JP2007147819A - 水なし平版印刷版原版 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐傷性、特に印刷版の擦過傷に対する耐性に優れた水なし平版印刷版原版を提供すること。
【解決手段】基板上に、少なくとも感光層もしくは感熱層と、シリコーンゴム層とをこの順に有する水なし平版印刷版原版であって、該シリコーンゴム層の初期弾性率が0.39MPa以下であることを特徴とする水なし平版印刷版原版。
【選択図】なし

Description

本発明は、水なし平版印刷版原版に関するものである。
従来から、シリコーンゴム層をインキ反発層として使用し、湿し水を用いずに平版印刷を行うための印刷版が種々提案されている。例えば、ポジ型感光性平版印刷版としては、基板上に光重合性接着層とシリコ−ンゴム層とが積層された水なし平版印刷版(例えば、特許文献1、2参照)や、基板上に光二量化型感光層とシリコ−ンゴム層とが積層された水なし平版印刷版(例えば、特許文献3、4参照)などが提案されている。また、ネガ型感光性平版印刷版としては支持体上にオルトキノンジアジド化合物を含む感光層とその上に接着層を介してシリコ−ンゴム層を設けた水なし平版印刷版(例えば、特許文献5、6参照)や、光剥離性感光層上にシリコ−ンゴム層を設けた水なし平版印刷版(例えば、特許文献7参照)などが提案されており、実用上優れた性能を有するものとして知られている。
また、最近では、プリプレスシステムやイメージセッター、レーザープリンターなどの出力システムの急激な進歩に伴い、製版用フィルムを使用しないで、原稿から直接オフセット印刷版を作製することが可能な各種直描型平版印刷版が開発されている。
これらの直描型平版印刷版を製版方法から分類すると、レーザー光を照射する方法、サーマルヘッドで書き込む方法、ピン電極で電圧を部分的に印加する方法、インクジェットでシリコーンゴム層またはインキ着肉層を形成する方法などが挙げられる。なかでも、レーザー光を用いる方法は解像度、および製版速度の面で他の方式よりも優れており、その種類も多い。
このレーザー光を用いる印刷版はさらに、光反応によるフォトンモードと、光熱変換を行って熱反応を起こさせるヒートモードの2つのタイプに分けられる。特にヒートモードの方式は、明室で取り扱えるといった利点がある。また光源となる半導体レーザーの急激な進歩によって、最近その有用性が見直されてきている。
ヒートモード方式の直描型水なし平版印刷版としては、これまで以下のような提案がなされている。
例えば、レーザー光を光源として用いる、熱破壊方式の直描型水なし平版印刷版(例えば、特許文献8、9参照)が開示されている。この印刷版原版の感熱層は、レーザー光吸収化合物として主としてカーボンブラックを用い、熱分解化合物としてニトロセルロースを使用している。そしてこのカーボンブラックがレーザー光を吸収することによって熱エネルギーに変換され、その熱で感熱層が破壊される。そして最終的に、現像によってこの部分を除去することによって、表面のシリコーンゴム層が同時に剥離され、画線部となる。しかしながらこの熱破壊方式の印刷版は、感熱層を破壊して画像を形成することから画線部のセルの深さが深くなり、微小網点でのインキ着肉性が悪く、また、インキマイレージが悪いという問題点があった。さらに、感熱層を熱破壊させ易くするために、架橋構造を形成しており、印刷版の耐刷性が悪いという問題もあった。さらに、この印刷版は感度が低く、感熱層を破壊させるために高いレーザー光の強度が必要という問題点もあった。
このような問題を改良する方法として、基板上に、感熱層およびシリコーンゴム層を有し、レーザー光を熱に変換することにより感熱層とシリコーンゴム層との密着性が低下することによって画像が形成できる直描型水なし平版印刷原版や、基板と感熱層の間に断熱層を設ける方法が開示されている(例えば、特許文献10、11参照)。
これらの従来公知の感光性ネガ型、ポジ型及び直描型の水なし平版印刷版は、以下に示す課題を有している。取り扱い時に非画線部であるシリコーンゴム層に傷が入りやすく、印刷時にこの部分にインキが着肉して非画線部が汚れてしまうことである。直描型の水なし平版では耐傷性を改良する方法として、様々なシリコーンゴム層の検討が行われてきた。例えば、シリコーンゴム層を形成するポリシロキサンとして特定の分子量を有するものを用いる方法、またシリコーンレジンを使用する方法等が開示されている(例えば、特許文献12〜14参照)。しかし、これらの検討では耐傷性に対して一部改良効果は見られるものの、実用上未だ不十分であった。
特公昭54−26923号公報(第2−5頁) 特公昭56−23150号公報(第3−6頁) 特公平3−56622号公報(第2−8頁) 特開昭61−153655号公報(第3−5頁) 特公昭61−616号公報(第1−5頁) 特公昭61−54218号公報(第2−7頁) 特公昭61−54222号公報(第2−6頁) 特開平6−55723号公報(第2−4頁) 特開平7−164773号公報(第4−5頁) 特開2000−330266号公報(第3−8頁) 特開平11−268436号公報(第3−15頁) 特開平9−239943号公報(第2−3頁) 特開2002−258468号公報(第3−6頁) 特開2002−311573号公報(第2−6頁)
本発明は、耐傷性、特に印刷版の擦過傷に対する耐性に優れた水なし平版印刷版原版を提供することを目的とする。
本発明の水なし平版印刷版原版は、上記課題を解決するために次の特徴を有する。すなわち、「基板上に、少なくとも感光層もしくは感熱層と、シリコーンゴム層とをこの順に有する水なし平版印刷版原版であって、該シリコーンゴム層の初期弾性率が0.39MPa以下であることを特徴とする水なし平版印刷版原版。」である。
本発明によれば、耐傷性、特に印刷版の擦過傷に対する耐性に優れた水なし平版印刷版原版が得られる。
以下に本発明を詳しく説明する。本発明の水なし平版印刷版原版は、基板上に、少なくとも感光層もしくは感熱層と、シリコーンゴム層とを有する。本発明の最大の特徴は、初期弾性率が0.39MPa以下のシリコーンゴム層を有することである。
本発明者らは取り扱い時に発生する傷について解析を進めた結果、(i)版を洗浄する際の傷(洗浄傷)、(ii)擦過による傷(擦過傷)の2つに分類できることを見いだした。特に擦過による傷に関しては従来公知の評価方法では評価できないため、マジックテープ(登録商標)(ポリエステル製、Aフック、縫製用)(クラレ(株)製)と学振型染色物摩擦堅牢度試験器((株)大栄化学精機製作所製)を用いた新たな評価方法を確立し、擦過傷に対する耐性に優れる水なし平版印刷版原版の検討を行った。
詳細な検討を進めた結果、擦過傷に対する耐性は水なし平版印刷版原版のシリコーンゴム層の初期弾性率に相関があることを見出した。すなわち、シリコーンゴム層の初期弾性率を0.39MPa以下にすることで、擦過傷に対する耐性が優れる水なし平版印刷版原版が得られることを発見した。
ここで、初期弾性率の測定方法について説明する。シリコーンゴム層の初期弾性率は、JIS K7113にしたがって測定することができる。例えば、テフロン(登録商標)シャーレ上にシリコーンゴム層溶液を塗布し、乾燥した後、テフロン(登録商標)シャーレよりシートを剥がし、得られた約300μmの厚さのシートから4号ダンベルでテストピースを作製し、テンシロンで引張速度20cm/分で、JIS K7113にしたがって初期弾性率を測定すればよい。あるいは水なし平版印刷板原版からシリコーンゴム層を剥がし、上述の条件で初期弾性率及び破断伸度を測定することも可能である。本発明において初期弾性率とは、温度23℃、湿度60%の雰囲気下、上記方法でJIS K7113に従って測定した値を言う。また、上記方法により膜自体の弾性率を測定することが困難な場合には、水なし平版印刷版原版のシリコーンゴム層から初期弾性率を測定することもできる。例えば、Nano Indenter XP(MTSシステムズ(株)社製)による測定を行えば、薄膜や微細部の弾性率・硬さ等の特性評価が可能である。また、精密切削機サイカス装置(SAICAS)(ダイプラ・ウィンテス(株)社製)を用いてシリコーンゴム層を切削することでも同様の特性評価が可能である。
本発明に使用するシリコーンゴム層の初期弾性率は0.39MPa以下であることが重要である。0.39MPaを超えると、印刷版の取り扱い時に擦過傷が入りやすくなる。好ましくは0.25〜0.35MPaである。0.25MPa以上であれば、画像再現性が良好となる。
また、本発明に使用するシリコーンゴム層の破断伸度は、500〜700%が好ましい。破断伸度が500%以上であれば、洗浄傷に対する耐性が向上し、700%以下であれば、画像再現性が良好となる。本発明範囲内の初期弾性率及び破断伸度は、シリコーンゴム層を緻密な架橋構造にすることで達成され、ポリシロキサンと架橋剤、場合によっては触媒の組合せによって実現が可能である。以下に本発明の水なし平版印刷版原版に好ましく用いられるシリコーンゴム層について説明する。
本発明において、シリコーンゴム層は付加反応型のもの、縮合反応型、活性光線反応型のものいずれでも用いることが可能であるが、所定の初期弾性率を得るためには、例えば次に例示するようなシリコーンゴム層を用いることが好ましい。1つ目は、縮合反応型のシリコーンゴム層で、重量平均分子量が20万以上の水酸基含有ポリシロキサンを含有するもの、もしくは、分子量分布において分子量40万以上の領域と9万〜18万の領域に各々極大を有する水酸基含有ポリシロキサンを含有するものである。2つ目は、付加反応型のシリコーンゴム層で、重量平均分子量が15万以上のビニル基含有ポリシロキサンと重量平均分子量が20万以上の水酸基含有ポリシロキサンを含有するものである。以下に詳細に説明する。
縮合反応型のシリコーンゴム層を構成する成分としては、水酸基含有ポリシロキサン、架橋剤(脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコール型、脱アミン型、脱アセトン型、脱アミド型、脱アミノキシ型など)、および硬化触媒が挙げられる。ここで、水酸基含有ポリシロキサンは、下記一般式(I)で表される構造を有し、かつ、分子末端および/または主鎖中に水酸基を有するものである。
Figure 2007147819
式中、nは2以上の整数を示し、RおよびRは炭素数1〜50の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素数2〜50の置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素数4〜50の置換あるいは非置換のアリール基からなる群から選ばれる少なくとも1種を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。上記一般式(I)において、R、Rの合計の50%以上がメチル基であることが、印刷版のインキ反発性の面で好ましい。
また、印刷版の擦過傷に対する耐性、印刷版の洗浄傷に対する耐性、耐刷性の観点から、重量平均分子量が20万以上の水酸基含有ポリシロキサンを含有するシリコーンゴム層、もしくは、分子量分布において分子量40万以上の領域と9万〜18万の領域に各々極大を有する水酸基含有ポリシロキサンを含有するシリコーン層が好ましい。後者のシリコーンゴム層は、重量平均分子量40万以上の水酸基含有ポリシロキサンと、重量平均分子量9万〜18万の水酸基含有ポリシロキサンを併用することによって得ることができる。なお、分子量分布はポリスチレン換算のGPC測定により得ることができる。
水酸基含有ポリシロキサンの含有量は、全シリコーンゴム層組成中の60〜99.89重量%であることが好ましく、さらに好ましくは70〜99重量%である。
