JP2001001661A - 直描型水なし平版印刷版原版 - Google Patents

直描型水なし平版印刷版原版

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JP2001001661A
JP2001001661A JP11176047A JP17604799A JP2001001661A JP 2001001661 A JP2001001661 A JP 2001001661A JP 11176047 A JP11176047 A JP 11176047A JP 17604799 A JP17604799 A JP 17604799A JP 2001001661 A JP2001001661 A JP 2001001661A
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Japan
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heat
compound
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JP11176047A
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English (en)
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Kunitaka Fujiyoshi
国孝 藤吉
Kazuoki Goto
一起 後藤
Koichi Nagase
公一 長瀬
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JP2001001661A publication Critical patent/JP2001001661A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】焼き出し検版性の良好なネガ型で熱剥離型の直
描型平版印刷版原版を提供する。 【解決手段】基板上に、少なくとも、(A)光熱変換物
質および(B)熱分解性化合物および(C)熱硬化性化
合物を含有する感熱層、シリコーンゴム層をこの順に積
層してなる直描型水なし平版印刷版原版において、該熱
分解性化合物としてアゾ化合物、ジアゾ系化合物および
アジド化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光で直接
製版できる直描型平版印刷版原版に関するものであり、
特に湿し水を用いずに印刷が可能な直描型水なし平版印
刷版原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製版用フィルムを使用しないで、原稿か
ら直接オフセット印刷版を作製する、いわゆる直描型製
版は、熟練度を必要としない簡易性、短時間で印刷版が
得られる迅速性、多様なシステムから品質とコストに応
じて選択可能である合理性などの特徴を生かして、軽印
刷業界のみでなく、一般オフセット印刷、フレキソ印刷
の分野にも進出し始めている。
【0003】特に最近では、プリプレスシステムやイメ
ージセッター、レーザープリンターなどの出力システム
の急激な進歩によって新しいタイプの各種直描型平版印
刷版が開発されている。
【0004】これらの直描型平版印刷版を製版方法から
分類すると、レーザー光を照射する方法、サーマルヘッ
ドで書き込む方法、ピン電極で電圧を部分的に印加する
方法、インクジェットでインキ反撥層またはインキ着肉
層を形成する方法などが挙げられる。なかでも、レーザ
ー光を用いる方法は解像度、および製版速度の面で他の
方式よりも優れており、その種類も多い。
【0005】このレーザー光を用いる印刷版はさらに、
光反応によるフォトンモードのものと、光熱変換を行っ
て熱反応を起こさせるヒートモードの2つのタイプに分
けられる。特にヒートモードの方式は、明室で取り扱え
るといった利点があり、また光源となる半導体レーザー
の急激な進歩によって、最近その有用性が見直されてき
ている。
【0006】このヒートモードのものには、熱接着型と
熱破壊型もしくは熱剥離型がある。
【0007】熱接着型の版材は、レーザー光照射部のシ
リコーンゴム層が選択的に残存し、非画線部として働く
ものである。このようなタイプの版材としては、例えば
特開平9−68794号公報、特開平9−80745号
公報、特開平9−120157号公報、特開平9−19
7659号公報などが提案されている。
【0008】特開平9−120157号公報で提案され
ている版材は、レーザー光照射により発生した酸を触媒
として感光層の反応を進め、画像を再現するというもの
である。しかしながら、酸発生後、反応を進めるために
は、熱処理という工程が必要であった。さらに、酸発生
後から熱処理までの時間が画像再現性に影響を与えるた
め、画像再現性が不安定となるという問題を有してい
た。
【0009】特開平9−80745号公報、特開平9−
197659号公報で提案されている版材も、感光層中
に活性光線の照射で酸を発生しうる化合物および酸の存
在下で反応し得る結合を有する化合物が含まれており、
レーザー光照射後、発生した酸を用いて反応を進めるタ
イプであるため、上記と同様の問題を有していた。
【0010】さらに、熱接着型の根本的な問題点として
は、印刷版においては非画線部の面積が60〜70%を
占めるため、1枚の印刷版を作製する上でのレーザー照
射時間が長くなり、結果としてレーザー照射器の寿命を
短くしてしまうという問題が存在している。
【0011】熱破壊型の版材は、レーザー光照射部のシ
リコーンゴム層が感熱層とともに現像処理により選択的
に除去され、画線部として働くものである。
【0012】このようなタイプの版材およびその製造方
法としては、例えば、米国特許第5339737号、米
国特許第5353705号、特開平6−55723号公
報、米国特許第5378580号、特開平7−1647
73号公報、特開平6−186750号公報、特開平7
−309001号公報、特開平9−104182号公
報、特開平9−146264号公報、特開平9−146
265号公報、特開平9−236927号公報、特開平
9−244228号公報および米国特許第548733
8号、米国特許第5385092号、米国特許第564
9486号、米国特許第5704291号、米国特許第
5570636号などが提案されている。
【0013】この熱破壊方式の印刷版原版の感熱層は、
レーザー光吸収化合物として主としてカーボンブラック
を用い、熱分解化合物としてニトロセルロースを使用し
ている。そしてこのカーボンブラックがレーザー光を吸
収することによって熱エネルギーに変換され、その熱で
感熱層が破壊される。そして最終的に、現像によってこ
の部分を除去することによって、表面のシリコーンゴム
層が同時に剥離され、インキ着肉部となる。
【0014】しかしながらこの印刷版は、感熱層を破壊
して画像を形成することから画線部のセルの深さが深く
なり、微少網点でのインキ着肉性が悪く、インキマイレ
ージが悪いという問題点があった。更に、感熱層を熱破
壊させ易くするために、架橋構造を形成しており、印刷
版の耐刷性が悪いという問題もあった。更にこの印刷版
は感度が低く、感熱層を破壊させるために高いレーザー
光の強度が必要という問題点もあった。
【0015】特開平9−239943号公報では、レー
ザー光を熱に変換することによりシリコーンゴム層との
密着性が低下する層、および固形分量に対して10〜2
0重量%のオルガノハイドロジェンシロキサンを含有す
る付加型シリコーンゴム層を有するヒートモードの湿し
水不要平版印刷原版が提案されている。しかしながら、
本提案においても感熱層は基本的にカーボンブラックと
ニトロセルロースより構成されており、レーザー光照
射、現像により感熱層が除去されるタイプであり、イン
キ受容性層は感熱層の下層のプライマー層であるため、
インキマイレージの問題や製版に要するレーザー光の強
度の問題を有していた。
【0016】特開平9−244228号公報は、プライ
マー層に中空ポリマー微粒子を含有させることによって
高感度化を可能にする提案である。しかしながら、イン
キマイレージの問題は依然として残っていた。
【0017】特開平9−239942号公報では、レー
ザー光感応層中に酸を発生する物質と、酸の作用で分解
する高分子化合物を含有する剥離現像タイプの印刷版が
提案されているが、レーザー光照射の工程と加熱工程と
いう二つの工程が必要であるため工程が煩雑になり、ま
た微細な網点の再現性が悪いという剥離現像固有の問題
が存在する。
【0018】その他、米国特許第5379698号、特
開平7−314934号公報、特開平9−236927
号公報には、金属薄膜を感熱層として用いる直描型水な
し平版印刷版が記載されている。
【0019】この印刷版材は、感熱層がかなり薄いため
に、非常にシャープな画像が得られ、印刷版の解像度と
いう面では有利であるが、基材と感熱層の接着性が悪く
印刷中に非画線部の感熱層が剥離し、インキが付着し印
刷物上で欠点となるという問題点があった。
【0020】以上の問題を解決するためには、レーザー
光を照射した部分のシリコーンゴム層は選択的に除去さ
れるが感熱層は残ったままである、熱剥離型の直描型水
なし平版印刷版がふさわしいと考えられる。例えば、ネ
チポレンコら(Nechiporenko,N. et al.)がダイレクトメ
ソッドオブプロデュースイングウオータレスオフセット
プレーツバイコントロールドレーザービーム( Direct
Method of Producing Waterless Offset Plates by Con
trolled Laser Beam, Preprint 15th International Ia
rigai Conference held in June, 1979 published in 1
979.)において報告している方法がある。該方法では、
カーボンブラックとニトロセルロースを含有する感熱層
を用いており、レーザー光照射の条件によっては、現像
後も感熱層の残存率が高い場合があるが、ニトロセルロ
ースを用いているため、環境に悪影響を及ぼすガスを発
生するという問題点があった。
【0021】更に、熱剥離型の場合では、感熱層の表面
近傍においてのみの、ごく僅かな反応を用いるため、目
視によってレーザー光照射部と非照射部の判別がつきに
