JP2000309175A - 直描型水なし平版印刷版の製造方法 - Google Patents

直描型水なし平版印刷版の製造方法

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JP2000309175A
JP2000309175A JP11121554A JP12155499A JP2000309175A JP 2000309175 A JP2000309175 A JP 2000309175A JP 11121554 A JP11121554 A JP 11121554A JP 12155499 A JP12155499 A JP 12155499A JP 2000309175 A JP2000309175 A JP 2000309175A
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Japan
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printing plate
silicone rubber
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receiving layer
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JP11121554A
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English (en)
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Koichi Nagase
公一 長瀬
Kazuoki Goto
一起 後藤
Kunitaka Fujiyoshi
国孝 藤吉
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

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  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザー光照射後の煩雑な工程を必要としな
い、取扱い性に優れた直描型平版印刷版原版を提供す
る。 【解決手段】カバーフィルム、シリコーンゴム層、熱硬
化性樹脂を含有するインキ受容層を最外表面から順次積
層してなる直描型印刷版原版を、カバーフィルムを剥離
した状態でレーザーによって露光することによって画像
を形成することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿し水を用いずに
印刷が可能な印刷版の製造方法に関するものであり、特
にレーザー光で直接製版できる直描型水なし平版印刷版
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製版用フィルムを使用しないで、原稿か
ら直接オフセット印刷版を作製する、いわゆるダイレク
ト製版は、熟練度を必要としない簡易性、短時間で印刷
版が得られる迅速性、多様なシステムから品質とコスト
に応じて選択可能である合理性などの特徴を生かして、
軽印刷業界のみでなく、一般オフセット印刷、グラビア
印刷の分野にも進出し始めている。
【0003】特に最近では、プリプレスシステムやイメ
ージセッター、レーザープリンタなどの出力システムの
急激な進歩によって新しいタイプの各種平版印刷材料が
開発されている。
【0004】これらの平版印刷版を製版方法から分類す
ると、レーザー光を照射する方法、サーマルヘッドで書
き込む方法、ピン電極で電圧を部分的に印加する方法、
インクジェットでインキ反撥層またはインキ着肉層を形
成する方法などが挙げられる。
【0005】なかでも、レーザー光を用いる方法は解像
度、および製版速度の面で他の方式よりも優れており、
その種類も多い。
【0006】特にヒートモードのタイプのものは、明室
で取り扱えるといった利点があり、また光源となる半導
体レーザーの急激な進歩によって、最近その有用性が見
直されてきている。
【0007】例えば、特開平6−199064号公報、
USP5339737号、USP5353705号、E
P0580393号公報、特開平6−55723号公
報、EP0573091号公報、USP5378580
号、特開平7−164773号公報、特開平6−186
750号公報、特開平7−309001号公報、特開平
9−104182号公報、特開平9−146264号公
報、特開平9−146265号公報、特開平9−236
927号公報、特開平9−244228号公報、EPO
644047号公報、にはレーザー光を光源として用い
る直描型水なし平版印刷版原版およびその製版方法など
が記載されている。
【0008】この熱破壊方式の印刷版原版の感熱層は、
レーザー光吸収化合物として主としてカーボンブラック
を用い、熱分解化合物としてニトロセルロースを使用し
ている。そしてこのカーボンブラックがレーザー光を吸
収することによって熱エネルギーに変換され、さらにそ
の熱で感熱層が破壊される。そして最終的に、現像によ
ってこの部分を除去することによって、表面のシリコー
ンゴム層が同時に剥離され、インキ着肉部となる。
【0009】しかしながらこの印刷版は、感熱層を破壊
して画像を形成することから画線部のセルの深さが深く
なり、微少網点でのインキ着肉性が悪く、インキマイレ
ージが悪いという問題点があった。更に、感熱層を熱破
壊させ易くするために、架橋構造を形成しており印刷版
の耐刷性が劣るという問題もあった。感熱層を柔軟化さ
せると感度が極端に低下し、感熱層の柔軟化は困難であ
った。
【0010】更にこの印刷版は感度が低く、感熱層を破
壊させるために高いレーザー光の強度が必要という問題
点もあった。
【0011】特開平9−146264号公報では、光熱
変換層中にレーザー光を熱に変換する化合物、フィルム
形成能を有する高分子化合物、光重合開始剤、および光
重合可能なエチレン性不飽和化合物を有し、シリコーン
ゴム層形成後にエネルギー線による全面露光を施すこと
により光熱変換層と、シリコーンゴム層とを反応させた
ネガ型のレーザー感光性湿し水不要平版印刷版原版が提
案されている。
【0012】この版材では、シリコーンゴム層塗布後に
全面露光を施すことにより、例えば小林らの文献(例え
ば、“印刷学会論文集,18,128(1979)”や
“Journal of Applied Photo
graphic Engineering,vol.
6,pp.65−68”など)に示されている公知の機
構によりシリコーンゴム層と感光層との接着力を向上さ
せ、その結果として、画像再現性、耐傷性に優れた版材
を得ている。しかしながら、前述のように、感光層の柔
軟性と感度のトレードオフ的な関係は存在しており、特
に感度が低いという問題を有していた。
【0013】特開平9−239942号公報では、レー
ザー感応層中に酸を発生する物質と、酸の作用で分解す
る高分子化合物を含有する剥離現像タイプの印刷版が提
案されているが、レーザー光照射の工程と加熱工程とい
う二つの工程が必要になり、また微細な網点の再現性が
悪いという剥離現像固有の問題が存在する。
【0014】また、特に特開平6−55723号公報、
EP0573091号公報、USP5378580号で
は、光源としてNd−YAGレーザーを用いているため
に、露光装置がかなり大がかりなものとなってしまうと
いった、別の問題点もあった。
【0015】その他、USP5379698号、特開平
7−314934号公報、特開平9−236927号公
報には、金属薄膜を感熱層として用いる直描型水なし平
版印刷版が記載されている。
【0016】この印刷版材は、感熱層がかなり薄いため
に、非常にシャープな画像が得られ、印刷版の解像度と
いう面では有利であるが、基材と感熱層の接着性が悪く
印刷中に非画線部の感熱層が剥離し、インキが付着し印
刷物上で欠点となるという問題点があった。また、この
印刷版も感熱層を破壊させて画像を形成させることから
画線部のセルが深くなりインキ着肉性やインキマイレー
ジが劣るという問題点があった。
【0017】以上のようなレーザー光を用いた平版印刷
版の他に、特に直描型水なし平版印刷版に関するものと
して、熱接着型の直描型水なし平版印刷版が考えられ
る。
【0018】このタイプの版材は、レーザー光照射部の
シリコーンゴム層が選択的に残存し、非画線部として働
くものである。その機構としては、レーザー光照射によ
