JP2001071655A - 直描型印刷版原版 - Google Patents

直描型印刷版原版

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JP2001071655A
JP2001071655A JP25446199A JP25446199A JP2001071655A JP 2001071655 A JP2001071655 A JP 2001071655A JP 25446199 A JP25446199 A JP 25446199A JP 25446199 A JP25446199 A JP 25446199A JP 2001071655 A JP2001071655 A JP 2001071655A
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heat
printing plate
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wax
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Koichi Nagase
公一 長瀬
Kazuoki Goto
一起 後藤
Gentaro Obayashi
元太郎 大林
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Toray Industries Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザー光照射後の煩雑な工程を必要としな
い、取扱い性に優れた直描型平版印刷版原版を提供す
る。 【解決手段】シリコーンゴム層、インキ受容層を最外表
面から順次積層してなる印刷版において、該インキ受容
層がワックスを含有することを特徴とする直描型印刷版
原版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光で直接
製版できる直描型平版印刷版原版に関するものであり、
特に湿し水を用いずに印刷が可能な直描型水なし平版印
刷版原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製版用フィルムを使用しないで、原稿か
ら直接オフセット印刷版を作製する、いわゆる直描型製
版は、熟練度を必要としない簡易性、短時間で印刷版が
得られる迅速性、多様なシステムから品質とコストに応
じて選択可能である合理性などの特徴を生かして、軽印
刷業界のみでなく、一般オフセット印刷、フレキソ印刷
の分野にも進出し始めている。特に最近では、プリプレ
スシステムやイメージセッター、レーザープリンタなど
の出力システムの急激な進歩によって新しいタイプの各
種直描型平版印刷版が開発されている。これらの直描型
平版印刷版を製版方法から分類すると、レーザー光を照
射する方法、サーマルヘッドで書き込む方法、ピン電極
で電圧を部分的に印加する方法、インクジェットでイン
キ反撥層またはインキ着肉層を形成する方法などが挙げ
られる。なかでも、レーザー光を用いる方法は解像度、
および製版速度の面で他の方式よりも優れており、その
種類も多い。
【0003】このレーザー光を用いる印刷版はさらに、
光反応によるフォトンモードのものと、光熱変換を行っ
て熱反応を起こさせるヒートモードの2つのタイプに分
けられる。特にヒートモードの方式は、明室で取り扱え
るといった利点があり、また光源となる半導体レーザー
の急激な進歩によって、最近その有用性が見直されてき
ている。
【0004】例えば、米国特許5339737号明細
書、米国特許第5353705号明細書、特開平6−5
5723号公報、米国特許第5378580号明細書、
特開平7−164773号公報、特開平6−18675
0号公報、特開平7−309001号公報、特開平9−
104182号公報、特開平9−146264号公報、
特開平9−146265号公報、特開平9−23692
7号公報、特開平9−244228号公報および米国特
許第5487338号明細書、米国特許第538509
2号明細書、米国特許第5649486号明細書、米国
特許第5704291号明細書、米国特許第55706
36号明細書にはレーザー光を光源として用いる直描型
水なし平版印刷版原版およびその製版方法などが記載さ
れている。
【0005】この熱破壊方式の印刷版原版の感熱層は、
レーザー光吸収化合物として主としてカーボンブラック
を用い、熱分解化合物としてニトロセルロースを使用し
ている。そしてこのカーボンブラックがレーザー光を吸
収することによって熱エネルギーに変換され、その熱で
感熱層が破壊される。そして最終的に、現像によってこ
の部分を除去することによって、表面のシリコーンゴム
層が同時に剥離され、インキ着肉部となる。
【0006】しかしながらこの印刷版は、感熱層を破壊
して画像を形成することから画線部のセルの深さが深く
なり、微少網点でのインキ着肉性が悪く、インキマイレ
ージが悪いという問題点があった。更に、感熱層を熱破
壊させ易くするために、架橋構造を形成しており印刷版
の耐刷性が悪いという問題もあった。更にこの印刷版は
感度が低く、感熱層を破壊させるために高いレーザー光
の強度が必要という問題点もあった。
【0007】特開平9−239943号公報では、レー
ザー光を熱に変換することによりシリコーンゴム層との
密着性が低下する層、および固形分量に対して10〜2
