JP2005300586A - 直描型水なし平版印刷版原版、その製造方法及びそれを用いた印刷版の製造方法 - Google Patents

直描型水なし平版印刷版原版、その製造方法及びそれを用いた印刷版の製造方法 Download PDF

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明宏 飯原
Tomoyuki Yoshida
智之 吉田
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Abstract

【課題】
少ないレーザー照射エネルギーで製版でき、画像再現性が良好な直描型水なし平版印刷版原版を提供する。
【解決手段】
基板上に少なくとも感熱層及びシリコーンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印刷版原版において、該感熱層が気泡を有することを特徴とする直描型水なし平版印刷版原版。
【選択図】なし

Description

本発明は、湿し水を用いずに印刷が可能な水なし平版印刷版原版に関するものであり、特にレーザー光で直接製版できる直描型水なし平版印刷版原版に関するものである。
製版用フィルムを使用しないで、原稿から直接オフセット印刷版を作製する、いわゆる直描型製版は、熟練度を必要としない簡易性、短時間で印刷版が得られる迅速性、多様なシステムから品質とコストに応じて選択可能である合理性等の特徴を生かして、軽印刷業界のみでなく、一般オフセット印刷、フレキソ印刷の分野にも進出し始めている。
特に最近では、プリプレスシステムやイメージセッター、レーザープリンター等の出力システムの急激な進歩によって新しいタイプの各種直描型平版印刷版が開発されている。
これらの直描型平版印刷版を製版方法から分類すると、レーザー光を照射する方法、サーマルヘッドで書き込む方法、ピン電極で電圧を部分的に印加する方法、インクジェットでシリコーンゴム層またはインキ着肉層を形成する方法等が挙げられる。なかでも、レーザー光を照射する方法は解像度、及び製版速度の面で他の方法よりも優れており、その種類も多い。
このレーザー光を照射する方法は、光反応によるフォトンモード方式と、光熱変換を行って熱反応を起こさせるヒートモード方式の2つの方式に分けられる。特にヒートモード方式は、明室で取り扱えるといった利点とともに、光源となる半導体レーザーの急激な進歩によって、その有用性は大きくなってきている。
ヒートモード方式の直描型水なし平版印刷版としては、これまで以下のような提案がなされている。
例えば、レーザー光を光源として用いる、熱破壊方式の直描型水なし平版印刷版(例えば、特許文献1、2参照)が開示されている。
この印刷版原版の感熱層は、レーザー光吸収化合物として主としてカーボンブラックを用い、熱分解化合物としてニトロセルロースを使用している。そしてこのカーボンブラックがレーザー光を吸収することによって熱エネルギーに変換し、その熱で感熱層が破壊される。そして最終的に、現像によってこの部分を除去することによって、表面のシリコーンゴム層が同時に剥離され、画線部となる。
しかしながらこの熱破壊方式の印刷版は、感熱層を破壊して画像を形成することから画線部のセルの深さが深くなり、微小網点でのインキ着肉性が悪く、また、インキマイレージが悪いという問題点があった。さらに、感熱層を熱破壊させ易くするために、架橋構造を形成しており、印刷版の耐刷性が悪いという問題点もあった。さらに、この印刷版は感度が低く、感熱層を破壊させるために高いレーザー光の強度が必要という問題点もあった。
このような問題点を改良する方法として、基板上に、感熱層及びシリコーンゴム層を有し、レーザー光を熱に変換することにより感熱層とシリコーンゴム層との接着性が低下することによって画像が形成できる直描型水なし平版印刷原版が開示されている(例えば、特許文献3参照)。さらに、感熱層中に光熱変換剤、発泡剤、熱可塑性樹脂を含むことを特徴とし、レーザー光照射により加熱部が体積膨張し、画線部のシリコーンゴム層が凸の状態となり、現像性を向上することができる直描型水なし平版印刷版原版が開示されている(特許文献4参照)。
また、フイルム基材表面にレーザービーム吸収剤層、分解発泡樹脂層、シリコーン樹脂層及びベースフイルムを有し、レーザービームを照射することによって分解発泡樹脂層が分解、発泡し、その発生したガスの圧力でシリコーン樹脂層に膨張歪を与え、ベースフイルムを剥離すると同時にシリコーンゴム層を剥離することによって画像形成することができる機上製版用記録版材が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、これらの印刷版原版においても感度は十分ではなく、画像記録のために必要となるレーザー照射エネルギーがさらに少ない、感度が高い印刷版原版が求められていた。
特開平6−55723号公報(第2−4頁) 特開平7−164773号公報(第4−5頁) 特開平11−221977号公報(第3−11頁) 特開平11−254854号公報(第3−10頁) 特開平9−300837号公報(第3−6頁)
本発明は、かかる従来技術の課題を解決し、少ないレーザー照射エネルギーで製版でき、画像再現性が良好な直描型水なし平版印刷版原版を提供することを目的とする。
本発明は、基板上に少なくとも感熱層及びシリコーンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印刷版原版において、該感熱層が気泡を有することを特徴とする直描型水なし平版印刷版原版である。
さらに、本発明は、基板上に少なくとも気泡を有する感熱層及びシリコーンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印刷版原版の製造方法において、基板上に感熱層組成物の溶液を塗布する工程、感熱層組成物を加熱乾燥する工程を含むことを特徴とする直描型水なし平版印刷版原版の製造方法である。
本発明によれば、少ないレーザー照射エネルギーで製版でき、画像再現性が良好な直描型水なし平版印刷版原版が得られる。さらに、この直描型水なし平版印刷版原版を水または水に界面活性剤を添加した液の存在下で摩擦することによって、有機溶剤を用いずに直描型水なし平版印刷版が製造可能である。
本発明の直描型水なし平版印刷版原版は、基板上に少なくとも感熱層及びシリコーンゴム層をこの順に積層してなり、該感熱層が気泡を有することを特徴とするものである。
気泡は孔径が0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜0.5μmであることがより好ましい。孔径が0.01μm以上であれば感度向上効果が得られやすく、5μm以下であれば感熱層とシリコーンゴム層との接着性が問題となることがない。
気泡は、感熱層の膜厚を1辺とし、膜厚の3倍を他の1辺とする矩形範囲において、1個以上であることが好ましく、より好ましくは5個以上であり、さらに好ましくは10個以上である。
また、感熱層の全体積に対して、0.1〜80体積%の気泡を含有することが好ましい。0.5〜50体積%がより好ましく、1〜30体積%がさらにより好ましい。
感熱層の気泡は、感熱層を含む印刷版原版または印刷版を超薄切片法で試料調製した後、透過型電子顕微鏡で断面を観察することによって確認できる。
本発明の直描型水なし印刷版原版は、感熱層が気泡を有することによって、感熱層の熱伝導率が小さくなり、レーザー照射によって発生した熱の拡散が抑えられるため、レーザー照射部分の感熱層表面付近で起こる化学反応が促進され、レーザー照射部分の感熱層とシリコーンゴム層の接着性が著しく低下し、感度が向上するものであると考えられる。
