JP2001301351A - 直描型水なし平版印刷版原版 - Google Patents

直描型水なし平版印刷版原版

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JP2001301351A
JP2001301351A JP2000123108A JP2000123108A JP2001301351A JP 2001301351 A JP2001301351 A JP 2001301351A JP 2000123108 A JP2000123108 A JP 2000123108A JP 2000123108 A JP2000123108 A JP 2000123108A JP 2001301351 A JP2001301351 A JP 2001301351A
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direct
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rubber layer
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Kazuoki Goto
一起 後藤
Kunitaka Fujiyoshi
国孝 藤吉
Koichi Nagase
公一 長瀬
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Toray Industries Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

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  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】水だけで現像できる直描型水なし平版印刷版を
提供する。 【解決手段】基板上に、少なくとも感熱層、シリコーン
ゴム層をこの順に有する直描型水なし平版印刷版原版で
あって、シリコーンゴム層中に親水性成分を有すること
を特徴とする直描型水なし平版印刷版原版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光で直接
製版できる直描型水なし平版印刷版原版に関するもので
あり、特に有機溶媒を用いた処理を全く必要とせずに、
水を主成分とする液体だけで現像できる直描型水なし平
版印刷版原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製版用フィルムを使用しないで、原稿か
ら直接オフセット印刷版を作製する、いわゆる直描型製
版は、熟練度を必要としない簡易性、短時間で印刷版が
得られる迅速性、多様なシステムから品質とコストに応
じて選択可能である合理性などの特徴を生かして、軽印
刷業界のみでなく、一般オフセット印刷、フレキソ印刷
の分野にも進出し始めている。特に最近では、プリプレ
スシステムやイメージセッター、レーザープリンタなど
の出力システムの急激な進歩によって新しいタイプの各
種直描型平版印刷版が開発されている。これらの直描型
平版印刷版を製版方法から分類すると、レーザー光を照
射する方法、サーマルヘッドで書き込む方法、ピン電極
で電圧を部分的に印加する方法、インクジェットでイン
キ反撥層またはインキ着肉層を形成する方法などが挙げ
られる。なかでも、レーザー光を用いる方法は解像度、
および製版速度の面で他の方式よりも優れており、その
種類も多い。
【0003】このレーザー光を用いる印刷版はさらに、
光反応によるフォトンモードのものと、光熱変換を行っ
て熱反応を起こさせるヒートモードの2つのタイプに分
けられる。特にヒートモードの方式は、明室で取り扱え
るといった利点があり、また光源となる半導体レーザー
の急激な進歩によって、最近非常に注目を集めており、
今後の主流になると言われている。
【0004】ヒートモードにおける平版印刷版として
は、湿し水を用いずに印刷が出来る直描型水なし平版、
湿し水を用いて印刷を行う直描型水ありPS版などが開
発されている。直描型水なし平版は、高品質な印刷物が
得られる、印刷の立ち上がりが早いという長所に加え、
有機溶媒による前処理と水存在下でのブラシ擦り現像と
いうシステムで現像できるため、PS版を処理したとき
に生じるアルカリ現像廃液が出ないという長所を持って
いる。
【0005】この前処理/水現像システムは実用上、非
常に優れたシステムであるが、近年の環境意識の更なる
向上から、有機溶媒を全く使用しない現像システムにつ
いてもその開発が望まれるようになってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題はかかる
