JP2000301849A - 直描型水なし平版印刷版原版の製造方法 - Google Patents

直描型水なし平版印刷版原版の製造方法

Info

Publication number
JP2000301849A
JP2000301849A JP11783599A JP11783599A JP2000301849A JP 2000301849 A JP2000301849 A JP 2000301849A JP 11783599 A JP11783599 A JP 11783599A JP 11783599 A JP11783599 A JP 11783599A JP 2000301849 A JP2000301849 A JP 2000301849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
printing plate
polydimethylsiloxane
direct
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11783599A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuoki Goto
一起 後藤
Ken Kawamura
建 河村
Koichi Nagase
公一 長瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP11783599A priority Critical patent/JP2000301849A/ja
Publication of JP2000301849A publication Critical patent/JP2000301849A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザー光で直接製版でき、シリコーンゴム層
の硬化性およびシリコーンゴム層と感熱層との接着性に
優れ版性能にばらつきのない描型水なし平版印刷版の製
造方法を提供する。 【解決手段】基板上に、少なくとも感熱層およびシリコ
ーンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印
刷版原版の製造方法であって、(1)ポリジメチルシロ
キサンを溶媒に溶解する工程、(2)少なくともポリジ
メチルシロキサンを含む溶液に架橋剤を加える工程、
(3)少なくともポリジメチルシロキサン及び架橋剤を
含む溶液に硬化触媒を加える工程、を含むことを特徴と
する直描型水なし平版印刷版原版の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿し水を用いずに
印刷が可能な水なし平版印刷版原版のうち、特にレーザ
ー光で直接製版できる直描型水なし平版印刷版原版の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製版用フィルムを使用しないで、原稿か
ら直接オフセット印刷版を作製する、いわゆる直描型製
版は、熟練度を必要としない簡易性、短時間で印刷版が
得られる迅速性、多様なシステムから品質とコストに応
じて選択可能である合理性などの特徴を生かして、軽印
刷業界のみでなく、一般オフセット印刷、フレキソ印刷
の分野にも進出し始めている。特に最近では、プリプレ
スシステムやイメージセッター、レーザープリンタなど
の出力システムの急激な進歩によって新しいタイプの各
種直描型平版印刷版が開発されている。これらの直描型
平版印刷版を製版方法から分類すると、レーザー光を照
射する方法、サーマルヘッドで書き込む方法、ピン電極
で電圧を部分的に印加する方法、インクジェットでイン
キ反撥層またはインキ着肉層を形成する方法などが挙げ
られる。なかでも、レーザー光を用いる方法は解像度、
および製版速度の面で他の方式よりも優れており、その
種類も多い。
【0003】このレーザー光を用いる印刷版はさらに、
光反応によるフォトンモードのものと、光熱変換を行っ
て熱反応を起こさせるヒートモードの2つのタイプに分
けられる。特にヒートモードの方式は、明室で取り扱え
るといった利点があり、また光源となる半導体レーザー
の急激な進歩によって、最近その有用性が見直されてき
ている。
【0004】例えば、米国特許第5339737号明細
書、米国特許第5353705号明細書、特開平6−5
5723号公報、米国特許第5378580号明細書、
特開平7−164773号公報、特開平6−18675
0号公報、特開平7−309001号公報、特開平9−
104182号公報、特開平9−146264号公報、
特開平9−146265号公報、特開平9−23692
7号公報、特開平9−244228号公報およびUSP
5487338号公報、米国特許第5385092号明
細書、米国特許第5649486号明細書、米国特許第
5704291号明細書、米国特許第5570636号
明細書にはレーザー光を光源として用いる直描型水なし
平版印刷版原版およびその製版方法などが記載されてい
る。
【0005】この熱破壊方式の印刷版原版の感熱層は、
レーザー光吸収化合物として主としてカーボンブラック
を用い、熱分解化合物としてニトロセルロースを使用し
ている。そしてこのカーボンブラックがレーザー光を吸
収することによって熱エネルギーに変換され、その熱で
感熱層が破壊される。そして最終的に、現像によってこ
の部分を除去することによって、表面のシリコーンゴム
層が同時に剥離され、インキ着肉部となる。
【0006】しかしながらこの印刷版は、感熱層を破壊
して画像を形成することから画線部のセルの深さが深く
なり、微少網点でのインキ着肉性が悪く、インキマイレ
ージが悪いという問題点があった。更に、感熱層を熱破
壊させ易くするために、架橋構造を形成しており印刷版
の耐刷性が悪いという問題もあった。更にこの印刷版は
感度が低く、感熱層を破壊させるために高いレーザー光
の強度が必要という問題点もあった。
【0007】特開平9−239942号公報では、レー
ザー感応層中に酸を発生する物質と、酸の作用で分解す
る高分子化合物を含有する剥離現像タイプの印刷版が提
案されているが、レーザー光照射の工程と加熱工程とい
う二つの工程が必要であるため工程が煩雑になり、また