0重量%のオルガノハイドロジェンシロキサンを含有す
る付加型シリコーンゴム層を有するヒートモードの湿し
水不要平版印刷原版が提案されている。しかしながら、
本提案においても感熱層は基本的にカーボンブラックと
ニトロセルロースより構成されており、レーザー照射、
現像により除去されるタイプであり、インキ受容性層は
感熱層の下層のプライマー層であるため、インキマイレ
ージの問題や製版に要するレーザー光の強度の問題を有
していた。特開平9−244228号公報は、プライマ
ー層に中空ポリマー微粒子を含有させることによって高
感度化を可能にする提案である。しかしながら、インキ
マイレージの問題は依然として残っていた。
【0008】特開平9−239942号公報では、レー
ザー感応層中に酸を発生する物質と、酸の作用で分解す
る高分子化合物を含有する剥離現像タイプの印刷版が提
案されているが、レーザー光照射の工程と加熱工程とい
う二つの工程が必要であるため工程が煩雑になり、また
微細な網点の再現性が悪いという剥離現像固有の問題が
存在する。
【0009】その他、米国特許第5379698号明細
書、特開平7−314934号公報、特開平9−236
927号公報には、金属薄膜を感熱層として用いる直描
型水なし平版印刷版が記載されている。この印刷版材
は、感熱層がかなり薄いために、非常にシャープな画像
が得られ、印刷版の解像度という面では有利であるが、
基材と感熱層の接着性が悪く印刷中に非画線部の感熱層
が剥離し、インキが付着し印刷物上で欠点となるという
問題点があった。
【0010】以上のようなレーザー光を用いた平版印刷
版の他に、特に直描型水なし平版印刷版に関するものと
して、熱接着型の直描型水なし平版印刷版が考えられ
る。このタイプの版材は、レーザー光照射部のシリコー
ンゴム層が選択的に残存し、非画線部として働くもので
ある。このようなタイプの版材としては、例えば特開平
9−68794号公報、特開平9−80745号公報、
特開平9−120157号公報、特開平9−19765
9号公報などが提案されている。特開平9−12015
7号公報で提案されている版材は、レーザー光照射によ
り発生した酸を触媒として感光層の反応を進め、画像を
再現するというものである。しかしながら、酸発生後、
反応を進めるためには、熱処理という工程が必要であっ
た。さらに、酸発生後から熱処理までの時間が画像再現
性に影響を与えるため、画像再現性が不安定となるとい
う問題を有していた。特開平9−80745号公報、特
開平9−197659号公報で提案されている版材も、
感光層中に活性光線の照射で酸を発生しうる化合物およ
び酸の存在下で反応し得る結合を有する化合物が含まれ
ており、レーザー光照射後、発生した酸を用いて反応を
進めるタイプであるため、上記と同様の問題を有してい
た。さらに、熱接着型の根本的な問題点としては、印刷
版においては非画線部の面積が60〜70%を占めるた
め、1枚の印刷版を作製する上でのレーザー照射時間が
長くなり、結果としてレーザーの寿命を短くしてしまう
という問題が存在している。
【0011】このように直描型の印刷版の開発が進む中
で、印刷機上でレーザー照射、現像し、そのまま印刷を
行おうとする機上製版の技術も開発が進んでいる。特開
平9−300837号公報は、その一例であり、フィル
ム基材上にレーザービームを受けて発泡する発泡層、シ
リコーン樹脂層、ベースフィルム層よりなる機上製版用
記録版材に関する提案である。この版材では、発泡層の
発泡で歪みを生じたシリコーンゴム層をベースフィルム
の剥離により現像しようとするものであるが、微細な網
点の再現性が悪いという剥離現像固有の問題が存在して
いた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術のすべての欠点を改良し、インキマイレージを良好に
保持したまま、画像再現性の良好なネガ型の直描型水な
し平版印刷版を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は基板
上に、少なくとも感熱層およびインキ反発層をこの順に
有する直描型平版印刷版原版であって、該感熱層中にワ
ックスを含有することを特徴とする直描型印刷版原版。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
なお、本発明において直描型とは、露光時にネガあるい
はポジのフィルムを用いずに、印刷版上に直接記録ヘッ
ドから画像形成を行うことを意味する。
【0015】以下にこのような処理に用いられる直描型
印刷原版について説明する。
【0016】本発明で用いられるワックスとしては、天
然ワックスとして動・植物ワックス、鉱物ワックス、石
油ワックス、合成ワックスとしてフィッシャー・トロプ
シュワックス、ポリエチレンワックスなどがあるが、石
油ワックスを用いることが好ましい。石油ワックスとし
ては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワッ
クス、ペトロラタム等があるが、パラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックスを用いることが好まし
い。
【0017】このようなワックスを添加することは、イ
ンキ受容層中に分散しているワックスがレーザーによる
加熱によって溶融し、それがインキ受容層、シリコーン
ゴム層間の界面に析出することによってインキ受容層、
シリコーンゴム層間の接着力を低下させることで画像を