従来技術ではなし得なかった技術、すなわち有機溶媒を
全く用いずに、水を主成分とする液体だけを用いて現像
できる直描型水なし平版印刷版原版を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の直描型水なし平
版印刷版原版は、上記課題を解決するために主として特
徴を有する。すなわち、「基板上に、少なくとも感熱層
およびシリコーンゴム層をこの順に有する直描型水なし
平版印刷版原版であって、前記シリコーンゴム層が親水
性成分を含むことを特徴とする直描型水なし平版印刷版
原版」、である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
【0009】本発明の直描型水なし平版印刷版原版は、
基板上に少なくとも感熱層、シリコーンゴム層をこの順
に有する直描型水なし平版印刷版原版であり、そのシリ
コーンゴム層が親水性成分を含むことを特徴とする。
【0010】本発明で言う親水性成分とは、水に溶解も
しくは膨潤する成分のことをいう。具体的には親水性シ
リコーンオイル、親水性のモノマー/オリゴマー、エポ
キシ化合物、グルコース、フルクトース、でんぷんなど
の糖類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類お
よびこれらグリコール類のモノアルキルエーテルなど、
水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性アミド樹脂、親水性ポ
リアクリレートおよび共重合体、ポリビニルアルコール
およびその誘導体、界面活性剤などを一例として挙げる
ことが出来るが、これらに限定されるものではない。
【0011】これらの中でも、親水性のシリコーンオイ
ル、親水性のモノマー/オリゴマー、エチレングリコー
ル誘導体、界面活性剤などが好ましい。
【0012】親水性シリコーンオイルとしては、アルキ
ル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーン
オイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性
シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エ
ポキシポリエーテル変性シリコーンオイル、カルボキシ
変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイ
ル、アミド変性シリコーンオイルなどの分子中のメチル
基の一部に水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルフ
ォン酸基、アミド基、エチレンオキサイド基などの各種
有機基を導入した変性シリコーンオイル類などが挙げら
れる。
【0013】親水性モノマー/オリゴマーとしては、水
酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルフォン酸基、ア
ミド基などの官能基を有するモノマー/オリゴマーが挙
げられる。具体例としては、ジメチルアミノメチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アク
リレート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、クロトン酸、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メ
タ)アクリル酸アンモニウム、スチレンスルフォン酸、
ビニルスルフォン酸、アクリロイルオキシメチルスルフ
ォン酸、アクリルアミド、メチルアクリルアミド、アリ
ルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビニルピ
リジンなどが挙げられる。
【0014】エチレングリコール誘導体としては、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリ
オキシプロピレングリコール(Mw:200)、ポリオ
キシプロピレングリコールモノブチルエーテル(Mw:
1200)、テトラエチレングリコールモノ−2−エチ
ルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−
エチルヘキシルエーテルなどが挙げられる。
【0015】界面活性剤としては、ポリオキシエチレン
アルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル
類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、ソルビタン
エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、デカグリセ