微細な網点の再現性が悪いという剥離現像固有の問題が
存在する。
【0008】その他、米国特許第5379698号明細
書には、金属薄膜を感熱層として用いる直描型水なし平
版印刷版が記載されている。この印刷版は、感熱層がか
なり薄いために、非常にシャープな画像が得られ、印刷
版の解像度という面では有利であるが、基材と感熱層の
接着性が悪く印刷中に非画線部の感熱層が剥離し、イン
キが付着し印刷物上で欠点となるという問題点があっ
た。
【0009】また、以上のような直描型水なし平版にお
いて、シリコーンゴム層と下層の感熱層の接着力は版性
能を決定する上で非常に重要な要因であった。特に、微
小網点の再現性や耐刷性などに非常に大きな影響を与え
るためである。このような観点から、例えば特開平10
−221840号公報が提案されている。これはレーザ
ー照射の主走査方向と現像の方向をあわせることで微小
網点の再現性を向上させ得てはいるものの、版材の本質
的な改良には至ってはおらず、現像条件の微妙な変化に
より画像再現性が変動するという問題を抱えていた。さ
らに大きな問題として、直描型水なし平版印刷版原版の
製造時のバラツキにより、版性能に大きなバラツキが生
じるという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の欠点に鑑み鋭意検討を行った結果、版性能にバラツ
キのない、具体的にはシリコーンゴム層の硬化状態と、
シリコーンゴム層と感熱層の接着性が安定した直描型水
なし平版印刷版原版を得る技術を見出した。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、基
板上に、少なくとも感熱層およびシリコーンゴム層をこ
の順に積層してなる直描型水なし平版印刷版原版の製造
方法であって、(1)ポリジメチルシロキサンを溶媒に
溶解する工程、(2)少なくともポリジメチルシロキサ
ンを含む溶液に架橋剤を加える工程、(3)少なくとも
ポリジメチルシロキサン及び架橋剤を含む溶液に硬化触
媒を加える工程、を含むことを特徴とする直描型水なし
平版印刷版原版の製造方法であり、さらに本発明は、基
板上に、少なくとも感熱層およびシリコーンゴム層をこ
の順に積層してなる直描型水なし平版印刷版原版の製造
方法であって、(1)炭素−炭素二重結合を有するポリ
ジメチルシロキキサンを溶媒に溶解する工程、(2)少
なくとも炭素−炭素二重結合を有するポリジメチルシロ
キサンを含む溶液にSiH基を有する化合物、および反
応抑制剤および/あるいは下記一般式(I)で表される
化合物を加える工程、(3)少なくとも炭素−炭素二重
結合を有するポリジメチルシロキサン及びSiH基を有
する化合物、および反応抑制剤および/あるいは下記一
般式(I)で表される化合物を含む溶液に硬化触媒を加
える工程、を含むことを特徴とする直描型水なし平版印
刷版原版の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
本発明の特徴とするところは、基板上に、少なくとも感
熱層およびシリコーンゴム層をこの順に積層してなる直
描型水なし平版印刷版原版の製造方法であって、(1)
ポリジメチルシロキキサンを溶媒に溶解する工程、
(2)少なくともポリジメチルシロキサンを含む溶液に
架橋剤を加える工程、(3)少なくともポリジメチルシ
ロキサン及び架橋剤を含む溶液に硬化触媒を加える工
程、を含むことである。
【0013】水なし平版印刷版原版において、シリコー
ンゴム層と感光層/感熱層の接着力は、特に微小網点の
再現性や耐刷性などの観点から版性能を決定する非常に
重要な要因である。直描型水なし平版においては、感熱
層が後述のごとく金属薄膜であったり、あるいは光熱変
換物質である染料や顔料を比較的多く含む有機膜である
ため、従来の水なし平版以上にこのシリコーンゴム層と
感熱層の間の接着力を発現させることが困難であった。
それ故、この重要な問題解決のためには、大きなブレー
クスルーが必要とされていたが、本発明のシリコーンゴ
ム液の組成、調製方法に至るまでのブレークスルーによ
り初めてこの問題解決の見通しが得られた。
【0014】すなわち、本発明のような工程を含むこと
によって初めて、ポリジメチルシロキサンと架橋剤の反
応を均一に制御することが出来るようになり、結果とし
て印刷版作製の際のシリコーンゴム層の硬化状態、シリ
コーンゴム層と感熱層の接着性を安定して発現させるこ
とが可能となった。
【0015】以下、順に説明する。まず、本発明で使用
するポリジメチルシロキサンは、シリコーンゴム層を構
成するポリマー材料であり、下記一般式(III)で表さ
れる構造を有する。
【0016】
【化1】
【0017】(式中、mは2以上の整数を示し、R3
4は炭素数1〜50の置換あるいは非置換のアルキル
基、炭素数2〜50の置換あるいは非置換のアルケニル
基、炭素数4〜50の置換あるいは非置換のアリール基
の群から選ばれる少なくとも1種を示し、それぞれ同一
であっても異なっていてもよい。) 式中のR3、R4
の全体の50%以上がメチル基であることが、印刷版の
インキ反発性の面で好ましい。また、ポリジメチルシロ
キサンの分子量としては数千〜数十万のものが使用でき
るが、その取扱い性や得られた印刷版のインキ反発性、
耐傷性などの観点から重量平均分子量1万〜20万、さ
らには3万〜15万のものを用いることが好ましい。分
子中には、末端および/あるいは主鎖中に水酸基、もし
くは/およびビニル基などの炭素−炭素二重結合を有す
ることが好ましい。このような官能基の位置について
は、両末端に計2つ以上の官能基を有することが好まし
い。
【0018】ポリジメチルシロキサンを溶解する溶媒と
しては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素系の溶媒を用
いることが好ましい。また、溶媒については、乾燥窒素
ガスのバブリングやモレキュラーシーブなどの乾燥手段
を用いて、予め水分率を低くしておくことが好ましい。
好ましい水分率は、100ppm以下、さらには50p
pm以下である。水分率が100ppmより高い場合に
は、溶液の調製や塗布までの過程で副反応が進行し、シ
リコーンゴム層の硬化が十分に進行しなかったり、感熱
層との接着性が発現しにくくなる場合があるからであ
