JP2002178656A - 直描型水なし平版印刷版原版 - Google Patents

直描型水なし平版印刷版原版

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JP2002178656A
JP2002178656A JP2000379673A JP2000379673A JP2002178656A JP 2002178656 A JP2002178656 A JP 2002178656A JP 2000379673 A JP2000379673 A JP 2000379673A JP 2000379673 A JP2000379673 A JP 2000379673A JP 2002178656 A JP2002178656 A JP 2002178656A
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silicone
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JP2000379673A
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Kazuoki Goto
一起 後藤
Koichi Nagase
公一 長瀬
Keiichi Maejima
慶一 前嶋
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐スクラッチ性に優れた直描型水なし平版印刷
版を提供する。 【解決手段】基板上に、少なくとも感熱層、シリコーン
ゴム層をこの順に有する直描型水なし平版印刷版原版で
あって、シリコーンゴム層中にシリコーンレジンを有す
ることを特徴とする直描型水なし平版印刷版原版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水なし平版印刷版
原版に関するものであり、特にレーザー光で直接製版出
来る直描型水なし平版印刷版原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製版用フィルムを使用しないで、原稿か
ら直接オフセット印刷版を作製する、いわゆる直描型製
版は、熟練度を必要としない簡易性、短時間で印刷版が
得られる迅速性、多様なシステムから品質とコストに応
じて選択可能である合理性などの特徴を生かして、軽印
刷業界のみでなく、一般オフセット印刷、フレキソ印刷
の分野にも進出し始めている。特に最近では、プリプレ
スシステムやイメージセッター、レーザープリンタなど
の出力システムの急激な進歩によって新しいタイプの各
種直描型平版印刷版が開発されている。これらの直描型
平版印刷版を製版方法から分類すると、レーザー光を照
射する方法、サーマルヘッドで書き込む方法、ピン電極
で電圧を部分的に印加する方法、インクジェットでイン
キ反撥層またはインキ着肉層を形成する方法などが挙げ
られる。なかでも、レーザー光を用いる方法は解像度、
および製版速度の面で他の方式よりも優れており、その
種類も多い。
【0003】このレーザー光を用いる印刷版はさらに、
光反応によるフォトンモードのものと、光熱変換を行っ
て熱反応を起こさせるヒートモードの2つのタイプに分
けられる。特にヒートモードの方式は、明室で取り扱え
るといった利点があり、また光源となる半導体レーザー
の急激な進歩によって、最近非常に注目を集めており、
今後の主流になると言われている。
【0004】ヒートモードにおける平版印刷版として
は、湿し水を用いずに印刷が出来る直描型水なし平版、
湿し水を用いて印刷を行う直描型水ありPS版などが開
発されている。直描型水なし平版は、高品質な印刷物が
得られる、印刷の立ち上がりが早いという長所に加え、
有機溶媒による前処理と水存在下でのブラシ擦り現像と
いうシステムで現像できるため、PS版を処理したとき
に生じるアルカリ現像廃液が出ないという長所を持って
いる。
【0005】例えば、米国特許第5339737号明細
書、特開平6−55723号公報、米国特許第5378
580号明細書、特開平6−186750号公報、特開
平6−199064号公報、特開平9−146264号
公報、特開平9−146265号公報、特開平9−23
6927号公報、特開平9−244228号公報、米国
特許第5385092号明細書、米国特許第56494
86号明細書、米国特許第5570636号明細書には
レーザー光を光源として用いる直描型水なし平版印刷版
原版およびその製版方法などが記載されている。
【0006】これら熱破壊方式の印刷版原版の感熱層
は、レーザー光吸収化合物として主としてカーボンブラ
ックを用い、熱分解化合物としてニトロセルロースを使
用している。そしてこのカーボンブラックがレーザー光
を吸収することによって熱エネルギーに変換され、その
熱で感熱層が破壊される。そして最終的に、現像によっ
てこの部分を除去することによって、表面のシリコーン
ゴム層が同時に剥離され、インキ着肉部となる。しかし
ながらこの印刷版は、感熱層を破壊して画像を形成する
ことから画線部のセルの深さが深くなり、微少網点での
インキ着肉性が悪く、インキマイレージが悪いという問
題点があった。更に、感熱層を熱破壊させ易くするため
に、架橋構造を形成しており印刷版の耐刷性が悪いとい
う問題もあった。更にこの印刷版は感度が低く、感熱層
を破壊させるために高いレーザー光の強度が必要という
問題もあった。
【0007】特開平9−239942号公報では、レー
ザー感応層中に酸を発生する物質と、酸の作用で分解す
る高分子化合物を含有する剥離現像タイプの印刷版が提
案されているが、レーザー光照射の工程と加熱工程とい
う二つの工程が必要であるため工程が煩雑になり、また
微細な網点の再現性が悪いという剥離現像固有の問題が