りシリコーンゴム層とレーザー感応層との接着力、ある
いはレーザー感応層とその下にある基板との接着力が何
らかの形で向上し、その結果として、未照射部のシリコ
ーンゴム層、あるいはシリコーンゴム層とレーザー感応
層がその後の処理により選択的に除去されるというもの
である。
【0019】このようなタイプの版材としては、例えば
特開平9−68794号公報、特開平9−80745号
公報、特開平9−120157号公報、特開平9−19
7659号公報などが提案されている。
【0020】特開平9−120157号公報で提案され
ている版材は、レーザー光照射により発生した酸を触媒
として感光層の反応を進め、画像を再現するというもの
である。しかしながら、酸発生後、反応を進めるために
は、熱処理という工程が必要であった。さらに、酸発生
後から熱処理までの時間が画像再現性に影響を与えるた
め、画像再現性が不安定となるという問題を有してい
た。
【0021】特開平9−80745号公報、特開平9−
197659号公報で提案されている版材も、感光層中
に活性光線の照射で酸を発生しうる化合物および酸の存
在下で反応し得る結合を有する化合物が含まれており、
レーザー光照射後、発生した酸を用いて反応を進めるタ
イプであるため、上記と同様の問題を有していた。
【0022】また、特開平9−300837号公報で提
案されている版材は、発泡層を有し、該発泡層がレーザ
ービームの照射によって発泡することによって発泡層の
上に積層されたシリコーンゴム層に膨張歪を与え、その
後ベースフィルムの剥離によって平凹版を形成するもの
である。しかし、シリコーンゴム層に膨張歪を与えるま
で発泡させるには多大のエネルギーが必要となり、また
ベースフィルムの剥離による平凹版の形成は部分的に残
留するシリコーンゴム層があり良好な版を低エネルギー
で得ることができなかった。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の欠点を改良するため、レーザー光照射後の煩雑な工
程を必要とせずとも、画像再現性の良好な直描型水なし
平版印刷版の製版方法を提供する。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下の構成からなる。
【0025】基板上に少なくとも、熱硬化性樹脂を含有
するインキ受容層、シリコーンゴム層、カバーフィルム
を順次積層してなる直描型水なし平版印刷版原版を、カ
バーフィルムを剥離した状態でレーザー露光することを
特徴とする直描型水なし平版印刷版の製造方法。
【0026】
【発明の実施の形態】なお、本発明において直描型と
は、露光時にネガあるいはポジのフィルムを用いずに、
印刷版上に直接記録ヘッドから画像形成を行うことを意
味する。以下に本発明を詳しく説明する。
【0027】本発明の直描型印刷版の製造方法は、直描
型水なし平版印刷版原版が基板上に少なくとも熱硬化性
樹脂を含有するインキ受容層、シリコーンゴム層を順次
積層してなる直描型水なし平版印刷版原版において、レ
ーザー露光によって該インキ受容層の該シリコーンゴム
層と接する最表面が発泡するものである直描型印刷版原
版に用いることが好ましい。
【0028】このような直描型印刷版原版は、熱硬化性
樹脂を含有するインキ受容層のシリコーンゴム層と接す
る最表面が発泡することによってインキ受容層表面が盛
り上がり、シリコーンゴム層表面も凸状になる。また、
インキ受容層に熱硬化性樹脂を含有しているため、イン
キ受容層表面は発泡するが、内面では熱硬化がさらにす
すむ。このため、ブラシ現像によって印刷版表面から物
理的な擦り力を与えた場合には、力が発泡しているイン
キ受容層表面にかかるようになり、発泡部分、すなわち
レーザー露光部分がはぎ取られ画像を形成すると考え
る。
【0029】また、内面で熱硬化がすすむことによって
本発明の発泡部は最表面だけにとどめられ、このことに
よって画線部のインキ受容層は殆ど破壊されることなく
現像後も残存する。このことによって画線部のセル部分
が不要に深くならず、インキマイレージなどが良好とな
る。
【0030】以下にこのような直描型印刷原版を得るた
めの各層の詳細について説明する。
【0031】[インキ受容層]本発明の直描型印刷版原
版は、レーザー光を照射することにより画像を形成させ
るため、光熱変換物質を含有することが好ましい。光熱
変換物質を含有することで、そのもの自体が分解物を発
生する場合、および他の物質に熱エネルギーを与えて他
の物質を分解し、分解物を発生させることができる。
【0032】光熱変換物質としてはレーザー光を吸収す
るものであれば特に限定されるものではなく、例えばカ
ーボンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック
などの黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニン系
の緑色顔料、カーボングラファイト、鉄粉、ジアミン系
金属錯体、ジチオール系金属錯体、フェノールチオール
系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、結晶水
含有無機化合物、硫酸銅、硫化クロム、珪酸塩化合物
や、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化
鉄、酸化コバルト、酸化タングステンなどの金属酸化
物、これらの金属の水酸化物、硫酸塩、さらにビスマ
ス、鉄、マグネシウム、アルミの金属粉などの添加剤を
添加することが好ましい。
【0033】これらのなかでも、光熱変換率、経済性お
よび取り扱い性の面から、カーボンブラックが好まし
い。
【0034】また上記の物質以外に、赤外線または近赤
外線を吸収する染料も、光熱変換物質として好ましく使
用される。
【0035】これら染料としては400nm〜1200
nmの範囲に極大吸収波長を有する全ての染料が使用で
きるが、好ましい染料としては、エレクトロニクス用、
記録用色素であるシアニン系、フタロシアニン系、フタ
ロシアニン金属錯体系、ナフタロシアニン系、ナフタロ
シアニン金属錯体系、ジチオール金属錯体系、ナフトキ
ノン系、アントラキノン系、インドフェノール系、イン
ドアニリン系、ピリリウム系、チオピリリウム系、スク
ワリリウム系、クロコニウム系、ジフェニルメタン系、
トリフェニルメタン系、トリフェニルメタンフタリド
系、トリアリルメタン系、フェノチアジン系、フェノキ
サジン系、フルオラン系、チオフルオラン系、キサンテ
ン系、インドリルフタリド系、スピロピラン系、アザフ
タリド系、クロメノピラゾール系、ロイコオーラミン
系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサ
ンテン系、ビスラクトン系、フルオレノン系、モノアゾ
系、ケトンイミン系、ジズアゾ系、ポリメチン系、オキ
サジン系、ニグロシン系、ビスアゾ系、ビスアゾスチル
ベン系、ビスアゾオキサジアゾール系、ビスアゾフルオ
レノン系、ビスアゾヒドロキシペリノン系、アゾクロム
錯塩系、トリスアゾトリフェニルアミン系、チオインジ
ゴ系、ペリレン系、ニトロソ系、1:2型金属錯塩系、
分子間型CT系、キノリン系、キノフタロン系、フルギ
ド系の酸性染料、塩基性染料、色素、油溶性染料や、ト
リフェニルメタン系ロイコ色素、カチオン染料、アゾ系
分散染料、ベンゾチオピラン系スピロピラン、3,9−
ジブロモアントアントロン、インダンスロン、フェノー
ルフタレイン、スルホフタレイン、エチルバイオレッ
ト、メチルオレンジ、フルオレッセイン、メチルビオロ
ゲン、メチレンブルー、ジムロスベタインなどが挙げら
れる。
【0036】これらのなかでも、エレクトロニクス用や
記録用の染料で、最大吸収波長が700nm〜900n
mの範囲にある、シアニン系染料、アズレニウム系染
料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料、アゾ
系分散染料、ビスアゾスチルベン系染料、ナフトキノン
系染料、アントラキノン系染料、ペリレン系染料、フタ
ロシアニン系染料、ナフタロシアニン金属錯体系染料、
ポリメチン系染料、ジチオールニッケル錯体系染料、イ
ンドアニリン金属錯体染料、分子間型CT染料、ベンゾ
チオピラン系スピロピラン、ニグロシン染料などが好ま
しく使用される。
【0037】さらにこれらの染料のなかでも、モル吸光
度係数の大きなものが好ましく使用される。具体的には
ε=1×104以上が好ましく、より好ましくは1×1
