JP2020026065A - 平版印刷版原版、およびそれを用いた平版印刷版の製造方法、印刷物の製造方法 - Google Patents

平版印刷版原版、およびそれを用いた平版印刷版の製造方法、印刷物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ケミカルフリー現像をした場合にも高精細な画像が得られ、また、シリコーン剥がれ性の点でも優れる印刷版原版を提供する。また、これを用いた平版印刷版の製造方法、印刷物の製造方法を提供する。【解決手段】基板上に少なくとも赤外線吸収化合物を含有する感熱層と、赤外線吸収化合物を含有せず、かつ融解を経ずに熱分解する化合物を含有する層(係る層を易熱分解層と称する)と、インキ反発層とを、この順に有し、かつ、前記融解を経ずに熱分解する化合物が含まれる易熱分解層の質量を100質量%としたとき該融解を経ずに熱分解する化合物が該易熱分解層中に5〜50質量%含まれていることを特徴とする平版印刷版原版、とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、平版印刷に使用される平版印刷版原版に関し、また、平版印刷版の製造方法、およびそれを用いた印刷物の製造方法に関する。
平版印刷は、凹凸を備える印刷版を用いる凸版印刷方式とは異なり、凹凸のない印刷版を用いることを特徴とした印刷方式である。水あり平版印刷では、印刷に際して印刷版に供給された湿し水によって非画像部が形成され、その後に油性の印刷インキ組成物を供給すると該湿し水によって該印刷インキ組成物が反発されて印刷像の形成がなされる。一方、水なし平版印刷では、シリコーン樹脂によって非画像部を形成し、そこにシリコーン組成物と反発する印刷インキ組成物を供給すると該印刷インキ組成物が反発されて、印刷インキ組成物は親油性の画像部のみに付着する。こうして、印刷版の表面に画像が形成され、その画像がブランケット及び紙に順次転移することにより印刷が行われる。
近年、平版印刷版原版の分野においては、画像の高精細化に加え、現像の際に、現像液として薬液を用いないケミカルフリーな現像の要求が高まっている。しかし、一般的にケミカルフリー現像は、現像の際に薬液を用いる薬液現像に比べて現像能力が低いため、ケミカルフリー現像を採用しても高精細な画像を得られるようにするには、平版印刷版原版の感度向上が必要である。
この課題に対し、特許文献1では、直描型水なし印刷版原版の感熱層に気泡を含有させることによって、感熱層の熱伝導率を小さくし、レーザー照射によって発生した熱の拡散を抑え、感熱層表面付近で起こる化学反応を促進させている。これにより、感熱層とシリコーン層間の接着性を低下させ、画像の高精細化を試みている(特許文献1参照)。
また、特許文献2では、水なし印刷版原版のシリコーンゴム層と感熱層の間に、赤外線吸収材料を含有しないポリマー層を設け、露光時に感熱層から発生した熱でポリマー層を溶融させ、ポリマー層とシリコーンゴム層との結合解離を生じさせる孔を形成することで、画像の高精細化を試みている(特許文献2参照)。
特開2005−300586号公報 特表2011−516919号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような、感熱層に気泡を含有させる方法においては、平版印刷版原版の感度としては必ずしも十分ではなく、ケミカルフリー現像を行った場合には実用的な高精細画像再現性は得られていない。さらに、感熱層の架橋反応が気泡により阻害されるため、洗浄液に対する耐溶剤性が低くなり、非画像部のシリコーン層が意図せず剥がれる“シリコーン剥がれ”のおそれがあった。
また、特許文献2に記載されているような、シリコーンゴム層と感熱層との間に、赤外線吸収材料を含有しないポリマー層を設ける方法においては、ポリマー層を溶融・軟化させるためにガラス転移点温度の低いポリマーを使用していること、架橋構造を形成していないことから、洗浄液に対する耐溶剤性が低く、特許文献1の印刷版原版と同様にシリコーン剥がれのおそれがあった。
そこで、本発明は、ケミカルフリー現像した場合にも高精細な画像が得られ、かつ、洗浄液のような溶剤に対する耐溶剤性が高く、シリコーン剥がれが発生しない平版印刷版原版を提供することを目的とする。
本発明は、基板上に少なくとも、赤外線吸収化合物を含有する感熱層と、赤外線吸収化合物を含有せず、かつ融解を経ずに熱分解する化合物を含有する層(係る層を以下「易熱分解層」と称する)と、インキ反発層とを、この順に有し、かつ、前記融解を経ずに熱分解する化合物が含まれる易熱分解層の質量を100質量%としたとき該融解を経ずに熱分解する化合物が該易熱分解層中に5〜50質量%含まれていることを特徴とする平版印刷版原版であることを本旨とし、また、種々の改良された発明やこれらを利用した発明を提供せんとするものである。
本発明によれば、ケミカルフリー現像を採用しても高精細画像再現性を実現でき、また、洗浄液のような溶剤に対する耐溶剤性が高く、シリコーン剥がれの発生が抑制された平版印刷版原版を得ることができる。
本発明の平版印刷版原版について、以下に説明する。
本発明の平版印刷版原版は、基板上に少なくとも、赤外線吸収化合物を含有する感熱層と、赤外線吸収化合物を含有せず、かつ融解を経ずに熱分解する化合物を含有する層(易熱分解層)と、インキ反発層をこの順に有する。
感熱層は、その詳細は後述するが、活性光線の照射を受けることで該層に含まれる赤外線吸収化合物が光を熱に変換する作用を奏するとともに、発生した熱による化学的または物理的な変化によって隣接する層との接着性または密着性に変化を生ぜしむる作用を有する層である。
また、インキ反発層は、その詳細は後述するが、印刷インキをはじく性質を有する物質が含有されることで印刷インキが付与されたときには該層の上から印刷インキが排される作用を有する層である。
而して、印刷版の形成は次のような理解ができる。すなわち、レーザー光を照射すると、レーザー光はインキ反発層と易熱分解層を透過し、感熱層中の赤外線吸収化合物に吸収されて光熱変換効果で熱を発生する。この発熱で、感熱層と、感熱層直上に存在する易熱分解層の間の解離および/または易熱分解層とインキ反発層の間の解離が発生し、現像工程で露光された部分のインキ反発層が除去されて、印刷版を得ることができる。
本発明は、感熱層とインキ反発層との間に易熱分解層を有している。易熱分解層は感熱層での光熱変換効果で発生された熱を利用してこの層に含まれている融解を経ずに熱分解する化合物が熱分解等されることで感熱層と易熱分解層の間の解離、すなわち層間の接着力または密着力の低下、を促進する。このため、現像時のインキ反発層の除去を効率よく行うことが可能となり、ケミカルフリー現像時にも高精細画像再現性を提供することができる。これは融解を経ずに熱分解する化合物が熱を吸収し、吸収された熱を自身の融解という状態変化に使用せず、熱分解に効率よく使用することで、熱分解により発生される気体によって層間の解離を促進されるためと考えられる。
本発明において、融解を経ずに熱分解する化合物とは、100℃以上の温度域において重量減少が観測される前に融解ピークが観察されない化合物であり、示差熱熱重量同時測定装置を用いてTG/DTA測定を行うことで判断できる。詳細な方法は実施例の欄にて説明する。
易熱分解層中の、融解を経ずに熱分解する化合物は、該融解を経ずに熱分解する化合物が含まれる易熱分解層の質量を100質量%としたとき該融解を経ずに熱分解する化合物が該易熱分解層中に5〜50質量%含まれていることが必要である。この含有率が5質量%未満である場合には、感熱層と易熱分解層との間の解離を十分に発生させることができないため、現像性、すなわちケミカルフリー現像のような現像力が比較的小さい現像方法を用いたときの画像再現性が不十分である。高精細画像再現性を有する平版印刷版原版を提供するという観点から、係る含有率は10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましい。また、係る含有率が50質量%を超える場合には易熱分解層自体が脆弱となりやすく、耐溶剤性が不十分であるとしてシリコーン剥がれが生じやすい傾向を示す。十分な耐溶剤性を確保する観点から、係る含有率は40質量%以下とすることが好ましく、30質量%以下とすることがより好ましい。
本発明の平版印刷版原版に用いることができる基板としては、感熱層、易熱分解層およびインキ反発層を支持できればその材質に特に制限は無いが、例えば、従来印刷版の基板として用いられ、印刷工程において寸法的な変化の少ない、公知の材料でもある紙、金属、ガラス、フィルムなどがあげられる。具体的には、紙、プラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)がラミネートされた紙、アルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、銅などの金属板、ソーダライム、石英などのガラス板、シリコンウエハー、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタールなどのプラスチックのフィルム、上記金属がラミネートまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルムなどが挙げられる。プラスチックフィルムは透明でも不透明でもよい。検版性の観点からは、不透明のフィルムが好ましい。
これら基板のうち、アルミニウム板は印刷工程において寸法的な変化が少なく、しかも安価であるので特に好ましい。また、軽印刷用の柔軟な基板としては、ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
基板の厚みは特に限定されず、平版印刷に使用される印刷機に対応した厚みを選択すればよい。
本発明の平版印刷版原版は、感熱層と基板との間に下地層を設けることができる。この下地層は、平版印刷版原版に柔軟性を付与し、基板あるいは感熱層と良好な接着性を有する目的で用いられることができ、例えば、特開2004−199016号公報、特開2004−334025号公報などに開示されている金属キレート化合物を含有する層を挙げることができる。
また、下地層は、柔軟性を付与し耐傷性を制御する目的で、ポリウレタン樹脂や天然ゴム、合成ゴム等の柔軟性付与剤を含有した層とすることもできる。これら柔軟性付与剤の中では、塗工性能、塗液安定性の点からポリウレタン樹脂を用いることが特に好ましい。
また、下地層は、基板と感熱層との接着性を改善する目的で、活性水素基含有化合物を含有した層とすることもできる。活性水素基含有化合物としては、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、チオール基含有化合物などが挙げられるが、水酸基含有化合物が好ましく、基板との接着性の点からエポキシ樹脂が特に好ましく用いられる。
