JP2001347627A - 直描型平版印刷版の現像方法 - Google Patents

直描型平版印刷版の現像方法

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JP2001347627A JP2000172605A JP2000172605A JP2001347627A JP 2001347627 A JP2001347627 A JP 2001347627A JP 2000172605 A JP2000172605 A JP 2000172605A JP 2000172605 A JP2000172605 A JP 2000172605A JP 2001347627 A JP2001347627 A JP 2001347627A
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lithographic printing
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Shingo Aoki
新悟 青木
Seigo Miyaguchi
生吾 宮口
Shigemasa Matsumoto
繁政 松本
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】画像再現性の良好な直描型平版印刷版の現像方
法を提供する。 【解決手段】基板上に、少なくとも感熱層、インキ反発
層をこの順に有する直描型平版印刷版の現像方法であっ
て、レーザー照射により、感熱層表層を反応させた後、
水または水を主成分とする現像液の存在下で直描型平版
印刷版を搬送しながら、インキ反発層を少なくとも1本
のブラシロールで擦ってインキ反発層を選択的に除去す
る現像方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版原版現
像用ブラシロールおよびその現像方法に関するものであ
り、特に直描型平版印刷版原版現像用ブラシロールおよ
びその現像方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製版用フィルムを使用しないで、原稿か
ら直接オフセット印刷版を作製する、いわゆる直描型製
版は、熟練度を必要としない簡易性、短時間で印刷版が
得られる迅速性、多様なシステムから品質とコストに応
じて選択可能である合理性などの特徴を生かして、軽印
刷業界のみでなく、一般オフセット印刷、フレキソ印刷
の分野にも進出し始めている。特に最近では、プリプレ
スシステムやイメージセッター、レーザープリンタなど
の出力システムの急激な進歩によって新しいタイプの各
種直描型平版印刷版が開発されている。これらの直描型
平版印刷版を製版方法から分類すると、レーザー光を照
射する方法、サーマルヘッドで書き込む方法、ピン電極
で電圧を部分的に印加する方法、インクジェットでイン
キ反撥層またはインキ着肉層を形成する方法などが挙げ
られる。なかでも、レーザー光を用いる方法は解像度、
および製版速度の面で他の方式よりも優れており、その
種類も多い。
【0003】このレーザー光を用いる印刷版はさらに、
光反応によるフォトンモードのものと、光熱変換を行っ
て熱反応を起こさせるヒートモードの2つのタイプに分
けられる。特にヒートモードの方式は、明室で取り扱え
るといった利点があり、また光源となる半導体レーザー
の急激な進歩によって、最近その有用性が見直されてき
ている。
【0004】ヒートモードにおける平版印刷版、とりわ
け印刷時に湿し水を必要としない水なし平版印刷版を製
造する方法としては、これまで以下のような提案がなさ
れているが、種々の問題を有していた。
【0005】例えば、特開平6−199064号公報、
特開平6−186750公報、特開平6−55723号
公報、特開平6−55869号公報、特開平10−85
8号公報、特開平10−31317号公報、特開平10
−39496号公報、および特開平10−329310
号公報、特開平11−11037号公報などは、感熱層
のアブレーションに基づく印刷版の形成方法に関する提
案である。これらは、現像が簡易であるというメリット
を有しているが、感熱層をアブレーションさせる為、高
いレーザー出力が必要であること、および、アブレーシ
ョンによりガスなどの副生成物が生じ光学系に悪影響を
及ぼす可能性があること、さらには、アブレーションの
残さ除去の必要があること、微小な網点の再現が困難で
あることなどの問題を有していた。
【0006】特開平9−80747号公報、特開平10
−58635号公報、特開平10−62977号公報、
特開平10−171105号公報などは、レーザー照射
前後にインキ反発性層上に形成した粘着性を有する剥離
シートを利用して、レーザー照射部のインキ反発性層を
剥離する剥離現像に関する提案である。簡易な現像であ
ることがメリットであるが、微小な網点の再現が非常に
困難であるという問題を有していた。
【0007】また、現像液を用いて、印刷版を製造する
方法としては、以下のような提案がなされている。
【0008】特開平10−34868号公報は、レーザ
ー照射後、表面張力が25〜50dyn/cm2(25
0〜500μN/cm2)の液体を付与して擦る、とい
う提案であるが、インキ反発層を膨潤させた状態で擦る
ため、インキ反発層に傷が入りやすいという問題があっ
た。
【0009】特開平10−146945号公報について
も、レーザー照射後、版表面のインキ反発層を脂肪族炭
化水素を70%以上含有する非極性溶剤を含む処理液で
膨潤させる、という提案であるが、現像工程においてイ
ンキ反発層に傷が入りやすいという問題があった。
【0010】特開平10−100361号公報は、レー
ザー照射後、液体の非存在下で擦り、その後、液体の存
在下で擦る、という提案であるが、逆に、液体の非存在
下での擦り工程において、摩擦力が大きすぎるためイン
キ反発層に傷が入るという問題があった。
【0011】特開平11−198335号公報、特開平
11−58667号公報、特開平11−207921号
公報などは、レーザー照射後、水や界面活性剤を含む水
などの存在下、レーザー照射部のインキ反発層を除去す