くい、いわゆる焼き出し検版性が劣るといった問題があ
った。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点の解決を図るために、目視によってレーザー光
照射部と非照射部との判別が可能な、いわゆる焼き出し
検版性の良好な、ネガ型で熱剥離型の直描型水なし平版
印刷版を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明は主として次の構成を有する。すなわち、
「基板上に、少なくとも、(A)光熱変換物質、(B)
熱分解性化合物および(C)熱硬化性化合物を含有する
感熱層、シリコーンゴム層をこの順に積層してなる直描
型水なし平版印刷版原版において、該(B)熱分解性化
合物がアゾ化合物、ジアゾ系化合物およびアジド化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを
特徴とする直描型水なし平版印刷版原版」である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
【0025】本発明において用いられる基板としては、
通常の水なし平版印刷版で用いられるもの、あるいは提
案されているものであれば、いずれでも良い。例えば、
アルミニウム、銅、亜鉛、鋼などの金属板などが挙げら
れる。
【0026】本発明に用いられる感熱層は、少なくと
も、(A)光熱変換物質および(B)熱分解性化合物お
よび(C)熱硬化性の化合物を含有する感熱層である。
【0027】(A)光熱変換物質としては、公知のもの
を使用可能である。具体例としては、カーボンブラッ
ク、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラ
ックなどの黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニ
ン系の緑色顔料、カーボングラファイト、ジアミン系金
属錯体、ジチオール系金属錯体、フェノールチオール系
金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、結晶水含
有無機化合物、硫酸銅、硫化クロム、珪酸塩化合物や、
酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、
酸化コバルト、酸化タングステンなどの金属酸化物、こ
れらの金属の水酸化物、硫酸塩などを挙げることが出来
る。
【0028】これらのなかでも、光熱変換率、経済性お
よび取り扱い性の面から、カーボンブラックが好まし
い。
【0029】また、赤外線または近赤外線を吸収する色
素が光熱変換物質として好ましく使用される。
【0030】具体例としては、シアニン系、フタロシア
ニン系、ナフタロシアニン系、ジチオール金属錯体系、
ピアズレニウム系、スクアリリウム系、クロコニウム
系、アゾ系分散色素、ビスアゾ系、ビスアゾスチルベン
系、ナフトキノン系、アントラキノン系、ペリレン系、
ポリメチン系、インドアニリン金属錯体色素、分子間型
CT系、ベンゾチオピラン系、スピロピラン系、ニグロ
シン系、チオインジゴ系、ニトロソ系、キノリン系、フ
ルギド系の色素、などが挙げられる。さらに、これらの
中でも、レーザー光照射の作用で分解しうる色素が特に
好ましい。その具体例としては、ポリメチン系近赤外吸
収色素、フタロシアニン系近赤外吸収色素、シアニン系
近赤外吸収色素、ジチオール金属錯体系近赤外吸収色素
などを挙げることができる。
【0031】これら光熱変換物質の含有量は、全感熱層
組成物に対して1〜40重量%が好ましく、5〜25重
量%がより好ましい。1重量%以上であればレーザー光
に対する感度の向上効果が大きく、40重量%以下であ
れば印刷版の耐刷性が低下することもない。
【0032】(B)熱分解性化合物としては、公知のア
ゾ化合物、ジアゾ系化合物およびアジド化合物が使用可
能である。
【0033】アゾ化合物の具体例としては、2,2’−
アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−ア
ゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジア
セテート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)塩酸塩、2,2’アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)硝酸塩、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’
−アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルプロ
ピオン酸メチル、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾ
ビスブタン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニ
トリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,
1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スル
ホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)
−2−メチルマロノジニトリル、4,4’−アゾビス−
4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニ
ルアゾ−2−マリルマロノジニトリル、2,2’−アゾ
ビス−2−メチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス
−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2’−アゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス
シクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プ
ロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロ
ロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘ
キサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−シク
ロヘプタンニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニ
ルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェ
ニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフ
ェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−
ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’−ア
ゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノ
ールA−4,4’−アゾビス−4−シアノペンタノエー
ト)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−ア
ゾビスイソブチレート)、2−フェニルアゾ−2,4−
ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2−シアノ−
2−プロピルアゾホルムアミド、1,1’−アゾビス
(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2’−
アゾビス(2−アミジノブタン)ジハイドロクロライ
ド、1,1’−アゾビス−1−クロロ−1−フェニルプ
ロパン、1,1’−アゾビス−1−クロロ−1−(p−
メチルフェニル)エタン、1,1’−アゾビス−1−ク
ロロ−1−フェニルブタン、1,1’−アゾビス−1−
プロピノキシ−1−フェニルエタン、1,1’−アゾビ
ス(−1−イソプロポキシ−1−フェニルエタン、1,
1’−アゾビス−1−ピバロキシ−1−フェニルエタ
ン、1,1’−アゾビス−1−アセトキシ−1−フェニ
ルプロパン、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1
−(p−メチルフェニル)エタン、1,1’−アゾビス
(1−アセトキシ−1−(p−クロロフェニル)エタ
ン、1,1’−アゾビス−1−アセトキシ−1−フェニ
ルブタン、2,2’−アゾビス−2−アセトキシ−3,
3’−ジメチルブタン、2,2’−アゾビス−2−アセ
トキシ−4−メチルペンタン、2,2’−アゾビス(2
−プロピノキシ−3,3’−ジメチルブタン、2,2’
−アゾビス−2−プロピノキシ−4−メチルペンタン、
2,2’−アゾビス−2−イソブチロキシ−3,3’−
ジメチルブタン、2,2’−アゾビス−2−イソブチロ
キシ−4−メチルペンタン、2,2’−アゾビス−2−
ピバロキシ−3,3’−ジメチルブタン、2,2’−ア
ゾビス−2−アセトキシプロパン、2,2’−アゾビス
−2−アセトキシブタン、2,2’−アゾビス−2−ア
セトキシ−3−メチルブタン、2,2’−アゾビス−2
−プロピノキシプロパン、2,2’−アゾビス−2−プ
ロピノキシブタン、2,2’−アゾビス−2−プロピノ
キシ−3−メチルブタン、2,2’−アゾビス−2−ピ
バロキシ−4−メチルペンタン、2,2’−アゾビス−
2−ベンゾイロキシ−3,3’−ジメチルブタン、2,
2’−アゾビス−2−ベンゾイロキシ−4−メチルペン
タン等が挙げられる。
【0034】ジアゾ系化合物の具体例としては、4−ジ
アゾジフェニルアミン硫酸塩、4−ジアゾ−4’−メト
キシ−ジフェニルアミン硫酸塩、4−ジアゾ−3−メト
キシ−ジフェニルアミン硫酸塩、テトラゾニウム塩、等
のジアゾニウム塩、o−キノンジアジド、p−キノンジ
アジド、o−ナフトキノンジアジド、ナフトキノン
(1,2)ジアジド(2)−4−硫酸ナトリウム塩、ナ
フトキノン(1,2)ジアジド(2)−5−硫酸ナトリ
ウム塩、イミノキノン(1,4)ジアジド(4)−2−
スルホンアミド、ナフトキノンジアジド−o−クレゾー