存在する。
【0008】また、特開平11−221977号公報、
特開平11−157236号公報、特開平11−208
135号公報、特開平11−334237号公報、特開
平11−348442号公報などにより、感熱層中に金
属キレート化合物と活性水素基含有化合物を含有する直
描型水なし平版印刷版が提案されている。この印刷版
は、実用上の充分な感度、優れた画像再現性、高いイン
キ反発性、安定した現像性などの非常に良好な性能を有
していたが、印刷版の取扱い方により、非画線部のシリ
コーンゴム層に傷が入る場合があるといった耐スクラッ
チ性の問題が一部であった。
【0009】一方、このような耐スクラッチ性に関わる
直描型水なし平版のシリコーンゴム層改良に関しては、
特開平9−239943号公報、特開平9−25843
4号公報、特開平9−274311号公報、特開平10
−39497号公報、特開平10−186636号公
報、などがこれまで提案されてきたが、いずれも実用
上、充分なものではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の欠点に鑑み鋭意検討を行った結果、特に直描型水な
し平版印刷版原版に好適なシリコーンゴム層として、画
像再現性に優れ、耐スクラッチ性の大きく向上したシリ
コーンゴム層を得る技術を見出した。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の直描型水なし平
版印刷版原版は、上記課題を解決するために主として特
徴を有する。すなわち、「基板上に、少なくとも感熱層
およびシリコーンゴム層を有する直描型水なし平版印刷
版原版であって、前記シリコーンゴム層がシリコーンレ
ジンを含むことを特徴とする直描型水なし平版印刷版原
版」、である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
【0013】本発明の直描型水なし平版印刷版原版は、
基板上に少なくとも感熱層、シリコーンゴム層を有する
直描型水なし平版印刷版原版であり、そのシリコーンゴ
ム層が従来のシリコーンゴム組成物の他に、場合によっ
ては一部を置き換えてシリコーンレジンを含むことを特
徴とする。
【0014】本発明で言うシリコーンレジンとは、三次
元的網状構造を有するポリオルガノシロキサンであって
後述のビニル基含有ポリジメチルシロキサン、水酸基含
有ポリジメチルシロキサン、架橋剤としてのSiH基含
有ポリシロキサンとは区別されるべきものであるが、そ
の成分が主としてシリコーンのみからなるストレートシ
リコーンレジンと、シリコーン成分と有機樹脂の共重合
体であるシリコーン変性有機レジンが挙げられるが、イ
ンキ反発性などの観点からストレートシリコーンレジン
が好ましい。
【0015】ストレートシリコーンレジンとしては、そ
の骨格構造から、D単位(R2SiO2/2:Rはメチル
基、フェニル基、ビニル基などの有機基)、T単位(R
SiO3/2:Rはメチル基、フェニル基、ビニル基など
の有機基)を主構成単位として含むDTレジン、M単位
(R3SiO1/2:Rはメチル基、フェニル基、ビニル基
などの有機基)、Q単位(SiO4/2)を主構成単位と
して含むMQレジン、T単位のみから成るポリオルガノ
シルセスキオキサン、T単位が規則正しく結合したもの
としてラダーポリマーなどが挙げられる。
【0016】また、ストレートシリコーンレジンは、そ
の有機基が主としてメチル基からなるメチル系シリコー
ンレジンと、フェニル基を併せ持つメチルフェニル系シ
リコーンレジンに大別されるが、インキ反発性の面か
ら、メチル系ストレートシリコーンレインや、メチル基
を多く有するメチルフェニル系ストレートシリコーンレ
ジンが好ましい。
【0017】さらに、本発明において好ましく使用され
るシリコーンレジンとしては、SiH基やビニル基、水
酸基(あるいはアセトキシ基、アルコキシ基、イミノキ
シ基などの加水分解により容易に水酸基を生じる官能
基)などのシリコーンゴムの硬化に携わる官能基を有す
るものが好ましい。
【0018】特に、シリコーンゴム層組成物として付加
硬化(重合)型のシリコーンゴム組成物を用いる場合に
は、SiH基を有するシリコーンレジンやビニル基を有
するシリコーンレジン、縮合硬化(重合)型のシリコー
ンゴム組成物を用いる場合には、水酸基を有するシリコ
ーンレジンを用いることが特に好ましい組み合わせとな
る。
【0019】このようなシリコーンレジンは、対応する
クロロシランを加水分解し、次いで重合させることで得
ることが出来る。例えば、DTタイプのメチル系シリコ
ーンレジンは、ジメチルジクロロシランとメチルトリク
ロロシランを、トルエンやキシレンなどの溶媒中で加水
分解し、次いで重合させることにより得られる。得られ
たシリコーンレジンは数%の水酸基を有しており、必要
に応じて、さらに加熱することで水酸基を有さない高分
子量タイプのシリコーンレジンを得ることもできる。S
iH基やビニル基などの官能基を有するシリコーンレジ
ンは、SiH基やビニル基などの官能基を有するクロロ
シランを原料中に必要量混合することで得ることもでき
るし、また、水酸基を数%有するシリコーンレジンの化
学修飾により得ることもできる。
【0020】これらシリコーンレジンの含有量は、シリ
コーンゴム層の固形分中の0.1〜30重量%が好まし
く、より好ましくは1〜15重量%である。添加量が
0.1重量%以上であれば添加の効果が十分に発現し、
一方、添加量が30重量%以下であればシリコーンゴム
層の硬化性に悪影響をもたらしたり、インキ反発性に悪
影響を与えることがない。
【0021】このようにシリコーンゴム層中にシリコー
ンレジンを含有させることによって、シリコーンゴム層
の物性が改良され、耐スクラッチ性が大きく向上する。
