JP2001010249A - 直描型平版印刷版原版 - Google Patents

直描型平版印刷版原版

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JP2001010249A
JP2001010249A JP11183307A JP18330799A JP2001010249A JP 2001010249 A JP2001010249 A JP 2001010249A JP 11183307 A JP11183307 A JP 11183307A JP 18330799 A JP18330799 A JP 18330799A JP 2001010249 A JP2001010249 A JP 2001010249A
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plate
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JP11183307A
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Kazuoki Goto
一起 後藤
Koichi Nagase
公一 長瀬
Ken Kawamura
建 河村
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】画像再現性の良好なネガ型の直描型平版印刷版
原版を提供する。 【解決手段】アルミ基板上に、少なくとも感熱層および
インキ反発層をこの順に有する直描型平版印刷版原版で
あって、該アルミ基板がクロメート系化学皮膜を表面に
有することを特徴とする直描型平版印刷版原版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光で直接
製版できる直描型平版印刷版原版に関するものであり、
特に湿し水を用いずに印刷が可能な直描型水なし平版印
刷版原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製版用フィルムを使用しないで、原稿か
ら直接オフセット印刷版を作製する、いわゆる直描型製
版は、熟練度を必要としない簡易性、短時間で印刷版が
得られる迅速性、多様なシステムから品質とコストに応
じて選択可能である合理性などの特徴を生かして、軽印
刷業界のみでなく、一般オフセット印刷、フレキソ印刷
の分野にも進出し始めている。特に最近では、プリプレ
スシステムやイメージセッター、レーザープリンタなど
の出力システムの急激な進歩によって新しいタイプの各
種直描型平版印刷版が開発されている。これらの直描型
平版印刷版を製版方法から分類すると、レーザー光を照
射する方法、サーマルヘッドで書き込む方法、ピン電極
で電圧を部分的に印加する方法、インクジェットでイン
キ反撥層またはインキ着肉層を形成する方法などが挙げ
られる。なかでも、レーザー光を用いる方法は解像度、
および製版速度の面で他の方式よりも優れており、その
種類も多い。
【0003】このレーザー光を用いる印刷版はさらに、
光反応によるフォトンモードのものと、光熱変換を行っ
て熱反応を起こさせるヒートモードの2つのタイプに分
けられる。特にヒートモードの方式は、明室で取り扱え
るといった利点があり、また光源となる半導体レーザー
の急激な進歩によって、最近その有用性が見直されてき
ている。
【0004】例えば、米国特許第5339737号、米
国特許第5353705号、特開平6−55723号公
報、米国特許第5378580号、特開平7−1647
73号公報、特開平6−186750号公報、特開平7
−309001号公報、特開平9−104182号公
報、特開平9−146264号公報、特開平9−146
265号公報、特開平9−236927号公報、特開平
9−244228号公報および米国特許第548733
8号、米国特許第5385092号、米国特許第564
9486号、米国特許第5704291号、米国特許第
5570636号にはレーザー光を光源として用いる直
描型水なし平版印刷版原版およびその製版方法などが記
載されている。
【0005】この熱破壊方式の印刷版原版の感熱層は、
レーザー光吸収化合物として主としてカーボンブラック
を用い、熱分解化合物としてニトロセルロースを使用し
ている。そしてこのカーボンブラックがレーザー光を吸
収することによって熱エネルギーに変換され、その熱で
感熱層が破壊される。そして最終的に、現像によってこ
の部分を除去することによって、表面のシリコーンゴム
層が同時に剥離され、インキ着肉部となる。
【0006】しかしながらこの印刷版は、感熱層を破壊
して画像を形成することから画線部のセルの深さが深く
なり、微少網点でのインキ着肉性が悪く、インキマイレ
ージが悪いという問題点があった。更に、感熱層を熱破
壊させ易くするために、架橋構造を形成しており印刷版
の耐刷性が悪いという問題もあった。更にこの印刷版は
感度が低く、感熱層を破壊させるために高いレーザー光
の強度が必要という問題点もあった。
【0007】特開平9−239943号公報では、レー
ザー光を熱に変換することによりシリコーンゴム層との
密着性が低下する層、および固形分量に対して10〜2
0重量%のオルガノハイドロジェンシロキサンを含有す
る付加型シリコーンゴム層を有するヒートモードの湿し
水不要平版印刷原版が提案されている。しかしながら、
かかる提案においても感熱層は基本的にカーボンブラッ
