JP2000330268A - 直描型平版印刷版原版 - Google Patents

直描型平版印刷版原版

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JP2000330268A
JP2000330268A JP14332999A JP14332999A JP2000330268A JP 2000330268 A JP2000330268 A JP 2000330268A JP 14332999 A JP14332999 A JP 14332999A JP 14332999 A JP14332999 A JP 14332999A JP 2000330268 A JP2000330268 A JP 2000330268A
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compound
printing plate
lithographic printing
heat
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JP14332999A
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English (en)
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Kazuoki Goto
一起 後藤
Ken Kawamura
建 河村
Koichi Nagase
公一 長瀬
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】感熱層の欠点が少なく、耐刷性の優れたネガ型
の直描型平版印刷版原版を提供する。 【解決手段】基板上に、(a)レーザー照射の作用で分
解し得る化合物および(b)熱硬化性の化合物を含有す
る感熱層、を有する直描型印刷版原版であって、該感熱
層がバインダーポリマーを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光で直接
製版できる直描型平版印刷版原版に関するものであり、
特に湿し水を用いずに印刷が可能な直描型水なし平版印
刷版原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製版用フィルムを使用しないで、原稿か
ら直接オフセット印刷版を作製する、いわゆる直描型製
版は、熟練度を必要としない簡易性、短時間で印刷版が
得られる迅速性、多様なシステムから品質とコストに応
じて選択可能である合理性などの特徴を生かして、軽印
刷業界のみでなく、一般オフセット印刷、フレキソ印刷
の分野にも進出し始めている。
【0003】特に最近では、プリプレスシステムやイメ
ージセッター、レーザープリンタなどの出力システムの
急激な進歩によって新しいタイプの各種直描型平版印刷
版が開発されている。
【0004】これらの直描型平版印刷版を製版方法から
分類すると、レーザー光を照射する方法、サーマルヘッ
ドで書き込む方法、ピン電極で電圧を部分的に印加する
方法、インクジェットでインキ反発層またはインキ着肉
層を形成する方法などが挙げられる。なかでも、レーザ
ー光を用いる方法は解像度、および製版速度の面で他の
方式よりも優れており、その種類も多い。
【0005】このレーザー光を用いる印刷版はさらに、
光反応によるフォトンモードのものと、光熱変換を行っ
て熱反応を起こさせるヒートモードの2つのタイプに分
けられる。特にヒートモードの方式は、明室で取り扱え
るといった利点があり、また光源となる半導体レーザー
の急激な進歩によって、最近その有用性が見直されてき
ている。
【0006】例えば、USP5339737号、USP
5353705号、特開平6−55723号公報などに
はレーザー光を光源として用いる直描型水なし平版印刷
版原版およびその製版方法などが記載されている。
【0007】この熱破壊方式の印刷版原版の感熱層は、
レーザー光吸収化合物として主としてカーボンブラック
を用い、熱分解化合物としてニトロセルロースを使用し
ている。そしてこのカーボンブラックがレーザー光を吸
収することによって熱エネルギーに変換され、その熱で
感熱層が破壊される。そして最終的に、現像によってこ
の部分を除去することによって、表面のシリコーンゴム
層が同時に剥離され、インキ着肉部となる。
【0008】しかしながらこの印刷版は、感熱層を破壊
して画像を形成することから画線部のセルの深さが深く
なり、微少網点でのインキ着肉性が悪く、インキマイレ
ージが悪いという問題点があった。更に、感熱層を熱破
壊させ易くするために、架橋構造を形成しており印刷版
の耐刷性が悪いという問題もあった。更にこの印刷版は
感度が低く、感熱層を破壊させるために高いレーザー光
の強度が必要という問題点もあった。
【0009】特開平9−239943号公報では、レー
ザー光を熱に変換することによりシリコーンゴム層との
密着性が低下する層、および固形分量に対して10〜2
0重量%のオルガノハイドロジェンシロキサンを含有す
る付加型シリコーンゴム層を有するヒートモードの湿し
水不要平版印刷原版が提案されている。しかしながら、
本提案においても感熱層は基本的にカーボンブラックと
ニトロセルロースより構成されており、レーザー照射、
現像により除去されるタイプであり、インキ受容性層は
感熱層の下層のプライマー層であるため、インキマイレ
ージの問題や製版に要するレーザー光の強度の問題を有
していた。
【0010】特開平9−244228号公報は、プライ
マー層に中空ポリマー微粒子を含有させることによって
高感度化を可能にする提案である。しかしながら、イン
キマイレージの問題は依然として残っていた。
【0011】特開平9−239942号公報では、レー
ザー感応層中に酸を発生する物質と、酸の作用で分解す
る高分子化合物を含有する剥離現像タイプの印刷版が提
案されているが、レーザー光照射の工程と加熱工程とい