5以上である。εが1×104より小さいと、感度の向
上効果が発現しにくいためである。
【0038】これらの光熱変換物質は単独でも感度の向
上効果はあるが、2種以上を併用して用いることによっ
て、さらに感度を向上させることも可能である。
【0039】また、吸収波長の異なる2種以上の光熱変
換物質を併用することにより、2種以上の発信波長の異
なるレーザーに対応出来るようにすることも可能であ
る。
【0040】これら光熱変換物質の含有量は、全インキ
受容層組成物に対して0.1〜70重量%が好ましく、
より好ましくは0.5〜40重量%である。0.1重量
%よりも少ない場合にはレーザー光に対する感度の向上
効果が見られず、40重量%よりも多い場合には印刷版
の耐刷性が低下しやすい。
【0041】本発明の直描型印刷版原版のインキ受容層
は、バインダー樹脂を含有することが好ましい。バイン
ダー樹脂の役割としては、版材の形態保持性および耐刷
性の観点、またそれ自体が光熱変換物質からエネルギー
を受けて分解物を発生する役割を期待できる。この際、
バインダー樹脂としては、有機溶剤に可溶でかつフィル
ム形成能のあるものであれば特に限定されないが、バイ
ンダー樹脂のガラス転移温度(Tg)が20℃以下であ
ることが好ましく、さらに好ましくはガラス転移温度が
0℃以下のものである。
【0042】有機溶剤に可溶でかつフィルム形成能があ
り、さらに形態保持の機能をも果たすバインダー樹脂の
具体例としては、ビニルポリマー類、未加硫ゴム、ポリ
オキシド類(ポリエーテル類)、ポリエステル類、ポリ
ウレタン類、ポリアミド類などが挙げられるがこれらに
限定されるものではない。
【0043】これらのバインダー樹脂の含有量は、全感
熱層組成物に対して5〜70重量%が好ましく、より好
ましくは10〜50重量%である。含有量が5%よりも
少ないと耐刷性が低下しやすく、70重量%よりも多い
と感度が低下しやすい。
【0044】バインダー樹脂は単独で用いてもよいし、
また数種のポリマーを混合して使用してもよい。
【0045】本発明の直描型印刷版原版のインキ受容層
は、発泡剤を含有することが好ましい。このような化合
物としては、金属キレート化合物、硝酸アンモニウム、
硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸エステル化合物、
ニトロセルローズ等のニトロ化合物や、有機過酸化物、
無機過酸化物、ポリビニルピロリドン、アゾ化合物、ジ
アゾ化合物、テトラゾール系化合物あるいはヒドラジン
誘導体が好ましく使用される。
【0046】特に好ましくは金属キレート化合物、有機
過酸化物、アゾ化合物、ジアゾ化合物などが挙げられ
る。
【0047】具体的には、硝酸アンモニウム、硝酸カリ
ウム、硝酸ナトリウム、炭酸エステル化合物、ニトロセ
ルロース等のニトロ化合物や、過酸化ベンゾイル、過安
息香酸エステルなどの有機過酸化物、無機過酸化物、ポ
リビニルピロリドン、アゾジカルボンアミド、アゾビス
イソブチロニトリルなどのアゾ化合物、N,N’−ジニ
トロペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物、
アジド化合物、ジアゾ化合物が挙げられる。
【0048】本発明でいう金属キレート化合物とは、
「中心金属」と有機置換基である「配位子」からなり、
金属に対して有機配位子が配位結合している錯体化合物
か、有機官能基と共有結合している有機金属化合物のこ
とをいう。有機置換基である配位子としては、一座配位
子、多座配位子に分類されるが、多座配位子、特に二座
配位子を有することが好ましい。また、金属酸化物のよ
うな無機化合物はその範疇ではない。これら金属キレー
ト化合物は、活性水素基を含有する化合物と置換反応を
おこすことが特徴である。
【0049】「中心金属」としては周期表の第2周期か
ら第6周期の金属が挙げられ、なかでも第3周期から第
5周期の金属が好ましく、第3周期金属のAl、第4周
期金属のTi、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、
Ge、第5周期金属のIn、Snが特に好ましい。
【0050】以上のような金属を中心にして有機化合物
との間で「(b)金属キレート化合物」が形成されるわ
けであるが、それらの形態としては例えば以下の様な具
体例が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 (1)金属ジケテネート ジケトンのエノール水酸基の水酸基が金属原子とが置換
したもので、中心金属は酸素原子を介して結合してい
る。ジケトンのカルボニルがさらに金属に対して配位結
合することができるため、比較的に安定な化合物であ
る。
【0051】具体的には、キレート部が、2,4−ペン
タジオネート(アセチルアセトネート)、フルオロペン
タジオネート、2,2,6,6−テトラメチル−3,5
−ヘプタンジオネート、ベンゾイルアセトネート、テノ
イルトリフルオロアセトネートや1,3−ジフェニル−
1,3−プロパンジオネートなどである金属ペンタンジ
オネート(金属アセトネート)類や、メチルアセトアセ
テート、エチルアセトアセテート、メタクリルオキシエ
チルアセトアセテートやアリルアセトアセテートなどで
ある金属アセトアセテート類、サリチルアルデヒド錯塩
が挙げられる。 (2)金属アルコキサイド 中心金属に対して、酸素原子を介してアルキル基が結合
している化合物である。
【0052】キレート部が、メトキサイド、エトキサイ
ド、プロポキサイド、ブトキサイド、フェノキサイド、
アリルオキサイド、メトキシエトキサイド、アミノエト
キサイドなどである金属アルコキサイドが挙げられる。 (3)アルキル金属 中心金属がそのままアルキル基を有するものであり、こ
の場合金属は炭素原子と結合している。キレート部化合
物がジケトンであっても、金属が炭素原子で結合してい
ればこちらに分類される。なかでもアセチルアセトン金
属が好ましく用いられる。 (4)金属カルボン酸塩類 酢酸金属塩、乳酸金属塩、アクリル酸金属塩、メタクリ
ル酸金属塩、ステアリン酸金属塩などが挙げられる。 (5)その他 エチレンジアミンなどのアミン類との金属キレート化合
物、チタンオキサイドアセトネートのような酸化金属キ
レート化合物、チタノセンフェノキサイドのような金属
錯体や、2種以上の金属原子を1分子中に有するヘテロ
金属キレート化合物が挙げられる。
【0053】以上のような金属キレート化合物のうち好
ましく用いられる金属キレート化合物の具体例として
は、例えば、以下のような化合物が挙げられる。
【0054】アルミニウムキレート化合物の具体例とし
ては、アルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブ
トキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム
sec−ブチレート、エチルアセテートアルミニウムジ
イソプロピレート、プロピルアセテートアルミニウムジ
イソプロピレート、ブチルアセテートアルミニウムジイ
ソプロピレート、ヘプチルアセテートアルミニウムジイ
ソプロピレート、ヘキシルアセテートアルミニウムジイ
ソプロピレート、オクチルアセテートアルミニウムジイ
ソプロピレート、ノニルアセテートアルミニウムジイソ
プロピレート、エチルアセテートアルミニウムジエチレ
ート、エチルアセテートアルミニウムジブチレート、エ
チルアセテートアルミニウムジヘプチレート、エチルア
セテートアルミニウムジノニレート、ジエチルアセテー
トアルミニウムイソプロピレート、アルミニウムトリス
(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(プ
ロピルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(ブチ
ルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(ヘキシル
アセトアセテート)、アルミニウムトリス(ノニルアセ
トアセテート)、アルミニウムトリスアセチルアセトネ
ート、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノア
セチルアセトネート、アルミニウムジアセチルアセトネ
ートエチルアセトアセテート、アルミニウムモノアセチ
ルアセトネートビスプロピルアセトアセテート、アルミ
ニウムモノアセチルアセトネートビスブチルアセトアセ