クとニトロセルロースより構成されており、レーザー照
射後、現像により除去されるタイプであり、インキ受容
性層は感熱層の下層のプライマー層であるため、インキ
マイレージの問題や製版に要するレーザー光の強度の問
題を有していた。特開平9−244228号公報は、プ
ライマー層に中空ポリマー微粒子を含有させることによ
って高感度化を可能にするものである。しかしながら、
インキマイレージの問題は依然として残っていた。
【0008】特開平9−239942号公報は、レーザ
ー感応層中に酸を発生する物質と、酸の作用で分解する
高分子化合物を含有する剥離現像タイプの印刷版が記載
されているが、レーザー光照射の工程と加熱工程という
二つの工程が必要であるため工程が煩雑になり、また微
細な網点の再現性が悪いという剥離現像固有の問題が存
在する。
【0009】その他、米国特許第5379698号、特
開平7−314934号公報、特開平9−236927
号公報には、金属薄膜を感熱層として用いる直描型水な
し平版印刷版が記載されている。この印刷版材は、感熱
層がかなり薄いために、非常にシャープな画像が得ら
れ、印刷版の解像度という面では有利であるが、基材と
感熱層の接着性が悪く印刷中に非画線部の感熱層が剥離
し、インキが付着し印刷物上で欠点となるという問題点
があった。
【0010】以上のようなレーザー光を用いた平版印刷
版の他に、特に直描型水なし平版印刷版に関するものと
して、熱接着型の直描型水なし平版印刷版が考えられ
る。このタイプの版材は、レーザー光照射部のシリコー
ンゴム層が選択的に残存し、非画線部として働くもので
ある。このようなタイプの版材は、例えば特開平9−6
8794号公報、特開平9−80745号公報、特開平
9−120157号公報、特開平9−197659号公
報などで提案されている。特開平9−120157号公
報で提案されている版材は、レーザー光照射により発生
した酸を触媒として感光層の反応を進め、画像を再現す
るというものである。しかしながら、酸発生後、反応を
進めるためには、熱処理という工程が必要であった。さ
らに、酸発生後から熱処理までの時間が画像再現性に影
響を与えるため、画像再現性が不安定となるという問題
を有していた。特開平9−80745号公報、特開平9
−197659号公報で提案されている版材も、感光層
中に活性光線の照射で酸を発生しうる化合物および酸の
存在下で反応し得る結合を有する化合物が含まれてお
り、レーザー光照射後、発生した酸を用いて反応を進め
るタイプであるため、上記と同様の問題を有していた。
さらに、熱接着型の根本的な問題点としては、印刷版に
おいては非画線部の面積が60〜70%を占めるため、
1枚の印刷版を作製する上でのレーザー照射時間が長く
なり、結果としてレーザー照射器の寿命を短くしてしま
うという問題が存在している。
【0011】このように直描型の印刷版の開発が進む中
で、印刷機上でレーザー照射後、現像し、そのまま印刷
を行おうとする機上製版の技術も開発が進んでいる。特
開平9−300837号公報には、その一例であり、フ
ィルム基材上にレーザービームを受けて発泡する発泡
層、シリコーン樹脂層、ベースフィルム層よりなる機上
製版用記録版材に関するものが提案されている。この版
材では、発泡層の発泡で歪みを生じたシリコーンゴム層
をベースフィルムの剥離により現像しようとするもので
あるが、微細な網点の再現性が悪いという剥離現像固有
の問題が存在していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術のすべての欠点を改良し、インキマイレージを良好に
保持したまま、耐刷性に優れ画像再現性の良好なネガ型
の直描型水なし平版印刷版を提供することを課題とする
ものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は主として次の構成を有する。すなわち、
「アルミ基板上に、少なくとも感熱層およびインキ反発
層をこの順に有する直描型平版印刷版原版であって、該
アルミ基板がクロメート系化学皮膜を表面に有すること
を特徴とする直描型平版印刷版原版」である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
【0015】本発明の特徴とするところは、アルミ基板
上に、少なくとも感熱層およびインキ反発層をこの順に
有する直描型平版印刷版原版であって、アルミ基板がク
ロメート系化学皮膜を表面に有するアルミ基板であるこ
とである。
【0016】本発明のクロメート系化学皮膜を表面に有
するアルミ基板を用いた直描型平版印刷版原版は、耐刷
性に優れる。この理由は、アルミ基板と感熱層との間の
接着が強固なため、印刷を繰り返すことによる接着部の
破壊が生じないためと考える。
【0017】本発明で用いられるクロメート系化学皮膜
を表面に有するアルミ基板とは、クロム酸塩や重クロム
酸塩を含んだ液で処理することによって得られるもので
あり、皮膜の厚みは、0.005g/m2以上、1g/
2以下が好ましい。0.005g/m2以上の厚みであ
れば接着力向上効果が大きく、1g/m2以下であれば
皮膜内部の凝集破壊が生じることもなく、印刷において
破損を生じない。
【0018】クロメート系化学皮膜としては、アルカリ
−クロム酸塩系、クロム酸塩系、リン酸−クロム酸塩
系、リン酸亜鉛系などが挙げられる。アルカリ−クロム
酸塩系の皮膜組成は、アルミニウムの酸化物およびクロ
ムの酸化物からなる。クロム酸塩系の皮膜組成は、アル