形成するためである。
【0018】また、ワックスの融点としては60℃以上
100℃以下であることが好ましく、70℃以上95℃
以下がさらに好ましい。60℃未満の場合には、印刷原
版作成時にワックスが分離する場合があり、100℃を
超える場合にはレーザー加熱時の界面への析出が良好で
ない場合がある。ここで、ワックスの融点はJIS K
−2235−5.3に従って測定する。
【0019】また25℃における針進入度(JIS K
−2235−5.4)は、20以下が好ましい。
【0020】これらのワックスの含有量は、全インキ受
容層組成物に対して2〜40重量%が好ましく、より好
ましくは5〜30重量%である。含有量が2%よりも少
ないと画像形成能が得られず、40重量%よりも多いイ
ンキ受容層の形態保持性が劣り、耐刷性が低下しやす
い。
【0021】ワックスは単独で用いてもよいし、また数
種のワックスを混合して使用してもよい。
【0022】また、感熱層中に少なくとも(a)レーザ
ー照射の作用で分解し得る化合物および(b)熱硬化性
の化合物を含有することが好ましい。
【0023】(a)レーザー照射の作用で分解し得る化
合物としては、(1)その化合物自体はレーザー光を吸
収しないが、レーザー光を吸収する別の化合物の作用に
より化合物が分解する場合と、(2)その化合物自体が
レーザー光を吸収して分解する場合が挙げられる。
【0024】(1)その化合物自体はレーザー光を吸収
しないが、レーザー光を吸収する別の化合物の作用によ
り分解する化合物としては、硝酸アンモニウム、硝酸カ
リウム、硝酸ナトリウム、炭酸エステル化合物、ニトロ
セルロース等のニトロ化合物や、過酸化ベンゾイル、過
安息香酸エステルなどの有機過酸化物、無機過酸化物、
ポリビニルピロリドン、アゾジカルボンアミド、アゾビ
スイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、N,N’−ジ
ニトロペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合
物、アジド化合物、ジアゾ化合物あるいはp−トルエン
スルホニルヒドラジン、p,p’−オキシビス(ベンゼ
ンスルホヒドラジン)などのスルホニルヒドラジド化合
物、さらにはその他の低分子、高分子ヒドラジン誘導
体、などを挙げることができる。さらには、レーザー光
の作用で酸やアミンを発生する化合物と、発生した酸あ
るいはアミンの作用で分解する化合物も、本発明に使用
することができる。このような化合物は、感熱層中の全
固形分に対し、0.1〜70重量%、好ましくは1〜5
0重量%、さらに好ましくは5〜30重量%を添加する
ことができる。
【0025】また、レーザー光を吸収する別の化合物と
しては、公知の光熱変換物質を挙げることができる。光
熱変換物質の具体例としては、カーボンブラック、チタ
ンブラック、アニリンブラック、シアニンブラックなど
の黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニン系の緑
色顔料、カーボングラファイト、ジアミン系金属錯体、
ジチオール系金属錯体、フェノールチオール系金属錯
体、メルカプトフェノール系金属錯体、結晶水含有無機
化合物、硫酸銅、硫化クロム、珪酸塩化合物や、酸化チ
タン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コ
バルト、酸化タングステンなどの金属酸化物、これらの
金属の水酸化物、硫酸塩などを挙げることができる。こ
れらのなかでも、光熱変換率、経済性および取り扱い性
の面から、カーボンブラックが好ましい。
【0026】また、赤外線または近赤外線を吸収する色
素、特に染料が光熱変換物質として好ましく使用され
る。特に好ましい色素としては、シアニン系、フタロシ
アニン系、ナフタロシアニン系、ジチオール金属錯体
系、ピアズレニウム系、スクアリリウム系、クロコニウ
ム系、アゾ系分散色素、ビスアゾ系、ビスアゾスチルベ
ン系、ナフトキノン系、アントラキノン系、ペリレン
系、ポリメチン系、インドアニリン金属錯体染料、分子
間型CT系、ベンゾチオピラン系、スピロピラン系、ニ
グロシン系、チオインジゴ系、ニトロソ系、キノリン
系、フルギド系の色素、特に染料などが挙げられる。
【0027】これら光熱変換物質の含有量は、全感熱層
組成物に対して1〜40重量%が好ましく、より好まし
くは5〜25重量%である。1重量%よりも少ない場合
にはレーザー光に対する感度の向上効果が見られず、4
0重量%よりも多い場合には印刷版の耐刷性が低下しや
すい。
【0028】(2)レーザー光を吸収してそれ自体が分
解する化合物としては、上記の光熱変換作用を示す染
料、顔料のうち、比較的分解しやすいものを挙げること
ができる。特に好ましい色素としては、シアニン系、フ
タロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジチオール金属
錯体系、ピアズレニウム系、スクアリリウム系、クロコ
ニウム系、アゾ系分散色素、ビスアゾ系、ビスアゾスチ
ルベン系、ナフトキノン系、アントラキノン系、ペリレ
ン系、ポリメチン系、インドアニリン金属錯体染料、分
子間型CT系、ベンゾチオピラン系、スピロピラン系、
ニグロシン系、チオインジゴ系、ニトロソ系、キノリン
系、フルギド系の色素、特に染料などが挙げられる。こ
れら化合物の含有量は、全感熱層組成物に対して1〜4
