JP2001324820A - 直描型水なし平版印刷版の修正方法 - Google Patents

直描型水なし平版印刷版の修正方法

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JP2001324820A
JP2001324820A JP2000145579A JP2000145579A JP2001324820A JP 2001324820 A JP2001324820 A JP 2001324820A JP 2000145579 A JP2000145579 A JP 2000145579A JP 2000145579 A JP2000145579 A JP 2000145579A JP 2001324820 A JP2001324820 A JP 2001324820A
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silicone rubber
weight
printing plate
rubber layer
layer
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Koichi Nagase
公一 長瀬
Mitsuru Suezawa
満 末沢
Shogo Miyaguchi
正吾 宮口
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Toray Industries Inc
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41NPRINTING PLATES OR FOILS; MATERIALS FOR SURFACES USED IN PRINTING MACHINES FOR PRINTING, INKING, DAMPING, OR THE LIKE; PREPARING SUCH SURFACES FOR USE AND CONSERVING THEM
    • B41N1/00Printing plates or foils; Materials therefor
    • B41N1/003Printing plates or foils; Materials therefor with ink abhesive means or abhesive forming means, such as abhesive siloxane or fluoro compounds, e.g. for dry lithographic printing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

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  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】画像再現性の良好なネガ型の直描型平版印刷版
原版を提供する。 【解決手段】基板上に、少なくとも感熱層、シリコーン
ゴム層をこの順に有し、レーザー光を照射した後に現像
を行うことによって画像状にシリコーンゴム層を除去し
た印刷版を修正する方法において、シリコーンゴム層の
欠点部分および必要に応じてシリコーンゴム層が除去さ
れた画線部に、シリコーンゴム溶液を塗布、硬化してシ
リコーンゴム薄膜を形成せしめることを特徴とする直描
型水なし平版印刷版の修正方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光で直接
製版できる直描型水なし平版印刷版の修正方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】製版用フィルムを使用しないで、原稿か
ら直接オフセット印刷版を作製する、いわゆる直描型製
版は、熟練度を必要としない簡易性、短時間で印刷版が
得られる迅速性、多様なシステムから品質とコストに応
じて選択可能である合理性などの特徴を生かして、軽印
刷業界のみでなく、一般オフセット印刷、フレキソ印刷
の分野にも進出し始めている。
【0003】特に最近では、プリプレスシステムやイメ
ージセッター、レーザープリンタなどの出力システムの
急激な進歩によって新しいタイプの各種直描型平版印刷
版が開発されている。
【0004】これらの直描型平版印刷版を製版方法から
分類すると、レーザー光を照射する方法、サーマルヘッ
ドで書き込む方法、ピン電極で電圧を部分的に印加する
方法、インクジェットでインキ反撥層またはインキ着肉
層を形成する方法などが挙げられる。なかでも、レーザ
ー光を用いる方法は解像度、および製版速度の面で他の
方式よりも優れており、その種類も多い。
【0005】このレーザー光を用いる印刷版はさらに、
光反応によるフォトンモードのものと、光熱変換を行っ
て熱反応を起こさせるヒートモードの2つのタイプに分
けられる。特にヒートモードの方式は、明室で取り扱え
るといった利点があり、また光源となる半導体レーザー
の急激な進歩によって、最近その有用性が見直されてき
ている。
【0006】例えば、米国特許第5339737号明細
書、米国特許第5353705号明細書、特開平6−5
5723号公報、米国特許5378580号明細書、特
開平7−164773号公報、特開平6−186750
号公報、特開平7−309001号公報、特開平9−1
04182号公報、特開平9−146264号公報、特
開平9−146265号公報、特開平9−236927
号公報、特開平9−244228号公報および米国特許
第5487338号明細書、米国特許第5385092
号明細書、米国特許第5649486号明細書、米国特
許第5704291号明細書、米国特許第557063
6号明細書にはレーザー光を光源として用いる直描型水
なし平版印刷版原版およびその製版方法などが記載され
ている。
【0007】この熱破壊方式の印刷版原版の感熱層は、
レーザー光吸収化合物として主としてカーボンブラック
を用い、熱分解化合物としてニトロセルロースを使用し
ている。そしてこのカーボンブラックがレーザー光を吸
収することによって熱エネルギーに変換され、その熱で
感熱層が破壊される。そして最終的に、現像によってこ
の部分を除去することによって、表面のシリコーンゴム
層が同時に剥離され、インキ着肉部となる。
【0008】しかしながらこの印刷版は、感熱層を破壊
して画像を形成することから画線部のセルの深さが深く
なり、微少網点でのインキ着肉性が悪く、インキマイレ
ージが悪いという問題点があった。更に、感熱層を熱破
壊させ易くするために、架橋構造を形成しており印刷版
の耐刷性が悪いという問題もあった。更にこの印刷版は
感度が低く、感熱層を破壊させるために高いレーザー光
の強度が必要という問題点もあった。
