としては以
下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】N,N,N’,N’−テトラ(2−ヒドロ
キシ−3−メタクリロキシプロピル)モノオキシエチレ
ンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(2−ヒドロ
キシ−3−メタクリロキシプロピル)ジオキシエチレン
ジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(2−ヒドロキ
シ−3−メタクリロキシプロピル)デカオキシエチレン
ジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(2−ヒドロキ
シ−3−メタクリロキシプロピル)トリトリアコンタオ
キシエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ
(2−ヒドロキシ−3−アクリロキシプロピル)トリオ
キシエチレンジアミン、N,N,N’−トリ(2−ヒド
ロキシ−3−メタクリロキシプロピル)−N’−モノ
(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル)モノオキシ
エチレンジアミン、N,N,N’−トリ(2−ヒドロキ
シ−3−メタクリロキシプロピル)−N’−モノ(2−
ヒドロキシ−3−メトキシプロピル)ジオキシエチレン
ジアミン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタク
リロキシプロピル)−N,N’−ジ−(2−ヒドロキシ
−3−メトキシプロピル)モノオキシエチレンジアミ
ン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキ
シプロピル)−N,N’−ジ−(2−ヒドロキシ−3−
メトキシプロピル)ジオキシエチレンジアミン、N,
N,N’−トリ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ
プロピル)−N’−モノ−(2−ヒドロキシ−3−ブト
キシプロピル)モノオキシエチレンジアミン、N,N,
N’−トリ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロ
ピル)−N’−モノ−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシ
プロピル)ジオキシエチレンジアミン、N,N’−ジ
(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピル)−
N,N’−ジ−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピ
ル)モノオキシエチレンジアミン、N,N’−ジ(2−
ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピル)−N,N’
−ジ−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)ジオ
キシエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ
(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピル)モノ
オキシプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テト
ラ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピル)デ
カオキシプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テ
トラ(2−ヒドロキシ−3−アクリロキシプロピル)ト
リオキシプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テ
トラ(2−ヒドロキシ−3−アクリロキシプロピル)ヘ
キサオキシプロピレンジアミン、N,N,N’−トリ
(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピル)−
N’−モノ(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル)
モノオキシプロピレンジアミン、N,N,N’−トリ
(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピル)−
N’−モノ(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル)
ジオキシプロピレンジアミン、N,N,N’−トリ(2
−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピル)−N’−
モノ(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル)デカオ
キシプロピレンジアミン、N,N’−ジ(2−ヒドロキ
シ−3−メタクリロキシプロピル)−N,N’−ジ(2
−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル)ジオキシプロピ
レンジアミン、N,N,N’−トリ(2−ヒドロキシ−
3−メタクリロキシプロピル)−N’−モノ(2−ヒド
ロキシ−3−ブトキシプロピル)モノオキシプロピレン
ジアミン、N,N,N’−トリ(2−ヒドロキシ−3−
メタクリロキシプロピル)−N’−モノ(2−ヒドロキ
シ−3−ブトキシプロピル)ジオキシプロピレンジアミ
ン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキ
シプロピル)−N,N’−ジ(2−ヒドロキシ−3−ブ
トキシプロピル)モノオキシプロピレンジアミン、N,
N’−ジ(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)ジ
オキシプロピレンジアミン、N,N,N’−トリ(2−
ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピル)−N’−モ
ノ(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシロキシ)
プロピル)トリオキシプロピレンジアミン、N,N,
N’−トリ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロ
ピル)−N’−モノ(2−ヒドロキシ−3−フェノキシ
プロピル)トリオキシプロピレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロ
キシプロピル)−m−キシレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロ
キシプロピル)−p−キシレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラ(2−ヒドロキシ−3−アクリロキ
シプロピル)−m−キシレンジアミン、N,N,N’,
N’−テトラ(2−ヒドロキシ−3−アクリロキシプロ
ピル)−p−キシレンジアミン、N,N,N’−トリ
(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピル)−
N’−モノ(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル)
−m−キシリレンジアミン、N,N,N’−トリ(2−
ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピル)−N’−モ
ノ(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル)−p−キ
シリレンジアミン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシ−3
−メタクリロキシプロピル)−N,N’−ジ(2−ヒド
ロキシ−3−メトキシプロピル)−m−キシレンジアミ
ン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキ
シプロピル)−N,N’−ジ(2−ヒドロキシ−3−メ
トキシプロピル)−p−キシレンジアミン、N−モノ
(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピル)−
N,N’,N’−トリ(2−ヒドロキシ−3−メトキシ
