JPH10239833A - 水なし平版印刷版 - Google Patents

水なし平版印刷版

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JPH10239833A
JPH10239833A JP4795797A JP4795797A JPH10239833A JP H10239833 A JPH10239833 A JP H10239833A JP 4795797 A JP4795797 A JP 4795797A JP 4795797 A JP4795797 A JP 4795797A JP H10239833 A JPH10239833 A JP H10239833A
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Yutaka Ishida
豊 石田
Yuzuru Baba
譲 馬場
Norimasa Ikeda
憲正 池田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プライマー層の具備すべき機能を損なうことな
く、基板との接着性が良好で経時的にも安定である画期
的なプライマー層を得る。そのようなプライマーを使用
することで優れた画像再現性とインキ反発性を有し、且
つ生産性にも優れた水なし平版印刷版を提供する。 【解決手段】基板上にプライマー層、感光層及びシリコ
ーンゴム層をこの順に積層してなる水なし平版印刷版に
おいて、該プライマー層にトリイレンジイソシアネート
系ブロック型イソシアネートとジフェニルメタンジイソ
シアネート系ブロック型イソシアネートとをブレンドし
て用いることを特徴とする水なし平版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水なし平版印刷版に
関するものであり、更に詳しくは、基板上に接着性向上
や検版性向上などを目的としたプライマー層、インキを
受容しうる感光層、インキを反発しうるシリコ−ンゴム
層を、この順に設けてなる水なし平版印刷版に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、シリコーンゴム層をインキ反
発層とする水なし平版印刷版が知られており、代表的な
例として感光層、及びシリコーンゴム層をこの順に設け
た水なし平版印刷版が知られている。水なし平版印刷と
は、画線部と非画線部とを基本的にほぼ同一平面に存在
させ、画線部をインキ受容性、非画線部をインキ反発性
として、インキの付着性の差異を利用して、画線部のみ
にインキを着肉させた後、紙等の被印刷体にインキを転
写して印刷をする平版印刷方法において、非画線部がシ
リコーンゴム、含フッ素化合物などのインキ反発性を有
する物質からなり、湿し水を用いずに印刷可能であるよ
うな印刷方法を意味する。
【0003】ポジティブワーキング用に用いられるポジ
型の水なし平版印刷版としては、例えば感光層に光重合
型感光層を用いるタイプとして特公昭54−26923
号、特公昭56−23150号公報等が提案されてい
る。又、特開平5−281714号公報では特定のアミ
ノ基含有モノマを用いることによって高感度の水なし平
版印刷版が提案されている。光二量化型感光層を用いる
タイプとしては特公昭55−2278公報等が開示され
ている。ネガティブワーキング用に用いられるネガ型水
なし平版印刷版としては、例えば支持体であるアルミ基
板を画線部とした特公昭46−16044号公報、露光
部のシリコーン層のみが選択的に除去され、感光層が画
線部となる特公昭61−54222号公報等が知られて
いる。これらの水なし平版印刷版は、通常ポジティブフ
ィルムもしくはネガティブフィルムを通して、活性光線
により露光される。その後、現像処理されることによ
り、画線部に対応したシリコーンゴム層のみが剥ぎ取ら
れ、感光層が露出し、インキ着肉性の画線部となる。該
シリコーンゴム層の架橋硬化方法としては通常下記の2
通りの架橋方法が用いられる。
【0004】(1)縮合反応架橋型:両末端水酸基のポ
リオルガノシロキサンを、ケイ素原子に直接結合した加
水分解性官能基を有するシランまたはシロキサンによっ
て縮合架橋し、シリコーンゴムとする方法。
【0005】(2)付加反応架橋型:−Si−H基を有
するポリシロキサンと−CH=CH−基を有するポリシ
ロキサンを付加反応させることにより架橋し、シリコー
ンゴムとする方法。
【0006】特に(1)の縮合反応架橋性のシリコーン
ゴムはインキ反発性に優れ、感光層との接着力を発現し
やすい実用上優れた性能を示すシリコーンゴムとして水
なし平版印刷版に好ましく用いられてきた。縮合反応架
橋性のシリコーンガム組成物は一般的にポリオルガノシ
ロキサン、縮合反応架橋剤、縮合触媒、溶剤、充填剤か
ら構成される。
【0007】これらのかかる代表的な水なし平版印刷版
にはプライマー層が設けられており、プライマー層が具
備すべき機能としては、基板材の保護はもとより、基板
及び感光層への接着性を有していること、耐溶剤性を有
していること、プライマー層組成自身が版性能に悪影響
を及ばさないこと、基板表面の物理的凹凸を除去するこ
と、基板からの感光層への化学的悪影響を遮断すること
等が挙げられる。水なし平版印刷版におけるプライマー
層においては、従来から種々様々な提案がなされてい
る。例えば、プライマー層にゼラチン、カゼイン等の天
然タンパク質を用いるものとして、特開昭63−133
153号公報、特開昭63−305360号公報、特開
平1−172834号公報、特開平2−242255号
公報、特開平2−34857号公報、特開平2−348
57号公報、特開平3−180848号公報等の提案が
なされている。しかしながら、これらのプライマー層は
硬膜に時間がかかり、プライマー層塗布後のポットライ
フが極端に短い等の問題を有していた。
【0008】又、特開平1−172834号公報はプラ
イマー層塗設後、プライマー層に硬膜剤を浸透させる方
法が、特開平3−271743号公報ではプライマー層
組成物を基板に塗布する直前にインラインミキシングす
る方法が提案されているが、いずれの提案も生産性が劣
り、投資コストも高いといった問題を有していた。
【0009】これら種々なプライマー層の提案の中で
も、特に実用的な提案として特公平4−2941号公
報、特開平5−127368号公報等でプライマにポリ
ウレタンを用いる方法が開示されている。これらを用い
ると耐スクラッチ性は向上するが、基板との接着性が不
十分であり、それに由来するハガレが発生するといった
問題を有していた。この問題を解決するため、特開平3
−200965号公報、特開平3−27043号公報、
特開平3−296752号公報、特開平3−18275
4号公報、特開平3−286899号公報等でシランカ
ップリング剤や活性シリル基を有する化合物等を添加す
る方法が提案されているが、満足できる接着性は得られ
ていない。
【0010】又、基板との接着性を向上させる試みとし
て、特開昭55−161244号公報、特開昭62−5
0760号公報、特公昭61−54219号公報、特開
昭62−194255号公報等でプライマー層にエポキ
シ樹脂を含む方法が開示されている。特に特公平3−3
6208号公報では、ブロック型イソシアネートとエポ
キシ樹脂とを熱架橋することによって、該プライマー層
の耐溶剤性を向上させるといった方法が提案され又、特
公平6−82214では接着性改良のため水酸基を1分
子中に少なくとも1個含有する脂肪族エポキシ樹脂を用
いるプライマー層が提案され、実用化に至っている。し
かしながら、これらのプライマー層は、版作製直後の接
着性は良好であるが、経時により基板からプライマー層
が剥離してしまう問題を有していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の諸欠点に鑑み創案されたもので、その目的は上記
問題の解決を図るとともに、従来の水なし平版印刷版の
長所を損なうことなく、優れた画像再現性とインキ反発
性を有すると同時に経時的にも安定な版を提供すること
にある。又、キュア速度が早いため生産性にも優れた水
なし平版印刷版を提供することができる。本発明者ら
は、上述の従来技術における問題点の解決策について鋭
意研究を進めた結果、プライマー層にトルレンジイソシ
アネート系ブロック型イソシアネートとジフェニルメタ
ンジイソシアネート系ブロック型イソシアネートをブレ
ンドして用いることで、プライマー層の具備すべき機能
を損なうことなく、上述の欠点のない画期的なプライマ
ー層を得ることを見出し、本発明に到達した。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
下記の水なし平版印刷版によって達成される。
【0013】(1)基板上にプライマー層、感光層及び
シリコーンゴム層をこの順に積層してなる水なし平版印
刷版原版において、該プライマー層が、トルイレンジイ
ソシアネート系ブロック型イソシアネートとジフェニル
メタンジイソシアネート系ブロック型イソシアネートの
両方で架橋されていることを特徴とする水なし平版印刷
版。
【0014】(2)プライマー層に用いられる各ブロッ
ク型イソシアネートの解離温度が180℃以下であるこ
とを特徴とする(1)記載の水なし平版印刷版。
【0015】(3)プライマー層の担体樹脂としてエポ
キシ樹脂及びアミノ樹脂を含有することを特徴とする
(1)〜(2)記載の水なし平版印刷版。
【0016】(4)プライマー層に用いられるエポキシ
樹脂のエポキシ当量が300以下である(1)〜(3)
記載の水なし平版印刷版。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。平版印刷版の基板としては、通常の平版印刷機に
取り付けられるたわみ性と印刷時に加わる荷重に耐えう
るものである必要がある。代表的なものとしては、アル
ミ、銅、鉄、等の金属板、及びクロム、亜鉛、銅、ニッ
ケル、アルミニウム、及び鉄等が蒸着された金属板、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピ
レン等のフィルムないしはシート、クロロプレンゴム、
NBR等のゴム弾性を有する支持体や紙、樹脂コート
紙、金属箔が張られた紙等が挙げられる。又、該基板は
上記の素材が複合されたものであってもよい。これらの
基板上には、更にハレーション防止あるいは画像の染色
や印刷特性向上のために他の物質を積層することも可能
である。本発明において、基板として好ましく用いられ
るのがアルミニウム板である。アルミニウム板は純アル
ミニウムやアルミニウムを主成分とし、微量の異原子を
含むアルミニウム合金等の板状体である。この異原子と
しては、珪素、鉄、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビス
マス、ニッケル、チタン等があり、含有量は高々10重
量%以下である。本発明に好適なアルミニウムは純アル
ミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技
術上、製造が困難であるため、できるだけ低異原子含有
量のものがよい。又、本発明においては上述した程度の
含有率のアルミニウム合金であれば用いることが可能で
あり、その組成が特定させるものではなく、従来からの
公知、公用の素材を適宜利用することができる。
【0018】このようなアルミニウム基板は、所望によ
り表面の圧延油を除去するための処理、例えば界面活性
剤やアルカリ性水溶液等で脱脂処理する。更に所望によ
り陽極酸化処理及び/または親水化処理を施してもよ
い。親水化処理としてはアルカリ金属珪酸塩水溶液処
理、コロイドシリカゾルの塗布が望ましい。又、支持体
とプライマー層との接着を更に向上させるため、版性能
に悪影響を与えない範囲で公知のシランカップリング剤
や有機チタネート等での処理も可能である。
【0019】プライマー層について説明する。従来、プ
ライマー層においてはブロック型イソシアネートは単独
で用いていた。例えば、トリレンジイソシアネート系ブ
ロック型イソシアネートを単独で用いると初期において
は良好な接着性を有するが、経時により接着性が低下す
る。又、ジフェニルメタンジイソシアネート系ブロック
型イソシアネートを単独で用いると初期の接着性は低
く、経時により接着性が向上する。又これ以外のブロッ
ク型イソシアネートを単独で用いると、接着性だけでな
く、良好な画像再現性も得られない。
【0020】本発明においては、トルイレンジイソシア
ネート系ブロック型イソシアネートとジフェニルメタン
ジイソシアネート系ブロック型イソシアネートをブレン
ドして用いることで良好な画像再現性を有し、且つ初期