【0009】このような欠点を改良するために、特開平
11−221977号公報、特開平11−227353
号公報、特開平11−352673号公報などでは、レ
ーザー光を熱に変換することによりシリコーンゴム層と
の密着性が低下することによって画像が形成できるヒー
トモードの湿し水不要平版印刷原版が提案されている。
【0010】しかしながら、このような提案による直描
型水なし平版印刷版原版では、シリコーンゴム層を表層
に持つため、製版後に、版に傷がつくなどの問題があっ
たが、それらを修正する作業は非常に難しいものであっ
た。また、不必要な画線部を除去したい場合などの印刷
版の修正も難しいという問題もあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の欠点を改良するため、作業が容易な直描型水なし平
版印刷版の修正方法を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は以下
の構成を有する。
【0013】「基板上に、少なくとも感熱層、シリコー
ンゴム層をこの順に有し、レーザー光を照射した後に現
像を行うことによって画像状にシリコーンゴム層を除去
した印刷版を修正する方法であって、シリコーンゴム層
の欠点部分および/またはシリコーンゴム層が除去され
た画線部に、シリコーンゴム溶液を塗布、硬化してシリ
コーンゴム薄膜を形成せしめることを特徴とする直描型
水なし平版印刷版の修正方法。」である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
【0015】本発明の特徴とするところは、基板上に、
少なくとも感熱層、シリコーンゴム層をこの順に有し、
レーザー光を照射した後に現像を行うことによって画像
状にシリコーンゴム層を除去した印刷版を修正する方法
であって、シリコーンゴム層の欠点部分および/または
シリコーンゴム層が除去された画線部に、シリコーンゴ
ム溶液を塗布、硬化してシリコーンゴム薄膜を形成せし
めることを特徴とする直描型水なし平版印刷版の修正方
法である。
【0016】本発明の修正方法は、すでに種種提案され
ているシリコーンゴム層をインキ反発層とする直描型水
なし平版印刷版のいずれにも適用することができるが、
なかでも、現像後感熱層が残存する直描型水なし平版印
刷版に好適に用いられる。
【0017】すなわち、このような直描型水なし平版印
刷版においては、レーザー光を照射した後に現像を行っ
た印刷版の画線部表面は、感熱層からなっており、シリ
コーンゴム溶液を塗布し、乾燥、硬化することによって
新たに形成されたシリコーンゴム薄膜が感熱層に強固に
接着するので有利である。
【0018】本発明の修正方法は、シリコーンゴム層に
傷がつくことによって、感熱層が露出した部分、もしく
は現像によってシリコーンゴム層を剥離し、感熱層が露
出した部分(画線部)に、シリコーンゴム溶液を、たと
えば筆、綿棒、スポンジ、スポイト、注射器等種種の塗
布用具を用いて修正部分に塗布するものである。塗布し
た後、必要により適当な手段で加熱したり、光照射した
りして、硬化・接着を促進して、シリコーンゴム薄膜を
形成せしめる。
【0019】また、シリコーンゴム溶液を塗布する前
に、修正を要する部分を炭化水素系溶剤などで洗浄する
ことも、より強固な接着を得るためには好ましい。
【0020】洗浄用の炭化水素系溶剤としては、パラフ
ィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素、シクロパ
ラフィン系炭化水素および芳香族炭化水素溶媒およびこ
れらの混合溶媒等が挙げられる。
【0021】本発明で修正液として使用されるシリコー
ンゴム溶液は線状ジオルガノポリシロキサンに必要に応
じて架橋剤および触媒を添加したシリコーンゴム組成物
を適当な溶媒で希釈したものである。
【0022】ここで言う線状ジオルガノポリシロキサン
は下記一般式(I)で示されるような繰り返し単位を有
するポリマでR1およびR2は炭素数1〜10のアルキ
ル、ビニル、アリール基であり、適当な置換基を有して
いても良い。R1およびR2は同一でも異なっていても良
く、またポリマ主鎖に沿って繰り返し単位が異なってい
ても良い。一般的には、R1およびR2は全体の60%以
上がメチル基であり、40%以下がビニル基、フェニル
基、あるいはハロゲン化ビニル基、ハロゲン化フェニル
基などであるものが好ましい。
【0023】
【化1】 架橋剤としては、線状ジオルガノポリシロキサンの有す
る官能基に依存するが、縮合あるいは付加反応を起こし
うる官能基を有する化合物、また過酸化物などが挙げら
れる。触媒は必要に応じて金属の有機カルボン酸塩など
が使用される。
【0024】このシリコーンゴム溶液は次のような構成
が接着性、耐久性の点から好ましい。 (a)両末端に各1個以上の官能基を有する線状ジオル
ガノポリシロキサン (b)官能基を有しないか、あるいは片末端のみに1個
以上の官能基を有する線状ジオルガノポリシロキサン (c)前記官能基と縮合あるいは付加反応を起こしうる
官能基を複数個有する架橋剤 (d)前記架橋反応に対する触媒 ここで(a)、(b)成分として用いられる線状ジオル
ガノポリシロキサンとは、下記一般式(II)で表される
物質である。
【0025】
【化2】 そして(a)成分に言う両末端に各1個以上の官能基を
有する線状ジオルガノポリシロキサンとは上記一般式
(II)において1≦p≦3、1≦q≦3の場合であり、
また(b)成分の官能基を有しないか、あるいは方末端
のみに1個以上の官能基を有する線状ジオルガノポリシ
ロキサンとは一般式(II)においてp=q=0、あるい
は1≦p≦3、q=0またはp=0、1≦q≦3の場合
である。
【0026】これらに於いてR、R'、R''及びR'''は
同一でも異なっていてもよく、またポリマ鎖に沿って繰
り返し単位が異なっていても良い。一般的にはR、R’
の60%以上がメチル基であり、40%以下がビニル
基、フェニル基であるものが望ましい。X、X’は同一
でも異なっていても良い。(a)、(b)成分のジオル
ガノポリシロキサンはそれぞれ1種でも、また異なった
2種以上を混合しても良い。
【0027】(c)成分の架橋剤は、一般式(II)にお
ける官能基X、X’(あるいはこれらが加水分解等の変
化を起こして新たに生ずる官能基)と縮合あるいは付加
反応を起こしうる官能基を複数個、好ましくは3個以上
有する珪素化合物である。これらのうちでも特に一般式
(III)で表されるような構造のもの、あるいはその縮
合物が好ましい。
【0028】 XmSiR4-m (III) (ただし、mは2≦m≦4の整数) ここでXおよびRは、一般式(II)において説明したも
のと同じく炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル
基、アリール基であり適当な置換基を有していても良
い。この架橋剤は1種を使用してもよいし、また異なっ
た2種以上を混合して用いても良い。
【0029】(d)成分の触媒とは、(a)および
(b)成分の物質に含まれる官能基と(c)成分の物質
に含まれる官能基との縮合、あるいは付加反応を促進す
る物質であり、具体的には錫、亜鉛、鉛などの金属の有
機カルボン酸塩、たとえば酢酸ジブチル錫、ラウリン酸
ジブチル錫、オクテン酸錫、オクテン酸亜鉛、ナフテン
酸鉛など、あるいは塩化白金酸の如き物質が用いられ
る。
【0030】本発明において用いられる修正液の好まし
い組成比は次の如くである。 (1)ジオルガノポリシロキサン 100重量部 (2)架橋剤 3〜100重量部 (3)触媒 0.1〜50重量部 ここにいうジオルガノポリシロキサン成分とは、(a)
成分から選ばれる1種以上と、(b)成分から選ばれる
1種以上の混合物である。(a)成分(b)成分との比
率は重量比で95/5〜10/90の範囲で、特に80
/20〜20/80の範囲が好ましい。更に、シリコー
ンゴム薄膜の強度を向上させるために、シリコーンゴム
に各種の充填材を混合することができる。また塗膜を着
色して見やすくするために、染料、顔料などの着色剤、
さらには他の種種の添加剤を混合しても良い。
【0031】上記の修正液を形成する際の溶媒として
は、パラフィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水
素、シクロパラフィン系炭化水素、芳香族炭化水素、カ
ルボン酸アルキルエステル類、エーテル類、ケトン類、
ハロゲン化炭化水素等、さらにはこれらの混合物などが
有利に用いられるが、塗工性等の点よりパラフィン系あ
るいはイソパラフィン系炭化水素を主成分とするのが特
に好ましい。このような炭化水素類の代表的な例として
は石油の分留品及びその改質品などがある。
【0032】このような修正液の中でも特にジオルガノ
ポリシロキサン(a)成分として実質的に両末端が水酸
基の線状ジオルガノポリシロキサン、及び(b)成分と
して実質的に官能基を有しない線状ジオルガノポリシロ
キサン(いずれも数平均分子量5,000〜1,00
0,000)の混合物、(c)成分の架橋剤として次式
(IV)で示されるようなトリアセトキシシランもしくは
テトラアセトキシシランあるいはそれらの縮合物を用い
たものが好ましく、良好な硬化性、接着性および溶液の
保存安定性を示す。 R4-mSi(OCOCH3)m (IV) (ただし、mは3または4) ここにRは先に説明したものと同様、炭素数1〜10の
アルキル基、アルケニル基、アリール基であり適当な置
換基を有していても良い。かかる組成を用いた場合、
(d)成分の触媒としては酢酸ジブチル錫、ラウリン酸
ジブチル錫、オクテン酸錫などの錫化合物を用いること
が特に好ましい。
【0033】上記の実質的に官能基を有しない線状ジオ
ルガノポリシロキサンとしては、例えばSH−200
(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株))、KF−
96H(信越化学(株))等の市販品があり、それぞれ
各種の年度の製品が市販されているが、特に粘度1,0
00〜100,000センチストークス(1,000〜
100,000×10-6平方メートル毎秒)の比較的高
粘度のものを用いるのが好ましい。
【0034】これらの好ましい混合割合は、ジオルガノ
ポリシロキサン成分100重量部(水酸基を有する成分
と有しない成分の重量比95/5〜10/90、好まし
くは80/20〜20/80)に対し(IV)式で示され
るトリアセトキシシランもしくはテトラアセトキシシラ
ン(あるいはその縮合物)5〜100重量部、更に好ま
しくは10〜50重量部、触媒0.1〜50重量部、更
に好ましくは0.2〜20重量部である。トリアセトキ
シシランもしくはテトラアセトキシシランの添加量が少
なすぎると十分な接着力が得られず、かつ溶液の保存安
定性が低下し、多すぎると十分なインキ反発性が得られ
ない弊害が生ずる。また触媒は少なすぎると硬化が遅く
なり、多すぎるとインキ反発性が低下したり、また版を
長時間保存するとき塗膜が経時的に劣化する場合があ
る。
【0035】溶液の濃度は用いるジオルガノポリシロキ
サンの分子量、溶媒の種類、塗布方法にもよるが一般に
5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。
うすすぎても濃すぎても塗布しにくく、適当な膜厚のシ
リコーンゴム塗膜が得られない。
【0036】シリコーンゴム溶液の溶媒としては、パラ
フィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素、シクロ
パラフィン系炭化水素および芳香族炭化水素溶媒および
これらの混合溶媒等が挙げられる。このような炭化水素
溶媒の代表的な例としては、石油の分留品およびその改
質品などがあり、具体的には“アイソパ−E”、”アイ
ソパ−G”、”アイソパ−H”(イソパラフィン系炭化
水素、エクソン化学(株)製)などが挙げられる。
【0037】本発明では、直描型平版印刷版原版を、レ
ーザー光で画像状に露光する。
【0038】本発明の製版露光工程で用いられるレーザ
ー光源としては、発光波長領域が300nm〜1500
nmの範囲にあるものが用いられるが、これらの中でも
近赤外領域付近に発光波長領域が存在する半導体レーザ
ーやYAGレーザーが好ましく用いられる。
【0039】具体的には、明室での版材の取扱い性など
の観点から、780nm、830nm、1064nmの
波長のレーザー光が製版に好ましく用いられる。
【0040】レーザー照射後の原版は、水または有機溶
剤の存在もしくは非存在下での摩擦処理により現像がな
される。
【0041】摩擦処理は、現像液を含浸した不織布、脱
脂綿、布、スポンジ等で版面を拭き取ることによって、
あるいは下記の現像液で版面を前処理した後に水道水な
どをシャワーしながら回転ブラシで擦ることによって行
うことができる。
【0042】現像処理を行う場合に使用される現像液と
しては、例えば、水や水に界面活性剤を添加したもの、
さらには水にアルコールやケトン、エステル、カルボン
酸などの極性溶媒を添加したものや、脂肪族炭化水素
類、芳香族炭化水素類などの少なくとも1種類からなる
溶媒に極性溶媒を少なくとも1種類添加したもの、ある
いは極性溶媒が用いられる。
【0043】また、上記の現像液組成には、公知の界面
活性剤を添加することも自由に行われる。さらにアルカ
リ剤、例えば炭酸ナトリウム、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、ジグリコールアミン、モノグリコ
ールアミン、ケイ酸ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ
酸ナトリウムなどを添加することもできる。
【0044】これらの中では、水あるいは水に界面活性
剤を添加したものが好ましい。
【0045】次に本発明における直描型平版印刷版原版
の感熱層は、(a)レーザー照射の作用で分解し得る化
合物、および(b)熱硬化性の化合物、を含有すること
が好ましい。
【0046】(a)レーザー照射の作用で分解し得る化
合物としては、(a1)その化合物自体はレーザー光を
吸収しないが、レーザー光を吸収する別の化合物の作用
により化合物が分解する場合と、(a2)その化合物自
体がレーザー光を吸収して分解する場合、が挙げられ
る。
【0047】(a1)その化合物自体はレーザー光を吸
収しないが、レーザー光を吸収する別の化合物の作用に
より分解する化合物としては、硝酸アンモニウム、硝酸
カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸エステル化合物、ニト
ロセルロース等のニトロ化合物や、過酸化ベンゾイル、
過安息香酸エステルなどの有機過酸化物、無機過酸化
物、ポリビニルピロリドン、アゾジカルボンアミド、ア
ゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、N,N’
−ジニトロペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化
合物、アジド化合物、ジアゾ化合物あるいはp−トルエ
ンスルホニルヒドラジン、p,p’−オキシビス(ベン
ゼンスルホヒドラジン)などのスルホニルヒドラジド化
合物、さらにはその他の低分子、高分子ヒドラジン誘導
体、などを挙げることが出来る。
【0048】さらには、レーザー光の作用で酸やアミン
を発生する化合物と、発生した酸あるいはアミンの作用
で分解する化合物も、本発明に使用することが出来る。
【0049】このような化合物は、感熱層中の全固形分
に対し、0.1〜70重量%、好ましくは1〜50重量
%、さらに好ましくは5〜30重量%を添加することが
出来る。
【0050】また、レーザー光を吸収する別の化合物と
しては、公知の光熱変換物質を挙げることが出来る。
【0051】光熱変換物質の具体例としては、赤外線ま
たは近赤外線を吸収する色素、特に染料が光熱変換物質
として好ましく使用される。
【0052】特に好ましい色素としては、シアニン系、
フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジチオール金
属錯体系、ピアズレニウム系、スクアリリウム系、クロ
コニウム系、アゾ系分散色素、ビスアゾ系、ビスアゾス
チルベン系、ナフトキノン系、アントラキノン系、ペリ
レン系、ポリメチン系、インドアニリン金属錯体染料、
分子間型CT系、ベンゾチオピラン系、スピロピラン
系、ニグロシン系、チオインジゴ系、ニトロソ系、キノ
リン系、フルギド系の色素、特に染料などが挙げられ
る。
【0053】これら光熱変換物質の含有量は、全感熱層
固形物に対して1〜40重量%が好ましく、より好まし
くは5〜25重量%である。1重量%以上であればレー
ザー光に対する感度の向上効果が著しく、40重量%以
下であれば印刷版の耐刷性の低下もみられない。
【0054】これら光熱変換物質の含有量は、全感熱層
固形物に対して1〜40重量%が好ましく、より好まし
くは5〜25重量%である。1重量%よりも少ない場合
にはレーザー光に対する感度の向上効果が見られず、4
0重量%よりも多い場合には印刷版の耐刷性が低下しや
すい。
【0055】(a2)レーザー光を吸収してそれ自体が
分解する化合物としては、上記の光熱変換作用を示す染
料のうち、比較的分解しやすいものを挙げることが出来
る。
【0056】特に好ましい色素としては、シアニン系、
フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジチオール金
属錯体系、ピアズレニウム系、スクアリリウム系、クロ
コニウム系、アゾ系分散色素、ビスアゾ系、ビスアゾス
チルベン系、ナフトキノン系、アントラキノン系、ペリ
レン系、ポリメチン系、インドアニリン金属錯体染料、
分子間型CT系、ベンゾチオピラン系、スピロピラン
系、ニグロシン系、チオインジゴ系、ニトロソ系、キノ
リン系、フルギド系の色素、特に染料などが挙げられ
る。
【0057】これら化合物の含有量は、全感熱層固形物
に対して1〜40重量%が好ましく、より好ましくは5
〜25重量%である。1重量%よりも少ない場合にはレ
ーザー光に対する感度の向上効果が見られず、40重量
%よりも多い場合には印刷版の耐刷性が低下しやすい。
【0058】このような(a)レーザー照射の作用で分
解し得る化合物としては、ポリメチン系近赤外吸収染
料、フタロシアニン系近赤外吸収染料、シアニン系近赤
外吸収染料、ジチオール金属錯体系近赤外吸収染料など
が好ましく、さらにはこれら近赤外吸収染料と有機過酸
化物、アゾ化合物、アジド化合物、ジアゾ化合物、ヒド
ラジン誘導体から選ばれる少なくとも1種の組み合わせ
が好ましい。
【0059】これら(a)レーザー照射の作用で分解し
得る化合物の含有量は、全感熱層固形物に対して1〜4
0重量%が好ましく、より好ましくは5〜25重量%で
ある。1重量%以上であればレーザー光に対する感度の
向上効果が著しく、40重量%以下であれば印刷版の耐
刷性の低下もみられない。
【0060】本発明における(b)熱硬化性の化合物と
は、印刷版原版の感熱層中にあって、レーザー照射の作
用で直接あるいは間接的に熱硬化し得る性能を依然とし
て有している化合物群のことを言う。
【0061】このような(b)熱硬化性の化合物として
は、フェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェ
ノール類とホルムアルデヒドの縮合反応により得られる
ノボラック樹脂やレゾール樹脂、フェノール・フルフラ
ール樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド
樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリウレ
タン樹脂、ポリイミド前駆体などを挙げることが出来る
が、これらに限定されるものではない。
【0062】また、上記のごとく樹脂自体が反応するも
のの他に、反応性の官能基を有する化合物に熱反応性の
架橋剤を添加した組成物も、(b)熱硬化性の化合物と
して本発明に使用することが出来る。
【0063】架橋剤としては架橋性を有する公知の多官
能性化合物が挙げられ、多官能ブロックドイソシアネー
ト、多官能エポキシ化合物、多官能アクリレート化合
物、金属キレート化合物、多官能アルデヒド、多官能メ
ルカプト化合物、多官能アルコキシシリル化合物、多官