う二つの工程が必要であるため工程が煩雑になり、また
微細な網点の再現性が悪いという剥離現像固有の問題が
存在する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の欠点を改良し、感熱層の欠点が少なく、かつ耐刷性
に優れたネガ型の直描型平版印刷版を提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は以下
の構成を有する。
【0014】基板上に、少なくとも(a)レーザー照射
の作用で分解し得る化合物および(b)熱硬化性の化合
物を含有する感熱層と、インキ反発層とをこの順に有す
る直描型平版印刷版原版であって、感熱層中にバインダ
ーポリマーを含有する直描型平版印刷版原版。
【0015】
【発明の実施の形態】まず、本発明の感熱層は(a)レ
ーザー照射の作用で分解し得る化合物を有することが必
要である。ここで言う、レーザー照射の作用で分解し得
る化合物とは、(1)その化合物自体はレーザー光を吸
収しないが、レーザー光を吸収する別の化合物の作用に
より化合物が分解する場合と、(2)その化合物自体が
レーザー光を吸収して分解する場合、が挙げられる。
【0016】(1)その化合物自体はレーザー光を吸収
しないが、レーザー光を吸収する別の化合物の作用によ
り分解する化合物としては、硝酸アンモニウム、硝酸カ
リウム、硝酸ナトリウム、炭酸エステル化合物、ニトロ
セルロース等のニトロ化合物や、過酸化ベンゾイル、過
安息香酸エステルなどの有機過酸化物、無機過酸化物、
ポリビニルピロリドン、アゾジカルボンアミド、アゾビ
スイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、N,N’−ジ
ニトロペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合
物、アジド化合物、ジアゾ化合物あるいはp−トルエン
スルホニルヒドラジン、p,p’−オキシビス(ベンゼ
ンスルホヒドラジン)などのスルホニルヒドラジド化合
物、さらにはその他の低分子、高分子ヒドラジン誘導
体、金属キレート化合物などを挙げることが出来る。
【0017】さらには、レーザー光の作用で酸やアミン
を発生する化合物と、発生した酸あるいはアミンの作用
で分解する化合物も、本発明に使用することが出来る。
【0018】このような化合物は、全感熱層組成物に対
し、0.1〜70重量%、好ましくは1〜50重量%、
さらに好ましくは5〜30重量%を添加することが出来
る。
【0019】また、レーザー光を吸収する別の化合物と
しては、光熱変換物質を挙げることが出来る。
【0020】光熱変換物質の具体例としては、カーボン
ブラック、チタンブラック、アニリンブラック、シアニ
ンブラックなどの黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロ
シアニン系の緑色顔料、カーボングラファイト、ジアミ
ン系金属錯体、ジチオール系金属錯体、フェノールチオ
ール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、結
晶水含有無機化合物、硫酸銅、硫化クロム、珪酸塩化合
物や、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸
化鉄、酸化コバルト、酸化タングステンなどの金属酸化
物、これらの金属の水酸化物、硫酸塩などを挙げること
が出来る。
【0021】これらのなかでも、光熱変換率、経済性お
よび取扱い性の面から、カーボンブラックが好ましい。
【0022】また、赤外線または近赤外線を吸収する色
素、特に染料が光熱変換物質として好ましく使用され
る。
【0023】特に好ましい色素としては、シアニン系、
フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジチオール金
属錯体系、ピアズレニウム系、スクアリリウム系、クロ
コニウム系、アゾ系分散色素、ビスアゾ系、ビスアゾス
チルベン系、ナフトキノン系、アントラキノン系、ペリ
レン系、ポリメチン系、インドアニリン金属錯体染料、
分子間型CT系、ベンゾチオピラン系、スピロピラン
系、ニグロシン系、チオインジゴ系、ニトロソ系、キノ
リン系、フルギド系の色素、特に染料などが挙げられ
る。
【0024】これら光熱変換物質の含有量は、全感熱層
組成物に対して1〜40重量%が好ましく、より好まし
くは5〜25重量%である。1重量%よりも少ない場合
にはレーザー光に対する感度の向上効果が見られず、4
0重量%よりも多い場合には印刷版の耐刷性が低下しや
すい。
【0025】(2)レーザー光を吸収してそれ自体が分
解する化合物としては、赤外線または近赤外線を吸収す
る色素のうち、比較的分解しやすいものを挙げることが
出来る。
【0026】特に好ましい色素としては、シアニン系、
フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジチオール金
属錯体系、ピアズレニウム系、スクアリリウム系、クロ
コニウム系、アゾ系分散色素、ビスアゾ系、ビスアゾス
チルベン系、ナフトキノン系、アントラキノン系、ペリ
レン系、ポリメチン系、インドアニリン金属錯体染料、
分子間型CT系、ベンゾチオピラン系、スピロピラン
系、ニグロシン系、チオインジゴ系、ニトロソ系、キノ
リン系、フルギド系の色素、特に染料などが挙げられ
る。
【0027】これら化合物の含有量は、全感熱層組成物
に対して1〜40重量%が好ましく、より好ましくは5
〜25重量%である。1重量%よりも少ない場合にはレ
ーザー光に対する感度の向上効果が見られず、40重量
%よりも多い場合には印刷版の耐刷性が低下しやすい。
【0028】このような(a)レーザー照射の作用で分
解し得る化合物としては、ポリメチン系近赤外吸収染
料、フタロシアニン系近赤外吸収染料、シアニン系近赤