ミニウムの酸化物、3価クロムの化合物からなる。リン
酸−クロム酸塩系の皮膜組成は、リン酸クロム、リン酸
アルミ等から成る。リン酸亜鉛系では、リン酸亜鉛が主
成分となる。
【0019】これらの化学皮膜を形成するための処理方
法は、アルカリ−クロム酸塩系ではNa2CO32〜5重
量%、Na2CrO40.5〜2.5重量%の水溶液にア
ルミ原板を90〜100℃で3〜5分間浸すことによっ
て得られる。
【0020】クロム酸塩系ではクロム酸、ふっ化水素酸
を含んだ水溶液で室温〜70℃で3〜10秒間アルミ原
板を処理することによって得られる。
【0021】リン酸−クロム酸塩系では、リン酸、クロ
ム酸、もしくはリン酸クロムおよびふっ化水素酸を含ん
だ水溶液で40〜50℃で30秒〜2分間アルミ原板を
処理することによって得られる。
【0022】リン酸亜鉛系ではリン酸亜鉛、硝酸などを
含んだ水溶液で60〜70℃で30秒〜2分間アルミ原
板を処理することによって得られる。
【0023】このような処理としては、安定性の点か
ら、アルカリ−クロム酸塩系、もしくはリン酸−クロム
酸塩系で処理することが好ましい。
【0024】本発明の感熱層として、レーザー照射の作
用で分解し得る化合物および/または熱硬化性の化合物
を含有することが好ましい。
【0025】レーザー照射の作用で分解し得る化合物と
しては、その化合物自体はレーザー光を吸収しないが、
レーザー光を吸収する別の化合物の作用により化合物が
分解する場合と、その化合物自体がレーザー光を吸収し
て分解する場合が挙げられる。
【0026】その化合物自体はレーザー光を吸収しない
が、レーザー光を吸収する別の化合物の作用により分解
する化合物としては、硝酸アンモニウム、硝酸カリウ
ム、硝酸ナトリウム、炭酸エステル化合物、ニトロセル
ロース等のニトロ化合物や、過酸化ベンゾイル、過安息
香酸エステルなどの有機過酸化物、無機過酸化物、ポリ
ビニルピロリドン、アゾジカルボンアミド、アゾビスイ
ソブチロニトリルなどのアゾ化合物、N,N’−ジニト
ロペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物、ア
ジド化合物、ジアゾ化合物あるいはp−トルエンスルホ
ニルヒドラジン、p,p’−オキシビス(ベンゼンスル
ホヒドラジン)などのスルホニルヒドラジド化合物、さ
らにはその他の低分子、高分子ヒドラジン誘導体、など
を挙げることができる。さらには、レーザー光の作用で
酸やアミンを発生する化合物と、発生した酸あるいはア
ミンの作用で分解する化合物も、本発明に使用すること
ができる。このような化合物の含有量は、全感熱層組成
物に対して、0.1〜70重量%、好ましくは1〜50
重量%、さらに好ましくは5〜30重量%である。
【0027】また、レーザー光を吸収する別の化合物と
しては、公知の光熱変換物質を挙げることができる。光
熱変換物質の具体例としては、カーボンブラック、チタ
ンブラック、アニリンブラック、シアニンブラックなど
の黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニン系の緑
色顔料、カーボングラファイト、ジアミン系金属錯体、
ジチオール系金属錯体、フェノールチオール系金属錯
体、メルカプトフェノール系金属錯体、結晶水含有無機
化合物、硫酸銅、硫化クロム、珪酸塩化合物や、酸化チ
タン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コ
バルト、酸化タングステンなどの金属酸化物、これらの
金属の水酸化物、硫酸塩などを挙げることができる。こ
れらのなかでも、光熱変換率、経済性および取り扱い性
の面から、カーボンブラックが好ましい。
【0028】また、赤外線または近赤外線を吸収する色
素、特に染料が光熱変換物質として好ましく使用され
る。特に好ましい色素としては、シアニン系、フタロシ
アニン系、ナフタロシアニン系、ジチオール金属錯体
系、ピアズレニウム系、スクアリリウム系、クロコニウ
ム系、アゾ系分散色素、ビスアゾ系、ビスアゾスチルベ
ン系、ナフトキノン系、アントラキノン系、ペリレン
系、ポリメチン系、インドアニリン金属錯体染料、分子
間型CT系、ベンゾチオピラン系、スピロピラン系、ニ
グロシン系、チオインジゴ系、ニトロソ系、キノリン
系、フルギド系の色素、特に染料などが挙げられる。
【0029】これら光熱変換物質の含有量は、全感熱層
組成物に対して1〜40重量%が好ましく、5〜25重
量%がより好ましい。1重量%以上であればレーザー光
に対する感度の向上効果が大きく、40重量%以下であ
れば印刷版の耐刷性が低下することもない。
【0030】レーザー光を吸収してそれ自体が分解する
化合物としては、上記の光熱変換作用を示す染料、顔料
のうち、比較的分解しやすいものを挙げることができ
る。特に好ましい色素としては、シアニン系、フタロシ
アニン系、ナフタロシアニン系、ジチオール金属錯体
系、ピアズレニウム系、スクアリリウム系、クロコニウ
ム系、アゾ系分散色素、ビスアゾ系、ビスアゾスチルベ
ン系、ナフトキノン系、アントラキノン系、ペリレン
系、ポリメチン系、インドアニリン金属錯体染料、分子
間型CT系、ベンゾチオピラン系、スピロピラン系、ニ
グロシン系、チオインジゴ系、ニトロソ系、キノリン
系、フルギド系の色素、特に染料などが挙げられる。こ
れら化合物の含有量は、全感熱層組成物に対して1〜4
0重量%が好ましく、5〜25重量%がより好ましい。
