JP2008170665A - 水なし平版印刷版原版 - Google Patents

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Abstract

【課題】後染色工程を必要とせずに検版が可能であり、明室での取り扱いが可能で、シリコーンゴム層中の色素定着が良好であり、且つシリコーンゴム層/感光(熱)層間の接着力が優れた水なし平版印刷版原版を提供すること。
【解決手段】基板上に、少なくとも感光層または感熱層と、シリコーンゴム層とを有する水なし平版印刷版原版であって、前記シリコーンゴム層中に少なくとも(a)有色有機顔料、(b)有色有機顔料誘導体および(c)アミン系顔料分散剤を含有することを特徴とする水なし平版印刷版原版。
【選択図】なし

Description

本発明は、湿し水を用いずに印刷が可能な水なし平版印刷版原版に関する。
これまでに、シリコーンゴムやフッ素樹脂をインキ反発層として使用した、湿し水を用いない平版印刷(以下、水なし平版印刷という)を行うための印刷版が種々提案されている。水なし平版印刷は、画線部と非画線部とをほぼ同一平面に存在させ、画線部をインキ受容層、非画線部をインキ反発層として、インキ付着性の差異を利用して画線部のみにインキを着肉させた後、紙などの被印刷体にインキを転写して印刷をする平版印刷方法であり、湿し水を用いることなく印刷できることが特徴である。
水なし平版印刷版原版の露光方法としては様々な方法が提案されているが、原画フイルムを介して紫外線照射を行う方式と、原画フイルムを用いることなく原稿から直接画像を書き込むコンピュータートゥプレート(CTP)方式に大別される。CTP方式としては、レーザー光を照射する方法、サーマルヘッドで書き込む方法、ピン電極で電圧を部分的に印加する方法、インクジェットでインキ反発層またはインキ受容層を形成する方法などが挙げられるが、レーザー光を用いる方法は、解像度および製版速度の面で他の方式よりも優れている。
また、水なし平版印刷版原版は、感光(熱)層を露光工程または現像工程で除去する感光(熱)層除去型と、露光工程、現像工程を経た後でも感光(熱)層が残存する感光(熱)層残存型に大別される。感光(熱)層除去型は感光(熱)層が除去されるため、感光(熱)層中に有色色素を含むことにより画線部、非画線部間に色コントラストをつけることが可能である。このため、後染色工程がなくても検版できるといったメリットを有している。しかし、画線部を形成するセルの深さが深いために、印刷時に多量のインキを必要とする。また、感光(熱)層を深さ方向に除去する必要があるため、微細画像を再現し難いといった課題も有している。
一方、基板上に少なくとも感熱層およびシリコーンゴム層を有する、感熱層残存型水なしCTP平版印刷版原版が提案されている(例えば、特許文献1−2参照)。これらの印刷版原版は、現像後もレーザー照射部の感熱層が残存するため、印刷時のインキ使用量が少なく、微細画像の再現性も良好である。また、低いレーザー出力で露光できるため、ランニングコストやレーザー寿命の点で有利であるばかりでなく、レーザー照射時にアブレーションカスが発生しないため特別な吸引装置が不要となる。しかしながら、レーザー照射部、非照射部とも感熱層が残存することから、レーザー照射部と非照射部の色コントラストが得られにくく、検版が困難であった。
感熱層残存型水なしCTP平版印刷版原版を用いて平版印刷版を製造する方法において、版を染色する工程を有する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法により画線部染色後の印刷版は検版が可能となるが、染色工程が余分に必要となるため、染色液の管理、現像機の大型化、コスト等の点で課題があった。
これに対して、シリコーンゴム層中に光退色性物質または光発色性物質を含有する水なし平版印刷板原版(例えば、特許文献4参照)、シリコーンゴム層中に染料を含有する水なしCTP平版印刷版原版(例えば、特許文献5参照)が提案されている。これらの印刷版原版は、後染色工程がなくとも検版することができる。しかし、光退色性物質または光発色性物質を含有するものは明室で取り扱うことができない課題を有していた。また、染料を含有するものは、経時によりシリコーンゴム層中の染料が層内凝集を生じたり、より極性の高い感熱層界面に染料が集中したり、シリコーンゴム層上に保護フイルムを有する場合には該保護フイルムに染料が吸着する等、シリコーンゴム層での色素定着性に課題があった。このため、検版性の低下や、染料集中によるシリコーンゴム層/感熱層間の接着力低下が生じる場合があった。また、現像時に使用する各種有機薬液や印刷時に用いられるインキ中の溶剤等で有色染料が抽出される場合もあり、検版性の低下や、抽出された染料による現像薬液やインキの汚染が生じる場合があった。
特開平11−227355号公報 特開2005−300586号公報 特開平11−227353号公報 特開平9−189993号公報 特開2002−244279号公報
上記従来技術の課題を解決すべく検討を行った結果、有色顔料を着色色素として用いることで、後染色工程を必要とせずに検版が可能であり、明室での取り扱いが可能で、シリコーンゴム層中での色素定着が良好な水なし平版印刷版原版を得ることができることが分かった。有色顔料の中では、有色無機顔料に比べて有色有機顔料の着色力が高く、少ない含有量で良好な着色を行うことができるため、インキ反発性や傷耐性に優れた良好なシリコーンゴム層を得ることができる。さらに、分散効率の高いアミン系顔料分散剤を含有することにより、シリコーンゴム層中の有色有機顔料分散性が向上することを見出した。しかし、このようなシリコーンゴム層を感光(熱)層上に設けた際、シリコーンゴム層/感光(熱)層間に十分な接着力が得られない場合があった。
本発明は、後染色工程を必要とせずに検版が可能であり、明室での取り扱いが可能で、シリコーンゴム層中の色素定着が良好であり、シリコーンゴム層/感光(熱)層間の接着力が優れた水なし平版印刷版原版を提供することを目的とするものである。
本発明は、基板上に、少なくとも感光層または感熱層と、シリコーンゴム層とを有する水なし平版印刷版原版であって、前記シリコーンゴム層中に少なくとも(a)有色有機顔料、(b)有色有機顔料誘導体および(c)アミン系顔料分散剤を含有することを特徴とする水なし平版印刷版原版である。
本発明によれば、後染色工程を必要とせずに検版が可能であり、明室での取り扱いが可能で、シリコーンゴム層中の色素定着が良好であり、且つシリコーンゴム層/感光(熱)層間の接着力が優れた水なし平版印刷版原版が得られる。
本発明の水なし平版印刷版原版は、基板上に少なくとも感光層または感熱層と、シリコーンゴム層とを有し、前記シリコーンゴム層中に(a)有色有機顔料、(b)有色有機顔料誘導体および(c)アミン系顔料分散剤を含有することを特徴とする。ここで、本発明において有色有機顔料とは、可視光波長域(380〜780nm)における何れかの光を吸収する有機顔料をいう。
本発明においては、シリコーンゴム層中に(a)有色有機顔料と(b)有色有機顔料誘導体を含むことが重要である。一般に、有色有機顔料や有色有機顔料誘導体は水や脂肪族炭化水素などの有機溶剤に不溶であるため、水や有機溶剤に可溶な染料を含む場合に比べて、現像工程において用いられる水や有機薬液、印刷工程において用いられるインキ中の溶剤や各種洗浄剤等による色素抽出が格段に抑えられる。
(a)有色有機顔料としては、例えば、体質顔料に染料を染め付けた捺染系顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、縮合多環顔料、ニトロ系顔料、ニトロソ系顔料や、アルカリブルー、アニリンブラック等が挙げられる。捺染系顔料の材料となる染料としては、ローダミン、メチルバイオレット等の塩基性染料、キノリンエロー、ピーコックブルー、アルカリブルー等の酸性染料、マラカイトグリーン等の建染染料、アリザリン等の媒染染料が挙げられる。また、アゾ系顔料の具体例としては、リソールレッド、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B、ウォッチヤングレッド、ボルドー10B等の溶性アゾ、ファストエロー、ジスアゾエロー、ピラゾロンオレンジ、パラレッド、レーキレッド4R、ナフトールレッド等の不溶性アゾ、クロモフタルエロー3G、クロモフタルスカーレットRN等の縮合アゾ、ニッケルアゾエロー等のアゾ錯塩、パーマネントオレンジHL等のベンズイダゾロンアゾが挙げられる。フタロシアニン系顔料の具体例としては、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、フタロシアニングリーン等が挙げられる。縮合多環顔料の具体例としては、アントラキノン系顔料、アントラピリミジンエロー、ペリノンオレンジ、ペリレンレッド、チオインジゴレッド、インダントロンブルー等のスレン系顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンバイオレット等のキナクリドン系顔料、ジオキサジンバイオレット等のジオキサジン系顔料、イソインドリノンエロー等のイソインドリノン系顔料等が挙げられる。また、ニトロ系顔料としてはナフトールエローS等、ニトロソ系顔料としてはナフトールグリーンB等が挙げられる。これらの中で、シリコーンゴム層を形成するシリコーン液中での分散性の観点から、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料が好ましい。
本発明の水なし平版印刷版原版において、有色有機顔料の含有量は、シリコーンゴム層中の0.1体積%以上が好ましく、0.2体積%以上がより好ましい。また、シリコーンゴム層のインキ反発性を維持する観点から、20体積%以下が好ましく、10体積%以下がより好ましい。