ルエステル、ナフトキノンジアジド−p−クレゾールエ
ステル、ナフトキノンジアジド−ビスフェノールS、ナ
フトキノンジアジド−ビスフェノールA等のキノンジア
ジド(ジアゾオキシド)が挙げられる。
【0035】これらの中でも、4−ジアゾジフェニルア
ミン硫酸塩、o−キノンジアジド、p−キノンジアジ
ド、o−ナフトキノンジアジド、ナフトキノン(1,
2)ジアジド(2)−4−硫酸ナトリウム塩、ナフトキ
ノンジアジド−p−クレゾールエステルが好ましい。
【0036】アジド化合物の具体例としては、ナトリウ
ムアジド、p−アジドベンズアルデヒド、p−アジドア
セトフェノン、p−アジド安息香酸、p−アジドベンズ
アルデヒド−2−スルホン酸ナトリウム塩、p−アジド
ベンザルアセトフェノン、3−スルホニルアジド安息香
酸、4−スルホニルアジド安息香酸、p−アジドベンゾ
フェノン、アジドピレン、等のアジド化合物、4,4’
−ジアジドスチルベン、4,4’−ジアジドベンゾフェ
ノン、4,4’−ジアジドジフェニルメタン、1,3−
ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサン、p−フ
ェニレンビス−アジド、2,6−ビス(p−アジドシン
ナミリデン)シクロヘキサノン、4,4’−アジドカル
コン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘ
キサノン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)−4
−メチルシクロヘキサノン、1,3−ビス(4’−アジ
ドベンザル)−2−プロパノン、P−アジドベンザルア
セトン、P−アジドベンザルアセトン−2−スルホン酸
ナトリウム塩、1,3−ビス(4’−アジドシンナミリ
デン)−2−プロパノン、1,3−ビス(4’−アジド
ベンザル)−2−プロパノン、1,3−ビス(4’−ア
ジドベンザル)−2−プロパノン−2’−スルホン酸、
4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン
酸、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロ
パノン−2,2’−ジスルホン酸、2,6−ビス(4’
−アジドベンザル)シクロヘキサノン−2,2’−ジス
ルホン酸、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)メチ
ルシクロヘキサノン−2,2’−ジスルホン酸、等のジ
アジド化合物等が挙げられる。
【0037】本発明の特に好ましい態様は、印刷版原版
の感熱層中に(B)熱分解性化合物が存在し、レーザー
光照射の作用で、直接あるいは間接的に分解し得る性能
を該(B)熱分解性化合物が有していることである。
【0038】このような(B)熱分解性化合物としてア
ゾ化合物を用いる場合には、該アゾ化合物の活性化エネ
ルギーが120KJ・mol-1以上であるのが特に好ま
しい。
【0039】活性化エネルギーが120KJ・mol-1
以上のアゾ化合物を用いた場合には、印刷版原版を作製
する際の加熱による、感熱層中のアゾ化合物残存量の減
少も少なく、いわゆる焼き出し検版性の向上効果が低下
しにくい。また、感熱液のポットライフが短くなること
もない。
【0040】活性化エネルギーが120KJ・mol-1
以上のアゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビ
スプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビス
プロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテー
ト、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチ
ルプロピオン酸メチル、2,2’−アゾビス−2−メチ
ルブチロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉
草酸、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマ
ロノジニトリル、3,5−ジヒドロキシメチルフェニル
アゾ−2−マリルマロノジニトリル、4,4’−アゾビ
ス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2’−アゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス
シクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プ
ロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロ
ロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘ
キサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェ
ニルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフ
ェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジ
フェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニル
メタン、1,1’−アゾビス−1,2−ジフェニルエタ
ン等が挙げられる。
【0041】これらの中でも、2,2’−アゾビスプロ
パン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、
2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビス−
2−メチルプロピオン酸メチル、4,4’−アゾビス−
4−シアノ吉草酸、2−(4−メチルフェニルアゾ)−
2−メチルマロノジニトリル、1,1’−アゾビスシク
ロヘキサンニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニ
ルエタン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸
エチル、1,1’−アゾビス−1,2−ジフェニルエタ
ン等が好ましい。
【0042】また、このような(B)熱分解性化合物と
してアジド化合物を用いる場合には、熱分解温度が70
℃以上のアジド化合物を用いるのが特に好ましい。
【0043】分解温度が70℃以上のアゾ化合物を用い
た場合には、印刷版原版を作製する際の加熱による、感
熱層中のアゾ化合物残存量の減少も少なく、いわゆる焼
き出し検版性の向上効果が低下しにくい。また、感熱液
のポットライフが短くなることもない。また、熱分解温
度が170℃未満のアジド化合物を用いた場合にも、い
わゆる焼きだし検版性の向上効果が低下しにくい。
【0044】熱分解温度が70℃以上170℃未満のア
ジド化合物としては、例えば、p−アジドベンズアルデ
ヒド、4,4’−ジアジドカルコン、2,6−ビス
(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−
ビス(4’−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキ
サノン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−
プロパノン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)ア
セトン、1,3−ビス(4’−アジドシンナシリデン)
−2−プロパノン等が挙げられる。
【0045】これらの熱分解性化合物は、単独で用いて
も良いし、2種類以上を混合して用いても良い。また、
炭化水素等の溶媒や、有機ポリマーや無機物等の不活性
固体で希釈したものを使用しても良い。また、これらの
熱分解性化合物の誘導体や、ノボラック樹脂、レゾール
樹脂、アセトンピロガロール樹脂等の公知のポリマーに
これらの熱分解性化合物を導入したものも、使用可能で
ある。
【0046】これら熱分解性化合物の含有量は、全感熱
層組成物に対して1〜40重量%が好ましく、6〜25
重量%がより好ましい。1重量%以上であれば、レーザ
ー光を照射した場合の焼き出し検版性の向上効果が大き
く、40重量%以下であれば印刷版の耐刷性が低下する
こともない。
【0047】本発明における(C)熱硬化性の化合物と
は、印刷版原版の感熱層中にあって、レーザー光照射の
作用で直接あるいは間接的に熱硬化し得る性能を有して
いる化合物群のことを言う。
【0048】このような(C)熱硬化性の化合物として
は、フェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェ
ノール類とホルムアルデヒドの縮合反応により得られる
ノボラック樹脂やレゾール樹脂、フェノール・フルフラ
ール樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド
樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリウレ
タン樹脂、ポリイミド前駆体などを挙げることが出来る
が、これらに限定されるものではない。
【0049】また、上記のごとく樹脂自体が反応するも
のの他に、反応性の官能基を有する化合物に熱反応性の
架橋剤を添加した組成物も、(C)熱硬化性化合物とし
て本発明に使用することが出来る。
【0050】架橋剤としては架橋性を有する公知の多官
能性化合物が挙げられ、多官能ブロックドイソシアネー
ト、多官能エポキシ化合物、多官能アクリレート化合
物、金属キレート化合物、多官能アルデヒド、多官能メ
ルカプト化合物、多官能アルコキシシリル化合物、多官
能アミン化合物、多官能カルボン酸、多官能ビニル化合
物、多官能ジアゾニウム塩、多官能アジド化合物、ヒド
ラジンなどが挙げられる。
【0051】これらの架橋剤は単独または2種以上を混
合して使用することも可能である。
【0052】また、上記架橋剤の反応を促進するために
公知の触媒を添加してもよい。
【0053】さらには、熱の作用で酸やアミンを発生す
る化合物と、発生した酸あるいはアミンの作用で硬化す
る化合物も本発明に使用することが出来る。
【0054】このような熱硬化性化合物の中では、フェ