プロピル)−m−キシレンジアミン、N−モノ(2−ヒ
ドロキシ−3−メタクリロキシプロピル)−N,N’,
N’−トリ(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル)
−p−キシレンジアミン、N,N,N’−トリ(2−ヒ
ドロキシ−3−アクリロキシプロピル)−N’−モノ
(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル)−m−キシ
リレンジアミン、N,N,N’−トリ(2−ヒドロキシ
−3−アクリロキシプロピル)−N’−モノ(2−ヒド
ロキシ−3−メトキシプロピル)−p−キシリレンジア
ミン等。
【0028】上記に示したアミノ基含有モノマーは、上
層のインキ反発層であるシリコーンゴム層との接着性を
向上させる点から、活性シリル基を含有しても良い。活
性シリル基としては、アセトキシシリル基や、アルコキ
シシリル基、ケトオキシムシリル基、ハイドロジェンシ
リル基、ハロゲン化シリル基などを挙げることができ
る。
【0029】(2)アミノ基を含まないモノマー アミノ基を含まないモノマーとしては、例えばエチレン
性不飽和結合を有する化合物が挙げられる。これらの中
では、グリシジル基とカルボン酸を反応させるなどの方
法により、水酸基を含有させたようなモノマーを用いる
ことも好ましい。
【0030】このようなアミノ基を含有しないモノマー
の具体例としては以下のものが挙げられるがこれらに限
定されない。
【0031】(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸ヘキシル、グリシジル(メタ)アクリレート、
1,4−ブタンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキ
サンジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジ(メ
タ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレ
ート、1,10−デカンジ(メタ)アクリレート、エチ
レングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メタ)
アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、グリセリン1モルに(メタ)アクリル酸を1〜
3モル反応させたもの、トリメチロールプロパン1モル
に(メタ)アクリル酸を1〜3モル反応させたもの、ペ
ンタエリスリトール1モルに(メタ)アクリル酸1〜4
モル反応させたもの、ポリビニルアルコールに(メタ)
アクリル酸を反応させたもの、多官能アルコールに(メ
タ)アクリル酸を反応させたもの、モノカルボン酸にグ
リシジル(メタ)アクリレートを反応させたもの、マレ
イン酸やアジピン酸などの多官能カルボン酸にグリシジ
ル(メタ)アクリレートを反応させたもの、エポキシ化
合物に(メタ)アクリル酸を反応させたもの、多感能エ
ポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を反応させたもの
等。
【0032】上記に示したアミノ基を含まないモノマー
は、上層のインキ反発層であるシリコーンゴム層との接
着性を向上させる点から、活性シリル基を含有しても良
い。活性シリル基としては、アセトキシシリル基や、ア
ルコキシシリル基、ケトオキシムシリル基、ハイドロジ
ェンシリル基、ハロゲン化シリル基などを挙げることが
できる。
【0033】本発明において、ウレタン樹脂はバインダ
ーポリマーとして感光層中に含まれる。ウレタン樹脂と
しては、ポリイソシアネート類と多価アルコールにより
得られる一般的に用いられているものを使用可能であ
る。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン
等が挙げられるがこれらに限定されない。ポリイソシア
ネート類としては、パラフェニレンジイソシアネート、
トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソ
シアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート等が挙げられるがこれらに限
定されない。
【0034】本発明における感光層において、その他の
バインダーポリマーをウレタン樹脂と混合して使用する
ことも可能である。代表的なバインダーポリマーとして
はポリオレフィン類、ポリスチレン類、(メタ)アクリ
ル酸エステルポリマー類等のビニルポリマー類、未加硫
ゴム、ポリエステル類等が挙げられるが、これらに限定
されない。
【0035】本発明の感光層には、必要に応じて染料、
顔料、pH指示薬、焼き出し性付与剤、界面活性剤、重
合禁止剤、酸、塩基、光開始剤、光増感剤、光増感助剤
等の各種添加剤を適量加えることが好ましい。
【0036】上記の感光層を形成するための組成物は、
エチルセロソルブ、DMF、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、ジオキサン等の適当な有機溶媒に
溶解させることによって組成物溶液として調製される。
【0037】かかる感光層組成物溶液を基板上に均一に
塗布し必要な温度で必要な時間加熱することにより溶媒
を揮発させ、感光層が形成される。
【0038】本発明に用いられる感光層の厚さは0.1
〜50μm、好ましくは0.5〜10μmである。0.
1μm以上とすることにより塗工時にピンホール等の欠
陥が生じ易くなることなく、一方、50μm以下とする
ことにより経済的見地から不利となることもない。
【0039】水なし平版印刷版のインキ反発層として
は、ビニルアルコール類などからなる親水性層、アクリ
ル酸やアクリル酸塩、スルホン酸やスルホン酸塩などを
含む親水性層、特開平8−282142号公報、特開平
8−282144号公報、特開平8−292558号公
報、特開平9−54425号公報などで提案されている
親水性膨潤層や、シリコーンゴム層、フッ素化合物を含
有する層などを用いることが出来るが、本発明において
はシリコーンゴム層が用いられる。
【0040】シリコーンゴム層としては、付加重合型の
もの、縮合重合型のものいずれでも用いられる。 (1)付加重合型のシリコーンゴム層 付加重合型のシリコーンゴム層を構成する成分として
は、ビニル基含有ポリジメチルシロキサン、SiH基含
有ポリシロキサン、さらには硬化速度を制御する目的で
反応抑制剤、および硬化触媒を含む。
【0041】ビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、
下記一般式(I)で表される構造を有し、分子末端およ
び/もしくは主鎖中にビニル基を有するものである。
【0042】
【化1】 (式中、nは2以上の整数、R1、R2は炭素数1〜50
の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素数2〜50の
置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素数4〜50の
置換あるいは非置換のアリール基の群から選ばれる少な
くとも1種であり、それぞれ同一であっても異なってい
てもよい。) 式中のR1、R2の全体の50%以上がメチル基であるこ
とが、印刷版のインキ反撥性の面で好ましい。
【0043】また、分子量としては数千〜数十万のもの
が使用できるが、その取扱い性や得られた印刷版のイン
キ反発性、耐傷性などの観点から重量平均分子量1万〜
20万、さらには3万〜15万のものを用いることが好
ましい。
【0044】SiH基含有ポリシロキサンとしては、分
子鎖中、または末端にSiH基を有するポリシロキサン
を挙げることが出来、例えば下記一般式で表されるよう
な化合物を挙げることが出来る。
【0045】
【化2】
【0046】
【化3】
【0047】
【化4】
【0048】
【化5】 (式(II)〜(IV)中、nは1以上の整数。mは1以上
の整数である。) SiH基を有する化合物中におけるSiH基の量として
は、2個以上、さらには3個以上であることが好まし
い。
【0049】SiH基を有する化合物の添加量として
は、シリコーンゴム層全組成物の3〜20重量%である
ことが好ましく、さらに好ましくは5〜15重量%であ
る。
【0050】ポリジメチルシロキサンとの量比で言え
ば、SiH基/ポリジメチルシロキサンの炭素・炭素二
重結合のモル比が1.5〜30であることが好ましく、
さらに好ましくは10〜20である。このモル比が1.