能アミン化合物、多官能カルボン酸、多官能ビニル化合
物、多官能ジアゾニウム塩、多官能アジド化合物、ヒド
ラジンなどが挙げられる。
【0064】また、上記架橋剤の反応を促進するために
公知の触媒を添加してもよい。
【0065】これらの架橋剤は単独または2種以上を混
合して使用することも可能である。
【0066】さらには、熱の作用で酸やアミンを発生す
る化合物と、発生した酸あるいはアミンの作用で硬化す
る化合物も本発明に使用することが出来る。
【0067】このような熱硬化性の化合物の中では、フ
ェノール樹脂と金属キレート化合物の組み合わせが特に
好ましい。
【0068】このような(b)熱硬化性の化合物の感熱
層中に占める割合としては、全感熱層全固形物に対して
10〜95重量%、さらには30〜70重量%であるこ
とが好ましい。熱硬化性の化合物の量が10重量%以上
であれば、感熱層の熱硬化による画線部感熱層の耐溶剤
性の向上効果が乏しくなることがない。一方、95重量
%以下であれば、相対的に熱分解性化合物や光熱変換物
質が少なくなることによるレーザー照射による画像形成
性に問題を生じることもない。
【0069】その他、感熱層中にはバインダーポリマー
や界面活性剤、各種添加剤を含有してもよい。
【0070】バインダーポリマーの具体例としては、ポ
リメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートな
どのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの単独
重合体および共重合体、ポリスチレン、α−メチルスチ
レン、ヒドロキシスチレンなどのスチレン系モノマーの
単独重合体および共重合体、イソプレン、スチレン−ブ
タジエンなどの各種合成ゴム類、ポリ酢酸ビニル、塩化
ビニルなどのビニルエステル類の単独重合体および共重
合体、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキシ
ドなどのポリオキシド類(ポリエーテル類)、ポリエス
テル類、ポリウレタン類、ポリアミド類、エチルセルロ
ース、セルロースアセテートなどのセルロース誘導体
類、フェノキシ樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリパラキ
シリレン樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂などが
挙げられる。
【0071】これらのバインダーの含有量は、全感熱層
固形物に対して5〜70重量%が好ましく、より好まし
くは10〜50重量%である。含有量が5%以上であれ
ば耐刷性や塗液の塗工性に問題が生じることがなく、7
0重量%以下であれば画像再現性への悪影響が小さい。
【0072】感熱層の厚さは、被覆層にして0.1〜1
0g/m2であると、印刷版の耐刷性や、希釈溶剤を揮
散し易く生産性に優れる点で好ましく、より好ましくは
1〜7g/m2である。
【0073】このような感熱層を有する直描型平版印刷
版原版にレーザーが照射されると、感熱層表面において
は、光熱変換物質の働きで(a)レーザー光の作用で分
解し得る化合物が分解する。光熱変換物質自体がレーザ
ー光の作用で分解する場合もある。また、その際、窒
素、酸素などのガスを発生することが好ましい。このよ
うな化合物の分解、さらにはガスの作用で、シリコーン
ゴム層と感熱層間の接着力が弱められる。
【0074】一方、レーザー照射部の感熱層内部におい
ては、(b)熱硬化性の化合物の硬化が進行する。その
結果、レーザー照射部の感熱層の耐溶剤性が高められ
る。
【0075】これらの結果、その後の現像処理によりレ
ーザー照射部の感熱層の極表面とシリコーンゴム層のみ
が剥離された印刷版が得られる。
【0076】このようにして得られた版においては、画
線部感熱層の耐溶剤性は高く、残存しているため、微小
網点の再現性やインキマイレージが良好であるというメ
リットを有する。
【0077】本発明における直描型平版印刷版原版のイ
ンキ反発層としては、ビニルアルコール類などからなる
親水性層、アクリル酸やアクリル酸塩、スルホン酸やス
ルホン酸塩などを含む親水性層、特開平8−28214
2号公報、特開平8−282144号公報、特開平8−
292558号公報、特開平9−54425号公報など
で提案されている親水性膨潤層や、シリコーンゴム層、
フッ素化合物を含有する層などを用いることが出来る
が、好ましくはシリコーンゴム層である。シリコーンゴ
ム層としては、付加重合型のもの、縮合重合型のものい
ずれも用いられる。
【0078】付加重合型のシリコーンゴム層を構成する
成分としては、ビニル基含有ポリジメチルシロキサン、
SiH基含有ポリシロキサン、さらには硬化速度を制御
する目的で反応抑制剤、および硬化触媒を含む。
【0079】ビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、
下記一般式(V)で表される構造を有し、分子末端およ
び/または主鎖中にビニル基を有するものである。
【0080】
【化3】 (式中、nは2以上の整数を示し、R9、R10は炭素数
1〜50の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素数2
〜50の置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素数4
〜50の置換あるいは非置換のアリール基の群から選ば
れる少なくとも1種の基を示し、それぞれ同一であって
も異なっていてもよい。)上記式中のR9、R10は全体
の50%以上がメチル基であることが、印刷版のインキ
反発性の面で好ましい。また、分子量としては数千〜数
十万のものが使用できるが、その取扱い性や得られた印
刷版のインキ反発性、耐傷性などの観点から重量平均分
子量1万〜20万、さらには3万〜15万のものを用い
ることが好ましい。
【0081】SiH基含有ポリシロキサンとしては、分
子鎖中、または末端にSiH基を有する、例えば下記一
般式(VI)〜(IX)で表されるような化合物を挙げることが
できる。
【0082】
【化4】
【0083】
【化5】
【0084】
【化6】
【0085】
【化7】 (式(VI)〜(IX)中、nは1以上の整数、mは1以上の整
数である。)
【0086】SiH基含有ポリシロキサン中におけるS
iH基の量としては、1分子中に2個以上、さらには3
個以上であることが好ましい。SiH基含有ポリシロキ
サンの添加量としては、シリコーンゴム層全組成物の3
〜20重量%であることが好ましく、さらに好ましくは
5〜15重量%である。ポリジメチルシロキサンとの量
比ということで言えば、SiH基/ポリジメチルシロキ
サンのビニル基のモル比が1.5〜30であることが好
ましく、さらに好ましくは10〜20である。このモル