【0022】本発明の直描型水なし平版印刷版原版のシ
リコーンゴム層としては、付加重合型のもの、縮合重合
型のもの、あるいは付加重合型のものに縮合重合型の成
分を配合させたり、逆に縮合重合型のものに付加重合型
の成分を配合したハイブリッド型のものいずれでも用い
られる。
【0023】付加重合型のシリコーンゴム層を構成する
成分としては、主として付加硬化型のシリコーンゴム組
成物を含み、この付加硬化型のシリコーンゴム組成物
は、ビニル基含有ポリジメチルシロキサン、架橋剤とし
てのSiH基含有ポリシロキサン、さらには硬化触媒を
主成分として含み、さらに硬化速度を制御する目的で反
応抑制剤などを含む。
【0024】ビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、
分子末端および/もしくは主鎖中にビニル基を有するも
のであり、下記一般式(I)で表される構造を有する。
【0025】
【化1】 (式中、mは2以上の整数を示し、R2、R3は炭素数1
〜50の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素数2〜
50の置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素数4〜
50の置換あるいは非置換のアリール基の群から選ばれ
る少なくとも1種を示し、それぞれ同一であっても異な
っていてもよい。) 式中のR2、R3の全体の50%以上、さらには80%以
上がメチル基であることが、印刷版のインキ反発性の面
で好ましい。また、ポリジメチルシロキサンの分子量と
しては数千〜数十万のものが使用できるが、その取扱い
性や得られた印刷版のインキ反発性、耐傷性などの観点
から重量平均分子量1万〜20万、さらには3万〜15
万のものを用いることが好ましい。また、3万〜15万
のものに、重量平均分子量約50万の高分子量のガムを
混合して使用することも好ましい。
【0026】SiH基を有する化合物としては、分子鎖
中、または末端にSiH基を有するポリシロキサンを挙
げることができ、例えば下記一般式で表されるような化
合物を挙げることができる。
【0027】
【化2】
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】 (上記式(II〜IV)中、nは1以上の整数を示し、mは
1以上の整数を示す。)
【0030】
【化5】
【0031】SiH基を有する化合物中におけるSiH
基の量としては、1分子中に2個以上、さらには3個以
上であることが好ましい。SiH基を有する化合物の添
加量としては、シリコーンゴム層の固形分中の0.1〜
30重量%であることが好ましく、さらに好ましくは1
〜15重量%である。
【0032】このようなSiH基を有する化合物は、ビ
ニル基含有ポリジメチルシロキサンとの量比ということ
で言えば、SiH基/ポリジメチルシロキサンの炭素−
炭素二重結合のモル比が1.5〜40であることが好ま
しく、さらに好ましくは3〜20である。このモル比が
1.5未満である場合には、シリコーンゴム層の硬化が
不足する場合があり、逆に40よりも大きい場合にはゴ
ムの物性がもろくなり、印刷版の耐傷性などに悪影響を
与え易くなるためである。
【0033】硬化触媒としては、III族遷移金属化合
物、好ましくは、白金化合物であり、具体的には白金単
体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金、白金
のアルコール変性錯体、白金のメチルビニルポリシロキ
サン錯体などを一例として挙げることができる。このよ
うな硬化触媒の量は、シリコーンゴム層中に固形分とし
て0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量
%である。添加する触媒量が0.01重量%以上の場合
にはシリコーンゴム層の硬化が十分となり、さらに感熱
層との接着性に問題を生じることもない。他方20重量
%以下の場合にはシリコーンゴム層溶液のポットライフ
に悪影響をもたらすこともない。シリコーンゴム層組成
物中における白金などの金属の量で言えば、10〜10
00ppm、好ましくは100〜500ppmであるこ
とが好ましい。
【0034】反応抑制剤としては、含窒素化合物、リン
系化合物、不飽和アルコールなどが挙げられるが、アセ
チレン基含有のアルコールなどが好ましく用いられる。
反応抑制剤の好ましい添加量としては、シリコーンゴム
組成物中の0.01〜10重量%、さらに好ましくは1
〜5重量%である。
【0035】また、これらの組成物の他に、加水分解性
官能基含有シランもしくはシロキサン、接着性を向上さ
せる目的で公知のシランカップリング剤、チタネート系
カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などを
含有してもよい。シランカップリング剤としては、アル
コキシシラン類、アセトキシシラン類、ケトキシミンシ
ラン類等が好ましく、特にビニル基を有するものや、ケ
トキシミンシラン類が好ましい。
【0036】ケトキシミンシラン類を用いる場合には、
接着性付与剤として機能するだけでなく、含窒素化合物
であるため反応抑制剤としても機能するため特に好まし
い。
【0037】このような化合物の添加量としては、シリ
コーンゴム層全組成物の0.5〜20重量%であること
が好ましく、さらに好ましくは2〜5重量%である。
0.5重量%より多くすることで、接着性発現に効果を
発揮し、一方、20重量%以下とすることで、十分なイ
ンキ反発性を発現することが出来る。
【0038】本発明で用いられるシリコーンレジンは、
上述のような付加硬化型のシリコーンゴム組成物に添加
することもできるが、ビニル基あるいはSiH基含有シ