及び経時において良好な接着性を有する水なし平版印刷
版原版を提供することができる。又、低温キュアが可能
となるため、生産性に優れた水なし平版印刷版原版が得
られる。
【0021】本発明に用いられるトルイレンジイソシア
ネート系ブロック型イソシアネートとしては、2,4ー
又は2,6ートルイレンジイソシアネート、2,4ー又
は2,6ートルイレンジイソシアネートの2量体や3量
体、又これらイソシアネートにトリメチロールプロパン
等のポリオールを付加させたもの等をブロックしたもの
が代表的であるが、本発明はこれらに限定されない。又
ジフェニルメタンジイソシアネート系ブロック型イソシ
アネートとしては4,4ージフェニルメタンジイソシア
ネート、又トリメチロールプロパン等のポリオールを付
加させたものをブロックしたもの等が代表的であるが、
本発明はこれらに限定されない。
【0022】これらイソシアネートをブロックするブロ
ック剤として代表的なものを下記に示す。なお、本発明
においては、これらに限定されない。フェノール、クレ
ゾール、キシレノール、p−エチルフェノール、o−エ
チルフェノール、o−イソプロピルフェノール等のフェ
ノール系ブロック剤やメタノール、エタノール、プロパ
ノール、エチレングリコール等のアルコール系ブロック
剤、メチルエチルケトオキシム、ホルムアルドキシム、
アセトアルドキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオ
キシム系ブロック剤、ブチルメルカプタン、tert−
ドデシルメルカプタン、チオフェノール等のメルカプタ
ン系ブロック剤、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿
素系ブロック剤、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチ
ル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸メチル等の活性メチ
レン系ブロック剤、アセトアニリド、アセトアニシジ
ド、酢酸アミド、アクリルアミド、アセト酢酸エチル等
の酸アミド系ブロック剤、ジフェニルアミン、フェニル
ナフチルアミン、アニリン、カルバゾール等のアミン系
ブロック剤、他にもイミド系ブロック剤、イミダゾール
系ブロック剤、イミン系ブロック剤、カルバミン酸塩系
ブロック剤、亜硫酸塩系ブロック剤等が挙げられる。
【0023】ブレンド比率としては、トルイレンジイソ
シアネート系ブロック型イソシアネートを1とした場
合、ジフェニルメタンジイソシアネート系ブロック型イ
ソシアネートの比率が0.1から10の範囲において好
ましく用いられる。更に好ましくは2であり、特に好ま
しくは1である。しかしながら、これ以外の範囲におい
ては効果が薄れる。例えばトルイレンジイソシアネート
系ブロック型イソシアネートが多くなると、画像再現性
及び、初期の接着性は良好であるが、経時により基板と
の接着性が低下する。一方、ジフェニルメタンジイソシ
アネート系ブロック型イソシアネートが多くなると、経
時によって基板との接着性が向上するが、初期の接着性
が悪く、画像再現性も不良気味となる。すなわち、いず
れの場合も、水なし平版印刷版原版の良好な性能を得る
ことができない。又、本発明に用いられるブロック型イ
ソシアネートのブロック剤の解離温度は180℃以下が
好ましく、特に好ましくは160℃以下であり、更に低
温キュアが可能となる。解離温度が180℃以上になる
と、プライマー塗設時の熱硬化反応に高温及び長時間を
有することになるため、生産性に欠け実用性に乏しい。
【0024】本発明のブレンドして用いるブロック型イ
ソシアネートは、それのみでのプライマー層形成も可能
であり、他の成分との混合によって三次元化して用いて
もよい。又、形態保持のためにバインダーとしての基体
樹脂(担体樹脂)と混合して用いてもよい。なお、他の
目的として基体樹脂(担体樹脂)を用いることも可能で
ある。又、これらの樹脂は単独あるいは2種類以上混合
して用いることも可能である。かかる他の成分として
は、例えば次のようなものが挙げられるが、本発明はこ
れらに限定されない。
【0025】ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹
脂、エポキシポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリレート系共重合
体、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノキシ樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル−ポリカー
ボネート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体等のジエン系ゴ
ム、カルボキシ変性スチレン/ブタジエンゴム、アクリ
ロニトリル/ブタジエンゴム、カルボキシ変性アクリロ
ニトリル/ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、アク
リレートゴム、セルロース及びその誘導体、キチン、キ
トサン、ミルクカゼイン、ゼラチン、大豆タンパク質、
アルブミン、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、塩素
化ポリプロピレン等。
【0026】上記樹脂を用いた代表的な使用例を下記に
示すが、本発明は、これらに限定されない。
【0027】(a)アミノ樹脂とエポキシ樹脂とブロッ
ク型イソシアネート (b)フェノール樹脂とアミノ樹脂とエポキシ樹脂とブ
ロック型イソシアネートの組み合わせ (c)フェノール樹脂とエポキシ樹脂とブロック型イソ
シアネートの組み合わせ (d)フェノール樹脂とアミノ樹脂とブロック型イソシ
アネートの組み合わせ (e)エポキシ樹脂とアミン類、ポリアミド、酸無水物
等の硬化剤とブロック型イソシアネートの組み合わせ (f)ウレタン樹脂とエポキシ樹脂とブロック型イソシ
アネートの組み合わせ (g)ウレタン樹脂とアミノ樹脂とブロック型イソシア
ネートの組み合わせ (h)ウレタン樹脂とエポキシ樹脂とアミノ樹脂とブロ
ック型イソシアネートの組み合わせ 本発明においては、上記使用例のどの場合においても良
好な結果を示すが、好ましくは(a)、(b)、(h)
のように、基体樹脂中にエポキシ樹脂及びアミノ樹脂を
含有しているものが良好である。特に本発明においては
使用例(h)の様に、基体樹脂中にウレタン樹脂を含有
しているものが非常に良好であり、接着性及び版として
の耐刷性が向上する。
【0028】(a)の混合割合としては、アミノ樹脂1
〜100重量部に対し、エポキシ樹脂は1〜100重量
部、ブロック型イソシアネートとしては1〜100重量
部が最適である。又、(b)の混合割合としては、フェ
ノール樹脂1〜200重量部に対し、アミノ樹脂1〜7
0重量部、エポキシ樹脂は1〜70重量部、ブロック型
イソシアネートは1〜100重量部が最適である。又、
(h)の混合比率としては、ウレタン樹脂1〜200重
量部に対しエポキシ樹脂は1〜70重量部、アミノ樹脂
は1〜70重量部、ブロック型イソシアネートは1〜1
00重量部が最適である。
【0029】本発明に用いられるアミノ樹脂としては、
尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素
メラミン樹脂等が挙げられる。取り扱いやすくするため
n−ブチル化やiso−ブチル化されていても良い。
【0030】また、本発明におけるエポキシ樹脂の代表
的な例は、下記の様な化合物であるが、本発明はこれら
に限定されない。
【0031】(1)ビスフェノ−ルAとエピクロルヒド
リンとの反応生成物。 (2)ノボラック樹脂とエピクロルヒドリンとの反応生
成物。 (3)ビスフェノ−ルFとエピクロルヒドリンとの反応
生成物。 (4)テトラブロモビスフェノ−ルAとエピクロルヒド
リンとの反応生成物。 (5)環式脂肪族エポキシ樹脂(シクロヘキサノキサイ
ド基、トリシクロデセノキサイド基、シクロペンテノキ
サイド基を有する化合物)。
【0032】(6)グリシジルエステル系エポキシ樹脂
(多価カルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応生成
物) (7)グリシジルアミン系エポキシ樹脂(アミンとエピ
クロルヒドリンとの反応生成物。
【0033】(8)複素環式エポキシ樹脂(ヒダントイ
ン環をグリシジル化したヒダントイン型エポキシ樹脂及
びトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレ−
ト) (9)多価アルコールとエピクロルヒドリンとの縮合
物。
【0034】本発明に用いられるエポキシ樹脂は単独で
用いても良いし、何種か混合して用いても良い。例え
ば、疎水性のエポキシ樹脂と親水性のエポキシ樹脂をブ
レンドして用いても良い。又、本発明におけるエポキシ
樹脂のエポキシ当量としては300以下が好ましい。よ
り好ましくは250、更に好ましくは100である。こ
こでいうエポキシ当量とは、1g当量のエポキシ基を含
む樹脂のグラム数である。エポキシ当量が300より大
きくなると反応性が乏しくなり、プライマー層塗設時の
熱硬化反応に長時間を有してしまう。すなわち、大きく
生産性に欠け、実用性が乏しい。又、プライマー層の反
応が完結されていないため、アフターキュアにより未反
応のエポキシ化合物の反応が進み、安定したプライマー
層が得られない。従って、経時的に基板との接着性が劣
ったり、感光層中のモノマーやイソシアネート等の含浸
によって画像再現性が劣ったりする等のトラブルの原因
となり、結果的には水なし平版印刷版原版の保存安定性
に悪影響を及ぼすことになる。
【0035】また、本発明に用いられるウレタン樹脂
は、いかなるものであってもよく、特にポリオール成
分、イソシアネート成分、鎖伸長剤等から構成されるポ
リウレタン樹脂が好ましく用いられる。代表的なポリオ
ール成分として、例えば低分子ジオールとしては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレング
リコール、ネオペンルグリコール、ビス(ヒドロキシメ
チル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシエチル)ベン
ゼン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリトリット、ジペンタエリトリット、トリ
スヒドロキシメチルアミノメタン、ソルビトール等が挙
げられる。又、高分子ジオールとしては、ポリプロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラエ
チレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオ
キサイド共重合体、テトラヒドロフラン−エチレンオキ
サイド共重合体、テトラヒドロフラン−プロピレンオキ
サイド共重合体やコハク酸、グルタル酸、アジピン酸等
の飽和脂肪族カルボン酸あるいはフタル酸等の芳香族ジ
カルボン酸と低分子ジオールとの重縮合反応から得られ
るポリエステルジオール、又はポリエチレンアジペー
ト、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチル
アジペート、ポリヘキサメチレンネオペンチルアジペー
ト、ポリエチレンヘキサメチレンアジペート等のポリエ
ーテルジオール、他にもポリエーテルエステルジオー
ル、ポリブタジエンジオール、ポリカーボネートジオー
ル、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。ま
た、種々の含燐ポリオール、ハロゲン含有ポリオール等
もポリオールとして用いることが可能である。
【0036】代表的なイソシアネート成分としては、p
ーフェニレンジイソシアネート、2,4ー又は2,6ー
トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4ージフェ
ニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリジンジイ
ソシアンネート(TODI)、キシリレンジイソシアネ
ート(XDI)、水素化キシリレンジイソシアネート、
シクロヘキサンジイソシアネート、メタキシレンジイソ
シアネート(MXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート(HDIあるいはHMDI)、リジンジイソシアネ