リン脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル類など
の非イオン系界面活性剤、スルホネート類、サルフェー
ト類、フォスフェート類などの陰イオン系界面活性剤、
第4級アンモニウム塩類、イミダゾリン類などの陽イオ
ン系界面活性剤、ベタイン類、レシチン類などの両性イ
オン系界面活性剤などが挙げられるが、非イオン系界面
活性剤が好ましい。
【0016】非イオン系界面活性剤の具体例としては、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエ
ーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリ
オキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンス
テアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポ
リオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンステ
アレート、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ソルビ
タンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタン
ステアレート、ソルビタンオレエート、ポリオキシエチ
レンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビ
タンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステ
アレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、
パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、
グリセリルモノステアレート、デカグリセリルモノステ
アレート、ジグリセリルモノオレエート、ペンタエリス
リトールステアレートなどが挙げられる。
【0017】本発明に用いられる親水性成分の含有量
は、シリコーンゴム層の固形分中の0.1〜20重量%
が好ましく、より好ましくは0.5〜10重量%であ
る。添加量が0.1重量%以上であれば添加の効果が十
分に発現し、一方、添加量が20重量%以下であればシ
リコーンゴム層の硬化性に悪影響をもたらしたり、イン
キ反発性に悪影響を与えることがない。
【0018】このようにシリコーンゴム層中に親水性成
分を含有することによって、シリコーンゴム層全体の水
を主成分とする液体に対する現像性を高めることが可能
となる。
【0019】また、本発明におけるシリコーンゴム層の
水に対する接触角は110°以下であることが好まし
い。水に対する接触角を110°以下にすることによっ
て、現像時のシリコーンゴム層の水を主成分とする液体
に対する濡れ性を保つことが出来、水を主成分とする液
体での現像性を高めることが出来るためである。
【0020】接触角としては、固体上を液体が濡れ広が
ってゆく状態で測った前進接触角、逆に固体表面が液体
から現れてくる状態で測った後退接触角がある。本発明
の場合は、現像時に、水を主成分とする液体を印刷版表
面に供給した場合に、印刷版表面が如何に効果的に濡
れ、現像されるかが重要であるので、前進接触角で議論
するのが好ましい。また、接触角の測定方法としては、
液滴法、傾斜法、垂直板法、粉末法などが挙げられる
が、液滴法が最も簡便な方法として知られている。この
方法は、平板試料上に微量注射器を用いて直径約3mm
以下の液滴を滴下し、一定時間後の液滴と平板試料の界
面の角度を測角器のついた読み取り顕微鏡で測定すると
いうものである。
【0021】本発明の直描型水なし平版印刷版原版のシ
リコーンゴム層としては、付加重合型のもの、縮合重合
型のものいずれでも用いられる。
【0022】付加重合型のシリコーンゴム層を構成する
成分としては、ビニル基含有ポリジメチルシロキサン、
SiH基含有ポリシロキサン、さらには硬化速度を制御
する目的で反応抑制剤、および硬化触媒を含む。
【0023】ビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、
分子末端および/もしくは主鎖中にビニル基を有するも
のである。分子量としては数千〜数十万のものが使用で
きるが、その取扱い性や得られた印刷版のインキ反発
性、耐傷性などの観点から重量平均分子量1万〜20
万、さらには3万〜15万のものを用いることが好まし
い。
【0024】SiH基含有ポリシロキサンとしては、分
子鎖中、または末端にSiH基を有する化合物を挙げる