比が1.5以上である場合には、シリコーンゴム層の硬
化が十分であり、30以下である場合にはゴムの物性の
脆化もなく、印刷版の耐傷性などに悪影響を与えること
もない。
【0087】反応抑制剤としては、含窒素化合物、リン
系化合物、不飽和アルコールなどが挙げられるが、アセ
チレン基含有のアルコールなどが好ましく用いられる。
反応抑制剤の好ましい添加量としては、シリコーンゴム
固形物中の0.01〜10重量%、さらに好ましくは1
〜5重量%である。
【0088】硬化触媒としては、III族遷移金属化合
物、好ましくは、白金化合物であり、具体的には白金単
体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金、白金
のアルコール変性錯体、白金のメチルビニルポリシロキ
サン錯体などを一例として挙げることができる。このよ
うな硬化触媒の量は、シリコーンゴム層中に固形分とし
て0.01〜20重量%、さらには0.1〜10重量%
であることが好ましい。添加する触媒量が0.01重量
%以上である場合にはシリコーンゴム層の硬化が十分と
なり、さらに感熱層との接着性に問題を生じない。他方
20重量%以下の場合にはシリコーンゴム層溶液のポッ
トライフに悪影響をもたらすこともない。シリコーンゴ
ム層組成物中における白金などの金属の量で言えば、1
0〜1000ppm、さらには100〜500ppmで
あることが好ましい。
【0089】また、これらの組成物の他に、縮合型シリ
コーンゴム層の組成物である水酸基含有オルガノポリシ
ロキサンや加水分解性官能基含有シランもしくは加水分
解性官能基含有シロキサン、ゴム強度を向上させる目的
でシリカなどの公知の充填剤、接着性を向上させる目的
で公知のシランカップリング剤、チタネート系カップリ
ング剤、アルミニウム系カップリング剤などを含有して
もよい。シランカップリング剤としては、アルコキシシ
ラン類、アセトキシシラン類、ケトキシミンシラン類等
が好ましく、特にビニル基を有するものや、ケトキシミ
ンシラン類が好ましい。
【0090】また、縮合重合型のシリコーンゴム層を構
成する成分としては、水酸基含有ポリジメチルシロキサ
ン、架橋剤(脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコール
型、脱アミン型、脱アセトン型、脱アミド型、脱アミノ
キシ型など)、および硬化触媒を含む。
【0091】水酸基含有ポリジメチルシロキサンも、上
記一般式(V)で表される構造を有する。水酸基は分子
末端および/もしくは主鎖中に位置することができる
が、好ましく用いられるものは分子量末端に水酸基を有
するものである。一般式中のR 9、R10については、同
様に全体の50%以上がメチル基であることが、印刷版
のインキ反発性の面で好ましい。分子量としては数千〜
数十万のものが使用できるが、その取扱い性や得られた
印刷版のインキ反発性、耐傷性などの観点から重量平均
分子量1万〜20万、さらには3万〜15万のものを用
いることが好ましい。
【0092】縮合重合型のシリコーンゴム層で用いられ
る架橋剤としては、下記一般式(X)で表される、アセ
トキシシラン類、アルコキシシラン類、ケトキシミンシ
ラン類、アリロキシシラン類などを挙げることができ
る。 (R114-nSiYn (X) (式中、nは2〜4の整数を示し、R11は炭素数1以上
の置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、ア
リール基、またはこれらの組み合わされた基を示す。Y
はハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケト
キシミン基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニルオ
キシ基から選ばれる加水分解性の官能基を示す。)上記
式(X)において、加水分解性基の数nは3または4で
あることが好ましい。
【0093】具体的な化合物としては、メチルトリアセ
トキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルト
リアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テト
ラプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリフェノキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
アリルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシ
シラン、ビニルトリスイソプロペノキシシラン、ビニル
メチルビス(メチルエチルケトキシミン)シラン、メチ
ルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン、ビニルト
リ(メチルエチルケトキシミン)シラン、テトラ(メチ
ルエチルケトキシミン)シラン、ジイソプロペノキシジ
メチルシラン、トリイソプロペノキシメチルシラン、テ
トラアリロキシシラン、などが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。これらの中では、シリコーン
ゴム層の硬化速度、取扱い性などの観点から、アセトキ
シシラン類、ケトキシミンシラン類が好ましい。
【0094】一般式(X)で表される架橋剤の添加量と
しては、シリコーンゴム層全固形物の1.5〜20重量
%であることが好ましく、さらに好ましくは3〜10重
量%である。ポリジメチルシロキサンとの量比というこ
とで言えば、官能基/ポリジメチルシロキサンの水酸基
のモル比が1.5〜10.0であることが好ましい。こ
のモル比が1.5以上である場合には、シリコーンゴム
層溶液のゲル化が起こらず、逆に10.0以下である場
合にはゴムの物性の脆化もなく、印刷版の耐傷性などに
悪影響を与えることもない。
【0095】硬化触媒としては、酢酸、プロピオン酸、
マレイン酸などの有機カルボン酸、トルエンスルホン
酸、ホウ酸等の酸類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム等のアルカリ、アミン、およびチタ
ンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどの
金属アルコキシド、鉄アセチルアセトナート、チタンア
セチルアセトナートジプロポキシドなどの金属ジケテネ
ート、金属の有機酸塩などを挙げることが出来る。これ
らの中では、金属の有機酸塩を添加することが好まし
く、特に錫、鉛、亜鉛、鉄、コバルト、カルシウム、マ
ンガンから選ばれる金属の有機酸塩であることが好まし
い。このような化合物の具体例の一部としては、ジブチ