また、下地層は、顔料を含んだ層とすることができる。適切な顔料を含むことにより、印刷版としての光透過率を400〜650nmの全ての波長に対して15%以下とすることが可能となり、これにより、機械読み取りによる検版性を付与することができる。顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、リトポン等の無機白色顔料や、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、オーカー、チタンイエロー等の無機黄色顔料を用いることが好ましい。これらの顔料の中では、隠蔽力、着色力の点から酸化チタンが特に好ましい。
次に、感熱層について、本発明に好ましく用いることができる態様を中心に説明する。
感熱層は、好ましくコーティング法で形成することが可能である。すなわち、赤外線吸収化合物とこれを保持するバインダーなどの成分を溶剤中に溶解または分散せしめて塗布、乾燥(揮発成分を除去)することにより形成できる。乾燥は常温で行っても、加熱して行ってもよい。
本発明において赤外線吸収化合物とは、750〜1,200nmの波長域に最大吸収波長(λmax)を有し、かつλmaxにおけるグラム吸光係数が0.1L/(g・cm)以上の化合物のことをいう。赤外線吸収化合物としてはレーザー光を吸収することで、光エネルギーを原子・分子の運動エネルギーに変換し、瞬間的に感熱層表面で200℃以上の熱を発生させ、感熱層の架橋構造を熱分解する機能を有するものが好ましい。例えば、カーボンブラック、カーボングラファイト、アニリンブラック、シアニンブラックなどの黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニン系の緑色顔料、結晶水含有無機化合物、鉄、銅、クロム、ビスマス、マグネシウム、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、コバルト、バナジウム、マンガン、タングステンなどの金属粉、またはこれら金属の硫化物、水酸化物、珪酸塩、硫酸塩、燐酸塩、ジアミン化合物錯体、ジチオール化合物錯体、フェノールチオール化合物錯体、メルカプトフェノール化合物錯体、シアニン系染料、アズレニウム系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料、アゾ系分散染料、ビスアゾスチルベン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、ペリレン系染料、フタロシアニン系染料、ナフタロシアニン金属錯体系染料、ポリメチン系染料、ジチオールニッケル錯体系染料、インドアニリン金属錯体染料、分子間型CT染料、ベンゾチオピラン系スピロピラン、ニグロシン染料などの染料が好ましく使用される。
中では染料を用いることが好ましく、特にモル吸光係数εの大きなものが好ましく使用される。具体的には、εは1×10L/(mol・cm)以上が好ましく、より好ましくは1×10L/(mol・cm)以上である。εが1×10L/(mol・cm)以上であれば、初期感度をより向上させることができる。ここでの係数は照射する活性エネルギー線に対してである。具体的な波長を示すのであれば780nm、808nm、830nmまたは1064nmに注目するのがよい。染料は感熱層中に2種以上含有してもよい。750〜1,200nmの波長域に異なるλmaxを有する2種以上の染料を含有することにより、発振波長の異なる2種以上のレーザーに対応させることができる。
感熱層中に含まれる赤外線吸収化合物の含有量は、該赤外線吸収化合物が含まれる感熱層の質量を100質量%としたとき10質量%以上とすることが好ましい。赤外線吸収化合物の含有量を10質量%以上とすることで、レーザー照射時の感度をより向上させることができる。赤外線吸収化合物の含有量は、より好ましく12質量%以上である。一方、赤外線吸収化合物の含有量は30質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは20質量%以下である。係る範囲とすることで耐溶剤性を高めることが可能である。
感熱層は、赤外線吸収化合物以外の成分として、例えば、赤外線吸収化合物を保持するバインダー成分などを含むことができる。感熱層は、描き込みに使用されるレーザー光を熱に変換(光熱変換)する機能を有するところ、発生した熱によって効率よく感熱層の少なくとも表面の分解、もしくは現像液への溶解性が高まる変化を生じるものであることが好ましい。係る観点から、感熱層を構成する材料としては例えば以下の(1)および(2)のような組成物および該組成物中の成分の全部または一部が反応したものを挙げることができる。
(1)活性水素を有するポリマー、多官能性化合物、および赤外線吸収化合物を含む組成物。
(2)活性水素を有するポリマー、有機錯化合物、および赤外線吸収化合物を含む組成物。
ここで、(1)に示した組成物においては、光線の照射を受けることで活性水素を有するポリマーと多官能性化合物とで構成されていた架橋構造の分解を生じることで、また、(2)に示した組成物においては、光線の照射を受けることで活性水素を有するポリマーと有機錯化合物とで構成されていた架橋構造の分解が生じることで、感熱層としての機能が効果的に発現可能である。また、前記(1)に示した組成物は有機錯化合物を更に含有してもよい。
なお、感熱層は、融解を経ずに熱分解する化合物を含んでいても構わないが、含んでいなくても構わない。
感熱層に好ましく用いられる活性水素を有するポリマーとしては、活性水素をもつ構造単位を有するポリマーを挙げることができる。活性水素をもつ構造単位としては例えば、−OH、−SH、−NH、−NH−、−CO−NH、−CO−NH−、−OC(=O)−NH−、−NH−CO−NH−、−CO−OH、−CS−OH、−CO−SH、−CS−SH、−SOH、−PO、−SO−NH、−SO−NH−、−CO−CH−CO−などが挙げられる。
また、上記組成物(1)および(2)で好ましく使用できる活性水素を有するポリマーとしては、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基を含有するモノマーの単独重合体もしくは共重合体、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体もしくは共重合体、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドの単独重合体もしくは共重合体、アミン類と(メタ)アクリル酸グリシジルまたはアリルグリシジルとの反応物の単独重合体もしくは共重合体、p−ヒドロキシスチレン、ビニルアルコールの単独重合体もしくは共重合体などの活性水素を有するエチレン性不飽和モノマーの単独重合体もしくは共重合体(共重合モノマー成分としては、活性水素を有する他のエチレン性不飽和モノマーでもよく、活性水素を含有しないエチレン性不飽和モノマーでもよい。)が挙げられる。これらは2種以上含有するものであっても良い。
また、活性水素をもつ構造単位を有するポリマーとして主鎖に活性水素をもつ構造単位を有する重合体も好ましく用いられる。このようなポリマーとしては例えば、ポリウレタン類、ポリウレア類、ポリアミド類、エポキシ樹脂類、ポリアルキレンイミン類、メラミン樹脂類、ノボラック樹脂類、レゾール樹脂類、セルロース誘導体類などが挙げられる。これらを2種以上含有するものであってもよい。
活性水素を有するポリマーとしては、中でも、易熱分解層との接着性が良好になるという点から、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基を有するポリマーが好ましく、フェノール性水酸基を有するポリマー(p−ヒドロキシスチレンの単独重合体もしくは共重合体、ノボラック樹脂、レゾール樹脂など)がより好ましく、ノボラック樹脂がさらに好ましい。ノボラック樹脂としてはフェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂が挙げられる。
感熱層に含まれる活性水素を有するポリマーの含有量は、現像性を高めることができる点で、感熱層の質量を100質量%としたとき20質量%以上とすることが好ましく、40質量%以上とすることがより好ましく、また、感熱層の十分な靱性を確保する点から80質量%以下とすることが好ましく、70質量%以下とすることがより好ましい。
感熱層に好ましく用いられる多官能性化合物、特に前記(1)に示した組成物に用いられる多官能性化合物、としては、活性水素と反応性を有する官能基を複数有する化合物が挙げられ、活性水素を有するポリマーへの架橋剤として機能しうる。例えば、多官能イソシアネート、多官能ブロックドイソシアネート、多官能エポキシ化合物、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能アルデヒド、多官能メルカプト化合物、多官能アルコキシシリル化合物、多官能アミン化合物、多官能カルボン酸、多官能ビニル化合物、多官能ジアゾニウム塩、多官能アジド化合物、ヒドラジンなどが挙げられる。
感熱層に好ましく用いられる有機錯化合物、特に前記(2)に示した組成物に用いられる有機錯化合物は、金属とこれに配位または結合する有機化合物とからなるが、有機錯化合物は活性水素を有するポリマーへの架橋剤として機能しうる。例えば、金属に有機配位子が配位した有機錯塩、金属に有機配位子および無機配位子が配位した有機無機錯塩、金属と有機分子が酸素を介して共有結合している金属アルコキシド類などが挙げられる。これらの中でも、配位子が2個以上のドナー原子を有し、金属原子を含む環を形成するような金属キレート化合物が、有機錯化合物自身の安定性や感熱層組成物溶液の安定性などの面から好ましく用いられる。
有機錯化合物を形成する主な金属としては、Al(III)、Ti(IV)、Mn(II)、Mn(III)、Fe(II)、Fe(III)、Zn(II)、Zr(IV)が好ましい。Al(III)は感度向上効果が得られやすい点から特に好ましく、Ti(IV)は印刷インキやインキ洗浄剤に対する耐性が発現しやすい点から特に好ましい。
また、配位子としては、酸素、窒素、硫黄などをドナー原子として有する配位基を有する化合物が挙げられる。配位基の具体例としては、酸素をドナー原子とするものとしては、−OH(アルコール、エノールおよびフェノール)、−COOH(カルボン酸)、>C=O(アルデヒド、ケトン、キノン)、−O−(エーテル)、−COOR(エステル、R:脂肪族または芳香族炭化水素を表す)、−N=O(ニトロソ化合物)、など、窒素をドナー原子とするものとしては、−NH(1級アミン、ヒドラジン)、>NH(2級アミン)、>N−(3級アミン)、−N=N−(アゾ化合物、複素環化合物)、=N−OH(オキシム)、など、硫黄をドナー原子とするものとしては、−SH(チオール)、−S−(チオエーテル)、>C=S(チオケトン、チオアミド)、=S−(複素環化合物)、などが挙げられる。