ノール樹脂と金属キレート化合物の組み合わせが特に好
ましい。
【0055】このような(C)熱硬化性化合物の感熱層
中に占める割合としては、全感熱層組成物の10〜95
重量%、さらには30〜70重量%であることが好まし
い。熱硬化性化合物の量が10重量%以上であれば、感
熱層の熱硬化による画線部感熱層の耐溶剤性の向上効果
が大きい。一方、95重量%以下であれば、相対的に熱
分解性化合物や光熱変換物質が少なくなることがなくレ
ーザー光照射による画像形成性に問題を生じることもな
い。
【0056】その他、感熱層中にはバインダーポリマー
や界面活性剤、各種添加剤を含有してもよい。
【0057】バインダーポリマーの具体例としては、ポ
リメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートな
どのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの単独
重合体および共重合体、ポリスチレン、α−メチルスチ
レン、ヒドロキシスチレンなどのスチレン系モノマーの
単独重合体および共重合体、イソプレン、スチレン−ブ
タジエンなどの各種合成ゴム類、ポリ酢酸ビニル、塩化
ビニルなどのビニルエステル類の単独重合体および共重
合体、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキシ
ドなどのポリオキシド類(ポリエーテル類)、ポリエス
テル類、ポリウレタン類、ポリアミド類、エチルセルロ
ース、セルロースアセテートなどのセルロース誘導体
類、フェノキシ樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリパラキ
シリレン樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂などが
挙げられる。
【0058】これらのバインダーの含有量は、全感熱層
組成物に対して5〜70重量%が好ましく、10〜50
重量%がより好ましい。含有量を5%以上とすれば耐刷
性や塗液の塗工性に問題を生じず、70重量%以下とす
れば画像再現性に悪影響を与えることもない。
【0059】上記の感熱層を形成するための組成物は、
テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、ブタノール、ア
セチルアセトン等の適当な有機溶媒に溶解させることに
よって、組成物溶液として調製される。
【0060】かかる組成物溶液を、基板上もしくは基板
上に設けたプライマー層上に均一に塗布し、必要な温度
で必要な時間加熱することにより有機溶媒が揮発し、さ
らに該組成物が熱硬化し、感熱層が形成される。
【0061】感熱層の厚さは、被覆層にして0.1〜1
0g/m2であると、印刷版の耐刷性や、希釈溶剤を揮
散し易く生産性に優れる点で好ましく、0.5〜7g/
2がより好ましい。
【0062】このような感熱層を有する直描型平版印刷
版原版にレーザー光が照射されると、感熱層表面におい
ては、(A)光熱変換物質の働きで(B)熱分解性化合
物が分解する。その際、窒素、低分子化合物などのガス
を発生する。光熱変換物質や熱分解性化合物自体がレー
ザー光の作用で分解する場合もある。また、その際、窒
素、二酸化炭素などのガスを発生することが好ましい。
このような化合物の分解さらにはガスの作用で、シリコ
ーンゴム層と感熱層間の接着力が弱められる。
【0063】本発明においては、熱分解性化合物として
アゾ化合物、ジアゾ系化合物およびアジド化合物から選
ばれる少なくとも1種の化合物を用いたので、150m
J/cm2程度の低エネルギーのレーザー光を照射した
場合でも、効率良く熱分解性化合物の分解が起こり、目
視により、レーザー光照射部と非照射部の区別が可能で
あり、いわゆる焼き出し検版性を有している。
【0064】一方、レーザー光照射部の感熱層内部にお
いては、(C)熱硬化性の化合物の硬化が進行する。そ
の結果、レーザー光照射部の感熱層の耐溶剤性が高めら
れる。
【0065】これらの結果、その後の現像処理によりレ
ーザー光照射部の感熱層の極表面とシリコーンゴム層の
みが剥離された印刷版が得られる。
【0066】このようにして得られた版においては、画
線部感熱層の耐溶剤性は高く、残存しているため、微小
網点の再現性やインキマイレージが良好であるというメ
リットを有する。
【0067】本発明のインキ反撥層としては、ビニルア
ルコール類などからなる親水性層、アクリル酸やアクリ
ル酸塩、スルホン酸やスルホン酸塩などを含む親水性
層、特開平8−282142号公報、特開平8−282
144号公報、特開平8−292558号公報、特開平
9−54425号公報などで提案されている親水性膨潤
層や、シリコーンゴム層、フッ素化合物を含有する層な
どを用いることが出来るが、好ましくはシリコーンゴム
層である。
【0068】シリコーンゴム層としては、付加重合型の
もの、縮合重合型のものいずれでも用いられる。
【0069】付加重合型のシリコーンゴム層を構成する
成分としては、ビニル基含有ポリジメチルシロキサン、
SiH基含有ポリシロキサン、さらには硬化速度を制御
する目的で反応抑制剤、および硬化触媒を含む。
【0070】ビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、
下記一般式(I)で表される構造を有し、分子末端およ
び/もしくは主鎖中にビニル基を有するものである。
【0071】
【化1】 (式中、nは2以上の整数、R1、R2は炭素数1〜50
の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素数2〜50の
置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素数4〜50の
置換あるいは非置換のアリール基の群から選ばれる少な
くとも1種であり、それぞれ同一であっても異なってい
てもよい。) 式中のR1、R2の全体の50%以上がメチル基であるこ
とが、印刷版のインキ反撥性の面で好ましい。
【0072】また、分子量としては数千〜数十万のもの
が使用できるが、その取扱い性や得られた印刷版のイン
キ反撥性、耐傷性などの観点から重量平均分子量1万〜
20万、さらには3万〜15万のものを用いることが好
ましい。
【0073】SiH基含有ポリシロキサンとしては、分
子鎖中、または末端にSiH基を有するポリシロキサン
を挙げることが出来、例えば下記一般式(II)〜(V)
で表されるような化合物を挙げることが出来る。
【0074】
【化2】
【0075】
【化3】
【0076】
【化4】 (式(II)〜(IV)中、nは1以上の整数。mは1以上
の整数である。)
【0077】
【化5】
【0078】SiH基を有する化合物中におけるSiH
基の量としては、2個以上、さらには3個以上であるこ
とが好ましい。
【0079】SiH基を有する化合物の添加量として
は、シリコーンゴム層全組成物の3〜20重量%である
ことが好ましく、さらに好ましくは5〜15重量%であ
る。
【0080】ポリジメチルシロキサンとの量比というこ
とで言えば、SiH基/ポリジメチルシロキサンの炭素
炭素二重結合のモル比が1.5〜30であることが好ま
しく、さらに好ましくは10〜20である。このモル比
が1.5未満である場合には、シリコーンゴム層の硬化
が不足する場合があり、逆に30よりも大きい場合には
ゴムの物性がもろくなり、印刷版の耐傷性などに悪影響
を与え易くなるためである。
【0081】反応抑制剤としては、含窒素化合物、リン
系化合物、不飽和アルコールなどが挙げられるが、アセ
チレン基含有のアルコール、含窒素化合物などが好まし
く用いられる。
【0082】反応抑制剤の好ましい添加量としては、シ
リコーンゴム組成物中の0.01〜10重量%、さらに
好ましくは1〜5重量%である。
【0083】硬化触媒としては、III族遷移金属化合
物、好ましくは、白金化合物であり、具体的には白金単
体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金、白金
のアルコール変性錯体、白金のメチルビニルポリシロキ
サン錯体などを一例として挙げることが出来る。
【0084】このような硬化触媒の量は、シリコーンゴ
ム層中に固形分として0.01〜20重量%、好ましく
は0.1〜10重量%である。添加する触媒量が0.0
1重量%以上であればシリコーンゴム層の硬化が充分と
なり、さらに感熱層との接着性に問題を生じることもな
い。他方20重量%以下であればシリコーンゴム層溶液
のポットライフに悪影響をもたらすこともない。シリコ
ーンゴム層組成物中における白金などの金属の量で言え
ば、10〜1000ppm、好ましくは100〜500
ppmである。
【0085】また、これらの組成物の他に、縮合型シリ
コーンゴム層の組成物である水酸基含有オルガノポリシ
ロキサンや加水分解性官能基含有シラン(もしくはシロ
キサン)、ゴム強度を向上させる目的でシリカなどの公
知の充填剤、接着性を向上させる目的で公知のシランカ
ップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニ
ウム系カップリング剤などを含有してもよい。シランカ
ップリング剤としては、アルコキシシラン類、アセトキ
シシラン類、ケトキシミンシラン類などが好ましく、特
にビニル基を有するものや、ケトキシミンシラン類が好
ましい。
【0086】また、縮合重合型のシリコーンゴム層を構
成する成分としては、水酸基含有ポリジメチルシロキサ
ン、架橋剤(脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコール
型、脱アミン型、脱アセトン型、脱アミド型、脱アミノ
キシ型など)、および硬化触媒を含む。
【0087】水酸基含有ポリジメチルシロキサンも、上
記一般式(I)で表される構造を有する。水酸基は分子
末端および/もしくは主鎖中に位置することが出来る
が、好ましく用いられるものは分子末端に水酸基を有す
るものである。
【0088】一般式(I)中のR1、R2については、同
様に全体の50%以上がメチル基であることが、印刷版
のインキ反撥性の面で好ましい。分子量としては数千〜
数十万のものが使用できるが、その取扱い性や得られた
印刷版のインキ反撥性、耐傷性などの観点から重量平均
分子量1万〜20万、さらには3万〜15万のものを用
いることが好ましい。