リコーンレジン、特に好ましくはSiH基含有シリコー
ンレジンを、付加重合型シリコーンゴム組成物の必須成
分として用いることもできる。すなわち、付加重合型の
架橋剤としてのSiH基ポリシロキサンを用いる代わり
に、SiH基含有シリコーンレジンを用いることも好ま
しく行われる。
【0039】縮合重合型のシリコーンゴム層を構成する
成分としては、主として縮合硬化型のシリコーンゴム組
成物を含み、この縮合硬化型のシリコーンゴム組成物
は、水酸基含有ポリジメチルシロキサン、架橋剤(脱酢
酸型、脱オキシム型、脱アルコール型、脱アミン型、脱
アセトン型、脱アミド型、脱アミノキシ型など)、およ
び硬化触媒を含む。
【0040】水酸基含有ポリジメチルシロキサンの水酸
基は分子末端および/もしくは主鎖中に位置することが
できるが、好ましく用いられるものは分子量末端に水酸
基を有するものである。分子量としては数千〜数十万の
ものが使用できるが、その取扱い性や得られた印刷版の
インキ反発性、耐傷性などの観点から重量平均分子量1
万〜20万、さらには3万〜15万のものを用いること
が好ましい。
【0041】縮合重合型のシリコーンゴム層で用いられ
る架橋剤としては、下記一般式(VI)で表される、ア
セトキシシラン類、アルコキシシラン類、ケトキシミン
シラン類、アリロキシシラン類などを挙げることができ
る。
【0042】(R14-nSiXn (VI) (式中、nは2〜4の整数を示し、R1は炭素数1以上
の置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、ア
リール基、またはこれらの組み合わされた基を示す。X
はハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケト
キシミン基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニルオ
キシ基から選ばれる官能基を示す。)上記式において、
加水分解性基の数nは3または4であることが好まし
い。
【0043】具体的な好ましい化合物としては、メチル
トリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、
ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリ(メチルエチ
ルケトキシミン)シラン、テトラ(メチルエチルケトキ
シミン)シランなどが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0044】一般式(VI)で表される架橋剤の添加量
としては、シリコーンゴム層全組成物の0.1〜30重
量%であることが好ましく、1〜15重量%がさらに好
ましい。ポリジメチルシロキサンとの量比ということで
言えば、官能基X/ポリジメチルシロキサンの水酸基の
モル比が1.5〜10.0であることが好ましい。この
モル比が1.5以上である場合には、シリコーンゴム層
溶液のゲル化の心配もなく、逆に10.0以下の場合に
はゴムの物性の脆化、印刷版の耐傷性などへの悪影響も
生じない。
【0045】硬化触媒としては、酸類、アルカリ、アミ
ン、および金属アルコキシド、金属ジケテネート、金属
の有機酸塩などを挙げることが出来る。これらの中で
は、金属の有機酸塩を添加することが好ましく、特に
錫、鉛、亜鉛、鉄、コバルト、カルシウム、マンガンか
ら選ばれる金属の有機酸塩であることが好ましい。この
ような化合物の具体例の一部としては、ジブチル錫ジア
セテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウ
レートなどを挙げることが出来る。このような硬化触媒
の量は、シリコーンゴム層中に固形分として0.01〜
20重量%、好ましくは0.1〜10重量%であること
が好ましい。添加する触媒量が0.01重量%以上とす
ればシリコーンゴム層の硬化が不十分となることはな
く、さらに感熱層との接着性に問題を生じることもな
い。他方20重量%以下とすればシリコーンゴム層溶液
のポットライフに悪影響をもたらすこともない。
【0046】本発明で用いられるシリコーンレジンは、
上述のような縮合硬化型のシリコーンゴム組成物に添加
することもできるが、水酸基含有シリコーンレジン、あ
るいは加水分解性基含有架橋剤として縮合重合型シリコ
ーンゴム組成物の必須成分として用いることもできる。
すなわち、縮合重合型の架橋剤としての加水分解性架橋
剤を用いる代わりに、アルコキシ基、アシルオキシ基、
ケトキシミン基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニ
ルオキシ基などの加水分解性基含有シリコーンレジンを
用いることも好ましく行われる。
【0047】以上のような原材料からシリコーンゴム層
を得る方法としては、ビニル基あるいは水酸基含有ポリ
ジメチルシロキサン成分を溶媒に溶解後、架橋剤や反応
抑制剤、硬化触媒などを加えることによりシリコーンゴ
ム溶液を得た後、それを塗布乾燥する方法が挙げられ
る。
【0048】本発明で用いるシリコーンレジン成分は、
上記溶液にどのタイミングで添加してもよいが、ポリジ
メチルシロキサン成分を溶解した溶液に、架橋剤や反応
抑制剤などと共に添加するのが好ましい。
【0049】溶媒としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭
化水素系の溶媒を用いることが好ましい。具体的には、
脂肪族炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタンおよびイソパラフィン類、ノルマルパラフ
ィン類など、芳香族炭化水素としては、トルエン、キシ
レンなど、および石油を分留などして得られる混合物な