テート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスヘ
キシルアセトアセテート、アルミニウムモノエチルアセ
トアセテートビスプロピルアセトセトネート、アルミニ
ウムモノエチルアセトアセテートビスブチルアセトアセ
トネート、アルミニウムモノエチルアセトアセテートビ
スヘキシルアセトアセトネート、アルミニウムモノエチ
ルアセトアセテートビスノニルアセトアセトネート、ア
ルミニウムジブトキシドモノアセトアセテート、アルミ
ニウムジプロポキシドモノアセトアセテート、アルミニ
ウムジブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミ
ニウムオキシドアクリレート、アルミニウムオキシドオ
クテート、アルミニウムオキシドステアレイト、トリス
アリザリンアルミニウム、アルミニウム−s−ブトキシ
ドビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムジ−
s−ブトキシドエチルアセトアセテート、アルミニウム
−9−オクタデセニルアセトアセテートジイソプロポキ
シド、アルミニウムフェノキシド、アクリル酸アルミニ
ウム、メタクリル酸アルミニウムなど。
【0055】チタンキレート化合物の具体例としては、
イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプ
ロピルトリn−ステアロイルチタネート、イソプロピル
トリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリドデシ
ルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス
(ジオクチルパイロホスファイト)チタネート、テトラ
イソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネー
ト、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)
チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−
1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタ
ネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシ
アセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフ
ェート)エチレンチタネート、トリス(ジオクチルパイ
ロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルジ
メタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピル
イソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピル
トリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロ
ピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ
(N−アミノエチルアミノエチル)チタネート、ジクミ
ルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステア
ロイルエチレンチタネート、イソプロピルジイソステア
ロイルクミルフェニルチタネート、イソプロピルジステ
アロイルメタクリルチタネート、イソプロピルジイソス
テアロイルアクリルチタネート、イソプロピル4−アミ
ノベンゼンスルホニルジ(ドデシルベンゼンスルホニ
ル)チタネート、イソプロピルトリメタクリルチタネー
ト、イソプロピルジ(4−アミノベンゾイル)イソステ
アロイルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルパ
イロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリアク
リルチタネート、イソプロピルトリ(N,N−ジメチル
エチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリアントラ
ニルチタネート、イソプロピルオクチル,ブチルパイロ
ホスフェートチタネート、イソプロピルジ(ブチル,メ
チルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロ
ピルジ(ジラウロイルホスファイト)チタネート、ジイ
ソプロピルオキシアセテートチタネート、イソステアロ
イルメタクリルオキシアセテートチタネート、イソステ
アロイルアクリルオキシアセテートチタネート、ジ(ジ
オクチルホスフェート)オキシアセテートチタネート、
4−アミノベンゼンスルホニルドデシルベンゼンスルホ
ニルオキシアセテートチタネート、ジメタクリルオキシ
アセテートチタネート、ジクミルフェノレートオキシア
セテートチタネート、4−アミノベンゾイルイソステア
ロイルオキシアセテートチタネート、ジアクリルオキシ
アセテートチタネート、ジ(オクチル,ブチルパイロホ
スフェート)オキシアセテートチタネート、イソステア
ロイルメタクリルエチレンチタネート、ジ(ジオクチル
ホスフェート)エチレンチタネート、4−アミノベンゼ
ンスルホニルドデシルベンゼンスルホニルエチレンチタ
ネート、ジメタクリルエチレンチタネート、4−アミノ
ベンゾイルイソステアロイルエチレンチタネート、ジア
クリルエチレンチタネート、ジアントラニルエチレンチ
タネート、ジ(ブチル,メチルパイロホスフェート)エ
チレンチタネート、チタンアリルアセトアセテートトリ
イソプロポキサイド、チタンビス(トリエタノールアミ
ン)ジイソプロポキサイド、チタンジ−n−ブトキサイ
ド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイ
ソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネー
ト)、チタンジイソプロポキサイドビス(エチルアセト
アセテート)、チタンメタクリルオキシエチルアセトア
セテートトリイソプロポキサイド、チタンメチルフェノ
キサイド、チタンオキシドビス(ペンタンジオネート)
など。
【0056】鉄(III )アセチルアセトネート、ジベン
ゾイルメタン鉄(II)、トロポロン鉄、トリストロポロ
ノ鉄(III )、ヒノキチオール鉄、トリスヒノキチオロ
鉄(III )、アセト酢酸エステル鉄(III )、鉄(III
)ベンゾイルアセトネート、鉄(III )トリフルオロ
ペンタンジオネート、サリチルアルデヒド銅(II)、銅
(II)アセチルアセトネート、サリチルアルデヒドイミ
ン銅、コウジ酸銅、ビスコウジャト銅(II)、トロポロ
ン銅、ビストロポロノ銅(II)、ビス(5−オキシナフ
トキノン−1,4)銅、ビス(1−オキシアントラキノ
ン)ニッケル、アセト酢酸エステル銅、サリチルアミン
銅、o−オキシアゾベンゼン銅、銅(II)ベンゾイルア
セテート、銅(II)エチルアセトアセテート、銅(II)
メタクリルオキシエチルアセトアセテート、銅(II)メ
トキシエトキシエトキサイド、銅(II)2,4−ペンタ
ンジオネート、銅(II)2,2,6,6−テトラメチル
−3,5−ヘプタンジオネート、亜鉛N,N−ジメチル
アミノエトキサイド、亜鉛2,4−ペンタンジオネー
ト、亜鉛2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプ
タンジオネートなども本発明に好ましく用いられる。
【0057】その他、サリチルアルデヒドコバルト、o
−オキシアセトフェノンニッケル、ビス(1−オキシキ
サントン)ニッケル、ピロメコン酸ニッケル、サリチル
アルデヒドニッケル、アリルトリエチルゲルマン、アリ
ルトリメチルゲルマン、アンモニウムトリス(オキザレ
ート)ゲルマネート、ビス[ビス(トリメチルシリル)
アミノ]ゲルマニウム(II)、カルボキシエチルゲルマ
ニウムセスキオキサイド、シクロペンタジエニルトリメ
チルゲルマン、ジ−n−ブチルジアセトキシゲルマン、
ジ−n−ブチルジクロロゲルマン、ジメチルアミノトリ
メチルゲルマン、ジフェニルゲルマン、ヘキサアリルジ
ゲルマノキサン、ヘキサエチルジゲルマノキサン、ヘキ
サメチルジゲルマン、ヒドロキシゲルマトラン1水和
