JP2507386B2 - 水なし平版印刷用原板 - Google Patents

水なし平版印刷用原板

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JP2507386B2
JP2507386B2 JP62029711A JP2971187A JP2507386B2 JP 2507386 B2 JP2507386 B2 JP 2507386B2 JP 62029711 A JP62029711 A JP 62029711A JP 2971187 A JP2971187 A JP 2971187A JP 2507386 B2 JP2507386 B2 JP 2507386B2
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/075Silicon-containing compounds
    • G03F7/0752Silicon-containing compounds in non photosensitive layers or as additives, e.g. for dry lithography

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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は湿し水を用いずに印刷可能な水なし平版印刷
用の原板に関するものである。
[従来の技術] シリコーンゴム層をインキ反発層として湿し水を用い
ずに印刷可能な水なし平版が数多く提案されている。
なかでも、基板、感光性層、シリコーンゴム層の順に
して構成される水なし平版は、製版の容易さ、インキ反
発性が良好であるなどの特徴を有している。特に、特開
昭55-110249に示されるように、感光性層にキノンジア
ジド化合物を含有する水なし平版印刷用原板は、通常露
光に対してネガ型として作用するものとして有用なもの
である。しかしながら、このような印刷用原板は感光性
層とシリコーンゴム層との接着力が充分には得にくく、
その結果、非画像部に傷が付きやすい、網点の画像再現
性が悪いなどの問題点を生じていた。
[発明が解決しようとする問題点] 感光性層とシリコームゴム層との接着力を補完するも
のとして以下のようなものが提案されている。特開昭57
-158169には、感光性層とシリコーンゴム層との間に接
着層を設けることが提案されている。また特開昭55-110
249、特開昭49-73202にはシランカップリング剤をシリ
コーンゴム層に添加することが提案されているが、(ア
ミノアルキル)(アルコキシ)シラン以外、少量にして
効果のあるものはない。また特開昭58-60744には有機チ
タン化合物をシリコーンゴム層に添加することが提案さ
れている。これら(アミノアルキル)(アルコキシ)シ
ラン、有機チタン化合物などの添加は、原版の製造後、
初期は接着力が高いものの、経時的にゴム物性が低下し
ていき、版面インキ洗浄などの操作によりシリコーンゴ
ム層が傷つきやすくなるという問題があった。
本発明は、かかる従来技術の諸欠点に鑑み創案された
もので、接着付与性能の検討から、経時的に高い引掻き
強度を保持する水なし平版印刷用原板を得ることを目的
としたものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、基板、感光性層、シリコーンゴム層の順に
積層して構成される水なし平版印刷用原板において、感
光性層がキノンジアジド化合物を含有するものであり、
シリコーンゴム層が下記(I)、(II)、(III)のう
ち少なくとも一種類の化合物を含有して硬化して得られ
るシリコーンゴムを主成分とすることを特徴とする水な
し平版印刷用原板に関するものであり、特にシリコーン
ゴム層の新しい接着付与剤に関するものである。
(I)ウレタン結合を有する炭化水素基、および加水分
解性基がケイ素原子に直結したシランもしくはシロキサ
ン、 (II)尿素結合を有する炭化水素基、および加水分解性
基がケイ素原子に直結したシランもしくはシロキサン、 (III)一般式(A)で示される一価の有機基、および
加水分解性基もしくは水酸基がケイ素原子に直結したシ
ランもしくはシロキサン、 式(A) (式中、R1、R2、R3、R4は水素原子もしくは1価の炭化水
素基、R5は2価の炭化水素基)。
本発明における基板は、特に限定されず、公知の水な
し平版印刷用原板で用いられているものであればいずれ
でもよい。