ことができる。
【0025】SiH基含有ポリシロキサン中におけるS
iH基の量としては、1分子中2個以上、さらには3個
以上であることが好ましい。SiH基含有ポリシロキサ
ンの添加量としては、シリコーンゴム層全組成物の3〜
20重量%であることが好ましく、5〜15重量%がさ
らに好ましい。ポリジメチルシロキサンとの量比という
ことで言えば、SiH基/ポリジメチルシロキサンのビ
ニル基のモル比が1.5〜30であることが好ましく、
10〜20がさらに好ましい。このモル比が1.5以上
であれば、シリコーンゴム層の硬化が不足することもな
く、30以下であればゴムの物性がもろくなり、印刷版
の耐傷性などに悪影響を与えることがない。
【0026】反応抑制剤としては、含窒素化合物、リン
系化合物、不飽和アルコールなどが挙げられるが、アセ
チレン基含有のアルコールなどが好ましく用いられる。
反応抑制剤の好ましい添加量としては、シリコーンゴム
組成物中の0.01〜10重量%、さらに好ましくは1
〜5重量%である。
【0027】硬化触媒としては、III族遷移金属化合
物、好ましくは、白金化合物であり、具体的には白金単
体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金、白金
のアルコール変性錯体、白金のメチルビニルポリシロキ
サン錯体などを一例として挙げることができる。このよ
うな硬化触媒の量は、シリコーンゴム層中に固形分とし
て0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量
%である。添加する触媒量が0.01重量%以上の場合
にはシリコーンゴム層の硬化が十分となり、さらに感熱
層との接着性に問題を生じることもない。他方20重量
%以下の場合にはシリコーンゴム層溶液のポットライフ
に悪影響をもたらすこともない。シリコーンゴム層組成
物中における白金などの金属の量で言えば、10〜10
00ppm、好ましくは100〜500ppmであるこ
とが好ましい。
【0028】また、これらの組成物の他に、加水分解性
官能基含有シランもしくはシロキサン、接着性を向上さ
せる目的で公知のシランカップリング剤、チタネート系
カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などを
含有してもよい。シランカップリング剤としては、アル
コキシシラン類、アセトキシシラン類、ケトキシミンシ
ラン類等が好ましく、特にビニル基を有するものや、ケ
トキシミンシラン類が好ましい。
【0029】縮合重合型のシリコーンゴム層を構成する
成分としては、水酸基含有ポリジメチルシロキサン、架
橋剤(脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコール型、脱ア
ミン型、脱アセトン型、脱アミド型、脱アミノキシ型な
ど)、および硬化触媒を含む。
【0030】水酸基含有ポリジメチルシロキサンの水酸
基は分子末端および/もしくは主鎖中に位置することが
できるが、好ましく用いられるものは分子量末端に水酸
基を有するものである。分子量としては数千〜数十万の
ものが使用できるが、その取扱い性や得られた印刷版の
インキ反発性、耐傷性などの観点から重量平均分子量1
万〜20万、さらには3万〜15万のものを用いること
が好ましい。
【0031】縮合重合型のシリコーンゴム層で用いられ
る架橋剤としては、下記一般式(I)で表される、アセ
トキシシラン類、アルコキシシラン類、ケトキシミンシ
ラン類、アリロキシシラン類などを挙げることができ
る。
【0032】(R14-nSiXn (I) (式中、nは2〜4の整数を示し、R1は炭素数1以上
の置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、ア
リール基、またはこれらの組み合わされた基を示す。X
はハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケト
キシミン基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニルオ
キシ基から選ばれる官能基を示す。)上記式において、
加水分解性基の数nは3または4であることが好まし
い。
【0033】具体的な好ましい化合物としては、メチル
トリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、
ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリ(メチルエチ
ルケトキシミン)シラン、テトラ(メチルエチルケトキ
シミン)シランなどが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0034】一般式(I)で表される架橋剤の添加量と