る事に関する提案である。しかしながら、これらの方法
ではある程度の網点を再現することは出来るが、微小な
網点の再現性が不安定であり、また網点のインキ着肉性
が悪いという問題を有していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題はかかる
従来技術の欠点を改良するために、画像再現性の良好な
直描型平版印刷版の現像方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】基板上に、少なくとも感
熱層、インキ反発層をこの順に有する直描型平版印刷版
の現像方法であって、レーザー照射により、感熱層表層
を反応させた後、水または水を主成分とする現像液の存
在下で直描型平版印刷版を搬送しながら、インキ反発層
を少なくとも1本のブラシロールで擦ってインキ反発層
を選択的に除去する現像方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、直描型とは、露
光時にネガあるいはポジのフィルムを用いずに、印刷版
上に直接記録ヘッドから、画像形成を行うことをいう。
また製版とは、平版印刷版原版を活性光線で像様照射す
る露光工程から、露光済みの平版印刷版を現像し印刷版
のパターン形成を行う現像工程までを含めた工程のこと
をいう。
【0015】本発明で使用する活性光線としては、発光
波長領域が300nm〜1500nmの範囲にあるもの
が用いられるが、明室での版材の取扱い性などの観点か
ら近赤外領域付近に発光波長領域が存在する半導体レー
ザーやYAGレーザーが好ましく用いられる。具体的に
は、830nm、1064nmの波長のレーザー光が好
ましく用いられる。
【0016】直描型水なし平版印刷版にレーザー光が照
射されると光を吸収し熱を発生する化合物にレーザー光
が吸収され、光を熱に変換する感熱層はレーザー照射と
同時に急速に昇温し、一部が化学反応や物理変化によ
り、インキ反発層との密着性の低下が生じる。その後、
現像によって、レーザー照射部に対応する領域のシリコ
ーンゴム層が選択的に除去され、インキ着肉層を露出さ
せて平版印刷版が作製できる。
【0017】本発明において、露光部のインキ反発層の
除去は、活性光線の露光後に、水または水を主成分とす
る現像液の存在下で、直描型平版印刷版を搬送しながら
ブラシロールで擦ってインキ反発層を選択的に除去す
る。
【0018】現像液としては、水もしくは界面活性剤を
含む水を挙げることができ、好ましくは水である。酸や
アルカリ、揮発性の有機溶媒等を含むものは本発明に含
まない。
【0019】ブラシロールによる擦りは、東レ(株)製
“TWL−1160”や東レ(株)製“TWL−86
0”、東レ(株)製“TWL−650”、東レ(株)製
“TWU−1160”、東レ(株)製“TWU−86
0”あるいは特許第2864907号、特開平6−25
8842号公報、特開平6−258843号公報、特開
平6−258844号公報および特開平7−92692
号公報などで開示されているような水なし平版印刷版用
の自動現像機または自動水洗機を用いることが好まし
い。
【0020】ブラシロールのブラシとしては、直径20
〜500μmのブラシ単糸を金属あるいはプラスチック
などの溝型材に単糸の毛足長さが10〜30mmとなる
ように列状に植え込んだものを芯に取り付けたものを用
いることが好ましい。また、上記ブラシ素材を金属ある
いはプラスチックなどの芯に放射状に植え込んだもので
もよく、上記ブラシ素材をプラスチックシートあるいは
布などの基材に植え込んだものを芯に巻いたものでもよ
い。
【0021】ブラシ単糸の直径が20μmより細い場
合、もしくは毛足長さが30mmより長い場合、ブラシ
の腰が弱くなり十分な現像能力が得られず微小網点の再
現性低下や現像不良などが発生する。また、ブラシ単糸
の直径が500μmより太い場合、もしくは毛足長さが
10mmより短い場合、ブラシの腰が強くなり過ぎ逆に
非画線部におけるシリコーンゴム層に傷が付き、印刷物
に地汚れが発生する等の問題がある。
【0022】単糸の材質としては、ポリ塩化ビニル、ポ
リアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレートおよびポリプロピレンの群から選ばれる
少なくとも1種とすることにより、ブラシによる印刷版
のインキ反発層を傷つけることなく、またブラシの力不
足によるレーザー照射部のインキ反発層の除去不良を防
止できる。
【0023】さらにブラシロールの回転速度は10〜1
000rpm、好ましくは200〜600rpmであ
る。回転速度が10rpmより低い場合、ブラシ単糸が
インキ反発層に接触する回数が少なくなるため、十分な
現像能力が得られず微小網点の再現性低下や現像不良な
どが発生する。また、回転速度は高いほど現像性が向上
し良好な画像が得られる。ただし、回転速度が高くなり
すぎるとロール軸のわずかなズレにより軸全体が振動す
る等の機械的問題が発生する。この問題はロール軸の高
強度化や、軸受けの高精度化などを実施することにより
解消されるが、その分コストが高くなるため、経済的理
由により1000rpm以下であることが好ましい。
【0024】ブラシロールの回転方向としては、直描型
平版印刷版の搬送方向と同方向のもの、および逆方向の
ものの両方を有することが、レーザー照射部のインキ反
発層除去の観点から好ましく、第1番目のブラシロール
は直描型平版印刷版の搬送方向と同方向にこれを擦るよ
う回転させ、逆方向に擦るよう回転させるブラシロール
は第2番目以降とするのが好ましい。これはブラシロー
ルの機能を網点部分のシリコーンゴム層を粗除去する機
能と、次の網点縁部にわずかに残ったシリコーンゴム層
を仕上げ除去する機能に分けると、前者の機能には腰の
強いブラシ素材を用いたブラシロールを早く回転させた
方が良いが、これを直描型平版印刷版の進行方向と逆方
向に回転させると直描型平版印刷版の先端を跳ね上げる
危険性がある。これに対し後者の機能は腰の弱いブラシ
素材を用いたブラシロールをゆっくり回転させれば満た
されることから、上記危険性を実用上問題ない程度まで
低減する事ができる。
【0025】ブラシロールは回転すると共に、軸方向へ