例えば、アルミ、鉄、亜鉛のような金属板、およびポ
リエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどの有機高
分子フィルム、あるいはこれらの複合体などがあげられ
る。これらの基板上にハレーション防止などの目的でさ
らにコーティングを施して基板とすることも可能であ
る。
本発明の感光性層はキノンジアジド化合物を含有する
ものである。キノンジアジド化合物としては、例えば通
常ポジ型PS版、ワイポン版、フォトレジストなどに用い
られているキノンジアジド類をさす。具体的な化合物と
しては、たとえばベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−
または5−スルホン酸とポリヒドロキシフェニルとのエ
ステル、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−または−
5−スルホン酸とピロガロールアセトン樹脂とのエステ
ル、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−または−5−
スルホン酸とフェノールホルムアルデヒドノボラック樹
脂とのエステル、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−
または−5−スルホン酸とポリヒドロキシスチレンとの
エステル、特開昭56-80046で提案されているようなキノ
ンジアジド化合物と多官能化合物との反応物などがあげ
られる。
本発明におけるキノンジアジド化合物として特に好ま
しいものは、ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸と
フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂もしくはポ
リヒドロキシスチレンとの部分エステル化物である。ま
た感光性層中には本発明の効果を損わない範囲で塗膜形
成性の向上、基板との接着性向上、着色などの目的で種
々の成分を加えることも可能である。
感光性層の厚さは0.1〜100ミクロン、より好ましくは
0.5〜30ミクロンが選ばれる。薄すぎると感光性層中に
ピンホールが生じやすくなり、一方厚すぎると経済的に
不利であるので上記の範囲が好ましい。
本発明で用いられるシリコーンゴム層は、次式のよう
な繰り返し単位を有するオルガノポリシロキサンを架橋
し得られたシリコーンゴムを主成分とするものである。
ここでnは2以上の整数、R6、R7は水素原子もしくは
非置換もしくは置換(例えばハロゲン原子、シアノ基、
アミノ基による)の炭素数1〜10の炭化水素基、さらに
この炭化水素基として望ましくは、アルキル基、アルケ
ニル基、フェニル基であり、とくにR6、R7の総和の60%
以上がメチル基であることが望ましい。
本発明の構成として、オルガノポリシロキサンからシ
リコーンゴムとする架橋方法としては、版面上で、一分
子中に二個以上のシラノール基を有するオルガノポリシ
ロキサンと、加水分解性基(例えばアシルオキシ基、ア
ルコキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミノオキ
シ基、ハロゲン原子)がケイ素原子に二個以上(さらに
望ましくは三個以上)結合したシランもしくはシロキサ
ンとを縮合反応させるものである。この場合オルガノポ
リシロキサンのシラノール基数と加水分解性基数とをほ
ぼ同じにすることによって架橋することも、また加水分
解性基数を過剰な状態として、加水分解縮合させて架橋
することも可能である。このシリコーンゴムの硬化前の
組成として望ましいものとしては、 (イ)平均して1.5個以上のシラノール基を有するオル
ガノポリシロキサン 100重量部 (ロ)加水分解性基を有する架橋剤 0.5〜20重量部 であり、その他に塗布用溶媒、補強用充填剤、硬化用触
媒、公知の接着付与剤を添加することも可能である。
本発明の特徴である接着付与性能を持つ化合物
(I)、(II)、(III)の詳細な説明を以下に行な
う。これらのウレタン結合を有する炭化水素基、尿素結
合を有する炭化水素基、式(A)で示される有機基は水
なし平版印刷用原板の接着性能を持たせるものとして新
規なものである。
(I)ウレタン結合を有する炭化水素基、および加水分
解性基がケイ素原子に結合したシランもしくはシロキサ
ン。
ここで加水分解性基としては前述のものが例示される
が、合成の容易さから、望ましくは炭素数1〜10の置換