5以上である場合には、シリコーンゴム層の硬化が不足
することがなく、逆に30以下である場合にはゴムの物
性がもろくなって、印刷版の耐傷性などに悪影響を与え
ることがない。
【0051】反応抑制剤としては、含窒素化合物、リン
系化合物、不飽和アルコールなどが挙げられるが、アセ
チレン基含有のアルコール、含窒素化合物などが好まし
く用いられる。反応抑制剤の好ましい添加量としては、
シリコーンゴム組成物中の0.01〜10重量%、さら
に好ましくは1〜5重量%である。
【0052】硬化触媒としては、III族遷移金属化合
物、好ましくは、白金化合物であり、具体的には白金単
体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金、白金
のアルコール変性錯体、白金のメチルビニルポリシロキ
サン錯体などを一例として挙げることが出来る。
【0053】このような硬化触媒の量は、シリコーンゴ
ム層中に固形分として0.01〜20重量%、好ましく
は0.1〜10重量%である。添加する触媒量が0.0
1重量%以上であればシリコーンゴム層の硬化が充分と
なり、さらに感熱層との接着性に問題を生じることもな
い。他方20重量%以下であればシリコーンゴム層溶液
のポットライフに悪影響をもたらすこともない。シリコ
ーンゴム層組成物中における白金などの金属の量で言え
ば、10〜1000ppm、好ましくは100〜500
ppmである。
【0054】また、これらの組成物の他に、縮合型シリ
コーンゴム層の組成物である水酸基含有オルガノポリシ
ロキサンや加水分解性官能基含有シラン(もしくはシロ
キサン)、ゴム強度を向上させる目的でシリカなどの公
知の充填剤、接着性を向上させる目的で公知のシランカ
ップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニ
ウム系カップリング剤などを含有してもよい。シランカ
ップリング剤としては、アルコキシシラン類、アセトキ
シシラン類、ケトキシミンシラン類などが好ましく、特
にビニル基を有するものや、ケトキシミンシラン類が好
ましい。
【0055】(2)縮合重合型のシリコーンゴム層 縮合重合型のシリコーンゴム層を構成する成分として
は、水酸基含有ポリジメチルシロキサン、架橋剤(脱酢
酸型、脱オキシム型、脱アルコール型、脱アミン型、脱
アセトン型、脱アミド型、脱アミノキシ型など)、およ
び硬化触媒を含む。
【0056】水酸基含有ポリジメチルシロキサンも、上
記一般式(I)で表される構造を有する。水酸基は分子
末端および/もしくは主鎖中に位置することが出来る
が、好ましく用いられるものは分子末端に水酸基を有す
るものである。
【0057】一般式(I)中のR1、R2については、同
様に全体の50%以上がメチル基であることが、印刷版
のインキ反発性の面で好ましい。分子量としては数千〜
数十万のものが使用できるが、その取扱い性や得られた
印刷版のインキ反発性、耐傷性などの観点から重量平均
分子量1万〜20万、さらには3万〜15万のものを用
いることが好ましい。
【0058】縮合重合型のシリコーンゴム層で用いられ
る架橋剤としては、下記一般式(VI)で表される、アセ
トキシシラン類、アルコキシシラン類、ケトキシミンシ
ラン類、アリロキシシラン類などを挙げることが出来
る。 (R34-nSiXn (VI) (式中、nは2〜4の整数。R3は炭素数1以上の置換
もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール
基、またはこれらの組み合わされた基を示す。Xはハロ
ゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシミ
ン基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニルオキシ基
から選ばれる官能基である。) また、加水分解性基の数nは3または4であることが好
ましい。
【0059】具体的な化合物としては、メチルトリアセ
トキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルト
リアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テト
ラプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリフェノキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
アリルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシ
シラン、ビニルトリスイソプロペノキシシラン、ビニル
メチルビス(メチルエチルケトキシミン)シラン、メチ
ルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン、ビニルト
リ(メチルエチルケトキシミン)シラン、テトラ(メチ
ルエチルケトキシミン)シラン、ジイソプロペノキシジ
メチルシラン、トリイソプロペノキシメチルシラン、テ
トラアリロキシシラン、などが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0060】これらの中では、シリコーンゴム層の硬化
速度、取扱い性などの観点から、アセトキシシラン類、
ケトキシミンシラン類が好ましい。
【0061】一般式(VI)で表される架橋剤の添加量と
しては、シリコーンゴム層全組成物の1.5〜20重量
%であることが好ましく、3〜10重量%がさらに好ま
しい。
【0062】ポリジメチルシロキサンとの量比で言え
ば、官能基/ポリジメチルシロキサンの水酸基のモル比
が1.5〜10.0であることが好ましい。このモル比
が1.5以上であれば、シリコーンゴム層溶液のゲル化
が起こりにくく、逆に10.0以下であればゴムの物性
がもろくなることもなく、印刷版の耐傷性などに悪影響
を与えない。
【0063】硬化触媒としては、酢酸、プロピオン酸、
マレイン酸などの有機カルボン酸、トルエンスルホン
酸、ホウ酸等の酸類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム等のアルカリ、アミン、およびチタ
ンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどの
金属アルコキシド、鉄アセチルアセトナート、チタンア
セチルアセトナートジプロポキシドなどの金属ジケテネ
ート、金属の有機酸塩などを挙げることが出来る。
【0064】これらのの中では、金属の有機酸塩を添加
することが好ましく、特に錫、鉛、亜鉛、鉄、コバル
ト、カルシウム、マンガンから選ばれる金属の有機酸塩
であることが好ましい。このような化合物の具体例の一
部としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオ
クテート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸亜鉛、
オクチル酸鉄などを挙げることが出来る。
【0065】このような硬化触媒の量は、シリコーンゴ
ム層中に固形分として0.01〜20重量%、0.1〜
10重量%であることが好ましい。添加する触媒量が
0.01重量%以上であればシリコーンゴム層の硬化が
充分となり、さらに感熱層との接着性に問題を生じるこ
ともない。他方20重量%以下であればシリコーンゴム
層溶液のポットライフに悪影響をもたらすこともない。
【0066】また、これらの組成物の他に、ゴム強度を
向上させる目的でシリカなどの公知の充填剤、さらには
公知のシランカップリング剤を含有してもよい。
【0067】これらシリコーンゴム層の膜厚は0.5〜
20g/m2が好ましく、1〜4g/m2がさらに好まし
い。膜厚が0.5g/m2以上であれば印刷版のインキ
反発性や耐傷性、耐刷性が低下することがなく、20g
/m2以上であれば経済的見地から有利であるばかりで
なく、現像性、インキマイレージが悪くなるという問題
もない。
【0068】本発明の水なし平版印刷版原版には、イン
キ反発層を保護する目的で保護フィルムをラミネートし
てもよい。
【0069】保護フィルムとしてはポリエステルフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリビニルアルコールフ
ィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物フィル
ム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどが挙げられる。ま
た、これらのフィルムを凹凸処理したものを用いても良
い。
【0070】本発明の水なし平版印刷版原版は、例えば
次のようにして製造される。まず基板の上に、リバース
ロールコーター、エアナイフコーター、メーヤバーコー
ターなどの通常のコーター、あるいはホエラのような回
転塗布装置を用い、プライマー層組成物溶液を塗布後熱
キュアし、プライマー層を作製する。このプライマー層
の上に、感光層組成物溶液を、同様の方法で塗布し、乾
燥及び必要に応じて熱キュアし、感光層を作製する。さ
らにこの感光層の上に、シリコーンゴム層組成物溶液
を、同様の方法で塗布し、乾燥及び必要に応じて熱キュ
アし、シリコーンゴム層を作製する。最後に必要なら
ば、保護フイルムを設ける。
【0071】このようにして製造された水なし平版印刷
版原版は、例えば、光透過性保護フィルムの場合はその
まま、あるいは剥いで、光透過性の劣るフィルムの場合
には剥いでから真空密着されたネガフィルムを通して活
性光線で露光される。この露光工程で用いられる光源
は、紫外線を豊富に発生するものであり、水銀灯、カー
ボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドラン
プ、タングステンランプ、蛍光灯等を用いることができ
る。
【0072】露光後の原版は、保護フィルムがある場合
には剥いでから、水または有機溶媒の存在下もしくは非
存在下での摩擦処理により現像がなされる。摩擦処理
は、下記現像液を含浸した不織布、脱脂綿、布、スポン
ジ等で版面をふき取ることによって、あるいは下記の現
像液で版面を前処理した後に水道水などをシャワーしな
がら回転ブラシで擦ることによって行うことができる。
このような現像によって、未露光部のシリコーンゴム層
のみが除去され、感光層表面が露出しインキ受容部とな
り、水なし平版印刷版が得られる。
【0073】現像液としては、例えば、水や水に界面活
性剤を添加したもの、さらには水にアルコールやケト
ン、エステル、カルボン酸などの極性溶媒を添加したも
のや、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類などの少な
くとも1種類からなる溶媒に極性溶媒を少なくとも1種
類添加したもの、あるいは極性溶媒が用いられる。ま
た、上記の現像液組成には公知の界面活性剤を添加する
ことも自由に行われる。さらにアルカリ剤、例えば炭酸
ナトリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、ジグリコールアミン、モノグリコールアミン、ケイ
酸ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウムなど
を添加することもできる。これらの中では、水あるいは
水に界面活性剤を添加したものが好ましい。
【0074】本発明の水なし平版印刷版原版において、
該感光層/シリコーンゴム層界面の感光層側表面を赤外
分光計(FT−IR−ATR法)を用いて測定する方法
を以下に述べる。
【0075】IRE(内部基準エレメント:Internal R
eflection Element)と呼ばれる試料より高い屈折率を
有する結晶に試料を密着させ、臨界角以上の入射角で赤
外光を結晶に侵入させると、光は密着した試料と結晶の
界面で全反射を繰り返し出射する。この時、赤外光は界
面で反射するのではなく、試料側に僅かに滲み込んでか
ら全反射する。そのため、試料がある振動数の光を吸収
する場合は、その振動数の光の反射率が減少することに
なる。この性質を利用した方法がATR法(全反射吸収
測定法)である。
【0076】本発明において用いられる赤外分光計とし
ては、ATRスペクトルが測定可能なものであれば、い
ずれでも良い。通常ATR測定ができない赤外分光計で
も、ATRスペクトルが測定可能なアタッチメントを取