ート(LDI)(別名2,6ージイソシアネートメチル
カプロエート)、水素化MDI(H12MDI)(別名
4,4´ーメチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト))、水素化XDI(H6XDI)(別名1,3ー
(イソシアナートメチル)シクロヘキサン)、イソホロ
ンジイソシアネート(IPDI)、ジフェニルエーテル
イソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート(TMDI)、テトラメチルキシレンジイソシア
ネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ダ
イマー酸シイソシアネート(DDI)、トリフェニルメ
タントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェ
ニル)チオフォスフェイト、1,8ージイソシアネート
−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6ーヘ
キサメチレントリイソシアネート、ビスクロヘプタント
リイソシアネート等やポリイソシアネート類等の単量体
もしくは変性体等が挙げられる。又、これらイソシアネ
ート化合物と上記ポリオールとをイソシアネート基が残
存するような比率で反応させた化合物もイソシアネート
化合物として用いることが可能である。
【0037】代表的な鎖伸長剤としては、pーキシレン
ジアミン、1,4ージアミノシクロヘキサン、pーフェ
ニレンジアミン、ビス(4ーアミノシクロヘキシル)メ
タン、1,2ージアミノプロパン、2,3ージアミノブ
タン、ピペラジン、4,4´ージアミノジフェニルメタ
ン、トリメチレングリコールージーpーアミノベンゾエ
ート、4,4´ー3,3´ージアミノジクロロージフェ
ニルメタン等が挙げられる。
【0038】本発明のプライマー層には基板からのハレ
ーション防止や検版性向上のため酸化チタンや炭酸カル
シウム等のような白色顔料や黄色顔料の添加が可能であ
り、他にも目的に沿って染料、pH指示薬、露光焼出し
剤、フォトクロ化合物、光重合開始剤、熱重合開始剤、
接着助剤(例えば、重合性モノマー、ジアゾ樹脂、シラ
ンカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミ
ニウムカップリング剤、ジルコニアカップリング剤、ボ
ロンカップリング剤等)、含燐モノマー、各種触媒、シ
リカ粒子等、添加剤を添加することもできる。又、塗液
安定性のため熱重合抑制剤としてハイドロキノン、フェ
ノチアジン等の重合禁止剤を添加することも可能であ
る。更に塗工性改良のため、エチルセルロース、メチル
セルロース等のアルキルエーテル類、フッ素系界面活性
剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等
を添加することも任意であり、塗膜の柔軟性、耐磨耗性
を付与するため、可塑剤を添加してもよい。代表的な可
塑剤を下記に示すが、これらに限定されない。
【0039】ブチルフタリル、ポリエチレングリコー
ル、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸
ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、
リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、オレイン酸
テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸
のオリゴマー、ポリビニルブチルエーテル、エポキシト
リグルセリド、ポリビニルホルマール等。
【0040】本発明に用いられるプライマー層を形成す
るための組成物は、ジメチルホルムアミド、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、ジオキサン、乳酸
メチル、乳酸エチル等の適当な有機溶媒に溶解させるこ
とにより、組成物溶液として調製される。顔料等が含有
されている場合には、必要に応じてSGI、ホモジナイ
ザーといった公知の分散方法を用い分散させてやること
が好ましい。
【0041】本発明に用いられるプライマー層の膜厚は
乾燥重量で0.1〜20g/m2 の範囲が好ましく、1
〜10g/m2 の範囲が更に好ましい。薄すぎるとプラ
イマー層としての具備すべき機能を果たさなくなり、厚
すぎると経済性に欠ける。
【0042】次に本発明に用いられる感光層について説
明する。本発明で用いられる感光層は露光の前後で現像
液に対する溶解性に変化を生じるものであればいかなる
ものであってもよい。具体的にはエチレン性不飽和化合
物、ジアゾ化合物、キノンジアジド化合物、アジド化合
物、o−ニトロベンジルカルビノールエステル化合物等
が挙げられる。これらの化合物の光硬化反応を利用する
ことによりポジ型水なし平版印刷版原版が、光分解反応
を利用することによりネガ型水なし平版印刷版原版が得
られる。本発明における画像形成はポジ型でもネガ型で
もよい。
【0043】最初にポジ型について詳細に説明する。ポ
ジティブワーキング用の感光層としては、主に光硬化性
層が用いられ、光重合性層と光架橋性層とが挙げられ
る。
【0044】まず、光重合性層について説明する。光重
合性層としては以下に示すような組成の光重合性接着層
が挙げられる。
【0045】 (1)光重合性不飽和モノマーあるいはオリゴマー 1.0〜100重量部( 2)光重合開始剤 0.1〜 20重量部 ( 3)必要に応じて添加される光重合性層の形態保持用充填剤(ポリマ−あるいは 無機粉末) 0.01〜100重量部 ( 1)に言うモノマーまたはオリゴマーの具体例を下記に示す。
【0046】本発明に好ましく用いられるモノマーとし
ては、下記一般式(I)で表わされるモノマーが挙げら
れる。 R1 2 N−(X1 p −(X2 q −NR3 4 (I) (式中X1 は、炭素数1〜20の置換または無置換の環
式または非環式のアルキレン、置換または無置換のフェ
ニレン、置換または無置換のアラルキレンで置換基とし
ては、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、水酸
基、アリール基、から選ばれる2価の連結基を表わす。
2 は、−OE1− 、−S−E2 −NH−E3 −C
O−O−E4− 、−SO2−NH−E5−で、E1 、E
2 、E3 、E4 、E5 は、上記のアルキレン、フェニレ
ン、アラルキレンと同一から選ばれる2価の連結基を表
わす。pは1以上の整数、qは0または1以上の整数を
表わす。R1 、R2 、R3 、R4 は、水素原子、炭素数
1〜20の置換、または無置換のアルキル基、置換また
は無置換のフェニル基、置換または無置換のアラルキル
基、下式(III)、(IV)、(V)から選ばれる官
能基を意味し、同一でも異なってもよい。置換基として
は、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、水酸
基、アリール基を表わす。ただし化合物(II)の1分
子中に少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基を含
む。R5 、R6 、R7 は、水素原子、炭素数1〜20の
置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のフ
ェニル基、置換または無置換のアラルキル基、CH2 =CH-
基、CH2 =CCH3 - 基を表わす。Yは-CO-O-、-CO-NH- 、
置換または無置換フェニレン基を表わす。X3 、X4
5 は上記X1 、X2 と同義を意味する。m、nは0ま
たは1を表わす。) R5 −Y−(X3 n −CH(OH)−CH2 − (II) R6 −Ym −(X4 n −CO− (III) R7 −Ym −(X5 n −SO2 − (IV) 特に、下記ジアミン化合物に光重合可能な基を有するグ
リシジルメタクリレ−ト及び、光重合可能な基をもたな
いモノグリシジルエーテル化合物を付加反応させたもの
が好ましく用いられる。
【0047】(a)ジアミン化合物(モノオキシエチレ
ンジアミン、ジオキシエチレンジアミン、トリオキシエ
チレンジアミン、テトラオキシエチレンジアミン、ペン
タオキシエチレンジアミン、ヘキサオキシエチレンジア
ミン、ヘプタオキシエチレンジアミン、オクタオキシエ
チレンジアミン、ノナオキシエチレンジアミン、デカオ
キシエチレンジアミン、トリトリアコンタオキシエチレ
ンジアミン、モノオキシプロピレンジアミン、ジオキシ
プロピレンジアミン、トリオキシプロピレンジアミン、
テトラオキシプロピレンジアミン、ペンタオキシプロピ
レンジアミン、ヘキサオキシプロピレンジアミン、ヘプ
タオキシプロピレンジアミン、オクタオキシプロピレン
ジアミン、ノナオキシプロピレンジアミン、デカオキシ
プロピレンジアミン、トリトリアコンタオキシプロピレ
ンジアミン、N−ヒドロキシエチルヘキサプロピレンジ
アミン、N−ヒドロキシイソプロピルヘキサプロピレン
ジアミン、N,N´−ジヒドロキシエチルヘキサプロピ
レンジアミン、N,N´−ジヒドロキシイソプロピルヘ
キサプロピレンジアミン、トリメチレンビス(4−アミ
ノベンゾエート)、テトラメチレングリコールビス(4
−アミノベンゾエート)、ジブチレングリコールビス
(4−アミノベンゾエート)、o−キシリレンジアミ
ン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、N−ヒドロキシエチル−m−キシリレンジアミン、
N−ヒドロキシイソプロピル−m−キシリレンジアミ
ン、N,N´−ジヒドロキシエチル−m−キシリレンジ
アミン、N,N´ージヒドロキシイソプロピル−m−キ
シリレンジアミン等) 1 mol (b)グリシジルメタクリレ−ト
4−n mol (c)モノグリシジルエ−テル化合物(メチルグリシジ
ルエ−テル、エチルグリシジルエ−テル、n−プロピル
グリシジルエ−テル、イソプロピルグリシジルエ−テ
ル、n−ブチルグリシジルエ−テル、イソブチルグリシ
ジルエ−テル、n−ヘキシルグリシジルエ−テル、2エ
チルヘキシルグリシジルエ−テル、n−デシルグリシジ
ルエ−テル、アリルグリシジルエ−テル、フエニ−ルグ
リシジルエ−テル、グリシド−ル等)
n mol(nは0≦n≦4の
整数)の付加反応物が有用である。
【0048】又、上記に説明したアミノ基を有するエチ
レン性不飽和化合物の他にも、公知のモノマー、オリゴ
マーや、少量のポリジメチルシロキサン、シリコーンレ
ジン、公知の各種変性ポリジメチルシロキサン、ポリエ
ーテル変性ポリジメチルシロキサン、シリコーン(メ
タ)アクリレートなどのシリコーン化合物を添加するこ
とも可能である。公知のモノマー、オリゴマーの具体例
を下記に示す。
【0049】アルコール類(エタノール、プロパノー
ル、ヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール、イソアミルアルコール、ラウリルアルコー
ル、ステアリルアルコール、ブトキシエチルアルコー
ル、エトキシエチレングリコール、メトキシエチレング
リコール、メチキシプロピレングリコールフェノキシエ
タノール、フェノキシジエチレングリコール、テトラヒ
ドロフルフリルアルコールなど)の(メタ)アクリル酸
エステル等。
【0050】カルボン酸類(酢酸、プロピオン酸、安息
香酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マレイン
酸、フタル酸、酒石酸、クエン酸等)と(メタ)アクリ
ル酸グリシジルまたはテトラグリシジル−m−キシリレ
ンジアミンまたはテトラグリシジル−m−テトラヒドロ
キシリレンジアミンとの付加反応物。アミド誘導体(ア
クリルアミド、メタクリルアミド、n−メチロールアク
リルアミド、メチレンビスアクリルアミド等)。エポキ
シ化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応物等を挙げ
ることができる。更に具体的には、特公昭48−417
08号公報、特公昭50−6034号公報、特開昭51
−37193号公報に記載されているウレタンアクリレ
ート、特開昭48−64183号公報、特公昭49−4
3191号公報、特公昭52−30490号公報に記載
されているポリエステルアクリレート、エポキシ樹脂と
(メタ)アクリル酸を反応させた多官能エポキシ(メ
タ)アクリレート、米国特許4540649号公報に記
載されているN−メチロールアクリルアミド誘導体など
を挙げることができる。更に日本接着協会誌VOL.20,No.