【0089】縮合重合型のシリコーンゴム層で用いられ
る架橋剤としては、下記一般式(VI)で表される、アセ
トキシシラン類、アルコキシシラン類、ケトキシミンシ
ラン類、アリロキシシラン類などを挙げることが出来
る。
【0090】 (R34-nSiXn (VI) (式中、nは2〜4の整数。R3は炭素数1以上の置換
もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール
基、またはこれらの組み合わされた基を示す。Xはハロ
ゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシミ
ン基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニルオキシ基
から選ばれる官能基である。) また、加水分解性基の数nは3または4であることが好
ましい。
【0091】具体的な化合物としては、メチルトリアセ
トキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルト
リアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テト
ラプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリフェノキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
アリルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシ
シラン、ビニルトリスイソプロペノキシシラン、ビニル
メチルビス(メチルエチルケトキシミン)シラン、メチ
ルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン、ビニルト
リ(メチルエチルケトキシミン)シラン、テトラ(メチ
ルエチルケトキシミン)シラン、ジイソプロペノキシジ
メチルシラン、トリイソプロペノキシメチルシラン、テ
トラアリロキシシラン、などが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0092】これらの中では、シリコーンゴム層の硬化
速度、取扱い性などの観点から、アセトキシシラン類、
ケトキシミンシラン類が好ましい。
【0093】一般式(VI)で表される架橋剤の添加量と
しては、シリコーンゴム層全組成物の1.5〜20重量
%であることが好ましく、3〜10重量%がさらに好ま
しい。
【0094】ポリジメチルシロキサンとの量比というこ
とで言えば、官能基/ポリジメチルシロキサンの水酸基
のモル比が1.5〜10.0であることが好ましい。こ
のモル比が1.5以上であれば、シリコーンゴム層溶液
のゲル化が起こりにくく、逆に10.0以下であればゴ
ムの物性がもろくなることもなく、印刷版の耐傷性など
に悪影響を与えない。
【0095】硬化触媒としては、酢酸、プロピオン酸、
マレイン酸などの有機カルボン酸、トルエンスルホン
酸、ホウ酸等の酸類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム等のアルカリ、アミン、およびチタ
ンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどの
金属アルコキシド、鉄アセチルアセトナート、チタンア
セチルアセトナートジプロポキシドなどの金属ジケテネ
ート、金属の有機酸塩などを挙げることが出来る。
【0096】これらのの中では、金属の有機酸塩を添加
することが好ましく、特に錫、鉛、亜鉛、鉄、コバル
ト、カルシウム、マンガンから選ばれる金属の有機酸塩
であることが好ましい。このような化合物の具体例の一
部としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオ
クテート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸亜鉛、
オクチル酸鉄などを挙げることが出来る。
【0097】このような硬化触媒の量は、シリコーンゴ
ム層中に固形分として0.01〜20重量%、0.1〜
10重量%であることが好ましい。添加する触媒量が
0.01重量%以上であればシリコーンゴム層の硬化が
充分となり、さらに感熱層との接着性に問題を生じるこ
ともない。他方20重量%以下であればシリコーンゴム
層溶液のポットライフに悪影響をもたらすこともない。
【0098】また、これらの組成物の他に、ゴム強度を
向上させる目的でシリカなどの公知の充填剤、さらには
公知のシランカップリング剤を含有してもよい。
【0099】これらシリコーンゴム層の膜厚は0.5〜
20g/m2が好ましく、1〜4g/m2がさらに好まし
い。膜厚が0.5g/m2以上であれば印刷版のインキ
反撥性や耐傷性、耐刷性が低下することがなく、20g
/m2以上であれば経済的見地から有利であるばかりで
なく、現像性、インキマイレージが悪くなるという問題
もない。
【0100】本発明の直描型平版印刷版原版において、
基板と感熱層、感熱層とシリコーンゴム層との接着は、
画像再現性、耐刷力などの基本的な版性能にとって非常
に重要であるので、必要に応じて各層間に接着層を設け
たり、各層に接着性成分を添加したりすることが可能で
ある。特に耐刷力、版の保存安定性などの点から、基板
と感熱層の間にプライマー層を設けるのが好ましい。
【0101】直描型平版印刷版原版には、インキ反撥層
を保護する目的で保護フィルムをラミネートするかある
いは保護層を形成してもよい。
【0102】保護フィルムとしてはポリエステルフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリビニルアルコールフ
ィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物フィル
ム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどが挙げられる。
【0103】本発明の直描型平版印刷版原版は、例えば
次のようにして製造される。まず基板の上に、リバース
ロールコーター、エアナイフコーター、メーヤバーコー
ターなどの通常のコーター、あるいはホエラのような回
転塗布装置を用い、感熱層組成物溶液を塗布、乾燥及び
必要に応じて熱キュアし、感熱層を作製する。必要なら
ば、基板と感熱層の間に、同様な方法でプライマー層を
作製しても良い。この感熱層の上に、シリコーンゴム組
成物溶液を、同様の方法で塗布し、乾燥及び必要に応じ
て熱キュアし、シリコーンゴム層を作製する。最後に必
要ならば保護フィルムを設ける。
【0104】この際、感熱液を調製する釜、感熱液用の
送液ライン、感熱液用のコーターなどの材質は、ステン
レス製、テフロン(登録商標)製、ポリエチレン製、ガ
ラス製のものを用いることが好ましい。さらに、取り扱
いなどの点から、釜としてはステンレス製、送液ライン
としてはステンレス製もしくはテフロン製もしくはポリ
エチレン製のものが好ましい。
【0105】その他の材質のものを用いた場合には、感
熱液のポットライフが短くなったり、作製した直描型平
版印刷版原版の焼き出し検版性が若干低下したりするこ
とがある。
【0106】このようにして得られた直描型平版印刷版
原版は、保護フィルムがある場合には保護フィルムを剥
離してからあるいは保護フィルム上から、保護フィルム
が無い場合にはそのまま、レーザー光で画像状に露光さ
れる。
【0107】本発明の製版露光工程で用いられるレーザ
ー光源としては、発光波長領域が300nm〜1500
nmの範囲にあるものが用いられるが、これらの中でも
近赤外領域付近に発光波長領域が存在する半導体レーザ
ーやYAGレーザーが好ましく用いられる。
【0108】具体的には、明室での版材の取扱い性など
の観点から、780nm、830nm、1064nmの
波長のレーザー光が製版に好ましく用いられる。
【0109】レーザー光照射後の原版は、保護フィルム
がある場合においては剥いでから、水または有機溶剤の
存在下もしくは非存在下での摩擦処理により現像がなさ
れる。
【0110】摩擦処理は、現像液を含浸した不織布、脱
脂綿、布、スポンジ等で版面を拭き取ることによって、
あるいは下記の現像液で版面を前処理した後に水道水な
どをシャワーしながら回転ブラシで擦ることによって行
うことができる。
【0111】現像処理を行う場合に使用される現像液と
しては、例えば、水や水に界面活性剤を添加したもの、
さらには水にアルコールやケトン、エステル、カルボン
酸などの極性溶媒を添加したものや、脂肪族炭化水素
類、芳香族炭化水素類などの少なくとも1種類からなる
溶媒に極性溶媒を少なくとも1種類添加したもの、ある
いは極性溶媒が用いられる。
【0112】また、上記の現像液組成には、公知の界面
活性剤を添加することも自由に行われる。さらにアルカ
リ剤、例えば炭酸ナトリウム、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、ジグリコールアミン、モノグリコ
ールアミン、ケイ酸ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ
酸ナトリウムなどを添加することもできる。
【0113】これらの中では、水あるいは水に界面活性
剤を添加したものが好ましい。
【0114】現像方法としては、手による現像でも、公
知の現像装置による現像でも良いが、前処理部と現像部
がこの順に設けられている現像装置を用いるのが好まし
い。
【0115】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0116】[実施例1]厚さ0.24mmの脱脂した
アルミ板上に下記のプライマー組成物をバーコーターを
用いて塗布し、200℃で、2分間熱処理し、3g/m
2のプライマー層を設けた。 (a)エポキシ・フェノール樹脂“カンコート”90T
−25−3094(関西ペイント(株)製):15重量
部 (b)ジメチルホルムアミド:85重量部 続いてこのプライマー層の上に、下記の感熱層組成物を
バーコーターを用いて塗布し、130℃で1.5分間熱
処理し、1.0g/m2の感熱層を設けた。
【0117】(a)“KAYASORB”IR−820
B(日本化薬(株)製、色素((A)光熱変換物
質)):10重量部 (b)“ナーセムチタン”(日本化学産業(株)製):
10重量部 (c)“スミライトレジン”PR50622(フェノー