(b)有色有機顔料誘導体は、前述の有色有機顔料の誘導体であり、例えば特開平4−246470号公報、特開平5−117541号公報、特開平7−33998号公報、特開平7−70461号公報、特開平9−31076号公報、特開平10−265697号公報、特開平11−166128号公報、特開平11−286489号公報、特開2000−297224号公報、特開2001−214085号公報、特開2004−285326号公報、特表2004−522820号公報、特表2004−522821号公報、特開2005−112915号公報、特開2005−179489号公報等に記載されている。このような有色有機顔料誘導体は、有色有機顔料と併用した際に有色有機顔料表面に吸着され、有色有機顔料の表面を改質する。有色有機顔料誘導体は、(i)有色有機顔料側鎖に親油性基を直接導入することで、親油性を向上させた有色有機顔料誘導体と、(ii)有色有機顔料側鎖にカルボン酸基、ホスホン酸基、またはスルホン酸基などの極性基を導入し、分子中に、顔料側鎖に導入された極性基に対して親和性を有する官能基を含む親油性化合物(後述するアミン系顔料分散剤などもこのような作用をする)を作用させることで、親油性を向上させた有色有機顔料誘導体、の2種類に大別される。本発明においては、上記2種類の有色有機顔料誘導体の何れも好適に使用できる。具体的には、“ソルスパース”−5000、−12000、−22000(以上、アビシア社製)や、“EFKA”−6746、−6750、“Oracet Red”−3B(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、“オイルレッド”−5B、−RR、−OG、“オイルスカーレット”−308、“オイルグリーン”−502、−BG、“オイルブルー”−613、−BOS(以上、オリエント化学工業(株)製)などを挙げることができる。シリコーンゴム層を形成するシリコーン液中での分散性、およびシリコーンゴム層中での色素定着性などの観点から、(a)有色有機顔料と同一の母骨格を有するものが好ましい。このような有色有機顔料誘導体は、シナジストやシナージストなどの名称で用いられることもある。
シリコーンゴム層を形成するシリコーン液中での分散性、およびシリコーンゴム層中での色素定着性などの観点から、有色有機顔料100gに対し、1〜100gの範囲、さらには2〜50gの範囲で有色有機顔料誘導体を含有することが好ましい。
本発明において、シリコーンゴム層に(c)アミン系顔料分散剤を含有することが重要である。有機顔料の分散効率の高いアミン系顔料分散剤を含有することにより、シリコーンゴム層中での色素定着性が向上する。(c)アミン系顔料分散剤は、顔料表面をよく濡らし、且つポリオルガノシロキサンや炭化水素系溶剤のような低極性化合物との親和性が良好なものが好ましい。顔料分散剤は界面活性剤や表面改質剤等の名称で用いられることもある。
(c)アミン系顔料分散剤としては、その分子中に1個のアミノ基を有するモノアミンタイプ、分子中に複数個のアミノ基を有するポリアミンタイプがあり、何れも好適に使用できる。具体的には、“ソルスパース”−9000、−13240、−13650、−13940、−17000、−18000、−19000、−28000(以上、アビシア社製)や、下記一般式に記載のアミン化合物等を挙げることができる。
Figure 2008170665
上記式中、Rは飽和または不飽和の炭化水素基を表し、直鎖状でも枝分かれ状でも環状でもよく、芳香環を含んでいてもよい。分散性の観点から、Rの炭素数は8以上であることが好ましい。Rは炭素数3以上の飽和または不飽和の2価の炭化水素基を表し、直鎖状でも枝分かれ状でも環状でもよい。jは繰り返し数を表し、1以上の整数である。分散性の観点から、j個のRに含まれる炭素数の合計が8以上であることが好ましい。RおよびRは飽和または不飽和の炭化水素基を表し、直鎖状でも枝分かれ状でも環状でもよく、芳香環を含んでいてもよい。分散性の観点から、RとRの炭素数の合計が8以上であることが好ましい。Rは炭素数1以上の飽和または不飽和の炭化水素基を表し、直鎖状でも枝分かれ状でも環状でもよく、芳香環を含んでいてもよい。Rは炭素数3以上の飽和または不飽和の2価の炭化水素基を表し、直鎖状でも枝分かれ状でも環状でもよい。lは繰り返し数を表し、1以上の整数である。分散性の観点から、Rに含まれる炭素数とl個のRに含まれる炭素数の合計が8以上であることが好ましい。RおよびRは炭素数3以上の飽和または不飽和の2価の炭化水素基を表し、直鎖状でも枝分かれ状でも環状でもよい。複数のR、Rはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。mおよびnは繰り返し数を表し、それぞれ1以上の整数である。分散性の観点から、m個のRに含まれる炭素数とn個のRに含まれる炭素数の合計が8以上であることが好ましい。AおよびDは下記式のいずれかで表される2価の基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2008170665
(c)アミン系顔料分散剤は、顔料の表面積に対して、2〜14mg/m含有することが好ましい。言い換えると、例えば、比表面積50m/gの顔料を10g含有する場合、アミン系顔料分散剤の含有量は、1〜7gが好ましい。
本発明においては、(a)有色有機顔料と(b)有色有機顔料誘導体を併用することにより、有色有機顔料の分散性が飛躍的に向上する。このため、アミン系顔料分散剤の含有量を減らすことができ、シリコーンゴム層/感光(熱)層間接着力の低下を抑制することができる。
本発明において、シリコーンゴム層に、さらに(d)分子中にアミノ基と反応し得る官能基を有するシランカップリング剤を含有させることで、シリコーンゴム層/感光(熱)層間接着力の低下をより抑制できる。アミノ基と反応し得る官能基としては、グリシジル基またはイソシアナート基を挙げることができる。
(d)分子中にアミノ基と反応し得る官能基を有するシランカップリング剤として、具体的には、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリメトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
(d)分子中にアミノ基と反応し得る官能基を有するシランカップリング剤の含有量は、シリコーンゴム層/感光(熱)層間接着力の観点から、シリコーンゴム層を形成するシリコーン液中0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。また、シリコーンゴム層の強度やインキ反発性の観点から、シリコーン液中20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましい。
本発明の水なし平版印刷版原版において、シリコーンゴム層は付加反応型、縮合反応型いずれであってもよい。
付加反応型のシリコーンゴム層は、少なくともビニル基含有オルガノポリシロキサン、SiH基含有化合物、反応抑制剤および硬化触媒を含む組成物(以下、シリコーン液という)から形成される。
ビニル基含有オルガノポリシロキサンは、下記一般式(I)で表される構造を有し、主鎖末端もしくは主鎖中にビニル基を有するものである。中でも主鎖末端にビニル基を有するものが好ましい。
−(SiR1011−O−)− (I)
式中、qは2以上の整数を示し、R10およびR11は同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜50の飽和または不飽和の炭化水素基を表す。炭化水素基は直鎖状でも枝分かれ状でも環状でもよく、芳香環を含んでいてもよい。
上記式中、R10およびR11は全体の50%以上がメチル基であることが、印刷版のインキ反発性の面で好ましい。また、取扱い性や印刷版のインキ反発性、耐傷性の観点から、ビニル基含有オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は1万〜60万が好ましい。
SiH基含有化合物としては、例えば、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ジオルガノハイドロジェンシリル基を有する有機ポリマーが挙げられ、好ましくはオルガノハイドロジェンシロキサンである。オルガノハイドロジェンは直鎖状、環状、分岐状、網状の分子構造を有し、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルハイドロジェンシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、式:RSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:RHSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:RHSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:RHSiO2/2で示されるシロキサン単位と式:RSiO3/2で示されるシロキサン単位または式:HSiO3/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体などが挙げられる。これらのオルガノポリシロキサンを2種以上用いてもよい。上式中、Rはアルケニル基以外の一価炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示される。
ジオルガノハイドロジェンシリル基を有する有機ポリマーとしては、例えば、ジメチルハイドロジェンシリル(メタ)アクレート、ジメチルハイドロジェンシリルプロピル(メタ)アクリレート等のジメチルハイドロジェンシリル基含有アクリル系モノマーと、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、スチレン、α−メチルスチレン、マレイン酸、酢酸ビニル、酢酸アリル等のモノマーとを共重合したオリゴマーが挙げられる。