感熱層は描き込みに使用されるレーザー光を熱に変換(光熱変換)する機能を有し、さらに、発生した熱によって感熱層とシリコーンゴム層との接着性が低下する機能を有する層である。この感熱層は、基板上に感熱層組成物の溶液を塗布する工程、感熱層組成物を加熱乾燥する工程を含む製造方法によって形成される。
本発明の感熱層組成物の溶液には、少なくとも(1)光熱変換物質、(2)フィルム形成能を有するポリマー及び(3)発泡剤を含有することが好ましい。さらに、(4)有機錯化合物を含有することが好ましい。
(1)光熱変換物質としては、レーザー光を吸収するものであれば特に限定されるものではなく、例えばカーボンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック等の黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニン系の緑色顔料、カーボングラファイト、鉄粉、ジアミン系金属錯体、ジチオール系金属錯体、フェノールチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、結晶水含有無機化合物、硫酸銅、硫化クロム、ケイ酸塩化合物や、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化タングステン等の金属酸化物、これらの金属の水酸化物、硫酸塩等を挙げることができる。さらにビスマス、鉄、マグネシウム、アルミの金属粉等の添加剤を添加することが好ましい。
これらのなかでも、光熱変換率、経済性及び取り扱い性の面から、カーボンブラックが好ましい。
また、上記の物質以外に、赤外線または近赤外線を吸収する染料も、光熱変換物質として好ましく使用される。
これら染料としては400nm〜1200nmの範囲に極大吸収波長を有する全ての染料を使用できるが、好ましい染料としては、エレクトロニクス用、記録用色素であるシアニン系、フタロシアニン系、フタロシアニン金属錯体系、ナフタロシアニン系、ナフタロシアニン金属錯体系、ジチオール金属錯体系、ナフトキノン系、アントラキノン系、インドフェノール系、インドアニリン系、ピリリウム系、チオピリリウム系、スクワリリウム系、クロコニウム系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、トリフェニルメタンフタリド系、トリアリルメタン系、フェノチアジン系、フェノキサジン系、フルオラン系、チオフルオラン系、キサンテン系、インドリルフタリド系、スピロピラン系、アザフタリド系、クロメノピラゾール系、ロイコオーラミン系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサンテン系、ビスラクトン系、フルオレノン系、モノアゾ系、ケトンイミン系、ジスアゾ系、ポリメチン系、オキサジン系、ニグロシン系、ビスアゾ系、ビスアゾスチルベン系、ビスアゾオキサジアゾール系、ビスアゾフルオレノン系、ビスアゾヒドロキシペリノン系、アゾクロム錯塩系、トリスアゾトリフェニルアミン系、チオインジゴ系、ペリレン系、ニトロソ系、1:2型金属錯塩系、分子間型CT系、キノリン系、キノフタロン系、フルギド系の酸性染料、塩基性染料、色素、油溶性染料や、トリフェニルメタン系ロイコ色素、カチオン染料、アゾ系分散染料、ベンゾチオピラン系スピロピラン、3,9−ジブロモアントアントロン、インダンスロン、フェノールフタレイン、スルホフタレイン、エチルバイオレット、メチルオレンジ、フルオレッセイン、メチルビオロゲン、メチレンブルー、ジムロスベタイン等が挙げられる。
これらのなかでも、エレクトロニクス用や記録用の染料で、最大吸収波長が700nm〜900nmの範囲にある、シアニン系染料、アズレニウム系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料、アゾ系分散染料、ビスアゾスチルベン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、ペリレン系染料、フタロシアニン系染料、ナフタロシアニン金属錯体系染料、ポリメチン系染料、ジチオールニッケル錯体系染料、インドアニリン金属錯体染料、分子間型CT染料、ベンゾチオピラン系スピロピラン、ニグロシン染料等が好ましく使用される。
さらにこれらの染料のなかでも、モル吸光度係数εの大きなものが好ましく使用される。具体的にはεが1×104以上であることが好ましく、より好ましくは1×105以上である。εが1×104以上であれば、感度の向上効果が発現できる。
これらの光熱変換物質は単独で、あるいは、2種以上を併用して用いることが好ましい。吸収波長の異なる2種以上の光熱変換物質を併用することにより、2種以上の発信波長の異なるレーザーに対応出来るようにすることも可能である。
これら光熱変換物質の含有量は、感熱層の全固形分の0.1〜70重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜40重量%である。0.1重量%以上とすることでレーザー光に対する感度の向上効果が得られ、70重量%以下とすることで印刷版の耐刷性の低下が生じにくい。
(2)フィルム形成能を有するポリマーの例としては、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの単独重合体及び共重合体、ポリスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマーの単独重合体もしくは共重合体、イソプレン、スチレン−ブタジエン等の各種合成ゴム類、ポリ酢酸ビニル等のビニルエステル類の単独重合体及び酢酸ビニル−塩化ビニル等の共重合体、ポリエステル、ポリカーボネート等の縮合系各種ポリマー、分子内に活性水素を有するポリマー等が使用可能である。これらの中では、分子内に活性水素を有するポリマーが好ましい。
本発明に用いる分子内に活性水素を有するポリマーとは、例えば、−OH、−SH、−NH2 、−NH−、−CO−NH2 、−CO−NH−、−OCO−NH−、−NH−CO−NH−、−CO−OH、−CS−OH、−CO−SH、−CS−SH、−SO3 H、−PO32 、−SO2−NH2 、−SO2−NH−、−CO−CH2−CO−等の活性水素を有する構造単位を分子内に有するポリマーであり、このような構造単位を分子内に有するポリマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基を含有するモノマーの単独重合体もしくは共重合体、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を含有するアクリル酸又はメタクリル酸エステルの単独重合体もしくは共重合体、N−アルキルアクリルアミド、アクリルアミドの単独重合体もしくは共重合体、アミン類とアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル又はアリルグリシジルとの反応物の単独重合体もしくは共重合体、p−ヒドロキシスチレン、ビニルアルコールの単独重合体もしくは共重合体等の活性水素を含有するエチレン性不飽和モノマーの単独重合体もしくは共重合体(共重合モノマー成分としては、活性水素を含有する他のエチレン性不飽和モノマーでも良く、活性水素を含有しないエチレン性不飽和モノマーでも良い。)や、ポリウレタン樹脂類、ポリウレア樹脂類、ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)類、エポキシ樹脂類、ポリアルキレンイミン類、ノボラック樹脂類、レゾール樹脂類、セルロース誘導体類等の主鎖に活性水素を有する構造単位を有する縮合体が挙げられる。これらの中で水酸基、カルボキシル基を有するポリマーが好ましく、さらには、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、ノボラック樹脂、レゾール樹脂等のフェノール性水酸基を有するポリマーがより好ましい。