往復運動させることにより、レーザー照射部のインキ反
発層除去効果が向上する。往復運動の方法としては、印
刷機のインキつけローラを往復運動させるカムやリン
ク、シャフトなどを利用する方法、またロール内部にネ
ジ溝をきるなどが一般的である。ブラシロールのロール
軸方向への往復運動の幅は5〜100mmの範囲である
ことが好ましく、往復運動の回数は50〜400回/分
の範囲であることが好ましい。往復運動の幅が5mmよ
り小さい場合、もしくは回数が50回/分より少ない場
合、現像性の改善効果を十分えることができない。往復
運動の幅が大きいほど現像性の改善効果が発揮され、良
好な画像がえられる傾向にあるが、100mmを超える
とその効果は頭打ちになる。また、往復運動の幅が大き
くなるほど、ブラシロールが長い必要があり、自動現像
機の幅も大きくなるため、往復運動の幅が大きすぎるの
は好ましくない。往復運動の回数が多いほど現像性の改
善効果が発揮され、良好な画像がえられる傾向にある
が、400回を越えるとその効果は頭打ちになる。ま
た、回数が多くなるほど、機械の駆動部にかかる負担が
大きくなり、機械の故障を誘発する原因となるため、往
復運動の回数が多すぎるのは好ましくない。
【0026】ブラシロールが版面に接触する幅は4〜3
0mmの範囲にあることが好ましい。ブラシロールが版
面に接触する幅が4mmより狭い場合、ブラシの単糸先
端にかかる力が不足し、レーザーが照射された画線部上
のシリコーンゴム層を十分に除去することができず、微
小網点再現性の低下、さらには現像不良などの問題を発
生する。また、ブラシロールが版面に接触する幅が30
mmより広い場合、ブラシロールが直描型平版印刷版を
押さえつける力が強くなり過ぎるため、直描型平版印刷
版を跳ね上げたり、搬送速度が変則的になる等の問題を
生じる。
【0027】自動現像機における直描型平版印刷版の搬
送速度は、遅いほど直描型平版印刷版がブラシロールに
接触する時間が長くなるため、画像再現性が良好となる
傾向にある。しかし、搬送速度が遅すぎると現像に要す
る時間が長くなり、時間当たりの印刷版製版枚数が少な
くなるため、経済的理由により自動現像機における印刷
版原版の搬送速度は30cm/分以上であることが好ま
しい。逆に搬送速度が速いほど直描型平版印刷版がブラ
シロールに接触する時間が短くなり、レーザーが照射さ
れた画線部上のシリコーンゴム層を十分に除去すること
ができず、微小網点再現性の低下、さらには現像不良な
どの問題を発生するため、搬送速度は200cm/分以
下であることが好ましい。
【0028】水または水を主成分とする現像液の温度は
10℃から40℃の範囲にあることが好ましい。現像液
の温度が10℃より低い場合、もしくは40℃より高い
場合、微小網点再現性の低下などの問題が発生する。現
像水の温度が低すぎる場合、シリコーンゴム層が冷却さ
れることにより破断強度などが変化し、レーザーが照射
された画線部上のシリコーンゴム層が剥離し難くなり、
逆に現像水の温度が高すぎる場合、ブラシロールが暖め
られることによりブラシの腰が弱くなるためではないか
と推測される。
【0029】このようにして得られた直描型平版印刷版
については、画線部となるレーザー照射部の感熱層を染
色し、画線部と非画線部のコントラストをつけ、画像視
認性を高めることも好ましく行われる。染色に用いられ
る染料としては、特に水溶性の塩基性染料、酸性染料が
好ましく用いられる。具体例としては、クリスタルバイ
オレット、エチルバイオレット、ビクトリアピュアブル
ー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、ブリリア
ントベーシックシアニン(Brilliant Basic Cyanine)
6GHなどが挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0030】このように染色を行った直描型平版印刷版
は、さらに水を用いて洗浄してもよい。
【0031】本発明で使用する直描型水なし平版印刷版
原版は、基板上に少なくとも感熱層、インキ反発層を順
次有する。好ましくは感熱層がレーザー光を吸収し熱を
発生する化合物、および熱により反応し、一部が化学反
応や物理変化によりインキ反発層との密着性の低下を生
じる化合物および化合物群を含んでいることが好まし
く、インキ反発層がシリコーンゴムを主成分とする直描
型水なし平版印刷版原版である。
【0032】レーザー光を吸収し熱を発生する化合物と
しては、カーボンブラック、チタンブラック、アニリン
ブラック、シアニンブラックなどの黒色顔料、フタロシ
アニン、ナフタロシアニン系の緑色顔料、カーボングラ
ファイト、ジアミン系金属錯体、ジチオール系金属錯
体、フェノールチオール系金属錯体、メルカプトフェノ
ール系金属錯体、結晶水含有無機化合物、硫酸銅、硫化
クロム、珪酸塩化合物や、酸化チタン、酸化バナジウ
ム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化タング
ステンなどの金属酸化物、これらの金属の水酸化物、硫
酸塩などを挙げることができる。
【0033】また、赤外線または近赤外線を吸収する色
素、特に染料が好ましく使用される。特に好ましい色素
としては、シアニン系、フタロシアニン系、ナフタロシ
アニン系、ジチオール金属錯体系、ピアズレニウム系、
スクアリリウム系、クロコニウム系、アゾ系分散色素、
ビスアゾ系、ビスアゾスチルベン系、ナフトキノン系、
アントラキノン系、ペリレン系、ポリメチン系、インド
アニリン金属錯体染料、分子間型CT系、ベンゾチオピ
ラン系、スピロピラン系、ニグロシン系、チオインジゴ
系、ニトロソ系、キノリン系、フルギド系の色素、特に
染料などが挙げられる。
【0034】これらの中では、レーザー光の吸収率など
の点から、シアニン系、ポリメチン系、ナフタロシアニ
ン系の染料が特に好ましい。
【0035】これら化合物の含有量は、全感熱層組成物
に対して1〜40重量%が好ましく、5〜25重量%が
より好ましい。1重量%以上とすることでレーザー光の
吸収を効率的に行うことが出来、40重量%以下とする
ことで感熱層の物性に悪影響を及ぼすこともなくなる。
【0036】レーザー光照射で生じた熱による感熱層表