もしくは非置換の炭化水素基のアルコキシ基、さらに望
ましくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基もしくはアル
ケニルオキシ基である。
またここでいうウレタン結合を有する炭化水素基は、
一般式 (式中R8は炭素数1〜40の置換もしくは非置換の1価の
炭化水素基、ただし、O、N、Sなどのヘテロ原子を含
んでいてもよい。式中R9は炭素数2〜10の置換もしくは
非置換の2価炭化水素基、望ましくは炭素数2〜5の置
換もしくは非置換のアルキレン基) で示される1価の基、もしくは一般式 (式中R10、R11はR9と同様に定義され、R12は2価の炭化
水素基、望ましくは炭素数2〜40の置換もしくは非置換
の炭化水素基、ただし、O、N、Sなどのヘテロ原子を
含んでいてもよい)で示される2価の基が例示される。
これらの基のうちで合成の容易さから(B)、(E)の
構造を有するものが有効である。
化合物(I)の一般的な構造としては、以下のもの、
もしくはそれらの加水分解縮合物が例示される。
(式中、R13はウレタン結合を有する1価の炭化水素
基、R18はウレタン結合を有する2価の炭化水素基、
R14、R16は水素原子もしくは炭素数1〜10の置換もしく
は非置換の1価の炭化水素基、R15、R17は前述と同じに
定義される加水分解性基、lは0以上3以下の整数、
m、nは1以上3以下の整数、2≦m+n≦4の関係を
もつ)。
かような化合物の具体的な例として以下のようなも
の、もしくはその加水分解縮合物があげられる。
なお式中nは2以上の整数で、繰り返し構造を有する
ことを意味する。
これらの合成の一例としては、(イソシアネートアル
キル)(アルコキシ)シランと、アルコール化合物もし
くはフェノール化合物とを、イソシアネート基と水酸基
とが同数となる条件で反応させ、ウレタン結合を生成さ
せることで得られる。
(II)尿素結合を有する炭化水素基、および加水分解性
基がケイ素原子に直結したシランもしくはシロキサン ここで加水分解性基としては、前述のものが例示され
るが、合成の容易さから望ましくは炭素数1〜10の置換
もしくは非置換の炭化水素基のアルコキシ基、さらに望
ましくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基もしくはアル
ケニルオキシ基である。
またここで言う尿素結合を有する炭化水素基として
は、 (式中R21は炭素数1〜40の置換もしくは非置換の1価
炭化水素基、R38は炭素数2〜40の置換もしくは非置換
の2価炭化水素基、ただし、R21、R38はO、N、Sなど
のヘテロ原子を含んでいてもよい。R22は炭素数2〜10
の置換もしくは非置換の2価炭化水素基、望ましくは炭
素数2〜5の置換もしくは非置換の2価炭化水素基であ
る。R23、R24は水素原子もしくは炭素数1〜40の置換も
しくは非置換の1価炭化水素基であり、ここでR23、R24
のうち少なくともどちらかが水素原子であることが望ま
しい) で示される1価の基、もしくは一般式 (式中、R25、R26は上記R22と同様に定義される。R27、R
28、R29、R30は上記R23、R24と同様に定義される。R27、R28
のうち少なくともどちらかが水素原子であることが好ま
しく、またR29、R30のうちどちらかが水素原子であるこ
とが好ましい。R31は2価の炭化水素基、望ましくは炭
素数2〜40の置換もしくは非置換の炭化水素基、ただ
し、O、N、Sなどのヘテロ原子を含んでいてもよい) で示される2価の基が例示される。
化合物(II)の一般的な構造式としては、以下のも
の、もしくはその加水分解縮合物が例示される。
(式中、R32は尿素結合を有する1価の炭化水素基、R37
は尿素結合を有する2価の炭化水素基、R34、R36は加水
分解性基、R33、R35は水素原子もしくは炭素数1〜10の
置換もしくは非置換の炭化水素基lは0以上3以下の整
数、m、nは1以上3以下の整数、2≦m+n≦4の関
係をもつ)。
かような化合物の具体的な例として以下のようなも
の、もしくはその加水分解縮合物があげられる。
(式中nは2以上の整数で、繰り返し構造を有すること
を意味する) これらの化合物を合成する方法としては、例えば(一
級もしくは二級のアミノアルキル)(アルコキシ)シラ
ンと1価もしくは2価のイソシアネート化合物とを反応
させるか、もしくは(イソシアネートアルキル)(アル
コキシ)シランと、一級もしくは二級のアミノ基を一個
もしくは二個もつ化合物を反応させることにより得られ
る。