SiH基含有化合物の含有量は、シリコーンゴム層の硬化性の観点から、シリコーン液中0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。また、20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましい。
反応抑制剤としては、含窒素化合物、リン系化合物、不飽和アルコールなどが挙げられるが、アセチレン基含有のアルコールが好ましく用いられる。これらの反応抑制剤を含有することにより、シリコーンゴム層の硬化速度を調整することができる。反応抑制剤の含有量は、シリコーン液の安定性の観点から、シリコーン液中0.01重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましい。また、シリコーンゴム層の硬化性の観点から、シリコーン液中20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましい。
硬化触媒は公知のものから選ばれるが、好ましくは白金系化合物であり、具体的には白金単体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金、白金のアルコール変性錯体、白金のメチルビニルポリシロキサン錯体などを一例として挙げることができる。硬化触媒の含有量は、シリコーンゴム層の硬化性の観点から、シリコーン液中0.001重量%以上が好ましく、0.01重量%以上がより好ましい。また、シリコーン液の安定性の観点から、20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましい。
また、これらの成分の他に、水酸基含有オルガノポリシロキサンや加水分解性官能基含有シラン(もしくはシロキサン)、ゴム強度を向上させる目的でシリカなどの公知の充填剤、接着性を向上させる目的で(d)成分以外の公知のシランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤としては、アルコキシシラン類、アセトキシシラン類、ケトキシミノシラン類などが好ましく、特にビニル基やアリル基を有するものが好ましい。
縮合反応型のシリコーンゴム層は、少なくとも水酸基含有オルガノポリシロキサン、架橋剤(脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコール型、脱アミン型、脱アセトン型、脱アミド型、脱アミノキシ型など)、および硬化触媒を含む組成物(シリコーン液)から形成される。
水酸基含有オルガノポリシロキサンは、前記一般式(I)で表される構造を有し、主鎖末端もしくは主鎖中に水酸基を有するものである。中でも主鎖末端に水酸基を有するものが好ましい。
一般式(I)中のR10およびR11は、全体の50%以上がメチル基であることが、印刷版のインキ反発性の面で好ましい。その取扱い性や印刷版のインキ反発性、耐傷性の観点から、水酸基含有オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は1万〜60万が好ましい。
縮合反応型のシリコーンゴム層に用いられる架橋剤としては、下記一般式(II)で表される、アセトキシシラン類、アルコキシシラン類、ケトキシミノシラン類、アリロキシシラン類などを挙げることができる。
(R124−tSiX(II)
式中、tは2〜4の整数を示し、R12は同一でも異なってもよく、炭素数1以上の置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらの組み合わされた基を示す。Xは同一でも異なってもよく、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシミノ基、アミノオキシ基、アミド基またはアルケニルオキシ基である。上記式において、加水分解性基の数tは3または4であることが好ましい。
具体的な化合物としては、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、テトラアセトキシシラン等のアセトキシシラン類、ビニルメチルビス(メチルエチルケトキシミノ)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシミノ)シラン、エチルトリス(メチルエチルケトキシミノ)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトキシミノ)シラン、アリルトリス(メチルエチルケトキシミノ)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトキシミノ)シラン、テトラキス(メチルエチルケトキシミノ)シラン等のケトキシミノシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン等のアルコキシシラン類、ビニルトリスイソプロペノキシシラン、ジイソプロペノキシジメチルシラン、トリイソプロペノキシメチルシラン等のアルケニルオキシシラン類、テトラアリロキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中では、シリコーンゴム層の硬化速度、取扱い性などの観点から、アセトキシシラン類、ケトキシミノシラン類が好ましい。
架橋剤の含有量は、シリコーン液の安定性の観点から、シリコーン液中0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。また、シリコーンゴム層の強度や印刷版の耐傷性の観点から、シリコーン液中20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましい。
硬化触媒としては、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸などの有機カルボン酸、トルエンスルホン酸、ホウ酸等の酸類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ、アミン、およびチタンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどの金属アルコキシド、鉄アセチルアセトナート、チタンアセチルアセトナートジプロポキシドなどの金属ジケテネート、金属の有機酸塩などを挙げることができる。これらの中で、金属の有機酸塩が好ましく、特に錫、鉛、亜鉛、鉄、コバルト、カルシウム、マンガンから選ばれる金属の有機酸塩が好ましい。このような化合物の具体例の一部としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸亜鉛、オクチル酸鉄などを挙げることができる。硬化触媒の含有量は、シリコーンゴム層の硬化性、接着性の観点から、シリコーン液中0.001重量%以上が好ましく、0.01重量%以上がより好ましい。また、シリコーン液の安定性の観点から、シリコーン液中15重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。
また、これらの成分の他に、ゴム強度を向上させる目的でシリカなどの公知の充填剤、さらには(d)成分以外の公知のシランカップリング剤を含有してもよい。
本発明の水なし平版印刷版原版において、シリコーンゴム層の膜厚は0.5〜20g/mが好ましい。膜厚を0.5g/m以上とすることで印刷版のインキ反発性や耐傷性、耐刷性が十分となり、20g/m以下とすることで経済的見地から不利とならず、現像性、インキマイレージの低下が起こりにくい。
本発明に用いられる感光(熱)層としては、これまでに感光(熱)層残存型水なし平版印刷版用感光(熱)層として提案された何れのタイプの感光(熱)層も使用可能である。以下、具体例を挙げて説明するが、これらに限定されるものではない。
(感熱層−1)ネガ型水なしCTP平版印刷版原版用感熱層
例えば特開平11−221977号公報に記載の感熱層等を挙げることができる。生版の状態で架橋剤による架橋構造が形成されており、近赤外レーザーの照射により発生する熱で、感熱層とシリコーンゴム層間の接着力が低下するタイプの感熱層である。その後の現像処理によって、レーザー光を照射した部分のシリコーンゴム層が除去される。レーザー照射部の感熱層は現像後も残存する。
(感熱層−2)ネガ型水なしCTP平版印刷版原版用感熱層
例えば特開2005−300586号公報に記載の気泡を含んだ感熱層等を挙げることができる。生版の状態で架橋剤による架橋構造が形成されており、近赤外レーザーの照射により発生する熱で、感熱層とシリコーンゴム層間の接着力が低下するタイプの感熱層である。その後の現像処理によって、レーザー光を照射した部分のシリコーンゴム層が除去される。レーザー照射部の感熱層は現像後も残存する。
(感熱層−3)ネガ型水なしCTP平版印刷版原版用感熱層
例えば特開平9−131981号公報に記載の感熱層等を挙げることができる。近赤外レーザーの照射により発生する熱で破壊されるタイプの感熱層である。そして、現像によってこの部分を除去することによって、表面のシリコーンゴム層が破壊された感熱層と一緒に除去され画線部となる。一般的にこのような感熱層は検版性の観点から感熱層を深さ方向に完全にレーザー破壊して用いられる。しかし感熱層を完全に破壊するためには高エネルギーのレーザー照射が必要であり、これにより、微細画像の再現性不良、アブレーションカスによる光学系汚染、レーザー寿命の低下等、様々な悪影響がある。レーザーエネルギーを低くすると感熱層の大部分を残存しながら上部シリコーンゴム層を除去できる領域が現れる。感熱層の大部分が残存するため検版は困難であるが、検版性以外の悪影響は大きく抑制される。本発明の有色顔料含有シリコーンゴム層を設けた場合には感熱層の大部分が残存しても検版が可能となる。