外吸収染料およびジチオール金属錯体系近赤外吸収染料
から選ばれる少なくとも1種が好ましく、さらにはこれ
らの近赤外吸収染料と有機過酸化物、アゾ化合物、アジ
ド化合物、ジアゾ化合物、ヒドラジン誘導体および金属
キレート化合物から選ばれる少なくとも1種との組み合
わせが好ましい。
【0029】さらに、本発明の感熱層は(b)熱硬化性
の化合物を含有することが必要である。
【0030】従来、感熱層、インキ反発層をこの順に有
する直描型平版印刷版において、重合や架橋などの技術
を応用してレーザー照射で感熱層とインキ反発層の接着
性が向上するタイプの印刷版を作製しようとする試みは
いくつかなされてきた。しかしながら本発明は、レーザ
ー照射で感熱層とインキ反発層の接着性が低下する、い
わゆるネガ型の印刷版原版において、熱硬化性化合物を
利用するものである。
【0031】本発明において(b)熱硬化性の化合物と
しては、フェノール、クレゾール、キシレノールなどの
フェノール類とホルムアルデヒドの縮合反応により得ら
れるノボラック樹脂やレゾール樹脂等のフェノール樹
脂、フェノール・フルフラール樹脂、フラン樹脂、不飽
和ポリエステル、アルキド樹脂、ユリア樹脂、メラミン
樹脂、グアナミン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレ
ート樹脂、不飽和ポリウレタン樹脂、ポリイミド前駆体
などを好ましく用いることが出来る。
【0032】また、上記のごとく樹脂自体が反応するも
のの他に、反応性の官能基を有する化合物に熱反応性の
架橋剤を添加した組成物も、(b)熱硬化性の化合物と
して本発明に使用することが出来る。
【0033】反応性の官能基を有する化合物としては、
フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、
カルボキシル基、不飽和二重結合など有する化合物を挙
げることが出来る。
【0034】また、架橋剤としては架橋性を有する多官
能性化合物が挙げられ、多官能ブロックドイソシアネー
ト、多官能エポキシ化合物、多官能アクリレート化合
物、多官能アルデヒド、多官能メルカプト化合物、多官
能アルコキシシリル化合物、多官能アミン化合物、多官
能カルボン酸、多官能ビニル化合物、多官能ジアゾニウ
ム塩、多官能アジド化合物、ヒドラジン、金属キレート
化合物などが挙げられる。
【0035】以上のような反応性の官能基を有する化合
物と、架橋剤の組み合わせの具体例としては、例えば、
フェノール性水酸基を有するフェノール樹脂と多官能ブ
ロックドイソシアネート、多官能アクリレート化合物、
多官能アルデヒド、多官能アルコキシシリル化合物、多
官能アミン化合物、多官能ジアゾニウム塩、多官能アジ
ド化合物、金属キレート化合物などの組み合わせ、不飽
和二重結合を有するアクリルポリマーと多官能アクリレ
ート化合物、多官能メルカプト化合物、多官能ビニル化
合物の組み合わせ、アルコール性水酸基含有オリゴマー
あるいはポリマーと多官能アルデヒド、多官能アルコキ
シシリル化合物、多官能ジアゾニウム塩、多官能アジド
化合物、金属キレート化合物などの組み合わせを挙げる
ことが出来る。
【0036】さらには、熱の作用で酸やアミンを発生す
る化合物と、発生した酸あるいはアミンの作用で硬化す
る化合物も本発明に使用することが出来る。
【0037】このような熱硬化性の化合物の中でも、フ
ェノール樹脂が好ましく、フェノール樹脂と金属キレー
ト化合物とを組み合わせたものが特に好ましい。
【0038】本発明において(b)熱硬化性の化合物
は、印刷版原版の感熱層中にあって、レーザー照射の作
用により直接的あるいは間接的に熱硬化する。
【0039】このような(b)熱硬化性の化合物の感熱
層中に占める割合としては、全感熱層組成物に対して1
0〜95重量%、さらには30〜70重量%であること
が好ましい。熱硬化性の化合物の量が10重量%より少
ない場合は、感熱層の熱硬化による画線部感熱層の耐溶
剤性の向上効果が乏しくなることがある。一方、95重
量%より多い場合には、相対的に熱分解性化合物や光熱
変換物質が少なくなるためレーザー照射による画像形成
性に問題を生じる場合があるためである。
【0040】さらに本発明は、上記のような感熱層がバ
インダーポリマーを含有することが大きな特徴である。
【0041】バインダーポリマーを有することによっ
て、感熱層組成物を含む溶液を塗布する際の塗工性改良
(ハジキの減少)、耐刷性などの版性能向上が可能とな
る。
【0042】バインダーポリマーとしては、ポリウレタ
ン、ポリエステル、ポリアミド、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリブチルメタクリレートなどのアクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステルの単独重合体および共重合
体、ポリスチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシス
チレンなどのスチレン系モノマーの単独重合体および共
重合体、イソプレン、スチレン−ブタジエンなどの各種
合成ゴム、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニルなどのビニルエ
ステル類の単独重合体および共重合体、ポリエチレンオ
キサイド、ポリプロピレンオキシドなどのポリオキシド
(ポリエーテル)、エチルセルロース、セルロースアセ
テートなどのセルロース誘導体、フェノキシ樹脂、メチ
ルペンテン樹脂、ポリパラキシリレン樹脂、ポリフェニ
レンスルファイド樹脂などが挙げられる。本発明におい
ては、ポリウレタンが特に好ましい。
【0043】ポリウレタンとしては、以下に示すような
ポリイソシアネートと多価アルコールより得られるポリ
ウレタンを挙げることが出来る。
【0044】ポリイソシアネートとしては、パラフェニ
レンジイソシアネート、2,4−または2,6−トルイ
レンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニル
メタンジイソシアネート(MDI)、トリジンジイソシ
アネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート
(XDI)、水素化キシリレンジイソシアネート、シク
ロヘキサンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシ
アネート(MXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HDIあるいはHMDI)、リジンジイソシアネー
ト(LDI)(別名2,6−ジイソシアネートメチルカ
プロエート)、水素化MDI(H12MDI)(別名4,
4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト))、水素化TDI(HTDI)(別名メチルシクロ
ヘキサン2,4(2,6)ジイソシアネート)、水素化
XDI(H6XDI)(別名1,3−(イソシアナート
メチル)シクロヘキサン)、イソホロンジイソシアネー
ト(IPDI)、ジフェニルエーテルイソシアネート、
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMD
I)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ポリ
メチレンポリフェニルイソシアネート、ダイマー酸ジイ
ソシアネート(DDI)、トリフェニルメタントリイソ
シアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフ
ォスフェート、テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11
−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシア
ネートー4ーイソシアネートメチルオクタン、1,3,
6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプ
タントリイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシ
アネート等が挙げられる。
【0045】さらには、上記ポリイソシアネートの変性
体、誘導体も好ましく用いられる。このような変性体、
誘導体としては、ポリイソシアネートとアルコールとの
反応物であるウレタン変性体、2個あるいは3個のポリ
イソシアネートの反応物としての二量体(別名ウレチジ
オン)、三量体(別名イソシアヌレート)、脱炭酸ガス
により生成するポリカルボジイミド、あるいはポリイソ
シアネート、アルコール、アミン化合物などとの反応物
であるアロハネート変性体、ビュレット変性体、ウレア
変性体など、さらにはブロックドイソシアネートなどが
挙げられる。
【0046】多価アルコールとしては、ポリエーテルポ
リオール、ポリエステルポリオール、およびその他に大
きく分類することが出来る。
【0047】ポリエーテルポリオールとしては、具体的
には、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、トリエチレングリコール、p−キシリレングリコー
ル、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールジヒドロ
キシプロピルエーテル、グリセリン、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメチ
ルアミノメタン、ペンタエリスルトール、ジペンタエリ
スルトール、ソルビトール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリ
コール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共
重合体、テトラヒドロフラン−エチレンオキサイド共重
合体、テトラヒドロフラン−プロピレンオキサイド共重
合体、テトラヒドロフランカチオン重合体、エポキシ樹
脂変性ポリオール等が挙げられる。
【0048】ポリエステルポリオールは、縮合系ポリエ
ステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオー
ル、ポリカーボネートポリオールなどにさらに分類する
ことが出来る。
【0049】縮合系ポリエステルポリオールは、多価カ
ルボン酸およびその無水物とグリコール、トリオールと
の脱水縮合により得られる。
【0050】多価カルボン酸および多価カルボン酸無水
物としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラクロル無水
フタル酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸、無水マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸、無水トリメリット酸、
メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロ
メリット酸等が使用できる。
【0051】具体的には、ポリエチレンアジペート、ポ
リプロピレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペー
ト、ポリネオペンチルアジペート、ポリヘキサメチレン
ネオペンチルアジペート、ポリエチレンヘキサメチレン
アジペート、ポリテトラメチレンアジペート等を一例と
して挙げることが出来る。
【0052】ラクトン系ポリエステルポリオールとして
は、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−
バレロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン類の
開環重合より得られるものが挙げられる。
【0053】さらに、ポリエーテル系ポリオール、ポリ
エステル系ポリオール以外のポリオールとしては、β−
ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水酸基を有する
アクリル(あるいはメタクリル)単量体とアクリル(あ
るいはメタクリル)酸エステルとの共重合体であるアク
リルポリオール、末端に水酸基を含有するブタンジエン
及びそれらの共重合体であるポリブタジエンポリオー
ル、部分ケン化EVAなど、さらには種々の含燐ポリオ
ール、ハロゲン含有ポリオール、フェノール系ポリオー
ルなどもポリオールとして使用できる。
【0054】また、分岐したポリウレタン樹脂や水酸基
等の種々の官能基を有するポリウレタン樹脂もまたバイ
ンダーポリマーとして利用可能である。
【0055】これらのバインダーの含有量は、全感熱層
組成物に対して5〜70重量%が好ましく、より好まし
くは10〜50重量%である。含有量が5%よりも少な
いと耐刷性や塗液の塗工性に問題が生じやすく、70重
量%よりも多いと画像再現性に悪影響を与えやすい。
【0056】その他、感熱層中には界面活性剤など、各
種添加剤を含有してもよい。
【0057】感熱層の厚さは、被覆層にして0.1〜1
0g/m2であると、印刷版の耐刷性や、希釈溶剤を揮
散し易く生産性に優れる点で好ましく、より好ましくは
0.5〜5g/m2である。
【0058】このような感熱層を有する直描型平版印刷
版原版にレーザーが照射されると、感熱層表面において
は、レーザー光の作用により、あるいは、レーザー光の
照射を受けた光熱変換物質の働きにより、(a)レーザ
ー光の作用で分解する化合物が分解する。光熱変換物質
自体がレーザー光の作用で分解する場合もある。また、
その際、窒素、酸素などのガスを発生することが好まし
い。このような化合物の分解さらにはガスの作用で、シ
リコーンゴム層と感熱層間の接着力が弱められる。
【0059】一方、レーザー照射部の感熱層内部におい
ては、(b)熱硬化性の化合物の硬化が進行する。その
結果、レーザー照射部の感熱層の耐溶剤性が高められ
る。
【0060】これらの結果、その後の現像処理によりレ
ーザー照射部の感熱層の極表面とシリコーンゴム層のみ
が剥離された印刷版が得られる。
【0061】このようにして得られた版においては、画
線部感熱層が剥離せずに残存しているため、微小網点の
再現性やインキマイレージが良好であるというメリット
を有する。
【0062】本発明のインキ反発層としては、ビニルア
ルコール類などからなる親水性層、アクリル酸やアクリ
ル酸塩、スルホン酸やスルホン酸塩などを含む親水性
層、特開平8−282142号公報、特開平8−282
144号公報、特開平8−292558号公報、特開平
9−54425号公報などで提案されている親水性膨潤
層や、シリコーンゴム層、フッ素化合物を含有する層な
どを用いることが出来るが、好ましくはシリコーンゴム
層である。
【0063】シリコーンゴム層としては、付加重合型の
もの、縮合重合型のものいずれでも用いられる。
【0064】付加重合型のシリコーンゴム層を構成する
成分としては、ビニル基含有ポリジメチルシロキサン、
SiH基含有ポリシロキサンである。さらに硬化速度を
制御する目的で反応抑制剤、および硬化触媒を含んでも
よい。
【0065】ビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、
下記一般式(I)で表される構造を有し、分子末端およ
び/もしくは主鎖中にビニル基を有するものである。
【0066】 −(SiR12−O−)n− (I) (式中、nは2以上の整数、R1、R2は炭素数1〜50
の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素数2〜50の
置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素数4〜50の
置換あるいは非置換のアリール基の群から選ばれる少な
くとも1種であり、それぞれ同一であっても異なってい
てもよい。) 式中のR1、R2の全体の50%以上がメチル基であるこ
とが、印刷版のインキ反発性の面で好ましい。
【0067】また、分子量としては数千〜数十万のもの
が使用できるが、その取扱い性や得られた印刷版のイン
キ反発性、耐傷性などの観点から重量平均分子量1万〜
20万、さらには3万〜15万のものを用いることが好
ましい。
【0068】SiH基を有する化合物としては、分子鎖
中、または末端にSiH基を有するポリシロキサンを挙
げることが出来、例えば下記一般式で表されるような化
合物を挙げることが出来る。
【0069】
【化1】
【0070】(式中、nは1以上の整数。mは1以上の
整数である。) SiH基を有する化合物中におけるSiH基の量として
は、2個以上、さらには3個以上であることが好まし
い。
【0071】SiH基を有する化合物の添加量として
は、シリコーンゴム層全組成物の3〜20wt%である
ことが好ましく、さらに好ましくは5〜15wt%であ
る。
【0072】ポリジメチルシロキサンとの量比というこ
とで言えば、SiH基/ポリジメチルシロキサンの炭素
炭素二重結合のモル比が1.5〜30であることが好ま
しく、さらに好ましくは10〜20である。このモル比
が1.5未満である場合には、シリコーンゴム層の硬化
が不足する場合があり、逆に30よりも大きい場合には
ゴムの物性がもろくなり、印刷版の耐傷性などに悪影響
を与え易くなるためである。
【0073】反応抑制剤としては、含窒素化合物、リン
系化合物、不飽和アルコールなどが挙げられるが、アセ
チレン基含有のアルコールなどが好ましく用いられる。
【0074】反応抑制剤の好ましい添加量としては、シ
リコーンゴム組成物中の0.01〜10wt%、さらに