る。
【0019】ポリジメチルシロキサンを溶媒に溶解する
濃度としては、5〜60wt%、さらには8〜45wt
%が好ましい。濃度が5wt%未満である場合には、得
られるシリコーンゴム溶液の濃度も低くなり易いため、
シリコーンゴム層塗布の際に揮散させる溶媒量が多くな
ってしまい、熱エネルギー的に不利となるためである。
逆に、60wt%より高濃度の場合は、溶解に時間がか
かり生産上問題が生じ易いだけでなく、その後の工程で
架橋剤や触媒を添加するときに、十分な攪拌がし難くな
ってしまう。その結果、溶液中における不均一化が生
じ、得られた印刷版の性能にバラツキが生じる原因とな
るためである。また、ポリジメチルシロキサン溶液の粘
度としては、上記濃度と同じ理由から、5〜500cp
s(例えば、25℃、B型回転粘度計)に調整すること
が好ましい。ポリジメチルシロキサンの溶解に関して
は、濃度で60wt%以下、粘度で500cps以下に
溶解し、架橋剤、触媒などを順に加えた後、塗布前にさ
らに溶媒を追加してもよい。
【0020】少なくともポリジメチルシロキサンを含む
溶液に加える架橋剤としては、SiH基を有する化合物
である場合や、下記一般式(I)で表される化合物であ
る場合がある。 (R14-nSiXn (I) (式中、nは2〜4の整数。R1は炭素数1以上の置換
もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール
基、またはこれらの組み合わされた基を示す。Xはハロ
ゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシミ
ン基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニルオキシ基
から選ばれる官能基である。) SiH基を有する化合物は、炭素−炭素二重結合を有す
るポリジメチルシロキサンと組み合わせて用いることが
好ましく、一方、一般式(I)で表される化合物は水酸
基を有するポリジメチルシロキサンとの組み合わせで用
いることが好ましい。
【0021】SiH基を有する化合物としては、分子鎖
中、または末端にSiH基を有するポリシロキサンを挙
げることができ、例えば下記一般式で表されるような化
合物を挙げることができる。
【0022】
【化2】
【0023】(上記各式中、nは1以上の整数を示し、
mは1以上の整数を示す。) SiH基を有する化合物中におけるSiH基の量として
は、1分子中に2個以上、さらには3個以上であること
が好ましい。
【0024】SiH基を有する化合物の添加量として
は、シリコーンゴム層全組成物の3〜20wt%である
ことが好ましく、さらに好ましくは5〜15wt%であ
る。ポリジメチルシロキサンとの量比ということで言え
ば、SiH基/ポリジメチルシロキサンの炭素炭素二重
結合のモル比が1.5〜6.0であることが好ましく、
さらに好ましくは1.5〜2.0である。このモル比が
1.5未満である場合には、シリコーンゴム層の硬化が
不足する場合があり、逆に6.0よりも大きい場合には
ゴムの物性がもろくなり、印刷版の耐傷性などに悪影響
を与え易くなるためである。
【0025】上記式(I)で表される化合物としては、
公知のアセトキシシラン類、アルコキシシラン類、ケト
キシミンシラン類、アリロキシシラン類などが挙げられ
る。また、加水分解性基の数nは3または4であること
が好ましい。
【0026】具体的な化合物としては、メチルトリアセ
トキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルト
リアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テト
ラプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリフェノキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
アリルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシ
シラン、ビニルトリスイソプロペノキシシラン、ビニル
メチルビス(メチルエチルケトキシミン)シラン、メチ
ルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン、ビニルト
リ(メチルエチルケトキシミン)シラン、テトラ(メチ
ルエチルケトキシミン)シラン、ジイソプロペノキシジ
メチルシラン、トリイソプロペノキシメチルシラン、テ
トラアリロキシシラン、などが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。これらの中では、シリコーン
ゴム層の硬化速度、取扱い性などの観点から、アセトキ
シシラン類、ケトキシミンシラン類が好ましい。特に、
シリコーンゴム層と感熱層の接着性の観点から、ビニル
トリ(メチルエチルケトキシミン)シラン、テトラ(メ
チルエチルケトキシミン)シラン、ビニルトリアセトキ
シシラン、が好ましい。
【0027】一般式(I)で表される化合物の添加量と
しては、シリコーンゴム層全組成物の1.5〜20wt
%であることが好ましく、さらに好ましくは3〜10w
t%である。
【0028】ポリジメチルシロキサンとの量比というこ
とで言えば、官能基X/ポリジメチルシロキサンの水酸
基のモル比が1.5〜10.0であることが好ましい。
このモル比が1.5未満である場合には、シリコーンゴ
ム層溶液のゲル化が起こり易く、逆に10.0よりも大
きい場合にはゴムの物性がもろくなり、印刷版の耐傷性
などに悪影響を与え易くなるためである。
【0029】本発明の特徴は、少なくともポリジメチル
シロキサン及び架橋剤を含む溶液に硬化触媒を添加する
ことである。少なくともポリジメチルシロキサン及び架
橋剤を含む溶液としては、炭素−炭素二重結合を有する
ポリジメチルシロキサンとSiH基を有する化合物を少
なくとも含む溶液である場合、水酸基を有するポリジメ
チルシロキサンと一般式(I)で表される化合物を少な
くとも含む溶液であることが好ましい。
【0030】炭素−炭素二重結合を有するポリジメチル
シロキサンとSiH基を有する化合物を少なくとも含む