ルノボラック樹脂、住友デュレズ(株)製、(C)熱硬
化性化合物):70重量部 (d)2,2’−アゾビスプロパン(活性化エネルギー
=171.1KJ・mol-1、(B)熱分解性化合
物):3重量部 (e)テトラヒドロフラン:550重量部 (f)ジメチルホルムアミド:350重量部 次いで、下記シリコーンゴム層を乾燥膜厚2.0μm、
乾燥条件は120℃×1分間として塗設した。
【0118】(a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロ
キサン(分子量約60,000):100重量部 (b)“HMS−501”(チッソ(株)製 両末端メ
チル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシ
ロキサン)共重合体 SiH基数/分子量=0.69mo
l/g):7重量部 (c)“BY24−808”(東レダウコーニングシリ
コーン(株)製、反応抑制剤):3重量部 (d)“SRX−212”(東レダウコーニングシリコ
ーン(株)製、白金触媒):5重量部 (e)ビニルトリ(メチルエチルケトオキシム)シラ
ン:3重量部 (f)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製):10
00重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ8μmのポリ
プロピレンフィルム“トレファン”BO(東レ(株)
製)をカレンダーローラーを用いてラミネートし、直描
型水なし平版印刷版原版を得た。
【0119】保護フィルムを剥離後、この印刷版原版を
FX400−AP(製版機、東レエンジニアリング
(株)製)に装着し、半導体レーザー(波長830n
m、ビーム直径20μm)を用いて露光時間10μsで
照射エネルギー150mJ/cm2、200mJ/c
2、350mJ/cm2で露光を行った。
【0120】露光後の印刷版は、照射エネルギー200
mJ/cm2、350mJ/cm2の場合には、レーザー
光照射部の感熱層のみ特異的に白色になっており、レー
ザー光照射の作用で、色素の分解が起こったことを示唆
していた。照射エネルギー150mJ/cm2の場合に
は、レーザー光を照射した部分の感熱層のうち、約50
%が白色になっており、残りの50%はレーザー光を照
射したにもかかわらず変色していなかったが焼きだし検
版性としては充分なレベルを有していた。
【0121】続いて、東レ(株)製自動現像装置TWL
−860KIIにより現像を行ったところ、いずれの照射
エネルギーにおいても、レーザー光が照射された部分の
シリコーンゴム層が除去されたネガ型の水なし平版が得
られた。
【0122】現像の際、前処理液としては東レ(株)製
“NP−1”を、現像液としては水を用いた。
【0123】この実施例においては、“KAYASOR
B”IR−820Bが光熱変換物質として働くと同時
に、分解性の化合物としても働いていると考えられる。
一方、“ナーセムチタン”と“スミライトレジン”PR
50622(フェノールノボラック樹脂)の混合物は熱
硬化性の化合物として働いていると考えられる。
【0124】さらに、得られた刷版を枚葉オフセット印
刷機「HAMADA RS34L」(ハマダ印刷機械
(株)製)に取り付け、水なし平版用インキ(ドライオ
カラーNSI、藍、大日本インキ化学工業(株)製)を
使用して上質紙(62.5kg/菊)に印刷したところ、いず
れの照射エネルギーにおいても、1%〜99%までの網
点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0125】[実施例2]実施例1において感熱層組成
物中の(B)熱分解性化合物である2,2’−アゾビス
プロパンの使用量を3重量部から10重量部に増量した
以外は、実施例1と同様な方法で印刷版原版を作製し
た。
【0126】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0127】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0128】[実施例3]実施例1において感熱層組成
物中の(B)熱分解性化合物である2,2’−アゾビス
プロパンの使用量を3重量部から20重量部に増量した
以外は、実施例1と同様な方法で印刷版原版を作製し
た。
【0129】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0130】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0131】[実施例4]実施例1において感熱層組成
物中の(B)熱分解性化合物である2,2’−アゾビス
プロパンの代わりに、1,1’−アゾ(メチルエチル)
ジアセテート(活性化エネルギー:207KJ・mol
-1)を使用した以外は、実施例1と同様な方法で印刷版
原版を作製した。
【0132】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、照射エネルギー200mJ
/cm2、350mJ/cm2の場合には、レーザー光照
射部の感熱層のみ特異的に白色になっていた。照射エネ
ルギー150mJ/cm2の場合には、レーザー光を照
射した部分の感熱層のうち、約50%が白色になってお
り、残りの50%はレーザー光を照射したにもかかわら
ず変色していなかったが焼きだし検版性としては充分な
レベルを有していた。
【0133】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0134】[実施例5]実施例4において感熱層組成
物中の(B)熱分解性化合物である1,1’−アゾ(メ
チルエチル)ジアセテートの使用量を3重量部から10
重量部に増量した以外は、実施例4と同様な方法で印刷
版原版を作製した。
【0135】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0136】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0137】[実施例6]実施例4において感熱層組成
物中の(B)熱分解性化合物である1,1’−アゾ(メ
チルエチル)ジアセテートの使用量を3重量部から20
重量部に増量した以外は、実施例4と同様な方法で印刷
版原版を作製した。
【0138】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0139】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0140】[実施例7]実施例2において感熱層組成
物中の(B)熱分解性化合物である2,2’−アゾビス
プロパンの代わりに2,2’−アゾビスイソブタン(活
性化エネルギー:176.6KJ・mol-1)を用いた
以外は、実施例2と同様な方法で印刷版原版を作製し
た。
【0141】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0142】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0143】[実施例8]実施例2において感熱層組成
物中の(B)熱分解性化合物である2,2’−アゾビス
プロパンの代わりに、4,4’−アゾビス−4−シアノ
吉草酸(活性化エネルギー:134.3KJ・mo
-1)を用いた以外は、実施例2と同様な方法で印刷版
原版を作製した。
【0144】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0145】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0146】[実施例9]実施例2において感熱層組成
物中の(B)熱分解性化合物である2,2’−アゾビス
プロパンの代わりに3,5−ジヒドロキシメチルフェニ
ルアゾ−2−メチルマロノジニトリル(活性化エネルギ
ー:142KJ・mol-1)を用いた以外は、実施例2
と同様な方法で印刷版原版を作製した。
【0147】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0148】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0149】[実施例10]実施例2において感熱層組
成物中の(B)熱分解性化合物である2,2’−アゾビ
スプロパンの代わりに、2,2’−ジクロロ−2,2’
−アゾビスプロパン(活性化エネルギー:128KJ・
mol-1)を用いた以外は、実施例2と同様な方法で印
刷版原版を作製した。
【0150】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0151】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0152】[実施例11]実施例2において感熱層組
成物中の(B)熱分解性化合物である2,2’−アゾビ
スプロパンの代わりに2,2’−ジクロロ−2,2’−
アゾビスブタン(活性化エネルギー:118KJ・mo
-1)を使用した以外は、実施例2と同様な方法で印刷
版原版を作製した。
【0153】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、照射エネルギーが350m
J/cm2と200mJ/cm2の場合には、レーザー光
照射部の感熱層のみ特異的に白色になっていた。照射エ
ネルギーが150mJ/cm 2の場合には、レーザー光
を照射した部分の感熱層のうち、約50%が白色になっ
ており、残りの50%はレーザー光を照射したにもかか
わらず変色していなかったが焼きだし検版性としては充
分なレベルを有していた。
【0154】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0155】[実施例12]実施例2において感熱層組
成物中の(B)熱分解性化合物である2,2’−アゾビ
スプロパンの代わりに、ポリ(ビスフェノールA−4,
4’−アゾビス−4−シアノペンタノエート(活性化エ
ネルギー:105.9KJ・mol-1)を使用した以外
は、実施例2と同様な方法で印刷版原版を作製した。