次に化合物(III)、すなわち一般式(A)で示され
る1価の有機基、および加水分解性基もしくは水酸基が
ケイ素原子に直結したシランもしくはシロキサンについ
て詳細な説明を行なう。
(式(A)中、R1、R2、R3、R4は水素原子もしくは1価の
炭化水素基であるが、望ましくは炭素数1〜10の炭化水
素基、さらに望ましはメチル基、エチル基、プロピル
基、フェニル基である。
R5は2価の炭化水素基であるが、望ましくは炭素数2
〜10の炭化水素基、さらに望ましくは、エチレン基、ト
リメチレン基、テトラメチレン基である。
化合物(III)の一般的な構造式としては以下の構造
のものが例示される。
一般式 (式中R39は(A)の構造を有する有機基、R41は前記と
同じ加水分解性基であり、合成の容易さから望ましくは
炭素数1〜10の置換もしくは非置換の炭化水素基のアル
コキシ基、さらに望ましくは炭素数1〜6のアルキルオ
キシ基もしくはアルケニルオキシ基である。R40は水素
原子もしくは炭素数1〜10の置換もしくは非置換の炭化
水素基、mは1以上3以下の整数、nは1以上3以下の
整数、2≦m+n≦4)で示されるシランもしくはその
加水分解縮合物。
また一般式 (式中、R39は(A)の構造を有する有機基、R42、R44、R
45、R46は水素原子もしくは炭素数1〜10の置換もしくは
非置換の1価の炭化水素基、より望ましくはメチル基、
エチル基、ビニル基、プロピル基、ハロゲン化プロピル
基、フェニル基、水素原子である。R43は水酸基もしく
は加水分解性基。R47、R48、R49、R50、R51、R52は(A)の
構造を有する有機基、もしくはR42、R43の定義と同じも
ののうち任意に選ばれる1価の基。各構造単位はランダ
ムでもブロックでもよく、l、m、nは0以上の整数。
ただし構造において水酸基もしくは加水分解性基を1
個以上有すること、また(A)の構造を有する有機基を
1個以上有することが必要である)。
(III)の化合物として具体的には以下のものが例示
される。
R39−Si(OCH3)3 ,R39−Si(OC2H5)3 R39−Si(OC3H7)3R39−Si(OC3H5)3 (R39 2SiOCH3)2,(R39 2SiOC2H5)3 (式中、R39は(A)の構造を有する有機基、l、m、
nは1以上の整数で、構造はランダムでもブロックでも
よい ここでR39すなわち(A)の構造を有する有機基の具
体的な例としては、 これらのうち、チッ素原子に結合する基がメチル基もし
くはエチル基であることが好ましい。
この化合物(III)の合成方法としては、ハロゲン化
アルキル基がケイ素原子に結合した化合物と、活性水素
がチッ素原子に結合したグアニジン系化合物との脱塩酸
反応で得ることができる。その例として下式のような反
応がある。
以上のような化合物をシリコーンゴムに含有させるに
は、次の方法が例示される。
(1)基板上に感光性層を塗布した後、本発明の特徴で
ある化合物(I)、(II)、(III)の少なくとも一種
を含有する組成物を塗布し、次いで未硬化のシリコーン
ゴム組成物を塗布して、硬化させてシリコーンゴム層と
する方法。
(2)基板上に感光性層を塗布した後、本発明の特徴で
ある化合物(I)、(II)、(III)の少なくとも一種
を含有する未硬化のシリコーンゴム組成物を塗布して硬
化させてシリコーンゴム層とする方法。
(1)の方法において、本発明の特徴である化合物を
含有する組成物の塗布厚みとしては、乾燥、硬化した状
態で、1分子膜あれば接着付与性能が十分得られるが、
薄すぎるとピンホールなどによりシリコーンゴム層が接
着しない部分が発生する問題があり、また厚すぎると現
像液の浸透を抑制する問題があるので、0.01ミクロンか
ら0.5ミクロン、より好ましくは0.05ミクロンから0.2ミ
クロンであることが望ましい。さらに、その上に塗工す
るシリコーンゴム層の膜厚は任意であるが、薄すぎると
傷が入りやすい問題があり、厚すぎると現像時シリコー
ンゴム層を剥離しにくく、画像再現性が悪くなることか
ら、厚みは0.5ミクロンから10ミクロンであることが望
ましい。
(1)の方法における本発明の特徴である化合物を含
有する組成において、以下のような物質を添加すること
も有用である。例えば、塗工用溶媒、加水分解性基の縮
合反応を促進する触媒、公知の接着付与剤、オルガノポ
リシロキサン、補強用充填剤、シリコーン架橋剤などが
あげられる。
これらの組成物を感光性層上に塗工した際に、加熱し
て溶剤を揮発させることが一般的であり、その際に不揮
発分を架橋させるか否かは任意である。