これらのフィルム形成能を有するポリマーは、1種単独で用いても、2種以上を併用して用いても良い。フィルム形成能を有するポリマーの含有量は感熱層の全固形分の20重量%〜95重量%、好ましくは50重量%〜90重量%である。
分子内に活性水素を有するポリマーの含有量はフィルム形成能を有するポリマーの50重量%〜100重量%が好ましく、より好ましくは70重量%〜100重量%、さらに好ましくは90重量%〜100重量%である。
また、フィルム形成能を有するポリマーとともに架橋剤を用いることも好ましい。架橋剤としては架橋性を有する公知の多官能性化合物が挙げられ、多官能ブロックドイソシアネート、多官能エポキシ化合物、多官能アクリレート化合物、多官能アルデヒド、多官能メルカプト化合物、多官能アルコキシシリル化合物、多官能アミン化合物、多官能カルボン酸、多官能ビニル化合物、多官能ジアゾニウム塩、多官能アジド化合物、ヒドラジン等が挙げられる。
本発明で使用される(3)発泡剤としては、熱分解性化合物、熱膨張型マイクロカプセル、炭化水素化合物等が挙げられるが、熱分解性化合物、炭化水素化合物がより好ましい。熱分解性化合物としては、熱を加えることで分解しガスを放出する化合物であれば特に限定するものではなく、例えば有機、無機系の各種があり、有機系にはアゾジカルボンアミド、ジアゾアミノベンゼン等のアゾ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、p−トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物、無機系には炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素塩を挙げることができる。
上記の熱分解性化合物の分解温度を調節するため、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、尿素等の分解温度調節剤が含有されているものも好ましく用いることができる。
熱膨張型マイクロカプセルとしては、熱を加えることで低沸点炭化水素を包含した樹脂微小球が膨張するものであれば特に限定するものではなく、例えばエタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の低沸点炭化水素をポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−アクリル酸メチル共重合体等からなる外殻壁で包含したものが例示され、それぞれ単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記熱分解性化合物、熱膨張型マイクロカプセルは、それぞれ単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの発泡剤の含有量は、感熱層の全固形分の0.1〜50重量%が好ましく、0.5〜20重量%がより好ましい。含有量を0.1重量%以上とすることで、感熱層に十分な気泡が形成され、感度が向上できる。また、含有量を50重量%以下とすることで過度の発泡を抑え、感熱層の機械的強度の低下を避けることができる。
また、炭化水素化合物としては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン、石油系溶剤、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH(エッソ化学製)等の脂肪族炭化水素類及びシクロヘキサン、シクロペンタン、シクロブタン等の脂環族炭化水素、さらにはトリフロロモノクロロエタン、ジフロロジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上を併せて用いることができる。
炭化水素化合物は感熱層組成物溶液の溶剤に混合して用いることが好ましく、全溶剤成分に対して、0.5〜50重量%となるように添加して用いることが好ましい。さらに、1〜30重量%となるように添加して用いることがより好ましい。炭化水素化合物を0.5重量%以上添加することによって感熱層に十分な気泡が形成され、感度を向上させることができる。また、炭化水素化合物を50重量%以下とすることによって、感熱層の塗工性に問題が生じにくい。感熱層の全固形分に対しては、0.1〜1000重量%とすることが好ましい。
本発明の感熱層組成物溶液には、(4)有機錯化合物を含有することが好ましい。有機錯化合物は、熱分解性化合物として、フィルム形成能を有するポリマーの架橋剤として、あるいは熱硬化反応の触媒として機能することができる。有機錯化合物が分解性化合物的な機能、架橋剤的な機能を果たす場合においても、感熱層中に他の前述のような分解性化合物、あるいは他の前述のような架橋剤を有していてもよいし、有していなくてもよい。このような機能の中では、熱硬化反応の架橋剤的な機能あるいは触媒的な機能を果たすことが好ましい。
本発明で言う有機錯化合物とは、金属に有機配位子が配位した有機錯塩、金属に有機配位子及び無機配位子が配位子した有機無機錯塩、及び金属と有機分子が酸素を介して共有結合している金属アルコキシド類を含む。これらの中でも、配位子が2個以上のドナー原子を有し、金属原子を含む環を形成するような金属キレート化合物が、そのもの自体の安定性や感熱層溶液の安定性等の面から好ましく用いられる。
有機錯化合物を形成する主な金属としては、Cu(I)、Ag(I)、Hg(I)、Hg(II)、Li、Na、K、Be(II)、B(III)、Zn(II)、Cd(II)、Al(III)、Co(II)、Ni(II)、Cu(II)、Ag(II)、Au(III)、Pd(II)、Pt(II)、Ca(II)、Sr(II)、Ba(II)、Ti(IV)、V(III)、V(IV)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Fe(II)、Fe(III)、Co(III)、Pd(IV)、Pt(IV)、Sc(III)、Y(III)、Si(IV)、Sn(II)、Sn(IV)、Pb(IV)、Ru(III)、Rh(III)、Os(III)、Ir(III)、Rb、Cs、Mg、Ni(IV)、Ra、Zr(IV)、Hf(IV)、Mo(IV)、W(IV)、Ge、In、ランタニド、アクチニド等が挙げられる。これらの中でもAl、Ti、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、In、Sn、Zr、Hfが好ましい。
また、配位子としては、O(酸素原子)、N(窒素原子)、S(硫黄原子)等をドナー原子として有する以下のような配位基を有する化合物が挙げられる。配位基の具体例としては、酸素原子をドナー原子とするものとしては、−OH(アルコール、エノール及びフェノール)、−COOH(カルボン酸)、>C=O(アルデヒド、ケトン、キノン)、−O−(エーテル)、−COOR(エステル、R:脂肪族または芳香族炭化水素を表す)、−N=O(ニトロソ化合物)、−NO2(ニトロ化合物)、>N−O(N−オキシド)、−SO3H(スルホン酸)、−PO32(亜リン酸)等、窒素原子をドナー原子とするものとしては、−NH2(1級アミン、アミド、ヒドラジン)、>NH(2級アミン、ヒドラジン)、>N−(3級アミン)、−N=N−(アゾ化合物、複素環化合物)、=N−OH(オキシム)、−NO2(ニトロ化合物)、−N=O(ニトロソ化合物)、>C=N−(シッフ塩基、複素環化合物)、>C=NH(アルデヒド、及びケトンイミン、エナミン類)、−NCS(イソチオシアナト)等、硫黄原子をドナー原子とするものとしては、−SH(チオール)、−S−(チオエーテル)、>C=S(チオケトン、チオアミド)、=S−(複素環化合物)、−C(=O)−SHあるいは−C(=S)−OH及び−C(=S)−SH(チオカルボン酸)、−SCN(チオシアナト)等が挙げられる。