溶液としては、反応抑制剤および/あるいは上記式(I)
で表される化合物をさらに含むことが好ましい。
【0031】反応抑制剤としては、含窒素化合物、リン
系化合物、不飽和アルコールなどが挙げられるが、アセ
チレン基含有のアルコールなどが好ましく用いられる。
反応抑制剤の好ましい添加量としては、シリコーンゴム
組成物中の0.1〜10wt%、さらには1〜5wt%
である。
【0032】少なくともポリジメチルシロキサン及び架
橋剤を含む溶液に添加する硬化触媒としては、少なくと
もポリジメチルシロキサン及び架橋剤を含む溶液が、炭
素−炭素二重結合を有するポリジメチルシロキサンとS
iH基を有する化合物を少なくとも含む溶液である場合
には、VIII族遷移金属化合物が挙げられる。特に、
白金化合物が好ましく、具体的には白金単体、塩化白
金、塩化白金酸、オレフィン配位白金、白金のアルコー
ル変性錯体、白金のメチルビニルポリシロキサン錯体な
どを一例として挙げることが出来る。
【0033】また、少なくともポリジメチルシロキサン
及び架橋剤を含む溶液が、水酸基を有するポリジメチル
シロキサンと上記式(I)で表される化合物を少なくと
も含む溶液である場合には、酢酸、プロピオン酸、マレ
イン酸などの有機カルボン酸、トルエンスルホン酸、ホ
ウ酸等の酸類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水
酸化リチウム等のアルカリ、アミン、およびチタンテト
ラプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどの金属ア
ルコキシド、鉄アセチルアセトナート、チタンアセチル
アセトナートジプロポキシドなどの金属ジケテネート、
金属の有機酸塩などを硬化触媒として挙げることが出来
る。
【0034】これらのの中では、金属の有機酸塩を添加
することが好ましく、特に錫、鉛、亜鉛、鉄、コバル
ト、カルシウム、マンガンから選ばれる金属の有機酸塩
であることが好ましい。このような化合物の具体例の一
部としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオ
クテート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸亜鉛、
オクチル酸鉄などを挙げることが出来る。
【0035】このような硬化触媒の量は、シリコーンゴ
ム層中に固形分として0.01〜120t%、好ましく
は0.1〜10wt%であることが好ましい。添加する
触媒量が0.01wt%未満である場合にはシリコーン
ゴム層の硬化が不十分となり、さらに感熱層との接着性
に問題を生じる場合があるためである。他方20wt%
より多い場合にはシリコーンゴム層溶液のポットライフ
に悪影響をもたらすためである。
【0036】また、これらの組成物の他に、ゴム強度を
向上させる目的でシリカなどの公知の充填剤を含有して
もよい。
【0037】このようにして得られるシリコーンゴム溶
液を、感熱層上に各種コーテイング方法により塗布、乾
燥してシリコーンゴム層を形成し、直描型水なし平版印
刷版原版を得ることが出来る。あるいは、フィルム上に
シリコーンゴム層を形成した後、感熱層と貼り合わせる
ことによって直描型水なし平版印刷版原版を得ることも
できる。その際、シリコーンゴム溶液は、塗工性などの
観点から、さらに溶媒を添加するなどして用いてもよ
い。
【0038】シリコーンゴム層の膜厚は0.5〜20g
/m2が好ましく、さらに好ましくは1〜4g/m2であ
る。膜厚が0.5g/m2よりも小さい場合には印刷版
のインキ反撥性や耐傷性、耐刷性が低下する傾向があ
り、20g/m2よりも大きい場合には経済的見地から
不利であるばかりでなく、現像性、インキマイレージが
悪くなるという問題がある。
【0039】本発明において感熱層は、いわゆる金属薄
膜系のものでもよいし、光熱変換物質を含有する有機化
合物層であってもよい。
【0040】金属薄膜系を構成する金属としては、チタ
ン、アルミ、ニッケル、鉄、テルル、スズ、アンチモ
ン、ガリウム、ゲルマニウム、マグネシウム、ポロニウ
ム、セレン、タリウム、亜鉛、ビスマス、およびこれら
の酸化物、硫化物などが挙げられる。これら金属化合物
は2種類以上を混合し、アロイとすることによって融点
を低くすることが好ましい。
【0041】金属薄膜の厚さは、1000オングストロ
ーム以下、さらには400オングストローム以下が好ま
しい。
【0042】また、有機化合物層中に用いられる光熱変
換物質としては、カーボンブラック、チタンブラックな
どの黒色顔料、フタロシアニンやナフタロシアニン系の
顔料、カーボングラファイト、ジアミン系金属錯体、ジ
チオール系金属錯体、フェノールチオール系金属錯体、
メルカプトフェノール系金属錯体、結晶水含有無機化合
物、硫酸銅、硫化クロム、珪酸塩化合物や、酸化チタ
ン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバ
ルト、酸化タングステンなどの金属酸化物、これらの金
属の水酸化物、硫酸塩などを挙げることが出来る。
【0043】これらのなかでも、光熱変換率、経済性お
よび取り扱い性の面から、カーボンブラックが好まし
い。
【0044】また上記の物質以外に、赤外線または近赤
外線を吸収する色素、特に染料が光熱変換物質として好
ましく使用される。
【0045】特に好ましい色素としては、シアニン系、
フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジチオール金
属錯体系、ピアズレニウム系、スクアリリウム系、クロ
コニウム系、アゾ系分散色素、ビスアゾ系、ビスアゾス
チルベン系、ナフトキノン系、アントラキノン系、ペリ
レン系、ポリメチン系、インドアニリン金属錯体染料、
分子間型CT系、ベンゾチオピラン系スピロピラン系、
ニグロシン系、チオインジゴ系、ニトロソ系、キノリン
系、フルギド系の色素、特に染料などが挙げられる。
【0046】さらにこれらの染料のなかでも、モル吸光
度係数の大きなものが好ましく使用される。具体的には
ε=1×104以上が好ましく、より好ましくは1×1
5以上である。εが1×104より小さいと、感度の向
上効果が発現しにくいためである。