0重量%が好ましく、より好ましくは5〜25重量%で
ある。1重量%よりも少ない場合にはレーザー光に対す
る感度の向上効果が見られず、40重量%よりも多い場
合には印刷版の耐刷性が低下しやすい。
【0029】このような(a)レーザー照射の作用で分
解し得る化合物としては、ポリメチン系近赤外吸収染
料、フタロシアニン系近赤外吸収染料、シアニン系近赤
外吸収染料、ジチオール金属錯体系近赤外吸収染料など
が好ましく、さらにはこれら近赤外吸収染料と有機過酸
化物、アゾ化合物、アジド化合物、ジアゾ化合物、ヒド
ラジン誘導体から選ばれる少なくとも1種の組み合わせ
が好ましい。
【0030】本発明の特に特徴的なところは、感熱層中
に(b)熱硬化性の化合物を含有することである。従
来、感熱層、インキ反発層をこの順に有する直描型平版
印刷版において、重合や架橋などの技術を応用してレー
ザー照射で感熱層とインキ反発層の接着性が向上するタ
イプの印刷版を作製しようとする試みはいくつかなされ
てきた。一方、レーザー照射で感熱層とインキ反発層の
接着性が低下する、いわゆるネガ型の印刷版原版におい
て、熱硬化性化合物を利用した例は、原版の製造時に感
熱層に架橋構造を導入するために用いた例があるだけで
ある。
【0031】本発明における(b)熱硬化性の化合物と
は、印刷版原版の感熱層中にあって、レーザー照射の作
用で直接あるいは間接的に熱硬化し得る性能を依然とし
て有している化合物群のことを言う。このような(b)
熱硬化性の化合物としては、フェノール、クレゾール、
キシレノールなどのフェノール類とホルムアルデヒドの
縮合反応により得られるノボラック樹脂やレゾール樹
脂、フェノール・フルフラール樹脂、フラン樹脂、不飽
和ポリエステル、アルキド樹脂、ユリア樹脂、メラミン
樹脂、グアナミン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレ
ート樹脂、不飽和ポリウレタン樹脂、ポリイミド前駆体
などを挙げることが出来るが、これらに限定されるもの
ではない。
【0032】また、上記のごとく樹脂自体が反応するも
のの他に、反応性の官能基を有する化合物に熱反応性の
架橋剤を添加した組成物も、(b)熱硬化性の化合物と
して本発明に使用することができる。架橋剤としては架
橋性を有する公知の多官能性化合物が挙げられ、多官能
ブロックドイソシアネート、多官能エポキシ化合物、多
官能アクリレート化合物、金属キレート化合物、多官能
アルデヒド、多官能メルカプト化合物、多官能アルコキ
シシリル化合物、多官能アミン化合物、多官能カルボン
酸、多官能ビニル化合物、多官能ジアゾニウム塩、多官
能アジド化合物、ヒドラジンなどが挙げられる。また、
上記架橋剤の反応を促進するために公知の触媒を添加し
てもよい。これらの架橋剤は単独または2種以上を混合
して使用することも可能である。
【0033】さらには、熱の作用で酸やアミンを発生す
る化合物と、発生した酸あるいはアミンの作用で硬化す
る化合物も本発明に使用することができる。このような
熱硬化性の化合物の中では、フェノール樹脂と金属キレ
ート化合物の組み合わせが特に好ましい。
【0034】このような(b)熱硬化性の化合物の感熱
層中に占める割合としては、感熱層の全固形分の10〜
95重量%、さらには30〜70重量%であることが好
ましい。熱硬化性の化合物の量が10重量%より少ない
場合は、感熱層の熱硬化による画線部感熱層の耐溶剤性
の向上効果が乏しくなることがある。一方、95重量%
より多い場合には、相対的に熱分解性化合物や光熱変換
物質が少なくなるためレーザー照射による画像形成性に
問題を生じる場合があるためである。
【0035】その他、感熱層中にはバインダーポリマー
や界面活性剤、各種添加剤を含有してもよい。バインダ
ーポリマーの具体例としては、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリブチルメタクリレートなどのアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステルの単独重合体および共重合
体、ポリスチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシス
チレンなどのスチレン系モノマーの単独重合体および共
重合体、イソプレン、スチレン−ブタジエンなどの各種
合成ゴム類、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニルなどのビニル
エステル類の単独重合体および共重合体、ポリエチレン
オキサイド、ポリプロピレンオキシドなどのポリオキシ
ド類(ポリエーテル類)、ポリエステル類、ポリウレタ
ン類、ポリアミド類、エチルセルロース、セルロースア
セテートなどのセルロース誘導体類、フェノキシ樹脂、
メチルペンテン樹脂、ポリパラキシリレン樹脂、ポリフ
ェニレンスルファイド樹脂などが挙げられる。
【0036】これらのバインダーの含有量は、全感熱層
組成物に対して5〜70重量%が好ましく、より好まし
くは10〜50重量%である。含有量が5%よりも少な
いと耐刷性や塗液の塗工性に問題が生じやすく、70重
量%よりも多いと画像再現性に悪影響を与えやすい。
【0037】感熱層の厚さは、被覆層にして0.1〜1
0g/m2であると、印刷版の耐刷性や、希釈溶剤を揮
散し易く生産性に優れる点で好ましく、より好ましくは
0.5〜7g/m2である。
【0038】このような感熱層を有する直描型平版印刷