(2)の方法において、未硬化のシリコーンゴム組成
物中において、本発明の特徴である化合物(I)、(I
I)、(III)の添加量は任意であるが、望ましくは、前
述のウレタン結合を有する有機基、もしくは尿素結合を
有する有機基、もしくは(A)の構造を有する有機基
が、硬化後のシリコーンゴム層に対して、0.005〜10重
量%含有するようになる添加量とすること、さらに望ま
しくは0.05〜5重量%であることが有効である。なぜな
らば、少ない場合には接着力が不足する問題があり、多
い場合は不経済であるばかりでなくインキ反発性の低下
をまねくという問題があるからである。
(2)の方法において、シリコーンゴム層の膜厚は任
意であるが、前述と同じ理由から0.5ミクロンから10ミ
クロンであることが望ましい。
(1)、(2)の方法において、シリコーンゴムの硬
化後、化合物(I)、(II)、(III)は加水分解性基
が架橋点となって、オルガノポリシロキサンの架橋構造
中に反応して存在することになる。
本発明にもとづく水なし平版印刷用原板は例えば次の
ようにして製造される。まず支持体の上に、リバースロ
ールコータ、エアナイフコータ、メーヤバーコータなど
の通常のコータ、あるいはホエラのような回転塗布装置
を用い感光性層を構成すべき組成物溶液を塗布、乾燥お
よび必要に応じて熱キュア後、必要ならば該感光性層の
上に化合物(I)、(II)、(III)の少なくとも一種
を含有する組成物を塗布、乾燥後、その上にシリコーン
ゴムの硬化前組成物溶液を同様の方法で塗布し、通常50
℃以上の温度で数分間加熱処理して、十分に硬化せしめ
てシリコーンゴム層を形成する。必要ならば、ポリエス
テル、ポリオレフィンの如きポリマーの保護フィルムを
該シリコーンゴム層上にラミネータ等を用いてカバーす
る。
このようにして製造された本発明の水なし平版印刷用
原板は、例えば真空密着されたネガフィルムもしくはポ
ジフィルムを通して活性光線で露光される。この露光工
程で用いられる光源は、紫外線を豊富に発生するもので
あり、水銀灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メ
タルハライドランプ、タングステンランプ、蛍光灯など
を使うことができる。
次いで版面を現像液を含んだ現像用パッドでこすると
画像部の少なくともシリコーンゴム層が除去され、露出
した感光性層または基板の表面がインキ受容面となる印
刷版が得られる。
本発明において用いられる現像液としては、特開昭60
-28656に示された現像液や脂肪族炭化水素類(ヘキサ
ン、ヘプタンあるいはガソリン、灯油など)、芳香族炭
化水素類(トルエン、キシレンなど)あるいはハロゲン
化炭化水素類(トリクレンなど)に下記の極性溶媒また
は極性溶媒と水を添加したものが好適である。
アルコール類(メタノール、エタノールなど) エーテル類(ジオキサンなど) セロソルブ類(エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、
ブチルセロソルブなど) カルビトール類(メチルカルビトール、エチルカルビト
ール、ブチルカルビトールなど) エステル類(酢酸エチル、エチルセロソルブアセテー
ト、メチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテ
ートなど)である。
このようにして得られた印刷版を、オフセット印刷機
に取り付け、湿し水を与えずに印刷すると優れた画像再
現性を有する印刷物を得る。
[実施例] 以下に実施例を示す。例中の部数は重量部である。
なお、本文中の引っ掻き強度試験方法は以下のとおり
である。すなわち連続加重式引掻き強度試験機(TYPE-H
EIDON-18)を用い、R=0.5mmのサフアイア針を60cm/分
の速度で走査し、印刷版の非画像部を、エツソ(株)製
有機溶剤“アイソパーE"に浸漬した状態で、連続加重し
ながら傷をつける。傷をつけた印刷版を、湿し水を使わ
ない平台校正機で印刷してインキ着肉性となる部分の加
重を測定するものである。傷によりインキ着肉性となる
ところの加重が大きい印刷版ほど、引掻き強度が優れて
いることを意味する。
表1には、実施した本発明の特徴である化合物の化学
構造式が示してある。市販品、もしくは前述の方法で合
成した未反応物を減圧蒸溜によつて除去したものを用い
た。
実施例1〜18、比較例1〜5 厚み0.24mmのアルミ板上に、住友デュレズ(株)製フ
エノールホルムアルデヒドレゾール樹脂(スミライトレ
ジンPC-1)を1ミクロンの厚みに塗布し、200℃、3分