【0156】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、照射エネルギーが350m
J/cm2と200mJ/cm2の場合には、レーザー光
照射部の感熱層のみ特異的に白色になっていた。照射エ
ネルギーが150mJ/cm 2の場合には、レーザー光
を照射した部分の感熱層のうち、約50%が白色になっ
ており、残りの50%はレーザー光を照射したにもかか
わらず変色していなかったが焼きだし検版性としては充
分なレベルを有していた。
【0157】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0158】[比較例1]実施例1において感熱層組成
物中の(B)熱分解性化合物である2,2’−アゾビス
プロパンを除いた以外は、実施例1と同様な方法で印刷
版原版を作製した。
【0159】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、照射エネルギー350mJ
/cm2、200mJ/cm2、150mJ/cm2のい
ずれの場合にも、レーザー光を照射したにもかかわらず
感熱層は変色しておらず、目視によってレーザー光照射
部と非照射部との判別がつきにくく、いわゆる焼き出し
検版性が劣っていた。
【0160】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0161】実施例1〜12、比較例1の結果と使用し
たアゾ化合物を表1に示す。
【0162】
【表1】
【0163】[実施例13]実施例1において感熱層組
成物中の(B)熱分解性化合物である2,2’−アゾビ
スプロパンの代わりに4−ジアゾジフェニルアミン硫酸
塩を用いた以外は、実施例1と同様な方法で印刷版原版
を作製した。
【0164】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、照射エネルギー200mJ
/cm2、350mJ/cm2の場合には、レーザー光照
射部の感熱層のみ特異的に白色になっており、レーザー
光照射の作用で、色素の分解が起こったことを示唆して
いた。照射エネルギー150mJ/cm2の場合には、
レーザー光を照射した部分の感熱層のうち、約50%が
白色になっており、残りの50%はレーザー光を照射し
たにもかかわらず変色していなかったが焼きだし検版性
としては充分なレベルを有していた。
【0165】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0166】[実施例14]実施例13において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物である4−ジアゾジフ
ェニルアミン硫酸塩の使用量を3重量部から10重量部
に増量した以外は、実施例13と同様な方法で印刷版原
版を作製した。
【0167】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0168】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0169】[実施例15]実施例13において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物である4−ジアゾジフ
ェニルアミン硫酸塩の使用量を3重量部から20重量部
に増量した以外は、実施例13と同様な方法で印刷版原
版を作製した。
【0170】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0171】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0172】[実施例16]実施例13において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物である4−ジアゾジフ
ェニルアミン硫酸塩の代わりに、o−キノンジアジドを
使用した以外は、実施例13と同様な方法で印刷版原版
を作製した。
【0173】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、照射エネルギー200mJ
/cm2、350mJ/cm2の場合には、レーザー光照
射部の感熱層のみ特異的に白色になっていた。照射エネ
ルギー150mJ/cm2の場合には、レーザー光を照
射した部分の感熱層のうち、約50%が白色になってお
り、残りの50%はレーザー光を照射したにもかかわら
ず変色していなかったが焼きだし検版性としては充分な
レベルを有していた。
【0174】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0175】[実施例17]実施例16において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物であるo−キノンジア
ジドの使用量を3重量部から10重量部に増量した以外
は、実施例16と同様な方法で印刷版原版を作製した。
【0176】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0177】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0178】[実施例18]実施例16において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物であるo−キノンジア
ジドの使用量を3重量部から20重量部に増量した以外
は、実施例16と同様な方法で印刷版原版を作製した。
【0179】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0180】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0181】[実施例19]実施例14において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物である4−ジアゾジフ
ェニルアミン硫酸塩の代わりにp−キノンジアジドを用
いた以外は、実施例14と同様な方法で印刷版原版を作
製した。
【0182】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0183】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0184】[実施例20]実施例14において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物である4−ジアゾジフ
ェニルアミン硫酸塩の代わりにo−ナフトキノンジアジ
ドを用いた以外は、実施例14と同様な方法で印刷版原
版を作製した。
【0185】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0186】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0187】[実施例21]実施例14において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物である4−ジアゾジフ
ェニルアミン硫酸塩の代わりに、ナフトキノン(1,
2)ジアジド(2)−4−硫酸ナトリウム塩を用いた以
外は、実施例14と同様な方法で印刷版原版を作製し
た。
【0188】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0189】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0190】[実施例22]実施例14において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物である4−ジアゾジフ
ェニルアミン硫酸塩の代わりにナフトキノンジアジド−
p−クレゾールエステルを用いた以外は、実施例14と
同様な方法で印刷版原版を作製した。
【0191】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0192】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0193】実施例13〜22、比較例1の結果と使用
したジアゾ系化合物を表2に示す。
【0194】
【表2】
【0195】[実施例23]実施例1において感熱層組
成物中の(B)熱分解性化合物である2,2’−アゾビ
スプロパンの代わりに、p−アジドベンズアルデヒド
(分解温度142℃)を使用した以外は、実施例1と同
様な方法で印刷版原版を作製した。
【0196】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、照射エネルギーが350m
J/cm2の場合には、レーザー光照射部の感熱層のみ
特異的に白色になっていた。照射エネルギー200mJ
/cm2の場合には、レーザー光を照射した部分の感熱
層のうち、約50%が白色になっており、残りの50%
はレーザー光を照射したにもかかわらず変色していなか
った。照射エネルギー150mJ/cm2の場合には、
レーザー光を照射したにもかかわらず変色していなかっ
たが焼きだし検版性としては充分なレベルを有してい
た。
【0197】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0198】[実施例24]実施例23において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物であるp−アジドベン
ズアルデヒドの使用量を3重量部から10重量部に増量
した以外は、実施例23と同様な方法で印刷版原版を作
製した。
【0199】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0200】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0201】[実施例25]実施例23において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物であるp−アジドベン
ズアルデヒドの使用量を3重量部から20重量部に増量
した以外は、実施例23と同様な方法で印刷版原版を作
製した。