7,p300〜308 に紹介されている光硬化性モノマー及びオ
リゴマーも用いることができる。なお、エチレン性飽和
モノマー合成の原料として遊離の酸が用いられた場合に
は、その反応混合物が未反応の遊離酸を有する場合があ
るが、その場合にはこれを本発明に使用する酸の一部ま
たは全部として機能せしめることができる。
【0051】又、本発明の感光層には、アミノ基構造を
有しない下記一般式(V)で示される構造をとる重合可
能な化合物を用いることも可能である。
【0052】
【化1】 (式中R8は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10
0の置換あるいは非置換のアルキル基、アルコキシ基、
アミド基、アシルオキシ基、アルカノイル基、ホルミル
基、カルボキシル基、炭素数2〜100の置換あるいは
非置換のアルケニル基、アルケニルオキシ基、炭素数4
〜100の置換あるいは非置換のアリール基、アリール
オキシ基の群から選ばれる少なくとも一種である。R9
は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜100の置換あ
るいは非置換のアルキル基、アルコキシ基、アミド基、
アシルオキシ基、アルカノイル基、ホルミル基、カルボ
キシル基、炭素数2〜100の置換あるいは非置換のア
ルケニル基、アルケニルオキシ基、炭素数4〜100の
置換あるいは非置換のアリール基、アリールオキシ基の
群から選ばれる少なくとも一種である。L1、及びL2
は連結基である。a及びbは連結基の有無を示し、0ま
たは1であり、同一でも異なっていてもよい。) とりわけ、下記一般式下記一般式(VI)で示される構
造を少なくとも一つ有し、且つアミノ基構造を有しない
重合可能な化合物を含んでいることが好ましい。
【0053】
【化2】 (式中、R8、R9、L2及びbは一般式(V)と同じ
である。L3は連結基であり、エステル結合、アミド結
合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合、エ
ーテル結合、ネオエーテル結合、置換あるいは非置換の
ホウ素原子、置換あるいは非置換の炭素原子、置換ある
いは非置換のリン原子、置換あるいは非置換のケイ素原
子の群から選ばれる少なくとも一種である。L4は連結
基である。cは連結基の有無を示しており、0または1
である。) 一般式(V)及び一般式(VI)中の連結基は、分子骨
格内にアミノ基が存在しなければ、どのような連結基で
もよい。a、b、cは0または1であることから、場合
によってはこれらの連結基の一部は存在しなくてもよ
い。L1、L2、L4の具体例としては、置換あるいは
非置換のホウ素、酸素原子、ハロゲン原子、アルカリ土
類金属、置換あるいは非置換のアルミニウム原子、置換
あるいは非置換のケイ素原子、置換あるいは非置換のリ
ン原子、イオウ原子、遷移金属の群から選ばれる少なく
とも一種、あるいはアルキル基、アルケニル基、アリー
ル基等が、挙げられ、それぞれ同一でも異なっていても
よい。又、これらの基はエステル結合、ウレタン結合、
ウレア結合、アミド結合、カーボネート結合などの各種
結合を持っていてもよい。例えば、エステル結合を含ん
だアルキル基、エステル結合と芳香環を含んだアルキル
基、エーテル結合と芳香環を含んだアルキル基、アミド
結合と芳香環を含んだアルキル基、ウレタン結合と芳香
環を含んだアルキル基などが挙げられるが、これらに限
定されない。より具体的な例を挙げると、例えばエーテ
ル結合を含んだアルキル基としては、エチレンオキシド
鎖やプロピレンオキシド鎖等が挙げられ、エーテル結合
と芳香環を含んだアルキル基としては、フェニレンオキ
シド鎖等が挙げられる。
【0054】シリコーン(メタ)アクリレートの具体例
としては、1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピ
ル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン、
3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、
1−(3−メタクリロキシプロピル)1,1,3,3,
3−ペンタメチルジシロキサン、3−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、α,ω−メタ
クリロキシプロピルポリジメチルシロキサン、ポリ(メ
タクリロキシプロピルメチル−co−ジメチル)シロキ
サン等が挙げられる。また下記ジアミンシリコーン化合
物に光重合可能な基を有するグリシジルメタクリレ−ト
または、メタクリル酸クロライド及び光重合可能な基を
もたないモノグリシジルエ−テル化合物、酸クロライド
等を付加反応させたものも挙げられる。
【0055】(a)ジアミンシリコーン化合物 α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロ
キサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリメチ
ルビニルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピ
ル)ポリジフェニルシロキサン等。
1 mol (b)グリシジルメタクリレ−ト、メタク
リル酸クロライド等。
【0056】4−n mol (c)モノグリシジルエ−テル化合物(メチルグリシジ
ルエ−テル、エチルグリシジルエ−テル、n−プロピル
グリシジルエ−テル、イソプロピルグリシジルエ−テ
ル、n−ブチルグリシジルエ−テル、イソブチルグリシ
ジルエ−テル、n−ヘキシルグリシジルエ−テル、2−
エチルヘキシルグリシジルエ−テル、n−デシルグリシ
ジルエ−テル、アリルグリシジルエ−テル、フエニ−ル
グリシジルエ−テル、グリシド−ル等)、酢酸クロライ
ド、2−エチル酪酸クロライド、カプロン酸クロライ
ド、カプリル酸クロライド、2−エチルヘキサン酸クロ
ライド、カプリン酸クロライド、オレイン酸クロライ
ド、ラウリル酸クロライド、プロピオン酸クロライド、
安息香酸クロライド、コハク酸クロライド、マレイン酸
クロライド、フタル酸クロライド、酒石酸クロライド、
クエン酸クロライド等)n mol (nは0≦n≦4の整数)の付加反応物が有用である。
【0057】本発明に用いられる有機シリル基を有する
エチレン性不飽和化合物としては、光重合性層の場合に
は光重合性のエチレン性不飽和化合物を、光架橋性層の
場合には光架橋性のエチレン性不飽和化合物を用いるこ
とが好ましい。本発明にいう有機シリル基は、大別して
加水分解性の活性シリル基と非加水分解性のシリル基の
二つに分類できる。
【0058】加水分解性の活性シリル基としては、加水
分解によりシラノール基などの高反応性基が再生するア
ルコキシシリル基、アセトキシシリル基、オキシムシリ
ル基などのシリル基とトリメチルシロキシ基、トリエチ
ルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基等のように加水
分解によってアルコール性水酸基が再生するものが挙げ
られる。
【0059】アルコキシシリル基の具体例としてはトリ
メトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメ
トキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、ビニルジ
メトキシシリル基、ビニルエトキシシリル基、アリルジ
メトキシシリル基、アリルジエトキシシリル基、3−メ
タクリロキシプロピルジメトキシシリル基、3−メタク
リロキシプロピルジエトキシシリル基、ジメチルメトキ
シシリル基、ジメチルエトキシシリル基、ジビニルメト
キシシリル基、ジビニルエトキシシリル基、ジアニルメ
トキシシリル基、ジアニルエトキシシリル基、3−メタ
クリロキシプロピルメトキシシリル基、3−メタクリロ
キシプロピルメチルエトキシシリル基等が挙げられる。
【0060】又、アセトキシシリル基の具体例として
は、トリアセトキシシリル基、メチルジアセトキシシリ
ル基、エチルジアセトキシシリル基、ジメチルアセトキ
シシリル基、ジエチルアセトキシシリル基等が挙げられ
る。
【0061】更にオキシムシリル基の具体例としては、
トリオキシムシリル基、メチルジケトオキシムシリル
基、エチルジケトオキシムシリル基等が挙げられる。
【0062】これらの加水分解性の活性シリル基を有す
るエチレン性不飽和化合物としては、上記の活性シリル
基及び光重合性または光架橋性のエチレン性不飽和基と
が同一分子内に存在すれば、その分子構造にはなんら制
限を受けないが、合成や入手の容易さから下記の様な化
合物が一般的である。
【0063】すなわち、光重合性のものとしては、炭素
数30以下の多価アルコール、多価酸や酸無水物あるい
は多価アミンから誘導される(メタ)アクリルアミドな
ど、またエポキシエステルやアリルエステル、(メタ)
アクリルアミド等、またエポキシエステルの付加反応物
等のエチレン性不飽和化合物等で、これらを合成する段
階の途中もしくは最後において、上記に定義された有機
シリル基を有する化合物を反応させて同一分子内に有機
シリル基を取り込む方法が一般的である。
【0064】反応に用いる上記の有機シリル基化合物と
しては、クロルシリル化合物、エポキシアルキルシリル
基、アミノアルキルシリル化合物、メルカプトアルキル
シリル化合物、イソシアネートアルキルシリル化合物等
があり、これらのクロルシリル基、エポキシ基、アミノ
基、メルカプト基、イソシアネート基等を利用して反応
させる。
【0065】下記に具体例を示すが、これらに限定され
るものではない。
【0066】 (a)3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン ( b)2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート 1 mol トリエトキシクロルシラン 1 mol (c)ペンタエリスリトールトリアクリレート 1 mo l トリメトキシクロルシラン 1 mo l (d)エチレングリコールジグリシジルエーテル/メタクリル酸付加反応物 1 mo l 3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン n mo l (nは1≦n≦2の整 数) (e)ジエチレントリアミン 1 mol グリシジルメタクリレート 4−n mol 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン n mol (nは1≦n≦ 3の整数)(f)トリエチレンテトラアミン 1 mol グリシジルメタクリレート 4− n mol 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン n mol (nは1≦n ≦4の整数)(g)ジアミノジフェニルメタン 1 mol グリシジルメタクリレート 4− n mol 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン n mol (nは1≦n ≦4の整数)(h)m−キシレンジアミン 1 mol グリシジルメタクリレート 4 −n mol 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン n mol (nは1 ≦n≦4の整数)(i)3−アミノプロピルトリメトキシシラン 1 mol グリシジルメタクリレート 2 mol 光架橋性のものも有機シリル基の導入方法は光重合性のもの に準ずる。具体例としては、ポリビニルアルコール、デンプン、セルロースなど のような水酸基含有ポリマーのケイ皮酸エステルなどにおいて、水酸基の一部を トリメトキシクロルシランなどで有機シリル化したものなどがある。
【0067】非加水分解性のシリル基としては非反応性
のシリル基を意味し、アルキルシリル基やアリルシリル
基などが挙げられる。これらの非加水分解性のシリル基
を有するエチレン性不飽和基化合物としては、上記の非
反応性シリル基及び光重合性又は光架橋性のエチレン性
不飽和基とが同一分子内に存在すれば、その分子構造に
はなんら制限を受けないが、合成や入手の容易さから下
記の様な化合物が一般的である。下記に具体例を示す
が、これらに限定されない。
【0068】 (a)m−キシレンジアミン 1 mol グリシジルメタクリレート 4−n mol アリルグリシジルエーテル n mol (nは1≦n≦4の整 数)以上の付加反応物と トリメトキシシラン n mol ( b)2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート 3 mol メチルトリアセトキシシラン 1 mol 特に本発明においては、有機シリル基として加水分解性
の活性シリル基を用いたエチレン性不飽和化合物を用い
ることが好ましい。
【0069】(2)に言う光重合開始剤の具体例を下記
に示す。各種のベンゾフェノン系化合物、置換チオキサ
ントン系化合物、置換アクリドン系化合物、米国特許2
367660号公報に提案されているビシナールポリケ
タルドニル化合物、米国特許2367661号公報およ
び米国特許2367670号公報に提案されているα−
カルボニル化合物、米国特許2448828号公報に提
案されているアシロインエーテル、米国特許27225
12号公報に提案されているα位が炭化水素で置換され