り付けられるものであれば、使用することができる。ま
た、積算機能を有する赤外分光計が好ましい。更に、積
算回数は16回以上がより好ましい。積算回数が15回
以下の場合には、ノイズの影響が大きく、正確な測定が
行えなくなる。
【0077】ATRアタッチメントとしては、IREが
取り付けられるものであれば、赤外光の反射回数などに
限定されることなく、いずれでも用いることができる。
【0078】本発明において感光層のシリコーンゴム層
側表面を赤外分光計(FT−IR−ATR法)を用いて
測定する場合、IREがGe、入射角が45度の条件
(検出深度が1000cm-1で約0.66μm)で行
う。この条件で測定を行うことにより、検出深度が感光
層の膜厚を超えることが無く、プライマー層成分の吸収
帯の影響がATRスペクトルに大きく反映されることも
ない。
【0079】赤外吸収スペクトルは大気中の水蒸気と二
酸化炭素の影響を受けやすい。そこで、1)試料室内部
を窒素ガスで置換し、赤外吸収スペクトルを測定する方
法、2)試料の赤外吸収スペクトルから、あらかじめ測
定しておいた水蒸気と二酸化炭素のスペクトルを差し引
く方法などを用いて、大気中の水蒸気と二酸化炭素の影
響を取り除くことが望ましい。
【0080】本発明の水なし平版印刷版原版の感光層の
シリコーンゴム層側表面は、シリコーンゴム層を剥離し
て感光層を露出させ、IREがGe、入射角が45度の
条件で感光層表面の反射スペクトル測定(FT−IR−
ATR法)を行う。
【0081】これらの水なし平版印刷版原版のシリコー
ンゴムの剥離方法は、最終的に感光層表面が露出する方
法であれば、いかなる方法でも良い。例えば、(a)シ
リコーンゴム層を公知の刃物等で削り取る方法、(b)
シリコーンゴム層を公知のヤスリや紙ヤスリで削り取る
方法、(c)シリコーンゴム層と公知のフィルムを公知
の接着剤で接着させ、シリコーンゴム層に接着させたフ
ィルムごとシリコーンゴム層を剥離する方法などが挙げ
られる。
【0082】(c)シリコーンゴム層と公知のフィルム
を公知の接着剤で接着させ、シリコーンゴム層に接着さ
せたフィルムごとシリコーンゴム層を剥離する方法にお
いて、フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムが挙げられる。フィルムの厚さは特に限定
されないが、1μm以上のものが好ましく、3μm〜5
0μmのものが更に好ましい。厚みが1μm以上のフィ
ルムを用いることにより、シリコーンゴム層を剥離する
際にフィルムが切断して作業効率が悪くなることもな
い。厚みが50μm以下のフィルムを用いることによ
り、経済的に有利となる。
【0083】接着剤としては、例えば(メタ)アクリロ
キシアルキルトリアルコキシシランと(メタ)アクリル
酸エステル共重合体(例えば特公昭47−26415号
公報)や、テトラアルコキシシラン系、特開昭58−1
9369号公報に開示されているシロキサン−炭素結合
を介してシラノール基を有する有機高分子化合物よりな
る組成物などが挙げられる。
【0084】このように感光層を露出させた水なし平版
印刷版原版の感光層表面にIREを密着させ、赤外分光
計を用いて感光層表面の反射スペクトル(ATR法)を
測定する。この時、測定光の入射角は、前述の条件とす
る。
【0085】本発明の水なし平版印刷版原版では、感光
層中にプライマー層成分がある程度混じり合っているた
め、得られた感光層表面の反射スペクトル中には、15
60cm-1の感光層のウレタン樹脂のアミドIIに由来す
る吸収帯の他に、1510cm-1にプライマー層中の芳
香環の炭素・炭素結合間に由来する吸収帯が存在する。
【0086】本発明の水なし平版印刷版原版において、
感光層のシリコーンゴム層側表面をIREがGe、入射
角が45度の条件で赤外分光計(FT−IR−ATR
法)を用いて測定した反射スペクトルにおいて、151
0cm-1におけるピーク強度を1560cm-1における
ピーク強度で割った値((d1510/d1560)と表す)
は、感光層中のプライマー層成分の量を表している。こ
の(d1510/d 1560)値は、0.1〜3.5であるこ
とが必要であり、0.5〜3.0が好ましく、1.0〜
2.8が更に好ましい。
【0087】本発明の水なし平版印刷版原版は、プライ
マー層・感光層をこの順に塗設するため、プライマー層
と感光層が若干混じり合っている。ここで、プライマー
層と感光層の混じり合いの程度、すなわち感光層中のプ
ライマー層成分の量(d1510/d1560)値が3.5を超
えると、版を作成後長期間経過するうちにプライマー層
成分が感光層成分に徐々に悪影響を与える。その結果、
版作成後長期間経過した場合に現像不良等を生じ、画像
再現性が劣るようになる。また、プライマー層と感光層
の混じり合いの程度、すなわち感光層中のプライマー層
成分の量(d15 10/d1560)値が0.1を下回ると、プ
ライマー層と感光層間の接着力が不足し、現像処理時に
プライマー層/感光層間で剥がれが生じる。プライマー
層と感光層の混じり合いの程度、すなわち感光層中のプ
ライマー層成分の量が適切であると((d1510
1560)値が0.1〜3.5であると)、版作成後長期
間経過しても画像再現性は良好であり、かつプライマー
層と感光層間の接着力が不足することもなく、現像処理
時にプライマー層/感光層間で剥がれが生じることもな
い。
【0088】本発明において、感光層の(d1510/d
1560)値を0.1〜3.5とするためには、その下層の
プライマー層の作製条件が重要であって、例えば次のよ
うな方法によりかかる(d1510/d1560)値のものを得
ることができる。
【0089】前記プライマー層を形成するための組成物
は、DMF、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジオキサン等の適当な有機溶媒に溶解させること
によってプライマー層組成物溶液として調製され、かか
る組成物溶液を支持体上に均一に塗布し必要な温度で必
要な時間加熱する(キュア)ことにより該組成物が熱硬
化しプライマー層が形成される。プライマー層のキュア
温度としては、150℃〜280℃が好ましく、キュア
時間としては、30秒以上が好ましい。キュア温度を1
50℃以上もしくはキュア時間を30秒以上とした場合