1重量%以上であればレーザー光に対する感度の向上効
果が大きく、40重量%以下であれば印刷版の耐刷性が
低下することもない。
【0031】このようなレーザー照射の作用で分解し得
る化合物としては、ポリメチン系近赤外吸収染料、フタ
ロシアニン系近赤外吸収染料、シアニン系近赤外吸収染
料、ジチオール金属錯体系近赤外吸収染料などが好まし
く、さらにはこれら近赤外吸収染料と有機過酸化物、ア
ゾ化合物、アジド系化合物、ジアゾ化合物、ヒドラジン
誘導体から選ばれる少なくとも1種との組み合わせが好
ましい。
【0032】また、感熱層中に熱硬化性の化合物を含有
することが好ましい。本発明における熱硬化性の化合物
とは、印刷版原版の感熱層中にあって、レーザー照射の
作用で直接あるいは間接的に熱硬化し得る性能を依然と
して有している化合物群のことを言う。このような熱硬
化性の化合物としては、フェノール、クレゾール、キシ
レノールなどのフェノール類とホルムアルデヒドの縮合
反応により得られるノボラック樹脂やレゾール樹脂、フ
ェノール・フルフラール樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリ
エステル、アルキド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、
グアナミン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、不飽和ポリウレタン樹脂、ポリイミド前駆体などを
挙げることが出来るが、これらに限定されるものではな
い。
【0033】また、上記のごとく樹脂自体が反応するも
のの他に、反応性の官能基を有する化合物に熱反応性の
架橋剤を添加した組成物も、熱硬化性の化合物として本
発明に使用することができる。架橋剤としては架橋性を
有する公知の多官能性化合物が挙げられ、多官能ブロッ
クドイソシアネート、多官能エポキシ化合物、多官能ア
クリレート化合物、金属キレート化合物、多官能アルデ
ヒド、多官能メルカプト化合物、多官能アルコキシシリ
ル化合物、多官能アミン化合物、多官能カルボン酸、多
官能ビニル化合物、多官能ジアゾニウム塩、多官能アジ
ド化合物、ヒドラジンなどが挙げられる。また、上記架
橋剤の反応を促進するために公知の触媒を添加してもよ
い。これらの架橋剤は単独で、または2種以上を混合し
て使用することも可能である。
【0034】さらには、熱の作用で酸やアミンを発生す
る化合物と、発生した酸あるいはアミンの作用で硬化す
る化合物も本発明に使用することができる。このような
熱硬化性の化合物の中では、フェノール樹脂と金属キレ
ート化合物の組み合わせが特に好ましい。
【0035】このような熱硬化性の化合物の感熱層中に
占める割合としては、全感熱層組成物の10〜95重量
%、さらには30〜70重量%であることが好ましい。
熱硬化性の化合物の量が10重量%以上であれば感熱層
の熱硬化による画線部感熱層の耐溶剤性の向上効果が見
られる。一方、95重量%以下であれば相対的に熱分解
性化合物や光熱変換物質が少なくなることに起因するレ
ーザー照射による画像形成性の問題が生じることもな
い。
【0036】その他、感熱層中にはバインダーポリマー
や界面活性剤、各種添加剤を含有してもよい。
【0037】バインダーポリマーの具体例としては、ポ
リメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートな
どのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの単独
重合体および共重合体、ポリスチレン、α−メチルスチ
レン、ヒドロキシスチレンなどのスチレン系モノマーの
単独重合体および共重合体、イソプレン、スチレン−ブ
タジエンなどの各種合成ゴム類、ポリ酢酸ビニル、塩化
ビニルなどのビニルエステル類の単独重合体および共重
合体、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキシ
ドなどのポリオキシド類(ポリエーテル類)、ポリエス
テル類、ポリウレタン類、ポリアミド類、エチルセルロ
ース、セルロースアセテートなどのセルロース誘導体
類、フェノキシ樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリパラキ
シリレン樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂などが
挙げられる。
【0038】これらのバインダーの含有量は、全感熱層
組成物に対して5〜70重量%が好ましく、10〜50
重量%がより好ましい。含有量が5%以上であれば耐刷
性や塗液の塗工性が良好であり、70重量%以下であれ
ば画像再現性に悪影響を与えることもない。
【0039】感熱層の厚さは、被覆層にして0.1〜1
0g/m2であると、印刷版の耐刷性や、希釈溶剤を揮
散し易く生産性に優れる点で好ましく、0.5〜7g/
2がより好ましい。
【0040】このような感熱層を有する直描型平版印刷
版原版にレーザーが照射されると、感熱層表面において
は、光熱変換物質の働きでレーザー光の作用で分解する
化合物が分解する。光熱変換物質自体がレーザー光の作
用で分解する場合もある。また、その際、窒素、酸素な
どのガスを発生することが好ましい。このような化合物
の分解さらにはガスの作用で、シリコーンゴム層と感熱
層間の接着力が弱められる。一方、レーザー照射部の感
熱層内部においては、熱硬化性の化合物の硬化が進行す