架橋剤は、下記一般式(II)で表され、脱酢酸型としてアセトキシシラン類、脱アルコール型としてアルコキシシラン類、アリロキシシラン類、脱オキシム型としてケトキシミンシラン類、脱アミド型としてアミドシラン類、脱アミノ型としてアミノシラン類などを挙げることができる。
(R4−kSiX (II)
式中、kは2〜4の整数を示し、Rは炭素数1以上の置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらの組み合わされた基を示す。Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシミン基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニルオキシ基からなる群から選ばれる基を示す。上記式において、加水分解性基の数kは3または4であることが好ましい。
一般式(II)で表される具体的な化合物としては、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリスイソプロペノキシシラン、ビニルメチルビス(メチルエチルケトキシミン)シラン、メチルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン、ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン、テトラ(メチルエチルケトキシミン)シラン、ジイソプロペノキシジメチルシラン、トリイソプロペノキシメチルシラン、テトラアリロキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中では、インキ反発層の硬化速度、取扱い性などの観点から、アセトキシシラン類、ケトキシミンシラン類が好ましい。また、これらの架橋剤を2種以上混合しても良い。
一般式(II)で表される架橋剤の含有量は、シリコーンゴム層組成中の0.1〜20重量%であることが好ましく、さらに好ましくは3〜10重量%である。水酸基含有ポリシロキサンとの量比ということで言えば、官能基X/水酸基含有ポリシロキサンの水酸基のモル比が1.5〜10.0であることが好ましい。このモル比が1.5以上であれば、良好な硬化性が得られ、10.0以下の場合には印刷版の擦過傷に対する耐性、印刷版の洗浄傷に対する耐性が良好となる。
硬化触媒としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸などの有機カルボン酸、トルエンスルホン酸、ホウ酸等の酸類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ、アミン、およびチタンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどの金属アルコキシド、鉄アセチルアセトナート、チタンアセチルアセトナートジプロポキシドなどの金属ジケテネート、金属の有機酸塩などを挙げることができる。これらの中では、金属の有機酸塩が好ましく、特に、錫、鉛、亜鉛、鉄、コバルト、カルシウム、マンガンから選ばれる金属の有機酸塩であることが好ましい。このような化合物の具体例の一部としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸亜鉛、オクチル酸鉄などを挙げることができる。このような硬化触媒の含有量は、シリコーンゴム組成中の好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。硬化触媒量が0.01重量%以上である場合には十分なシリコーンゴム層の硬化が得られ、20重量%以下であればシリコーンゴム層溶液のポットライフに悪影響を及ぼさない。
また、シリコーンゴム層には、ゴム物性を向上させる目的でシリカ、シリコーンレジン界面活性剤、滑り剤、シリコーンオイルなどの公知の添加剤、接着性を向上させる目的で公知のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などを含有してもよい。
重量平均分子量が15万以上のビニル基含有ポリシロキサンと重量平均分子量が40万以上の水酸基含有ポリシロキサンを含有する付加反応型シリコーンゴム層を構成する成分は、重量平均分子量が15万以上のビニル基含有ポリシロキサン、SiH基含有ポリシロキサン、重量平均分子量が40万以上の水酸基含有ポリシロキサン、硬化触媒である。さらには硬化速度を調整する目的で反応抑制剤を含有することが可能である。
ビニル基含有ポリシロキサンは、下記一般式(I)で表される構造を有し、かつ、分子末端および/もしくは主鎖中にビニル基を有するものである。
Figure 2007147819
式中、nは2以上の整数を示し、RおよびRは炭素数1〜50の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素数2〜50の置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素数4〜50の置換あるいは非置換のアリール基からなる群から選ばれる少なくとも1種を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。上記式中のR、Rの合計の50%以上がメチル基であることが、印刷版のインキ反発性の面で好ましい。
また、ビニル基含有ポリシロキサンは、その取扱い性や得られる印刷版のインキ反発性、擦過傷に対する耐性、印刷版の洗浄傷に対する耐性などの観点から重量平均分子量が15万以上のものが好ましい。ビニル基含有ポリシロキサンの含有量としては、シリコーンゴム層組成中の5〜95重量%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜90重量%である。
SiH基含有ポリシロキサンとしては、分子鎖中または末端にSiH基を有する、例えば下記一般式(III)〜(VI)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2007147819
上記一般式(III)〜(VI)中、nは2以上の整数、mは1以上の整数を示す。
SiH基含有ポリシロキサン中におけるSiH基の量は、2個以上、さらには3個以上であることが好ましい。SiH基含有ポリシロキサンの含有量は、シリコーンゴム層組成中の0.1〜20重量%であることが好ましく、さらに好ましくは1〜15重量%である。ビニル基含有ポリシロキサンとの量比ということで言えば、SiH基/ビニル基含有ポリシロキサンのビニル基のモル比が1.5〜30であることが好ましく、さらに好ましくは10〜20である。このモル比が1.5以上であれば、良好な硬化性が得られ、30以下の場合には印刷版の擦過傷に対する耐性、印刷版の洗浄傷に対する耐性が良好となる。
硬化触媒としては、例えば、VIII族遷移金属化合物が用いられるが、好ましくは、白金化合物である。具体的には、白金単体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金、白金のアルコール変性錯体、白金のメチルビニルポリシロキサン錯体などを一例として挙げることができる。このような硬化触媒の量は、シリコーンゴム層中に固形分として好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%であることが好ましい。0.01〜20重量%であれば、良好な硬化性が得られ、印刷版としての擦過傷に対する耐性、印刷版の洗浄傷に対する耐性が良好となる。全シリコーンゴム層組成物中における白金などの金属の量で言えば、好ましくは10〜1000ppm、より好ましくは100〜500ppmであることが好ましい。
水酸基含有ポリシロキサンは、下記一般式(I)で表される構造を有し、かつ、分子末端および/または主鎖中に水酸基を有するものである。
Figure 2007147819
式中、nは2以上の整数を示し、RおよびRは炭素数1〜50の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素数2〜50の置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素数4〜50の置換あるいは非置換のアリール基からなる群から選ばれる少なくとも1種を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。上記一般式(I)において、R、Rの合計の50%以上がメチル基であることが、印刷版のインキ反発性の面で好ましい。
また、印刷版の擦過傷に対する耐性、印刷版の洗浄傷に対する耐性の観点から、重量平均分子量が40万以上のものが好ましい。水酸基含有ポリシロキサンの含有量としては、全シリコーンゴム層組成中の5〜95重量%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜90重量%である。
反応抑制剤としては、含窒素化合物、リン系化合物、不飽和アルコールなどが挙げられるが、アセチレン基含有のアルコールなどが好ましく用いられる。反応抑制剤の好ましい含有量は、全シリコーンゴム層中の0.01〜10重量%、さらには0.1〜5重量%である。
また、シリコーンゴム層には上記した化合物の他に、水酸基含有オルガノポリシロキサンや加水分解性官能基含有シランもしくはシロキサン、ゴム強度を向上させる目的でシリカなどの公知の充填剤、接着性を向上させる目的で公知のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などを含有してもよい。シランカップリング剤としては、アルコキシシラン類、アセトキシシラン類、ケトキシミンシラン類等が好ましく、特にビニル基を有するものや、ケトキシミンシラン類が好ましい。
また、本発明において所定の破断伸度を得るためには、シリコーンゴム層は付加反応型のもの、縮合反応型、活性光線反応型のものいずれでも用いることが可能である。破断伸度を500〜700%とするために付加反応型、縮合反応型、活性光線反応型のシリコーンゴム層において、用いられるポリシロキサンの重量平均分子量が15万以上40万未満であることが好ましく、もしくは、ポリスチレン換算のGPC測定から得られるポリシロキサンの分子量分布が30万以上の領域と7万5千〜20万の領域に各々極大を持つシリコーンゴム層を用いることが好ましい。
本発明に用いられる基板としては、寸法的に安定な板状物が好ましく用いられる。寸法的に安定な板状物としては、従来印刷版の基板として使用されたものが含まれる。かかる基板としては、紙、ステンレス、アルミニウムなどのような金属板、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのようなプラスチックフィルム、アルミニウムなどの金属がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルムなどが好ましく使用される。これらの基板のうち、アルミニウム板は寸法安定性に優れており、しかも安価であるので特に好ましい。
本発明に用いられる感光層、感熱層について説明する。
まず、感光層について説明する。本発明に用いられる感光層としては、露光の前後で現像液に対する溶解性に変化を生じるものであればいかなるものであっても良い。具体的にはエチレン性不飽和化合物、ジアゾ化合物、キノンジアジド化合物、アジド化合物、o−ニトロベンジルカルビノールエステル化合物等を有する層が挙げられる。これらの化合物の光硬化反応を利用することにより感光性ポジ型水なし平版印刷版原版が、光分解反応を利用することにより感光性ネガ型水なし平版印刷版原版が得られる。本発明の水なし平版印刷版原版の感光層としては、従来から水なし平版印刷版原版の感光層として提案されているものであれば、特に好ましく用いることができる。