どである。石油系の溶媒として好ましく用いられる具体
的な商品としては、“ISOPER”、“PEGASO
L”、“EXXOL”、“SOLVESSO”、“IP
ソルベント”などを挙げることが出来る。
【0050】これらの溶媒は事前に脱水しておくことが
好ましく、また、シリコーンゴム溶液調製の際にも脱水
工程を有することが好ましい。脱水手段としては、乾燥
ガスのバブリング、モレキュラーシーブなどの脱水剤の
投入などが考えられるが、溶液に不純物を持ち込みにく
いという点で、乾燥ガスのバブリングが好ましく、特に
扱い易さなどから乾燥窒素ガスのバブリングが好まし
い。脱水後の溶液の水分率は、カールフィーッシャー法
などにより測定することが可能であるが、40ppm以
下、好ましくは、20ppm以下に抑えることが好まし
い。脱水を十分に行い、水分率を40ppm以下に抑え
ることで、シリコーンゴム溶液の硬化性の低下や、感熱
層との接着性不良などの問題が生じなくなる。さらに
は、ポットライフの低下を招くこともなくなる。
【0051】シリコーンゴム溶液の濃度は、固形分とし
て、3〜40重量%であることが、さらには5〜15重
量%が塗工性、乾燥性などの点から好ましい。3重量%
以上とすることで、ある程度の溶液粘度を確保し塗工性
が良好となり、また乾燥効率も得られる。また、40重
量%以下とすることで、高粘度化による塗工性悪化を招
くこともない。
【0052】このようにして得られるシリコーンゴム溶
液を、各種塗工方法により塗布、乾燥することでシリコ
ーンゴム層を得ることが出来る。シリコーンゴム層の膜
厚は0.5〜20g/m2が好ましく、さらに好ましく
は1〜4g/m2である。膜厚が0.5g/m2以上とす
れば印刷版のインキ反撥性や耐傷性、耐刷性が低下する
ことがなく、20g/m2以下とすれば経済的見地から
有利であるばかりでなく、現像性、インキマイレージが
悪くなるという問題も起きない。
【0053】次に本発明の直描型水なし平版印刷版原版
における感熱層について説明する。
【0054】感熱層は、金属薄膜系のものでもよいし、
光熱変換物質を含有する有機化合物層であってもよい。
【0055】金属薄膜系を構成する金属としては、チタ
ン、アルミ、ニッケル、鉄、テルル、スズ、アンチモ
ン、ガリウム、ゲルマニウム、マグネシウム、ポロニウ
ム、セレン、タリウム、亜鉛、ビスマス、およびこれら
の酸化物、硫化物などが挙げられる。これら金属化合物
は2種類以上を混合し、アロイとすることによって融点
を低くすることが好ましい。金属薄膜の厚さは、100
0オングストローム以下、さらには400オングストロ
ーム以下が好ましい。
【0056】また、有機化合物層中に用いられる光熱変
換物質としては、カーボンブラック、チタンブラックな
どの黒色顔料、フタロシアニンやナフタロシアニン系の
顔料、カーボングラファイト、ジアミン系金属錯体、ジ
チオール系金属錯体、フェノールチオール系金属錯体、
メルカプトフェノール系金属錯体、酸化チタン、酸化バ
ナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化
タングステンなどの金属酸化物、これらの金属の水酸化
物、硫酸塩などを挙げることが出来る。
【0057】これらのなかでも、光熱変換率、経済性お
よび取り扱い性の面から、カーボンブラックが好まし
い。
【0058】また上記の物質以外に、赤外線または近赤
外線を吸収する色素、特に染料が光熱変換物質として非
常に好ましく使用される。
【0059】特に好ましい色素としては、シアニン系、
フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジチオール金
属錯体系、ピアズレニウム系、スクアリリウム系、クロ
コニウム系、アゾ系分散色素、ビスアゾ系、ビスアゾス
チルベン系、ナフトキノン系、アントラキノン系、ペリ
レン系、ポリメチン系、インドアニリン金属錯体染料、
分子間型CT系、ベンゾチオピラン系スピロピラン系、
ニグロシン系、チオインジゴ系、ニトロソ系、キノリン
系、フルギド系の色素、特に染料などが挙げられる。さ
らにこれらの染料のなかでも、モル吸光度係数εの大き
なものが好ましく使用される。具体的には、εは1×1
4以上が好ましく、より好ましくは1×105以上であ
る。εが1×104以上であると、感度の向上効果が十
分に発現する。
【0060】これらの光熱変換物質は単独でも感度の向
上効果はあるが、2種以上を併用して用いることによっ
て、さらに感度を向上させることも可能である。
【0061】これら光熱変換物質の含有量は、全感熱層
組成物に対して0.1〜40重量%が好ましく、より好
ましくは0.5〜25重量%である。0.1重量%以上
であればレーザー光に対する感度の向上効果が十分得ら
れ、40重量%以下であれば印刷版の耐刷性が低下しに
くい。
【0062】また、感熱層には金属キレート化合物を含
有することが好ましい。金属キレート化合物としては、
Al、Ti、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、G
e、In、Sn、Zr、Hfの金属ジケテネート、金属
アルコキサイド、アルキル金属、金属カルボン酸塩類、
酸化金属キレート化合物、金属錯体、ヘテロ金属キレー
ト化合物が挙げられ、これらの中で特に好ましく用いら
れる化合物としては、アルミニウム、鉄(III )、チタ
ンのアセチルアセトネート(ペンタンジオネート)、エ
チルアセトアセトネート(ヘキサンジオネート)、プロ
ピルアセトアセトネート(ヘプタンジオネート)、テト
ラメチルヘプタンジオネート、ベンゾイルアセトネート
類などが挙げられる。感熱層中に添加する量としては固
形分のうち3〜50重量%が好ましく、さらには5〜3
0重量%が好ましい。添加量が3重量%以上である場合