(感熱層−4)ネガ型水なしCTP平版印刷版原版用感熱層
例えば、特開平7−314934号公報や特開平9−086065号公報に記載の金属、またはこれらの酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、フッ化物の薄膜等を挙げることができる。近赤外レーザーの照射により発生する熱で金属薄膜が破壊される。そして、現像によってこの部分を除去することによって、表面のシリコーンゴム層が同時に剥離され、画線部となる。感熱層−3同様、一般的にこのような金属薄膜も検版性の観点から深さ方向に完全にレーザー破壊して用いられる。しかし金属薄膜を完全に破壊するためには高エネルギーのレーザー照射が必要であり、これにより、微細画像の再現性不良、アブレーションカスによる光学系汚染、レーザー寿命の低下等、様々な悪影響がある。レーザーエネルギーを低くすると金属薄膜の大部分を残存しながら上部シリコーンゴム層を除去できる領域が現れる。金属薄膜の大部分が残存するため検版は困難であるが、検版性以外の悪影響は大きく抑制される。本発明の有色顔料含有シリコーンゴム層を設けた場合には金属薄膜の大部分が残存しても検版が可能となる。
(感熱層−5)ポジ型水なしCTP平版印刷版原版用感熱層
例えば、特開平11−157236号公報や、特開平11−240271号公報に記載の熱硬化型感熱層等を挙げることができる。近赤外レーザーの照射により発生する熱で熱活性化架橋剤による架橋構造が形成されるタイプの感熱層である。その後の現像処理によって、レーザー光を照射した部分のシリコーンゴム層が残存し、未照射部分のシリコーンゴム層が除去される。レーザー未照射部の感熱層は現像後も残存する。
(感光層−1)ネガ型水なし平版印刷版原版用感光層
例えば特開平11−352672号公報に記載の感光層等を挙げることができる。紫外線の照射により感光層表面の前処理液に対する溶解性が大きくなることで、現像処理によって、紫外線を照射した部分のシリコーンゴム層が除去され、未照射部分のシリコーンゴム層が残存する。露光部の感光層は現像後も残存する。
(感光層−2)ポジ型水なし平版印刷版原版用感光層
例えば特開平6−118629号公報に記載の感光層等を挙げることができる。紫外線の照射により発生したラジカルでエチレン性不飽和二重結合含有化合物の重合が起こり、現像処理によって、紫外線を照射した部分のシリコーンゴム層が残存し、未照射部分のシリコーンゴム層が除去される。未露光部の感光層は現像後も残存する。
本発明に用いられる基板としては、従来印刷版の基板として用いられてきた寸法的に安定な公知の紙、金属、フイルム等を使用することができる。具体的には、紙、プラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)がラミネートされた紙、アルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、銅などの金属板、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタールなどのプラスチックのフイルム、上記の如き金属がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフイルムなどが挙げられる。プラスチックフイルムは透明、不透明何れのものでも使用できる。中でも不透明のフイルムを用いることは検版性の点から好ましい。
これら基板のうち、アルミニウム板は寸法的に著しく安定であり、しかも安価であるので特に好ましい。また、軽印刷用のフレキシブルな基板としては、ポリエチレンテレフタレートフイルムが特に好ましい。
基板と感光層間の接着性向上、光ハレーション防止、検版性向上、断熱性向上、耐刷性向上等を目的に、前述の基板の上にプライマー層を有してもよい。本発明に用いられるプライマー層としては、例えば特開2004−199016号公報等に記載されたプライマー層を挙げることができる。
上述したように構成された水なし平版印刷版原版は、シリコーンゴム層保護の目的で保護フイルムや合紙を有してもよい。保護フイルム、および合紙は、そのどちらか一方を単独で有してもよいし、両方を併用してもよい。
保護フイルムとしては、露光光源波長の光を良好に透過する厚み100μm以下のフイルムが好ましい。代表例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、セロファンなどを挙げることができる。また、曝光による原版の感光を防止する目的で、特開平2−063050号公報に記載されたような種々の光吸収剤や光退色性物質、光発色性物質を保護フイルム上に有してもよい。原画フイルムを用いて露光する場合は、原画フイルムとの密着性向上の観点から、特開昭55−55343号公報や特開平2−063051号公報に記載されたような凹凸加工された保護フイルムを用いることが好ましい。
合紙としては、秤量30〜120g/mのものが好ましく、より好ましくは30〜90g/mである。秤量30g/m以上であれば機械的強度が十分であり、120g/m以下であれば経済的に有利であるばかりでなく、水なし平版印刷版原版と紙の積層体が薄くなり、作業性が有利になる。好ましく用いられる合紙の例として、例えば、情報記録原紙40g/m(名古屋パルプ(株)製)、金属合紙30g/m(名古屋パルプ(株)製)、未晒しクラフト紙50g/m(中越パルプ工業(株)製)、NIP用紙52g/m(中越パルプ工業(株)製)、純白ロール紙45g/m(王子製紙(株))、クルパック73g/m(王子製紙(株))などがあげられるがこれらに限定されるものではない。
次に、本発明の水なし平版印刷版原版の製造方法を記載する。塗布面を脱脂した基板上に、必要によりプライマー液またはそれを溶剤で希釈したプライマー希釈液を塗布し、プライマー層を設ける。乾燥や硬化のために加熱処理を行ってもよい。その後プライマー層と同様の方法で、感光(熱)層、シリコーンゴム層を順次設けることで水なし平版印刷版原版を得ることができる。各液の塗布方法としては、スリットダイコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、リバースロールコーター、ナチュラルロールコーター、エアーナイフコーター、ロールブレードコーター、バリバーロールブレードコーター、トゥーストリームコーター、ロッドコーター、ワイヤーバーコーター、ディップコーター、カーテンコーター、スピンコーターなどによる塗布方法が用いられる。また感熱層として金属薄膜を設ける場合は、蒸着法やスパッタリング法等の一般的な方法が用いられる。各層の加熱には、熱風乾燥機や赤外線乾燥機等の一般的な加熱装置が用いられる。
有色有機顔料含有シリコーン液は、例えば、官能基含有オルガノポリシロキサンと有色有機顔料、有色有機顔料誘導体、アミン系顔料分散剤、必要により微粒子を三本ロール、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ディスパーサー、ホモジナイザー、アトライター、超音波分散機等の分散機で均一に分散混合し、十分に分散した後、その他添加剤(架橋剤、反応抑制剤、反応触媒、分子中にアミノ基と反応し得る官能基を有するシランカップリング剤等)を添加し撹拌して成分を均一とし、液中に混入した空気の泡を除去することで得られる。脱泡は自然脱泡でも減圧脱泡でもよいが、減圧脱泡がより好ましい。
シリコーンゴム層の構成成分を溶剤で希釈したシリコーン希釈液を塗布してシリコーンゴム層を形成してもよい。有色顔料含有シリコーン希釈液は、官能基含有オルガノポリシロキサンと有色有機顔料、有色有機顔料誘導体、アミン系顔料分散剤、必要により微粒子を前述した分散機で均一に分散混合し、十分に分散した後、このペーストを撹拌しながら希釈溶剤で希釈する。これを紙やプラスチック、またはガラス等の一般的なフィルターを用いて濾過し、希釈液中の不純物(分散が不十分な有色有機顔料の巨大粒子等)を取り除くことが好ましい。濾過後の希釈液は、乾燥空気や乾燥窒素等によるバブリングにより系中の水分を除去することが好ましい。十分に水分の除去を行った希釈液にその他添加剤(架橋剤、反応抑制剤、反応触媒、分子中にアミノ基と反応し得る官能基を有するシランカップリング剤等)を添加し撹拌して成分を均一とし、液中に混入した空気の泡を除去することで得ることができる。脱泡は自然脱泡でも減圧脱泡でもよい。
有色有機顔料含有シリコーン液、または有色有機顔料含有シリコーン希釈液を塗布する際、感光(熱)層表面に付着した水分を可能な限り除去することが接着性の観点から好ましい。具体的には、乾燥ガスを充填、または、連続供給することで水分を除去した空間で有色有機顔料含有シリコーン液、または有色有機顔料含有シリコーン希釈液の塗布を行う方法が挙げられる。
有色有機顔料含有シリコーン液、または有色有機顔料含有シリコーン希釈液は、塗布後、直ちに加熱されることが硬化性や対感光(熱)層接着性の観点から好ましい。
得られた水なし平版印刷版原版上に保護フイルム、または合紙の何れか一方、もしくはその両方を設けて保管することが、版面保護の観点から好ましい。
このようにして得られた水なし平版印刷版原版は、保護フイルム上、または保護フイルム剥離後、画像フイルムを介して露光するか、デジタルデータによりレーザー走査露光することにより画像様に露光される。露光光源としては、例えば、カーボンアーク灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、紫外光レーザー、可視光レーザー、(近)赤外光レーザーなどが挙げられる。