しては、シリコーンゴム層全組成物の1.5〜20重量
%であることが好ましく、3〜10重量%がさらに好ま
しい。ポリジメチルシロキサンとの量比ということで言
えば、官能基X/ポリジメチルシロキサンの水酸基のモ
ル比が1.5〜10.0であることが好ましい。このモ
ル比が1.5以上である場合には、シリコーンゴム層溶
液のゲル化の心配もなく、逆に10.0以下の場合には
ゴムの物性の脆化、印刷版の耐傷性などへの悪影響も生
じない。
【0035】硬化触媒としては、酸類、アルカリ、アミ
ン、および金属アルコキシド、金属ジケテネート、金属
の有機酸塩などを挙げることが出来る。これらの中で
は、金属の有機酸塩を添加することが好ましく、特に
錫、鉛、亜鉛、鉄、コバルト、カルシウム、マンガンか
ら選ばれる金属の有機酸塩であることが好ましい。この
ような化合物の具体例の一部としては、ジブチル錫ジア
セテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウ
レートなどを挙げることが出来る。このような硬化触媒
の量は、シリコーンゴム層中に固形分として0.01〜
20重量%、好ましくは0.1〜10重量%であること
が好ましい。添加する触媒量が0.01重量%以上とす
ればシリコーンゴム層の硬化が不十分となることはな
く、さらに感熱層との接着性に問題を生じることもな
い。他方20重量%以下とすればシリコーンゴム層溶液
のポットライフに悪影響をもたらすこともない。
【0036】これらシリコーンゴム層の膜厚は0.5〜
20g/m2が好ましく、1〜4g/m2がさらに好まし
い。膜厚が0.5g/m2以上とすることにより印刷版
のインキ反撥性や耐傷性、耐刷性を安定して発現させる
ことが出来、20g/m2以下とすることで、現像性、
インキマイレージを良好に維持することが出来る。
【0037】次に、本発明に好ましく使用しうる直描型
平版印刷版原版の感熱層は、レーザー光を吸収し熱を発
生する化合物、および熱により反応し溶解性または膨潤
率を向上させる化合物および化合物群を含む。
【0038】レーザー光を吸収し熱を発生する化合物と
しては、カーボンブラック、チタンブラック、アニリン
ブラック、シアニンブラックなどの黒色顔料、フタロシ
アニン、ナフタロシアニン系の緑色顔料、カーボングラ
ファイト、ジアミン系金属錯体、ジチオール系金属錯
体、フェノールチオール系金属錯体、メルカプトフェノ
ール系金属錯体、結晶水含有無機化合物、硫酸銅、硫化
クロム、珪酸塩化合物や、酸化チタン、酸化バナジウ
ム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化タング
ステンなどの金属酸化物、これらの金属の水酸化物、硫
酸塩などを挙げることができる。
【0039】また、赤外線または近赤外線を吸収する色
素、特に染料が好ましく使用される。特に好ましい色素
としては、シアニン系、フタロシアニン系、ナフタロシ
アニン系、ジチオール金属錯体系、ピアズレニウム系、
スクアリリウム系、クロコニウム系、アゾ系分散色素、
ビスアゾ系、ビスアゾスチルベン系、ナフトキノン系、
アントラキノン系、ペリレン系、ポリメチン系、インド
アニリン金属錯体染料、分子間型CT系、ベンゾチオピ
ラン系、スピロピラン系、ニグロシン系、チオインジゴ
系、ニトロソ系、キノリン系、フルギド系の色素、特に
染料などが挙げられる。
【0040】これらの中では、レーザー光の吸収率など
の点から、シアニン系、ポリメチン系、ナフタロシアニ
ン系の染料が特に好ましい。
【0041】これら化合物の含有量は、全感熱層組成物
に対して1〜40重量%が好ましく、5〜25重量%が
より好ましい。1重量%以上とすることでレーザー光の
吸収を効率的に行うことが出来、40重量%以下とする
ことで感熱層の物性に悪影響を及ぼすこともなくなる。
【0042】レーザー光照射で生じた熱により反応し、
溶解性または膨潤率を向上させる化合物あるいは化合物
群としては、フェノール、クレゾール、キシレノールな
どのフェノール類とホルムアルデヒドの縮合反応により
得られるノボラック樹脂やレゾール樹脂、フェノール・
フルフラール樹脂、フラン樹脂などと、多官能ブロック
ドイソシアネート、多官能エポキシ化合物、多官能アク
リレート化合物、金属キレート化合物、多官能アルデヒ
ド、多官能メルカプト化合物、多官能アルコキシシリル
化合物、多官能アミン化合物、多官能カルボン酸、多官
能ビニル化合物、多官能ジアゾニウム塩、多官能アジド
化合物、ヒドラジンなどの組み合わせが挙げられるが、
フェノール樹脂と金属キレート化合物の組み合わせが特
に好ましい。
【0043】このような化合物あるいは化合物群の感熱
層中に占める割合としては、感熱層の全固形分の20〜
95重量%、さらには30〜70重量%であることが好