上記のような金属と配位子から形成される有機錯化合物のうち、好ましく用いられる化合物としては、Al(III)、Ti(IV)、Fe(II)、Fe(III)、Zn(II)、Zr(IV)などの金属のβ−ジケトン類、アミン類、アルコール類、カルボン酸類との錯化合物が挙げられ、さらにはAl(III)、Fe(II)、Fe(III)、Ti(IV)、Zr(IV)のアセチルアセトン錯体、アセト酢酸エステル錯体などが特に好ましい錯化合物として挙げられる。具体例としては、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(プロピルアセトアセテート)、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、アルミニウムビス(アセチルアセトネート)モノ(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビス(プロピルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、アルミニウムビス(ブチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、アルミニウムビス(プロピルアセトアセテート)モノ(エチルアセトアセテート)、アルミニウムジブトキシドモノ(アセチルアセトネート)、アルミニウムジイソプロポキシドモノ(アセチルアセトネート)、アルミニウムジイソプロポキシドモノ(エチルアセトアセテート)、アルミニウム−s−ブトキシドビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムジ−s−ブトキシドモノ(エチルアセトアセテート)、チタニウムトリイソプロポキシドモノ(アリルアセトアセテート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(トリエタノールアミン)、チタニウムジ−n−ブトキシドビス(トリエタノールアミン)、チタニウムジイソプロポキシドビス(アセチルアセトネート)、チタニウムジ−n−ブトキシドビス(アセチルアセトネート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジ−n−ブトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムトリ−n−ブトキシドモノ(エチルアセトアセテート)、チタニウムトリイソプロポキシドモノ(メタクリルオキシエチルアセトアセテート)、チタニウムジヒドロキシビス(ラクテート)、ジルコニウムジ−n−ブトキシドビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムトリ−n−プロポキシドモノ(メタクリルオキシエチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、鉄(III)アセチルアセトネート、鉄(III)ベンゾイルアセトネートが挙げられる。これらは2種以上含有してもよい。
有機錯化合物の感熱層中の含有量としては、ポリマーの架橋剤としての機能の観点および感熱層の耐溶剤性の観点から、感熱層の質量を100質量%としたとき、1質量%以上、40質量%以下とすることが好ましい。
感熱層は、活性水素を有するポリマーとともに、活性水素を有しない、フィルム形成能を有するポリマーを含有しても良い。このようなポリマーは感熱層の機械特性の改善やコーティング法で感熱層を形成するときの塗工性の改善の目的などに好ましく用いられ、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体もしくは共重合体、ポリスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマーの単独重合体もしくは共重合体、イソプレン、スチレン−ブタジエンなどの各種合成ゴム類、ポリ酢酸ビニルなどのビニルエステルなどの単独重合体もしくは酢酸ビニル−塩化ビニルなどの共重合体、ポリエステル、ポリカーボネートなどの縮合系各種ポリマーなどを挙げることができる。
係る活性水素を有さないポリマーは、感熱層組成物溶液の塗工性の観点からは、感熱層の質量を100質量%としたとき3.5質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは7.5質量%以上であり、平版印刷版の画像再現性を高精細化できる観点から40質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは20質量%以下である。
次に、易熱分解層について、本発明に好ましく用いることができる態様を中心に説明する。
易熱分解層は、赤外線吸収化合物を含有せず、融解を経ずに熱分解する化合物を含んでいる。ここでいう赤外線吸収化合物の意味は、感熱層について説明した赤外線吸収化合物と同じである。また、含有せずの意味は実質的に含有されないことを意味し、具体的には、検出がされないか、拡散現象などで感熱層から移行されるようなことなどがあったとしても、易熱分解層の質量を100質量%として0.1質量%以下程度であることをいう。また、融解を経ずに熱分解する化合物とは、先に説明したとおりである。また、融解を経ずに熱分解する化合物は750〜1,200nmの波長域に最大吸収波長(λmax)を有さないものであることが望ましい。なお、融解を経ずに熱分解する化合物の分析・検出は、通常、平版印刷版から良溶媒を用いて抽出し、前記のTG/DTA測定を行いうる。
融解を経ずに熱分解する化合物の熱分解温度は、150℃以上であることが好ましく、更に好ましくは180℃以上である。150℃以上、更に好ましく180℃以上の熱分解温度のものを用いることで平版印刷版原版の作製工程の中で分解する可能性を小さくでき、易熱分解層の強度を高く維持でき、また、耐シリコーン剥がれをより高い状態で維持できる。一方、融解を経ずに熱分解する化合物の熱分解温度は、300℃以下であることが好ましく、更に好ましくは250℃以下である。300℃以下、更に好ましく250℃以下の熱分解温度のものを用いることでレーザーの照射を受けても熱分解しない成分の量を減らすことができ、熱効率を高め、ひいては熱分解による分解ガスの発生量が増やせるので現像性、感度を一層高めることができる。
融解を経ずに熱分解する化合物の具体例としては、カテキン水和物等のフラボノイド、マラカイトグリーンしゅう酸塩、ブリリアントグリーン、ビクトリアブルーB、クリスタルバイオレット、ブロモクレゾールパープル、ブロモクレゾールグリーンナトリウム、チモールブルー、ブロモクレゾールグリーン、ブロモチモールブルーナトリウム、テトラブロモフェノールブルー、ブロモチモールブルー等のトリフェニルメタン染料、メチレンブルー等のチアジン染料、コンゴ−レッド、オイルレッド5B、メチルイエロー等のアゾ染料、フルオレセイン、フルオレセイン−5−マレイミド、フルオレセインイソチオシアネート等のフルオレセイン類、リボフラビン、アスコルビン酸等のビタミン類、エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース誘導体が挙げられる。本発明ではこれらの中から二種以上の化合物を用いることができる。また、これらの中でも、リボフラビン、アスコルビン酸等のビタミン類およびエチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物を用いることが好ましい。
易熱分解層は、好ましくコーティング法で形成することが可能である。すなわち、融解を経ずに熱分解する化合物とこれを保持するバインダーなどの成分を溶剤中に溶解または分散せしめて塗布、乾燥(揮発成分を除去)することにより形成できる。乾燥は常温で行っても、加熱して行ってもよい。
易熱分解層は、融解を経ずに熱分解する化合物以外の成分としては、例えば、融解を経ずに熱分解する化合物を保持するバインダー成分などを含むことができる。また、活性水素を含むポリマーを好ましく含有することができ、該活性水素を含むポリマーはバインダー成分としても機能しうる。ここで、活性水素を含むポリマーの意味は感熱層について説明した活性水素を含むポリマーと同じである。中でも、感熱層あるいはインキ反発層との接着性を良好にできるため、メラミン樹脂類、ノボラック樹脂類およびレゾール樹脂類から選ばれる少なくとも一種の樹脂を用いることがより好ましい。係る活性水素を含むポリマーを含有することで、高い反応性のために感熱層あるいはインキ反発層との接着性を良好にでき、シリコーン剥がれを抑制できる点で有利である。
また、易熱分解層は好ましく多官能性化合物または有機錯化合物を含有することができる。ここで、多官能性化合物、有機錯化合物の意味は感熱層の説明においてそれぞれ説明した意味と同じであり、感熱層の組成物(1)に含まれる多官能性化合物、感熱層の組成物(2)に含まれる有機錯化合物の少なくとも一つを用いることが出来る。係る化合物を含有することで、易熱分解層中に架橋構造を形成し、耐溶剤性を高めることができ、シリコーン剥がれを抑制できる点で有利である。多官能性化合物または有機錯化合物の含有量は、易熱分解層の架橋密度を高く維持し、平版印刷版の耐シリコーン剥がれを高める観点で、易熱分解層の質量を100質量%としたとき1質量%以上とすることが好ましく、また、平版印刷版の感度を高く維持できる点で30質量%以下とすることが好ましい。
また、易熱分解層の膜厚は、インキ反発層との接着を強固にし、耐シリコーン剥がれを高い状態で維持する点で0.1μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましく、0.5μm以上がさらに好ましい。また、平版印刷版の高精細画像再現性を維持できる点で、2.0μm以下が好ましく、1.5μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。ここで、易熱分解層の膜厚は、平均膜厚として透過型電子顕微鏡による断面の観察によって求めることができる。より詳しくは、平版印刷版原版から超薄切片法によって試料を作製し、加速電圧100kV、直接倍率10k倍の条件で観察を行うことで膜厚を測定することができる。易熱分解層からランダムに選んだ10箇所について膜厚を計測し、その数平均値を算出することにより、平均膜厚を求めることができる。
次に、インキ反発層について、本発明に好ましく用いることができる態様を中心に説明する。
インキ反発層に好適に用いられる材料としては、ポリオルガノシロキサンの架橋物であるシリコーンゴムが挙げられる。シリコーンゴムとしては、付加反応型シリコーンゴム、縮合反応型シリコーンゴムを挙げることができ、これらの溶液または分散液を塗布、乾燥することによってインキ反発層として形成することが可能である。
付加反応型のシリコーンゴム層組成物は、少なくともビニル基含有オルガノポリシロキサン、SiH基含有化合物(付加反応型架橋剤)および硬化触媒を含むことが好ましい。さらに、反応抑制剤を含有してもよい。