代表的な感光性ポジ型水なし平版印刷版原版としては、特公昭54−26923号公報、特公昭56−23150号公報などに提案された基板上に光重合性接着層とシリコーンゴム層とが積層された水なし平版印刷版原版、また特公平3−56622号公報、特開昭61−153655号公報などに提案された基板上に光二量化型感光層とシリコーンゴム層とが積層された水なし平版印刷版原版、あるいは特公昭61−54222号公報などに提案された光剥離性感光層上にシリコーンゴム層を設けた水なし平版印刷版原版、特開平7−281424号公報などに提案された、ジアミン誘導体を用いた感光層上にシリコーンゴム層を設けた水なし平版印刷版原版などが挙げられる。
また、代表的な感光性ネガ型水なし平版印刷版原版としては、特公昭61−616号公報、特公昭61−54218号公報などに支持体上にキノンジアジド化合物を含む感光層とその上に接着層を介してシリコーンゴム層を設けた水なし平版印刷版が提案されている。
本発明の水なし平版印刷版原版に用いられる感光層としては、感光性ポジ型水なし平版印刷版原版は特に特開平7−281424号公報に記載された感光層、感光性ネガ型水なし平版印刷版原版は特公昭61−54218号公報に記載された感光層を好ましく用いることができる。
また、感光層の厚さは、被覆層にして0.1〜10g/mであることが好ましく、より好ましくは0.5〜7g/mである。膜厚が0.1g/m以上であれば充分な耐刷性が得られ、10g/m以下であれば、希釈溶剤の揮散に対する問題も生じないため生産性に優れた印刷版が得られる。
次に感熱層について説明する。本発明に用いられる感熱層とは、描き込みに使用されるレーザー光に感応する層であり、レーザー光を熱に変換(光熱変換)する機能を有する。感熱層にはアブレーション型と光熱剥離型があるが、アブレーション型はレーザー照射によってゴミが生じ、版上に飛び散ったゴミの処理が必要となることから、本発明においては光熱剥離型の感熱層が好ましい。
光熱剥離型の感熱層は特開平11−221977公報、特開2002−72262公報などに開示されており、好ましく用いることができる。
本発明に用いられる光熱剥離型の感熱層は、少なくとも(A)光熱変換物質および(B)金属含有有機化合物を含む。さらに、活性水素基含有化合物やバインダー樹脂を含んでもよく、(C)ノボラック樹脂および(D)ポリウレタン樹脂を含むことが好ましい。
かかる直描型水なし平版印刷版原版からは、ネガ型の印刷版が得られる。すなわち、レーザー光照射部の感熱層とシリコーンゴム層間の接着力が低下し、その後の現像処理によって、レーザー光を照射した部分のシリコーンゴム層が除去される。その詳細なメカニズムは未解明であるが、おそらく原版作製時に(B)金属含有有機化合物と(C)ノボラック樹脂との反応により形成された架橋構造が、レーザー照射により(A)光熱変換物質の作用によって生じた熱で一部分解したものと考えられる。その結果、シリコーンゴム層と感熱層の界面の耐溶剤性が低下し、現像処理によりレーザー照射部のシリコーンゴム層が除去されるものと考えられる。現像によって除去されるのは、シリコーンゴム層だけでも、シリコーンゴム層と感熱層の双方であっても良いが、感熱層は残存した方がインキマイレージが良好になるため好ましい。以下、各成分について説明する。
(A)光熱変換物質
光熱変換物質としてはレーザー光を吸収するものであれば特に限定されるものではなく、例えばカーボンブラック、アニリンブラック、シアニンブラックなどの黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニン系の緑色顔料、カーボングラファイト、鉄粉、ジアミン系金属錯体、ジチオール系金属錯体、フェノールチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、結晶水含有無機化合物、硫酸銅、硫化クロム、珪酸塩化合物や、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化タングステンなどの金属酸化物、更にはこれらの金属の水酸化物、硫酸塩が挙げられる。また、ビスマス、鉄、マグネシウム、アルミニウムの金属粉などの添加剤も好ましく用いられる。これらのなかでも、光熱変換率、経済性および取り扱い性の面から、カーボンブラックが好ましい。
また上記の物質以外に、赤外線または近赤外線を吸収する染料も、光熱変換物質として好ましく使用される。これら染料としては400nm〜1200nmの範囲に極大吸収波長を有する全ての染料が使用できるが、好ましい染料としては、エレクトロニクス用や記録用の染料で、最大吸収波長が700nm〜900nmの範囲にある、シアニン系染料、アズレニウム系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料、アゾ系分散染料、ビスアゾスチルベン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、ペリレン系染料、フタロシアニン系染料、ナフタロシアニン金属錯体系染料、ポリメチン系染料、ジチオールニッケル錯体系染料、インドアニリン金属錯体染料、分子間型CT染料、ベンゾチオピラン系スピロピラン、ニグロシン染料などが好ましく使用される。さらにこれらの染料のなかでも、感度向上効果の観点からモル吸光度係数の大きなものが好ましく使用される。具体的にはε≦1×10であることが好ましく、より好ましくは1×10以上である。
これらの光熱変換物質は単独でも感度の向上効果はあるが、2種以上を併用して用いることによって、さらに感度を向上させることも可能である。また、吸収波長の異なる2種以上の光熱変換物質を併用することにより、2種以上の発信波長の異なるレーザーに対応できるようにすることも可能である。
これら光熱変換物質の含有量は、感熱層全組成物に対して0.1〜70重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜40重量%である。0.1重量%以上とすれば、レーザー光に対する感度の向上効果が得られ、70重量%以下とすれば印刷版の耐刷性が低下することもない。
(B)金属含有有機化合物
本発明でいう金属含有有機化合物は、中心金属と有機置換基からなり、中心金属に対して有機置換基が配位結合している錯体化合物、または、中心金属が有機置換基と共有結合している有機金属化合物のことをいう。金属酸化物のような無機化合物はその範疇ではない。これらの金属含有有機化合物は、後述するノボラック樹脂、活性水素基含有化合物と置換反応をおこすことが特徴である。
中心金属としては周期表の第2周期から第6周期の金属および半導体原子が挙げられ、なかでも第3周期から第5周期の金属および半導体原子が好ましく、第3周期金属のAl、Si、第4周期金属のTi、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、第5周期金属のIn、Snが特に好ましい。
以上のような金属を中心にして有機置換基との間で金属含有有機化合物が形成されるが、それらの形態としては例えば以下の様な具体例が挙げられる。
(1)金属ジケテネート
ジケトンのエノール水酸基の水素原子が金属原子と置換したもので、中心金属は酸素原子を介して結合している。ジケトンのカルボニルがさらに金属に対して配位結合することができるため、比較的に安定な化合物である。
具体的には、有機置換基が、2,4−ペンタジオネート(アセチルアセトネート)、フルオロペンタジオネート、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、ベンゾイルアセトネート、テノイルトリフルオロアセトネートや1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオネートなどである金属ペンタンジオネート(金属アセトネート)類や、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、メタクリルオキシエチルアセトアセテートやアリルアセトアセテートなどである金属アセトアセテート類、サリチルアルデヒド錯塩が挙げられる。
(2)金属アルコキサイド
中心金属に対して、酸素原子を介して有機置換基が結合している化合物である。有機置換基が、メトキサイド、エトキサイド、プロポキサイド、ブトキサイド、フェノキサイド、アリルオキサイド、メトキシエトキサイド、アミノエトキサイドなどである金属アルコキサイドが挙げられる。
(3)アルキル金属
中心金属に直接有機置換基が結合しているものであり、この場合金属は炭素原子と結合している。有機置換基がジケトンであっても、金属が炭素原子で結合していればこちらに分類される。なかでもアセチルアセトン金属が好ましく用いられる。
(4)金属カルボン酸塩類
酢酸金属塩、乳酸金属塩、アクリル酸金属塩、メタクリル酸金属塩、ステアリン酸金属塩などが挙げられる。
(5)その他
チタンオキサイドアセトネートのような酸化金属キレート化合物、チタノセンフェノキサイドのような金属錯体や、2種以上の金属原子を1分子中に有するヘテロ金属キレート化合物が挙げられる。
以上のような金属含有有機化合物のうち好ましく用いられる金属含有有機化合物の具体例としては、アルミニウム、鉄(III)、チタンのアセチルアセトネート(ペンタンジオネート)、ヘキサンジオネート、ヘプタンジオネート、エチルアセトアセテート、プロピルアセトアセテート、テトラメチルヘプタンジオネート、ベンゾイルアセトネートなどが挙げられる。
これら金属含有有機化合物はそれぞれ単独でも使用できるし、2種以上を混合して使用することもでき、その含有量は後述するノボラック樹脂100重量部に対して5〜300重量部が好ましく、10〜150重量部がさらに好ましい。含有量が5重量部以上であれば画像形成がしやすく、300重量部以下であれば耐刷性が低下することもない。
(C)ノボラック樹脂
本発明の印刷版原版に好ましく用いられるノボラック樹脂としては、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック等が挙げられる。本発明に用いられるノボラック樹脂のGPC法による重量平均分子量(ポリスチレン換算)は特に限定されないが、好ましくは重量平均分子量6000以下のものが挙げられる。重量平均分子量が6000以下であれば高い溶解性が得られ、良好な画像再現性が得られる。
本発明において、感熱層には、上述のノボラック樹脂を単独、あるいは2種以上混合して使用することができる。その含有量は、感熱層全組成物に対して5〜99重量%が好ましく、より好ましくは20〜90重量%である。含有量が5重量%以上であれば耐刷性、塗工性に問題を生じることがなく、99重量%以下であれば画像再現性に悪影響を及ぼさない。また、後述する(D)ポリウレタン樹脂の含有量との重量比も特に限定されないが、好ましい重量比としてはノボラック樹脂/ポリウレタン樹脂≦2.4が挙げられる。これにより、印刷版の画像再現性と耐刷性が向上する。特に好ましくは1〜2.4の比率である。1以上であれば良好な画像再現性が得られ、2.4以下であれば耐刷性への悪影響も及ぼさない。
また上記ノボラック樹脂と他の活性水素基含有化合物を混合して使用することもできる。活性水素基含有化合物としては、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、チオール基含有化合物などが挙げられるが、水酸基含有化合物が好ましい。