露光後の原版は、現像液の存在下もしくは非存在下での摩擦処理により現像がなされる。摩擦処理は、不織布、脱脂綿、布、スポンジ、ブラシ等で版面を擦ることによって、あるいは、現像液を含浸した不織布、脱脂綿、布、スポンジ等で版面を拭き取ることによって行うことができる。また、現像液で版面を前処理した後に水道水等をシャワーしながら回転ブラシで擦ることや、高圧の水や温水、または水蒸気を版面に噴射することによっても行うことができる。
現像に先立ち、前処理液中に一定時間版を浸漬する前処理を行ってもよい。前処理液としては、例えば、水や水にアルコールやケトン、エステル、カルボン酸などの極性溶媒を添加したもの、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類などの少なくとも1種からなる溶媒に極性溶媒を添加したもの、あるいは極性溶媒が用いられる。また、上記の現像液組成には、公知の界面活性剤を添加することも自由に行われる。界面活性剤としては、安全性、廃棄する際のコスト等の点から、水溶液にしたときにpHが5〜8になるものが好ましい。界面活性剤の含有量は現像液の10重量%以下であることが好ましい。このような現像液は安全性が高く、廃棄コスト等の経済性の点でも好ましい。さらに、グリコール化合物あるいはグリコールエーテル化合物を主成分として用いることが好ましく、アミン化合物を共存させることがより好ましい。
前処理液、現像液としては、特開昭63−179361号公報、特開平4−163557号公報、特開平4−343360号公報、特開平9−34132号公報、特許第3716429号公報に記載されたような水なし平版印刷版原版の前処理液、現像液に関して開示されたものを用いることができる。前処理液の具体例としては、PP−1、PP−3、PP−F、PP−FII、PTS−1、PH−7N、CP−1、NP−1、DP−1(何れも東レ(株)製)などを挙げることができる。
上記現像処理は自動現像機により自動的に行うこともできる。自動現像機としては現像部のみの装置、前処理部、現像部がこの順に設けられた装置、前処理部、現像部、後処理部がこの順に設けられた装置、前処理部、現像部、後処理部、水洗部がこの順に設けられた装置等を使用できる。このような自動現像機の具体例としては、TWL−650シリーズ、TWL−860シリーズ、TWL−1160シリーズ(共に東レ(株)製)等や、特開平4−2265号公報、特開平5−2272号公報、特開平5−6000号公報などに開示されている自動現像機を挙げることができ、これらを単独または併用して使用することができる。
現像処理された印刷版を積み重ねて保管する場合には、印刷版保護の目的で、版と版の間に合紙を挟んでおくことが好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。各シリコーンゴム層構成成分の秤量はボックス内の水分を追いだしたグローブボックス内で行い、各構成成分を乾燥窒素ガスで充填された容器内で分散、混合することでシリコーン液、またはシリコーン希釈液を調製した。各実施例中の有色有機顔料分散安定性、色素定着性、現像後印刷版検版性、およびシリコーンゴム層/感光(熱)層間接着力は以下の方法で評価した。
<有色有機顔料分散安定性評価>
調整直後の有色有機顔料含有シリコーン希釈液を静置し、経時による有色有機顔料の沈降程度を目視観察し、以下の基準により評価した。
○:24時間以上良好な分散を保持
×:静置後24時間までに沈降
−:シリコーン希釈液中に有色有機顔料を含まない。
<色素定着性評価>
(A)作製から7日経時後の水なし平版印刷版原版のシリコーンゴム層を目視観察し、以下の基準により評価した。
○:シリコーンゴム層中での色素定着が極めて良好(保護フイルムへの色素吸着や、シリコーンゴム層中での色素凝集が認められない)
△:シリコーンゴム層中での色素定着が良好(保護フイルムへの色素吸着や、シリコーンゴム層中での色素凝集が殆ど認められない)
×:シリコーンゴム層中での色素定着が不良(保護フイルムへの色素吸着や、シリコーンゴム層中での色素凝集が多く認められる)
−:シリコーンゴム層中に色素を含まない
(B)作製から7日経時後の水なし平版印刷版原版のシリコーンゴム層上に、インキ溶剤 “ダイアレン”−168(三菱化学(株)製)を滴下した。1時間経時後、シリコーンゴム層上のインキ溶剤をハイゼガーゼ(旭化成工業(株)製)で拭き取り、インキ溶剤を拭き取ったハイゼガーゼを目視観察し、以下の基準により評価した。
○:色素抽出なし
×:色素抽出あり
−:シリコーンゴム層中に色素を含まない。
<現像後印刷版検版性評価>
作製から7日経時後の水なし平版印刷版原版を露光、現像して印刷版を得た。印刷版の1〜99%の網点(175lpi)をルーペ(×50)により観察し、以下の基準により評価した。
○:画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、網点(1〜99%)のルーペ観 察が可能
△:画線部/非画線部間に色コントラストがあり、網点(3〜97%)のルーペ観察が可能
×:画線部/非画線部間に色コントラストがなく、網点のルーペ観察が不可能。
<シリコーンゴム層/感光(熱)層間接着力評価>
作製から7日経時後の水なし平版印刷版原版において、版材がネガ型の場合には露光せず、ポジ型の場合には全面に露光を施すことで全面に非画線部を設け、各々について自動現像機に複数回通した。得られた自動現像機通過後の水なし平版印刷版を目視観察し、以下の基準により評価した。
○:自動現像機3回通しでも非画線部のシリコーンゴム層が良好に接着
△:自動現像機3回通しで非画線部のシリコーンゴム層が剥離
×:自動現像機2回通しで非画線部のシリコーンゴム層が剥離。
(実施例1)
以下の方法で作製した<有色顔料含有シリコーン希釈液−1>を静置し、経時後の有色有機顔料の分散(沈降)程度を目視観察した。静置後24時間経過したシリコーン希釈液においても顕著な有色有機顔料の沈降は認められず、分散安定性は極めて良好であった。
<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−1>
下記(a)、(b)、(c)および(d)を三本ロールミルで分散混合した。得られた液を撹拌しながら(e)を加えて希釈し、次いで乾燥窒素ガスで20分間バブリングした。得られた液を撹拌しながら(f)〜(i)を添加し、均一になるまでよく撹拌し、シリコーン希釈液を得た。
(a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン:“DMS”−V52(重量平均分子量155000、GELEST Inc.製):83重量部
(b)アントラキノン系有機赤色顔料:“クロモファインレッド”−6605[比表面積:50m/g](大日精化(株)製):4重量部
(c)アントラキノン系顔料誘導体:“Oracet Red”−3B:0.2重量部
(d)アミン系顔料分散剤:“ソルスパース”−19000(アビシア社製):1.5重量部
(e)イソパラフィン:“アイソパー”−E(エッソ化学(株)製):900重量部
(f)メチルハイドロジェンシロキサン:“HMS”−991(GELEST Inc.製):4重量部
(g)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシイミノ)シラン:3重量部
(h)グリシジル基含有シランカップリング剤:“サイラエース”−S510(チッソ(株)製):5重量部
(i)白金触媒:“SRX”−212(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製):6重量部。
次に、厚さ0.24mmの脱脂したアルミ基板(三菱アルミ(株)製)上に下記のプライマー層組成物液を塗布し、200℃で90秒間乾燥し、膜厚10g/mのプライマー層を設けた。
<プライマー層組成物液>
(a)エポキシ樹脂:“エピコート”−1010(ジャパンエポキシレジン(株)製):35重量部
(b)ポリウレタン:“サンプレン”−LQ−T1331D(三洋化成工業(株)製、固形分濃度:20重量%):375重量部
(c)アルミキレート:“アルミキレート”−ALCH−TR(川研ファインケミカル(株)製):10重量部
(d)レベリング剤:“ディスパロン”−LC951(楠本化成(株)製、固形分:10重量%):1重量部
(e)酸化チタン:“タイペーク”−CR−50(石原産業(株)製)のN,N−ジメチルホルムアミド分散液(酸化チタン50重量%):60重量部
(f)N,N−ジメチルホルムアミド:730重量部
(g)メチルエチルケトン:250重量部。
次いで、下記の感熱層組成物液−1を前記プライマー層上に塗布し、120℃で90秒間加熱し、膜厚1.5g/mの感熱層を設けた。
<感熱層組成物液−1>
(a)赤外線吸収染料:“PROJET”−825LDI((株)Avecia製):10重量部
(b)チタンキレート:“ナーセム”−チタン(日本化学産業(株)製、固形分濃度:73重量%):11重量部
(c)フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂:“スミライトレジン”−PR50731(住友デュレズ(株)製):75重量部
(d)ポリウレタン:“サンプレン”−IB465(三洋化成工業(株)製)の溶剤置換品(置換溶剤:テトラヒドロフラン、固形分:15重量%):47重量部
(e)メチルエチルケトン:422重量部
(f)エタノール:85重量部
(g)イソパラフィン:“アイソパー”−H(エッソ化学(株)製):17重量部。
次いで、前述の<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−1>を前記感熱層上に塗布し、130℃で90秒間加熱し、膜厚2.0g/mのシリコーンゴム層を設けた。加熱直後のシリコーンゴム層は完全に硬化していた。加熱直後のシリコーンゴム層上に、厚み6μmのポリプロピレンフイルム:“トレファン”(東レ(株)製)をラミネートし、ネガ型水なしCTP平版印刷版原版を得た。得られたネガ型水なしCTP平版印刷版原版について、前述の方法で色素定着性評価を行ったところ、シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。