ビニル基含有オルガノポリシロキサンは、下記一般式(I)で表される構造を有し、主鎖末端もしくは主鎖中にビニル基を有するものである。中でも主鎖末端にビニル基を有するものが好ましい。これらを2種以上含有してもよい。
−(SiR−O−)− (I)
式中、nは2以上の整数を示し、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜50の飽和または不飽和の炭化水素基を表す。炭化水素基は直鎖状でも枝分かれ状でも環状でもよく、芳香環を含んでいてもよい。
SiH基含有化合物としては、例えば、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ジオルガノハイドロジェンシリル基を有する有機ポリマーが挙げられ、好ましくはオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。これらを2種以上含有してもよい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、直鎖状、環状、分岐状、網状の分子構造をもつことができる。例えば、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたポリメチルハイドロジェンシロキサン、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサンなどが例示される。
SiH基含有化合物の含有量は、インキ反発層の硬化性の観点から、インキ反発層の質量を100質量%としたとき0.5質量%以上とすることが好ましく、1質量%以上がより好ましく、また、20質量%以下とすることが好ましく、15質量%以下がより好ましい。
付加反応型のシリコーンゴムが含有し得る反応抑制剤としては、含窒素化合物、リン系化合物、不飽和アルコールなどが挙げられ、アセチレン基含有アルコールが好ましく用いられる。これらを2種以上含有してもよい。
付加反応型のシリコーンゴムにおいて、硬化触媒は公知のものから選ぶことができる。好ましくは白金系化合物であり、具体的には白金単体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金、白金のアルコール変性錯体、白金のメチルビニルポリシロキサン錯体などを挙げることができる。これらを2種以上含有してもよい。
また、付加反応型のシリコーンゴムは、これらの成分の他に、水酸基含有オルガノポリシロキサンや加水分解性官能基含有シランもしくはこの官能基を含有するシロキサン、ゴム強度を向上させる目的でシリカなどの公知の充填剤、接着性を向上させる目的で公知のシランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤としては、アルコキシシラン類、アセトキシシラン類、ケトキシミノシラン類などが好ましく、またビニル基やアリル基がケイ素原子に直結したものが好ましい。
縮合反応型のシリコーンゴムは、少なくとも水酸基含有オルガノポリシロキサン、架橋剤および硬化触媒を原料とすることが好ましい。
水酸基含有オルガノポリシロキサンは、前記一般式(I)で表される構造を有し、主鎖末端もしくは主鎖中に水酸基を有するものである。中でも主鎖末端に水酸基を有するものが好ましい。これらを2種以上含有してもよい。
架橋剤としては、下記一般式(II)で表される、脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコール型、脱アセトン型、脱アミド型、脱ヒドロキシルアミン型などのケイ素化合物を挙げることができる。
(R4−mSiX (II)
式中、mは2〜4の整数を示し、Rは同一でも異なってもよく、炭素数1以上の置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらの組み合わされた基を示す。Xは同一でも異なってもよく、加水分解性基を示す。加水分解性基としては、アセトキシ基などのアシロキシ基、メチルエチルケトオキシム基などのケトオキシム基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基などが挙げられる。上記式において、加水分解性基の数mは3または4であることが好ましい。
縮合反応型のシリコーンゴムにおける架橋剤の添加量は、シリコーンゴムやその溶液の安定性の観点から、シリコーンゴム中0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。また、インキ反発層としたときの強度や平版印刷版における耐傷性の観点から、シリコーンゴム中20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
縮合反応型のシリコーンゴムに含まれる硬化触媒として、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸亜鉛、オクチル酸鉄などを挙げることができる。これらを2種以上含有してもよい。
インキ反発層の平均膜厚は0.5〜20μmが好ましい。インキ反発層の平均膜厚を0.5μm以上とすることで印刷版のインキ反発性や耐傷性、耐刷性が十分となり、20μm以下とすることで経済的見地から不利とならず、画像現像性、インキマイレージの低下が起こりにくい。ここで、インキ反発層の平均膜厚は、透過型電子顕微鏡による断面観察により求めることができる。より詳しくは、平版印刷版原版から超薄切片法によって試料を作製し、加速電圧100kV、直接倍率2000倍の条件で観察を行うことで膜厚を測定することができる。インキ反発層からランダムに選んだ10箇所について膜厚を計測し、その数平均値を算出することにより、平均膜厚を求めることができる。
次に、本発明の平版印刷版原版から平版印刷版を製造する方法について説明する。平版印刷版の製造方法は、(A)上記平版印刷版原版に活性光線を照射して潜像を該平版印刷版原版に形成せしめる工程(露光工程)、および、該(A)の工程後に必要に応じて、(B)露光された平版印刷版原版に物理的摩擦を加えてインキ反発層を除去する工程(現像工程)、を含む。また、必要に応じて、易熱分解層を除去する工程が含まれても良い。得られた平版印刷版は、平版印刷版原版の表面から、画像部に相当する部分のインキ反発層が除去され、また、必要に応じて易熱分解層が除去されて得られることとなる。
まず、(A)で示される潜像を形成せしめる工程(露光工程)について説明する。露光工程に用いられる光源としては、発光波長領域が300nm〜1500nmの範囲にあるものが挙げられる。これらの中でも、感熱層に用いられる赤外線吸収化合物への光線の吸収効果が高く、また、光源としての汎用性が高い点から、近赤外領域付近に発光波長領域が存在する半導体レーザーやYAGレーザーが好ましく用いられる。具体的には、熱への変換効率の観点から780nm、808nm、830nm、1064nmの波長のレーザー光が露光工程において好ましく用いられる。なお、露光によって平版印刷版原版に着色がみられることがあるが、本発明における潜像の形成の意味は、露光の作用によって、次の現像工程によって除去されるべき部分と除去されない部分を得ること、の意味である。
次に、(B)で示されるインキ反発層、必要に応じて易熱分解層、の除去工程(現像工程)について説明する。現像工程では露光後の平版印刷版原版に物理的摩擦を与えることにより、露光部のインキ反発層、必要に応じて易熱分解層、を除去する。物理的摩擦を与える方法としては、前処理液は使用せずに、水または水溶液を介在させて回転ブラシで擦る方法が好ましい。その他の物理的摩擦を与える方法としては、(i)水若しくは水溶液または他の液体を含浸した不織布、脱脂綿、布、スポンジなどで版面を拭き取る方法、(ii)水若しくは水溶液または他の液体で版面を前処理した後に水などの液体をシャワーしながら回転ブラシで擦る方法、(iii)高圧の水や温水、または水蒸気を版面に噴射する方法などが挙げられる。
現像に先立ち、必要に応じて、前処理液中に一定時間、平版印刷版原版を浸漬する前処理を行ってもよい。前処理液としては、例えば、水や、水にアルコール、ケトン、エステル、カルボン酸などの極性溶媒を添加したもの、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類などの少なくとも1種を含有する溶媒に極性溶媒を添加したもの、あるいは極性溶媒が用いられる。また、前処理液としては、例えば特許第4839987号公報に記載されるような、ポリエチレンエーテルジオールおよび1級アミノ基を2個以上有するジアミン化合物を含有する前処理液を用いることができる。前処理液の具体例としては、PP−1、PP−3、PP−F、PP−FII、PTS−1、CP−1、CP−Y、NP−1、DP−1(何れも東レ(株)製)などを挙げることができる。
現像工程で介在させる液体としては、例えば水、溶液全体の50質量%以上が水である水溶液、アルコールやパラフィン系炭化水素を使用できる。また、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールへのアルキレンオキサイド付加物などのプロピレングリコール誘導体と、水との混合物も使用できる。そのような液体の具体例としては、HP−7N、WH−3(何れも東レ(株)製)などを挙げることができる。これらには、公知の界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤としては、安全性、廃棄する際のコストなどの点から、水溶液にしたときにpHが5〜8になるものが好ましい。界面活性剤の含有量は溶液の濃度として10質量%以下であることが好ましい。これらの現像工程で介在させる液体は安全性が高く、廃棄コストなどの経済性の点でも好ましい。
また、画像部の視認性や網点の計測精度を高める目的から、前処理液または現像工程で介在させる液体にクリスタルバイオレット、ビクトリアピュアブルー、アストラゾンレッド等の染料を添加して現像と同時に画線部のインキ受容層の染色を行うこともできる。さらには、現像の後に上記の染料を添加した液によって染色することもできる。
現像工程の一部または全部は、自動現像機により自動的に行うこともできる。自動現像機としては、例えば、以下の装置が使用できる。現像部のみの装置、前処理部および現像部がこの順に設けられた装置、前処理部、現像部、後処理部がこの順に設けられた装置、前処理部、現像部、後処理部、水洗部がこの順に設けられた装置など。このような自動現像機の具体例としては、TWL−650シリーズ、TWL−860シリーズ、TWL−1160シリーズ(共に東レ(株)製)などや、特開平5−6000号公報に記載されるような版の裏面の傷発生を抑制するために受台を曲面状にへこませている自動現像機などが挙げられる。これらを組み合わせて使用してもよい。