版原版にレーザーが照射されると、感熱層表面において
は、光熱変換物質の働きで(a)レーザー光の作用で分
解する化合物が分解する。光熱変換物質自体がレーザー
光の作用で分解する場合もある。また、その際、窒素、
酸素などのガスを発生することが好ましい。このような
化合物の分解さらにはガスの作用で、シリコーンゴム層
と感熱層間の接着力が弱められる。一方、レーザー照射
部の感熱層内部においては、(b)熱硬化性の化合物の
硬化が進行する。その結果、レーザー照射部の感熱層の
耐溶剤性が高められる。これらの結果、その後の現像処
理によりレーザー照射部の感熱層の極表面とシリコーン
ゴム層のみが剥離された印刷版が得られる。
【0039】このようにして得られた版においては、画
線部感熱層の耐溶剤性は高く、残存しているため、微小
網点の再現性やインキマイレージが良好であるというメ
リットを有する。
【0040】本発明のインキ反発層としては、ビニルア
ルコール類などからなる親水性層、アクリル酸やアクリ
ル酸塩、スルホン酸やスルホン酸塩などを含む親水性
層、特開平8−282142号公報、特開平8−282
144号公報、特開平8−292558号公報、特開平
9−54425号公報などで提案されている親水性膨潤
層や、シリコーンゴム層、フッ素化合物を含有する層な
どを用いることが出来るが、好ましくはシリコーンゴム
層である。シリコーンゴム層としては、付加重合型のも
の、縮合重合型のものいずれでも用いられる。
【0041】付加重合型のシリコーンゴム層を構成する
成分としては、ビニル基含有ポリジメチルシロキサン、
SiH基含有ポリシロキサン、さらには硬化速度を制御
する目的で反応抑制剤、および硬化触媒を含む。
【0042】ビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、
下記一般式(I)で表される構造を有し、分子末端およ
び/もしくは主鎖中にビニル基を有するものである。 −(SiR12−O−)n− ・・・(I) (式中、nは2以上の整数を示し、R1、R2は炭素数1
〜50の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素数2〜
50の置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素数4〜
50の置換あるいは非置換のアリール基の群から選ばれ
る少なくとも1種の基を示し、それぞれ同一であっても
異なっていてもよい。) 上記式中のR1、R2は全体の50%以上がメチル基であ
ることが、印刷版のインキ反発性の面で好ましい。ま
た、分子量としては数千〜数十万のものが使用できる
が、その取扱い性や得られた印刷版のインキ反発性、耐
傷性などの観点から重量平均分子量1万〜20万、さら
には3万〜15万のものを用いることが好ましい。
【0043】SiH基含有ポリシロキサンとしては、分
子鎖中、または末端にSiH基を有する、例えば下記一
般式(II)〜(V)で表されるような化合物を挙げることが
できる。
【0044】
【化1】
【0045】(上記各式中、nは2以上の整数、mは1
以上の整数を示す。) SiH基含有ポリシロキサン中におけるSiH基の量と
しては、2個以上、さらには3個以上であることが好ま
しい。SiH基含有ポリシロキサンの添加量としては、
シリコーンゴム層全組成物の3〜20wt%であること
が好ましく、さらに好ましくは5〜15wt%である。
ポリジメチルシロキサンとの量比ということで言えば、
SiH基/ポリジメチルシロキサンのビニル基のモル比
が1.5〜30であることが好ましく、さらに好ましく
は10〜20である。このモル比が1.5未満である場
合には、シリコーンゴム層の硬化が不足する場合があ
り、逆に30よりも大きい場合にはゴムの物性がもろく
なり、印刷版の耐傷性などに悪影響を与え易くなるため
である。
【0046】反応抑制剤としては、含窒素化合物、リン
系化合物、不飽和アルコールなどが挙げられるが、アセ
チレン基含有のアルコールなどが好ましく用いられる。
反応抑制剤の好ましい添加量としては、シリコーンゴム
組成物中の0.01〜10wt%、さらには1〜5wt
%である。
【0047】硬化触媒としては、III族遷移金属化合
物、好ましくは、白金化合物であり、具体的には白金単
体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金、白金
のアルコール変性錯体、白金のメチルビニルポリシロキ
サン錯体などを一例として挙げることができる。このよ
うな硬化触媒の量は、シリコーンゴム層中に固形分とし
て0.01〜20wt%、好ましくは0.1〜10wt
%であることが好ましい。添加する触媒量が0.01w
t%未満である場合にはシリコーンゴム層の硬化が不十
分となり、さらに感熱層との接着性に問題を生じる場合
があるためである。他方20wt%より多い場合にはシ
リコーンゴム層溶液のポットライフに悪影響をもたらす
ためである。シリコーンゴム層組成物中における白金な
どの金属の量で言えば、10〜1000ppm、好まし
くは100〜500ppmであることが好ましい。
【0048】また、これらの組成物の他に、縮合型シリ
コーンゴム層の組成物である水酸基含有オルガノポリシ
ロキサンや加水分解性官能基含有シランもしくはシロキ
サン、ゴム強度を向上させる目的でシリカなどの公知の
充填剤、接着性を向上させる目的で公知のシランカップ