上記のような金属と配位子から形成される有機錯化合物のうち、好ましく用いられる化合物としては、Al、Ti、Fe、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、In、Sn、Zr、Hf等の金属のβ−ジケトン類、アミン類、アルコール類、カルボン酸類との錯体が挙げられ、さらにはAl、Fe、Ti、Zrのアセチルアセトン錯体、アセト酢酸エチル錯体等が特に好ましい化合物として挙げられる。
このような化合物の具体例としては例えば以下のような化合物を挙げることが出来るが、これらに限定されるものではない。アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(プロピルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(ブチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(ヘキシルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(ノニルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(ヘキサフルオロペンタジオネート)、アルミニウムトリス(2,2,6,6−テトラメチルー3,5−ヘプタンジオネート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート、アルミニウムジアセチルアセトネートエチルアセトアセテート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスプロピルアセトアセテート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスブチルアセトアセテート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスヘキシルアセトアセテート、アルミニウムモノエチルアセトアセテートビスプロピルアセトセトネート、アルミニウムモノエチルアセトアセテートビスブチルアセトアセトネート、アルミニウムモノエチルアセトアセテートビスヘキシルアセトアセトネート、アルミニウムモノエチルアセトアセテートビスノニルアセトアセトネート、アルミニウムジブトキシドモノアセトアセテート、アルミニウムジプロポキシドモノアセトアセテート、アルミニウムジイソプロポキシドエチルアセトアセテート、アルミニウム−s−ブトキシドビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムジ−s−ブトキシドエチルアセトアセテート、アルミニウム−9−オクタデセニルアセトアセテートジイソプロポキシド等。チタンアリルアセトアセテートトリイソプロポキサイド、チタンビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド、チタンビス(トリエタノールアミン)ジ−n−ブトキサイド、チタンジイソプロポキサイドビス(2,4−ペンタジオネート)、チタンジ−n−ブトキサイドビス(2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポキサイドビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)、チタンジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)、チタンジ−n−ブトキサイドビス(エチルアセトアセテート)、チタンエチルアセトアセテートトリ−n−ブトキサイド、チタンメタクリルオキシエチルアセトアセテートトリイソプロポキサイド、チタンオキシドビス(2,4−ペンタンジオネート)、チタンテトラ(2−エチル−3−ヒドロキシヘキシルオキシド)、ジヒドロキシビス(ラクテート)チタン、(エチレングリコーレート)チタンビス(ジオクチルフォスフェート)等。ジルコニウムジ−n−ブトキサイドビス(2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムテトラキス(ヘキサフルオロペンタンジオネート)、ジルコニウムテトラキス(トリフルオロペンタンジオネート)、ジルコニウムメタクリルオキシエチルアセトアセテートトリ−n−プロポキサイド、ジルコニウムテトラキス(2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムテトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)、トリグリコラートジルコン酸、トリラクテートジルコン酸等。鉄(III)アセチルアセトネート、ジベンゾイルメタン鉄(II)、トロポロン鉄、トリストロポロノ鉄(III)、ヒノキチオール鉄、トリスヒノキチオロ鉄(III)、アセト酢酸エステル鉄(III)、鉄(III)ベンゾイルアセトネート、鉄(III)ジフェニルプロパンジオネート、鉄(III)テトラメチルヘプタンジオネート、鉄(III)トリフルオロペンタンジオネート等。
このような有機錯化合物の感熱層中に占める割合としては、感熱層の全固形分の0.5〜50重量%、さらには3〜30重量%であることが好ましい。有機錯化合物の量を0.5重量%以上とすることによって上記のような効果が期待でき、一方、50重量%以下とすることによって印刷版の耐刷性の低下等の問題が生じにくい。
また、本発明の感熱層組成物には必要に応じて各種の添加剤を使用しても良い。塗布性を改良するためにシリコーン系界面活性剤やフッ素系界面活性剤等を添加できる。シリコーンゴム層との接着性を強化するためにシランカップリング剤、チタンカップリング剤等を添加することもできる。これら添加剤の含有量はその使用目的によって異なるが、一般には感熱層の全固形分の0.1〜30重量%である。
次に、本発明に用いる上記の感熱層を形成する方法について説明する。本発明は、感熱層組成物の溶液を塗布する工程に続く、感熱層組成物を加熱乾燥する工程において、感熱層組成物の溶液に含有された発泡剤が分解、あるいは、気化することによって感熱層内に気泡が形成されることを特徴とする。この気泡は、さらに続いて実施される製造工程、あるいは、保存においても安定に存在する。
感熱層組成物の溶剤としては、光熱変換物質、フィルム形成能を有するポリマー、発泡剤、有機錯化合物等の感熱層構成成分を溶解できるものであれば如何なるものでも使用できる。例えば、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、アミド類等の溶剤が挙げられる。それぞれの類について一例を挙げるが、これらに限定されるものではない。(アルコール類)メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチルブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2,4−ジメチルペンタ−3−オール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、1−ノナノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、1−デカノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、ベンジルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等。