た芳香族アシロイン化合物、米国特許3046127号
公報及び米国特許2951758号公報に提案されてい
る多核キノン化合物、米国特許3549367号公報に
提案されているトリアリールイミダゾールダイマー/p
−アミノフェニルケトンの組合わせ、米国特許3870
524号公報に提案されているベンゾチアゾール系化合
物、米国特許4239850号公報に提案されているベ
ンゾチアゾール/トリハロメチル−s−トリアジン系化
合物、米国特許3751259号公報に提案されている
アクリジン及びフェナジン化合物、米国特許42197
0号公報に提案されているオキサジアゾール化合物、米
国特許3954475号公報、米国特許4189323
号公報、特開昭53−133428号公報、特開昭60
−105667号公報、特開昭62−58241号公
報、特開昭63−153542号公報に提案されている
発色団基を有するトリハロメチル−s−トリアジン系化
合物、特開昭59−197401号公報、特開昭60−
76503号公報に提案されているベンゾフェノン基含
有ペルオキシエステル化合物などを挙げることができ
る。特に本発明において好ましく用いられる光重合開始
剤としては、ミヒラー氏ケトンに代表されるベンゾフェ
ノン系化合物、2,4−ジエチルチオキサントンに代表
される置換チオキサントン系化合物の組合わせがある。
又、更にN−アルキルアクリドンに代表される置換アク
リドン系化合物を組合わせることが感度および画像再現
性特にハイライト再現性向上の観点から好ましい。又、
本発明に用いられる感光層には、染料や顔料、pH指示
薬、ロイコ染料、界面活性剤、重合禁止剤、光酸発生剤
等の各種添加剤を加えることも可能である。又、経時変
化による染料の退色防止や感光層とシリコーンゴム層の
接着性保持剤として有機酸を添加することも可能であ
る。例えば代表的な酸として遊離のカルボキシル基を有
する飽和または不飽和の脂肪酸又は芳香族の一価または
多価カルボン酸が挙げられる。特に20℃の水に対する
溶解度が1g以下である遊離のカルボキシル基を有する
飽和又は不飽和の脂肪酸又は芳香族の一価又は多価カル
ボン酸が有効であり、この様な有機カルボン酸の具体例
としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウ
リン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、シクロヘキサ
ンカルボン酸等の脂肪族モノカルボン酸、フマル酸等の
脂肪族ジカルボン酸、オルトフタルアルデヒド酸、フタ
ルアミド酸、タンニン酸、o−トロイル酸、m−トロイ
ル酸、p−トロイル酸、安息香酸、p−ヒドロキシ安息
香酸、o−ブロモ安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−
ブロモ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息
香酸、p−ニトロ安息香酸、アントラニル酸、m−アミ
ノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、o−メトキシ安息香
酸、m−メトキシ安息香酸、p−メトキシ安息香酸サリ
チル酸等の芳香族モノカルボン酸、o−フタル酸、m−
フタル酸、p−フタル酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙
げられる。
【0070】これらの酸の中でも有機ジカルボン酸類が
有効であり、特に芳香族ジカルボン酸類が有効である。
本発明における有機カルボン酸は、感光層組成物中の酸
濃度が0.01〜1.0ミリグラム当量/g、特に好ま
しくは0.02〜0.5ミリグラム当量/gになるよう
に単独、もしくは混合して添加することができる。酸濃
度が0.01ミリグラム当量/g以下だと保存安定性に
対する効果が薄く、1.0ミリグラム当量/g以上だと
光重合を阻害してしまう。
【0071】又、感光層とシリコーンゴム層との反応を
制御する点から、感光層にジブチル錫ジアセテート、ジ
ブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート等に
代表される公知の有機金属触媒などを微量添加すること
も可能である。重合禁止剤としては、例えばハイドロキ
ノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチルクレゾ
ール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキ
ノン、4,4´−チオビス(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、2,2´−メチレンビス(4−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾ
イミダゾール、フェノチアジン、テンポール等が有用で
ある。又、感光層組成物の塗工性を向上させる目的か
ら、フッ素系界面活性剤を添加することも好ましい。
【0072】(3)に言う形態保持用充填剤(ポリマ−
あるいは無機粉末)は有機溶媒可溶で且つフィルム形成
能のあるものであれば、いずれも使用可能であるが、好
ましくはそのガラス転移温度(Tg)が0℃以下のポリ
マー、コポリマーを挙げることができる。代表的な例を
下記に示すがこれらに限定されない。(メタ)アクリル
酸系化合物共重合体、クロトン酸化合物共重合体、マレ
イン酸系化合物共重合体、ロジン変性等の部分エステル
化マレイン酸系化合物共重合体、酸性セルロース誘導
体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、
アルコール可溶性ナイロン、ポリエステル樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹
脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルホルマール、ポリ塩化ビニル、ポリビ
ニルアルコール、部分アセタール化ポリビニルアルコー
ル、水溶性ナイロン、水溶性ウレタン、ゼラチン、水溶
性セルロース誘導体等を単体もしくは二種類以上混合し
て用いることが可能である。更に側鎖に光重合可能また
は光架橋可能なオレフィン性不飽和二重結合基を有する
高分子化合物も単体もしくは上記のポリマーに加えて二
種類以上混合して用いることが可能である。具体的に
は、特開昭59−53836号公報に提案されているア
リル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要
に応じてその他の付加重合性ビニルモノマ共重合体、及
びそのアルカリ金属塩またはアミン塩、特公昭59−4
5979号公報に提案されているヒドロキシエチルメタ
クリレート/メタクリル酸/アルキルメタクリレート共
重合体、及びそのアルカリ金属塩またはアミン塩に(メ
タ)アクリル酸クロライドを反応させたもの、特開昭5
9−71048号公報に提案されている無水マレイン酸
共重合体にペンタエリスリトールトリアクリレートをハ
ーフエステル化で付加させたもの、及びそのアルカリ金
属塩またはアミン塩、スチレン/無水マレイン酸共重合
体にモノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー及びま
たはポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート
及びまたはポリプロピレングリコールモノ(メタ)アク
リレートをハーフエステル化で付加させたもの、及びそ
のアルカリ金属塩またはアミン塩、(メタ)アクリル酸
共重合体やクロトン酸共重合体のカルボン酸の一部にグ
リシジル(メタ)アクリレートを反応させたもの、及び
そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート共重合体、ポリビニルホルマー
ル及びまたはポリビニルブチラールに無水マレイン酸や
無水イタコン酸を反応させたもの、及びそのアルカリ金
属塩またはアミン塩、ヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレート/(メタ)アクリル酸共重合体に2,4−トリ
レンジイソシアネート/ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート=1:1付加反応物をさらに反応させたも
の、及びそのアルカリ金属塩またはアミン塩、特開昭5
9−53836号公報に提案されている(メタ)アクリ
ル酸共重合体の一部をアリルグリシジルエーテルで反応
させたもの及びそのアルカリ金属塩又はアミン塩、(メ
タ)アリルアクリレート/スチレンスルホン酸ナトリウ
ム共重合体、(メタ)アクリル酸ビニル/スチレンスル
フォン酸ナトリウム共重合体、(メタ)アリルアクリレ
ート/アクリルアミド/1,1−ジメチルエチレンスル
ホン酸ナトリウム共重合体、(メタ)アクリル酸ビニル
/アクリルアミド/1,1−ジメチルエチレンンスルフ
ォン酸ナトリウム共重合体、2−アリロキシエチル(メ
タ)アクリレート/メタクリル酸共重合体、2−アリロ
キシエチル(メタ)アクリレート/2−メタクリロキシ
エチル水素サクシネート共重合体等を挙げることができ
る。本発明においてはポリウレタン樹脂が好ましく用い
られる。特にプライマー層に用いられているポリウレタ
ン樹脂と同じ樹脂を感光層に用いると、プライマー層と
感光層との界面の接着性が良好になり、感光層とプライ
マー層間のハガレを防止する。従って、このハガレから
起因してなるプライマー層と基板とのハガレも発生しに
くくなり、本発明のエポキシ樹脂との併用することで、
各層間での接着性不良といった問題を解決することがで
きる。
【0073】次に、光架橋性感光層について説明する。
光架橋性感光層に用いられる物質としては以下に示すよ
うな化合物を挙げることができる。
【0074】光二量化型の感光性樹脂、例えばポリ桂皮
酸ビニルなどを含む感光層や重合体の主鎖や側鎖に、下
記の構造を含むポリエステル類、ポリカ−ボネ−ト類、
ポリアミド類、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポ
リビニルアルコ−ル誘導体、エポキシ樹脂誘導体、ジア
ゾ化合物、アジド化合物等。
【0075】例えば、P-フェニレンジアクリル酸と1,4-
ジヒドロキシエチルオキシシクロヘキサンの1:1重縮
合不飽和ポリエステルやシンナミリデンマロン酸と2官
能性グリコ−ル類とから誘導される感光性ポリエステ
ル、ポリビニルアルコ−ル、デンプン、セルロ−スなど
のような水酸基含有ポリマのケイ皮酸エステル等。
【0076】光架橋性感光層も、前述の光重合性感光層
と同様、光架橋性化合物の他に、分子内に1個以上の有
機シリル基を有する化合物、光増感剤、必要に応じて添
加される熱重合禁止剤、形態保持用充填剤等から主とし
て構成される。
【0077】光架橋性層に用いられる分子内に少なくと
も一個以上の有機シリル基を有するエチレン性不飽和化
合物としては、光架橋性のエチレン性不飽和化合物が好
ましい。
【0078】それら有機シリル基の導入方法も光重合性
のものに準ずる。具体例としてはポリビニルアルコ−
ル、デンプン、セルロ−スなどのような水酸基含有ポリ
マのケイ皮酸エステルなどにおいて、水酸基の一部をト
リメトキシクロルシランなどで有機シリル化したもの等
がある。
【0079】上記の諸成分に加え、必要に応じて染料、
顔料、光発色剤、触媒、光吸収剤等の添加剤を加えるこ
とも光硬化性感光層の場合と同様任意である。
【0080】次にネガ型について詳細に説明する。ネガ
ティブワーキング用の感光層としては、光溶解性感光層
あるいは光剥離性感光層としてキノンジアジド化合物が
好ましく用いられる。光溶解性感光層とは露光・現像に
より光が照射された部分の感光層が溶解し、プライマ層
が露出するタイプの感光層であり又、光剥離性感光層と
は、現像により、露光部感光層が実質的に除去されるこ
となく、その上のシリコ−ンゴム層が除去されるものを
いう。公知のキノンジアジド化合物を多官能化合物で架
橋せしめるか、あるいはキノンジアジド化合物中の活性
基を単官能化合物と結合させるなどして変性し、現像液
に難溶もしくは不溶とすること等により得られるもので
ある。本発明においては、感光液の塗布の問題やインキ
マイレージの問題等から光剥離性感光層が好ましく用い
られる。
【0081】ここでいうキノンジアジド化合物として
は、ポジ型PS版、ワイポン版、フォトレジストなどに
用いられているキノンジアジド類等を言う。具体的には
例えば、1,2−ベンゾキノンジアジドー4ースルホン
酸クロライド、1,2−ナフトキノンジアジドー4ース
ルホン酸クロライド、1,2−ナフトキノンジアジドー
5ースルホン酸クロライド、1,2−ナフトキノンジア
ジドー6ースルホン酸クロライドと水酸基及び/又はア
ミノ基含有化合物の縮合物が好適に用いられる。
【0082】水酸基含有化合物としては、例えばジヒド
ロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノ
ン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシア
ントラキノン、ビスフェノールA、フェノールホルムア
ルデヒドノボラック樹脂(フェノ−ル、p−t−ブチル
フェノ−ル、p−オクチルフェノ−ル、p−ノニルフェ
ノ−ル、カルダノ−ル、クレゾ−ル、キシレノ−ル、カ