層(感熱層のインキ反発層側の界面)の反応としては、
感熱層表層の化合物の低分子量化、分解、架橋構造の切
断、化学構造変化、水素結合破壊、熱溶融、酸発生、ア
ミン発生、低分子量成分の発生、ガス発生、構造変化な
どを挙げることが出来る。
【0037】上記のような化学反応や物理変化により、
インキ反発層との密着性の低下を生じる。
【0038】このような反応を行う化合物としては、レ
ーザー光を吸収し熱を発生する化合物自体であってもよ
いし、別の化合物あるいは化合物群であってもよい。別
の化合物あるいは化合物群としては、フェノール、クレ
ゾール、キシレノールなどのフェノール類とホルムアル
デヒドの縮合反応により得られるノボラック樹脂やレゾ
ール樹脂、フェノール・フルフラール樹脂、フラン樹脂
などと、多官能ブロックドイソシアネート、多官能エポ
キシ化合物、多官能アクリレート化合物、金属キレート
化合物、多官能アルデヒド、多官能メルカプト化合物、
多官能アルコキシシリル化合物、多官能アミン化合物、
多官能カルボン酸、多官能ビニル化合物、多官能ジアゾ
ニウム塩、多官能アジド化合物、ヒドラジンなどの組み
合わせが挙げられるが、金属キレート化合物が好まし
く、特に金属キレート化合物とフェノール樹脂の組み合
わせが特に好ましい。
【0039】金属キレート化合物としては、Al、T
i、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、I
n、Sn、Zr、Hfなどの有機キレート化合物が好ま
しく、さらには、Ti、Zr、Hf、Sn、Inなどが
好ましい。また、配位子の種類としては、ペンタンジオ
ネート類が好ましい。
【0040】好ましい金属キレート化合物の具体例とし
ては、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノア
セチルアセトネート、アルミニウムジアセチルアセトネ
ートエチルアセトアセテート、アルミニウムモノアセチ
ルアセトネートビスプロピルアセトアセテート、アルミ
ニウムモノアセチルアセトネートビスブチルアセトアセ
テート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスヘ
キシルアセトアセテート、アルミニウムモノエチルアセ
トアセテートビスプロピルアセトセトネート、アルミニ
ウムモノエチルアセトアセテートビスブチルアセトアセ
トネート、アルミニウムモノエチルアセトアセテートビ
スヘキシルアセトアセトネート、アルミニウムモノエチ
ルアセトアセテートビスノニルアセトアセトネート、ア
ルミニウムジブトキシドモノアセトアセテート、アルミ
ニウムジプロポキシドモノアセトアセテート、アルミニ
ウムジブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミ
ニウム−s−ブトキシドビス(エチルアセトアセテー
ト)、アルミニウムジ−s−ブトキシドエチルアセトア
セテート、アルミニウム−9−オクタデセニルアセトア
セテートジイソプロポキシド、チタンアリルアセトアセ
テートトリイソプロポキサイド、チタンジ−n−ブトキ
サイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタン
ジイソプロポキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネ
ート)、チタンジイソプロポキサイドビス(テトラメチ
ルヘプタンジオネート)、チタンジイソプロポキサイド
ビス(エチルアセトアセテート)、チタンメタクリルオ
キシエチルアセトアセテートトリイソプロポキサイド、
チタンオキシドビス(ペンタンジオネート)、ジルコニ
ウムアリルアセトアセテートトリイソプロポキサイド、
ジルコニウムジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペ
ンタンジオネート)、ジルコニウムジイソプロポキサイ
ド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウ
ムジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジ
オネート)、ジルコニウムジイソプロポキサイドビス
(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムメタクリル
オキシエチルアセトアセテートトリイソプロポキサイ
ド、ジルコニウムブトキサイド(アセチルアセテート)
(ビスエチルアセトアセテート)、鉄アセチルアセトナ
ートなどが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0041】レーザー光照射で生じた熱で、感熱層表面
を化学反応や物理変化により、インキ反発層との密着性
の低下を生じる化合物あるいは化合物群の感熱層中に占
める割合としては、感熱層の全固形分の20〜95重量
%、さらには30〜70重量%であることが好ましい。
20重量%以上とすることで、感熱層表層の化学反応や
物理変化を維持することが出来、一方、95重量%以下
とすることで、相対的にレーザー光を吸収し熱を発生す
る化合物の量を維持することによりレーザー照射による
熱発生に問題を生じることもない。
【0042】その他、感熱層中にはバインダーポリマー
や界面活性剤、各種添加剤を含有してもよい。これらの
バインダーの含有量は、全感熱層組成物に対して5〜7
0重量%が好ましく、10〜50重量%がより好まし
い。含有量を重量5%以上とすれば耐刷性や塗液の塗工
性に問題が生じることもなく、70重量%以下とすれば
画像再現性に悪影響もない。
【0043】感熱層の厚さは、被覆層にして0.1〜1
0g/m2であると、印刷版の耐刷性や、希釈溶剤を揮
散し易く生産性に優れる点で好ましく、1〜5g/m2
がより好ましい。
【0044】また、本発明における感熱層の、照射レー
ザー光と同波長の光に対する透過率は20%未満である
こと、さらには10%未満であることが好ましい。感熱
層の透過率を20%未満にすることによって、感熱層全
体を透過する光を少なくすることが出来、感熱層表層で
の効果的な反応を行うことが出来る。さらに、感熱層全