る。その結果、レーザー照射部の感熱層の耐溶剤性が高
められる。これらの結果、その後の現像処理によりレー
ザー照射部の感熱層の極表面とシリコーンゴム層のみが
剥離された印刷版が得られる。
【0041】このようにして得られた版においては、画
線部感熱層の耐溶剤性は高く、残存しているため、微小
網点の再現性やインキマイレージが良好であるというメ
リットを有する。
【0042】本発明におけるインキ反発層としては、ビ
ニルアルコール類などからなる親水性層、アクリル酸や
アクリル酸塩、スルホン酸やスルホン酸塩などを含む親
水性層、特開平8−282142号公報、特開平8−2
82144号公報、特開平8−292558号公報、特
開平9−54425号公報などで提案されている親水性
膨潤層や、シリコーンゴム層、フッ素化合物を含有する
層などを用いることが出来るが、好ましくはシリコーン
ゴム層である。シリコーンゴム層としては、付加重合型
のもの、縮合重合型のものいずれも用いられる。
【0043】付加重合型のシリコーンゴム層を構成する
成分としては、ビニル基含有ポリジメチルシロキサン、
SiH基含有ポリシロキサン、さらには硬化速度を制御
する目的で反応抑制剤、および硬化触媒を含む。
【0044】ビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、
下記一般式(I)で表される構造を有し、分子末端およ
び/または主鎖中にビニル基を有するものである。
【0045】
【化1】 (式中、nは2以上の整数を示し、R1、R2は炭素数1
〜50の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素数2〜
50の置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素数4〜
50の置換あるいは非置換のアリール基の群から選ばれ
る少なくとも1種の基を示し、それぞれ同一であっても
異なっていてもよい。) 上記式中のR1、R2は全体の50%以上がメチル基であ
ることが、印刷版のインキ反発性の面で好ましい。ま
た、分子量としては数千〜数十万のものが使用できる
が、その取扱い性や得られた印刷版のインキ反発性、耐
傷性などの観点から重量平均分子量1万〜20万、さら
には3万〜15万のものを用いることが好ましい。
【0046】SiH基含有ポリシロキサンとしては、分
子鎖中、または末端にSiH基を有する、例えば下記一
般式(II)〜(V)で表されるような化合物を挙げることが
できる。
【0047】
【化2】
【0048】
【化3】
【0049】
【化4】 (式(II)〜(IV)中、nは1以上の整数、mは1以上の整
数である。)
【0050】
【化5】
【0051】SiH基含有ポリシロキサン中におけるS
iH基の量としては、1分子中に2個以上、さらには3
個以上であることが好ましい。SiH基含有ポリシロキ
サンの添加量としては、シリコーンゴム層全組成物の3
〜20重量%であることが好ましく、さらに好ましくは
5〜15重量%である。ポリジメチルシロキサンとの量
比ということで言えば、SiH基/ポリジメチルシロキ
サンのビニル基のモル比が1.5〜30であることが好
ましく、さらに好ましくは10〜20である。このモル
比が1.5以上である場合には、シリコーンゴム層の硬
化が十分であり、30以下である場合にはゴムの物性の
脆化もなく、印刷版の耐傷性などに悪影響を与えること
もない。
【0052】反応抑制剤としては、含窒素化合物、リン
系化合物、不飽和アルコールなどが挙げられるが、アセ
チレン基含有のアルコールなどが好ましく用いられる。
反応抑制剤の好ましい添加量としては、シリコーンゴム
組成物中の0.01〜10重量%、さらに好ましくは1
〜5重量%である。
【0053】硬化触媒としては、III族遷移金属化合
物、好ましくは、白金化合物であり、具体的には白金単
体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金、白金
のアルコール変性錯体、白金のメチルビニルポリシロキ
サン錯体などを一例として挙げることができる。このよ
うな硬化触媒の量は、シリコーンゴム層中に固形分とし
て0.01〜20重量%、さらには0.1〜10重量%
であることが好ましい。添加する触媒量が0.01重量
%以上である場合にはシリコーンゴム層の硬化が十分と
なり、さらに感熱層との接着性に問題を生じない。他方
20重量%以下の場合にはシリコーンゴム層溶液のポッ
トライフに悪影響をもたらすこともない。シリコーンゴ
ム層組成物中における白金などの金属の量で言えば、1
0〜1000ppm、さらには100〜500ppmで
あることが好ましい。
【0054】また、これらの組成物の他に、縮合型シリ
コーンゴム層の組成物である水酸基含有オルガノポリシ
ロキサンや加水分解性官能基含有シランもしくは加水分
解性官能基含有シロキサン、ゴム強度を向上させる目的
でシリカなどの公知の充填剤、接着性を向上させる目的
で公知のシランカップリング剤、チタネート系カップリ
ング剤、アルミニウム系カップリング剤などを含有して
もよい。シランカップリング剤としては、アルコキシシ
ラン類、アセトキシシラン類、ケトキシミンシラン類等
が好ましく、特にビニル基を有するものや、ケトキシミ
ンシラン類が好ましい。
【0055】また、縮合重合型のシリコーンゴム層を構
成する成分としては、水酸基含有ポリジメチルシロキサ