テコ−ルおよびピロガロ−ルなどのフェノ−ル類とホル
ムアルデヒド類とを酸性触媒存在化に縮合させて得られ
る可溶可融性樹脂)、レゾ−ル樹脂(例えば、上記フェ
ノ−ル類とホルムアルデヒド類とをアルカリ触媒存在化
に縮合させて得られる樹脂)、レゾルシンベンズアルデ
ヒド縮合樹脂、ピロガロールアセトン樹脂、p−ヒドロ
キシスチレン共重合体樹脂、ポリー4ービニルフェノー
ル、ポリー4ーオキシメタクリルアニリド、ポリビニル
アルコール、セルロース及びその誘導体、キチン、キト
サン、水酸基を有するポリウレタン等がある。
【0083】又、アミノ基含有化合物としては、例えば
アニリン、p−アミノジフェニルアミン、p−アミノベ
ンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、
4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ポリー4ーアミノ
スチレン等がある。
【0084】更に、特願平6ー183757号公報、特
願平6ー183758号公報、特願平6−143276
号公報、特願平6ー143277号公報に記載された化
合物等もキノンジアジド化合物として使用できる。
【0085】ここに記載したことを含めてキノンジアジ
ド化合物に関しては永松、乾共著「感光性高分子」(講
談社、1977年発刊)、角田著「新・感光性樹脂」
(印刷学会出版部、1981年発刊)、山田、森田共
著、高分子学会編「感光性樹脂」(共立出版、1988
年発刊)および津田著、日本表面科学会編「超LSIレ
ジストの分子設計」(共立出版、1990年発刊)に記
載されたところに従うことができる。
【0086】これらのキノンジアジド化合物の中では、
1,2−ナフトキノンー2ージアジドー5ースルホン酸
クロライドとフェノ−ルホルムアルデヒドノボラック樹
脂の組み合わせが好ましく、更に好ましいのはフェノー
ルホルムアルデヒド樹脂の水酸基の15%〜60%がエ
ステル化されたフェノ−ルホルムアルデヒドノボラック
樹脂の1,2−ナフトキノンー2ージアジドー5ースル
ホン酸エステルである。
【0087】架橋構造を導入せしめるために用いられる
多官能化合物としては、プライマー層の項で述べた多官
能イソシアネ−ト化合物あるいは、ポリエチレングリコ
−ルジグリシジルエ−テル類、ポリプロピレングリコ−
ルジグリシジルエ−テル類、ビスフェノ−ルAジグリシ
ジルエ−テル、トリメチロ−ルプロパントリグリシジル
エ−テル類等の多官能エポキシ化合物が挙げられる。
【0088】上記多官能化合物で好ましいものは、多官
能イソシアネ−ト化合物である。
【0089】また、これら多官能化合物の使用量は、感
光性化合物100重量部に対して1〜150重量部が好
ましく、より好ましくは5〜100重量部、さらに好ま
しくは10〜80重量部である。
【0090】これらの熱硬化は感光性物質の感光性を失
わせない範囲、通常150℃以下で行う必要があり、こ
のために触媒を併用することが好ましい。
【0091】また、キノンジアジド化合物に単官能化合
物を反応させて変性して現像液に難溶もしくは不溶にす
る方法としては、同様に該感光性化合物の活性な基を例
えばエステル化、アミド化、ウレタン化すること等が挙
げられる。感光性化合物の活性な基と反応させる化合物
としては、低分子であっても比較的高分子であってもよ
いし、感光性化合物にモノマをグラフト重合させてもよ
い。
【0092】光可溶化型感光層のバインダポリマーもプ
ライマー層および光硬化型感光層で述べた種々のポリマ
ー、コポリマーを使用することができる。
【0093】バインダポリマーと成りうるポリマーは単
独で用いても良いし、また数種のポリマーを混合して用
いても良い。
【0094】バインダポリマーの中ではポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、ビニル系ポリマー樹脂、未加硫
ゴムが好ましい。バインダポリマーの好ましい使用量
は、感光層成分に対して0.5〜80重量%であり、更
に好ましい使用量は10〜65重量%、最も好ましいの
は15〜55重量%である。バインダポリマーが0.5
重量%未満である場合には、満足な感光層物性を発現さ
せることが困難であり、一方、80wt%より多い場合は
結果的にキノンジアジド化合物の減量を意味するため、
画像再現性、現像性、感光層とシリコーンゴム層との界
面接着力などに問題を生じさせる。
【0095】又、感光層成分に対し0.5〜80重量%
のバインダポリマーと、キノンジアジド化合物としてエ
ステル化率15〜60%のフェノ−ルホルムアルデヒド
ノボラック樹脂の1,2−ナフトキノンー2ージアジド
ー5ースルホン酸エステルの組み合わせは、特に好まし
い組成となる。フェノールホルムアルデヒド樹脂の水酸
基のキノンジアジドスルホン酸エステル化率が15%未
満である場合は、感光性基の数が少ないため画像再現
性、現像性の低下という問題が生じる。一方、エステル
化率が60%より高い場合は残存水酸基、すなわち架橋
点の減少を意味するため、感光層の耐溶剤性に問題を引
き起こす。
【0096】上記の諸成分に加え、必要に応じて酸、染
料、顔料、光発色剤、触媒、光吸収剤などの添加剤を加
えることは任意である。
【0097】以上述べたような種々の感光層の厚さは
0.1〜100μm、好ましくは0.5〜10μmが適
当でる。薄すぎると塗工時にピンホ−ル等の欠陥が生じ
易くなり、一方、厚すぎると経済的見地から不利であ
る。
【0098】本発明に用いられるシリコーンゴム層とし
ては次の(1)縮合架橋型、(2)付加架橋型のような構成の
ものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】(1)縮合架橋型シリコーンゴム層は線状ポ
リオルガノシロキサンを縮合することから得られるシリ
コーンゴム層であり、本発明で言うポリオルガノシロキ
サンとは、下記の一般式(VII)で示される線状ポリ
オルガノシロキサンを意味する。又、本発明に言うシリ
コ−ンガム組成物とは、該ポリオルガノシロキサンを適
当な溶媒に溶かして溶液としたのち、架橋剤や触媒など
とともに混合した未硬化(未ゴム化)の溶液組成物を意
味し、一方、シリコ−ンゴムとは該シリコ−ンガム組成
物を適当な硬化条件の下で架橋反応させ、ゴム化した硬
化生成物を意味する。
【0100】
【化3】 (ここでmは1以上の整数、R14、R15、は炭素数1〜
10のアルキル基、アルコキシ基、アミノアルキル基、
ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、炭素数2〜1
0のカルボキシアルキル基、シアノアルキル基または炭
素数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基、アリ
ロキシ基、アラルキル基、または水素原子、水酸基の内
から選ばれる基であり、同一であっても異なってもよ
い。また、鎖末端もしくは側鎖の形で分子鎖中に少なく
とも一つ以上の水酸基を有する。
【0101】縮合反応架橋性シリコ−ンガム組成物とし
ては、上記の一般式(VII)で示される線状ポリオル
ガノシロキサンの有機溶剤溶液に、架橋剤及び必要に応
じて触媒が添加された、いわゆる室温(低温)湿気硬化
型の形態をとる。該シリコーンガム組成物を構成する上
で用いられる縮合反応架橋剤としては、下記の一般式
(VIII)で示されるような、アセトキシシラン、ケ
トオキシムシラン、アルコキシシラン、アミノシラン、
アミドシラン等が好ましく用いられ、通常、分子鎖中に
少なくとも一つ以上の水酸基を有する線状ポリオルガノ
シロキサンと反応して、それぞれ脱酢酸、脱オキシム、
脱アルコール、脱アミン、脱アミドなどの形式で縮合反
応で架橋する架橋剤が、単一または混合された形、もし
くは縮合体の形で用いられる。特に本発明においては、
アセトキシシラン、ケトオキシムシラン、アルコキシシ
ラン等が好ましく用いられる。
【0102】 R0 ・Si・XP (VIII) (ただし、oはo≧0、p≧1でo+p=4を満足する
整数を意味する。Rは置換もしくは非置換の炭素数1〜
20のアルキル基、アミノアルキル基、アミノアルキレ
ンアミノアルキル基、アミノアルキレンアミノメチルフ
ェネチル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20のア
リール基を示し、Xは−OR1 、−OCOR2 、−O−
N=CR3 −R4 、−O−C=CR5 H である。R1
〜R5 は炭素数1〜4の置換もしくは非置換のアルキル
基を意味する) 縮合反応架橋剤の単体もしくはその縮合物の具体例とし
ては、次のようなものがある。 テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、テトラアセトキシ
シラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセ
トキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミ
ノエチル)アミノメチルフェネチルトリメトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)アミノメチルフェネチル
トリエトキシシラン、トリス(メチルエチルケトオキシ
ム)メチルシラン、トリス(メチルエチルケトオキシ
ム)エチルシラン、トリス(メチルエチルケトオキシ
ム)ビニルシラン、テトラキス(メチルエチルケトオキ
シム)シラン等。
【0103】縮合触媒としては有機錫化合物、有機チタ
ン化合物、有機アルミニウム化合物、有機鉛化合物、有
機硼素化合物、有機ジルコニウム化合物群から選ばれる
化合物等を用いることができる。特に有機錫化合物、有
機チタン化合物、有機アルミニウム化合物の群から選ば
れる化合物は縮合触媒効果を効率良く発現する上で好ま
しく、更に好ましくは有機錫化合物の群から選ばれる化
合物である。有機錫化合物の具体例としては次のような
ものが挙げられる。
【0104】###[*****]は、慣用名称[組成
式]を表わす。
【0105】アリルトリ−n−ブチル錫[C1532
n]、アリルトリメチル錫[C6 14Sn]、アリルト
リフェニル錫[C2120Sn]、ビス(2−エチルヘキ
サノエート)錫[C16304 Sn]、ビス(2,4−
ペンタンジオネート)ジクロル錫[C10144 Cl2
Sn]、ビス(トリフェニル錫)オキサイド[C3630
OSn2 ]、ビス(トリフェニル錫)サルファイド[C
3630SSn2 ]、ポリ(n−ブチル錫ヒドキサイド)
オキサイド[(C4 102 Sn)n ]、n−ブチルト
リクロル錫[C4 9 Cl3 Sn]、n−ブチルトリス
(2−エチルヘキサノエート)錫[C28546
n]、シクロペンタジエニルトリ−n−ブチル錫[C17
32Sn]、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−
テトラブチル錫オキサイド[C20425 Sn2 ]、酢
酸錫(II)[C4 6 4 Sn]、ジ−n−ブチル錫
ジラウリルメルカプタイド[C32682 Sn]、ジ−
n−ブチル錫ジオクトエート[C28484 Sn]、ジ
−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)錫
[C18324 Sn]、ジ−n−ブチル錫ジアセテート
[C12244 Sn]、ジ−n−ブチルジクロル錫[C
8 18Cl2 Sn]、ジ−t−ブチルジクロル錫[C8
18Cl2 Sn]、ジ−n−ブチルジフルオロ錫[C8
182 Sn]、ジ−n−ブチルジラウリル錫[C32
644 Sn]、ジ−n−ブチルジメトキシ錫[C1024
2 Sn]、ポリ(ジ−n−ブチル(アレエート)錫)
[(C12204 Sn)n ]、ジ−n−ブチル−S,S
´−ビス(イソオクチルメルカプトアセテート)錫[C
28564 2 Sn]、ポリ(ジ−n−ブチル錫オキサ
イド)[(C8 18OSn)n ]、ポリ(ジ−n−ブチ
ル錫サルファイド)[(C8 18SSn)n ]、ジメチ
ルアミノトリ−n−ブチル錫[C1433NSn]、ジメ
チル−S,S´−ビス(イソオクチルメルカプトアセテ
ート)錫[C22444 2 Sn]、ジメチルジクロル
錫[C2 6 Cl2 Sn]、ジメチルジネオデカノエー
ト錫[C22444 Sn]、ジメチルヒドロキシ(オレ
エート)錫[C20403 Sn]、ジオクチルクロロ錫
[C1634Cl2 Sn]、ジオクチル錫ジラウレート
[C40804 Sn]、ポリ(ジオクチル錫オキサイ
ド)[(C1634OSn)n ]、ジフェニルジクロル錫
[C1210Cl2Sn]、エチニルトリ−n−ブチル錫
[C1428Sn]、ヘキサ−n−ブチルジ錫[C2454
Sn2 ]、ヘキサメチルジ錫[C6 18Sn2 ]、メタ
クリルオキシトリ−n−ブチル錫[C17322
n]、メチルトリクロル錫[CH3 Cl3 Sn]、オク
チルトリクロル錫[C8 17Cl3 Sn]、フェニルト
リ−n−ブチル錫[C1832Sn]、フェニルトリクロ
ロ錫[C6 5 Cl3 Sn]、ナトリウム錫エトキサイ
ド[C18459 NaSn2 ]、テトラアリル錫[C12
20Sn]、テトラ−t−ブトキシ錫[C16364
n]、テトラ−n−ブチル錫[C1636Sn]、テトラ
エチル錫[C8 20Sn]、テトライソプロピル錫[C
1228Sn]、テトラメチル錫[C4 12Sn]、テト
ラ−n−オクチル錫[C3268Sn]、テトラフェニル
錫[C2420Sn]、錫(II)エトキサイド[C4