体を透過する光を少なくすることが出来るので、感熱層
の下方からのエネルギーの反射による感熱層の余分な反
応を抑制することが出来る。
【0045】さらに、本発明の印刷版原版はインキ反発
層として、シリコーンゴム層を有することが好ましい。
シリコーンゴム層としては、付加重合型のもの、縮合重
合型のものいずれでも用いられる。
【0046】付加重合型のシリコーンゴム層を構成する
成分としては、ビニル基含有ポリジメチルシロキサン、
SiH基含有ポリシロキサン、さらには硬化速度を制御
する目的で反応抑制剤、および硬化触媒を含む。
【0047】ビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、
分子末端および/もしくは主鎖中にビニル基を有するも
のである。分子量としては数千〜数十万のものが使用で
きるが、その取扱い性や得られた印刷版のインキ反発
性、耐傷性などの観点から重量平均分子量1万〜20
万、さらには3万〜15万のものを用いることが好まし
い。
【0048】SiH基含有ポリシロキサンとしては、分
子鎖中、または末端にSiH基を有する化合物を挙げる
ことができる。
【0049】SiH基含有ポリシロキサン中におけるS
iH基の量としては、1分子中2個以上、さらには3個
以上であることが好ましい。SiH基含有ポリシロキサ
ンの添加量としては、シリコーンゴム層全組成物の3〜
20重量%であることが好ましく、5〜15重量%がさ
らに好ましい。ポリジメチルシロキサンとの量比という
ことで言えば、SiH基/ポリジメチルシロキサンのビ
ニル基のモル比が1.5〜30であることが好ましく、
10〜20がさらに好ましい。このモル比が1.5以上
であれば、シリコーンゴム層の硬化が不足することもな
く、30以下であればゴムの物性がもろくなり、印刷版
の耐傷性などに悪影響を与えることがない。
【0050】反応抑制剤としては、含窒素化合物、リン
系化合物、不飽和アルコールなどが挙げられるが、アセ
チレン基含有のアルコールなどが好ましく用いられる。
反応抑制剤の好ましい添加量としては、シリコーンゴム
層組成物中の0.01〜10重量%、さらに好ましくは
1〜5重量%である。
【0051】硬化触媒としては、III族遷移金属化合
物、好ましくは、白金化合物であり、具体的には白金単
体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金、白金
のアルコール変性錯体、白金のメチルビニルポリシロキ
サン錯体などを一例として挙げることができる。このよ
うな硬化触媒の量は、シリコーンゴム層中に固形分とし
て0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量
%である。添加する触媒量が0.01重量%以上の場合
にはシリコーンゴム層の硬化が十分となり、さらに感熱
層との接着性に問題を生じることもない。他方、20重
量%以下の場合にはシリコーンゴム層溶液のポットライ
フに悪影響をもたらすこともない。シリコーンゴム層組
成物中における白金などの金属の量で言えば、10〜1
000ppm、好ましくは100〜500ppmである
ことが好ましい。
【0052】また、これらの組成物の他に、縮合型シリ
コーンゴム層の組成物である水酸基含有オルガノポリシ
ロキサンや加水分解性官能基含有シランもしくはシロキ
サン、ゴム強度を向上させる目的でシリカなどの公知の
充填剤、接着性を向上させる目的で公知のシランカップ
リング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム
系カップリング剤などを含有してもよい。シランカップ
リング剤としては、アルコキシシラン類、アセトキシシ
ラン類、ケトキシミンシラン類等が好ましく、特にビニ
ル基を有するものや、ケトキシミンシラン類が好まし
い。
【0053】縮合重合型のシリコーンゴム層を構成する
成分としては、水酸基含有ポリジメチルシロキサン、架
橋剤(脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコール型、脱ア
ミン型、脱アセトン型、脱アミド型、脱アミノキシ型な
ど)、および硬化触媒を含む。
【0054】水酸基含有ポリジメチルシロキサンの水酸
基は分子末端および/もしくは主鎖中に位置することが
できるが、好ましく用いられるものは分子量末端に水酸
基を有するものである。分子量としては数千〜数十万の
ものが使用できるが、その取扱い性や得られた印刷版の
インキ反発性、耐傷性などの観点から重量平均分子量1
万〜20万、さらには3万〜15万のものを用いること
が好ましい。
【0055】縮合重合型のシリコーンゴム層で用いられ
る架橋剤としては、下記一般式(I)で表される、アセ
トキシシラン類、アルコキシシラン類、ケトキシミンシ
ラン類、アリロキシシラン類などを挙げることができ
る。
【0056】(R14-nSiXn (I) (式中、nは2〜4の整数を示し、R1は炭素数1以上
の置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、ア
リール基、またはこれらの組み合わされた基を示す。X
はハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケト
キシミン基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニルオ
キシ基から選ばれる官能基を示す。)上記式において、
加水分解性基の数nは3または4であることが好まし
い。
【0057】具体的な好ましい化合物としては、メチル
トリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、
ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリ(メチルエチ
ルケトキシミン)シラン、テトラ(メチルエチルケトキ
シミン)シランなどが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0058】一般式(I)で表される架橋剤の添加量と
しては、シリコーンゴム層全組成物の1.5〜20重量