【0047】これらの光熱変換物質は単独でも感度の向
上効果はあるが、2種以上を併用して用いることによっ
て、さらに感度を向上させることも可能である。
【0048】これら光熱変換物質の含有量は、全感熱層
組成物に対して0.1〜40重量%が好ましく、より好
ましくは0.5〜25重量%である。0.1重量%より
も少ない場合にはレーザー光に対する感度の向上効果が
見られず、40重量%よりも多い場合には印刷版の耐刷
性が低下しやすい。
【0049】また、感熱層には金属キレート化合物を含
有することが好ましい。金属キレート化合物としては、
Al、Ti、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、G
e、In、Sn、Zr、Hfの金属ジケテネート、金属
アルコキサイド、アルキル金属、金属カルボン酸塩類、
酸化金属キレート化合物、金属錯体、ヘテロ金属キレー
ト化合物が挙げられ、これらの中で特に好ましく用いら
れる化合物としては、アルミニウム、鉄(III )、チタ
ンのアセチルアセトネート(ペンタンジオネート)、エ
チルアセトアセトネート(ヘキサンジオネート)、プロ
ピルアセトアセトネート(ヘプタンジオネート)、テト
ラメチルヘプタンジオネート、ベンゾイルアセトネート
類などが挙げられる。
【0050】感熱層中に添加する量としては固形分のう
ち3〜50重量%が好ましく、さらには5〜30重量%
が好ましい。添加量が3重量%未満である場合にはその
効果、すなわち画像再現性向上効果が低くなり、一方3
0重量%よりも多い場合には感熱層の物性が低下しやす
く、印刷版としては例えば耐刷性という問題が生じやす
くなるためである。
【0051】金属キレート化合物を用いる場合には、そ
れとの相互作用という観点から、フェノール性水酸基含
有化合物、アルコール性水酸基含有化合物、アミノ基含
有化合物、カルボキシル基含有化合物、ジケトン基含有
化合物等を添加することが好ましい。
【0052】これら化合物の添加量は、全感熱層組成物
に対して5〜60重量%が好ましく、より好ましくは2
0〜50重量%である。5重量%よりも少ないとその効
果が少なくなる傾向にあり、逆に60重量%よりも多い
と印刷版の溶剤耐性が低下しやすい。
【0053】本発明において感熱層がさらにバインダー
ポリマーを含有することが好ましい。この際、バインダ
ーポリマーとしては、印刷版の耐刷性の観点から、該ポ
リマーのガラス転移温度(Tg)が20℃以下のポリマ
ー、コポリマー、さらに好ましくはガラス転移温度が0
℃以下のポリマー、コポリマーを用いることが好まし
い。
【0054】バインダーポリマーの具体例としては、公
知のビニルポリマー類、未加硫ゴム、ポリオキシド類
(ポリエーテル類)、ポリエステル類、ポリウレタン
類、ポリアミド類などが挙げられる。
【0055】これらのバインダーの含有量は、全感熱層
組成物に対して5〜70重量%が好ましく、より好まし
くは10〜50重量%である。含有量が5%よりも少な
いと耐刷性や塗液の塗工性に問題が生じやすく、70重
量%よりも多いと画像再現性に悪影響を与えやすい。
【0056】感熱層に好ましく含まれる他の化合物とし
ては、ニトロセルロースをはじめとするニトロ基含有化
合物やヒドラジン誘導体、アゾ化合物、アジド化合物、
炭酸エステル化合物、有機過酸化物などの易分解性化合
物などを挙げることができる。
【0057】感熱層の厚さは、被覆層にして0.1〜1
0g/m2であると、印刷版の耐刷性や、希釈溶剤を揮
散し易く生産性に優れる点で好ましく、より好ましくは
1〜7g/m2である。
【0058】得られた直描型水なし平版印刷版原版は、
インキ反発層の保護の目的で保護フィルムをラミネート
するかあるいは保護層を形成してもよい。保護フィルム
としてはポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどが挙げられる。
【0059】このような直描型水なし平版印刷版原版
を、保護フィルムを剥離してから、あるいは保護フィル
ム上からレーザー光で画像状に露光する。本発明の製版
露光工程で用いられるレーザー光源としては、発光波長
領域が300nm〜1500nmの範囲にあるものが用
いられるが、これらの中でも近赤外領域付近に発光波長
領域が存在する半導体レーザーやYAGレーザーが好ま
しく用いられる。具体的には、明室での版材の取扱い性
などの観点から、780nm、830nm、1064n
mの波長のレーザー光が製版に好ましく用いられる。
【0060】レーザー照射後の原版は、水または有機溶
剤の存在もしくは非存在下での摩擦処理により現像がな
される。摩擦処理は、現像液を含浸した不織布、脱脂
綿、布、スポンジ等で版面を拭き取ることによって、あ
るいは上記の現像液で版面を前処理した後に水道水など
をシャワーしながら回転ブラシで擦ることによって行う
ことができる。現像処理を行う場合に使用される現像液
としては、例えば、水や水に界面活性剤を添加したも
の、さらには水にアルコールやケトン、エステル、カル
ボン酸などの極性溶媒を添加したものや、脂肪族炭化水
素類、芳香族炭化水素類などの少なくとも1種類からな
る溶媒に極性溶媒を少なくとも1種類添加したもの、あ
るいは極性溶媒が用いられる。また、上記の現像液組成
には、公知の界面活性剤を添加することも自由に行われ
る。さらにアルカリ剤、例えば炭酸ナトリウム、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、ジグリコールア
ミン、モノグリコールアミン、ケイ酸ナトリウム、水酸
化カリウム、ホウ酸ナトリウムなどを添加することもで
きる。これらの中では、水あるいは水に界面活性剤を添
加したもの、さらにはアルカリを添加した水が好まし
い。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。 [実施例1〜7、および比較例1〜8]厚さ0.24m
mの脱脂したアルミ板上に下記の組成よりなる溶液を塗
布し、200℃、2分間乾燥し、3g/m2のプライマ
ー層を設けた。 <プライマー1> (a)エポキシ・フェノール樹脂“カンコート”90T
−25−3094(関西ペイント(株)製):15重量
部 (b)“KAYASORB”IR−820B(ポリメチ