(エーテル類)エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルフェニルエーテル、ジメトキシメタン、ジエテルアセタール、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジメチルジオキサン、トリオキサン、ジオキソラン、メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等。
(ケトン類)アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルプロピルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジブチルケトン、ジイソブチルケロン、メチルペンチルケトン、メチルヘキシルケトン、エチルペンチルケトン、プロピルブチルケトン、エチルヘキシルケトン、プロピルペンチルケトン、プロピルヘキシルケトン、ブチルペンチルケトン、ブチルヘキシルケトン、ジペンチルケトン、ペンチルヘキシルケトン、ジヘキシルケトン、メチルイソブテニルケトン、ジアセトンアルコール、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メチルフェニルケトン、イソホロン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン等。
(エステル類)ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸フェニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸ペンチル、クロトン酸エチル、クロトン酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ベンジル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸ペンチル、乳酸ヘキシル、乳酸シクロヘキシル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等。
(アミド類)ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等。
(その他)カルバミド酸メチル、カルバミド酸エチル、テトラメチルウレア、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル等。
上記溶剤は単独で用いても良いし、複数種を混合して用いても良い。感熱層組成物の溶液中の全固形分の濃度は、2〜50重量%が好ましい。
感熱層を塗布する装置としては、スリットダイコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、リバースロールコーター、ナチュラルロールコーター、エアーナイフコーター、ロールブレードコーター、バリバーロールブレードコーター、トゥーストリームコーター、ロッドコーター、ディップコーター、カーテンコーター等の各種の装置が使用できる。塗膜精度や生産性及びコストの面で、スリットダイコーター、グラビアコーター、ロールコーターが特に好ましい。
塗布された感熱層組成物は、熱風乾燥機、赤外線乾燥機等を用いて、20〜200℃の温度で、30秒〜10分間乾燥することが好ましい。
感熱層組成物の塗布重量は印刷版の耐刷性や希釈溶剤が揮散しやすく生産性で優れる点で乾燥後の重量で0.1〜10g/m2 の範囲が適当であり、好ましくは0.5〜7g/m2 の範囲である。
本発明に用いられる基板としては、寸法的に安定な板状物であれば公知の金属、フィルム等のいずれも使用することができる。この様な寸法的に安定な板状物としては、従来印刷版の基板として使用されたもの等が好ましく挙げられる。このような基板としては、紙、プラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、アルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、銅等の金属の板、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等のプラスチックのフィルム、上記の如き金属がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム等が挙げられる。
これらのうち、アルミニウム板は寸法的に著しく安定であり、しかも安価であるので特に好ましい。また、軽印刷用の基板として用いられているポリエチレンテレフタレートフィルムも好ましく使用される。
感熱層との接着性を強固にするとともに、金属等のように熱伝導が比較的高い物質を使用する場合には断熱の目的で、前述の基板の上に断熱層を設けたものを基板として使用することも好ましく行われる。このような断熱層を設けることにより、感熱層が熱反応を起こす際の熱が基板へ拡散するのを防止することができる。
断熱層は、次の条件を満たすことが好ましい。すなわち、基板と感熱層とをよく接着し、経時において安定であること、さらに現像液、印刷時に使用する溶剤に対する耐溶剤性が高いことである。
このような条件を満たすものとして、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、カゼイン、ゼラチン等を含むものが挙げられる。これらの樹脂は単独であるいは2種以上混合して用いることができる。また、これらの樹脂と類似の組成物を硬化したものを使用してもよい。
これらの中では、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂等を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることが好ましい。
断熱層の耐溶剤性を向上する目的で、感熱層と同様の架橋剤や有機錯化合物を混合することが好ましい。
また、この断熱層中に感熱層と同様の発泡剤を添加することも好ましく行われる。さらに、顔料、染料等の添加剤を含有させて検版性を向上させることが好ましい。
断熱層の厚さは被覆層にして1〜30g/m2 が基板表面の形態欠陥を防止し、化学的悪影響を遮断する効果や経済性の点から好ましく、より好ましくは2〜20g/m2である。
本発明のシリコーンゴム層としては、付加反応型のもの、縮合反応型のものいずれでも用いられる。
付加反応型のシリコーンゴム層を構成する成分としては、ビニル基含有ポリシロキサン、SiH基含有ポリシロキサン、さらには硬化速度を制御する目的で反応抑制剤、及び硬化触媒を含むことが好ましい。
ビニル基含有ポリシロキサンは、下記一般式(I)で表される構造を有し、分子末端及び/もしくは主鎖中にビニル基を有するものである。
−(SiR12−O−)n− (I)
(式中、nは2以上の整数を示し、R1、R2は炭素数1〜50の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素数2〜50の置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素数4〜50の置換あるいは非置換のアリール基の群から選ばれる少なくとも1種の基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