リング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム
系カップリング剤などを含有してもよい。シランカップ
リング剤としては、アルコキシシラン類、アセトキシシ
ラン類、ケトキシミンシラン類等が好ましく、特にビニ
ル基を有するものや、ケトキシミンシラン類が好まし
い。
【0049】また、縮合重合型のシリコーンゴム層を構
成する成分としては、水酸基含有ポリジメチルシロキサ
ン、架橋剤(脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコール
型、脱アミン型、脱アセトン型、脱アミド型、脱アミノ
キシ型など)、および硬化触媒を含む。
【0050】水酸基含有ポリジメチルシロキサンも、上
記一般式(I)で表される構造を有する。水酸基は分子
末端および/もしくは主鎖中に位置することができる
が、好ましく用いられるものは分子量末端に水酸基を有
するものである。一般式中のR 1、R2については、同様
に全体の50%以上がメチル基であることが、印刷版の
インキ反発性の面で好ましい。分子量としては数千〜数
十万のものが使用できるが、その取扱い性や得られた印
刷版のインキ反発性、耐傷性などの観点から重量平均分
子量1万〜20万、さらには3万〜15万のものを用い
ることが好ましい。
【0051】縮合重合型のシリコーンゴム層で用いられ
る架橋剤としては、下記一般式(VI)で表される、アセ
トキシシラン類、アルコキシシラン類、ケトキシミンシ
ラン類、アリロキシシラン類などを挙げることができ
る。 (R24-nSiXn (VI) (式中、nは2〜4の整数を示し、R2は炭素数1以上
の置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、ア
リール基、またはこれらの組み合わされた基を示す。X
はハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケト
キシミン基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニルオ
キシ基から選ばれる官能基を示す。)上記式において、
加水分解性基の数nは3または4であることが好まし
い。
【0052】具体的な化合物としては、メチルトリアセ
トキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルト
リアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テト
ラプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリフェノキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
アリルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシ
シラン、ビニルトリスイソプロペノキシシラン、ビニル
メチルビス(メチルエチルケトキシミン)シラン、メチ
ルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン、ビニルト
リ(メチルエチルケトキシミン)シラン、テトラ(メチ
ルエチルケトキシミン)シラン、ジイソプロペノキシジ
メチルシラン、トリイソプロペノキシメチルシラン、テ
トラアリロキシシラン、などが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。これらの中では、シリコーン
ゴム層の硬化速度、取扱い性などの観点から、アセトキ
シシラン類、ケトキシミンシラン類が好ましい。
【0053】一般式(VI)で表される架橋剤の添加量と
しては、シリコーンゴム層全組成物の1.5〜20wt
%であることが好ましく、さらに好ましくは3〜10w
t%である。ポリジメチルシロキサンとの量比というこ
とで言えば、官能基X/ポリジメチルシロキサンの水酸
基のモル比が1.5〜10.0であることが好ましい。
このモル比が1.5未満である場合には、シリコーンゴ
ム層溶液のゲル化が起こり易く、逆に10.0よりも大
きい場合にはゴムの物性がもろくなり、印刷版の耐傷性
などに悪影響を与え易くなるためである。
【0054】硬化触媒としては、酢酸、プロピオン酸、
マレイン酸などの有機カルボン酸、トルエンスルホン
酸、ホウ酸等の酸類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム等のアルカリ、アミン、およびチタ
ンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどの
金属アルコキシド、鉄アセチルアセトナート、チタンア
セチルアセトナートジプロポキシドなどの金属ジケテネ
ート、金属の有機酸塩などを挙げることが出来る。これ
らの中では、金属の有機酸塩を添加することが好まし
く、特に錫、鉛、亜鉛、鉄、コバルト、カルシウム、マ
ンガンから選ばれる金属の有機酸塩であることが好まし
い。このような化合物の具体例の一部としては、ジブチ
ル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル
錫ジラウレート、オクチル酸亜鉛、オクチル酸鉄などを
挙げることが出来る。このような硬化触媒の量は、シリ
コーンゴム層中に固形分として0.01〜20wt%、
好ましくは0.1〜10wt%であることが好ましい。
添加する触媒量が0.01wt%未満である場合にはシ