ましい。20重量%以上とすることで、感熱層表層の変
化による溶解性あるいは膨潤率変化を維持することが出
来、一方、95重量%以下とすることで、相対的にレー
ザー光を吸収し熱を発生する化合物の量を維持すること
によりレーザー照射による熱発生に問題を生じることも
ない。
【0044】その他、感熱層中にはバインダーポリマー
や界面活性剤、各種添加剤を含有してもよい。これらの
バインダーの含有量は、全感熱層組成物に対して5〜7
0重量%が好ましく、10〜50重量%がより好まし
い。含有量が5重量%以上とすれば耐刷性や塗液の塗工
性に問題が生じることもなく、70重量%以下とすれば
画像再現性に悪影響もない。
【0045】感熱層の厚さは、被覆層にして0.1〜1
0g/m2であると、印刷版の耐刷性や、希釈溶剤を揮
散し易く生産性に優れる点で好ましく、1〜5g/m2
がより好ましい。
【0046】本発明における直描型水なし平版印刷版原
版の製造方法について説明する。
【0047】アルミおよびアルミ合金などの金属基板、
あるいはポリエチレンテレフタレートなどプラスチック
フィルムなどの基板上に、リバースロールコーター、エ
アーナイフコーター、グラビアコーター、ダイコータ
ー、メーヤバーコーターなどの通常のコーターあるいは
ホエラーのような回転塗布装置を用い、必要に応じてプ
ライマー層組成物を塗布し100〜300℃で数分間加
熱あるいは活性光線照射により硬化させた後、感熱層組
成物を塗布し50〜180℃で数十秒から数分間加熱乾
燥させる。
【0048】この後、親水性成分を含有したシリコーン
ゴム組成物を塗布し50〜200℃の温度で数分間熱処
理してシリコーンゴム層を得る。
【0049】次に直描型水なし平版印刷版の製版方法に
ついて詳しく説明する。
【0050】本発明の直描型水なし平版印刷版原版は、
レーザー照射の後、有機溶媒を用いた処理を全く行わず
に、水を主成分とする液体だけで現像を行う。
【0051】レーザー照射に用いられる光源としては、
発光波長領域が300nm〜1500nmの範囲にある
ものが用いられるが、明室での版材の取扱い性などの観
点から近赤外領域付近に発光波長領域が存在する半導体
レーザーやYAGレーザーが好ましく用いられる。具体
的には、830nm、1064nmの波長のレーザー光
が製版に好ましく用いられる。レーザー照射の好ましい
エネルギーは50〜500mJ/cm2、さらに好まし
くは250〜400mJ/cm2ある。
【0052】水を主成分とする液体としては、水もしく
は界面活性剤を含む水を挙げることが出来、好ましくは
水である。酸やアルカリ、揮発性の有機溶媒などを含む
ものは本発明に含まない。
【0053】レーザー照射後の印刷版は、水を主成分と
する液体の存在下でブラシ、パッドなどで物理的に擦る
ことによって現像を行う。
【0054】現像は、手による方法でもよいが、東レ
(株)製“TWL−1160”や“TWL−650”、
“TWL−860”などの水なし平版用自動現像機、あ
るいは“TWU−1160”、“TWU−860”など
の水なし平版用水洗機を利用することが好ましい。
【0055】ブラシとしては、直径20〜500μmの
ブラシ素材を溝型あるいはブロック型の金属あるいはプ
ラスチックなどに列状に植え込んだものを芯に取り付け
たものが一般的であるが、上記ブラシ素材を金属あるい
はプラスチックなどの芯に放射状に植え込んだものでも
よく、上記ブラシ素材をプラスチックシートあるいは布
などの基材に植え込んだものを芯に巻いたものでもよ
い。
【0056】ブラシ材質としては、ポリ塩化ビニル、ポ
リアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレートおよびポリプロピレンの群から選ばれる
少なくとも1種とすることにより、ブラシによる印刷版
のインキ反発層を傷つけることなく、またブラシの力不
足によるレーザー照射部のインキ反発層の除去不良を防
止できる。
【0057】さらにブラシローラの回転数は10〜20
00rpm、好ましくは200〜1000rpmであ
る。また、ブラシローラを回転すると共に、軸方向へ往
復運動させることにより、レーザー照射部のシリコーン
ゴム層除去効果が向上する。ブラシローラの回転方向と
しては、印刷版の搬送方向と同方向でも逆方向でもよ
い。
【0058】このようにして得られた直描型水なし平版
印刷版については、画線部となるレーザー照射部の感熱
層を染色し、画線部と非画線部のコントラストをつけ、
画像視認性を高めることも好ましく行われる。染色に用
いられる染料としては、特に水溶性の塩基性染料、酸性
染料が好ましく用いられる。具体例としては、エチルバ
イオレット、ビクトリアピュアブルー、ビクトリアブル
ー、メチルバイオレット、ブリリアントベーシックシア