間硬化させ基板とした。
この上に下記の組成のテトラヒドロフラン溶液を塗布
し、125℃、35秒間加熱処理して厚さ2ミクロンの感光
性層を設けた。
(1)数平均重合度5.6のフエノールホルムアルデヒド
ノボラツク樹脂とナフトキノン−1,2−ジアジド−5−
スルホン酸クロリドとの部分エステル化物(エステ化率
49%) 100部 (2)4,4′−ジフェニルメタンジイアネート 30部 (3)ジブチル錫ジアセテート 0.2部 続けてその上に下記の組成のシリコーンゴム組成物(溶
媒n−ヘプタン/メチルイソブチルケトン=85/15重量
比)を塗工し、120℃で4分間乾燥、硬化させた。厚さ
2ミクロン。
(1)α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン
(数平均重合度20,000) 100部 (2)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラ
ン 10部 (3)ジブチルスズジアセテート 0.01部 (4)表2に記載されている添加物、添加量 さらにその上に東レ(株)製ポリプロピレンフイルム
を“トレフアン”(厚さ10ミクロン)をラミネートし
て、印刷用原版を作成した。
得られた印刷用原版に、ネガフイルムを真空密着し、
オーク製作所製UVメター「UV402A」における照度11mW/c
m2で、岩崎電気(株)製メタルハライドランプ「アイド
ルフイン2000」で60秒間露光を行なった。次いでフイル
ムをはがしてn−ヘプタン/エタノール(50/50重量
比)からなる現像液を含む現像パツドを用いて現像した
ところ、露光部のシリコーンゴムが除去されて感光性層
が露出し、非露光部はシリコーンゴム層が残っている画
像再現性良好な印刷版、もしくは露光部、非露光部共に
シリコーンゴム層が剥離してしまっている画像再現性の
不良な印刷版が得られた。その画像再現性の結果は表2
に示してある。実施例1〜18と比較例1とを比較してみ
ると、本発明の特徴である化合物が接着付与性能を有し
ており、良好な画像再現性を与えることがわかる。
画像再現性が良好な印刷版をオフセット印刷機に取り
付け、東洋インキ(株)製水なし平版用インキを用い
て、湿し水を使用せずに印刷したところ、優れた画像再
現性を有する印刷物が得られた。
また画像再現性の良好な印刷版が得られた印刷用原板
に関して、原板の製作から室温で3日間、保存した印刷
用原板およびそれから30日間、40℃、70%RHの条件で保
存した印刷用原板から得られる印刷版の引掻き強度をそ
れぞれ測定した。その測定結果は表2に示してある。以
後、前者の条件のものは初期印刷版とし、後者を保存印
刷版と称する。
表2から明らかなごとく、実施例1〜18の印刷版用原
板の引掻き強度は、保存後もほとんど変らないのに対
し、比較例2〜5の引掻き強度が保存によつて低下しい
ることがわかる。
実施例19〜27、比較例6〜10 実施例1と同様の基板上に、実施例1と同様の感光性
層を設けた。
次いで各例とも、表3に記載の化合物をn−ヘプタン
/メチルイソブチルケトン(85/15重量比)に溶解した
組成物を塗布し、100℃で2分間加熱して中間層を設け
た。各中間層の膜厚は表3に記載してある。
次に、該中間層上に次の組成を有するシリコーンゴム
組成物(n−ヘプタン溶液)を塗布し、120℃で4分間
加熱してシリコーンゴム層を設けた。
(1)α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン
(数平均重合度20,000) 100部 (2)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラ
ン 10部 (3)ジブチルスズジアセテート 0.01部 さらにその上に実施例1と同様に“トレフアン”をラ
ミネートして、印刷用原板とした。
得られた印刷用原板を実施例1と同様に画像露光し、
現像したところ、前述の実施例、比較例と同様に画像再
現性の良好な印刷版、もしくはシリコーンゴム層がすべ
て剥離した印刷版が得られた。その各例における画像再
現性を表3に示してある。
その結果から、実施例19〜27に示される中間層を構成
する化合物は、比較例6と比較して接着付与性能を持
ち、優れた画像再現性を有する印刷版を与えることがわ
かる。
また得られた印刷版の引掻き強度を表3に示してある
が、実施例19〜27が保存印刷版においても強度を保持し
ているのに対して、比較例7〜10では保存印刷版におい
て強度が低下してしまついる。