には、その効果、すなわち画像再現性向上効果が高く、
一方30重量%以下の場合には感熱層の物性が低下しに
くく、印刷版としては例えば耐刷性という問題が生じに
くくなるためである。
【0063】金属キレート化合物を用いる場合には、そ
れとの相互作用という観点から、フェノール性水酸基含
有化合物、アルコール性水酸基含有化合物、アミノ基含
有化合物、カルボキシル基含有化合物、ジケトン基含有
化合物等を添加することが好ましい。これら化合物の添
加量は、全感熱層組成物に対して5〜60重量%が好ま
しく、より好ましくは20〜50重量%である。5重量
%以上だとその効果が大きくなる傾向にあり、逆に60
重量%以下だと印刷版の溶剤耐性が低下しにくい。
【0064】感熱層がさらにバインダーポリマーを含有
することが好ましい。この際、バインダーポリマーとし
ては、印刷版の耐刷性の観点から、該ポリマーのガラス
転移温度(Tg)が20℃以下のポリマー、コポリマ
ー、さらに好ましくはガラス転移温度が0℃以下のポリ
マー、コポリマーを用いることが好ましい。バインダー
ポリマーの具体例としては、公知のビニルポリマー類、
未加硫ゴム、ポリオキシド類(ポリエーテル類)、ポリ
エステル類、ポリウレタン類、ポリアミド類などが挙げ
られる。これらのバインダーの含有量は、全感熱層組成
物に対して5〜70重量%が好ましく、より好ましくは
10〜50重量%である。含有量が5%以上だと耐刷性
や塗液の塗工性に問題が生じやすく、70重量%以下だ
と画像再現性に悪影響を与えることもない。
【0065】感熱層には、上記の化合物以外にも、ニト
ロセルロースをはじめとするニトロ基含有化合物やヒド
ラジン誘導体、アゾ化合物、アジド化合物、炭酸エステ
ル化合物、有機過酸化物などの易分解性化合物などや、
酸発生剤、ラジカル発生剤などを添加しても良い。
【0066】感熱層の厚さは、被覆層にして0.1〜1
0g/m2であると、印刷版の耐刷性や、希釈溶剤を揮
散し易く生産性に優れる点で好ましく、より好ましくは
1〜7g/m2である。
【0067】本発明の直描型水なし平版印刷版原版に使
用する基板としては、寸法的に安定な板状物であれば公
知の金属、フィルム等のいずれも使用することができ
る。この様な寸法的に安定な板状物としては、従来印刷
版の基板として使用されたもの等が好ましく挙げられ
る。かかる基板としては、紙、プラスチック(ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)がラミネ−
トされた紙、アルミニウム(アルミニウム合金も含
む)、亜鉛、銅などの金属の板、セルロースアセテー
ト、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレン、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポ
リプロピレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリビニルアセタ−
ルなどのプラスチックのフィルム、上記の如き金属がラ
ミネ−トもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフ
ィルムなどが挙げられる。
【0068】これらのうち、アルミニウム板は寸法的に
著しく安定であり、しかも安価であるので特に好まし
い。また、軽印刷用の基板として用いられているポリエ
チレンテレフタレ−トフィルムも好ましく使用される。
【0069】得られた直描型水なし平版印刷版原版は、
インキ反発層の保護の目的で保護フィルムをラミネート
するかあるいは保護層を形成してもよい。保護フィルム
としてはポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどが挙げられる。
【0070】このような直描型水なし平版印刷版原版
を、保護フィルムを剥離してから、あるいは保護フィル
ム上からレーザー光で画像状に露光する。本発明の製版
露光工程で用いられるレーザー光源としては、発光波長
領域が300nm〜1500nmの範囲にあるものが用
いられるが、これらの中でも近赤外領域付近に発光波長
領域が存在する半導体レーザーやYAGレーザーが好ま
しく用いられる。具体的には、明室での版材の取扱い性
などの観点から、780nm、830nm、1064n
mおよびその近辺の波長のレーザー光が製版に好ましく
用いられる。
【0071】レーザー照射後の原版は、水または有機溶
剤の存在もしくは非存在下での摩擦処理により現像がな
される。摩擦処理は、現像液を含浸した不織布、脱脂
綿、布、スポンジ等で版面を拭き取ることによって、あ
るいは上記の現像液で版面を前処理した後に水道水など
をシャワーしながら回転ブラシで擦ることによって行う
ことができる。現像処理を行う場合に使用される現像液
としては、例えば、水や水に界面活性剤を添加したも
の、さらには水にアルコールやケトン、エステル、カル
ボン酸などの極性溶媒を添加したものや、脂肪族炭化水
素類、芳香族炭化水素類などの少なくとも1種類からな
る溶媒に極性溶媒を少なくとも1種類添加したもの、あ
るいは極性溶媒が用いられる。また、上記の現像液組成
には、公知の界面活性剤を添加することも自由に行われ
る。
【0072】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。
【0073】[実施例1]厚さ0.24mmの脱脂した
アルミ板上に、下記の組成よりなる溶液を塗布し、15
0℃で80秒間乾燥し、乾燥膜厚1.5g/m2の感熱
層を設けた。
【0074】<感熱層1> (A)“YKR−2900”(赤外線吸収染料、山本化
成(株)製):10重量部 (B)“ナーセムチタン”(チタンジ−n−ブトキサイ