さらに、水酸基含有化合物としてはフェノール性水酸基含有化合物、アルコール性水酸基含有化合物のいずれも本発明に使用できる。
フェノール性水酸基含有化合物としては、例えば以下のような化合物を挙げることができる。ヒドロキノン、カテコール、グアヤコール、クレゾール、キシレノール、ナフトール、ジヒドロキシアントラキノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ビスフェノールA、ビスフェノールS、レゾール樹脂、レゾルシンベンズアルデヒド樹脂、ピロガロールアセトン樹脂、ヒドロキシスチレンの重合体および共重合体、ロジン変性フェノール樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂、リグニン変性フェノール樹脂、アニリン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、ビスフェノール類などが挙げられる。
また、アルコール性水酸基含有化合物としては、例えば以下のような化合物を挙げることができる。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、7−オクテン−1,2−ジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリビニルアルコール、セルロースおよびその誘導体、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの重合体および共重合体など。
また、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、ポリビニルブチラール樹脂、および公知の方法によって水酸基を導入したポリマーなども本発明に使用可能である。
(D)ポリウレタン樹脂
本発明の水なし平版印刷版原版の感熱層はバインダー樹脂としてポリウレタン樹脂を含有することが好ましい。バインダー樹脂を含有することによって、感熱層組成物を含む溶液を塗布する際の塗工性改良(ハジキの減少)、耐刷性などの版性能向上が可能となる。
本発明の印刷版原版に用いられるポリウレタン樹脂としては、以下に示すようなポリイソシアネート類と多価アルコールより得られるポリウレタン樹脂を挙げることができる。
ポリイソシアネート類としては、パラフェニレンジイソシアネ−ト、2,4−または2,6−トルイレンジイソシアネ−ト(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素化キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
さらには、上記ポリイソシアネート類の変性体、誘導体も好ましく用いられる。このような変性体、誘導体としては、ポリイソシアネートとアルコールとの反応物であるウレタン変性体、2個あるいは3個のポリイソシアネートの反応物としてのニ量体(別名ウレチジオン)、三量体(別名イソシアヌレート)、脱炭酸ガスにより生成するポリカルボジイミド、あるいはポリイソシアネート、アルコール、アミン化合物などとの反応物であるアロハネート変性体、ビュレット変性体、ウレア変性体など、さらにはブロックドイソシアネートなどが挙げられる。
多価アルコールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、およびその他に大きく分類することができる。
ポリエーテルポリオールとしては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、p−キシリレングリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールジヒドロキシプロピルエーテル、等が挙げられる。
ポリエステルポリオールは、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどにさらに分類することができる。
縮合系ポリエステルポリオールは、多価カルボン酸およびその無水物とグリコール、トリオールとの脱水縮合により得られる。
多価カルボン酸および多価カルボン酸無水物としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメリット酸等が使用できる。
具体的には、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリヘキサメチレンネオペンチルアジペート、ポリエチレンヘキサメチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート等を一例として挙げることができる。
ラクトン系ポリエステルポリオールとしては、βープロピオラクトン、γーブチロラクトン、δーバレロラクトン、εーカプロラクトン等のラクトン類の開環重合より得られるものが挙げられる。
さらに、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール以外のポリオールとしては、β−ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水酸基を有するアクリル(あるいはメタクリル)単量体とアクリル(あるいはメタクリル)酸エステルとの共重合体であるアクリルポリオール、末端に水酸基を含有するブタンジエン及びそれらの共重合体であるポリブタジエンポリオール、部分ケン化EVAなど、さらには種々の含燐ポリオール、ハロゲン含有ポリオール、フェノール系ポリオールなどもポリオールとして使用できる。
また、分岐したポリウレタン樹脂や水酸基等の種々の官能基を有するポリウレタン樹脂も利用可能である。
本発明において、これらのポリウレタン樹脂の含有量は、特に限定されないが、ノボラック樹脂とポリウレタン樹脂との重量比がノボラック樹脂/ポリウレタン樹脂≦2.4となることが好ましい。さらに感熱層全組成物に対して5〜80重量%が好ましく、より好ましくは10〜60重量%である。5重量%以上であれば、耐刷性、塗工性に問題を生じることもなく、80重量%以下とすれば画像再現性にも悪影響を及ぼさない。
本発明において、感熱層には上述のポリウレタン樹脂を単独、あるいは2種以上混合して使用することができる。また他のバインダー樹脂を混合して使用してもよい。
他のバインダー樹脂としては、有機溶剤に可溶でかつフィルム形成能のあるものであれば特に限定されないが、ガラス転移温度(Tg)が20℃以下のものが好ましく、さらに好ましくはガラス転移温度が0℃以下のものがより好ましい。
有機溶剤に可溶でかつフィルム形成能があり、さらに形態保持の機能をも果たすバインダー樹脂の具体例としては、ビニルポリマー類、未加硫ゴム、ポリオキシド類(ポリエーテル類)、ポリエステル類、ポリアミド類などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
さらに、本発明において、感熱層には、レベリング剤、界面活性剤、分散剤、可塑剤等を必要に応じて添加してもよい。また、断熱層あるいはシリコーンゴム層との接着性を高めるためにシランカップリング剤などの各種カップリング剤を添加することは極めて好ましく行われる。
感熱層の厚さは、被覆層にして0.1〜10g/mであることが好ましく、より好ましくは0.5〜7g/mである。膜厚が0.1g/m以上であれば充分な耐刷性が得られ、10g/m以下であれば、希釈溶剤の揮散に対する問題も生じないため生産性に優れた印刷版が得られる。
本発明の水なし平版印刷版原版は、基板上にプライマー層あるいは断熱層を有してもよい。
まず、プライマー層について説明する。本発明の水なし平版印刷版原版に用いられるプライマー層の好ましい特性は、基板材の保護はもとより、基板及び感光層への接着性を有していること、耐溶剤性を有していること、プライマー層組成自身が版性能に悪影響を及ばさないこと、基板表面の物理的凹凸を除去すること、基板からの感光層への化学的悪影響を遮断することなどであり、これらを満足するプライマー層であれば用いることができる。また、従来から水なし平版印刷版原版のプライマー層として提案されているものであれば、特に好ましく用いることができる。
代表的なプライマー層としては特開昭63−133153号公報、特開昭63−305360号公報、特開平1−172834号公報、特開平2−242255号公報、特開平2−34857号公報、特開平2−34857号公報、特開平3−180848号公報等のゼラチン、カゼイン等の天然タンパク質を用いるものが挙げられる。また、特公平4−2941号公報、特開平5−127368号公報等のようなプライマー層にポリウレタンを用いる方法も実用的である。
特に好ましいプライマー層としては、特公平3−36208号公報、特公平6−82214号公報、特開平10−239833号公報といったブロック型イソシアネートとエポキシ樹脂を熱架橋するプライマー層が挙げられ、プライマー層として具備すべき性能をすべて満足している。本発明に用いられるプライマー層の厚みは0.1〜20g/mが好ましく、より好ましくは1〜10g/mである。1g/m以上であれば、基板からの影響を除去することができ、20g/m以下であれば、経済的にも有利となる。
次に断熱層について説明する。本発明の水なし平版印刷版原版に用いられる断熱層の好ましい特性は、基板あるいは感熱層と良好な接着性を有し、経時において安定であり、さらに現像液あるいは印刷時に使用する溶剤に対する耐性が高いことであり、これらを満足する断熱層であれば用いることができる。また、従来から水なし平版印刷版原版の断熱層として提案されているものであれば、好ましく用いることができる。
特に、本発明の水なし平版印刷版原版に用いる断熱層としては、特開2004−199016公報、特開2004−334025公報などに開示されている金属キレート化合物を含有する断熱層が好ましく用いられる。
本発明で言う金属キレート化合物としては、例えば、金属に有機配位子が配位した有機錯塩、金属に有機配位子および無機配位子が配位した有機無機錯塩、および金属と有機分子が酸素を介して共有結合している金属アルコキシド類などの有機錯化合物を挙げることができる。
有機錯化合物を形成する主な金属としては、Al、Ti、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、In、Sn、Zr、Hfが好ましい。着色性の少ない点でAl、Zrが好ましく、さらに反応性の点でAlがより好ましい。
配位子としては、O(酸素原子)、N(窒素原子)、S(硫黄原子)等をドナー原子として有する以下のような配位基を有する化合物が挙げられる。
配位基の具体例としては、酸素原子をドナー原子とするものとしては、−OH(アルコール、エノールおよびフェノール)、−COOH(カルボン酸)、>C=O(アルデヒド、ケトン、キノン)、−O−(エーテル)、−COOR(エステル)、−N=O(ニトロソ化合物、N−ニトロソ化合物)、−NO(ニトロ化合物)、>N−O(N−オキシド)、−SOH(スルホン酸)、−PO(亜リン酸)等、窒素原子をドナー原子とするものとしては、−NH(1級アミン、アミド、ヒドラジン)、>NH(2級アミン、ヒドラジン)、>N−(3級アミン)、−N=N−(アゾ化合物、複素環化合物)、=N−OH(オキシム)、−NO(ニトロ化合物)、−N=O(ニトロソ化合物)、>C=N−(シッフ塩基、複素環化合物)、>C=NH(イミン)等、硫黄原子をドナー原子とするものとしては、−SH(チオール)、−S−(チオエーテル)、>C=S(チオケトン、チオアルデヒド)、=S−(複素環化合物)、−C(=O)−SHあるいは−C(=S)−OHおよび−C(=S)−SH(チオカルボン酸)、−SCN(チオシアナート、イソチオシアナート)等が挙げられる。