ポリプロピレンフイルム剥離後の印刷版原版を製版機:GX−3600(東レ(株)製)に装着し、半導体レーザー(波長830nm)を用いて1〜99%の網点(175lpi)を照射エネルギー200mJ/cmで露光した。続いて、自動現像機:TWL−860KII(東レ(株)製、前処理部液:なし、現像部液:水、後処理部液:水)により、版搬送速度80cm/分で、上記露光済み版の現像を行い、水なし平版印刷版を得た。現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機3回通し後でも非画線部シリコーンゴム層の剥離は認められず、良好に接着していた。
(実施例2)
実施例1の“クロモファインレッド”−6605をフタロシアニン系有機青色顔料:“ファストゲンブルー”−EP−CFE[比表面積:50m/g](大日本インキ化学工業(株)製)に、“Oracet Red”−3Bをフタロシアニン系顔料誘導体:“ソルスパース”−5000(アビシア社製)にそれぞれ変更して作製した<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−2>を用いたこと以外は実施例1と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
静置後24時間経過したシリコーン希釈液においても顕著な有色有機顔料の沈降は認められず、分散安定性は極めて良好であった。加熱直後の有色顔料含有シリコーンゴム層は完全に硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。露光、現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機3回通し後でも非画線部シリコーンゴム層の剥離は認められず、良好に接着していた。
(実施例3)
実施例2の“ソルスパース”−5000をフタロシアニン系顔料誘導体:“オイルブルー”−BOS(オリエント化学工業(株)製)に変更して作製した<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−3>を用いたこと以外は実施例2と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
静置後24時間経過したシリコーン希釈液においても顕著な有色有機顔料の沈降は認められず、分散安定性は極めて良好であった。加熱直後の有色顔料含有シリコーンゴム層は完全に硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。露光、現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機3回通し後でも非画線部シリコーンゴム層の剥離は認められず、良好に接着していた。
(実施例4)
実施例3の“サイラエース”−S510を3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランに変更して作製した<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−4>を用いたこと以外は実施例2と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
静置後24時間経過したシリコーン希釈液においても顕著な有色有機顔料の沈降は認められず、分散安定性は極めて良好であった。加熱直後の有色顔料含有シリコーンゴム層は完全に硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。露光、現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機3回通し後でも非画線部シリコーンゴム層の剥離は認められず、良好に接着していた。
(実施例5)
実施例3の“サイラエース”−S510を添加せずに作製した<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−5>を用いたこと以外は実施例3と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
静置後24時間経過したシリコーン希釈液においても顕著な有色有機顔料の沈降は認められず、分散安定性は極めて良好であった。加熱直後の有色顔料含有シリコーンゴム層は完全に硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。露光、現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機3回通し後に非画線部シリコーンゴム層の剥離が認められた。
(比較例1)
実施例5の“オイルブルー”−BOSを添加せずに作製した<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−6>を用いたこと以外は実施例5と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
静置後12時間経過したシリコーン希釈液において有色有機顔料の沈降が認められた。加熱直後の有色顔料含有シリコーンゴム層は完全に硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。露光、現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機3回通し後に非画線部シリコーンゴム層の剥離が認められた。
(比較例2)
比較例1の“ソルスパース”−19000を1.5重量部から3.0重量部に変更して作製した<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−7>を用いたこと以外は比較例1と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
静置後24時間経過したシリコーン希釈液においても顕著な有色有機顔料の沈降は認められず、分散安定性は極めて良好であった。加熱直後の有色顔料含有シリコーンゴム層は完全に硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。露光、現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機2回通し後に非画線部シリコーンゴム層の全面が剥離していた。
(比較例3)
実施例5の“ソルスパース”−19000を添加せずに作製した<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−8>を用いたこと以外は実施例5と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
静置後8時間経過したシリコーン希釈液において有色有機顔料の沈降が認められた。加熱直後の有色顔料含有シリコーンゴム層は完全に硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。露光、現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機3回通し後でも非画線部シリコーンゴム層の剥離は認められず、良好に接着していた。
(比較例4)
以下の組成の<有色有機染料含有シリコーン希釈液>を用いたこと以外は実施例1と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
<有色有機染料含有シリコーン希釈液>
(a)“DMS”−V52:83重量部
(b)油溶性染料:“オイルブルー”−2N(オリエント化学工業(株)製):4重量部
(c)“アイソパー”−E:900重量部
(d)“HMS”−991:4重量部
(e)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシイミノ)シラン:3重量部
(f)“SRX”−212:6重量部。
加熱直後の有色染料含有シリコーンゴム層は完全に硬化していた。作製直後のサンプルにおいてはシリコーンゴムが良好に着色されており、またポリプロピレンフイルムへの染料吸着も軽微であった。しかし、7日経時サンプルではシリコーンゴム層の着色が斑状になっており(染料凝集)、またポリプロピレンフイルムへの著しい染料吸着が認められた。現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に色コントラストがある部分とない部分があり、網点の観察が可能な部分と不可能な部分が共存していた。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機2回通し後に非画線部シリコーンゴム層の剥離が認められた。
(比較例5)
比較例4の“オイルブルー”−2Nを添加せずに作製した<シリコーン希釈液>を用いたこと以外は比較例4と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
加熱直後の有色染料含有シリコーンゴム層は完全に硬化していた。現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に色コントラストがなく、網点の観察が不可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機3回通し後でも非画線部シリコーンゴム層の剥離は認められず、良好に接着していた。