ドビス(2,4−ペンタンジオネート)、日本化学産業
(株)製、金属キレート化合物):22重量部 (C)“スミライトレジン”PR54652(フェノー
ルノボラック樹脂、住友デュレズ(株)製):60重量
部 (D)“サンプレン”T−1331D(ポリウレタン樹
脂 三洋化成工業(株)製):10重量部 (E)m−キシリレンジアミン/グリシジルメタクリレ
ート/3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン=
1/3/1mol比付加反応物:15重量部 (F)テトラヒドロフラン:800重量部 (G)ジメチルホルムアミド:100重量部
【0075】この感熱層上に、下記のシリコーンゴム溶
液を乾燥膜厚2.0μm、乾燥条件125℃×80秒間
として塗設し、シリコーンゴム層を設け、直描型水なし
平版印刷版原版を得た。
【0076】<シリコーンゴム溶液1の成分> (a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重量
平均分子量約90,000):100重量部 (b)HQM−105(GELEST Inc.製、S
iH基含有シリコーンレジン):5重量部 (c)HMS−151(GELEST Inc.製、両
末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメ
チルシロキサン)共重合体、SiH基含有ポリシロキサ
ン、MeHSiOのモル%:15〜18%、架橋剤):
7重量部 (d)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラ
ン:3重量部 (e)“SRX−212”(東レダウコーニングシリコ
ーン(株)製、白金触媒、硬化触媒):5重量部 (f)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製、溶
媒):735重量部 (g)トルエン:300重量部 得られた直描型水なし平版印刷版原版は、GX−360
0(製版機、東レ(株)製)に装着し、半導体レーザー
(波長830nm)を用いて照射エネルギー150mJ
/cm2で露光を行った。
【0077】続いて、東レ(株)製自動現像装置TWL
−860KII(前処理液:“NP−1”(東レ(株)
製)、現像液:水)により前処理時間30秒という条件
で、上記露光済み版の現像を行ない直描型水なし平版印
刷版を得た。
【0078】得られた印刷版を、枚葉オフセット印刷機
「スプリント25」(小森コーポレーション(株)製)
に取り付け、水なし平版用インキ“ドライオカラーNS
I”、藍(大日本インキ化学工業(株)製)を使用して
上質紙(62.5kg/菊)に印刷し、印刷物としての画像再
現性を評価したところ、1〜99%までの網点を再現す
る良好な結果が得られた。
【0079】耐スクラッチ性評価は、(株)大栄科学精
機製作所製学振型染色物摩擦堅牢度試験機を用いて行っ
た。すなわち、得られた直描型水なし平版印刷版の非画
線部部分(6cm×6cm)を、前記試験機に取り付
け、毛足(ポリエステル製、直径約20μm)の長さ約
5mmの起毛パッド(カンボークリエート(株)製、
“カペロン”NS5100)(2cm×3cm)を用
い、荷重100gで、150往復擦った。その後、上記
サンプルを印刷することで、傷の様子を観察した。評価
は以下の基準で判定した。その結果、傷、擦り跡がわず
かに観察される程度に耐傷性は良好であった。
【0080】 5点:傷、擦り跡とも全く認められない。 4点:傷、擦り跡がわずかに観察される。 3点:傷、擦り跡が観察される。 2点:サンプルの中心部に、ほぼ円形に傷が観察され
る。 1点:ほぼ全面に傷が観察される。
【0081】[比較例1]実施例1において、シリコー
ンゴム層組成を以下のようにシリコーンレジンを含まな
い組成に変更した以外は全く同様に印刷版原版を作製
し、全く同様に評価した。
【0082】<シリコーンゴム溶液2の成分> (a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重量
平均分子量約90,000):100重量部 (b)HMS−151(GELEST Inc.製、両
末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメ
チルシロキサン)共重合体、SiH基含有ポリシロキサ
ン、MeHSiOのモル%:15〜18%、架橋剤):
7重量部 (c)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラ
ン:3重量部 (d)“SRX−212”(東レダウコーニングシリコ
ーン(株)製、白金触媒、硬化触媒):5重量部 (e)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製、溶
媒):1035重量部
【0083】[実施例2]実施例1において、シリコー
ンゴム層組成を以下のように変更した以外は全く同様に
印刷版原版を作製し、全く同様に評価した。
【0084】<シリコーンゴム溶液3の成分> (a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重量
平均分子量約90,000):100重量部 (b)HQM−105(GELEST Inc.製、S
iH基含有シリコーンレジン):5重量部 (c)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラ
ン:3重量部 (d)“SRX−212”(東レダウコーニングシリコ
ーン(株)製、白金触媒、硬化触媒):5重量部 (e)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製、溶
媒):735重量部 (f)トルエン:300重量部