リコーンゴム層の硬化が不十分となり、さらに感熱層と
の接着性に問題を生じる場合があるためである。他方2
0wt%より多い場合にはシリコーンゴム層溶液のポッ
トライフに悪影響をもたらすためである。
【0055】また、これらの組成物の他に、ゴム強度を
向上させる目的でシリカなどの公知の充填剤、さらには
公知のシランカップリング剤を含有してもよい。これら
シリコーンゴム層の膜厚は0.5〜20g/m2が好ま
しく、さらに好ましくは1〜4g/m2である。膜厚が
0.5g/m2よりも小さい場合には印刷版のインキ反
撥性や耐傷性、耐刷性が低下する傾向があり、20g/
2よりも大きい場合には経済的見地から不利であるば
かりでなく、現像性、インキマイレージが悪くなるとい
う問題がある。
【0056】直描型平版印刷版原版には、インキ反発層
を保護する目的で保護フィルムをラミネートするかある
いは保護層を形成してもよい。保護フィルムとしてはポ
リエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリビ
ニルアルコールフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体
ケン化物フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどが
挙げられる。このようにして得られた直描型平版印刷版
原版を、保護フィルムを剥離してから、あるいは保護フ
ィルム上からレーザー光で画像状に露光する。 [露光方法]直描型水なし平版印刷版原版を、保護フィ
ルムを剥離してから、あるいは保護フィルム上からレー
ザー光で画像状に露光する。
【0057】本発明の製版露光工程で用いられるレーザ
ー光源としては、発光波長領域が300nm〜1500
nmの範囲にあるものが用いられるが、これらの中でも
近赤外領域付近に発光波長領域が存在する半導体レーザ
ーやYAGレーザーが好ましく用いられる。具体的に
は、明室での版材の取扱い性などの観点から、780n
m、830nm、1064nmの波長のレーザー光が製
版に好ましく用いられる。
【0058】本発明においては、レーザー照射により感
熱層表面に分解物を生じさせ、さらにレーザー照射によ
り感熱層内部の硬化を進める。 [現像方法]レーザー照射後の原版は、水または界面活
性剤を含有する液の非存在下での摩擦処理により現像が
なされる。摩擦処理は、現像液を含浸した不織布、脱脂
綿、布、スポンジ等で版面を拭き取ることによって、あ
るいは下記の現像液で版面を前処理した後に水道水など
をシャワーしながら回転ブラシで擦ることによって行う
ことができる。
【0059】現像処理を行う場合に使用される現像液と
しては、例えば、水や水に界面活性剤を添加したもの、
さらには水にアルコールやケトン、エステル、カルボン
酸などの極性溶媒を添加したものや、脂肪族炭化水素
類、芳香族炭化水素類などの少なくとも1種類からなる
溶媒に極性溶媒を少なくとも1種類添加したもの、ある
いは極性溶媒が用いられる。また、上記の現像液組成に
は、公知の界面活性剤を添加することも自由に行われ
る。さらにアルカリ剤、例えば炭酸ナトリウム、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、ジグリコールア
ミン、モノグリコールアミン、ケイ酸ナトリウム、水酸
化カリウム、ホウ酸ナトリウムなどを添加することもで
きる。これらの中では、水あるいは水に界面活性剤を添
加したものが好ましい。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。 [実施例1]厚さ0.24mmの脱脂したアルミ板上に
下記の組成よりなる溶液を塗布し、200℃、2分間乾
燥し、3g/m2のプライマー層を設けた。 <プライマー1> (a)エポキシ・フェノール樹脂“カンコート”90T
−25−3094(関西ペイント(株)製):15重量
部 (b)ジメチルホルムアミド:85重量部。
【0061】このプライマー層の上に下記の感熱層を塗
布した。乾燥膜厚は1.0g/m2、熱処理は100℃
×1分間である。 <感熱層組成(固形分濃度10重量%)> (a)“KAYASORB”IR−820B(赤外光吸
収染料、日本化薬(株)製):10重量部 (b)パラフィンワックスHNP−9(日本精蝋(株)
製:融点75℃、25℃での針進入度7):10重量部 (c)“スミライトレジン”PR−50731(ノボラ
ック樹脂、住友デュレス(株)製)):40重量部 (d)“サンプレン”LQ−T1331(ポリウレタン
樹脂、三洋化成工業(株)製):30重量部 (e)N,N,N'-トリ(2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシプ
ロピル)-N'-(2-ヒドロキシ-3-トリメトキシシリルプ
ロピルオキシプロピル)ポリオキシプロピレンジアミ
ン:10重量部 [溶媒成分] (1)ジメチルホルムアミド:100重量部 (2)テトラヒドロフラン:700重量部 (3)イソプロピルアルコール:100重量部 上記のようにして得られた感熱層上に下記シリコーンゴ
ム層組成物を塗布し、130℃で1分間乾燥し、膜厚2
g/m2の感熱層を設けた。 <シリコーンゴム層組成(固形分濃度9.4重量%)> (a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(分子