次に本発明の平版印刷版から印刷物を製造する方法の例について示す。本発明の平版印刷版は、水あり印刷と水なし印刷のいずれにも用いることができるが、印刷物の品質の点から、湿し水を用いない水なし印刷がより好ましい。インキ反発層と易熱分解層が除去された感熱層由来の層がインキ受容層となり、それが画像部となる。インキ反発層は非画像部となる。インキ受容層とインキ反発層とはミクロンオーダーの段差があるのみでありほぼ同一平面にあるといっていい。そしてインキ付着性の差異を利用して画像部のみにインキを着肉させた後、被印刷体にインキを転写して印刷する。被印刷体とは薄紙、厚紙、フィルム、ラベルなど印刷される媒体全般を指し、特に限定されるものではない。また、インキの転写は、平版印刷版から直接被印刷体に行ってもよく、ブランケットを介して行ってもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定して解釈されるものではない。
(1)融解を経ずに熱分解する化合物についての評価
示差熱熱重量同時測定装置“TG/DTA6200”(セイコーインスツルメンツ(株)製)を用い、80mL/分の窒素雰囲気下で、30℃から500℃まで10℃/分で昇温してTG/DTA測定した。得られたTG/DTAカーブから熱分解の開始温度(開始点の判読が困難である場合は、5%の重量減少を示した温度とする)、および、融解ピーク(重量減少を伴わない吸熱ピーク)のピーク温度を判読する。融解ピークが観察されない化合物は、融解を経ずに熱分解する化合物であると判断した。一方、100℃以上の温度領域において前記の熱分解の開始温度よりも低い温度で、前記のピーク温度が観察された化合物は、融解を経ずに熱分解する化合物でないと判断した。また、前記の熱分解の開始温度を融解を経ずに熱分解する化合物の熱分解温度とした。
(2)画像再現率の評価
平版印刷版原版に対して、CTP用露光機“PlateRite 8800E”(大日本スクリーン製造(株)製)を用いて、照射エネルギー:214mJ/cm(ドラム回転数:140rpm)の条件で露光を行った。縦550mm×横650mmの平版印刷版原版の中央に、2400dpiの175lpiで1〜99%の網点を設けた。前処理液は使用せず、物理的摩擦時には水道水を介在させて、露光した原版を自動現像機“TWL−1160F”(東レ(株)製)に速度60cm/分で通し平版印刷版を製造した。なお、この現像はケミカルフリー現像といえる。得られた平版印刷版の1%、2%網点を光学顕微鏡“ECLIPSE L200N”((株)ニコン製)で観察し、再現できている割合を画像再現率とした。2%網点が50%以上であれば実用上問題なく使用できる。なお、数値は高いものほど高い性能であることを示す。
(3)耐シリコーン剥がれの評価
平版印刷版原版を、縦500mm×横100mmのサイズで準備し、インキ反発層上に、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(25℃)を200μLずつ10箇所に滴下し、それぞれ5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分後に、コットンパッドで5回擦って拭き取った。拭き取り後の平版印刷版表面を目視にて観察し、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール滴下箇所のシリコーンゴムが剥がれずに残っていた時間のうち、最長の時間を調べ、上記の時間に応じてそれぞれ1点、2点、3点、4点、5点、6点、7点、8点、9点、10点として評価した。すなわち、15分時は残っていたが20分時は剥がれていた場合は3点である。点数が高いほど耐シリコーン剥がれは良好であり、3点以上であれば実用上問題なく使用できる。
[実施例1]
平版印刷版原版を以下の方法で作製した。
厚み0.27mmのアルミ基板(ノルスク・ハイドロ製)上に下記の下地層組成物を塗布し、セーフティオーブン“SPH−200”(エスペック(株)製)で210℃で86秒間乾燥し、厚み7.4μmの下地層を設けた。なお、下地層組成物は、下記成分を室温にて撹拌混合することにより得た。
<下地層組成物>
(a)活性水素を有するポリマー:エポキシ樹脂:“エピコート”(登録商標)1010(ジャパンエポキシレジン(株)製):30.4質量部
(b)活性水素を有するポリマー:ポリウレタン:“サンプレン”(登録商標)LQ−T1331D(三洋化成工業(株)製、固形分濃度:20質量%):57.3質量部
(c)アルミキレート:アルミキレートALCH−TR(川研ファインケミカル(株)製):6.2質量部
(d)レベリング剤:“ディスパロン”(登録商標)LC951(楠本化成(株)製、固形分:10質量%):0.1質量部
(e)酸化チタン:“タイペーク”(登録商標)CR−50(石原産業(株)製)のN,N−ジメチルホルムアミド分散液(酸化チタン50質量%):6.0質量部
(f)N,N−ジメチルホルムアミド:450質量部
(g)メチルエチルケトン:150質量部
なお、上記下地層組成物の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)〜(e)の合計質量を100質量部として示した。
次いで、下記の感熱層組成物−1を前記下地層上に塗布し、140℃で80秒間加熱乾燥し、厚み1.2μmの感熱層を設けた。なお、感熱層組成物−1は、下記成分を室温にて撹拌混合することにより得た。
<感熱層組成物−1>
(a)フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂:“スミライトレジン”(登録商標)PR53195(住友ベークライト(株)製):67.1質量部
(b)ポリウレタン:“サンプレン”(登録商標)LQ−T1333(三洋化成(株)製):11.2質量部
(c)赤外線吸収化合物:“YKR2016”(山本化成(株)製):8.0質量部
(d)チタンキレート:“ナーセム”(登録商標)チタン(日本化学産業(株)製):13.7質量部
(e)テトラヒドロフラン:614質量部
(f)t−ブタノール:207質量部
(g)N,N−ジメチルホルムアミド:18質量部
(h)エタノール:61質量部
なお、上記感熱層組成物−1の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)〜(d)の合計質量を100質量部として示した。
次いで、下記の易熱分解層組成物−1を前記感熱層上に塗布し、140℃で80秒間加熱乾燥し、厚み0.05μmの易熱分解層を設けた。なお、易熱分解層組成物−1は、下記成分を室温にて撹拌混合することにより得た。
<易熱分解層組成物−1>
(a)バインダーポリマー:ポリメタクリル酸メチル((和光純薬工業(株)製、重量平均分子量:6000):95.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:フルオレセイン(熱分解温度:320℃、フルオレセイン類)(和光純薬工業(株)製):5.0質量部
(c)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−1の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)および(b)の合計質量を100質量部として示した。
次いで、塗布直前に調製した下記のインキ反発層組成物を前記感熱層上に塗布し、140℃で70秒間加熱し、平均膜厚3.0μmのインキ反発層(シリコーンゴム層)を設けることで平版印刷版原版−1を得た。なお、インキ反発層組成物は、下記成分を室温にて撹拌混合することにより得た。
<インキ反発層組成物>
(a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン:DMS−V35(重量平均分子量49,500、GELEST Inc.製):86.95質量部
(b)メチルハイドロジェンシロキサンRD−1(東レ・ダウコーニング(株)製):4.24質量部
(c)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシイミノ)シラン:2.64質量部
(d)白金触媒SRX212(東レ・ダウコーニング(株)製、白金触媒が6.0質量%):6.17質量部
(e)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製):900質量部
なおインキ反発層組成物の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)〜(d)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−1を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は55%、1%網点の再現率は0%、耐シリコーン剥がれは8点となり、良好な結果が得られた。
[実施例2]
易熱分解層組成物−1を以下の易熱分解層組成物−2に変更したこと以外は実施例1と同様にして、平版印刷版原版−2を得た。
<易熱分解層組成物−2>
(a)バインダーポリマー:ポリメタクリル酸メチル((和光純薬工業(株)製、重量平均分子量:6000):90.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:フルオレセイン(熱分解温度:320℃、フルオレセイン類)(和光純薬工業(株)製):10.0質量部
(c)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−2の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)および(b)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−2を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は75%、1%網点の再現率は0%、耐シリコーン剥がれは8点となり、良好な結果が得られた。
[実施例3]
易熱分解層組成物−1を以下の易熱分解層組成物−3に変更したこと以外は実施例1と同様にして、平版印刷版原版−3を得た。
<易熱分解層組成物−3>
(a)バインダーポリマー:ポリメタクリル酸メチル((和光純薬工業(株)製、重量平均分子量:6000):85.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:フルオレセイン(熱分解温度:320℃、フルオレセイン類)(和光純薬工業(株)製):15.0質量部
(c)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−3の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)および(b)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−3を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は90%、1%網点の再現率は0%、耐シリコーン剥がれは6点となり、良好な結果が得られた。