物、メタクリルオキシメチルトリメチルゲルマン、メタ
クリルオキシトリエチルゲルマン、テトラアリルゲルマ
ン、テトラ−n−ブチルゲルマン、テトライソプロポキ
シゲルマン、トリ−n−ブチルゲルマン、トリメチルク
ロロゲルマン、トリフェニルゲルマン、ビニルトリエチ
ルゲルマン、ビス(2,4−ペンタンジオネート)ジク
ロロスズ、ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオ
ネート)スズ、カルシウム2,4−ペンタンジオネー
ト、セリウム(III )2,4−ペンタンジオネート、コ
バルト(II)2,4−ペンタンジオネート、コバルト
(III )2,4−ペンタンジオネート、ユーロピウム
2,4−ペンタンジオネート、ユーロピウム(III )テ
ノイルトリフルオロアセトネート、インジウム2、4−
ペンタンジオネート、マンガン(II)2,4−ペンタン
ジオネート、マンガン(III )2,4−ペンタンジオネ
ートなども本発明に用いられる。
【0058】これらの具体例のうち、特に好ましく用い
られる金属キレート化合物としては、二座配位子を有す
るものであり、特にアセチルアセトネート(ペンタンジ
オネート)、エチルアセトアセトネート(ヘキサンジオ
ネート)、プロピルアセトアセトネート(ヘプタンジオ
ネート)、テトラメチルヘプタンジオネート、ベンゾイ
ルアセトネートを配位子として有するものが好ましい。
【0059】さらに、アルミニウム、鉄(III )、チタ
ンのアセチルアセトネート(ペンタンジオネート)、エ
チルアセトアセトネート(ヘキサンジオネート)、プロ
ピルアセトアセトネート(ヘプタンジオネート)、テト
ラメチルヘプタンジオネート、ベンゾイルアセトネート
類などが好ましい化合物として挙げられる。
【0060】これら発泡剤はそれぞれ単独でも使用でき
るし、2種以上を混合して使用することもでき、その含
有量は熱硬化性樹脂100重量部に対して5〜300重
量部が好ましく、10〜150重量部がさらに好まし
い。含有量が5重量部より少ないと画像形成しにくくな
り、300重量部よりも多い場合には感熱層の物性が低
下しやすく、印刷版としては例えば耐刷性という問題が
生じやすくなるためである。
【0061】本発明の直描型印刷版原版のインキ受容層
は、シリコーンゴム層との接着性の向上という観点か
ら、さらに、活性水素基含有化合物を含むことが好まし
い。活性水素基含有化合物としては、水酸基含有化合
物、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、
チオール基含有化合物などが挙げられるが、水酸基含有
化合物が好ましい。
【0062】さらに、水酸基含有化合物としてはフェノ
ール性水酸基含有化合物、アルコール性水酸基含有化合
物のいずれも本発明に使用できる。
【0063】フェノール性水酸基含有化合物としては、
例えば以下のような化合物を挙げることができる。
【0064】ヒドロキノン、カテコール、グアヤコー
ル、クレゾール、キシレノール、ナフトール、ジヒドロ
キシアントラキノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、ト
リヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾ
フェノン、ビスフェノールA、ビスフェノールS、フェ
ノールホルムアルデヒドノボラック樹脂、レゾール樹
脂、レゾルシンベンズアルデヒド樹脂、ピロガロールア
セトン樹脂、ヒドロキシスチレンの重合体および共重合
体、ロジン変性フェノール樹脂、エポキシ変性フェノー
ル樹脂、リグニン変性フェノール樹脂、アニリン変性フ
ェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、ビスフェ
ノール類などが挙げられる。
【0065】また、アルコール性水酸基含有化合物とし
ては、例えば以下のような化合物を挙げることができ
る。
【0066】エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ル、2−ブテン−1,4−ジオール、5−ヘキセン−
1,2−ジオール、7−オクテン−1,2−ジオール、
3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グリセリ
ン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,
4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペン
タエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリビ
ニルアルコール、セルロースおよびその誘導体、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレートの重合体および共重合
体など。
【0067】また、エポキシアクリレート、エポキシメ
タクリレート、ポリビニルブチラール樹脂、および公知
の方法によって水酸基を導入したポリマーなども本発明
に使用可能である。
【0068】これら水酸基含有化合物としては、シリコ
ーンゴム層との接着性の向上という観点から特にフェノ
ール性水酸基含有化合物が好ましく用いられる。
【0069】これら活性水素基含有化合物はそれぞれ単
独でも使用できるし、2種以上を混合して使用すること
もでき、その含有量は、全感熱層組成物に対して5〜8
0重量%が好ましく、より好ましくは20〜60重量%
である。含有量が5重量%よりも少ないとシリコーンゴ
ム層との接着性が低下し、現像時にシリコーンゴム層の
剥がれなどの現象が起こり、逆に80重量%よりも多い
と印刷版の溶剤耐性が低下しやすい。
【0070】本発明の直描型印刷版原版のインキ受容層
は、現像性の向上という観点から、さらに、熱硬化性樹
脂を含む。
【0071】熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、アリル樹脂などが挙げられるが、水酸基
含有化合物としての機能を持たせる意味でフェノール性
水酸基含有化合物が好ましい。
【0072】これら熱硬化性樹脂はそれぞれ単独でも使
用できるし、2種以上を混合して使用することもでき、
その含有量は、全感熱層組成物に対して5〜80重量%
が好ましく、より好ましくは20〜60重量%である。
含有量が5重量%よりも少ないと印刷版の現像性が低下
し、逆に80重量%よりも多いと印刷版の感度が低下し
やすい。
【0073】この熱硬化性樹脂の役割は、レーザー露光
時感熱層表層では、高温となり一部化合物の分解が生
じ、発泡するが、その下部の比較的温度が低い中間層で
は熱硬化がすすむことが予想される。このため、露光後
の画線部は硬い感熱層の上に接着性が低下したシリコー
ンゴム層が積層された構造が生じる。このため、ブラシ
現像時にブラシの力が界面部に集中するために現像性が
改良されるものと考える。
【0074】更に本発明において、インキ受容層には、
レベリング剤、界面活性剤、分散剤、可塑剤等を必要に
応じて任意に添加してもよい。
【0075】下層の基板や断熱層との接着性を高めるた
めにシランカップリング剤などの各種カップリング剤を
添加する事は極めて好ましく行われる。
【0076】また、上層のシリコーンゴム層との接着性
を高めるために、シランカップリング剤や不飽和基含有
化合物を添加することも好ましく行われる。
【0077】このようにして得られるインキ受容層の物
性に関しては、得られる印刷版の印刷特性の観点から、
その物性が特定の範囲にあることが好ましい。この様な
物性としては引張特性、その中でも引張時の初期弾性率
を代表として挙げることが出来る。具体的には、印刷版
におけるインキ受容層の引張時の初期弾性率が7kgf
/mm2〜78kgf/mm2の範囲、さらには10kg
f/mm2〜65kgf/mm2の範囲にあることが好ま
しい。
【0078】インキ受容層の初期弾性率を以上のような
範囲に設定することにより、印刷版としての特性、特に
耐刷性を向上させることが出来る。逆に、初期弾性率が
7kgf/mm2未満である場合には画線部を形成する
インキ受容層がベタ着き易くなるため印刷時にヒッキー
が発生し易くなる。また、初期弾性率が78kgf/m
2以上である場合には、印刷時に加わる繰り返し応力
により感熱層とシリコーンゴム層との接着界面で破壊が
起こりやすくなり、耐刷性低下の原因となるためであ
る。
【0079】インキ受容層の厚さは、被覆層にして0.