%であることが好ましく、3〜10重量%がさらに好ま
しい。ポリジメチルシロキサンとの量比ということで言
えば、官能基X/ポリジメチルシロキサンの水酸基のモ
ル比が1.5〜10.0であることが好ましい。このモ
ル比が1.5以上である場合には、シリコーンゴム層溶
液のゲル化の心配もなく、逆に10.0以下の場合には
ゴムの物性の脆化、印刷版の耐傷性などへの悪影響も生
じない。
【0059】硬化触媒としては、酸類、アルカリ、アミ
ン、および金属アルコキシド、金属ジケテネート、金属
の有機酸塩などを挙げることが出来る。これらの中で
は、金属の有機酸塩を添加することが好ましく、特に
錫、鉛、亜鉛、鉄、コバルト、カルシウム、マンガンか
ら選ばれる金属の有機酸塩であることが好ましい。この
ような化合物の具体例の一部としては、ジブチル錫ジア
セテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウ
レートなどを挙げることが出来る。このような硬化触媒
の量は、シリコーンゴム層中に固形分として0.01〜
20重量%、好ましくは0.1〜10重量%であること
が好ましい。添加する触媒量が0.01重量%以上とす
ればシリコーンゴム層の硬化が不十分となることはな
く、さらに感熱層との接着性に問題を生じることもな
い。他方、20重量%以下とすればシリコーンゴム層溶
液のポットライフに悪影響をもたらすこともない。
【0060】これらシリコーンゴム層の膜厚は0.5〜
20g/m2が好ましく、1〜4g/m2がさらに好まし
い。膜厚が0.5g/m2以上とすることにより印刷版
のインキ反撥性や耐傷性、耐刷性を安定して発現させる
ことが出来、20g/m2以下とすることで、現像性、
インキマイレージを良好に維持することが出来る。
【0061】さらに、本発明で用いられる直描型平版印
刷版原版には、インキ反発層を保護する目的で保護フィ
ルムをラミネートするかあるいは保護層を形成してもよ
い。保護フィルムとしてはポリエステルフィルム、ポリ
プロピレンフィルムなどが挙げられる。
【0062】本発明における直描型水なし平版印刷版原
版の製造方法は、 基板上に、リバースロールコータ
ー、エアーナイフコーター、グラビアコーター、ダイコ
ーター、メーヤバーコーターなどの通常のコーターある
いはホエラーのような回転塗布装置を用い、必要に応じ
て断熱層組成物を塗布し100〜300℃で数分間加熱
あるいは活性光線照射により硬化させた後、インキ受容
層組成物を塗布し50〜180℃で数十秒から数分間加
熱乾燥、必要により硬化させる。
【0063】この後、シリコーンゴム組成物を塗布し5
0〜200℃の温度で数分間熱処理してシリコーンゴム
層を得る。その後、必要に応じて保護フィルムをラミネ
ートするか、あるいは保護層を形成する。
【0064】このようにして得られた直描型平版印刷版
原版を、保護フィルムを剥離してから、あるいは保護フ
ィルム上からレーザー光で画像状に露光する。
【0065】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。
【0066】[実施例1] <直描型平版印刷版原版1の作製>厚さ0.24mmの
脱脂したアルミ板上に下記の組成よりなる溶液をスリッ
トダイコーターにより塗布し、130℃×60秒間乾燥
し、1.0g/m2の感熱層を設けた。 <感熱層1> (a)“KAYASORB”IR−820B(日本化薬
(株)製):11重量部 (b)“ナーセムチタン”(日本化学産業(株)製、チ
タンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジ
オネート)のアセチルアセトン溶液):9重量部(固形
分濃度40重量%として計算。固形分として9重量部) (c)“スミライトレジン”PR50622(フェノー
ルノボラック樹脂、住友デュレズ(株)製):60重量
部 (d)“サンプレン”T1331D(ポリウレタン、三
洋化成工業(株)製):10重量部(固形分として10
重量部) (e)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレ
ート/3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン=
1/3/1モル比付加物:10重量部 (f)テトラヒドロフラン:800重量部 (g)ジメチルホルムアミド:100重量部
【0067】次いで、下記シリコーンゴム層を乾燥膜厚
2.0μm、乾燥条件は125℃×1分間としてスリッ
トダイコーターにより塗設した。 <シリコーンゴム層1> (a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(分子
量約60,000):100重量部 (b)“HMS−501”(チッソ(株)製 両末端メ
チル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシ
ロキサン)共重合体 SiH基数/分子量=0.69mo
l/g):7重量部 (c)ビニルトリ(メチルエチルケトオキシム)シラ
ン:3重量部 (d)“SRX−212”(東レダウコーニングシリコ
ーン(株)製、白金触媒):5重量部 (e)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製):10
00重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ8μmのポリ
プロピレンフィルム“トレファン”BO(東レ(株)
製)をカレンダーローラーを用いてラミネートし、直描
型平版印刷版原版1を得た。
【0068】<直描型平版印刷版の製造>上記のように
して得られた直描型平版印刷版原版1を、カバーフィル
ムを剥離後、「GX−3600」(製版機、東レ
(株))に装着し、半導体レーザー(波長830nm)
を用いてレーザー照射を行った(照射エネルギー250
mJ/cm2、2400dpi(dots per inch)、17
5lpi(lines per inch ))。
【0069】その後、水なし平版印刷版用自動水洗機
“TWU−1160K”(東レ(株)製)を用いて、自
動水洗機の槽には水を入れ、水の温度は20℃、ブラシ