は1〜5wt%である。
【0075】硬化触媒としては、III族遷移金属化合
物、好ましくは、白金化合物であり、具体的には白金単
体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金、白金
のアルコール変性錯体、白金のメチルビニルポリシロキ
サン錯体などを一例として挙げることが出来る。
【0076】このような硬化触媒の量は、シリコーンゴ
ム層中に固形分として0.01〜20wt%、好ましく
は0.1〜10wt%であることが好ましい。添加する
触媒量が0.01wt%未満である場合にはシリコーン
ゴム層の硬化が不十分となり、さらに感熱層との接着性
に問題を生じる場合があるためである。他方20wt%
より多い場合にはシリコーンゴム層溶液のポットライフ
に悪影響をもたらすためである。シリコーンゴム層組成
物中における白金などの金属の量で言えば、10〜10
00ppm、好ましくは100〜500ppmであるこ
とが好ましい。
【0077】また、これらの組成物の他に、縮合型シリ
コーンゴム層の組成物である水酸基含有オルガノポリシ
ロキサンや加水分解性官能基含有シラン(もしくはシロ
キサン)、ゴム強度を向上させる目的でシリカなどの充
填剤、接着性を向上させる目的でシランカップリング
剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カッ
プリング剤などを含有してもよい。シランカップリング
剤としては、アルコキシシラン類、アセトキシシラン
類、ケトキシミンシラン類などが好ましく、特にビニル
基を有するものや、ケトキシミンシラン類が好ましい。
【0078】また、縮合重合型のシリコーンゴム層を構
成する成分としては、水酸基含有ポリジメチルシロキサ
ン、架橋剤(脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコール
型、脱アミン型、脱アセトン型、脱アミド型、脱アミノ
キシ型など)、および硬化触媒を含む。
【0079】水酸基含有ポリジメチルシロキサンも、上
記一般式(I)で表される構造を有する。水酸基は分子
末端および/もしくは主鎖中に位置することが出来る
が、好ましく用いられるものは分子量末端に水酸基を有
するものである。
【0080】一般式(I)中のR1、R2については、同
様に全体の50%以上がメチル基であることが、印刷版
のインキ反発性の面で好ましい。分子量としては数千〜
数十万のものが使用できるが、その取扱い性や得られた
印刷版のインキ反発性、耐傷性などの観点から重量平均
分子量1万〜20万、さらには3万〜15万のものを用
いることが好ましい。
【0081】縮合重合型のシリコーンゴム層で用いられ
る架橋剤としては、下記一般式(II)で表される、アセ
トキシシラン類、アルコキシシラン類、ケトキシミンシ
ラン類、アリロキシシラン類などを挙げることが出来
る。
【0082】 (R34-nSiXn (II) (式中、nは2〜4の整数。R3は炭素数1以上の置換
もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール
基、またはこれらの組み合わされた基を示す。Xはハロ
ゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシミ
ン基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニルオキシ基
から選ばれる官能基である。) また、加水分解性基の数nは3または4であることが好
ましい。
【0083】具体的な化合物としては、メチルトリアセ
トキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルト
リアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テト
ラプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリフェノキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
アリルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシ
シラン、ビニルトリスイソプロペノキシシラン、ビニル
メチルビス(メチルエチルケトキシミン)シラン、メチ
ルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン、ビニルト
リ(メチルエチルケトキシミン)シラン、テトラ(メチ
ルエチルケトキシミン)シラン、ジイソプロペノキシジ
メチルシラン、トリイソプロペノキシメチルシラン、テ
トラアリロキシシラン、などが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0084】これらの中では、シリコーンゴム層の硬化
速度、取扱い性などの観点から、アセトキシシラン類、
ケトキシミンシラン類が好ましい。
【0085】一般式(II)で表される架橋剤の添加量と
しては、シリコーンゴム層全組成物の1.5〜20wt
%であることが好ましく、さらに好ましくは3〜10w
t%である。
【0086】ポリジメチルシロキサンとの量比というこ
とで言えば、官能基X/ポリジメチルシロキサンの水酸
基のモル比が1.5〜10.0であることが好ましい。
このモル比が1.5未満である場合には、シリコーンゴ
ム層溶液のゲル化が起こり易く、逆に10.0よりも大
きい場合にはゴムの物性がもろくなり、印刷版の耐傷性
などに悪影響を与え易くなるためである。
【0087】硬化触媒としては、酢酸、プロピオン酸、
マレイン酸などの有機カルボン酸、トルエンスルホン
酸、ホウ酸等の酸類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム等のアルカリ、アミン、およびチタ
ンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどの
金属アルコキシド、鉄アセチルアセトナート、チタンア
セチルアセトナートジプロポキシドなどの金属ジケテネ
ート、金属の有機酸塩などを挙げることが出来る。
【0088】これらの中では、金属の有機酸塩を添加す
ることが好ましく、特に錫、鉛、亜鉛、鉄、コバルト、
カルシウム、マンガンから選ばれる金属の有機酸塩であ
ることが好ましい。このような化合物の具体例の一部と
しては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテ
ート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸亜鉛、オク
チル酸鉄などを挙げることが出来る。
【0089】このような硬化触媒の量は、シリコーンゴ
ム層中に固形分として0.01〜20wt%、好ましく
は0.1〜10wt%であることが好ましい。添加する
触媒量が0.01wt%未満である場合にはシリコーン
ゴム層の硬化が不十分となり、さらに感熱層との接着性
に問題を生じる場合があるためである。他方20wt%
より多い場合にはシリコーンゴム層溶液のポットライフ
に悪影響をもたらすためである。
【0090】また、これらの組成物の他に、ゴム強度を
向上させる目的でシリカなどの充填剤、さらにはシラン
カップリング剤を含有してもよい。
【0091】これらシリコーンゴム層の膜厚は0.5〜
20g/m2が好ましく、さらに好ましくは1〜4g/
2である。膜厚が0.5g/m2よりも小さい場合には
印刷版のインキ反発性や耐傷性、耐刷性が低下する傾向
があり、20g/m2よりも大きい場合には経済的見地
から不利であるばかりでなく、現像性、インキマイレー
ジが悪くなるという問題がある。
【0092】直描型平版印刷版原版には、インキ反発層
を保護する目的で保護フィルムをラミネートするかある
いは保護層を形成してもよい。
【0093】保護フィルムとしてはポリエステルフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリビニルアルコールフ
ィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物フィル
ム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどが挙げられる。
【0094】このようにして得られた直描型平版印刷版
原版を、保護フィルムを剥離してから、あるいは保護フ
ィルム上からレーザー光で画像状に露光する。
【0095】本発明の製版露光工程で用いられるレーザ
ー光源としては、発光波長領域が300nm〜1500
nmの範囲にあるものが用いられるが、これらの中でも
近赤外領域付近に発光波長領域が存在する半導体レーザ
ーやYAGレーザーが好ましく用いられる。
【0096】具体的には、明室での版材の取扱い性など
の観点から、780nm、830nm、1064nmの
波長のレーザー光が製版に好ましく用いられる。
【0097】レーザー照射後の原版は、水または有機溶
剤の存在もしくは非存在下での摩擦処理により現像がな
される。
【0098】摩擦処理は、現像液を含浸した不織布、脱
脂綿、布、スポンジ等で版面を拭き取ることによって、
あるいは下記の現像液で版面を前処理した後に水道水な
どをシャワーしながら回転ブラシで擦ることによって行
うことができる。
【0099】現像処理を行う場合に使用される現像液と
しては、例えば、水や水に界面活性剤を添加したもの、
さらには水にアルコールやケトン、エステル、カルボン
酸などの極性溶媒を添加したものや、脂肪族炭化水素
類、芳香族炭化水素類などの少なくとも1種類からなる
溶媒に極性溶媒を少なくとも1種類添加したもの、ある
いは極性溶媒が用いられる。
【0100】また、上記の現像液組成には、界面活性剤
を添加することも自由に行われる。さらにアルカリ剤、
例えば炭酸ナトリウム、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、ジグリコールアミン、モノグリコールア
ミン、ケイ酸ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ酸ナト
リウムなどを添加することもできる。
【0101】これらの中で、水あるいは水に界面活性剤
を添加したものが好ましい。
【0102】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく
説明する。
【0103】
【実施例】[実施例1]厚さ0.24mmの脱脂したア
ルミ板上に下記の組成よりなる溶液をスリットダイコー
ターにより塗布し、200℃、2分間乾燥し、3g/m
2のプライマー層を設けた。 <プライマー1> エポキシ・フェノール樹脂“カンコート”90T−25
−3094(関西ペイント(株)製):15重量部 ジメチルホルムアミド:85重量部 このプライマー層の上に下記の組成よりなる溶液をスリ
ットダイコーターにより塗布し、130℃×2分間乾燥
し、1g/m2の感熱層を設けた。 <感熱層1> (a)成分;“KAYASORB”IR−820B(赤
外光吸収染料、日本化薬(株)製):10重量部 (b)成分;“ナーセムチタン”(日本化学産業(株)
製、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペン
タンジオネート)):10重量部 “スミライトレジン”PR50622(フェノールノボ
ラック樹脂、住友デュレズ(株)製):70重量部 バインダーポリマー;“サンプレン”T1331D(ポ
リウレタン、三洋化成工業(株)製):10重量部(固
形分として) その他; テトラヒドロフラン:550重量部 ジメチルホルムアミド:350重量部 塗布後の感熱層を観察したところ、ハジキなど欠点の認
められない感熱層が形成されていた。
【0104】次いで、下記シリコーンゴム層を乾燥膜厚