また、金属との間で1個またはそれ以上配位を形成しうる環状構造の配位子がより好ましい。具体的には、β−ジケトン類、ケトエステル類、ジエステル類、ヒドロキシカルボン酸またはそのエステルや塩類、ケトアルコール類、アミノアルコール類、エノール性活性水素化合物などが挙げられる。特に本発明の水なし平版印刷版原版にはアルコール類、エノール類、ジエステル類およびケトエステル類から選ばれる配位子が1つ以上配位したアルミキレート化合物が好ましく用いられる。これらのアルミキレート化合物は、後述する活性水素含有化合物との間で容易に交換反応を起こすため、加熱時にアルミキレート化合物そのものが昇華、または蒸発することが抑えられる。
また、ケトエステル類が2つ以上配位したアルミキレート化合物を用いることが特に好ましい。このようなアルミキレート化合物を用いることで、湿気の影響を受けにくくなり、また断熱層溶液の貯蔵安定性が飛躍的に改善される。
金属キレート化合物の含有量は、断熱層組成物に対して1〜30重量%であることが好ましく、2〜20重量%であることがより好ましい。金属キレート化合物が1重量%以上であれば、基板あるいは感熱層と良好な接着性が得られ、溶剤に対する耐性も高い。一方、金属キレート化合物が30重量%以下であれば、金属キレート化合物が未反応のまま残存し、感熱層溶液を塗布する際に感熱層溶液中に抽出され、印刷版の性能に悪影響を与えることがない。
断熱層は顔料を含むことが好ましい。顔料を含むことにより、断熱層の光透過率を400〜650nmの全ての波長に対して15%以下とすることが可能となり、これにより、機械読み取りによる検版性が向上する。顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、リトポン等の無機白色顔料や、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、オーカー、チタンイエロー等の無機黄色顔料を用いることが好ましい。これらの顔料の中で、隠蔽力、着色力の点から酸化チタンが特に好ましく用いられる。また、酸化チタン粒子表面をチタネート系カップリング剤で処理しても良い。酸化チタン粒子表面をチタネート系カップリング剤で処理することによって、酸化チタン粒子の分散性を向上させ、酸化チタン粒子量を多量に添加することが可能となる。さらには酸化チタン粒子を添加した塗液の分散安定性が良好になる。
酸化チタンの含有量は、断熱層組成物中に2体積%以上、30体積%以下が好ましい。2体積%以上であれば良好な隠蔽性能が得られ、30体積%以下であれば、良好な塗工性能を示す。
断熱層には活性水素基含有化合物を含有することが望ましい。活性水素基含有化合物としては、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、チオール基含有化合物などが挙げられるが、水酸基含有化合物が好ましい。
さらに、水酸基含有化合物としてはフェノール性水酸基含有化合物、アルコール性水酸基含有化合物のいずれも本発明に使用できる。
また、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、および公知の方法によって水酸基を導入したポリマーなども本発明に使用可能である。
断熱層には、成膜性を付与する目的から樹脂を含むことが好ましい。例えば、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、カゼイン、ゼラチン等が挙げられる。これらの中では、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂を単独、あるいは2種以上を混合して用いることが好ましい。
断熱層には、塗工性を改良する目的で、アルキルエーテル類(例えばエチルセルロース、メチルセルロースなど)、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、または、ノニオン系界面活性剤を含有することもできる。
さらに、断熱層の柔軟性を向上させる目的で、天然ゴムや合成ゴム、およびポリウレタン樹脂等の柔軟性付与剤を添加しても良い。これら柔軟性付与剤の含有量としては、断熱層全組成物に対して10〜80重量%が好ましく、30〜80重量%がより好ましい。10重量%以上であれば断熱層の柔軟性が向上し、80重量%以下であれば活性水素基含有化合物と金属キレート化合物の硬化反応の阻害は僅かであり、実質的に無視できる。
断熱層を構成する成分は、好ましくは溶剤を用いて溶解される。断熱層溶液に用いられる溶剤には、樹脂、金属キレート化合物、その他の添加物を良く溶かす性質を有することが好ましい。溶剤は単独で用いることもできるし、二種以上を混合して用いることもできる。また、顔料を添加する場合には、顔料表面を良く濡らし、良好な顔料分散性が得られる溶剤を選択することが好ましい。
断熱層溶液の作製方法としては、例えば、容器に酸化チタン分散液を入れ、撹拌を開始し、そこに順次樹脂、金属キレート化合物、その他の添加剤を添加し、高濃度の断熱層溶液を得た後、さらに溶剤で任意の濃度まで希釈することで断熱層溶液を得ることができる。
酸化チタン分散液は、例えば、溶剤中に酸化チタンを添加し、ペイントシェイカー、ボールミル等で分散することにより得られる。
本発明の水なし平版印刷版原版は、例えば次のようにして製造される。
まず基板上に必要によりプライマー層溶液あるいは断熱層溶液を塗布し加熱乾燥する。その後、感光層あるいは感熱層を塗布、加熱乾燥し、次にシリコーンゴム溶液を塗布し、充分に加熱硬化させてシリコーンゴム層を形成する。この上に必要に応じて保護フィルムをラミネートするか、あるいは保護層を形成する。保護フィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、また各種金属を蒸着したフィルムなどが挙げられる。これら保護フィルムの表面は露光工程においてポジフィルム、ネガフィルムとの密着性を更に改良するために凹凸加工を施しておくことができる。また保護フィルムの代わりにコーテイング等の手法で保護層を形成させておいても良い。
このようにして製造された水なし平版印刷版原版の製版方法は、通常、少なくとも(1)露光工程、(2)露光部あるいは未露光部のシリコーンゴム層と感熱層あるいは感光層間の接着力を低下させる「前処理工程」、および(3)露光部あるいは未露光部のシリコーンゴム層を剥離させる「現像工程」からなる。また、(4)画線部の感熱層あるいは感光層を染色液で染色する「後処理工程」、および(5)処理液や染色液を水で完全に洗い落とす「水洗工程」を行うことも一般的である。
感光性ポジ型またはネガ型水なし平版印刷版原版の場合、真空密着されたポジフィルム、あるいはネガフィルムを通して活性光線で露光される。この露光工程で用いられる光源としては通常、高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、蛍光灯などを使うことができる。露光の終わった印刷版は必要に応じて保護フィルムを剥がし、前処理液に浸漬し、水の存在下で現像用パッドまたは現像用ブラシを用いて現像する。必要に応じて、後処理液で画線部を染色し、水洗を行い、水なし平版印刷版となる。
また、直描型水なし平版印刷版原版の場合、保護フィルムを剥離してから、あるいは保護フィルム上からレーザー光で所望の画像状に露光する。露光工程で用いられるレーザー光源としては、通常、発光波長領域が300nm〜1500nmの範囲にあるものが用いられるが、これらの中でも近赤外領域付近に発光波長領域が存在する半導体レーザーやYAGレーザーが好ましく用いられる。具体的には、明室での版材の取扱い性などの観点から、780nm、830nm、1064nmの波長のレーザー光が製版に好ましく用いられる。レーザー照射の終わった印刷版は必要に応じて保護フィルムを剥がし、前処理液に浸漬し、水の存在下で現像用パッドまたは現像用ブラシを用いて現像する。必要に応じて、後処理液で画線部を染色し、水洗を行い、水なし平版印刷版となる。
本発明に用いられる水なし平版印刷版原版を現像する際には、例えば東レ(株)にて市販されているような自動現像機を用い、前処理液で版面を前処理した後に水道水などでシャワーしながら回転ブラシで版面を擦ることによって、好適に現像することができる。更に染色液で処理することで画線部の染色を行い、水道水で洗浄を行うことで水なし平版印刷版が得られる。前処理液としては、公知のものが使用できる。例えば感光性ポジ型水なし平版印刷版原版であれば特開平4−163557公報、特開平4−343361公報、特開平6−3829公報、感光性ネガ型水なし平版印刷版原版であれば特開昭62−288848公報、特開昭63−179361公報、特開昭63−201657公報などに開示されており好ましく用いることができる。また、直描型水なし平版印刷版原版であれば特開2000−275824号公報、特開2001−201849号公報などに開示されており好ましく用いられる。染色液としては、公知のものが使用できる。例えば、特開平3−129350号公報、特開平4−333851号公報、特開平9−34132公報などに開示されており好ましく用いることができる。水なし平版印刷版原版の現像に自動現像装置を用いる場合には、前処理部、現像部および後処理部がこの順に設けられているものが好ましい。場合によっては後処理部の後方にさらに水洗部が設けられていてもよい。このような自動現像機としては東レ(株)製の“TWL−1160”、“TWL−650”、あるいは特開平4−2265号公報、特開平5−2272号公報、特開平5−6000号公報などに開示されている現像装置が挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
<画像再現性の評価方法>
直描型水なし平版印刷版原版を露光および現像して、2400dpiで、それぞれ1、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98、99%の網点が設けられた印刷版を作製した。得られた印刷版をルーペで観察し、それぞれの網点の再現性を調べた。1〜50%の網点が再現できていれば、良好な画像再現性を有すると言える。
<耐傷性の評価方法1>
直描型水なし平版印刷版原版の場合は、レーザー照射し、現像して印刷版を作製した。ポジ型もしくはネガ型の水なし平版印刷版は露光、現像して印刷版を作製した。作製した印刷版の非画線部(6cm×6cm)を学振型染色物摩擦堅牢度試験器((株)大栄化学精機製作所製)に取り付け、マジックテープ(登録商標)(ポリエステル製、Aフック、縫製用)(クラレ(株)製)を用いて45往復擦りテストを行った。この印刷版を印刷することで傷の様子を観察し、以下に示す評価基準で5段階評価を行った。4点以上であれば、取り扱い時の擦過による傷が入りにくく、傷にインキが着肉して非画線部が汚れる問題が発生しにくい。
5点:傷、擦り跡とも全く認められない。
4点:傷、擦り跡がわずかに観察される。
3点:傷、擦り跡が観察される。
2点:サンプルの中心にほぼ円形に傷が観察される。
1点:ほぼ全面に傷が観察される。
<耐傷性の評価方法2>
直描型水なし平版印刷版原版の場合は、レーザー照射し、現像して印刷版を作製した。ポジ型もしくはネガ型の水なし平版印刷版は露光、現像して印刷版を作製した。作製した印刷版の非画線部(6cm×6cm)を学振型染色物摩擦堅牢度試験器((株)大栄化学精機製作所製)に取り付け、起毛パッド(毛足の長さ約5mm、ナイロン製、直径約20μm)(カーボンクリエイト(株)製)を用いて200gの荷重をかけ160往復擦りテストを行った。この印刷版を印刷することで傷の様子を観察し、以下に示す評価基準で5段階評価を行った。4点以上であれば、版面の洗浄時の傷が入りにくく、傷にインキが着肉して非画線部が汚れる問題が発生しにくい。