[実施例4]
易熱分解層組成物−1を以下の易熱分解層組成物−4に変更したこと以外は実施例1と同様にして、平版印刷版原版−4を得た。
<易熱分解層組成物−4>
(a)バインダーポリマー:ポリメタクリル酸メチル((和光純薬工業(株)製、重量平均分子量:6000):70.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:フルオレセイン(熱分解温度:320℃、フルオレセイン類)(和光純薬工業(株)製):30.0質量部
(c)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−4の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)および(b)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−4を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は100%、1%網点の再現率は5%、耐シリコーン剥がれは5点となり、良好な結果が得られた。
[実施例5]
易熱分解層組成物−1を以下の易熱分解層組成物−5に変更したこと以外は実施例1と同様にして、平版印刷版原版−5を得た。
<易熱分解層組成物−5>
(a)バインダーポリマー:ポリメタクリル酸メチル((和光純薬工業(株)製、重量平均分子量:6000):60.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:フルオレセイン(熱分解温度:320℃、フルオレセイン類)(和光純薬工業(株)製):40.0質量部
(c)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−5の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)および(b)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−5を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は100%、1%網点の再現率は15%、耐シリコーン剥がれは4点となり、良好な結果が得られた。
[実施例6]
易熱分解層組成物−1を以下の易熱分解層組成物−6に変更したこと以外は実施例1と同様にして、平版印刷版原版−6を得た。
<易熱分解層組成物−6>
(a)バインダーポリマー:ポリメタクリル酸メチル((和光純薬工業(株)製、重量平均分子量:6000):50.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:フルオレセイン(熱分解温度:320℃、フルオレセイン類)(和光純薬工業(株)製):50.0質量部
(c)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−6の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)および(b)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−6を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は100%、1%網点の再現率は25%、耐シリコーン剥がれは3点となり、良好な結果が得られた。
[実施例7]
易熱分解層組成物−1を以下の易熱分解層組成物−7に変更し、さらに易熱分解層の厚みを0.05μmから2.5μmへと変更したこと以外は実施例1と同様にして、平版印刷版原版−7を得た。
<易熱分解層組成物−7>
(a)バインダーポリマー:ポリメタクリル酸メチル((和光純薬工業(株)製、重量平均分子量:6000):75.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:フルオレセイン(熱分解温度:320℃、フルオレセイン類)(和光純薬工業(株)製):25.0質量部
(c)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−7の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)および(b)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−7を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は65%、1%網点の再現率は0%、耐シリコーン剥がれは10点となり、良好な結果が得られた。
[実施例8]
易熱分解層の厚みを2.5μmから0.1μmへと変更したこと以外は実施例7と同様にして、平版印刷版原版−8を得た。
得られた平版印刷版原版−8を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は95%、1%網点の再現率は0%、耐シリコーン剥がれは6点となり、良好な結果が得られた。
[実施例9]
易熱分解層の厚みを2.5μmから0.3μmへと変更したこと以外は実施例7と同様にして、平版印刷版原版−9を得た。
得られた平版印刷版原版−9を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は85%、1%網点の再現率は0%、耐シリコーン剥がれは7点となり、良好な結果が得られた。
[実施例10]
易熱分解層の厚みを2.5μmから0.5μmへと変更したこと以外は実施例7と同様にして、平版印刷版原版−10を得た。
得られた平版印刷版原版−10を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は80%、1%網点の再現率は0%、耐シリコーン剥がれは8点となり、良好な結果が得られた。
[実施例11]
易熱分解層の厚みを2.5μmから1.0μmへと変更したこと以外は実施例7と同様にして、平版印刷版原版−11を得た。
得られた平版印刷版原版−11を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は80%、1%網点の再現率は0%、耐シリコーン剥がれは8点となり、良好な結果が得られた。
[実施例12]
易熱分解層の厚みを2.5μmから1.5μmへと変更したこと以外は実施例7と同様にして、平版印刷版原版−12を得た。
得られた平版印刷版原版−12を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は75%、1%網点の再現率は0%、耐シリコーン剥がれは9点となり、良好な結果が得られた。
[実施例13]
易熱分解層の厚みを2.5μmから2.0μmへと変更したこと以外は実施例7と同様にして、平版印刷版原版−13を得た。
得られた平版印刷版原版−13を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は70%、1%網点の再現率は0%、耐シリコーン剥がれは9点となり、良好な結果が得られた。
[実施例14]
易熱分解層組成物−1を以下の易熱分解層組成物−8に変更し、さらに易熱分解層の厚みを0.05μmから0.5μmへと変更したこと以外は実施例1と同様にして、平版印刷版原版−14を得た。
<易熱分解層組成物−8>
(a)バインダーポリマー:メタパラクレゾールノボラック樹脂:“LF−100”(リグナイト(株)製):75.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:フルオレセイン(熱分解温度:320℃、フルオレセイン類)(和光純薬工業(株)製):25.0質量部
(c)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−8の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)および(b)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−14を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は90%、1%網点の再現率は0%、耐シリコーン剥がれは9点となり、良好な結果が得られた。
[実施例15]
易熱分解層組成物−8を以下の易熱分解層組成物−9に変更したこと以外は実施例14と同様にして、平版印刷版原版−15を得た。
<易熱分解層組成物−9>
(a)バインダーポリマー:フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂:“スミライトレジン”(登録商標)PR53195(住友ベークライト(株)製):60.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:フルオレセイン(熱分解温度:320℃、フルオレセイン類)(和光純薬工業(株)製):25.0質量部
(c)架橋剤:アルミキレート:ALCH(和光純薬工業(株)製):15.0質量部
(d)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−9の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)〜(c)のの合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−15を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は80%、1%網点の再現率は0%、耐シリコーン剥がれは10点となり、良好な結果が得られた。
[実施例16]
易熱分解層組成物−8を以下の易熱分解層組成物−10に変更したこと以外は実施例14と同様にして、平版印刷版原版−16を得た。
<易熱分解層組成物−10>
(a)バインダーポリマー:フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂:“スミライトレジン”(登録商標)PR53195(住友ベークライト(株)製):60.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:フルオレセイン(熱分解温度:320℃、フルオレセイン類)(和光純薬工業(株)製):25.0質量部
(c)架橋剤:チタンキレート:“ナーセム”(登録商標)チタン(日本化学産業(株)製):15.0質量部