ン、架橋剤(脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコール
型、脱アミン型、脱アセトン型、脱アミド型、脱アミノ
キシ型など)、および硬化触媒を含む。
【0056】水酸基含有ポリジメチルシロキサンも、上
記一般式(I)で表される構造を有する。水酸基は分子
末端および/もしくは主鎖中に位置することができる
が、好ましく用いられるものは分子量末端に水酸基を有
するものである。一般式中のR 1、R2については、同様
に全体の50%以上がメチル基であることが、印刷版の
インキ反発性の面で好ましい。分子量としては数千〜数
十万のものが使用できるが、その取扱い性や得られた印
刷版のインキ反発性、耐傷性などの観点から重量平均分
子量1万〜20万、さらには3万〜15万のものを用い
ることが好ましい。
【0057】縮合重合型のシリコーンゴム層で用いられ
る架橋剤としては、下記一般式(VI)で表される、アセ
トキシシラン類、アルコキシシラン類、ケトキシミンシ
ラン類、アリロキシシラン類などを挙げることができ
る。 (R34-nSiXn (VI) (式中、nは2〜4の整数を示し、R3は炭素数1以上
の置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、ア
リール基、またはこれらの組み合わされた基を示す。X
はハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケト
キシミン基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニルオ
キシ基から選ばれる加水分解性の官能基を示す。)上記
式(VI)において、加水分解性基の数nは3または4で
あることが好ましい。
【0058】具体的な化合物としては、メチルトリアセ
トキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルト
リアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テト
ラプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリフェノキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
アリルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシ
シラン、ビニルトリスイソプロペノキシシラン、ビニル
メチルビス(メチルエチルケトキシミン)シラン、メチ
ルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン、ビニルト
リ(メチルエチルケトキシミン)シラン、テトラ(メチ
ルエチルケトキシミン)シラン、ジイソプロペノキシジ
メチルシラン、トリイソプロペノキシメチルシラン、テ
トラアリロキシシラン、などが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。これらの中では、シリコーン
ゴム層の硬化速度、取扱い性などの観点から、アセトキ
シシラン類、ケトキシミンシラン類が好ましい。
【0059】一般式(VI)で表される架橋剤の添加量と
しては、シリコーンゴム層全組成物の1.5〜20重量
%であることが好ましく、さらに好ましくは3〜10重
量%である。ポリジメチルシロキサンとの量比というこ
とで言えば、官能基/ポリジメチルシロキサンの水酸基
のモル比が1.5〜10.0であることが好ましい。こ
のモル比が1.5以上である場合には、シリコーンゴム
層溶液のゲル化が起こらず、逆に10.0以下である場
合にはゴムの物性の脆化もなく、印刷版の耐傷性などに
悪影響を与えることもない。
【0060】硬化触媒としては、酢酸、プロピオン酸、
マレイン酸などの有機カルボン酸、トルエンスルホン
酸、ホウ酸等の酸類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム等のアルカリ、アミン、およびチタ
ンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどの
金属アルコキシド、鉄アセチルアセトナート、チタンア
セチルアセトナートジプロポキシドなどの金属ジケテネ
ート、金属の有機酸塩などを挙げることが出来る。これ
らの中では、金属の有機酸塩を添加することが好まし
く、特に錫、鉛、亜鉛、鉄、コバルト、カルシウム、マ
ンガンから選ばれる金属の有機酸塩であることが好まし
い。このような化合物の具体例の一部としては、ジブチ
ル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル
錫ジラウレート、オクチル酸亜鉛、オクチル酸鉄などを
挙げることが出来る。このような硬化触媒の量は、シリ
コーンゴム層中に固形分として0.01〜20重量%、
さらには0.1〜10重量%であることが好ましい。添
加する触媒量が0.01重量%以上である場合にはシリ
コーンゴム層の硬化が十分となり、さらに感熱層との接
着性に問題を生じることもない。他方20重量%以下で
ある場合にはシリコーンゴム層溶液のポットライフに悪
影響をもたらすこともない。
【0061】また、これらの組成物の他に、ゴム強度を
向上させる目的でシリカなどの公知の充填剤、さらには
公知のシランカップリング剤を含有してもよい。これら
シリコーンゴム層の膜厚は0.5〜20g/m2が好ま