実施例28〜35、比較例11〜12 実施例1に示された基板上に、数平均重合度5.6のフ
エノールホルムアルデヒドノホラツク樹脂とナフトキノ
ン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸クロリドとの49%
エステル化物のテトラヒドロフラン溶液を塗工し、80℃
で1分間乾燥させて感光性層とした。厚さ2ミクロン。
該感光性層上に、表4に示された添加物を表示した添
加量だけ含有する実施例1と同様のシリコーンゴム組成
物を塗工し、120℃で4分間加熱し、厚さ2ミクロンの
シリコーンゴム層を設けた。
次いで実施例1と同様に、“トレフアン”をラミネー
トして、印刷用原板を得た。
得られた印刷用原板を、実施例1と同様の条件で画像
露光した後、全面に4秒間の露光を行なった。次に“ト
レフアン”を剥離して、40℃のジエチレングリコール/
モノエタノールアミン(95/5重量比)に浸漬した後、ナ
イロンブラシを用いて水で現像し、印刷版を得た。各例
における印刷版の画像再現性を表4に示してある。表
中、画像再現性が良好とあるのは、露光部はシリコーン
ゴム層および感光性層が除去されて基板が露出し、イン
キ着肉性となつており、非露光部はシリコーンゴム層が
残存してる状態である。表中、画像再現性が不良とある
のは露光部、非露光部共にシリコーンゴム層が剥離し、
感光性層もしくは基板が露出している状態である。
実施例28〜35と比較例11とを比較すると、各実施例に
示した化合物が接着付与性能を有しており、画像再現性
の良好な印刷版を与えることがわかる。
また表4に示したように、保存印刷版は引掻き強度を
初期印刷版の引掻き強度と比較した場合、実施例28〜35
のものが比較例12よりも強度を保持していることがわか
る 実施例36〜40、比較例13、14 実施例28と同様の基板、感光性層上に、表5の各例に
示した化合物を含有するn−ヘプタン/メチルイソブチ
ルケトン(85/15重量比)を塗布して、100℃で1分間加
熱して、中間層を設けた。中間層の厚みはそれぞれ表5
に示してある。
次に該中間層上に実施例19と同様にシリコーンゴム層
を設けて、その上に“トレフアン”をラミネートして印
刷用原板を得た。
得られた印刷用原板を、実施例28と同様に露光、現像
したとろ、画像再現性の良好な印刷版もしくはシリコー
ンゴム層がすべて剥離した画像再現性不良な版が得られ
た。各例それぞれの結果を表5に示してある。
実施例36〜40と比較例13とを比較すると各実施例に示
した化合物が接着付与性能を有しており、画像再現性の
良好な印刷版を与えることがわかる。
また表5に示したように、保存印刷版の引掻き強度を
初期印刷版の引掻き強度と比較した場合、実施例36〜40
のものが比較例14よりも強度保持性が著しく優れている
ことがわかる。
〔発明の効果〕 本発明は上述のごとく特定の化合物をシリコーンゴム
層に含有させることにより、シリコーンゴム層と感光性
層の接着力を高める効果をもち、又従来から知られてい
た接着付与性能を有する化合物に比べて、経時的にも高
い引掻き強度、すなわち高い版面強度を保持する効果を
有する。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板、感光性層、シリコーンゴム層の順に
    積層して構成される水なし平版印刷用原板において、感
    光性層がキノンジアジド化合物を含有するものであり、
    シリコーンゴム層が(I)、(II)、(III)のうち少
    なくとも一種類の化合物を含有して得られるシリコーン
    ゴムを主成分とすることを特徴とする水なし平版印刷用
    原板。 (I)ウレタン結合を有する炭化水素基、および加水分
    解性基がケイ素原子に直結したシランもしくはシロキサ
    ン、 (II)尿素結合を有する炭化水素基、および加水分解性
    基がケイ素原子に直結したシランもしくはシロキサン、 (III)一般式(A)で示される一価の有機基、および
    加水分解性基もしくは水酸基がケイ素原子に直結したシ
    ランもしくはシロキサン、 式(A) (式中、R1、R2、R3、R4は水素原子もしくは1価の炭化水
    素基、R5は2価の炭化水素基)。
JP62029711A 1986-02-13 1987-02-13 水なし平版印刷用原板 Expired - Lifetime JP2507386B2 (ja)

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