量約60,000):100重量部 (b)HMS−501(チッソ(株)製 両末端メチル
(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキ
サン)共重合体 SiH基数/分子量=0.69mol/
g):7重量部 (c)“BY24−808”(東レダウコーニングシリ
コーン(株)製、反応抑制剤):3重量部 (d)“SRX−212”(東レダウコーニングシリコ
ーン(株)製、白金触媒):5重量部 (e)ビニルトリ(メチルエチルケトオキシム)シラ
ン:3重量部 (f)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製):10
00重量部。 [溶媒成分] (1)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製):10
00重量部。
【0062】上記のようにして得られた積層板に、厚さ
8μmのポリエステルフィルム“ルミラー”(東レ
(株)製)をカレンダーローラーを用いてラミネート
し、直描型水なし平版印刷版原版を得た。この後、この
印刷版原版の“ルミラー”を剥離し、FX400−AP
(製版機、東レエンジニアリング(株)製)に装着し、半
導体レーザー(波長830nm、ビーム直径20μm)
を用いて、照射エネルギーを変えながら、露光時間10
μsで、パルス露光を行った。 続いて、東レ(株)製
自動現像装置TWL−650により上記露光済みの版の
現像を行った。この際、前処理液としては東レ(株)製
“PP−1”を、現像液としては水を、後処理液として
は東レ(株)製“PA−F”を用いた。 次にハンドロ
ーラーで水なし平版用インキ(Waterless
S、ザ・インクテック(株)製、赤)を、現像済みの版
面全面に展開して、画像が再現されるレーザー照射エネ
ルギーを調べた。その結果、175mJ/s(350m
W)以上の領域において、レーザー照射部のシリコーン
ゴム層が除去され、画像が再現されていた。
【0063】比較例1 実施例1において、感熱層塗液の組成を以下に示すもの
に代えた以外は全て同様に印刷版原版を作製し、同様に
評価したところ、レーザー照射のシリコーンゴム層が剥
がれず、現像不能状態であり、画像を再現することが出
来なかった。 <感熱層組成(固形分濃度10重量%)> (a)“KAYASORB”IR−820B(赤外光吸
収染料、日本化薬(株)製):10重量部 (c)“スミライトレジン”PR−50731(ノボラ
ック樹脂、住友デュレス(株)製)):40重量部 (d)“サンプレン”LQ−T1331(ポリウレタン
樹脂、三洋化成工業(株)製):30重量部 (e)N,N,N'-トリ(2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシプ
ロピル)-N'-(2-ヒドロキシ-3-トリメトキシシリルプ
ロピルオキシプロピル)ポリオキシプロピレンジアミ
ン:10重量部 [溶媒成分] (1)ジメチルホルムアミド:100重量部 (2)テトラヒドロフラン:700重量部 (3)イソプロピルアルコール:100重量部。
【0064】実施例2 実施例1のHNP−9の代わりに、マイクロクリスタリ
ンワックスHi−Mic−3090(日本精蝋(株)
製:融点89℃、25℃での針進入度8)を用いた以外
は同様にして版を作成し、同様に現像・露光を行った結
果、225mJ/s(450mW)以上の領域におい
て、レーザー照射部のシリコーンゴム層が除去され、画
像が再現されていた。
【0065】
【発明の効果】本発明は、直描型印刷版原版において、
基板上に、少なくとも感熱層およびインキ反発層をこの
順に有する直描型平版印刷版原版であって、前記感熱層
中にワックスを含有することによって、レーザー光照射
後の煩雑な工程を必要とせずとも画像再現性の良好な直
描型水なし平版が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H096 AA13 BA09 BA20 EA04 EA23 GA43 2H114 AA05 AA22 AA23 AA27 BA02 DA04 DA25 DA32 DA45 DA56 DA59 DA60 DA62 DA73 DA78 EA01 EA04 FA16 GA34 GA38

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、少なくとも感熱層およびインキ
    反発層をこの順に有する直描型平版印刷版原版であっ
    て、該感熱層中にワックスを含有することを特徴とする
    直描型印刷版原版。
  2. 【請求項2】感熱層中に少なくとも(a)レーザー照射
    の作用で分解し得る化合物および(b)熱硬化性の化合
    物を含有することを特徴とする請求項1記載の直描型平
    版印刷版原版
  3. 【請求項3】ワックスの融点が60℃以上100℃以下
    であることを特徴とする請求項1記載の直描型印刷版原
    版。
  4. 【請求項4】ワックスがパラフィンワックスもしくはマ
    イクロクリスタリンワックスであることを特徴とする請
    求項1記載の直描型印刷版原版。
  5. 【請求項5】インキ反発層がシリコーンゴム層であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の直描型平版印刷版。
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