(実施例6)
実施例4の<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−4>を以下の方法で作製した<有色有機顔料シリコーン希釈液−9>に変更したこと以外は実施例4と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−9>
下記(a)、(b)、(c)および(d)を三本ロールミルで分散混合した。得られた液を撹拌しながら(e)を加えて希釈し、次いで乾燥窒素ガスで20分間バブリングした。得られた液を撹拌しながら(f)〜(i)を添加し、均一になるまでよく撹拌した。
(a)α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン:“DMS”−S51(重量平均分子量139000、GELEST Inc.製):89重量部
(b)“ファストゲンブルー”−EP−CFE:4重量部
(c)“オイルブルー”−BOS:0.2重量部
(d)“ソルスパース”−19000:1.5重量部
(e)“アイソパー”−E:900重量部
(f)テトラキス(メチルエチルケトオキシイミノ)シラン:1重量部
(g)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシイミノ)シラン:6重量部
(h)“サイラエース”−S510:5重量部
(i)ジブチル錫ジアセテート:0.02重量部。
静置後24時間経過したシリコーン希釈液においても顕著な有色有機顔料の沈降は認められず、分散安定性は極めて良好であった。加熱直後の有色顔料含有シリコーンゴム層の硬化は不完全であったが、翌日には完全に硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。露光、現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機3回通し後でも非画線部シリコーンゴム層の剥離は認められず、良好に接着していた。
(比較例6)
実施例6の“オイルブルー”−BOSと“サイラエース”−S510を添加せずに作製した<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−10>を用いたこと以外は実施例6と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
静置後18時間経過したシリコーン希釈液において有色有機顔料の沈降が認められた。加熱直後の有色有機顔料含有シリコーンゴム層の硬化は不完全であったが、翌日には完全に硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。露光、現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機2回通し後に非画線部シリコーンゴム層の剥離が認められた。
(実施例7)
実施例6の<感熱層組成物液−1>を下記<感熱層組成物液−2>に、感熱層組成物液加熱温度を135℃に、有色顔料含有シリコーン希釈液加熱温度を140℃に、また現像条件を自動現像機:TWL−860KII(東レ(株)製)(前処理部液:NP−1(東レ(株)製)、現像部液:水、後処理部液:水)、版搬送速度80cm/分にそれぞれ変更した以外は実施例6と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
<感熱層組成物液−2>
(a)“PROJET”−825LDI:10重量部
(b)“ナーセム”−チタン:22重量部
(c)“スミライトレジン”−PR50731:60重量部
(d)“サンプレン”−LQ−T1331D:50重量部
(e)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレート/3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン=1/3/1mol比付加反応物:15重量部
(f)テトラヒドロフラン:800重量部
(g)ジメチルホルムアミド:100重量部。
加熱直後の有色顔料含有シリコーンゴム層の硬化は不完全であったが、翌日には硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機3回通し後でも非画線部シリコーンゴム層の剥離は認められず、良好に接着していた。
(比較例7)
実施例7の<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−9>を前述の<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−10>に変更したこと以外は実施例7と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
加熱直後の有色有機顔料含有シリコーンゴム層の硬化は不完全であったが、翌日には完全に硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。露光、現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機2回通し後に非画線部シリコーンゴム層の剥離が認められた。
(実施例8)
実施例6の<感熱層組成物液−1>を下記<感熱層組成物液−3>に、露光照射エネルギーを350mJ/cmにそれぞれ変更した以外は実施例6と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
<感熱層組成物液−3>
(a)“PROJET”−825LDI:10重量部
(b)ニトロセルロース(平均重合度85、窒素含有量11.0%、“Bergerac NC” エスエヌ ピー イー ジャパン(株)製):30重量部
(c)“サンプレン”−LQ−T1331D:50重量部
(d)エポキシ/尿素樹脂:“KPカラー”−8704クリヤー(関西ペイント(株)製):20重量部
(e)ヒドロキシエチルアクリレート:15重量部
(f)メチルエチルケトン:700重量部。
加熱直後の有色顔料含有シリコーンゴム層の硬化は不完全であったが、翌日には硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機3回通し後でも非画線部シリコーンゴム層の剥離は認められず、良好に接着していた。
(比較例8)
実施例8の<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−9>を前述の<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−10>に変更したこと以外は実施例8と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
加熱直後の有色有機顔料含有シリコーンゴム層の硬化は不完全であったが、翌日には完全に硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。露光、現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機2回通し後に非画線部シリコーンゴム層の剥離が認められた。
(実施例9)
実施例6の感熱層を、真空蒸着により設けた25nmの亜鉛薄膜(感熱層−4)に変更した以外は実施例6と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
加熱直後の有色顔料含有シリコーンゴム層の硬化は不完全であったが、翌日には硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機3回通し後でも非画線部シリコーンゴム層の剥離は認められず、良好に接着していた。
(比較例9)
実施例9の<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−9>を前述の<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−10>に変更したこと以外は実施例9と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
加熱直後の有色有機顔料含有シリコーンゴム層の硬化は不完全であったが、翌日には完全に硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。露光、現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機2回通し後に非画線部シリコーンゴム層の剥離が認められた。
(実施例10)
実施例6の<感熱層組成物液−1>を下記<感熱層組成物液−5>に、感熱層組成物液加熱温度を80℃に、感熱層膜厚を2.5g/mに、有色顔料含有シリコーン希釈液加熱温度を140℃に、露光照射エネルギーを250mJ/cmに、また現像条件を自動現像機:TWL−860KII(東レ(株)製)(前処理部液:PP−F(東レ(株)製)、現像部液:水、後処理部液:水)、版搬送速度80cm/分にそれぞれ変更した以外は実施例6と同様の操作でポジ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
<感熱層組成物液−5>
(a)“PROJET”−825LDI:10重量部
(b)“ナーセム”−チタン:15重量部
(c)ペンタオキシプロピレンジアミン/グリシジルメタクリレート/メチルグリシジルエーテル=1/3/1mol比付加反応物:15重量部
(d)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレート/メチルグリシジルエーテル=1/2/2mol比付加反応物:15重量部