ロールが直描型平版印刷版に接触する幅が18mm、搬
送速度が40cm/分となるように設定し、直描型平版
印刷版の現像を行った。
【0070】ブラシロールは、 ポリエチレンテレフタ
レート製、直径200μmの円柱である単糸を毛足長さ
15mmになるように植込んで長さ1160mm、外径
130mmにしたものを用い、これを直描型平版印刷版
原版の搬送方向と同一方向で毎分500回転させるとと
もに毎分120往復で揺動幅30mmの揺動をさせた。
【0071】この結果、レーザー光が照射された部分の
シリコーンゴム層が除去された直描型平版印刷版が得ら
れた。
【0072】<画像再現性の評価>得られた直描型平版
印刷版を枚葉オフセット印刷機「スプリント25」(小
森コーポレーション(株)製)に取り付け、水なし平版
用インキ“ドライオカラーNSI”、藍(大日本インキ
化学工業(株)製)を使用してコート紙(62.5kg/菊)
に印刷し、印刷物としての画像再現性を評価したとこ
ろ、2〜99%の再現性であった。
【0073】[実施例2]直描型平版印刷版原版1を、
カバーフィルムを剥離後、「GX−3600」(製版
機、東レ(株))に装着し、半導体レーザー(波長83
0nm)を用いてレーザー照射を行った(照射エネルギ
ー250mJ/cm2、2400dpi(dots per inc
h)、175lpi(lines per inch))。
【0074】その後、水なし平版印刷版用自動現像機
“TWL−860KII”(東レ(株)製)を用いて、自
動現像機の前処理槽および現像槽、後処理槽には水を入
れ、1本目のブラシロールが直描型平版印刷版に接触す
る幅が14mm、2本目のブラシロールが印刷版に接触
する幅が10mm、現像槽の水の温度が30℃、搬送速
度が120cm/分となるように設定し、直描型平版印
刷版の現像を行った。後処理層の水の温度は20℃であ
った。
【0075】1本目のブラシロールは、 ポリエチレン
テレフタレート製、直径200μmの円柱である単糸を
毛足長さ12mmになるように植込んで長さ860m
m、外径130mmにしたものを用い、これを印刷版原
版の搬送方向と同一方向で毎分500回転させるととも
に毎分120往復で揺動幅40mmの揺動をさせた。
【0076】2本目のブラシロールは、 ポリエチレン
テレフタレート製、直径160μmの円柱である単糸を
毛足長さ26mmになるように植込んで長さ860m
m、外径100mmにしたものを用い、これを直描型平
版印刷版の搬送方向と逆方向で毎分400回転させた。
【0077】その他の条件は実施例1と全く同様にして
直描型平版印刷版を作製し、画像再現性を評価したとこ
ろ、2〜99%の再現性であった。
【0078】[実施例3]実施例1において、水なし平
版印刷版用自動水洗機“TWU−1160K”(東レ
(株)製)を用いて、自動水洗機の槽には水を入れ、水
の温度は16℃、ブラシロールが直描型平版印刷版に接
触する幅が20mm、搬送速度が40cm/分となるよ
うに設定し、直描型平版印刷版の現像を行った。
【0079】ブラシロールは、 ポリエチレンテレフタ
レート製、直径300μmの円柱である単糸を毛足長さ
20mmになるように植込んで長さ1160mm、外径
130mmにしたものを用い、これを直描型平版印刷版
原版の搬送方向と同一方向で毎分300回転させるとと
もに毎分120往復で揺動幅30mmの揺動をさせた。
【0080】その他の条件は実施例1と全く同様にして
直描型平版印刷版を作製し、画像再現性を評価したとこ
ろ、2〜98%の再現性であった。
【0081】[実施例4]実施例1において、水なし平
版印刷版用自動水洗機“TWU−1160K”(東レ
(株)製)を用いて、自動水洗機の槽には水を入れ、水
の温度は20℃、ブラシロールが直描型平版印刷版に接
触する幅が18mm、搬送速度が30cm/分となるよ
うに設定し、直描型平版印刷版の現像を行った。
【0082】ブラシロールは、 ポリエチレンテレフタ
レート製、直径170μmの円柱である単糸を毛足長さ
15mmになるように植込んで長さ1160mm、外径
130mmにしたものを用い、これを直描型平版印刷版
原版の搬送方向と同一方向で毎分750回転させるとと
もに毎分250往復で揺動幅20mmの揺動をさせた。
【0083】その他の条件は実施例1と全く同様にして
直描型平版印刷版を作製し、画像再現性を評価したとこ
ろ、2〜98%の再現性であった。
【0084】[実施例5]実施例1において、水なし平
版印刷版用自動水洗機“TWU−1160K”(東レ
(株)製)を用いて、自動水洗機の槽には水を入れ、水
の温度は20℃、ブラシロールが直描型平版印刷版に接
触する幅が18mm、搬送速度が60cm/分となるよ
うに設定し、直描型平版印刷版の現像を行った。
【0085】ブラシロールは、 ポリエチレンテレフタ
レート製、直径200μmの円柱である単糸を毛足長さ
12mmになるように植込んで長さ1160mm、外径
130mmにしたものを用い、これを直描型平版印刷版
原版の搬送方向と同一方向で毎分600回転させるとと
もに毎分80往復で揺動幅30mmの揺動をさせた。
【0086】その他の条件は実施例1と全く同様にして
直描型平版印刷版を作製し、画像再現性を評価したとこ
ろ、2〜98%の再現性であった。
【0087】[比較例1]実施例1において、水なし平
版印刷版用自動水洗機“TWU−1160K”(東レ
(株)製)を用いて、自動水洗機の槽には水を入れ、水
の温度は20℃、ブラシロールが直描型平版印刷版に接
触する幅が40mm、搬送速度が20cm/分となるよ
うに設定し、直描型平版印刷版の現像を行った。
【0088】ブラシロールは、 ポリエチレンテレフタ
レート製、直径130μmの円柱である単糸を毛足長さ
50mmになるように植込んで長さ1160mm、外径
130mmにしたものを用い、これを直描型平版印刷版
原版の搬送方向と同一方向で毎分400回転させ、揺動
運動を停止した状態で現像処理を行った。
【0089】その他の条件は実施例1と全く同様にして
直描型平版印刷版を作製し、画像再現性を評価したとこ
ろ、8〜97%の再現性であった。
【0090】[比較例2]実施例1において、水なし平
版印刷版用自動水洗機“TWU−1160K”(東レ