上記式中のR1、R2は全体の50%以上がメチル基であることが、印刷版のインキ反発性の面で好ましい。また、取扱い性や得られた印刷版のインキ反発性、耐傷性等の観点から重量平均分子量は1万〜60万であることが好ましく、さらには3万〜20万のものを用いることが好ましい。
SiH基を有する化合物としては、例えば、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ジオルガノハイドロジェンシリル基を有する有機ポリマーが挙げられ、好ましくは、オルガノハイドロジェンシロキサンである。オルガノハイドロジェンは直鎖状、環状、分岐状、網状の分子構造を有し、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルハイドロジェンシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ポリメチルフェニルシロキサン、式:R3SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R2HSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R2HSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:RHSiO2/2で示されるシロキサン単位と式:RSiO3/2で示されるシロキサン単位または式:HSiO3/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、及びこれらのオルガノポリシロキサンの2種以上の混合物が挙げられる。上式中、Rはアルケニル基以外の一価炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示される。
ジオルガノハイドロジェンシリル基を有する有機ポリマーとしては、例えば、ジメチルハイドロジェンシリル(メタ)アクレート、ジメチルハイドロジェンシリルプロピル(メタ)アクリレート等のジメチルハイドロジェンシリル基含有アクリル系モノマーと、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、スチレン、α−メチルスチレン、マレイン酸、酢酸ビニル、酢酸アリル等のモノマーとを共重合したオリゴマーが挙げられる。
SiH基を有する化合物はビニル基含有ポリシロキサン100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、1.5〜15重量部がより好ましい。SiH基を有する化合物が1重量部以上であればシリコーンゴム層の硬化が不足して膜強度や耐傷性が問題となることがない。また、30重量部以下であればSiH基を有する化合物が未反応のまま残留して、インキ反発性、画像再現性及び耐傷性に影響することがない。
反応抑制剤としては、含窒素化合物、リン系化合物、不飽和アルコール等が挙げられるが、アセチレン基含有のアルコール等が好ましく用いられる。反応抑制剤は、ビニル基含有ポリシロキサン100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がより好ましい。
硬化触媒は公知のものから選ばれるが、好ましくは白金系化合物であり、具体的には白金単体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金、白金のアルコール変性錯体、白金のメチルビニルポリシロキサン錯体等を一例として挙げることができる。このような硬化触媒の量は、ビニル基含有ポリシロキサン100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましく、0.1〜10重量部がより好ましい。添加する触媒量を0.01重量部以上とすることでシリコーンゴム層の硬化が十分となり、また、感熱層との接着性が発現する。一方、20重量部以下とすることでシリコーンゴム層溶液のポットライフに悪影響をもたらすことがない。
また、これらの組成物の他に、縮合反応型シリコーンゴム層の組成物である水酸基含有オルガノポリシロキサンや加水分解性官能基含有シラン(もしくはシロキサン)、ゴム強度を向上させる目的でシリカ等の公知の充填剤、接着性を向上させる目的で公知のシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等を含有してもよい。シランカップリング剤としては、アルコキシシラン類、アセトキシシラン類、ケトキシミンシラン類等が好ましく、特にビニル基を有するものや、ケトキシミンシラン類が好ましい。
縮合反応型のシリコーンゴム層を構成する成分としては、水酸基含有ポリシロキサン、架橋剤(脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコール型、脱アミン型、脱アセトン型、脱アミド型、脱アミノキシ型等)、及び硬化触媒を含むことが好ましい。
水酸基含有ポリシロキサンも、上記一般式(I)で表される構造を有する。水酸基は分子末端及び/もしくは主鎖中に位置することができるが、好ましく用いられるものは分子両末端に水酸基を有するものである。
一般式中のR1、R2については、同様に全体の50%以上がメチル基であることが、印刷版のインキ反発性の面で好ましい。その取扱い性や得られた印刷版のインキ反発性、耐傷性等の観点から重量平均分子量は1万〜60万が好ましく、3万〜20万がより好ましい。
縮合反応型のシリコーンゴム層で用いられる架橋剤としては、下記一般式(II)で表される、アセトキシシラン類、アルコキシシラン類、ケトキシミンシラン類、アリロキシシラン類等を挙げることができる。
(R34-nSiXn (II)
(式中、nは2〜4の整数を示し、R3は炭素数1以上の置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらの組み合わされた基を示す。Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシミン基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニルオキシ基から選ばれる官能基である。)上記式において、加水分解性基の数nは3または4であることが好ましい。
具体的な化合物としては、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリスイソプロペノキシシラン、ビニルメチルビス(メチルエチルケトキシミン)シラン、メチルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン、ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン、テトラ(メチルエチルケトキシミン)シラン、ジイソプロペノキシジメチルシラン、トリイソプロペノキシメチルシラン、テトラアリロキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中では、シリコーンゴム層の硬化速度、取扱い性等の観点から、アセトキシシラン類、ケトキシミンシラン類が好ましい。
一般式(II)で表される架橋剤の添加量は、水酸基含有ポリシロキサン100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、1.5〜15重量部がより好ましい。添加量を1重量部以上とすることでシリコーンゴム層溶液のゲル化が起こりにくく、また、30重量部以下とすることでゴムの物性がもろくなったり、印刷版の耐傷性等に悪影響を与えたりしにくい。