1〜10g/m2 であると、印刷版の耐刷性や、希釈溶
剤を揮散し易く生産性に優れる点で好ましく、より好ま
しくは1〜7g/m2である。
【0080】[シリコーンゴム層]シリコーンゴム層と
しては、付加重合型のもの、縮合重合型のものいずれで
も用いられる。
【0081】付加重合型のシリコーンゴム層を構成する
成分としては、ビニル基含有ポリジメチルシロキサン、
SiH基含有ポリシロキサン、さらには硬化速度を制御
する目的で反応抑制剤、および硬化触媒を含む。
【0082】ビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、
下記一般式(I)で表される構造を有し、分子末端およ
び/もしくは主鎖中にビニル基を有するものである。
【0083】
【化1】
【0084】(式中、nは2以上の整数、R1、R2は炭
素数1〜50の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素
数2〜50の置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素
数4〜50の置換あるいは非置換のアリール基の群から
選ばれる少なくとも1種であり、それぞれ同一であって
も異なっていてもよい。) 式中のR1、R2の全体の50%以上がメチル基であるこ
とが、印刷版のインキ反撥性の面で好ましい。
【0085】また、分子量としては数千〜数十万のもの
が使用できるが、その取扱い性や得られた印刷版のイン
キ反撥性、耐傷性などの観点から重量平均分子量1万〜
20万、さらには3万〜15万のものを用いることが好
ましい。
【0086】SiH基含有ポリシロキサンとしては、分
子鎖中、または末端にSiH基を有するポリシロキサン
を挙げることが出来、例えば下記一般式で表されるよう
な化合物を挙げることが出来る。
【0087】
【化2】
【0088】(式中、nは1以上の整数。mは1以上の
整数である。) SiH基を有する化合物中におけるSiH基の量として
は、2個以上、さらには3個以上であることが好まし
い。
【0089】SiH基を有する化合物の添加量として
は、シリコーンゴム層全組成物の3〜20重量%である
ことが好ましく、さらに好ましくは5〜15重量%であ
る。
【0090】ポリジメチルシロキサンとの量比というこ
とで言えば、SiH基/ポリジメチルシロキサンの炭素
炭素二重結合のモル比が1.5〜30であることが好ま
しく、さらに好ましくは10〜20である。このモル比
が1.5未満である場合には、シリコーンゴム層の硬化
が不足する場合があり、逆に30よりも大きい場合には
ゴムの物性がもろくなり、印刷版の耐傷性などに悪影響
を与え易くなるためである。
【0091】反応抑制剤としては、含窒素化合物、リン
系化合物、不飽和アルコールなどが挙げられるが、アセ
チレン基含有のアルコール、含窒素化合物などが好まし
く用いられる。
【0092】反応抑制剤の好ましい添加量としては、シ
リコーンゴム組成物中の0.01〜10重量%、さらに
は1〜5重量%である。
【0093】硬化触媒としては、III族遷移金属化合
物、好ましくは、白金化合物であり、具体的には白金単
体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金、白金
のアルコール変性錯体、白金のメチルビニルポリシロキ
サン錯体などを一例として挙げることが出来る。
【0094】このような硬化触媒の量は、シリコーンゴ
ム層中に固形分として0.01〜20重量%、好ましく
は0.1〜10重量%であることが好ましい。添加する
触媒量が0.01重量%未満である場合にはシリコーン
ゴム層の硬化が不充分となり、さらに感熱層との接着性
に問題を生じる場合があるためである。他方20重量%
より多い場合にはシリコーンゴム層溶液のポットライフ
に悪影響をもたらすためである。シリコーンゴム層組成
物中における白金などの金属の量で言えば、10〜10
00ppm、好ましくは100〜500ppmであるこ
とが好ましい。
【0095】また、これらの組成物の他に、縮合型シリ
コーンゴム層の組成物である水酸基含有オルガノポリシ
ロキサンや加水分解性官能基含有シラン(もしくはシロ
キサン)、ゴム強度を向上させる目的でシリカなどの公
知の充填剤、接着性を向上させる目的で公知のシランカ
ップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニ
ウム系カップリング剤などを含有してもよい。シランカ
ップリング剤としては、アルコキシシラン類、アセトキ
シシラン類、ケトキシミンシラン類などが好ましく、特
にビニル基を有するものや、ケトキシミンシラン類が好
ましい。
【0096】また、縮合重合型のシリコーンゴム層を構
成する成分としては、水酸基含有ポリジメチルシロキサ
ン、架橋剤(脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコール
型、脱アミン型、脱アセトン型、脱アミド型、脱アミノ
キシ型など)、および硬化触媒を含む。
【0097】水酸基含有ポリジメチルシロキサンも、上
記一般式(I)で表される構造を有する。水酸基は分子
末端および/もしくは主鎖中に位置することが出来る
が、好ましく用いられるものは分子末端に水酸基を有す
るものである。
【0098】一般式中のR1、R2については、同様に全
体の50%以上がメチル基であることが、印刷版のイン
キ反撥性の面で好ましい。分子量としては数千〜数十万
のものが使用できるが、その取扱い性や得られた印刷版
のインキ反撥性、耐傷性などの観点から重量平均分子量
1万〜20万、さらには3万〜15万のものを用いるこ
とが好ましい。
【0099】縮合重合型のシリコーンゴム層で用いられ
る架橋剤としては、下記一般式(VI)で表される、アセ
トキシシラン類、アルコキシシラン類、ケトキシミンシ
ラン類、アリロキシシラン類などを挙げることが出来
る。 (R34-nSiXn (VI) (式中、nは2〜4の整数。R3は炭素数1以上の置換
もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール
基、またはこれらの組み合わされた基を示す。Xはハロ
ゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシミ
ン基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニルオキシ基
から選ばれる官能基である。) また、加水分解性基の数nは3または4であることが好
ましい。
【0100】具体的な化合物としては、メチルトリアセ
トキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルト
リアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テト
ラプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリフェノキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
アリルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシ
シラン、ビニルトリスイソプロペノキシシラン、ビニル
メチルビス(メチルエチルケトキシミン)シラン、メチ
ルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラン、ビニルト
リ(メチルエチルケトキシミン)シラン、テトラ(メチ
ルエチルケトキシミン)シラン、ジイソプロペノキシジ
メチルシラン、トリイソプロペノキシメチルシラン、テ
トラアリロキシシラン、などが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0101】これらの中では、シリコーンゴム層の硬化
速度、取扱い性などの観点から、アセトキシシラン類、
ケトキシミンシラン類が好ましい。
【0102】一般式(VI)で表される架橋剤の添加量と
しては、シリコーンゴム層全組成物の1.5〜20重量
%であることが好ましく、さらに好ましくは3〜10重
量%である。
【0103】ポリジメチルシロキサンとの量比というこ