には、プライマー層中の熱架橋が十分に進行し、プライ
マー層と感光層の混じり合いが適度に進行する。そのた
め、版を作成後長期間経過するうちにプライマー層成分
が感光層成分に徐々に悪影響を与えることがなく、版作
成後長期間保存した場合に現像不良等を生じたり、画像
再現性が劣ることがない。プライマー層のキュア温度が
280℃以下の場合プライマー層中の熱架橋が進行しす
ぎることがなく、プライマー層と感光層の混じり合いが
適度に抑えられる。さらにその結果、プライマー層/感
光層間の接着力が低下もなく、現像処理によって感光層
が剥離してしまうこともない。
【0090】以上のごとく、支持体上にプライマー層を
形成した後、感光層、シリコーンゴム層を順次形成し、
必要であれば保護層を設け、水なし平版印刷版原版とす
る。
【0091】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
するが、本発明はこれらに限定されない。
【0092】[実施例1]厚さ0.24mmのアルミ板
(住友金属(株)製)に下記のプライマー組成物をバー
コーターを用いて塗布し、190℃で、1.5分間熱処
理(キュア)して5μmのプライマー層を設けた。 (a)“アラルダイト”AER260(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、旭チ バ(株)製) 8重量% (b)“テスアジン”3000−60(ブチル化尿素樹脂、日立化成ポリマー (株)製) 1重量% (c)酸化チタン 1重量% (d)ジメチルホルムアミド 90重量% 続いてこの上に下記の感光層組成物をバーコーターを用
いて塗布し、110℃の熱風中で0.5分間乾燥して厚
さ3μmの感光層を設けた。 (a)N,N,N’,N’−テトラ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロ ピル)デカオキシエチレンジアミン 10重量% (b)“ミラクトラン”P22S(ポリウレタン樹脂、日本ミラクトラン(株) 製) 7重量% (c)4,4’−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 1重量% (d)2−クロロチオキサントン 1重量% (e)“アイゼンビクトリアピュアブルーBOHコンク”(トリアリルメタン系 染料、保土谷化学工業(株)製)の4−トルエンスルホン酸塩 0.8重量% (f)“MCF323”(界面活性剤、大日本インキ化学工業(株)製) 0.2重量% (g)テトラヒドロフラン 40重量% (h)ジメチルホルムアミド 40重量% 続いてこの感光層の上に下記の組成を有するシリコーン
ゴム組成物をバーコーターを用いて塗布し、115℃の
熱風中で2分間湿熱硬化させて2μmのシリコーンゴム
層を設けた。 (a)ポリジメチルシロキサン(分子量約50,000、末端水酸基) 7重量部 (b)メチルトリアセトキシシラン 2重量部 (e)ジブチル錫ジオクテート 1重量部 (c)“アイソパー”E(エクソン化学(株)製) 90重量% 上記のようにして得られた積層板に、厚さ6μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムをラミネートして保護
層とし、水なし平版印刷版原版を得た。
【0093】<(d1510/d1560)値の測定>上記のよ
うに作製した水なし平版印刷版原版のカバーフィルムを
剥離した。更にシリコーンゴム層を紙ヤスリを用いて剥
離し、感光層表面を露出させた。この版の感光層表面の
赤外吸収スペクトルをJIR−RFXフーリエ変換赤外
分光光度計(日本電子(株)製)を用いて、以下の条件
で測定した。 IRE:Ge 入射角:45度(検出深度1000cm-1で約0.66
μm) 分解能:4cm-1 積算回数:256回 得られたスペクトル中には、1560cm-1付近に感光
層成分のウレタン樹脂のアミドIIに由来する吸収帯と、
1510cm-1付近にプライマー層成分のエポキシ樹脂
が有する芳香環(ベンゼン環)の炭素・炭素間に由来す
る吸収帯を有していた。感光層用組成物ならびにシリコ
ーンゴム層用組成物中にベンゼン環を有する化合物を添
加していないことから、感光層中にプライマー層成分が
浸透していることが明らかとなった。1510cm-1
吸収帯の強度(d1510)を1560cm-1の吸収帯の強
度(d1560)で割った値(d1510/d1560)を算出した
ところ2.3であった。得られた(d1510/d1560)値
を表1に示す。
【0094】<評価方法> 自現機2回通し:作製して14日後の版面のポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを剥離し、東レ(株)製ポジ
型水なし平版印刷版の自動現像機“TWL−860”を
用いて現像処理を行った。更にこの版に、もう一度東レ
(株)製ポジ型水なし平版印刷版の自動現像機“TWL
−860”を用いて現像処理を行ったところ、感光層は
接着したままであった。結果を表1に「自現機2回通
し」として示す。 初期評価:作製して14日後の版上に150線/インチ
の網点画像を有するポジフィルムを重ねて真空密着さ
せ、メタルハライドランプ(岩崎電気(株)製“アイド
ルフィン2000”)を用い、UVメーター(オーク製
作所製“UV−402A”)で24mW/cm2の照度
で120秒間画像露光を施した。次いで上記の露光済み
版のラミネートフィルムを剥離し、東レ(株)製ポジ型
水なし平版印刷版の自動現像機“TWL−860”を用
いて現像を行ったところ、ポジフィルムを忠実に再現し
た画像が得られた。結果を表1に「初期評価」として示
す。ここで前処理液としては、東レ(株)製“PP−
F”、現像液としては水、後処理液としては東レ(株)
製“PA−F”を使用した。 強制保存評価:「初期評価」で評価後の水なし平版印刷
版原版版を温度50℃・湿度80%オーブン中で、更に
30日間保存した。これらの版について「初期評価」と
同様に画像評価を行ったところ、ポジフィルムを忠実に
再現した画像が得られた。結果を表1に「強制保存評
価」として示す。
【0095】[実施例2]実施例1において、プライマ
ー層用組成物中の“テスアジン”3000−60(ブチ
ル化尿素樹脂、日立化成ポリマー(株)製)の代わりに