(株)製)を用いて、自動水洗機の槽には水を入れ、水
の温度は50℃、ブラシロールが直描型平版印刷版に接
触する幅が2mm、搬送速度が40cm/分となるよう
に設定し、直描型平版印刷版の現像を行った。
【0091】ブラシロールは、 ポリエチレンテレフタ
レート製、直径10μmの円柱である単糸を毛足長さ1
5mmになるように植込んで長さ1160mm、外径1
30mmにしたものを用い、これを直描型平版印刷版原
版の搬送方向と同一方向で毎分7回転させるとともに毎
分30往復で揺動幅30mmの揺動をさせた。
【0092】その他の条件は実施例1と全く同様にして
直描型平版印刷版を作製したところ、レーザーが照射さ
れた画線部上のシリコーンゴム層が残存し、現像不良が
発生した。
【0093】[比較例3]実施例1において、水なし平
版印刷版用自動水洗機“TWU−1160K”(東レ
(株)製)を用いて、自動水洗機の槽には水を入れ、水
の温度は8℃、ブラシロールが直描型平版印刷版に接触
する幅が15mm、搬送速度が60cm/分となるよう
に設定し、直描型平版印刷版の現像を行った。
【0094】ブラシロールは、 ポリエチレンテレフタ
レート製、直径700μmの円柱である単糸を毛足長さ
8mmになるように植込んで長さ1160mm、外径1
30mmにしたものを用い、これを直描型平版印刷版原
版の搬送方向と同一方向で毎分500回転させるととも
に毎分200往復で揺動幅2mmの揺動をさせた。
【0095】その他の条件は実施例1と全く同様にして
直描型平版印刷版を作製したところ、シリコーンゴム層
に多量の傷が入り、印刷評価を行った際、その傷に起因
した地汚れが発生した。
【0096】
【表1】
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、画像再現性の良好な直
描型平版印刷版が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/32 G03F 7/32 Fターム(参考) 2H025 AA04 AB04 AC08 AD01 AD03 CC20 FA03 FA14 FA17 2H084 AA14 AE05 CC06 2H096 AA13 BA16 EA04 GA08 GA22 GA24 GA27 2H114 AA05 AA22 AA24 AA30 BA01 BA10 DA03 DA34 DA39 DA59 DA62 EA01 EA02 EA04 GA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、少なくとも感熱層、インキ反発
    層をこの順に有する直描型平版印刷版の現像方法であっ
    て、レーザー照射により、感熱層表層を反応させた後、
    水または水を主成分とする現像液の存在下で直描型平版
    印刷版を搬送させながら、インキ反発層を少なくとも1
    本のブラシロールでロール軸方向に往復運動させながら
    擦って画線部のインキ反発層を選択的に除去することを
    特徴とする直描型平版印刷版の現像方法。
  2. 【請求項2】有機溶剤を主成分とする現像前処理液を使
    用しないことを特徴とする請求項1記載の直描型平版印
    刷版の現像方法。
  3. 【請求項3】ブラシロールのロール軸方向への往復運動
    の幅が5〜100mmの範囲であることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の直描型平版印刷版の現像
    方法。
  4. 【請求項4】ブラシロールのロール軸方向への往復運動
    の回数が50〜400回/分の範囲であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の直描型平版印刷版
    の現像方法。
  5. 【請求項5】ブラシロールのブラシ単糸の直径が、20
    〜500μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の直描型平版印刷版の現像方法。
  6. 【請求項6】ブラシロールのブラシ単糸の毛足長さが1
    0〜30mmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載の直描型平版印刷版の現像方法。
  7. 【請求項7】ブラシロールが直描型平版印刷版の版面に
    接触する幅が4〜25mmの範囲にあることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載の直描型平版印刷版の
    現像方法
  8. 【請求項8】ブラシロールの回転速度が10〜1000
    rpmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれかに記載の直描型平版印刷版の現像方法。
  9. 【請求項9】自動現像機における直描型平版印刷版の搬
    送速度が30〜200cm/分の範囲にあることを特徴
    とする請求項1〜8のいずれかに記載の直描型平版印刷
    版の現像方法。
  10. 【請求項10】水または水を主成分とする現像液の温度
    が10℃から40℃の範囲にあることを特徴とする請求
    項1〜9のいずれかに記載の直描型平版印刷版の現像方
    法。
  11. 【請求項11】2本以上のブラシロールで現像し、少な
    くとも1本のブラシロールを他のブラシロールと反対方
    向に回転させることを特徴とする請求項1〜10のいず
    れかに記載の直描型平版印刷版の現像方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005331924A (ja) * 2004-04-23 2005-12-02 Toray Ind Inc 直描型水なし平版印刷版原版の製造方法
JP2020046544A (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 旭化成株式会社 現像装置及びその制御方法並びにプログラム

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