とで言えば、官能基X/ポリジメチルシロキサンの水酸
基のモル比が1.5〜10.0であることが好ましい。
このモル比が1.5未満である場合には、シリコーンゴ
ム層溶液のゲル化が起こり易く、逆に10.0よりも大
きい場合にはゴムの物性がもろくなり、印刷版の耐傷性
などに悪影響を与え易くなるためである。
【0104】硬化触媒としては、酢酸、プロピオン酸、
マレイン酸などの有機カルボン酸、トルエンスルホン
酸、ホウ酸等の酸類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム等のアルカリ、アミン、およびチタ
ンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどの
金属アルコキシド、鉄アセチルアセトナート、チタンア
セチルアセトナートジプロポキシドなどの金属ジケテネ
ート、金属の有機酸塩などを挙げることが出来る。
【0105】これらのの中では、金属の有機酸塩を添加
することが好ましく、特に錫、鉛、亜鉛、鉄、コバル
ト、カルシウム、マンガンから選ばれる金属の有機酸塩
であることが好ましい。このような化合物の具体例の一
部としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオ
クテート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸亜鉛、
オクチル酸鉄などを挙げることが出来る。
【0106】このような硬化触媒の量は、シリコーンゴ
ム層中に固形分として0.01〜20重量%、好ましく
は0.1〜10重量%であることが好ましい。添加する
触媒量が0.01重量%未満である場合にはシリコーン
ゴム層の硬化が不十分となり、さらに感熱層との接着性
に問題を生じる場合があるためである。他方20重量%
より多い場合にはシリコーンゴム層溶液のポットライフ
に悪影響をもたらすためである。
【0107】また、これらの組成物の他に、ゴム強度を
向上させる目的でシリカなどの公知の充填剤、さらには
公知のシランカップリング剤を含有してもよい。
【0108】これらシリコーンゴム層の膜厚は0.5〜
20g/m2が好ましく、さらに好ましくは1〜4g/
2である。膜厚が0.5g/m2よりも小さい場合には
印刷版のインキ反撥性や耐傷性、耐刷性が低下する傾向
があり、20g/m2よりも大きい場合には経済的見地
から不利であるばかりでなく、現像性、インキマイレー
ジが悪くなるという問題がある。
【0109】[断熱層]本発明の直描型印刷版原版は、
照射されたレーザーによる熱を基板に逃がすことを防ぐ
ため、断熱層を設けることが効果的である。
【0110】基板とインキ受容層の接着性を強固にする
ために従来用いられてきた公知のプライマー層をその代
用として用いてもよい。
【0111】本発明で使用する断熱層は、次の条件を満
たすことが必要である。すなわち、基板とインキ受容層
とをよく接着し、経時において安定であること、さらに
現像液、印刷時に使用する溶剤に対する耐性が高いこと
である。
【0112】このような条件を満たすものとして、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノ−ル樹脂、アクリ
ル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、カゼイ
ン、ゼラチン等を含むものが挙げられる。これらの中で
は、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂等を単独で、あるいは2種
以上を混合して用いることが好ましい。
【0113】また、この断熱層中に顔料、染料等の添加
剤を含有させて検版性を向上させることも好ましい。
【0114】断熱層の厚さは被覆層にして0.5〜50
g/m2 が好ましく、より好ましくは1〜10g/m2
である。厚さが0.5g/m2よりも薄いと基板表面の
形態欠陥および化学的悪影響の遮断効果に劣り、50g
/m2よりも厚いと経済的見地から不利となるので上記
の範囲が好ましい。
【0115】[製造方法]本発明における直描型水なし
平版印刷版原版の製造方法および製版方法について説明
する。
【0116】基板上に、リバースロールコーター、エア
ーナイフコーター、グラビアコーター、ダイコーター、
メーヤバーコーターなどの通常のコーターあるいはホエ
ラーのような回転塗布装置を用い、必要に応じて断熱層
組成物を塗布し100〜300℃で数分間加熱あるいは
活性光線照射により硬化させた後、インキ受容層組成物
を塗布し50〜180℃で数十秒から数分間加熱乾燥、
必要により硬化させる。
【0117】この後、シリコーンゴム組成物を塗布し5
0〜200℃の温度で数分間熱処理してシリコーンゴム
層を得る。その後、必要に応じて保護フィルムをラミネ
ートするか、あるいは保護層を形成する。
【0118】[カバーフィルム]以上説明されたように
構成された直描型水なし平版印刷版のシリコーンゴム層
を保護するなどの目的で、シリコーンゴム層の表面にプ
レーンまたは凹凸処理した保護フィルムをラミネートし
たり、現像溶媒に溶解するようなポリマー塗膜を形成す
ることも可能である。
【0119】このようなカバーフィルムの種類として
は、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、
ポリビニルアルコールフィルム、エチレン酢酸ビニル共
重合体ケン化物フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィル
ム、また各種金属を蒸着したフィルムなどが挙げられ
る。
【0120】[レーザー照射]このようにして得られた
直描型水なし平版印刷版原版を、カバーフィルムを剥離
してから、レーザー光で画像状に露光する。カバーフィ
ルムを装着したままで露光した場合には、レーザー光で
発泡し盛り上がることによって現像が可能となるような
印刷版原版ではカバーフィルムによってシリコーンゴム
層が盛り上がることが阻害され、感度が低下する。
【0121】本発明の製版露光工程で用いられるレーザ
ー光源としては、発信波長領域が300nm〜1500
nmの範囲にあるものが用いられる。すなわち、アルゴ
ンイオン、クリプトンイオン、ヘリウム-ネオン、ヘリ
ウム-カドミウム、ルビー、ガラス、YAG、チタンサ
ファイア、色素、窒素、金属蒸気、エキシマ、自由電
子、半導体などの各種レーザーが使用される。
【0122】これらの中でも本発明の印刷版原版を製版
する目的から、近赤外領域付近に発光波長領域が存在す
る半導体レーザーが好ましく、特に高出力半導体レーザ
ーが好ましく用いられる。
【0123】[現像方法]現像方法としては、水または
有機溶剤の存在もしくは非存在下での摩擦処理により行
われる。あるいは、保護フィルムを剥離することによっ
て印刷版上にパターンを形成する、いわゆる剥離現像に
よっても印刷版を作成することも可能である。
【0124】現像処理を行う場合に使用される現像液と
しては、例えば、水や水に界面活性剤を添加したもの、
さらには水に下記の極性溶媒を添加したものや、脂肪族
炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、イソパラフィン系炭
化水素など)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン
など)、ハロゲン化炭化水素類(トリクレンなど)など
の少なくとも1種類からなる溶媒に、下記の極性溶媒を
少なくとも1種類添加したもの、下記の極性溶媒単独、
下記の極性溶媒の2種以上の組み合わせが用いられる。
【0125】極性溶媒としては、エタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、
1、3ブチレングリコールなどのアルコール類、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコー
ルモノ2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシプロピ
レンモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノ
−2−エチルヘキシルエーテルなどのエーテル類、アセ