エチレンジアミンを用いた以外は実施例1と同様な条件
で水なし平版印刷版原版を作製した。実施例1と同様な
方法で自現機2回通し評価を行ったところ、感光層は接
着したままであった。
【0096】次に実施例1と同様な条件で(d1510/d
1560)値の測定を行ったところ、2.0であった。また
実施例1と同様に初期評価、強制保存評価を行ったとこ
ろ、ポジフィルムを忠実に再現した画像が得られた。結
果を表1に示す。
【0097】[実施例3]実施例1において、プライマ
ー層用組成物中の“アラルダイト”AER260(ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、旭チバ(株)製)の代わ
りに“スミライトレジン”PR50622(フェノール
ノボラック樹脂、住友デュレズ(株)製)を用いた以外
は実施例1と同様な条件で水なし平版印刷版原版を作製
した。実施例1と同様な方法で自現機2回通し評価を行
ったところ、感光層は接着したままであった。
【0098】次に実施例1と同様な条件で(d1510/d
1560)値の測定を行ったところ、1.8であった。また
実施例1と同様に初期評価、強制保存評価を行ったとこ
ろ、ポジフィルムを忠実に再現した画像が得られた。結
果を表1に示す。
【0099】[実施例4]実施例1において、プライマ
ー層用組成物中の“アラルダイト”AER260(ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、旭チバ(株)製)の代わ
りにエポキシ・フェノール樹脂“カンコート”90T−
25−3094(関西ペイント(株)製)を用いた以外
は実施例1と同様な条件で水なし平版印刷版原版を作製
した。実施例1と同様な方法で自現機2回通し評価を行
ったところ、感光層は接着したままであった。
【0100】次に実施例1と同様な条件で(d1510/d
1560)値の測定を行ったところ、1.3であった。また
実施例1と同様に初期評価、強制保存評価を行ったとこ
ろ、ポジフィルムを忠実に再現した画像が得られた。結
果を表1に示す。
【0101】[実施例5]実施例4において、感光層の
膜厚を5.0μmとした以外は実施例1と同様な条件で
水なし平版印刷版原版を作製した。実施例1と同様な方
法で自現機2回通し評価を行ったところ、感光層は接着
したままであった。
【0102】次に実施例1と同様な条件で(d1510/d
1560)値の測定を行ったところ、1.0であった。また
実施例1と同様に初期評価、強制保存評価を行ったとこ
ろ、ポジフィルムを忠実に再現した画像が得られた。結
果を表1に示す。
【0103】[実施例6]実施例1において、“アラル
ダイト”AER260(ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、旭チバ(株)製)の添加量を15重量部とした以外
は実施例1と同様な条件で水なし平版印刷版原版を作製
した。実施例1と同様な方法で自現機2回通し評価を行
ったところ、感光層は接着したままであった。
【0104】次に実施例1と同様な条件で(d1510/d
1560)値の測定を行ったところ、3.0であった。また
実施例1と同様に初期評価、強制保存評価を行ったとこ
ろ、ポジフィルムを忠実に再現した画像が得られた。結
果を表1に示す。
【0105】[比較例1]実施例1において、プライマ
ー層のキュア温度を130℃とした以外は実施例1と同
様な条件で水なし平版印刷版原版を作製した。実施例1
と同様な方法で自現機2回通し評価を行ったところ、感
光層は接着したままであった。
【0106】次に実施例1と同様な条件で(d1510/d
1560)値の測定を行ったところ、4.0であった。また
実施例1と同様に初期評価、強制保存評価を行ったとこ
ろ、一部現像不良が生じており、画像再現性は一部不良
であった。結果を表1に示す。
【0107】[比較例2]実施例1において、プライマ
ー層のキュア時間を20秒とした以外は実施例1と同様
な条件で水なし平版印刷版原版を作製した。実施例1と
同様な方法で自現機2回通し評価を行ったところ、感光
層は接着したままであった。
【0108】次に、実施例1と同様な条件で(d1510
1560)値の測定を行ったところ、4.5であった。ま
た実施例1と同様に初期評価、強制保存評価を行ったと
ころ、一部現像不良が生じており、画像再現性は一部不
良であった。結果を表1に示す。
【0109】[比較例3]実施例1において、プライマ
ー層のキュア温度を300℃とした以外は実施例1と同
様な条件で水なし平版印刷版原版を作製した。実施例1
と同様な方法で自現機2回通し評価を行ったところ、一
部分感光層は剥離し、プライマー層が露出していた。
【0110】次に、実施例1と同様な条件で(d1510
1560)値の測定を行ったところ、0.07であった。
また実施例1と同様に初期評価、強制保存評価を行った
ところ、画像再現性は良好であった。結果を表1に示
す。
【0111】
【表1】
【0112】上述のように、感光層のシリコーンゴム層
側表面を、IREがGe、入射角が45度の条件で赤外
分光計(FT−IR−ATR法)を用いて測定した反射
スペクトルにおいて、1510cm-1におけるピーク強
度を1560cm-1におけるピーク強度で割った値
((d1510/d1560)値)が0.1〜3.5であること
が重要である。
【0113】(d1510/d1560)値が3.5より大きい
場合には、プライマー層と感光層の混じり合いが大き
い。この場合には、版作製直後では画像再現性が良好で
あるが、版作成後長期間経過すると画像再現性が不良と
なる。(d1510/d1560)値が0.1より小さい場合に
は、プライマー層と感光層の混じり合いが小さい。この
場合には、プライマー層/感光層間の接着力が低下して
おり、現像処理によって感光層が剥離してしまう。
【0114】これに対し本発明の水なし平版印刷版原版
では、(d1510/d1560)値が0.1〜3.5であり、
プライマー層と感光層との混じり合いが適切であるた
め、版作成後長期間経過しても画像再現性が良好であ
り、かつ現像処理によって感光層が剥離することもな
い。
【0115】
【発明の効果】本発明は水なし平版印刷版原版の(d
1510/d1560)値0.1〜3.5がであり、プライマー