ン系染料、日本化薬(株)製):0.5重量部 (c)ジメチルホルムアミド:85重量部 次いで、下記感熱層組成を塗布し、150℃で1分間乾
燥し、膜厚1g/m2の感熱層を設けた。
【0062】<感熱層1> (a)“KAYASORB”IR−820B(ポリメチ
ン系染料、日本化薬(株)製):10重量部 (b)“ナーセムチタン”(チタンジ−n−ブトキサイ
ドビス(2,4−ペンタンジオネート、日本化学産業
(株)製、金属キレート化合物):10重量部 (c)“スミライトレジン”PR50622(フェノー
ルノボラック樹脂、住友デュレズ(株)製):57重量
部 (d)“サンプレン”T−1331(ポリウレタン樹脂
三洋化成工業(株)製、 ガラス転移温度Tg:−3
7℃):10重量部 (e)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレ
ート/3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン=
1/3/1mol比付加反応物:10重量部 (f)テトラヒドロフラン:550重量部 (g)ジメチルホルムアミド:350重量部。
【0063】この感熱層上に、表1に示すような各種方
法で調製した各種シリコーンゴム層を乾燥膜厚2.0μ
m、乾燥条件は120℃×1分間として塗設した。
【0064】その際、乾燥直後のシリコーンゴム層の硬
化状態を調べた。
【0065】また、得られた直描型水なし平版印刷版原
版は、FX400−AP(製版機、東レエンジニアリン
グ(株)製)に装着し、半導体レーザー(波長830n
m、ビーム直径20μm)を用いて露光時間10μsで
照射エネルギー200mJ/cm2で露光を行った。
【0066】続いて、東レ(株)製自動現像装置TWL
−650(前処理液:“NP−1”(東レ(株)製)、
現像液:水)により上記露光済み版の現像を行ない、画
像再現性を調べた。
【0067】各種製造方法によるシリコーンゴム層の硬
化状態、および画像再現性を表1および表2に示す。
【0068】<シリコーンゴム層1> (a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(分子
量約60,000):100重量部 (b)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製、溶
媒):1000重量部 (c)HMS−501(チッソ(株)製 両末端メチル
(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキ
サン)共重合体 SiH基数/分子量=0.69mol/
g、SiH基を有する化合物、架橋剤):7重量部 (d)“BY24−808”(東レダウコーニングシリ
コーン(株)製、反応抑制剤):3重量部 (e)“SRX−212”(東レダウコーニングシリコ
ーン(株)製、白金触媒、硬化触媒):5重量部。
【0069】<シリコーンゴム層2> (a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(分子
量約60,000):100重量部 (b)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製、溶
媒):1000重量部 (c)HMS−501(チッソ(株)製 両末端メチル
(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキ
サン)共重合体 SiH基数/分子量=0.69mol/
g、SiH基を有する化合物、架橋剤):7重量部 (d)“BY24−808”(東レダウコーニングシリ
コーン(株)製、反応抑制剤):3重量部 (e)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシムシラ
ン):3重量部 (f)“SRX−212”(東レダウコーニングシリコ
ーン(株)製、白金触媒、硬化触媒):5重量部。
【0070】<シリコーンゴム層3> (a)ポリジメチルシロキサン(分子量約50,00
0、両末端水酸基):100重量部 (b)“アイソパ−E”(イソパラフィン系炭化水素、
エクソン化学(株)製、溶媒):1400重量部 (c)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラ
ン(架橋剤):8重量部 (d)ジブチル錫ジアセテ−ト(錫触媒、硬化触媒):
0.5重量部 (e)3−アミノプロピルトリエトキシシラン:0.5
重量部。
【0071】<シリコーンゴム層4> (a)ポリジメチルシロキサン(分子量約50,00
0、両末端水酸基):100重量部 (b)“アイソパ−E”(イソパラフィン系炭化水素、
エクソン化学(株)製、溶媒):1200重量部 (c)エチルトリアセトキシシラン(架橋剤):15重
量部 (d)ジブチル錫ジアセテ−ト(錫触媒、硬化触媒):
0.3重量部。
【0072】<シリコーンゴム層5> (a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(分子
量約60,000):100重量部 (b)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製、溶
媒):1000重量部 (c)HMS−501(チッソ(株)製 両末端メチル
(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキ
サン)共重合体 SiH基数/分子量=0.69mol/
g、SiH基を有する化合物、架橋剤):7重量部 (d)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシムシラ
ン):3重量部 (e)“SRX−212”(東レダウコーニングシリコ
ーン(株)製、白金触媒、硬化触媒):5重量部。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】表1、表2および表3の結果からも分かる
ように、本発明の工程を含む製造方法では、感熱層が有
機化合物層であっても金属薄膜層であっても、シリコー
ンゴム層の硬化状態、シリコーンゴム層と感熱層の接着
性共に良好な結果が得られている。しかしながら、全て