102 Sn]、錫(II)メトキサイド[C2 6 2
Sn]、シュウ酸錫(II)[C2 4 Sn]、錫(I
I)2,4−ペンタンジオネート[C10144
n]、トリ−n−ブチルアセトキシ錫[C14302
n]、トリ−n−ブチルベンゾイルオキシ錫[C1932
2 Sn]、トリ−n−ブチルブロモ錫[C1227Br
Sn]、トリ−n−ブチルクロル錫[C1227ClS
n]、トリ−n−ブチルエトキシ錫[C1432OS
n]、トリ−n−ブチルフルオロ錫[C1227FS
n]、トリ−n−ブチルヨウド錫[C1227ISn]、
トリ−n−ブチルメトキソ錫[C1330OSn]、トリ
−n−ブチル錫ハライド[C1228Sn]、トリ−n−
ブチル(トリフルオロメタンスルフォネート)錫[C13
273 3 SSn]、トリエチルブロモ錫[C6 15
BrSn]、(トリイソプロポキシチタノキシ)トリ−
n−ブチル錫[C21484 TiSn]、トリメチルク
ロロ錫[C3 9 ClSn]、トリメチルシリルトリ−
n−ブチル錫[C1536SiSn]、トリフェニルアセ
トキシ錫[C20182 Sn]、トリフェニルクロル錫
[C1815ClSn]、トリフェニルフルオロ錫[C18
15FSn]、トリフェニルヒドロキシ錫[C1816
Sn]、トリフェニル錫ハライド[C1816Sn]、ビ
ニルトリ−n−ブチル錫[C1430Sn]、アクリルオ
キシドトリ−n−ブチル錫[C15302 Sn]、アク
リルオキシドトリフェニル錫[C21182 Sn]、ジ
アリルジブロモ錫[C6 10Br2 Sn]、ジアリルジ
−n−ブチル錫[C1428Sn]、ジ−n−ブチルビス
(2−エチルヘキシルマレエート)錫[C32568
n]、ジ−n−ブチルビス(メチルマレエート)錫[C
18288 Sn]、ジ−n−ブチルアクリル酸錫[C14
244 Sn]、ジ−n−ブチルメタクリル酸錫[C16
284 Sn]、ポリ(ジオクチル(マレエート)錫)
[(C20364 Sn)n ]、ジビニルジ−n−ブチル
錫[C1224Sn]、1−エトキシビニルトリ−n−ブ
チル錫[C1634OSn]、テトラビニル錫[C8 12
Sn]等。
【0106】シリコーンゴム層の組成としては特に限定
されないが、ポリオルガノシロキサン100重量部に対
して上記の縮合反応架橋剤を3〜20重量部、縮合触媒
を0.001〜0.05重量部加えた組成が好ましい。
【0107】(2)付加架橋型シリコーンゴム層は多価ハ
イドロジェンオルガノポリシロキサンと、1分子に2個
以上の−CH=CH−結合を有するポリシロキサン化合
物との反応によって得られるもので、望ましくは以下の
成分 (1)1分子中にケイ素原子に直接結合したアルケニル基(望ましくはビニル基 )を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン 100重量部 (2)1分子中に少なくともSiH結合2個有するオルガノポリシロキサン 0.1〜1000重量部 (3)付加触媒 0.00001〜10重量部 からなる組成物を架橋硬化したものである。成分(1)
のアルケニル基は分子鎖末端、中間のいずれにあっても
よい。アルケニル基以外の有機基としては、置換もしく
は非置換のアルキル基、アリール基である。成分(1)
には水酸基を微量含有させてもよい。成分(2)は成分
(1)と反応してシリコーンゴム層を形成するが、感光
層に対する接着性の付与の役割を果たす。成分(2)の
水酸基は分子鎖末端、中間のいずれにあっても良い。水
素以外の有機基としては成分(1)と同様のものから選
ばれる。成分(1)と成分(2)の有機基はインキ反発
性向上の点で、総じて基数の60%以上がメチル基であ
ることが好ましい。成分(1)及び成分(2)の分子構
造は直鎖状、環状、分岐状いずれでもよく、どちらか少
なくとも一方の分子量が1,000を越えることがゴム
物性の面で好ましく、更に成分(1)の分子量が1,0
00を越えることが好ましい。
【0108】成分(1)としては、α,ω−ジビニルポ
リジメチルシロキサン、両末端メチル基の(メチルシロ
キサン)(ジメチルシロキサン)共重合体などが例示さ
れ、成分(2)としては、両末端水酸基のポリジメチル
シロキサン、α,ω−ジメチルポリメチルハイドロジェ
ンシロキサン、両末端メチル基(メチルポリメチルハイ
ドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)の共重
合体、環状ポリメチルハイドロジェンシロキサン等が例
示される。
【0109】成分(3)の付加触媒は公知のものの中か
ら任意に選ばれるが、特に白金系の化合物が望ましく、
白金単体、塩化白金、オレフィン配位白金等が例示され
る。これらの組成物の硬化速度を制御する目的で、テト
ラシクロ(メチルビニル)シロキサンなどのビニル基含
有オルガノポリシロキサン、炭素ー炭素三重結合のアル
コール、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、
エタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル
等の架橋抑制剤を添加することも可能である。
【0110】これらの組成物の他に、アルケニルトリア
ルコキシシラン等の公知の接着付与剤を添加すること
や、縮合型シリコーンゴム層の組成物である水酸基含有
オルガノポリシロキサン、末端がトリメチルシリル基で
あるジメチルポリシロキサンよりなるシリコーンオイ
ル、末端がトリメチルシリル基であるジメチルポリシロ
キサン、加水分解性官能基含有シラン(もしくはシロキ
サン)を添加してもよい。
【0111】又、ゴム強度を向上させるために、シリカ
等の公知の充填剤を添加してもよい。
【0112】このようなシリコ−ンゴム層の引張特性と
しては、初期弾性率が0.008kgf/mm2 以上
0.09kgf/mm2 未満、好ましくは0.012k
gf/mm2 以上0.07kgf/mm2 未満、又50
%応力値は、0.005kgf/mm2 以上0.04k
gf/mm2 未満、好ましくは0.007kgf/mm
2 以上0.025kgf/mm2 未満にすることが重要
である。上記の初期弾性率が0.008kgf/mm2
未満、50%応力値が0.005kgf/mm2 未満の
場合は耐刷性が悪くなる。一方、初期弾性率が0.09
kgf/mm2 以上、50%応力値が0.04kgf/
mm2 以上の場合は、例えば特公昭56−23150号
公報の実施例1に記載のシリコ−ンゴム層の初期弾性率
は0.15kgf/mm2 、50%応力値が0.06k
gf/mm2 で、シリコ−ンゴム層としては硬いために
インキ反発性および耐スクラッチ性が低下する。更にシ
リコ−ンゴム層の引張特性の伸度は、100%以上、好
ましくは150%以上1200%未満にすることが重要
である。伸度が100%以下の場合は耐刷性が悪くな
る。
【0113】また、該シリコーンガム組成物には、イン
キ反発性層を適度に補強する目的で公知のフィラーや無
機粒子、ケイ酸ゾルなどを添加したり、架橋性官能基を
有さない公知の変性シリコーンオイルを少量添加するこ
とも可能である。これらのシリコーンガム組成物を希
釈、溶解する溶媒としては、パラフィン系炭化水素、イ
ソパラフィン系炭化水素、シクロパラフィン系炭化水素
および芳香族炭化水素が単一または混合された形で用い
られる。これらの炭化水素系溶媒の代表的なものとして
は、石油の分留品およびその改質品などがある。本発明
のインキ反発性層として用いられるシリコーンゴム層の
膜厚は耐刷性およびインキ反発性を保ち、且つ良好な画
像再現性を維持する点から、乾燥重量で、0.5〜10
g/m2 の範囲が好ましく、1〜3g/m2 の範囲が更
に好ましい。薄すぎる場合は耐刷力及びインキ反発性の
点で問題を生じることがあり、一方厚すぎる場合は経済
的に不利であるばかりでなく、現像時シリコ−ンゴム層
を除去しにくくなり、画像再現性の低下をもたらす。
【0114】以上に説明された構成の水なし平版印刷版
のシリコーンゴム層の表面には、該シリコーンゴム層を
保護する目的で適当な保護層を設けることが可能であ
る。方法としてはコーティングにより該シリコーンゴム
層上に形成したり、保護フィルムをラミネートすること
も可能である。又、該保護層中には感光層を曝光(露光
光源以外の光で、本来非照射部分に光が照射されること
を意味する)から保護する目的で、光退色性物質を含有
させることもできる。保護フィルムの具体例としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン
テレフタレート、セロファンなどが挙げられる。又、こ
れらの保護フィルムは画像露光時の焼枠における真空密
着性を改良するために、表面をマット処理したり、シリ
カ粒子などを含むプラスチック層を上記保護フィルムの
表面に塗布積層することも好ましく行なわれる。
【0115】次に本発明における水なし平版印刷版の製
造方法について説明する。基板上にリバースロールコー
ター、エアーナイフコーター、メーヤバーコーター等の
通常のコーターあるいはホエラーのような回転塗布装置
を用い、プライマ層組成物を塗布し100〜300℃数
分間硬化した後、感光層組成物塗液を塗布、50〜15
0℃で数分間乾燥および必要に応じて熱キュアし、その
上にシリコーンガム組成物を塗布し、50〜150℃で
数分間熱処理してゴム硬化させて形成する。しかる後
に、必要に応じて保護フィルムをラミネートする。
【0116】次に本発明で言う水なし平版印刷版の露光
現像工程について説明する。本発明で言う水なし平版印
刷版は、該版材は真空密着されたポジフィルム又はネガ
フィルムを通じて、通常の露光光源により画像露光す
る。この露光工程で用いられる光源としては、例えば高
圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハラ
イド灯、蛍光灯などが挙げられる。このような通常の露
光を行なった後、版面を下記に説明する現像液を含んだ
現像パッドやブラシでこすると、ポジティブワーキング
用の場合、未露光部のシリコーンゴム層が除去されて感
光層が露出し、インキ受容部(画線部)が露出しポジ刷
版となる。ネガティブワーイング用の場合、露光部のシ
リコーンゴム層が除去されて感光層が露出し、また場合
によってはプライマー層が露出しインキ受容部(画線
部)となってネガ刷版となる。
【0117】本発明で用いられる現像液としては、公知
のものが使用でき、感光層を適当に溶解もしくは膨潤さ
せるものが好ましい。例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキ
サン、ヘプタン、「“アイソパー”E、H、G」(ES
SO製イソパラフィン系炭化水素の商品名)、ガソリ
ン、灯油など)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレ
ン等)、ハロゲン化炭化水素類(トリクレン等)等の少
なくとも1種類以上の混合溶媒に下記の極性溶媒を少な
くとも1種類添加したものが好ましく用いられる。
【0118】アルコール類(メタノール、エタノール、
プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、1、3−ブチレングリコール、2、3−ブチレング
リコール、ヘキシレングリコール、2−エチル−1、3
−ヘキサンジオール等) エーテル類(エチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコール、モノメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−
2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコール
モノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリ
プロピレングリールモノメチルエーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等) ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、ジアセトンアルコール等) エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳
酸エチル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエ
ーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテルアセテート等) カルボン酸(2−エチル酪酸、カプロン酸、カプリル
酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、オレイン酸、
ラウリル酸等) 又、上記の有機溶剤系現像液組成には水を添加したり、
公知の界面活性剤を添加することも自由に行なわれる。
又、更にアルカリ剤、例えば炭酸ナトリウム、モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化カリ
ウム、ホウ酸ナトリウム等を添加することもできる。
【0119】又、これらの現像液にはクリスタルバイオ
レット、ビクトリアピュアブルー、アストラゾンレッド
等の公知の塩基性染料、酸性染料、油溶性染料を添加し
て現像と同時に画像部の染色化を行なうことができる。
【0120】又、本研究に用いられる水なし平版印刷版
を現像する際には、例えば東レ(株)にて市販されている