ル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル
錫ジラウレート、オクチル酸亜鉛、オクチル酸鉄などを
挙げることが出来る。このような硬化触媒の量は、シリ
コーンゴム層中に固形分として0.01〜20重量%、
さらには0.1〜10重量%であることが好ましい。添
加する触媒量が0.01重量%以上である場合にはシリ
コーンゴム層の硬化が十分となり、さらに感熱層との接
着性に問題を生じることもない。他方20重量%以下で
ある場合にはシリコーンゴム層溶液のポットライフに悪
影響をもたらすこともない。
【0096】また、これらの組成物の他に、ゴム強度を
向上させる目的でシリカなどの公知の充填剤、さらには
公知のシランカップリング剤を含有してもよい。これら
シリコーンゴム層の膜厚は0.5〜20g/m2が好ま
しく、1〜4g/m2がさらに好ましい。膜厚が0.5
g/m2以上である場合には印刷版のインキ反撥性や耐
傷性、耐刷性が低下もなく、20g/m2以下である場
合には経済的見地から有利であるばかりでなく、現像
性、インキマイレージも良好である。
【0097】本発明における直描型平版印刷版原版の基
板としては、寸法的に安定な板状物が用いられる。この
ような寸法的に安定な板状物としては、従来印刷版の基
板として仕様されたものが含まれ、それらを好適に使用
することができる。かかる基板としては、紙、ステンレ
ス、アルミニウムなどのような金属板、ポリエステル、
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのようなプラスチッ
クフィルム、アルミニウムなどの金属がラミネートもし
くは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルムなどが
含まれる。これらの基板のうち、アルミニウム板は寸法
安定性に優れており、しかも安価であるので特に好まし
い。また、軽印刷用の基板として用いられる、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムも好ましく使用される。な
お、透明な基板を用いた場合の吸光度の測定は、版の下
に白色の紙を置き、その上から濃度計によって吸光度を
測定することができる。
【0098】本発明における直描型平版印刷版原版は、
照射されたレーザーによる熱を基板に逃がすことを防ぐ
ため、断熱層を設けることが効果的である。基板とイン
キ受容層(感熱層)の接着性を強固にするために従来用
いられてきた公知のプライマー層をその代用として用い
てもよい。
【0099】本発明における直描型平版印刷版原版で断
熱層を使用する場合、次の条件を満たすことが好まし
い。すなわち、アルミ基板とインキ受容層(感熱層)と
をよく接着し、経時において安定であり、さらに現像
液、印刷時に使用する溶剤に対する耐性が高いという効
果が得られる。
【0100】このような条件を満たすものとして、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノ−ル樹脂、アクリ
ル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、カゼイ
ン、ゼラチン等を含むものが挙げられる。これらの中で
は、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂等を単独で、あるいは2種
以上を混合して用いることが好ましい。
【0101】また、この断熱層中に顔料、染料等の添加
剤を含有させて検版性を向上させることも好ましい。
【0102】断熱層の厚さは被覆層にして0.5〜50
g/m2 が好ましく、1〜10g/m2がより好まし
い。厚さを0.5g/m2以上とすることにより基板表
面の形態欠陥および化学的悪影響の遮断効果が向上し、
50g/m2以下とすることにより経済的見地から有利
となる。
【0103】本発明における直描型平版印刷版原版に
は、インキ反発層を保護する目的で保護フィルムをラミ
ネートするかあるいは保護層を形成してもよい。保護フ
ィルムとしてはポリエステルフィルム、ポリプロピレン
フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン酢
酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、ポリ塩化ビニリデ
ンフィルムなどが挙げられる。このようにして得られた
直描型平版印刷版原版を、保護フィルムを剥離してか
ら、あるいは保護フィルム上からレーザー光で画像状に
露光する。
【0104】本発明における直描型水なし平版印刷版原
版の製造方法は、 基板上に、リバースロールコータ
ー、エアーナイフコーター、グラビアコーター、ダイコ
ーター、メーヤバーコーターなどの通常のコーターある
いはホエラーのような回転塗布装置を用い、必要に応じ
て断熱層組成物を塗布し100〜300℃で数分間加熱
あるいは活性光線照射により硬化させた後、インキ受容
層組成物を塗布し50〜180℃で数十秒から数分間加
熱乾燥、必要により硬化させる。
【0105】この後、シリコーンゴム組成物を塗布し5
0〜200℃の温度で数分間熱処理してシリコーンゴム
層を得る。その後、必要に応じて保護フィルムをラミネ
ートするか、あるいは保護層を形成する。
【0106】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく
説明する。
【0107】
【実施例】実施例1 厚さ0.24mmの脱脂したアルミ板上に下記の組成よ
りなる溶液を塗布し、200℃×2分間乾燥し、3g/
2の断熱層を設けた。 <断熱層組成(固形分濃度19.6重量部)> (1)エポキシ・フェノール樹脂“カンコート”90T
−25−3094(関西ペイント(株)製):15重量
部 [溶媒成分] (1)ジメチルホルムアミド:85重量部 この断熱層の上に下記の感熱層組成物を塗布した。乾燥
膜厚は1.0g/m2、熱処理は140℃×1分間であ
る。 <感熱層1> (1)3−ブチル−1,1−ジメチル−2−[2[2-ジフ
ェニルアミノ-3-[(3-ブチル-1,3-ジヒドロ-1,1-ジメチ
ル-2Hベンズインドール-2-イリデン)エチリデン]-1-シ
クロペンテン-1-イル]エチニル]-1H-ベンズインドリウ
ムパークロレイト(3-Butyl-1,1-dimetyl-2-[2[2-diphe
nylamino-3-[(3-butyl-1,3-dihydro-1,1-dimetyl-2H-be
nz[e]indole-2-ylidene)etylidene]-1-cyclopenten-1-y
l]etyenyl]-1H-benz[e]indolium perchlorate):15
重量部 (2)鉄(III)アセチルアセトネート(半井化学薬品