(e)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレート/3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン=1/3/1mol比付加反応物:3重量部
(f)ペンタエリスルトールポリグリシジルエーテル:“デナコール”−EX−411(ナガセ化成工業(株)製):5重量部
(g)“サンプレン”−LQ−T1331D:45重量部
(h)マレイン酸:0.5重量部
(i)テトラヒドロフラン:200重量部
(j)ジメチルホルムアミド:50重量部。
加熱直後の有色顔料含有シリコーンゴム層の硬化は不完全であったが、翌日には硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、全面露光済版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機3回通し後でも非画線部シリコーンゴム層の剥離は認められず、良好に接着していた。
(比較例10)
実施例10の<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−9>を前述の<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−10>に変更したこと以外は実施例10と同様の操作でポジ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
加熱直後の有色有機顔料含有シリコーンゴム層の硬化は不完全であったが、翌日には完全に硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。露光、現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、全面露光済版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機2回通し後に非画線部シリコーンゴム層の剥離が認められた。
(実施例11)
実施例6の<感熱層組成物液−1>を下記<感光層組成物液−1>に、感光層組成物液加熱温度を80℃に、有色顔料含有シリコーン希釈液加熱温度を140℃に、露光条件を露光機:“アイドルフィン”−ID−2000(オーク製作所製)、露光量:11mW/cm(365nm光)でネガ画像フイルム(1〜99%の網点(175lpi))を介して60秒間露光に、また現像条件を自動現像機:TWL−860KII(東レ(株)製)(前処理部液:NP−1(東レ(株)製)、現像部液:水、後処理部液:水)、版搬送速度60cm/分にそれぞれ変更した以外は実施例6と同様の操作でネガ型水なし平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
<感光層組成物液−1>
(a)1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸クロライドと“スミライトレジン”PR50731の部分エステル化物<エステル化度36%>:100重量部
(b)“サンプレン”−LQ−T1331D:50重量部
(c)4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン:10重量部
(d)ポリイソシアネート:“ミリオネート”−MR200:20重量部
(d)ジブチル錫ジアセテート:0.2重量部
(e)酢酸:2重量部
(f)テトラヒドロフラン:800重量部。
加熱直後の有色顔料含有シリコーンゴム層の硬化は不完全であったが、翌日には硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機3回通し後でも非画線部シリコーンゴム層の剥離は認められず、良好に接着していた。
(比較例11)
実施例11の<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−9>を前述の<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−10>に変更したこと以外は実施例11と同様の操作でネガ型水なしCTP平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
加熱直後の有色有機顔料含有シリコーンゴム層の硬化は不完全であったが、翌日には完全に硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。露光、現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、未露光版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機2回通し後に非画線部シリコーンゴム層の剥離が認められた。
(実施例12)
実施例6の<感熱層組成物液−1>を下記<感光層組成物液−2>に、感光層組成物液加熱温度を100℃に、感光層膜厚を4g/mに、有色顔料含有シリコーン希釈液加熱温度を120℃に、保護フイルムを厚み6μmのポリエチレンテレフタレートフイルム:“ルミラー”(東レ(株)製)に、露光条件を露光機:“アイドルフィン”−ID−2000(オーク製作所製)、露光量:11mW/cm(365nm光)でポジ画像フイルム(1〜99%の網点(175lpi))を介して60秒間露光に、また現像条件を自動現像機:TWL−860KII(東レ(株)製)(前処理部液:PP−F(東レ(株)製)、現像部液:水、後処理部液:水)、版搬送速度80cm/分にそれぞれ変更した以外は実施例6と同様の操作でポジ型水なし平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
<感光層組成物液−2>
(a)“サンプレン”−LQ−T1331D:335重量部
(b)m−キシリレンジアミン1モルとグリシジルメタクリレート4モルの反応物:10重量部
(c)ポリオキシプロピレンジアミン1モルとグリシジルメタクリレート4モルの反応物:10重量部
(d)2官能メタクリレート:“ライトエステル”−1・10DC(共栄社化学(株)製):8重量部
(e)ポリオキシプロピレンジアミン/グリシジルメタクリレート/3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン=1/3/1モルの反応物:2重量部
(f)トリ(ブトキシカルボニルメチル)トリチオホスファイト:2重量部
(g)ヒンダードフェノール系酸化防止剤:“Plastanox”−1729(American Cyanamid Co.):1重量部
(h)4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン:2重量部
(i)10−n−ブチル−2−クロロアクリドン:4重量部
(j)2,4−ジエチルチオキサントン:7重量部
(k)染料“アイゼンビクトリアピュアブルー”−BOHコンク(保土谷化学工業(株)製):0.1重量部
(l)界面活性剤“フロラード”−FC470(住友スリーエム(株)製):0.03重量部
(m)2−エチルアントラキノン:0.02重量部
(n)エチルセロソルブ:150重量部
(o)メチルエチルケトン:400重量部
(p)テトラヒドロフラン:200重量部。
加熱直後の有色顔料含有シリコーンゴム層の硬化は不完全であったが、翌日には硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、全面露光済版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機3回通し後でも非画線部シリコーンゴム層の剥離は認められず、良好に接着していた。
(比較例12)
実施例12の<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−9>を前述の<有色有機顔料含有シリコーン希釈液−10>に変更したこと以外は実施例12と同様の操作でポジ型水なし平版印刷版原版を作製し、評価を行った。
加熱直後の有色有機顔料含有シリコーンゴム層の硬化は不完全であったが、翌日には完全に硬化していた。シリコーンゴム層の色素定着性は良好であった。露光、現像後の印刷版をルーペで観察したところ、画線部/非画線部間に十分な色コントラストがあり、1〜99%の網点の観察が可能であった。また、全面露光済版について、前述の方法でシリコーンゴム層/感熱層間接着力評価を行ったところ、自動現像機2回通し後に非画線部シリコーンゴム層の剥離が認められた。
以上の結果をまとめて表1、表2に示す。
Figure 2008170665
Figure 2008170665

Claims (3)

  1. 基板上に、少なくとも感光層または感熱層と、シリコーンゴム層とを有する水なし平版印刷版原版であって、前記シリコーンゴム層中に少なくとも(a)有色有機顔料、(b)有色有機顔料誘導体および(c)アミン系顔料分散剤を含有することを特徴とする水なし平版印刷版原版。
  2. 前記(b)有色有機顔料誘導体が、(a)有色有機顔料と同一の母骨格を有する有色有機顔料誘導体を含むことを特徴とする請求項1記載の水なし平版印刷版原版。
  3. 前記シリコーンゴム層中に、さらに(d)分子中にアミノ基と反応し得る官能基を有するシランカップリング剤を含有することを特徴とする請求項1または2記載の水なし平版印刷版原版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104060484A (zh) * 2014-06-11 2014-09-24 周文叶 一种用于尼龙地毯数码印花的免洗剂的配方及其应用

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