ような自動現像機を用い、上記の現像液で版面を前処理
した後に水道水などでシャワーしながら回転ブラシで版
面を擦ることによって、好適に現像することができる。
又、上記の現像液に代えて、温水や水蒸気を版面に噴霧
することによっても現像が可能である。
【0121】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが本発明はこれらに限定されない。なお、実施例で用
いられるブロック型イソシアネートを表1に示す。
【0122】
【表1】 実施例1 厚さ0.3mmの脱脂処理されたアルミ板(住友金属
(株)製)上に、下記の組成に対し表1記載のブロック
型イソシアネートを表2記載のブレンド比で20重量部
添加したプライマー液をバーコーターを用いて塗布し、
230℃、1分間加熱乾燥して膜厚3g/m2のプライ
マー層を塗設した。
【0123】 基体樹脂(担体樹脂) (a)ポリウレタン樹脂(“サンプレン”LQ−SZ18、三洋化成工業(株) 製) 115重量部( b)エポキシ樹脂(“エピコート”827(エポキシ当量約200)、油化シェ ル(株)製) 10重量部(c )ブチル化尿素樹脂 20重量部(d) 酸化チタン 10重量部(e)ジ メチルホルムアミド 750重量部 続いてこ のプライマー層上に下記組成を有する感光層組成物をバ−コ−ターを用いて塗布 し、115℃、1分間乾燥して膜厚1.5g/m2 の感光層を塗設した。
【0124】 (a)1,2−ナフトキノンー2ージアジド−5−スルホン酸クロライドとフェ ノ−ルホルムアルデヒドノボラック樹脂(スミライトレジンPR50622、住 友デュレズ社(株)製)の部分エステル化物(元素分析法によるエステル化度3 6%) 70重量部 ( b)4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト 21重量部 (c )ポリウレタン樹脂(ミラクトランP22S 日本ミラクトラン(株)製) 30重量部 (d )ジブチル錫ジアセテ−ト 0.2重量部 (e) p−トルエンスルホン酸 0.8重量部 (f)テ トラヒドロフラン 800重量部 次いでこの感光層の上に下記組成を有するシリコ−ンガ
ム組成物をバーコーターを用いて塗布し、115℃、露
点30℃、3.5分間湿熱硬化させて膜厚2g/m2
シリコ−ンゴム層を塗設した。
【0125】 (a)ポリジメチルシロキサン(分子量約25,000、末端水酸基) 100重量部 (b)ビニルトリ(メチルエチルケトオキシム)シラン 10重量部 (c)“アイソパ−”E(エクソン化学(株)製) 800重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ10μmのポ
リプロピレンフィルム“トレファン”(東レ(株)製)
をカレンダ−ロ−ラ−を用いてラミネ−トし、水なし平
版印刷版を得た。
【0126】かかる印刷版原版にメタルハライドランプ
(岩崎電気(株)製アイドルフィン2000)を用い、
UVメ−タ−(オ−ク製作所製、ライトメジャ−タイプ
UV−402A)で11mW/cm2 の照度で6秒間全
面露光を施した。
【0127】上記のようにして得られた印刷版に150
線/インチの網点画像を持つネガフィルムを真空密着
し、上記のメタルハライドランプを用い、1mの距離か
ら60秒間露光した。
【0128】次いで上記の露光済版の“トレファン”を
剥離し、未露光部に鉄筆を用いて、版面上にアルミ板に
達するように碁盤目上の傷をつけた。室温32℃、湿度
80%の条件で、“アイソパ−”H/ジエチレングリコ
−ルジメチルエ−テル/エチルセロソルブ/N−メチル
ジエタノ−ルアミン=87/7/3/3(重量比)から
なる処理液をブラシを用いて版面に塗布した。1分間処
理後、ゴムスキ−ジで版面に付着した処理液を除去し、
次いで版面と現像パッドに現像液(水/ブチルカルビト
−ル/2−エチル酪酸/クリスタルバイオレット=70
/30/2/0.2(重量比)を注ぎ、現像パッドで版
面を軽くこすると、画像露光された部分のシリコ−ンゴ
ム層が除去され、感光層表面が露出した。一方、全面露
光のみがなされた非画像部分はシリコ−ンゴム層が強固
に残存しており、ネガフィルムを忠実に再現した画像が
得られた。
【0129】得られた印刷版を、オフセット印刷機(小
森スプリント4色機)に取り付け、大日本インキ化学工
業(株)製“ドライオカラ−”墨、藍、紅、黄インキを
用いて、上質紙(62.5g/菊)にて印刷をおこない
耐刷テストを行った。印刷物の汚れおよび印刷終了後の
版面のシリコーンゴム層の損傷状態を目視観察すること
によって評価した。このサンプルにおいては、15万枚
印刷を行ったところ、良好な印刷物が刷れ、印刷終了後
の印刷版を検査したが印刷版の損傷は軽微であった。
【0130】接着性の評価に関しては、先に未露光部に
つけた碁盤目上の傷を現像パッドを用いて、更に版面を
強く擦り、何回で剥離が生じるか目視観察することで評
価したが、初期も経時後も同様な接着性を有しているこ
とが確認できた。又、印刷版原版を作製した後、60
℃、相対湿度80%の雰囲気下で2週間保存したもの
を、経時後の平版印刷版とし同様の評価を行ったとこ
ろ、初期性能と変わらない画像再現性、耐刷性、接着性
を示し、経時的にも安定な水なし平版印刷版を得ること
できた。
【0131】実施例2〜8 実施例1において、表1に示すブロック型イソシアネー
トに変更し、ブレンド比率も表2に示す比率に変更した
他は実施例1と同様な方法で、水なし平版印刷版を作製
し露光、現像処理した後、各評価を行った。結果は表2
に示す。
【0132】実施例9 実施例1において、エポキシ樹脂を“エピコート”83
4(エポキシ当量 約300に変更した他は実施例1と
同様な方法で水なし平版印刷版を作製し露光、現像処理
した後、各評価を行った。結果は表2に示す。
【0133】実施例10 実施例1において、エポキシ樹脂を“エピコート”10
01(エポキシ当量約500)に変更した他は実施例1
と同様な方法で水なし平版印刷版を作製し露光、現像処
理した後、各評価を行った。結果は表2に示す。
【0134】比較例1〜11 実施例1において、表1に示すブロック型イソシアネー
トに変更した他は実施例1と同様な方法で、水なし平版
印刷版を作製し露光、現像処理した後、各評価を行っ
た。結果は表2に示す。
【0135】比較例12〜19 実施例1において、表1に示すブロック型イソシアネー
トに変更し、ブレンド比率も表2に示す比率に変更した
他は実施例1と同様な方法で、水なし平版印刷版を作製
し露光、現像処理した後、各評価を行った。結果は表2
に示す。
【0136】
【表2】 表2に示す通り、ブロック型イソシアネートをブレンド
して用いることによって、実施例1と同様に接着性、画
像再現性、耐刷性に優れた水なし平版印刷版が得られ
た。又、本発明を用いることで経時的にも極めて安定な
水なし平版印刷版を得ることができた(実施例2〜1
0)。特に本発明と、エポキシ当量が300以下である
エポキシ樹脂との組み合わせが良好であることが判る
(実施例1〜8)。
【0137】しかしながら、ブロック型イソシアネート
をブレンドして用いない場合は実施例と比較して良好な
性能は得られない(比較例1〜9)。例えば、トリレン
ジイソシアネート型のブロック型イソシアネートを単独
で用いた場合、初期の接着性は良好であるが、経時によ
り低下が起こる(比較例1〜3)。同様にジフェニルメ
タンジイソシアネート型のブロック型イソシアネートを
単独で用いると、経時により接着性は向上するが、初期
の接着性及び画像再現性において劣る結果が得られた
(比較例6〜8)。又、ヘキサメチレンジイソシアネー
トやイソホロンジイソシアネートのブロック型イソシア
ネートを単独で用いても画像再現性は得られず、接着性
も極めて劣る結果が得られた。
【0138】又、ブレンドするブロック型イソシアネー
トとしては、トリイレンジイソシアネート型とジフェニ
ルメタンジイソシアネートの組み合わせが良好であり、
それ以外の組み合わせでは実施例と比較して良好な結果
は得られなかった(比較例12〜19)。
【0139】実施例11〜16 実施例1において、表3に示すブレンド比率に変更した
他は実施例1と同様な方法で、水なし平版印刷版を作製
し露光、現像処理した後、各評価を行った。結果は表3
に示す。
【0140】比較例20、21 比較例12において、表3に示すブレンド比率に変更し
た他は実施例1と同様な方法で、水なし平版印刷版を作
製し露光、現像処理した後、各評価を行った。
【0141】比較例22、23 比較例16において、表3に示すブレンド比率に変更し
た他は実施例1と同様な方法で、水なし平版印刷版を作
製し露光、現像処理した後、各評価を行った。
【0142】
【表3】 表3に示す通り、本発明においてはブロック型イソシア
ネートのブレンド比率に影響されず、良好な性能が得ら
れることを確認できた(実施例11〜16)。ただし、
ブレンド比率においては、トリイレンジイソシアネート
系ブロック型イソシアネートに対しジフェニルメタンジ
イソシアネート系ブロック型イソシアネート量が少なく
なると、ジフェニルメタンジイソシアネートの効果が薄
れ、逆に多くなるとトリイレンジイソシアネートの効果
が薄れる(実施例11、実施例16)。一方、本発明以
外の組み合わせでブロック型イソシアネートをブレンド
した場合、ブレンド比率を変化させても良好な結果は得
られなかった。(比較例20〜23)。
【0143】実施例17〜22 実施例1において、表4に示す基体樹脂(担体樹脂)に
変更した他は実施例1と同様な方法で水なし平版印刷版
を作製し露光、現像処理した後、各評価を行った。結果
は表3に示す。
【0144】比較例24〜29 比較例1において、表3に示す基体樹脂(担体樹脂)に
変更した他は実施例1と同様な方法で水なし平版印刷版
を作製し露光、現像処理した後、各評価を行った。結果
は表3に示す。
【0145】比較例30〜35 比較例12において、表3に示す基体樹脂(担体樹脂)
に変更した他は実施例1と同様な方法で水なし平版印刷
版を作製し露光、現像処理した後、各評価を行った。結
果は表4に示す。
【0146】
【表4】 表4に示す通り、基体樹脂(担体樹脂)を変更した場合
においても、本発明を用いることによって良好な初期性
能を示し、経時的にも安定な水なし平版印刷版を得るこ
とができた(実施例17〜22)。特に、プライマー層
にエポキシ樹脂及びアミノ樹脂を含んでいるものが極め
て良好であることが確認できる(実施例17〜22)。
【0147】しかしながら、基体樹脂(担体樹脂)を変
更した場合においても、ブロック型イソシアネートを単
独で用いた場合、実施例に比較して初期、経時後共に劣
る結果が得られた。例えば、トルイレンジイソシアネー
ト系ブロック型イソシアネートを単独で用いた場合、初
期の接着性は良好であるが経時により低下が起こる(比
較例24〜29)。
【0148】又、基体樹脂(担体樹脂)を変更しても、
本発明以外のブロック型イソシアネートの組み合わせで
は、実施例に比較して初期、経時共に劣る結果が得られ
た(比較例30〜35)。
【0149】
【発明の効果】本発明によると、プライマー層の具備す
べき機能を損なうことなく、基板との接着性が良好で経
時的にも安定である画期的なプライマー層を得ることが
でき、このプライマー層を使用することで優れた画像再
現性とインキ反発性を有し、且つ生産性にも優れた水な
し平版印刷版を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にプライマー層、感光層及びシリコ
    ーンゴム層をこの順に積層してなる水なし平版印刷版原
    版において、該プライマー層が、トルイレンジイソシア
    ネート系ブロック型イソシアネートとジフェニルメタン
    ジイソシアネート系ブロック型イソシアネートの両方で
    架橋されていることを特徴とする水なし平版印刷版。
  2. 【請求項2】プライマー層に用いられる各ブロック型イ
    ソシアネートの解離温度が180℃以下であることを特
    徴とする請求項1記載の水なし平版印刷版。
  3. 【請求項3】プライマー層の担体樹脂としてエポキシ樹
    脂及びアミノ樹脂を含有することを特徴とする請求項1
    〜2記載の水なし平版印刷版。
  4. 【請求項4】プライマー層に用いられるエポキシ樹脂の
    エポキシ当量が300以下である請求項1〜3記載の水
    なし平版印刷版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002069046A1 (fr) * 2001-02-26 2002-09-06 Clariant International Ltd. Film favorisant l'adherence et procede de formation de textures au moyen de ce film
WO2008138195A1 (fr) * 2007-05-14 2008-11-20 Qunchao Zhang Trimère d'isocyanate ayant la structure de silane ou de polysiloxane fonctionnel et leurs procédés de fabrication
CN110794647A (zh) * 2018-08-02 2020-02-14 臻鼎科技股份有限公司 感光树脂组合物及其制备方法

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