硬化触媒としては、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸等の有機カルボン酸、トルエンスルホン酸、ホウ酸等の酸類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ、アミン、及びチタンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシド等の金属アルコキシド、鉄アセチルアセトナート、チタンアセチルアセトナートジプロポキシド等の金属ジケテネート、金属の有機酸塩等を挙げることができる。これらの中では、金属の有機酸塩を添加することが好ましく、特に錫、鉛、亜鉛、鉄、コバルト、カルシウム、マンガンから選ばれる金属の有機酸塩であることが好ましい。このような化合物の具体例の一部としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸亜鉛、オクチル酸鉄等を挙げることができる。このような硬化触媒の量は、水酸基含有ポリシロキサン100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましく、0.1〜10重量部がより好ましい。添加する触媒量を0.01重量部以上とすることでシリコーンゴム層の硬化が十分となり、さらに感熱層との接着性が発現する。また、20重量部以下とすることでシリコーンゴム層溶液のポットライフに悪影響をもたらしにくい。
また、これらの組成物の他に、ゴム強度を向上させる目的でシリカ等の公知の充填剤、さらには公知のシランカップリング剤を含有してもよい。
本発明のシリコーンゴム層の組成物は、例えば、石油系溶剤、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH(エッソ化学製)、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の適当な溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して、基板上に塗布し、乾燥、硬化して設けてもよい。シリコーンゴム層の組成物の溶液中の全固形分の濃度は、好ましくは2〜50重量%である。
シリコーンゴム層を塗布する装置としては、感熱層を塗布する装置と同様の装置を用いることができる。
これらシリコーンゴム層の膜厚は0.5〜20g/m2が好ましく、さらに好ましくは1〜4g/m2である。膜厚を0.5g/m2以上とすることで印刷版のインキ反撥性や耐傷性、耐刷性が十分となり、20g/m2以下とすることで経済的見地から不利とならず、現像性、インキマイレージの低下が起こりにくい。
直描型平版印刷版原版には、インキ反発層を保護する目的で保護フィルムをラミネートするかあるいは保護層を形成してもよい。保護フィルムとしてはポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム等が挙げられる。
このようにして得られた直描型平版印刷版原版から印刷版を製造する方法を説明する。
直描型平版印刷版原版の保護フィルムを剥離してから、あるいは保護フィルム上からレーザー光で画像状に露光する。本発明の製版露光工程で用いられるレーザー光源としては、発光波長領域が300nm〜1500nmの範囲にあるものが用いられるが、これらの中でも近赤外領域付近に発光波長領域が存在する半導体レーザーやYAGレーザーが好ましく用いられる。具体的には、明室での版材の取扱い性等の観点から、780nm、830nm、1064nmの波長のレーザー光が製版に好ましく用いられる。
レーザー照射後の原版は、現像液の存在下もしくは非存在下での摩擦処理により現像できる。摩擦処理は、不織布、脱脂綿、布、スポンジ、ブラシ等で版面を擦ることによって、あるいは、現像液を含浸した不織布、脱脂綿、布、スポンジ等で版面を拭き取ることによって行うことができる。また、現像液で版面を前処理した後に水道水等をシャワーしながら回転ブラシで擦ることによって行うことができる。上記の現像液に代えて、温水や水蒸気を版面に噴射することによっても現像できる。
現像処理に使用される現像液としては、水や水に界面活性剤を添加した液が好ましい。現像液として用いる水は水道水でも構わない。また、界面活性剤としては公知のものを使用できる。安全性、廃棄する際のコスト等の点から、水溶液にしたときにpHが5〜8になるものが好ましい。界面活性剤の含有量は現像液の10重量%以下であることが好ましい。このような現像液は安全性が高く、廃棄する際のコスト等の経済性の点でも好ましい。
また、画線部の視認性や網点の計測精度を高める目的から、これらの現像液にクリスタルバイオレット、ビクトリアピュアブルー、アストラゾンレッド等の染料を添加して現像と同時に画線部の染色を行うこともできる。現像の後に上記の染料を添加した液によって染色することもできる。
また、以上のように現像処理された印刷版を積み重ねて保管する場合には、印刷版を保護するために合紙を挿入し挟んでおくことが好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
(実施例1)
(断熱層の形成)厚さ0.24mmの脱脂したアルミ基板(三菱アルミ(株)製)上に下記の断熱層溶液をバーコーターを用いて塗布し、200℃で1分間乾燥し、膜厚8g/m2の断熱層を設けた。
<酸化チタン分散液の作製>
N,N−ジメチルホルムアミド10重量部中に、酸化チタン“CR−50”(石原産業(株)製)10重量部を添加して5分間撹拌した。さらに、ガラスビーズ(No.08)を15重量部添加し、20分間激しく撹拌し、その後ガラスビーズを取り去ることで酸化チタン分散液を得た。
<断熱層溶液の組成>
(a)エポキシ樹脂:エピコート(登録商標)1010(ジャパンエポキシレジン(株)製):18重量部
(b)ポリウレタン:サンプレン(登録商標)LQ−T1331D(三洋化成工業(株)製、濃度20%、N,N−ジメチルホルムアミド/2−エトキシエタノール溶液):285重量部(ポリウレタン:57重量部)
(c)アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート):“アルミキレート”ALCH−TR(川研ファインケミカル(株)製):4重量部
(d)ビニル系重合物:ディスパロン(登録商標)LC951(楠本化成(株)製):0.1重量部
(e)酸化チタン分散液(濃度50%):42重量部(酸化チタン:21重量部)
(f)N,N−ジメチルホルムアミド:48重量部
(g)メチルエチルケトン:270重量部。
(感熱層の形成)下記の感熱層溶液を前記断熱層上にバーコーターを用いて塗布し、150℃で80秒間加熱、乾燥することによって、膜厚2.0g/m2の感熱層を設けた。
<感熱層溶液の組成>
(a)光熱変換物質(赤外線吸収染料):“PROJET”825LDI((株)Avecia製):10重量部
(b)有機錯化合物:チタンジ−n−ブトキサイドビス(2,4−ペンタンジオネート):ナーセム(登録商標)チタン(日本化学産業(株)製、チタン濃度約8.8%、n−ブタノール溶液):22重量部
(c)フィルム形成能を有するポリマー:フェノールノボラック樹脂:スミライトレジン(登録商標)PR54652(住友デュレズ(株)製):60重量部
(d)フィルム形成能を有するポリマー:ポリウレタン:サンプレン(登録商標)LQ−T1331D(三洋化成工業(株)製、濃度20%、N,N−ジメチルホルムアミド/2−エトキシエタノール溶液):50重量部(ポリウレタン:10重量部)
(e)発泡剤:4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド):10重量部