ニン(Brilliant Basic Cyanine) 6GHなどが挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0059】このように染色を行った直描型水なし平版
印刷版は、さらに水を用いて洗浄してもよい。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。
【0061】[実施例1] 直描型水なし平版印刷版原版1の作製 厚さ0.24mmの脱脂したアルミ板上に下記の組成よ
りなる溶液をスリットダイコーターにより塗布し、14
0℃×90秒間乾燥し、1.5g/m2の感熱層を設け
た。 <感熱層1> (a)“PROJET”825LDI((株)Avec
ia製) :11重量部 (b)“ナーセムチタン”(日本化学産業(株)製、チ
タンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジ
オネート)のアセチルアセトン溶液):9重量部(固形
分濃度40重量%として計算。固形分として9重量部) (c)“スミライトレジン”PR50622(フェノー
ルノボラック樹脂、住友デュレズ(株)製):60重量
部 (d)“サンプレン”T1331D(ポリウレタン、三
洋化成工業(株)製):10重量部(固形分として10
重量部) (e)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレ
ート/3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:
1/3/1モル比付加物:10重量部 (f)テトラヒドロフラン:800重量部 (g)ジメチルホルムアミド:100重量部
【0062】次いで、下記組成の溶液をスリットダイコ
ーターにより塗設し、乾燥条件は130℃×2分間とし
て乾燥膜厚2.0μmのシリコーンゴム層を設け、直描
型水なし平版印刷版原版1を得た。 <シリコーンゴム層1> (a)“DBE−224”(ポリアルキレンオキシド変
性親水性シリコーンオイル、(株)GELEST製):
5重量部 (b)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(分子
量約60,000):100重量部 (c)HMS−501(チッソ(株)製 両末端メチル
(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキ
サン)共重合体 SiH基数/分子量=0.69mol/
g):7重量部 (d)ビニルトリ(メチルエチルケトオキシム)シラ
ン:3重量部 (e)“SRX−212”(東レダウコーニングシリコ
ーン(株)製、白金触媒):5重量部 (f)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製):90
0重量部 (g)テトラヒドロフラン:100重量部
【0063】直描型水なし平版印刷版の現像 上記のようにして得られた直描型水なし平版印刷版原版
1を、「GX−3600」(製版機、東レ(株))に装
着し、半導体レーザー(波長830nm)を用いてレー
ザー照射を行った(照射エネルギー250mJ/c
2、2400dpi、175lpi)。
【0064】その後、水なし平版印刷版用自動現像機用
水洗機“TWU−1160”(東レ(株)製)を用い
て、水だけで現像を行った。
【0065】この結果、レーザー光が照射された部分の
シリコーンゴム層が除去された直描型水なし平版印刷版
が得られた。
【0066】画像再現性の評価 得られた印刷版を、印刷版を枚葉オフセット印刷機「ス
プリント25」(小森コーポレーション(株)製)に取
り付け、水なし平版用インキ“ドライオカラーNS
I”、藍(大日本インキ化学工業(株)製)を使用して
上質紙(62.5kg/菊)に印刷し、印刷物としての画像再
現性を評価したところ、2〜98%の再現性であった。
【0067】接触角の測定 得られた印刷版を、“FACE接触角計CA−D型”
(協和界面科学(株)製)を用いて水に対する接触角を
測定した。室温20℃の雰囲気下で、シリコーンゴム層
上に直径約1.5mmの精製水の液滴を垂らし、30秒
後の接触角を測定したところ、102°であった。
【0068】[比較例1]実施例1におけるシリコーン
ゴム層の成分(a)を抜いた以外は全く同様にして直描
型水なし平版印刷版原版2を作製し、全く同様に評価し
たところ、画像再現性は5〜96%であった。また、接
触角は114°であった。
【0069】[実施例2〜4]実施例1におけるシリコ
ーンゴム層の成分(a)を表1にように変更した以外は
全く同様にして直描型水なし平版印刷版原版3〜5を作
製し、全く同様に評価した。表1に評価結果を示した
が、画像再現性はいずれも良好であり、また、接触角も
いずれも110°以下であった。