しく、1〜4g/m2がさらに好ましい。膜厚が0.5
g/m2以上である場合には印刷版のインキ反撥性や耐
傷性、耐刷性が低下もなく、20g/m2以下である場
合には経済的見地から有利であるばかりでなく、現像
性、インキマイレージも良好である。
【0062】本発明の直描型平版印刷版原版は、照射さ
れたレーザーによる熱を基板に逃がすことを防ぐため、
断熱層を設けることが効果的である。基板とインキ受容
層の接着性を強固にするために従来用いられてきた公知
のプライマー層をその代用として用いてもよい。
【0063】本発明で断熱層を使用する場合、次の条件
を満たすことが好ましい。すなわち、アルミ基板とイン
キ受容層とをよく接着し、経時において安定であり、さ
らに現像液、印刷時に使用する溶剤に対する耐性が高い
という効果が得られる。
【0064】このような条件を満たすものとして、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノ−ル樹脂、アクリ
ル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、カゼイ
ン、ゼラチン等を含むものが挙げられる。これらの中で
は、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂等を単独で、あるいは2種
以上を混合して用いることが好ましい。
【0065】また、この断熱層中に顔料、染料等の添加
剤を含有させて検版性を向上させることも好ましい。
【0066】断熱層の厚さは被覆層にして0.5〜50
g/m2 が好ましく、1〜10g/m2がより好まし
い。厚さを0.5g/m2以上とすることにより基板表
面の形態欠陥および化学的悪影響の遮断効果が向上し、
50g/m2以下とすることにより経済的見地から有利
となる。
【0067】直描型平版印刷版原版には、インキ反発層
を保護する目的で保護フィルムをラミネートするかある
いは保護層を形成してもよい。保護フィルムとしてはポ
リエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリビ
ニルアルコールフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体
ケン化物フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどが
挙げられる。このようにして得られた直描型平版印刷版
原版を、保護フィルムを剥離してから、あるいは保護フ
ィルム上からレーザー光で画像状に露光する。
【0068】かくして得られた直描型平版印刷版原版か
ら、レーザー照射の作用で感熱層表面に分解物を生じさ
せる工程、および、レーザー照射の作用で感熱層内部の
硬化を進める工程により直描型平版印刷版を製造するこ
とができる。
【0069】本発明の製版露光工程で用いられるレーザ
ー光源としては、発光波長領域が300nm〜1500
nmの範囲にあるものが用いられるが、これらの中でも
近赤外領域付近に発光波長領域が存在する半導体レーザ
ーやYAGレーザーが好ましく用いられる。具体的に
は、明室での版材の取扱い性などの観点から、780n
m、830nm、1064nmの波長のレーザー光が製
版に好ましく用いられる。
【0070】本発明においては、レーザー照射により感
熱層表面に分解物を生じさせ、さらにレーザー照射によ
り感熱層内部の硬化を進める。
【0071】レーザー照射後の原版は、水または有機溶
剤の存在下もしくは非存在下での摩擦処理により現像が
なされる。摩擦処理は、現像液を含浸した不織布、脱脂
綿、布、スポンジ等で版面を拭き取ることによって、あ
るいは下記の現像液で版面を前処理した後に水道水など
をシャワーしながら回転ブラシで擦ることによって行う
ことができる。
【0072】現像処理を行う場合に使用される現像液と
しては、例えば、水や水に界面活性剤を添加したもの、
さらには水にアルコールやケトン、エステル、カルボン
酸などの極性溶媒を添加したものや、脂肪族炭化水素
類、芳香族炭化水素類などの少なくとも1種類からなる
溶媒に極性溶媒を少なくとも1種類添加したもの、ある
いは極性溶媒が用いられる。また、上記の現像液組成に
は、公知の界面活性剤を添加することも自由に行われ
る。さらにアルカリ剤、例えば炭酸ナトリウム、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、ジグリコールア
ミン、モノグリコールアミン、ケイ酸ナトリウム、水酸
化カリウム、ホウ酸ナトリウムなどを添加することもで
きる。これらの中では、水あるいは水に界面活性剤を添
加したものが好ましい。
【0073】
【実施例】[実施例1]厚さ0.24mmのアルミ板(ス
カイアルミ社製、1100系合金)を下記の水溶液で9
5℃において4分間浸して皮膜厚み0.03g/m2
皮膜厚みを持ったアルミ板を得た。 <処理液組成(固形分濃度4重量%)> (a)無水炭酸ナトリウム(ナカライテスク社製) 3重量部 (b)無水クロム酸ナトリウム(ナカライテスク社製) 1重量部 (c)純水 96重量部 このアルミ板上に下記の感熱層を塗布した。乾燥膜厚は
1.5g/m2、熱処理は100℃×1分間である。
【0074】<感熱層> (a)カーボンブラック(#30、三菱化学(株)製、
光熱変換物質):15重量部 (b)ニトロセルロース“Bergerac NC”
(粘度1/2秒、窒素含有量11.0%、エス・エヌ・