(f)テトラヒドロフラン:668重量部
(g)エタノール:40重量部。
(シリコーンゴム層の形成)下記のシリコーンゴム層溶液を前記感熱層上にバーコーターを用いて塗布し、125℃で80秒間加熱、乾燥することによって、膜厚2.0g/m2のシリコーンゴム層を設け、直描型水なし平版印刷版原版を得た。さらに、シリコーンゴム層表面に6μmのポリプロピレンフィルムをラミネートした。
<シリコーンゴム層溶液の組成>
(a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサンDMS−V52(重量平均分子量110,000、GELEST Inc.製):100重量部
(b)両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基含有ポリシロキサンHMS−151(MeHSiOのモル%:15〜18%、GELEST Inc.製):7重量部
(c)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン:3重量部
(d)白金触媒:“SRX−212”(東レダウコーニングシリコーン(株)製):5重量部
(e)アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):1035重量部。
得られた直描型水なし平版印刷版原版を、製版機“GX−3600”(東レ(株)製)に装着し、半導体レーザー(波長830nm)を用いて照射エネルギー150mJ/cm2で画像露光を行い、2400dpiでそれぞれ1、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98、99%の網点状のレーザー照射部域を作製した。ポリプロピレンフィルムを剥離した後、前処理液を使用せず、後処理液の代わりに水を使用して自動現像機“TWL−860KII”(東レ(株)製)で水洗浄下でブラシ現像した。この一連の操作によって、レーザー照射部のシリコーンゴム層が剥離したネガ型の直描型水なし平版印刷版を得た。
得られた印刷板をルーペで観察したところ、1〜99%の網点を再現しており、良好な画像再現性を有していた。
この印刷版をオフセット印刷機(小森スプリント4色機)に取り付け、“ドライオカラー”(大日本インキ化学工業(株)製)墨、紅、藍、黄インキを用いて、上質紙に印刷を行った。2万枚印刷後も非画線部に汚れがない良好な印刷物が得られた。また、印刷終了後の印刷版を検査した結果、非画線部のシリコーンゴム層がピンホール状に剥離する等の損傷もなく、2万枚以上の耐刷性があることが確認できた。
レーザー照射前の直描型水なし平版印刷版原版から超薄切片法によって試料を調製し、透過型電子顕微鏡H−1700FA型(日立製)を使用して、加速電圧100kV、倍率10,000倍で断面を観察したところ、膜厚を1辺とし、膜厚の3倍を他の1辺とする矩形範囲において孔径0.1〜0.7μmの気泡が17個(平均孔径0.35μm)存在し、感熱層の全体積に対して17体積%であった。
(比較例1)
実施例1の感熱層溶液の組成において、(e)4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を添加しなかったこと以外は同様にして直描型水なし平版印刷版原版を得た。
実施例1と同様に、照射エネルギー150mJ/cm2で画像露光及び現像を行ったが画線部のシリコーンゴム層が除去されていなかった。
レーザー照射前の印刷版原版の断面を透過型電子顕微鏡で観察したところ、気泡は確認されなかった。
(実施例2)
感熱層を下記の通り作製した以外は、実施例1と同様にして直描型水なし平版印刷版原版を得た。
(感熱層の形成)下記の感熱層溶液を前記断熱層上にバーコーターを用いて塗布し、150℃で80秒間加熱、乾燥することによって、膜厚1.5g/m2の感熱層を設けた。
<感熱層溶液の組成>
(a)光熱変換物質(赤外線吸収染料):“PROJET”825LDI((株)Avecia製):10重量部
(b)有機錯化合物:アルミニウムジ−2−プロポキシドエチルアセトアセテート:“ALCH”(川研ファインケミカル(株)製):10重量部
(c)フィルム形成能を有するポリマー:フェノールノボラック樹脂:スミライトレジン(登録商標)PR50731(住友デュレズ(株)製):60重量部
(d)テトラヒドロフラン:468重量部
(e)エタノール:40重量部
(f)発泡剤:アイソパー(登録商標)E(エッソ化学(株)製):200重量部
得られた直描型水なし平版印刷版原版からポリプロピレンフィルムを剥離した後、製版機“GX−3600”(東レ(株)製)に装着し、半導体レーザー(波長830nm)を用いて照射エネルギー150mJ/cm2で画像露光を行った。前処理液を使用せず、後処理液の代わりに水を使用して自動現像機“TWL−860KII”(東レ(株)製)で水洗浄下でブラシ現像した。この操作によって、レーザー照射部のシリコーンゴム層が剥離し、感熱層が露出したネガ型の直描型水なし平版印刷版を得た。
得られた印刷板をルーペで観察したところ、1〜99%の網点を再現しており、良好な画像再現性を有していた。
この印刷版をオフセット印刷機(小森スプリント4色機)に取り付け、“ドライオカラー”(大日本インキ化学工業(株)製)墨、紅、藍、黄インキを用いて、上質紙に印刷を行った。2万枚印刷後も非画線部に汚れがない良好な印刷物が得られた。また、印刷終了後の印刷版を検査した結果、非画線部のシリコーンゴム層がピンホール状に剥離する等の損傷もなく、2万枚以上の耐刷性があることが確認できた。
レーザー照射前の直描型水なし平版印刷版原版から超薄切片法によって試料を調製し、透過型電子顕微鏡H−1700FA型(日立製)を使用して、加速電圧100kV、倍率10,000倍で断面を観察したところ、膜厚を1辺とし、膜厚の3倍を他の1辺とする矩形範囲において、孔径0.065〜0.25μmの気泡が13個(数平均孔径0.14μm)存在し、感熱層の全体積に対して4体積%であった。

Claims (7)

  1. 基板上に少なくとも感熱層及びシリコーンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印刷版原版において、該感熱層が気泡を有することを特徴とする直描型水なし平版印刷版原版。
  2. 該気泡の孔径が0.01〜5μmであることを特徴とする請求項1に記載の直描型水なし平版印刷版原版。
  3. 請求項1または2に記載の直描型水なし平版印刷版原版をレーザービームを用いて像に従って露光する工程、露光した直描型水なし平版印刷版原版を水または水に界面活性剤を添加した液の存在下で摩擦し、これによって露光された部域でのシリコーンゴム層を除去する工程を含むことを特徴とする印刷版の製造方法。
  4. 基板上に少なくとも気泡を有する感熱層及びシリコーンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印刷版原版の製造方法において、基板上に感熱層組成物の溶液を塗布する工程、感熱層組成物を加熱乾燥する工程を含むことを特徴とする直描型水なし平版印刷版原版の製造方法。
  5. 感熱層組成物の溶液に光熱変換物質、フィルム形成能を有するポリマー及び発泡剤を含有することを特徴とする請求項4に記載の直描型水なし平版印刷版原版の製造方法。
  6. 発泡剤が熱分解性化合物であることを特徴とする請求項5に記載の直描型水なし平版印刷版原版の製造方法。
  7. 発泡剤が炭化水素化合物であることを特徴とする請求項5に記載の直描型水なし平版印刷版原版の製造方法。
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