(株)製):10重量部 (3)“スミラック”PC−1(レゾール樹脂、住友デ
ュレス(株)製)):75重量部 (4)テトラヒドロフラン:100重量部 (5)ジメチルホルムアミド:100重量部 (6)メチルエチルケトン:700重量部
【0108】次いで、下記シリコーンゴム層組成物を乾
燥膜厚2.0μm、乾燥条件は120℃×1分間(湿熱
乾燥)として塗設した。 <シリコーンゴム層1> (1)ポリジメチルシロキサン(分子量約50,00
0、両末端水酸基):100重量部 (2)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラ
ン:8重量部 (3)ジブチル錫ジアセテ−ト:0.5重量部 (4)3−アミノプロピルトリエトキシシラン:0.5
重量部 (5)“アイソパ−E”(イソパラフィン系炭化水素、
エクソン化学(株)製):1400重量部 上記のようにして得られた積層板に、保護フィルム(ポ
リプロピレンフィルム8μm)をカレンダーローラーを
用いてラミネートし、直描型水なし平版印刷版原版を得
た。
【0109】この後、この印刷版原版をFX400−A
P(製版機、東レエンジニアリング(株)製)に装着
し、半導体レーザー(波長830nm、ビーム直径20
μm)を用いて露光時間10μsで照射エネルギー12
5mJ/cm2で露光を行った。
【0110】続いて、“NP−1”(東レ(株)製、水
なし平版ネガ型用前処理液)に1分間浸した後、水を含
ませた“ハイゼガーゼ”(旭化成工業(株)製)で擦る
ことにより現像を行ったところ、レーザー光が照射され
た部分のシリコーンゴム層のみが除去されたネガ型の水
なし平版印刷版が得られた。この印刷版のシリコーンゴ
ム層が除去された画線部に次ような組成の修正液を塗布
し、室温で乾燥した。塗布後1〜2分で塗膜は乾燥し、
ベトツキの無い強固な塗膜となった。本操作により画像
は消去され、非画像部となっていた。
【0111】塗布後約5分間放置後、得られた刷版を枚
葉オフセット印刷機「HAMADARS34L」(ハマ
ダ印刷機械(株)製)に取り付け、水なし平版用インキ
(ドライオカラーNSI、藍、大日本インキ化学工業
(株)製)を使用して上質紙(62.5kg/菊)に印刷した
ところ、画像を忠実に再現した印刷物が得られ、10万
枚の連続印刷を行ったが、地汚れなどもなく、良好な印
刷物が得られた。
【0112】また、“アイソパ−E”(イソパラフィン
系炭化水素、エクソン化学(株)製)をしみこませたウ
エスで版面を10回程度拭いたが、修正によって消去さ
れた画像が印刷物に現れることは無かった。 <修正液1> (1)両末端水酸基ジメチルポリシロキサン(数平均分
子量22,000):50重量部 (2)SH−200(ジメチルポリシロキサン、東レ・
ダウコーニング・シリコーン(株)製、粘度10,00
0センチストークス(10,000×10-6平方メート
ル毎秒)):50重量部 (3)メチルトリアセトキシシラン:20重量部 (4)酢酸ジブチル錫:2重量部 (5)“アイソパ−E”(イソパラフィン系炭化水素、
エクソン化学(株)製):420重量部 (6)酢酸n−ブチル:70重量部 実施例2 実施例1と同様にして得た印刷版を実施例1で用いた修
正液1の代わりに次の修正液2を用いて画線部を消去し
た。この結果、実施例1と同様に塗布後約5分間放置
後、得られた刷版を枚葉オフセット印刷機「HAMAD
A RS34L」(ハマダ印刷機械(株)製)に取り付
け、水なし平版用インキ(ドライオカラーNSI、藍、
大日本インキ化学工業(株)製)を使用して上質紙(6
2.5kg/菊)に印刷したところ、画像を忠実に再現した
印刷物が得られ、10万枚の連続印刷を行ったが、地汚
れなどもなく、良好な印刷物が得られた。
【0113】また、“アイソパ−E”(イソパラフィン
系炭化水素、エクソン化学(株)製)をしみこませたウ
エスで版面を10回程度拭いたが、修正によって消去さ
れた画像が印刷物に現れることは無かった。 <修正液2> (1)両末端水酸基ジメチルポリシロキサン(数平均分
子量22,000):50重量部 (2)SH−200(ジメチルポリシロキサン、東レ・
ダウコーニング・シリコーン(株)製、粘度100,0
00センチストークス(100,000×10-6平方メ
ートル毎秒)):50重量部 (3)メチルトリアセトキシシラン:15重量部 (4)テトラアセトキシシラン:2重量部 (5)酢酸ジブチル錫:1重量部 (6)“アイソパ−E”(イソパラフィン系炭化水素、
エクソン化学(株)製):420重量部 (7)酢酸n−ブチル:70重量部
【0114】
【発明の効果】本発明によれば作業が容易な直描型水な
し平版印刷版の修正方法を提供することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AB04 AC08 AD01 AD03 CC20 FA03 FA17 FA33 2H084 AA14 AA34 AE05 CC06 2H096 AA13 BA16 EA04 GA08 HA05 JA04 2H114 AA05 AA24 AA27 AA30 BA01 BA10 DA05 DA09 DA33 DA34 DA38 DA39 DA43 DA52 DA53 DA55 DA56 DA59 DA60 DA62 EA01 EA02 EA08 GA28 GA34

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、少なくとも感熱層、シリコーン
    ゴム層をこの順に有し、レーザー光を照射した後に現像
    を行うことによって画像状にシリコーンゴム層を除去し
    た印刷版を修正する方法であって、シリコーンゴム層の
    欠点部分および/またはシリコーンゴム層が除去された
    画線部に、シリコーンゴム溶液を塗布、硬化してシリコ
    ーンゴム薄膜を形成せしめることを特徴とする直描型水
    なし平版印刷版の修正方法。
  2. 【請求項2】シリコーンゴム溶液が、 (a)両末端に各1個以上の官能基を有する線状ジオル
    ガノポリシロキサン (b)官能基を有しないか、あるいは方末端のみに1個
    以上の官能基を有する線状ジオルガノポリシロキサン (c)前記官能基と縮合あるいは付加反応を起こしうる
    官能基を複数個有する架橋剤 (d)前記架橋反応に対する触媒 を含有してなることを特徴とする請求項1記載の直描型
    水なし平版印刷版の修正方法。
JP2000145579A 2000-05-17 2000-05-17 直描型水なし平版印刷版の修正方法 Pending JP2001324820A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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