【0070】[実施例5] 直描型水なし平版印刷版原版5の作製 厚さ0.24mmの脱脂したアルミ板上に下記の組成よ
りなる溶液を塗布し、200℃、2分間乾燥し、3g/
2のプライマー層を設けた。 <プライマー層1> (a)エポキシ・フェノール樹脂“カンコート”90T
−25−3094(関西ペイント(株)製):15重量
部 (b)ジメチルホルムアミド:85重量部
【0071】このプライマー層の上に下記の組成よりな
る溶液をスリットダイコーターにより塗布し、130℃
×90秒間乾燥し、1.0g/m2の感熱層を設けた。 <感熱層2> (a)“PROJET”825LDI((株)Avec
ia製):11重量部 (b)“ナーセムチタン”(日本化学産業(株)製、チ
タンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジ
オネート)のアセチルアセトン溶液):9重量部(固形
分濃度40重量%として計算。固形分として9重量部) (c)“スミライトレジン”PR50622(フェノー
ルノボラック樹脂、住友デュレズ(株)製):60重量
部 (d)“サンプレン”T1331D(ポリウレタン、三
洋化成工業(株)製):10重量部(固形分として10
重量部) (e)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレ
ート/3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:
1/3/1モル比付加物:10重量部 (f)テトラヒドロフラン:800重量部 (g)ジメチルホルムアミド:100重量部
【0072】次いで、下記組成の溶液をスリットダイコ
ーターにより塗設し、乾燥条件は130℃×2分間とし
て乾燥膜厚2.0μmのシリコーンゴム層を設け、直描
型水なし平版印刷版原版6を得た。 <シリコーンゴム層2> (a)“9−EG−A”(共栄社化学(株)製、PEG
#400ジアクリレート):5重量部 (b)ポリジメチルシロキサン(分子量約50,00
0、両末端水酸基):100重量部 (c)エチルトリス(アセトキシ)シラン(架橋剤):
12重量部 (d)ジブチル錫ジアセテ−ト(錫触媒、硬化触媒):
0.01重量部 (e)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製):95
0重量部 (f)テトラヒドロフラン:50重量部 実施例1と全く同様に評価したところ、画像再現性は2
〜98%であった。また、接触角は102°であった。
【0073】[比較例2]実施例5におけるシリコーン
ゴム層の成分(a)を抜いた以外は全く同様にして直描
型水なし平版印刷版原版7を作製し、全く同様に評価し
たところ、画像再現性は5〜96%であった。また、接
触角は112°であった。
【0074】[実施例6]実施例1におけるシリコーン
ゴム層の成分(a)を表1にように変更した以外は全く
同様にして直描型水なし平版印刷版原版8を作製し、全
く同様に評価した。表1に評価結果を示したが、画像再
現性は良好であった。
【0075】
【表1】
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、有機溶媒を全く用いず
に水だけで現像できる直描型水なし平版印刷版原版が得
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H096 AA13 BA20 EA04 EA23 GA08 2H114 AA05 AA24 AA27 AA30 BA01 BA10 DA03 DA04 DA05 DA08 DA34 DA39 DA42 DA43 DA51 DA53 DA55 DA60 DA62 EA01 EA08 4J002 AB022 AB042 AB052 BE012 BE022 BG012 BG072 BG132 BH022 BQ002 CD002 CK022 CP031 CP032 EC036 EC046 EF046 EF076 EG026 EN026 EU046 EV236 FD310

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、少なくとも感熱層、シリコーン
    ゴム層をこの順に有する直描型水なし平版印刷版原版で
    あって、前記シリコーンゴム層が親水性成分を含むこと
    を特徴とする直描型水なし平版印刷版原版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006222157A (ja) * 2005-02-08 2006-08-24 Sumitomo Rubber Ind Ltd 電極印刷法および該電極を備えた電極板
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