(d)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−10の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)〜(c)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−16を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は80%、1%網点の再現率は0%、耐シリコーン剥がれは10点となり、良好な結果が得られた。
[実施例17]
易熱分解層組成物−8を以下の易熱分解層組成物−11に変更したこと以外は実施例14と同様にして、平版印刷版原版−17を得た。
<易熱分解層組成物−11>
(a)バインダーポリマー:フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂:“スミライトレジン”(登録商標)PR53195(住友ベークライト(株)製):60.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:フルオレセイン−5−マレイミド(熱分解温度:280℃、フルオレセイン類)(東京化成工業(株)製):25.0質量部
(c)架橋剤:チタンキレート:“ナーセム”(登録商標)チタン(日本化学産業(株)製):15.0質量部
(d)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−11の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)〜(c)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−17を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は90%、1%網点の再現率は0%、耐シリコーン剥がれは10点となり、良好な結果が得られた。
[実施例18]
易熱分解層組成物−8を以下の易熱分解層組成物−12に変更したこと以外は実施例14と同様にして、平版印刷版原版−18を得た。
<易熱分解層組成物−12>
(a)バインダーポリマー:フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂:“スミライトレジン”(登録商標)PR53195(住友ベークライト(株)製):60.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:リボフラビン(熱分解温度:282℃、ビタミン類)(和光純薬工業(株)製):25.0質量部
(c)架橋剤:チタンキレート:“ナーセム”(登録商標)チタン(日本化学産業(株)製):15.0質量部
(d)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−12の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)〜(c)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−18を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は100%、1%網点の再現率は0%、耐シリコーン剥がれは10点となり、良好な結果が得られた。
[実施例19]
易熱分解層組成物−8を以下の易熱分解層組成物−13に変更したこと以外は実施例14と同様にして、平版印刷版原版−19を得た。
<易熱分解層組成物−13>
(a)バインダーポリマー:フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂:“スミライトレジン”(登録商標)PR53195(住友ベークライト(株)製):60.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:ニトロセルロース“DLX5/8”(熱分解温度:200℃、セルロース誘導体)(ノーベルエンタープライズ社製):25.0質量部
(c)架橋剤:チタンキレート:“ナーセム”(登録商標)チタン(日本化学産業(株)製):15.0質量部
(d)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−13の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)〜(c)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−19を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は100%、1%網点の再現率は20%、耐シリコーン剥がれは10点となり、良好な結果が得られた。
[実施例20]
易熱分解層組成物−8を以下の易熱分解層組成物−14に変更したこと以外は実施例14と同様にして、平版印刷版原版−20を得た。
<易熱分解層組成物−14>
(a)バインダーポリマー:フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂:“スミライトレジン”(登録商標)PR53195(住友ベークライト(株)製):60.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:L(+)−アスコルビン酸(熱分解温度:190℃、ビタミン類)(和光純薬工業(株)製):25.0質量部
(c)架橋剤:チタンキレート:“ナーセム”(登録商標)チタン(日本化学産業(株)製):15.0質量部
(d)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−14の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)〜(c)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−20を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は100%、1%網点の再現率は20%、耐シリコーン剥がれは10点となり、良好な結果が得られた。
[実施例21]
感熱層組成物−1を以下の感熱層組成物−2に変更したこと以外は実施例20と同様にして、平版印刷版原版−21を得た。
<感熱層組成物−2>
(a)フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂:“スミライトレジン”(登録商標)PR53195(住友ベークライト(株)製):65.6質量部
(b)ポリウレタン:“サンプレン”(登録商標)LQ−T1333(三洋化成(株)製):11.0質量部
(c)赤外線吸収化合物:“YKR2016”(山本化成(株)製):10.0質量部
(d)チタンキレート:“ナーセム”(登録商標)チタン(日本化学産業(株)製):13.4質量部
(e)テトラヒドロフラン:614質量部
(f)t−ブタノール:207質量部
(g)N,N−ジメチルホルムアミド:18質量部
(h)エタノール:61質量部
なお、上記感熱層組成物−2の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)〜(d)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−21を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は100%、1%網点の再現率は30%、耐シリコーン剥がれは10点となり、非常に良好な結果が得られた。
[実施例22]
感熱層組成物−1を以下の感熱層組成物−3に変更したこと以外は実施例20と同様にして、平版印刷版原版−22を得た。
<感熱層組成物−3>
(a)フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂:“スミライトレジン”(登録商標)PR53195(住友ベークライト(株)製):64.1質量部
(b)ポリウレタン:“サンプレン”(登録商標)LQ−T1333(三洋化成(株)製):10.8質量部
(c)赤外線吸収化合物:“YKR2016”(山本化成(株)製):12.0質量部
(d)チタンキレート:“ナーセム”(登録商標)チタン(日本化学産業(株)製):13.1質量部
(e)テトラヒドロフラン:614質量部
(f)t−ブタノール:207質量部
(g)N,N−ジメチルホルムアミド:18質量部
(h)エタノール:61質量部
なお、上記感熱層組成物−3の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)〜(d)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−22を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は100%、1%網点の再現率は35%、耐シリコーン剥がれは9点となり、非常に良好な結果が得られた。
[実施例23]
感熱層組成物−1を以下の感熱層組成物−4に変更したこと以外は実施例20と同様にして、平版印刷版原版−23を得た。
<感熱層組成物−4>
(a)フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂:“スミライトレジン”(登録商標)PR53195(住友ベークライト(株)製):58.3質量部
(b)ポリウレタン:“サンプレン”(登録商標)LQ−T1333(三洋化成(株)製):9.8質量部
(c)赤外線吸収化合物:“YKR2016”(山本化成(株)製):20.0質量部
(d)チタンキレート:“ナーセム”(登録商標)チタン(日本化学産業(株)製):11.9質量部
(e)テトラヒドロフラン:614質量部
(f)t−ブタノール:207質量部
(g)N,N−ジメチルホルムアミド:18質量部
(h)エタノール:61質量部
なお、上記感熱層組成物−4の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)〜(d)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−23を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は100%、1%網点の再現率は50%、耐シリコーン剥がれは8点となり、非常に良好な結果が得られた。
[実施例24]
感熱層組成物−1を以下の感熱層組成物−5に変更したこと以外は実施例20と同様にして、平版印刷版原版−24を得た。
<感熱層組成物−5>
(a)フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂:“スミライトレジン”(登録商標)PR53195(住友ベークライト(株)製):51.0質量部
(b)ポリウレタン:“サンプレン”(登録商標)LQ−T1333(三洋化成(株)製):8.6質量部
(c)赤外線吸収化合物:“YKR2016”(山本化成(株)製):30.0質量部