2.0μm、乾燥条件は120℃×1分間としてスリッ
トダイコーターにより塗設した。 <インキ反発層1> α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(分子量約6
0,000):100重量部 HMS−501(チッソ(株)製 両末端メチル(メチ
ルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)
共重合体 SiH基数/分子量=0.69mol/g):7
重量部 “BY24−808”(東レダウコーニングシリコーン
(株)製、反応抑制剤):3重量部 “SRX−212”(東レダウコーニングシリコーン
(株)製、白金触媒):5重量部 ビニルトリ(メチルエチルケトオキシム)シラン:3重
量部 “アイソパー”E(エッソ化学(株)製):1000重
量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ8μmのポリ
プロピレンフィルム“トレファン”BO(東レ(株)
製)をカレンダーローラーを用いてラミネートし、直描
型水なし平版印刷版原版を得た。
【0105】この後、この印刷版原版をFX400−A
P(製版機、東レエンジニアリング(株)製)に装着
し、半導体レーザー(波長830nm、ビーム直径20
μm)を用いて露光時間10μsで照射エネルギー25
0mJ/cm2で露光を行った。
【0106】露光後の印刷版は、レーザー照射部の感熱
層が白くなっており、レーザー照射の作用で感熱層表面
の分解が起こったことを示唆していた。
【0107】続いて、東レ(株)製自動現像装置TWL
−650により現像を行ったところ、レーザー光が照射
された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ型の水
なし平版が得られた。
【0108】現像の際、前処理液としては東レ(株)製
“PP−F”(東レ(株)製、水なし平版ポジ型用前処
理液)を、現像液としては水を用いた。
【0109】さらに、得られた刷版を枚葉オフセット印
刷機「HAMADA RS34L」(ハマダ印刷機械
(株)製)に取り付け、水なし平版用インキ(ドライオ
カラーNSI、藍、大日本インキ化学工業(株)製)を
使用して上質紙(62.5kg/菊)に印刷したところ、印刷
開始初期から10万枚印刷時まで画像を忠実に再現した
印刷物が得られた。 [比較例1]実施例1における感熱層組成から“サンプ
レン”T1331Dを抜いた以外は全く同様にして印刷
版原版を作製した。
【0110】感熱層を観察したところ、ハジキに由来す
る欠点が観察された。さらに、印刷評価の結果、6万印
刷時点で非画線部にシリコーンゴム層の欠落に起因する
汚れが観察された。 [実施例2〜6]実施例1における感熱層組成におい
て、バインダーポリマーとして表1に示すような各種ポ
リウレタンを用いた以外は実施例1と同様にして印刷版
原版を作製した。
【0111】感熱液の塗工性に関しては、いずれもハジ
キなどの少ない良好な結果が得られた。また、得られた
印刷版原版を、実施例1と全く同様にレーザー照射、現
像を行ったところ、いずれの原版からもレーザー光が照
射された部分のシリコーンゴム層が除去されたネガ型の
水なし平版印刷版が得られた。
【0112】さらに、実施例1と同様に印刷評価したと
ころ、表1に示すように、いずれも良好な耐刷性を示し
た。
【0113】
【表1】
【0114】
【発明の効果】本発明よれば、感熱層の欠点が少なく、
また耐刷性の優れたネガ型の直描型平版印刷版が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/035 G03F 7/035 Fターム(参考) 2H025 AA12 AB04 AC08 AD01 BH01 CB22 CC20 FA03 FA17 2H096 AA11 AA13 BA16 BA20 EA04 GA08 2H114 AA24 BA05 BA10 DA03 DA05 DA34 DA39 DA55 DA56 DA59 DA60 DA61 DA62 EA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、少なくとも(a)レーザー照射
    の作用で分解し得る化合物および(b)熱硬化性の化合
    物を含有する感熱層と、インキ反発層とをこの順に有す
    る直描型平版印刷版原版であって、該感熱層中にバイン
    ダーポリマーを含有することを特徴とする直描型平版印
    刷版原版。
  2. 【請求項2】バインダーポリマーがポリウレタンである
    ことを特徴とする請求項1記載の直描型平版印刷版原
    版。
  3. 【請求項3】(a)レーザー照射の作用で分解し得る化
    合物が、ポリメチン系近赤外吸収染料、フタロシアニン
    系近赤外吸収染料、シアニン系近赤外吸収染料およびジ
    チオール金属錯体系近赤外吸収染料から選ばれる少なく
    とも1種であることを特徴とする請求項1記載の直描型
    平版印刷版原版。
  4. 【請求項4】(a)レーザー照射の作用で分解し得る化
    合物が、ポリメチン系近赤外吸収染料、フタロシアニン
    系近赤外吸収染料、シアニン系近赤外吸収染料およびジ
    チオール金属錯体系近赤外吸収染料から選ばれる少なく
    とも1種と有機過酸化物、アゾ化合物、アジド化合物、
    ジアゾ化合物、ヒドラジン誘導体および金属キレート化
    合物から選ばれる少なくとも1種との組み合わせである
    ことを特徴とする請求項1記載の直描型平版印刷版原
    版。
  5. 【請求項5】(b)熱硬化性の化合物が、フェノール樹
    脂と金属キレート化合物の組み合わせであることを特徴
    とする請求項1記載の直描型平版印刷版原版。
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