5点:傷、擦り跡とも全く認められない。
4点:傷、擦り跡がわずかに観察される。
3点:傷、擦り跡が観察される。
2点:サンプルの中心にほぼ円形に傷が観察される。
1点:ほぼ全面に傷が観察される。
<シリコーンゴム層の初期弾性率、破断伸度の測定方法>
シリコーンゴム層の初期弾性率及び破断伸度は、JIS K7113にしたがって測定を行った。温度23℃、湿度60%の雰囲気下でテフロン(登録商標)シャーレ(約5cmφ)上に固形分濃度10wt%のシリコーンゴム層溶液を7g塗布し、120℃で23分間乾燥した後、テフロンシャーレよりシートを剥がし、得られた約300μmの厚さのシートから4号ダンベルでテストピースを作製し、テンシロン万能試験機“RTM−100(オリエンテック(株)製)で引張速度20cm/分で、初期弾性率及び破断伸度を測定した。
<酸化チタン分散液の作製>
N,N−ジメチルホルムアミド10重量部中に、酸化チタン“CR−50”(石原産業(株)製)10重量部を添加して5分間撹拌した。さらに、ガラスビーズ(No.08)を15重量部添加し、20分間激しく撹拌し、その後ガラスビーズを取り去ることで酸化チタン分散液を得た。
<断熱層溶液1の組成>
(a)エポキシ樹脂:エピコート(登録商標)1010(ジャパンエポキシレジン(株)製):49重量部
(b)ポリウレタン:サンプレン(登録商標)LQ−T1331D(三洋化成工業(株)製、濃度20%、N,N−ジメチルホルムアミド/2−エトキシエタノール溶液):490重量部(ポリウレタン:98重量部)
(c)アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート):“アルミキレート”ALCH−TR(川研ファインケミカル(株)製):11.2重量部
(d)ビニル系重合物:ディスパロン(登録商標)LC951(楠本化成(株)製):0.2重量部
(e)酸化チタン分散液(濃度50%):84重量部(酸化チタン:42重量部)
(f)N,N−ジメチルホルムアミド:505重量部
(g)メチルエチルケトン:402重量部。
<断熱層溶液2の組成>
(a)エポキシ樹脂:エピコート(登録商標)1010(ジャパンエポキシレジン(株)製):35重量部
(b)ポリウレタン:サンプレン(登録商標)LQ−T1331D(三洋化成工業(株)製、濃度20%、N,N−ジメチルホルムアミド/2−エトキシエタノール溶液):375重量部(ポリウレタン:75重量部)
(c)アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート):“アルミキレート”ALCH−TR(川研ファインケミカル(株)製):8重量部
(d)ビニル系重合物:ディスパロン(登録商標)LC951(楠本化成(株)製):0.2重量部
(e)酸化チタン分散液(濃度50%):80重量部(酸化チタン:40重量部)
(f)N,N−ジメチルホルムアミド:401重量部
(g)メチルエチルケトン:318重量部。
<断熱層溶液3の組成>
(a)エポキシ樹脂:エピコート(登録商標)1010(ジャパンエポキシレジン(株)製):45重量部
(b)ポリウレタン:サンプレン(登録商標)LQ−T1331D(三洋化成工業(株)製、濃度20%、N,N−ジメチルホルムアミド/2−エトキシエタノール溶液):550重量部(ポリウレタン:110重量部)
(c)アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート):“アルミキレート”ALCH−TR(川研ファインケミカル(株)製):13重量部
(d)ビニル系重合物:ディスパロン(登録商標)LC951(楠本化成(株)製):0.2重量部
(e)酸化チタン分散液(濃度50%):70重量部(酸化チタン:35重量部)
(f)N,N−ジメチルホルムアミド:477重量部
(g)メチルエチルケトン:408重量部。
<プライマー層溶液1の組成>
(a)カンコート 90T−25−3094(関西ペイント(株)製、エポキシ・フエノール樹脂):15重量部
(b)ジメチルホルムアミド: 85重量部。
<プライマー層溶液2の組成>
基体樹脂(担体樹脂)
(a)ポリウレタン樹脂(“サンプレン”LQ−SZ18、三洋化成工業(株)製):115重量部
(b)エポキシ樹脂(“エピコート”827(エポキシ当量約200)、油化シェル(株)製):10重量部
(c)ディスモジュールCTステープル(住友バイエルン製):10重量部
(d)DMS6X(明成化学工業(株)製):10重量部
(e)ブチル化尿素樹脂 :20重量部
(f)酸化チタン:10重量部
(g)ジメチルホルムアミド:750重量部。
<感熱層溶液1の組成>
(a)赤外線吸収染料:“PROJET”825LDI((株)Avecia製):16重量部
(b)チタンジ−n−ブトキサイドビス(2,4−ペンタンジオネート):ナーセム(登録商標)チタン(日本化学産業(株)製、チタン濃度約8.8%、n−ブタノール溶液):37.5重量部
(c)フェノールノボラック樹脂:スミライトレジン(登録商標)PR53195(住友ベークライト(株)製):60重量部
(d)ポリウレタン:サンプレン(登録商標)LQ−T1331D(三洋化成工業(株)製、濃度20%、N,N−ジメチルホルムアミド/2−エトキシエタノール溶液):125重量部(ポリウレタン:25重量部)
(e)3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:15重量部
(f)テトラヒドロフラン:993重量部
(g)エタノール:64重量部。
<感光層溶液1の組成>
(a)アジピン酸とポリエチレングリコールからなるポリエステルポリオールとイソホロンジイソシアネートとのポリウレタン:56重量部
(b)ペンタオキシプロピレンジアミン/グリシジルメタクリレート=1/4モル比付加反応物:15重量部
(c)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレート/メチルグリシジルエーテル=1/2/2モル比付加反応物:14重量部
(d)1,9−ノナンジオールジアクリレート:8重量部
(e)4,4´−ビス(ジエチルアミノ)べンゾフェノン:3重量部
(f)2,4−ジエチルチオキサントン:5重量部
(g)ビクトリアピュアーブルーBOH:0.3重量部
(h)エチルセロソルブ:580重量部。
<感光層溶液2の組成>
(a)1,2−ナフトキノンー2ージアジド−5−スルホン酸クロライドとフェノ−ルホルムアルデヒドノボラック樹脂(スミライトレジンPR50622、住友デュレズ社(株)製)の部分エステル化物(元素分析法によるエステル化度36%):70重量部
(b)4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト :21重量部
(c)ポリウレタン樹脂(ミラクトランP22S 日本ミラクトラン(株)製) :30重量部
(d)ジブチル錫ジアセテ−ト:0.2重量部
(e)p−トルエンスルホン酸:0.8重量部
(f)テトラヒドロフラン:800重量部。
<シリコーンゴム層溶液1の組成>
(a)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 500,000):40重量部
(b)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 110,000):60重量部
(c)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:12重量部
(d)テトラ(メチルエチルケトキシミン)シラン:1重量部
(e)ジブチル錫ジアセテート:0.03重量部
(f)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):2511重量部。
<シリコーンゴム層溶液2の組成>
(a)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 500,000):40重量部
(b)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 130,000):60重量部
(c)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:12重量部
(d)テトラ(メチルエチルケトキシミン)シラン:1重量部
(e)ジブチル錫ジアセテート:0.03重量部
(f)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):2511重量部。
<シリコーンゴム層溶液3の組成>
(a)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 500,000):40重量部
(b)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 150,000):60重量部
(c)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:12重量部
(d)テトラ(メチルエチルケトキシミン)シラン:1重量部
(e)ジブチル錫ジアセテート:0.03重量部
(f)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):2511重量部。
<シリコーンゴム層溶液4の組成>
(a)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 500,000):40重量部
(b)α,ω−ジビニルシラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 150,000):60重量部
(c)両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基含有ポリシロキサンHMS−151(MeHSiOのモル%:15〜18%、GELEST Inc.製):7重量部
(d)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:3重量部
(e)白金触媒:“SRX−212”(東レダウコーニングシリコーン(株)製):7重量部
(f)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1427重量部。
<シリコーンゴム層溶液5の組成>
(a)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 400,000):100重量部
(c)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:12重量部
(d)テトラ(メチルエチルケトキシミン)シラン:1重量部
(e)ジブチル錫ジアセテート:0.03重量部
(f)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):2511重量部。
<シリコーンゴム層溶液6の組成>
(a)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 700,000):100重量部
(c)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:12重量部
(d)テトラ(メチルエチルケトキシミン)シラン:1重量部
(e)ジブチル錫ジアセテート:0.03重量部
(f)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):2511重量部。