(d)チタンキレート:“ナーセム”(登録商標)チタン(日本化学産業(株)製):10.4質量部
(e)テトラヒドロフラン:614質量部
(f)t−ブタノール:207質量部
(g)N,N−ジメチルホルムアミド:18質量部
(h)エタノール:61質量部
なお、上記感熱層組成物−5の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)〜(d)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−24を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は100%、1%網点の再現率は60%、耐シリコーン剥がれは7点となり、良好な結果が得られた。
[実施例25]
感熱層組成物−1を以下の感熱層組成物−6に変更したこと以外は実施例20と同様にして、平版印刷版原版−25を得た。
<感熱層組成物−6>
(a)フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂:“スミライトレジン”(登録商標)PR53195(住友ベークライト(株)製):61.9質量部
(b)ポリウレタン:“サンプレン”(登録商標)LQ−T1333(三洋化成(株)製):10.5質量部
(c)赤外線吸収化合物:“YKR2016”(山本化成(株)製):15.0質量部
(d)チタンキレート:“ナーセム”(登録商標)チタン(日本化学産業(株)製):12.6質量部
(e)テトラヒドロフラン:614質量部
(f)t−ブタノール:207質量部
(g)N,N−ジメチルホルムアミド:18質量部
(h)エタノール:61質量部
なお、上記感熱層組成物−6の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)〜(d)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−25を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は100%、1%網点の再現率は40%、耐シリコーン剥がれは9点となり、非常に良好な結果が得られた。
[実施例26]
易熱分解層組成物−14を以下の易熱分解層組成物−15に変更したこと以外は実施例25と同様にして、平版印刷版原版−26を得た。
<易熱分解層組成物−15>
(a)バインダーポリマー:フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂:“スミライトレジン”(登録商標)PR53195(住友ベークライト(株)製):68.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:L(+)−アスコルビン酸(熱分解温度:190℃、ビタミン類)(和光純薬工業(株)製):15.0質量部
(c)架橋剤:チタンキレート:“ナーセム”(登録商標)チタン(日本化学産業(株)製):17.0質量部
(d)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−15の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)〜(c)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−26を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は100%、1%網点の再現率は30%、耐シリコーン剥がれは10点となり、非常に良好な結果が得られた。
[実施例27]
易熱分解層組成物−14を以下の易熱分解層組成物−16に変更したこと以外は実施例25と同様にして、平版印刷版原版−27を得た。
<易熱分解層組成物−16>
(a)バインダーポリマー:フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂:“スミライトレジン”(登録商標)PR53195(住友ベークライト(株)製):56.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:L(+)−アスコルビン酸(熱分解温度:190℃、ビタミン類)(和光純薬工業(株)製):30.0質量部
(c)架橋剤:チタンキレート:“ナーセム”(登録商標)チタン(日本化学産業(株)製):14.0質量部
(d)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−16の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)〜(c)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−27を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は100%、1%網点の再現率は45%、耐シリコーン剥がれは9点となり、非常に良好な結果が得られた。
[実施例28]
易熱分解層の厚みを0.5μmから1.0μmへと変更したこと以外は実施例25と同様にして、平版印刷版原版−28を得た。
得られた平版印刷版原版−28を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は100%、1%網点の再現率は40%、耐シリコーン剥がれは9点となり、非常に良好な結果が得られた。
[比較例1]
易熱分解層組成物−1を以下の易熱分解層組成物−17に変更したこと以外は実施例1と同様にして、平版印刷版原版−29を得た。
<易熱分解層組成物−17>
(a)バインダーポリマー:ポリメタクリル酸メチル((和光純薬工業(株)製、重量平均分子量:6000):100質量部
(b)テトラヒドロフラン:900質量部
得られた平版印刷版原版−29を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は10%、1%網点の再現率は0%、耐シリコーン剥がれは9点となり、画像再現性の点から実用不可の結果となった。
[比較例2]
易熱分解層組成物−1を以下の易熱分解層組成物−18に変更したこと以外は実施例1と同様にして、平版印刷版原版−30を得た。
<易熱分解層組成物−18>
(a)バインダーポリマー:ポリメタクリル酸メチル((和光純薬工業(株)製、重量平均分子量:6000):45.0質量部
(b)融解を経ずに熱分解する化合物:フルオレセイン(熱分解温度:320℃、フルオレセイン類)(和光純薬工業(株)製):55.0質量部
(c)テトラヒドロフラン:900質量部
なお、上記易熱分解層組成物−18の各成分の配合量(質量部)は、成分(a)および(b)の合計質量を100質量部として示した。
得られた平版印刷版原版−30を前記方法で評価したところ、2%網点の再現率は100%、1%網点の再現率は35%、耐シリコーン剥がれは2点となり、耐シリコーン剥がれの点から実用不可の結果となった。
以上の評価結果をまとめたものを表1に示す。
Figure 2020026065

Claims (11)

  1. 基板上に少なくとも
    赤外線吸収化合物を含有する感熱層と、
    赤外線吸収化合物を含有せず、かつ融解を経ずに熱分解する化合物を含有する層(係る層を易熱分解層と称する)と、インキ反発層とを、
    この順に有し、かつ、前記融解を経ずに熱分解する化合物が含まれる易熱分解層の質量を100質量%としたとき該融解を経ずに熱分解する化合物が該易熱分解層中に5〜50質量%含まれていることを特徴とする平版印刷版原版。
  2. 前記易熱分解層の膜厚が0.1〜2.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版原版。
  3. 活性水素を有するポリマーが前記易熱分解層に含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の平版印刷版原版。
  4. 多官能化合物または有機錯化合物が前記易熱分解層に含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の平版印刷版原版。
  5. 前記融解を経ずに熱分解する化合物の熱分解温度が150℃〜300℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の平版印刷版原版。
  6. 前記融解を経ずに熱分解する化合物が、ビタミン類およびセルロース誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の平版印刷版原版。
  7. 前記赤外線吸収化合物が含まれる感熱層の質量を100質量%としたとき該赤外線吸収化合物が該感熱層中に10〜30質量%含まれていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の平版印刷版原版。
  8. (A)請求項1〜7のいずれかに記載の平版印刷版原版に活性光線を照射して潜像を該平版印刷版原版に形成せしめる工程、および、(A)の工程後に必要に応じて、(B)露光された平版印刷原版に物理的摩擦を加えてインキ反発層を除去する工程、を含む平版印刷版の製造方法。
  9. 前記(B)露光された平版印刷版原版に物理的摩擦を加えてインキ反発層を除去する工程において、液体を介在させて物理的摩擦を加えることを特徴とする請求項8に記載の平版印刷版の製造方法。
  10. 前記液体が水または水溶液であることを特徴とする請求項9に記載の平版印刷版の製造方法。
  11. 請求項8〜10のいずれかに記載の平版印刷版の製造方法で得られた平版印刷版表面にインキを付着させる工程と、前記インキを直接またはブランケットを介して被印刷体に転写する工程とを含む印刷物の製造方法。
JP2018151368A 2018-08-10 2018-08-10 平版印刷版原版、およびそれを用いた平版印刷版の製造方法、印刷物の製造方法 Pending JP2020026065A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH02179790A (ja) * 1988-12-29 1990-07-12 Sony Corp 光記録媒体
JP2011516919A (ja) * 2008-04-02 2011-05-26 イーストマン コダック カンパニー 水なし印刷に有用な画像形成性要素
US20120291643A1 (en) * 2011-05-17 2012-11-22 Sonia Rondon Ablation-type lithographic printing members having improved exposure sensitivity and related methods

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