ピー・イージャパン(株)製;レーザー照射の作用で分
解し得る化合物):15重量部 (c)鉄(III)アセチルアセトネート(半井化学薬品
(株)製):10重量部 (d)“スミラック”PC−1(レゾール樹脂、住友デ
ュレス(株)製;熱硬化性化合物):50重量部 (e)”サンプレン”LQ−T1331(ポリウレタン
樹脂、三洋化成工業(株)製):10重量部 (e)テトラヒドロフラン:100重量部 (g)ジメチルホルムアミド:100重量部 (h)メチルエチルケトン:700重量部 次いで、下記シリコーンゴム層を乾燥膜厚2.0μm、
乾燥条件は120℃×1分間(湿熱乾燥)として塗設し
た。
【0075】<シリコーンゴム層1> (a)ポリジメチルシロキサン(分子量約50,00
0、両末端が水酸基):100重量部 (b)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラ
ン:8重量部 (c)ジブチル錫ジアセテ−ト:0.5重量部 (d)3−アミノプロピルトリエトキシシラン:0.5
重量部 (e)“アイソパ−E”(イソパラフィン系炭化水素、
エクソン化学(株)製):1400重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ8μmのポリ
プロピレンフィルム“トレファン”BO(東レ(株)
製)をカレンダーローラーを用いてラミネートし、直描
型水なし平版印刷版原版を得た。
【0076】この後、この印刷版原版を「FX400−
AP」(製版機、東レエンジニアリング(株)製)に装
着し、半導体レーザー(波長830nm、ビーム直径2
0μm)を用いて露光時間10μs、照射エネルギー3
00mJ/cm2で露光を行った。
【0077】露光後の印刷版は、レーザー照射部の感熱
層のみ特異的に灰色になっており、何らかの変化が起こ
っていることが推察された。
【0078】続いて、“PP−F”(東レ(株)製、水
なし平版ポジ型用前処理液)に1分間浸した後、水を含
ませた“ハイゼガーゼ”(旭化成工業(株)製)で擦る
ことにより現像を行ったところ、レーザー光が照射され
た部分のシリコーンゴム層のみが除去されたネガ型の水
なし平版印刷版が得られた。
【0079】その際、レーザー照射部の感熱層表面に
は、レーザー照射による分解生成物と推察される微粉末
の存在が観察された。
【0080】さらに、得られた刷版を枚葉オフセット印
刷機「HAMADA RS34L」(ハマダ印刷機械
(株)製)に取り付け、水なし平版用インキ“ドライオ
カラーNSI”藍(大日本インキ化学工業(株)製)を
使用して上質紙(62.5kg/菊)に印刷したところ、画像
を忠実に再現した印刷物が得られ、15万枚の連続印刷
を行ったが、地汚れなどもなく、良好な印刷物が得られ
た。
【0081】[比較例1]厚さ0.24mmの無処理の
アルミ板を用いた以外は実施例1と同様にして直描型水
なし平版印刷版原版を得た。この版について実施例1と
同様な評価を行った。評価の結果、実施例1と同様に3
00mJ/cm2の露光量で画像が形成できたが、印刷
においては、7万枚の印刷時に地汚れが発生し、地汚れ
が生じた版を確認したところ、感熱層とアルミ板の接着
が一部破壊されていることがわかった。
【0082】[実施例2]厚さ0.24mmのアルミ板
(スカイアルミ社製、1100系合金)を下記の水溶液
で95℃において4分間浸して皮膜厚み0.05g/m
2の皮膜厚みを持ったアルミ板を得た。 <処理液組成(固形分濃度5.3重量%)> (a)リン酸クロム(ナカライテスク社製) 5重量部 (b)ふっ化水素酸(ナカライテスク社製) 0.3重量部 (c)純水 94.7重量部
【0083】このアルミ板上に実施例1と同様にして感
熱層、シリコーンゴム層を設け、直描型水なし平版印刷
版原版を得た。この版について実施例1と同様な評価を
行った。評価の結果、実施例1と同様に300mJ/c
2の露光量で画像が形成できた。印刷においては、1
5万枚の連続印刷を行ったが、地汚れなどもなく、良好
な印刷物が得られた。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、耐刷性に優れ画像再現
性の良好なネガ型の直描型平版印刷版が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H114 AA05 AA14 AA22 AA24 AA30 BA05 BA10 DA03 DA04 DA08 DA34 DA39 DA55 DA56 DA59 DA62 EA02 EA03 EA04 GA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミ基板上に、少なくとも感熱層および
    インキ反発層をこの順に有する直描型平版印刷版原版で
    あって、該アルミ基板がクロメート系化学皮膜を表面に
    有することを特徴とする直描型平版印刷版原版。
  2. 【請求項2】感熱層がレーザー照射の作用で分解し得る
    化合物および/または熱硬化性の化合物を含有すること
    を特徴とする請求項1に記載の直描型平版印刷版原版。
  3. 【請求項3】インキ反発層がシリコーンゴム層であるこ
    とを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の直
    描型平版印刷版原版。
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