<シリコーンゴム層溶液7の組成>
(a)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 500,000):40重量部
(b)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 90,000):60重量部
(c)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:12重量部
(d)テトラ(メチルエチルケトキシミン)シラン:1重量部
(e)ジブチル錫ジアセテート:0.03重量部
(f)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):2511重量部。
<シリコーンゴム層溶液8の組成>
(a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサンDMS−V52(重量平均分子量150,000、GELEST Inc.製):100重量部
(b)両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基含有ポリシロキサンHMS−151(MeHSiOのモル%:15〜18%、GELEST Inc.製):4重量部
(c)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:3重量部
(d)白金触媒:“SRX−212”(東レダウコーニングシリコーン(株)製):7重量部
(e)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1222重量部。
<シリコーンゴム層溶液9の組成>
(a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重量平均分子量10,000):100重量部
(b)両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基含有ポリシロキサンHMS−151(MeHSiOのモル%:15〜18%、GELEST Inc.製):14重量部
(c)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:3重量部
(d)白金触媒:“SRX−212”(東レダウコーニングシリコーン(株)製):7重量部
(e)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1550重量部。
<シリコーンゴム層溶液10の組成>
(a)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量60,000、GELEST Inc.製):100重量部
(b)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:5重量部
(c)テトラ(メチルエチルケトキシミン)シラン:2重量部
(d)ジブチル錫ジアセテート:0.03重量部
(e)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1306重量部。
<シリコーンゴム層溶液11の組成>
(a)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量110,000、GELEST Inc.製):100重量部
(b)エチルトリアセトキシシラン:12重量部
(d)ジブチル錫ジアセテート:0.01重量部
(e)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1400重量部。
<シリコーンゴム層溶液12の組成>
(a)分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体(重量平均分子量400,000、ビニル基濃度0.06wt%):100重量部
(b)両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基含有ポリシロキサンHMS−151(MeHSiOのモル%:15〜18%、GELEST Inc.製):5重量部
(c)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:3重量部
(d)白金触媒:“SRX−212”(東レダウコーニングシリコーン(株)製):7重量部
(e)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1438重量部。
<シリコーンゴム層溶液13の組成>
(a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 700,000):40重量部
(b)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 200,000):60重量部
(c)両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基含有ポリシロキサンHMS−151(MeHSiOのモル%:15〜18%、GELEST Inc.製):5重量部
(d)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:3重量部
(e)白金触媒:“SRX−212”(東レダウコーニングシリコーン(株)製):7重量部
(f)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1438重量部。
<シリコーンゴム層溶液14の組成>
(a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサンPS−255(重量平均分子量 500,000、ヒュルスアメリカ製):2重量部
(b)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサンPS−445(重量平均分子量 60,000、ヒュルスアメリカ製):13重量部
(c)ポリメチルヒドロシロキサン架橋剤PS−120(ヒュルスアメリカ製):0.45重量部
(d)白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン触媒PC−072(ヒュルスアメリカ製):0.05重量部
(e)VM&Pナフサ(エクソン(株)製):84.45重量部
(f)メチルペンチノール:0.05重量部。
<シリコーンゴム層溶液15の組成>
(a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 500,000):40重量部
(b)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 150,000):60重量部
(c)両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基含有ポリシロキサンHMS−151(MeHSiOのモル%:15〜18%、GELEST Inc.製):5重量部
(d)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:3重量部
(e)白金触媒:“SRX−212”(東レダウコーニングシリコーン(株)製):7重量部
(f)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1438重量部。
<シリコーンゴム層溶液16の組成>
(a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 500,000):40重量部
(b)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 150,000):60重量部
(c)CHSiO3/2単位:80モル%、(CHSiO2/2単位:10モル%、CHSiO2/2:10モル%から成るシリコーンレジン:5重量部
(d)両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基含有ポリシロキサンHMS−151(MeHSiOのモル%:15〜18%、GELEST Inc.製):5重量部
(e)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:3重量部
(f)白金触媒:“SRX−212”(東レダウコーニングシリコーン(株)製):7重量部
(g)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1462重量部。
<シリコーンゴム層溶液17の組成>
(a)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量10,000):100重量部
(b)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:12重量部
(c)テトラ(メチルエチルケトキシミン)シラン:1重量部
(d)ジブチル錫ジアセテート:0.03重量部
(e)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1413重量部。
<シリコーンゴム層溶液18の組成>
(a)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量150,000):100重量部
(b)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:12重量部
(c)テトラ(メチルエチルケトキシミン)シラン:1重量部
(d)ジブチル錫ジアセテート:0.03重量部
(e)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1413重量部。
<シリコーンゴム層溶液19の組成>
(a)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量500,000):40重量部
(b)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量60,000):60重量部
(c)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:12重量部
(d)テトラ(メチルエチルケトキシミン)シラン:1重量部
(e)ジブチル錫ジアセテート:0.03重量部
(f)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1413重量部。
<シリコーンゴム層溶液20の組成>
(a)末端トリビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン(重量平均分子量 110,000):60重量部
(b)末端ジメチルビニルシリル基封鎖(ジメチルシロキシ/メチルビニルシロキシ/メチルビニルフェニル(97モル/1モル/2モル)のポリシロキサン(重量平均分子量:150,000):40重量部
(c)メルカプトプロピルメチルポリシロキサン(重量平均分子量 約1000:10重量部)
(d)2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン:3重量部
(e)3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン:5重量部
(f)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1475重量部。