層と感光層との混じり合いが適度であるためプライマー
層/感光層間の接着力が十分、かつ版作成後長期間経過
しても画像再現性が良好な保存安定性に優れた版が得ら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H096 AA13 BA05 CA05 2H114 AA05 AA22 AA23 BA01 DA04 DA08 DA32 DA35 DA38 DA56 DA60 DA62 DA73 DA78 EA02 GA34 GA38

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、プライマー層、感光層および
    シリコーンゴム層をこの順に積層してなる水なし平版印
    刷版原版であって、該プライマー層が芳香環を有する化
    合物を含有すると共に該感光層がウレタン樹脂と多官能
    モノマーを含有し、該感光層のシリコーンゴム層側表面
    を、IREがGe、入射角が45度の条件で赤外分光計
    (FT−IR−ATR法)を用いて測定した反射スペク
    トルにおいて、1510cm-1におけるピーク強度(d
    1510)を1560cm-1におけるピーク強度(d1560
    で割った値(d1510/d1560)が0.1〜3.5である
    ことを特徴とする水なし平版印刷版原版。
  2. 【請求項2】プライマー層のキュア温度が150℃〜2
    80℃であることを特徴とする請求項1に記載の水なし
    平版印刷版原版の製造方法。
  3. 【請求項3】プライマー層のキュア時間が30秒以上で
    あることを特徴とする請求項1に記載の水なし平版印刷
    版原版の製造方法。
JP29043799A 1999-10-13 1999-10-13 水なし平版印刷版原版およびその製造方法 Pending JP2001105760A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29043799A JP2001105760A (ja) 1999-10-13 1999-10-13 水なし平版印刷版原版およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29043799A JP2001105760A (ja) 1999-10-13 1999-10-13 水なし平版印刷版原版およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001105760A true JP2001105760A (ja) 2001-04-17

Family

ID=17756031

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29043799A Pending JP2001105760A (ja) 1999-10-13 1999-10-13 水なし平版印刷版原版およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001105760A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008056588A1 (en) * 2006-11-06 2008-05-15 Toray Industries, Inc. Precursor for waterless lithographic printing plate

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008056588A1 (en) * 2006-11-06 2008-05-15 Toray Industries, Inc. Precursor for waterless lithographic printing plate
US8617793B2 (en) 2006-11-06 2013-12-31 Toray Industries, Inc. Waterless planographic printing plate precursor
US9199444B2 (en) 2006-11-06 2015-12-01 Toray Industries, Inc. Waterless planographic printing plate precursor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20160134667A (ko) 산소 플라즈마 에칭용 레지스트 재료, 레지스트막 및 그것을 사용한 적층체
JP2507386B2 (ja) 水なし平版印刷用原板
JP2001105760A (ja) 水なし平版印刷版原版およびその製造方法
JPH0980746A (ja) 湿し水不要平版印刷版
JPS6323543B2 (ja)
JPS6154217B2 (ja)
JPH0789219B2 (ja) 水なし平版印刷用原板
JPS63163857A (ja) 水なし平版印刷版
JPS6250760A (ja) 湿し水不要感光性平版印刷版
JPWO2018020939A1 (ja) 感圧接着剤
JPS6319866B2 (ja)
JP3601727B2 (ja) 湿し水不要感光性平版印刷版の製造方法
JPH03179446A (ja) 湿し水不要平版印刷版材料の製造方法
JPS58163944A (ja) 湿し水不要平版印刷原版の製造方法
JP2008170665A (ja) 水なし平版印刷版原版
JPS62194255A (ja) 湿し水不要感光性平版印刷版
JPS62111254A (ja) 乾式感光性平版印刷版
JP2631168B2 (ja) 湿し水不要感光性平版印刷版
JP2639738B2 (ja) 湿し水不要感光性平版印刷原版
JPH07104598B2 (ja) 水なし平版印刷用原版
JPS5860744A (ja) 湿し水不要ネガ型平版印刷版
JPH03249652A (ja) 湿し水不要平版印刷版材料
JPH07333833A (ja) 水無し感光性平版印刷版および製版方法
JPH10239833A (ja) 水なし平版印刷版
JPH0444262B2 (ja)