の成分を同時に混合したものでは、詳細な原因は未解明
であるが、性能にバラツキが生じやすくなってる。さら
に、架橋剤と硬化触媒の添加順序が本発明の要件を満た
していない場合には、シリコーンゴム層の硬化が全く進
行しなかったり、接着性が発現しないという結果が得ら
れた。
【0077】[実施例8、比較例9]厚さ150μmの
“ルミラー”(東レ(株)製ポリエチレンテレフタレー
トフィルム)上に、感熱層として厚さ200オングスト
ロームのチタン蒸着膜を真空蒸着により形成した。この
感熱層上に、表4に示すような方法で調製した各種シリ
コーンゴム層を乾燥膜厚2.0μm、乾燥条件は120
℃×1分間として塗設した。その際、乾燥直後のシリコ
ーンゴム層の硬化状態を調べた。
【0078】得られた水なし平版印刷版原版をFX40
0−AP(製版機、東レエンジニアリング(株)製)に
装着し、半導体レーザー(波長830nm、ビーム直径
20μm)を用いて露光時間10μsで照射エネルギー
400mJ/cm2で露光を行った。続いて、イソプロ
ピルアルコールを含ませた“ハイゼガーゼ”(旭化成工
業(株)製)で擦ることにより現像を行い、画像再現性
を調べた。結果を表4に示す。
【0079】
【表4】
【0080】表4の結果からも分かるように、本発明の
工程を含む製造方法では、感熱層が有機化合物層であっ
ても金属薄膜層であっても、シリコーンゴム層の硬化状
態、シリコーンゴム層と感熱層の接着性共に良好な結果
が得られている。しかしながら、全ての成分を同時に混
合したものでは、詳細な原因は未解明であるが、性能に
バラツキが生じやすくなってる。さらに、架橋剤と硬化
触媒の添加順序が本発明の要件を満たしていない場合に
は、シリコーンゴム層の硬化が全く進行しなかったり、
接着性が発現しないという結果が得られた。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、直描型水なし平版印刷
版原版において、シリコーンゴム層の硬化性およびシリ
コーンゴム層と感熱層との接着性に優れ、版性能にばら
つきのない直描型水なし平版印刷版が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AA14 AB04 AC08 AD01 AD03 CC20 FA03 FA17 2H096 AA11 AA13 BA16 BA20 CA20 EA04 GA08 2H114 AA05 AA22 AA24 AA27 AA28 BA05 BA10 DA04 DA08 DA59 DA60 DA62 DA73 DA78 EA02 GA04 GA34 GA38

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、少なくとも感熱層およびシリコ
    ーンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印
    刷版原版の製造方法であって、(1)ポリジメチルシロ
    キサンを溶媒に溶解する工程、(2)少なくともポリジ
    メチルシロキサンを含む溶液に架橋剤を加える工程、
    (3)少なくともポリジメチルシロキサン及び架橋剤を
    含む溶液に硬化触媒を加える工程、を含むことを特徴と
    する直描型水なし平版印刷版原版の製造方法。
  2. 【請求項2】ポリジメチルシロキサンが炭素−炭素二重
    結合および/または水酸基を有することを特徴とする請
    求項1記載の直描型水なし平版印刷版原版の製造方法。
  3. 【請求項3】該架橋剤がSiH基を有する化合物または
    下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴と
    する請求項1記載の直描型水なし平版印刷版原版の製造
    方法。 (R14-nSiXn (I) (式中、nは2〜4の整数を示し、R1は炭素数1以上
    の置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、ア
    リール基、またはこれらの組み合わされた基を示す。X
    はハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケト
    キシミン基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニルオ
    キシ基から選ばれる官能基である。)
  4. 【請求項4】基板上に、少なくとも感熱層およびシリコ
    ーンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印
    刷版原版の製造方法であって、(1)炭素−炭素二重結
    合を有するポリジメチルシロキキサンを溶媒に溶解する
    工程、(2)少なくとも炭素−炭素二重結合を有するポ
    リジメチルシロキサンを含む溶液にSiH基を有する化
    合物、および反応抑制剤および/あるいは下記一般式
    (I)で表される化合物を加える工程、(3)少なくと
    も炭素−炭素二重結合を有するポリジメチルシロキサン
    及びSiH基を有する化合物、および反応抑制剤および
    /あるいは下記一般式(I)で表される化合物を含む溶
    液に硬化触媒を加える工程、を含むことを特徴とする直
    描型水なし平版印刷版原版の製造方法。 (R1)4-nSiXn (I) (式中、nは2〜4の整数を示し、R1は炭素数1以上
    の置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、ア
    リール基、またはこれらの組み合わされた基を示す。X
    はハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケト
    キシミン基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニルオ
    キシ基から選ばれる官能基である。)
  5. 【請求項5】感熱層が金属キレート化合物を含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の直描型水
    なし平版印刷版原版の製造方法。