<シリコーンゴム層溶液21の組成>
(a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 500,000):40重量部
(b)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 60,000):60重量部
(c)両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基含有ポリシロキサンHMS−151(MeHSiOのモル%:15〜18%、GELEST Inc.製):5重量部
(d)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:3重量部
(e)白金触媒:“SRX−212”(東レダウコーニングシリコーン(株)製):7重量部
(f)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1438重量部。
<シリコーンゴム層溶液22の組成>
(a)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 500,000):40重量部
(b)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 60,000):60重量部
(c)両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基含有ポリシロキサンHMS−151(MeHSiOのモル%:15〜18%、GELEST Inc.製):5重量部
(d)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:3重量部
(e)白金触媒:“SRX−212”(東レダウコーニングシリコーン(株)製):7重量部
(f)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1438重量部。
<シリコーンゴム層溶液23の組成>
(a)α,ω−両末端シラノールポリジメチルシロキサン(重量平均分子量 110,000):100重量部
(b)両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基含有ポリシロキサンHMS−151(MeHSiOのモル%:15〜18%、GELEST Inc.製):1重量部
(c)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:6重量部
(d)白金触媒:“SRX−212”(東レダウコーニングシリコーン(株)製):3重量部
(e)ジブチル錫ジアセテート:0.03部
(f)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1375重量部。
(実施例1)
厚さ0.225mmの脱脂したアルミ基板(三菱アルミ(株)製)上に断熱層溶液1を塗布し、200℃で1分間乾燥し、膜厚10g/mの断熱層を設けた。この断熱層の上に前記の感熱層溶液1を塗布し、150℃で80秒間乾燥し、膜厚1.5g/mの感熱層を設けた。この感熱層上に、シリコーンゴム溶液1を塗布し、125℃で80秒間乾燥し、膜厚2.0g/mのシリコーンゴム層を設け、直描型水なし平版印刷版原版を得た。さらに、シリコーンゴム層表面に6μmのポリプロピレンフィルムをラミネートした。
得られた直描型水なし平版印刷版原版を、製版機“TDL−4400”(東レ(株)製)に装着し、半導体レーザー(波長830nm)を用いて照射エネルギー150mJ/cmで画像露光を行った。ポリプロピレンフィルムを剥離した後、自動現像機“TWL−860KII”(東レ(株)製)を使用し、前処理液“NP−1”(東レ(株)製)で30秒間の浸漬処理後、水洗浄下でブラシ現像し、後処理液“PA−FII”(東レ(株)製)で染色した。この一連の操作によって、レーザー照射部のシリコーンゴム層が剥離し、その部分の露出した感熱層表面が染色されたネガ型の直描型水なし平版印刷版を得た。得られた印刷版をルーペで観察したところ、1〜98%の網点を再現しており、良好な画像再現性を有していた。
印刷版の非画線部に対して先に記載した耐傷性の評価方法1で擦りテストを行った。この印刷版をオフセット印刷機(小森スプリント4色機)に取り付け、“ドライオカラー”(大日本インキ化学工業(株)製)墨、紅、藍、黄インキを用いて、上質紙に印刷を行ったところ、傷がわずかに観察され、4点となり擦過傷に関して良好であった。
印刷版の非画線部に対して先に記載した耐傷性の評価方法2で擦りテストを行った。この印刷版をオフセット印刷機(小森スプリント4色機)に取り付け、“ドライオカラー”(大日本インキ化学工業(株)製)墨、紅、藍、黄インキを用いて、上質紙に印刷を行ったところ、傷がわずかに観察され、4点となり洗浄傷に関して良好であった。
また、先に記載した方法で得られたシリコーンゴム層溶液のテストピースの初期弾性率および破断伸度を測定したところ、表1に示すとおり初期弾性率0.3MPa、破断伸度540%であった。
(実施例2〜7)
表2に示したとおりにシリコーンゴム層溶液を使用したこと以外は実施例1と同様にして、直描型水なし平版印刷版原版を得た。実施例1と同様の評価を行った結果を表2に示す。また、シリコーンゴム層溶液から作製したテストピースの初期弾性率および破断伸度を測定したところ、表1の通りであった。
(実施例8)
断熱層溶液を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、直描型水なし平版印刷版原版を得た。実施例1と同様の評価を行った結果、良好な画像再現性を有していた。また、印刷版の非画線部は良好な擦過傷耐性及び洗浄傷耐性を有していた。
(実施例9)
厚さ0.225mmの脱脂したアルミ基板(三菱アルミ(株)製)上にプライマー層溶液1を塗布し、230℃で1分間乾燥し、膜厚3g/mのプライマー層を設けた。この断熱層の上に前記の感光層溶液1を塗布し、100℃で60秒間乾燥し、膜厚4g/mの感光層を設けた。この感熱層上に、シリコーンゴム溶液1を塗布し、125℃、露点30℃で80秒間湿熱硬化し、膜厚2g/mのシリコーンゴム層を設け、ポジ型の水なし平版印刷版原版を得た。さらに、シリコーンゴム層表面に6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”(東レ(株)製)をラミネートした。得られたポジ型の水なし平版印刷版原版に150線/インチの1%から98%の網点を有するグラデーションのポジフィルムを密着し、3kWの超高圧水銀灯(オーク製作所製)で1mの距離から90秒間露光し、露光版からラミネートしてある保護フィルムを取り除き、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル/1,3−ブチレングリコール=70/30の現像液を東レ水なし平版自動現像機(TWL−1160、東レ(株)製)の前処理槽に入れ、現像槽には水を入れ、後処理槽には、エチルカルビトール/水/クリスタルバイオレット/2−エチルヘキサン酸(18/79.9/0.1/2)の染色液を入れ、前処理液温度40℃、搬送スピード100cm/分で現像を行いポジ型の水なし平版印刷版を得た。
実施例1と同様の評価を行った結果、良好な画像再現性を有していた。また、良好な擦過傷耐性及び洗浄傷耐性を有していた。
(実施例10、11)
表2に示したとおりにシリコーンゴム層溶液を使用したこと以外は実施例9と同様にして、ポジ型の水なし平版印刷版原版を得た。実施例1と同様の評価を行った結果、良好な画像再現性を有していた。また、印刷版の非画線部は良好な擦過傷耐性及び洗浄傷耐性を有していた。
(実施例12)
厚さ0.225mmの脱脂したアルミ基板(三菱アルミ(株)製)上にプライマー層溶液2を塗布し、230℃で1分間乾燥し、膜厚6g/mのプライマー層を設けた。この断熱層の上に前記の感光層溶液2を塗布し、110℃で60秒間乾燥し、膜厚1.5g/mの感光層を設けた。この感熱層上に、シリコーンゴム溶液1を塗布し、110℃、露点30℃で80秒間湿熱硬化し、膜厚2.0g/mのシリコーンゴム層を設け、ネガ型の水なし平版印刷版原版を得た。さらに、シリコーンゴム層表面に10μmのポリプロピレンフィルム“トレファン”(東レ(株)製)をラミネートした。得られたネガ型の水なし平版印刷版原版に150線/インチの1%から98%の網点を有するグラデーションのネガフィルムを真空密着し、3kWの超高圧水銀灯(オーク製作所製)で1mの距離から90秒間露光し、露光版からラミネートしてある保護フィルムを取り除き、ジエチレングリコール/ジグリコールアミン/水=80/14/6の現像液を東レ水なし平版自動現像機(TWL−1160、東レ(株)製)の前処理槽に入れ、現像槽には水を入れ、後処理槽には、エチルカルビトール/水/クリスタルバイオレット/2−エチルヘキサン酸(18/79.9/0.1/2)の染色液を入れ、前処理液温度45℃、搬送スピード60cm/分で現像を行いネガ型の水なし平版印刷版を得た。
実施例1と同様の評価を行った結果、良好な画像再現性を有していた。また、印刷版の非画線部は良好な擦過傷耐性及び洗浄傷耐性を有していた。
(実施例13、14)
表2に示したとおりにシリコーンゴム層溶液を使用したこと以外は実施例12と同様にして、ネガ型の水なし平版印刷版原版を得た。実施例1と同様の評価を行った結果、画像再現性を有していた。また、印刷版の非画線部は良好な擦過傷耐性及び洗浄傷耐性を有していた。
(比較例1)
表2に示したとおりにシリコーンゴム層溶液を使用したこと以外は実施例1と同様にして、直描型水なし平版印刷版原版を得た。実施例1と同様の評価を行った結果、画像再現性を有していた。しかし、印刷版のレーザー未照射部(非画線部)に対して耐傷性の評価を行ったところ、洗浄傷耐性は良好であったが、擦過による傷に弱いことがわかった。また、シリコーンゴム層溶液から作製したテストピースの初期弾性率および破断伸度を測定したところ、表1の通りであった。
(比較例2〜16)
表2に示したとおりにシリコーンゴム層溶液を使用したこと以外は実施例1と同様にして、直描型水なし平版印刷版原版を得た。評価結果を表2に示す。また、各シリコーンゴム層溶液から作製したテストピースの初期弾性率および破断伸度を表1に示す。
(比較例17)
断熱層溶液を使用せず、シリコーンゴム層溶液を表2に示したとおりにした以外は実施例1と同様にして、直描型水なし平版印刷版原版を得た。評価結果を表2に示す。
(比較例18〜20)
表2に示したとおりにシリコーンゴム層溶液を使用したこと以外は実施例9と同様にして、ポジ型の水なし平版印刷版原版を得た。評価結果を表2に示す。
(比較例21〜23)
表2に示したとおりにシリコーンゴム層溶液を使用したこと以外は実施例12と同様にして、ネガ型の水なし平版印刷版原版を得た。評価結果を表2に示す。
Figure 2007147819
Figure 2007147819

Claims (3)

  1. 基板上に、少なくとも感光層もしくは感熱層と、シリコーンゴム層とをこの順に有する水なし平版印刷版原版であって、該シリコーンゴム層の初期弾性率が0.39MPa以下であることを特徴とする水なし平版印刷版原版。
  2. 該シリコーンゴム層の初期弾性率が0.25〜0.35MPaであることを特徴とする水なし平版印刷版原版。
  3. 該シリコーンゴム層の破断伸度が500〜700%であることを特徴とする請求項1に記載の水なし平版印刷版原版。
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