トン、メチルエチルケトン、ジアセトンアルコールなど
のケトン類、酢酸エチル、乳酸エチル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類、
カプロン酸、2―エチルヘキサン酸、オレイン酸などの
カルボン酸などが挙げられる。
【0126】また、上記の現像液組成には、公知の界面
活性剤を添加することも自由に行われる。さらにアルカ
リ剤、例えば炭酸ナトリウム、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、ジグリコールアミン、モノグリコ
ールアミン、トリエタノールアミン、ケイ酸ナトリウ
ム、ケイ酸カリウム、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウ
ムなどを添加することもできる。
【0127】これらの中では、水あるいは水に界面活性
剤を添加したもの、さらにはアルカリを添加した水が好
ましく用いられる。
【0128】また、これらの現像液にはクリスタルバイ
オレット、ビクトリピュアブルー、アストラゾンレッド
などの公知の塩基性染料、酸性染料、油溶性染料を添加
して現像と同時に画像部の染色化を行うことができる。
【0129】現像する際には、これらの現像液を、不織
布、脱脂綿、布、スポンジ等に含浸させて、版面を拭き
取ることによって、現像することができる。
【0130】また、現像は、特開昭63−163357
号公報に記載されているような自動現像機を用い、上記
の現像液で版面を前処理した後に水道水などでシャワー
しながら回転ブラシで版面を擦ることによって行うこと
も好ましい。
【0131】上記の現像液に代えて、温水や水蒸気を版
面に噴射することによっても現像が可能である。
【0132】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく
説明する。
【0133】
【実施例】実施例1 厚さ0.24mmの脱脂したアルミ板上に下記の組成よ
りなる溶液を塗布し、200℃、2分間乾燥し、3g/
2の断熱層を設けた。
【0134】<断熱層組成(固形分濃度16.7重量
%)> (1)エポキシ・フェノール樹脂“カンコート”90T
−25−3094(関西ペイント(株)製):15重量
部 (2)“KAYASORB”IR−820B(赤外線吸
収染料、日本化薬(株)製):0.16重量部 [溶媒成分] (1)ジメチルホルムアミド:85重量部 この断熱層上に、次の組成を有するインキ受容層組成物
を塗布し、130℃で1分間乾燥し、膜厚1g/m2
感熱層を設けた。
【0135】<感熱層組成(固形分濃度10重量%)> (a)“KAYASORB”IR−820B(赤外光吸
収染料、日本化薬(株)製):10重量部 (b)“ナーセム”Ti(日本化学産業(株)製):1
0重量部 (c)“スミライトレジン”PR−50731(ノボラ
ック樹脂、住友デュレス(株)製)):60重量部 (d)“サンプレン”LQ−T1331(ポリウレタン
樹脂、三洋化成工業(株)製):10重量部 (e)N,N,N'-トリ(2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシプ
ロピル)-N'-(2-ヒドロキシ-3-トリメトキシシリルプ
ロピルオキシプロピル)ポリオキシプロピレンジアミ
ン:10重量部 [溶媒成分] (1)ジメチルホルムアミド:100重量部 (2)テトラヒドロフラン:700重量部 (3)イソプロピルアルコール:100重量部 上記のようにして得られた感熱層上に下記シリコーンゴ
ム層組成物を塗布し、130℃で1分間乾燥し、膜厚2
g/m2の感熱層を設けた。
【0136】<シリコーンゴム層組成(固形分濃度9.
4重量%)> (1)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重合
度770):100重量部 (2)HMS−501(チッソ(株)製 両末端メチル
(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキ
サン)共重合体:SiH基数/分子量=0.69mol/
g):4重量部 (3)オレフィン配位白金:0.02重量部 (4)“BY24−808”(ダウコーニングシリコー
ン(株)製 反応抑制剤):0.3重量部 [溶媒成分] (1)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製):10
00重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ8μmのポリ
プロピレンフィルム“トレファン”(東レ(株)製)を
カレンダーローラーを用いてラミネートし、直描型水な
し平版印刷版原版を得た。
【0137】この後、この印刷版原版の“トレファン”
を剥離し、FX400−AP(製版機、東レエンジニア
リング(株)製)に装着し、半導体レーザー(波長830
nm、ビーム直径20μm)を用いて、照射エネルギー
を変えながら、露光時間10μsで、パルス露光を行っ
た。
【0138】続いて、東レ(株)製自動現像装置TWL
−650により上記露光済みの版の現像を行った。この
際、前処理液としては東レ(株)製“PP−F”を、現
像液としては水を、後処理液としては東レ(株)製“P
A−F”を用いた。
【0139】次にハンドローラーで水なし平版用インキ
(Waterless S、ザ・インクテック(株)
製、赤)を、現像済みの版面全面に展開して、画像が再
現されるレーザー照射エネルギーを調べた。その結果、
200mJ/s以上の領域において、175線/インチ
の解像度において2%から98%の領域で画像が忠実に
再現されていた。
【0140】このレーザー照射部をSEMで観察したと
ころ、照射部のインキ受容層の最表面に気泡が生じてい
ることが分かった。
【0141】比較例1 “トレファン”を装着したまま露光した以外は以外は全
て実施例1と同様に印刷版原版を作製し、同様に評価し
たところ、350mJ/s未満の領域においては、画像
が再現されていなかった。このことは、カバーフィルム
である”トレファン”を剥離して露光した場合に比べ感
度が低下していることが分かる。
【0142】
【発明の効果】本発明は、カバーフィルム、シリコーン
ゴム層、熱硬化性樹脂を含有するインキ受容層を最外表
面から順次積層してなる直描型印刷版原版を、カバーフ
ィルムを剥離した状態でレーザーによって露光すること
を特徴とする直描型印刷版原版を製版方法するため、レ
ーザー光照射後の煩雑な工程を必要とせずとも画像再現
性の良好な直描型水なし平版が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H084 AA14 CC06 2H096 AA13 BA20 EA04 2H114 AA05 AA22 AA24 AA27 AA30 BA05 BA10 DA03 DA09 DA30 DA32 DA34 DA55 DA56 DA59 DA60 DA61 DA62 EA01 EA02 GA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に少なくとも、熱硬化性樹脂を含有
    するインキ受容層、シリコーンゴム層、カバーフィルム
    を順次積層してなる直描型水なし平版印刷版原版を、カ
    バーフィルムを剥離した状態でレーザー露光することを
    特徴とする直描型水なし平版印刷版の製造方法。
  2. 【請求項2】レーザー露光によって、該インキ受容層の
    該シリコーンゴム層と接する最表面が発泡することを特
    徴とする請求項1記載の直描型水なし平版印刷版の製造
    方法。
  3. 【請求項3】該インキ受容層に少なくとも、発泡剤およ
    びバインダー樹脂が含まれることを特徴とする請求項1
    または2のいずれかに記載の直描型水なし平版印刷版の
    製造方法。
  4. 【請求項4】該インキ受容層が活性水素基含有化合物を
    含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の直描型水なし平版印刷版の製造方法。
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