  6. 【請求項6】感熱層が金属薄膜層であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか記載の直描型水なし平版印刷
    版原版の製造方法。
JP11783599A 1999-04-26 1999-04-26 直描型水なし平版印刷版原版の製造方法 Withdrawn JP2000301849A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11783599A JP2000301849A (ja) 1999-04-26 1999-04-26 直描型水なし平版印刷版原版の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11783599A JP2000301849A (ja) 1999-04-26 1999-04-26 直描型水なし平版印刷版原版の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000301849A true JP2000301849A (ja) 2000-10-31

Family

ID=14721438

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11783599A Withdrawn JP2000301849A (ja) 1999-04-26 1999-04-26 直描型水なし平版印刷版原版の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000301849A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6849386B2 (en) 2002-04-15 2005-02-01 Fuji Photo Film Co., Ltd. Method for preparing master plate useful for making lithographic printing plate without need of dampening water
KR100480235B1 (ko) * 2002-07-18 2005-04-06 주식회사 하이닉스반도체 유기 반사방지막 조성물 및 이를 이용한 포토레지스트의패턴 형성 방법
JP2007078918A (ja) * 2005-09-13 2007-03-29 Toray Ind Inc 水なし平版印刷版原版積層体およびその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6849386B2 (en) 2002-04-15 2005-02-01 Fuji Photo Film Co., Ltd. Method for preparing master plate useful for making lithographic printing plate without need of dampening water
KR100480235B1 (ko) * 2002-07-18 2005-04-06 주식회사 하이닉스반도체 유기 반사방지막 조성물 및 이를 이용한 포토레지스트의패턴 형성 방법
JP2007078918A (ja) * 2005-09-13 2007-03-29 Toray Ind Inc 水なし平版印刷版原版積層体およびその製造方法
JP4661473B2 (ja) * 2005-09-13 2011-03-30 東レ株式会社 水なし平版印刷版原版積層体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000335129A (ja) 直描型平版印刷版原版
US6849386B2 (en) Method for preparing master plate useful for making lithographic printing plate without need of dampening water
JP2000301849A (ja) 直描型水なし平版印刷版原版の製造方法
JP2000272261A (ja) 直描型平版印刷版原版および直描型平版印刷版の製造方法
JP2002244279A (ja) 直描型平版印刷版原版
JP4356195B2 (ja) 直描型水なし平版印刷版原版
JP2002128904A (ja) シリコーンゴム溶液の調製方法およびそれによって得られるシリコーンゴム溶液を用いた水なし平版印刷版原版の製造方法
JP4661473B2 (ja) 水なし平版印刷版原版積層体の製造方法
JPH11245529A (ja) 直描型水なし平版印刷版原版
JP3975601B2 (ja) 直描型水なし平版印刷版原版およびその製造方法
JP2002178656A (ja) 直描型水なし平版印刷版原版
JP2002214789A (ja) 直描型水なし平版印刷版原版
JP2002229189A (ja) 直描型水なし平版印刷版原版
JP2002229188A (ja) シリコーンゴム組成物およびこれを用いた直描型水なし平版印刷版原版
JP2001001661A (ja) 直描型水なし平版印刷版原版
JP2000335127A (ja) 直描型平版印刷版原版
JP2000263957A (ja) 直描型水なし平版印刷版原版
JP2000326650A (ja) 直描型平版印刷版原版
JP2001347627A (ja) 直描型平版印刷版の現像方法
JPH11352673A (ja) 直描型水なし平版印刷版原版
JP2000301847A (ja) 直描型水なし平版印刷版原版
JP2001001659A (ja) 直描型平版印刷版原版
JP2007147819A (ja) 水なし平版印刷版原版
JP2000309175A (ja) 直描型水なし平版印刷版の製造方法
JP2000330266A (ja) 直描型水なし平版印刷版原版

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060223

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20070615