【0202】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0203】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0204】[実施例26]実施例23において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物であるp−アジドベン
ズアルデヒドの代わりに4,4’−ジアジドカルコン
(分解温度124〜126℃)を使用した以外は、実施
例23と同様な方法で印刷版原版を作製した。
【0205】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、照射エネルギー200mJ
/cm2、350mJ/cm2の場合には、レーザー光照
射部の感熱層のみ特異的に白色になっていた。照射エネ
ルギー150mJ/cm2の場合には、レーザー光を照
射した部分の感熱層のうち、約50%が白色になってお
り、残りの50%はレーザー光を照射したにもかかわら
ず変色していなかったが焼きだし検版性としては充分な
レベルを有していた。
【0206】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0207】[実施例27]実施例26において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物である4,4’−ジア
ジドカルコンの使用量を3重量部から10重量部に増量
した以外は、実施例26と同様な方法で印刷版原版を作
製した。
【0208】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0209】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0210】[実施例28]実施例26において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物である4,4’−ジア
ジドカルコンの使用量を3重量部から20重量部に増量
した以外は、実施例26と同様な方法で印刷版原版を作
製した。
【0211】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0212】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0213】[実施例29]実施例24において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物であるp−アジドベン
ズアルデヒドの代わりに2,6−ビス(4’−アジドベ
ンザル)シクロヘキサノン(分解温度138〜140
℃)を用いた以外は、実施例24と同様な方法で印刷版
原版を作製した。
【0214】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0215】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0216】[実施例30]実施例24において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物であるp−アジドベン
ズアルデヒドの代わりに2,6−ビス(4’−アジドベ
ンザル)−4−メチルシクロヘキサノン(分解温度12
9〜131℃)を用いた以外は、実施例24と同様な方
法で印刷版原版を作製した。
【0217】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0218】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0219】[実施例31]実施例24において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物であるp−アジドベン
ズアルデヒドの代わりに1,3−ビス(4’−アジドベ
ンザル)−2−プロパノン(分解温度153℃)を用い
た以外は、実施例24と同様な方法で印刷版原版を作製
した。
【0220】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0221】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0222】[実施例32]実施例24において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物であるp−アジドベン
ズアルデヒドの代わりに1,3−ビス(4’−アジドベ
ンザル)アセトン(分解温度153℃)を用いた以外
は、実施例24と同様な方法で印刷版原版を作製した。
【0223】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、いずれの照射エネルギーに
おいても、レーザー光照射部の感熱層のみ特異的に白色
になっていた。
【0224】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0225】[実施例33]実施例24において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物であるp−アジドベン
ズアルデヒドの代わりに4,4’−ジアジドスチルベン
−2,2’−ジスルホン酸(分解温度180℃)を使用
した以外は、実施例24と同様な方法で印刷版原版を作
製した。
【0226】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、照射エネルギーが350m
J/cm2と200mJ/cm2の場合には、レーザー光
照射部の感熱層のみ特異的に白色になっていた。照射エ
ネルギーが150mJ/cm 2の場合には、レーザー光
を照射した部分の感熱層のうち、約50%が白色になっ
ており、残りの50%はレーザー光を照射したにもかか
わらず変色していなかったが焼きだし検版性としては充
分なレベルを有していた。
【0227】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0228】[実施例34]実施例24において感熱層
組成物中の(B)熱分解性化合物であるp−アジドベン
ズアルデヒドの代わりにp−アジド安息香酸(分解温度
181℃)を使用した以外は、実施例24と同様な方法
で印刷版原版を作製した。
【0229】実施例1と同様にレーザー光照射を行った
ところ、露光後の印刷版は、照射エネルギーが350m
J/cm2と200mJ/cm2の場合には、レーザー光
照射部の感熱層のみ特異的に白色になっていた。照射エ
ネルギーが150mJ/cm 2の場合には、レーザー光
を照射した部分の感熱層のうち、約50%が白色になっ
ており、残りの50%はレーザー光を照射したにもかか
わらず変色していなかったが焼きだし検版性としては充
分なレベルを有していた。
【0230】続いて、実施例1と同様に現像を行ったと
ころ、いずれの照射エネルギーにおいても、レーザー光
が照射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ
型の水なし平版が得られた。実施例1と同様に、得られ
た刷版を用いて印刷を行ったところ、1%〜99%まで
網点画像を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0231】実施例23〜34、比較例1の結果と使用
したアジド化合物を表3に示す。
【0232】
【表3】
【0233】
【発明の効果】本発明は、基板上に、少なくとも、
(A)光熱変換物質および(B)熱分解性化合物および
(C)熱硬化性の化合物を含有する感熱層、シリコーン
ゴム層をこの順に積層してなる直描型平版印刷版原版に
おいて、該熱分解性化合物としてアゾ化合物、ジアゾ系
化合物およびアジド化合物から選ばれる少なくとも1種
の化合物を用いることで、目視によってレーザー光照射
部と非照射部との判別が可能な、いわゆる焼き出し検版
性の良好なネガ型の直描型水なし平版印刷版原版が得ら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/008 G03F 7/008 Fターム(参考) 2H025 AA00 AA02 AB04 AC08 AD03 BA01 BA06 BH01 CB28 CC11 CC17 CC20 DA37 2H096 AA13 BA09 BA20 EA04 EA23 2H114 AA05 AA22 AA24 AA27 AA28 AA30 BA01 BA05 BA10 DA03 DA04 DA29 DA34 DA55 DA56 DA60 DA62 EA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、少なくとも、(A)光熱変換物
    質、(B)熱分解性化合物および(C)熱硬化性化合物
    を含有する感熱層、シリコーンゴム層をこの順に積層し
    てなる直描型水なし平版印刷版原版において、該(B)
    熱分解性化合物がアゾ化合物、ジアゾ系化合物およびア
    ジド化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有
    することを特徴とする直描型水なし平版印刷版原版。
  2. 【請求項2】(B)熱分解性化合物がアジド化合物を含
    有し、該アジド化合物の熱分解温度が70℃以上170
    ℃未満であることを特徴とする請求項1記載の直描型水
    なし平版印刷版原版。
  3. 【請求項3】(B)熱分解性化合物がアゾ化合物を含有
    し、該アゾ化合物の活性化エネルギーが120KJ・m
    ol-1以上であることを特徴とする請求項1に記載の直
    描型水なし平版印刷版原版。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004069552A1 (ja) * 2003-02-04 2004-08-19 Kodak Polychrome Graphics Japan Ltd. 平版印刷版原版および製版方法
CN107075266A (zh) * 2014-11-04 2017-08-18 诺赛尔股份有限公司 偶氮直接染料和使用这些染料用于染发的方法

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