【0085】[実施例3]実施例1において、シリコー
ンゴム層組成を以下のように変更した以外は全く同様に
印刷版原版を作製し、全く同様に評価した。
【0086】<シリコーンゴム溶液4の成分> (a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重量
平均分子量約90,000):90重量部 (b)VQM−146(GELEST Inc.製、ビ
ニル基含有シリコーンレジン):10重量部 (c)HMS−151(GELEST Inc.製、両
末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメ
チルシロキサン)共重合体、SiH基含有ポリシロキサ
ン、MeHSiOのモル%:15〜18%、架橋剤):
7重量部 (d)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラ
ン:3重量部 (e)“SRX−212”(東レダウコーニングシリコ
ーン(株)製、白金触媒、硬化触媒):5重量部 (f)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製、溶
媒):735重量部 (g)トルエン:300重量部
【0087】[実施例4]実施例1において、シリコー
ンゴム層組成を以下のように変更した以外は全く同様に
印刷版原版を作製し、全く同様に評価した。
【0088】<シリコーンゴム溶液5の成分> (a)DMS−V52(GELEST Inc.製、
α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン、重量平均分
子量約110,000):100重量部 (b)CH3SiO3/2単位:80モル%、(CH32
iO2/2単位:10モル%、CH3SiO2/2:10モル
%から成るシリコーンレジン:5重量部 (c)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラ
ン:3重量部 (d)“SRX−212”(東レダウコーニングシリコ
ーン(株)製、白金触媒、硬化触媒):7重量部 (e)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製、溶
媒):735重量部 (f)トルエン:300重量部
【0089】[比較例2]実施例4において、シリコー
ンゴム層組成を以下のようにシリコーンレジンを含まな
い組成に変更した以外は全く同様に印刷版原版を作製
し、全く同様に評価した。
【0090】<シリコーンゴム溶液6の成分> (a)DMS−V52(GELEST Inc.製、
α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン、重量平均分
子量約110,000):100重量部 (b)HMS−151(GELEST Inc.製、両
末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメ
チルシロキサン)共重合体、SiH基含有ポリシロキサ
ン、MeHSiOのモル%:15〜18%、架橋剤):
4重量部 (c)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラ
ン:3重量部 (d)“SRX−212”(東レダウコーニングシリコ
ーン(株)製、白金触媒、硬化触媒):7重量部 (e)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製、溶
媒):1035重量部
【0091】[実施例5]実施例1において、シリコー
ンゴム層組成を以下のように変更した以外は全く同様に
印刷版原版を作製し、全く同様に評価した。
【0092】<シリコーンゴム溶液7の成分> (a)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重量
平均分子量約90,000):100重量部 (b)CH3SiO3/2単位:80モル%、(CH32
iO2/2単位:10モル%、CH3SiO2/2:10モル
%から成るシリコーンレジン:5重量部 (c)HMS−992(GELEST Inc.製、両
末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメ
チルシロキサン)共重合体、SiH基含有ポリシロキサ
ン、MeHSiOのモル%:100%、架橋剤):1重
量部 (d)ビニルトリ(メチルエチルケトキシミン)シラ
ン:3重量部 (e)“SRX−212”(東レダウコーニングシリコ
ーン(株)製、白金触媒、硬化触媒):7重量部 (f)“アイソパー”E(エッソ化学(株)製、溶
媒):735重量部 (g)トルエン:300重量部
【0093】
【表1】
【0094】表1の結果からも分かるように、本発明の
シリコーンレジンを含有するシリコーンゴム層を用いた
場合(実施例1〜5)は、優れた画像再現性を維持した
まま、良好な耐スクラッチ性が得られている。一方、シ
リコーンレジンを含まないシリコーンゴム層を用いた場
合は、耐スクラッチ性に劣るという結果が得られた。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、画像再現性に優れ、耐
スクラッチ性に特に優れた直描型水なし平版印刷版原版
が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA02 AB04 AC08 AD03 BH01 CB33 CC11 DA40 2H096 AA13 BA11 EA04 EA23 2H114 AA05 AA14 AA22 AA24 BA01 BA10 DA04 DA46 DA56 DA58 DA60 DA61 EA01 EA02 FA16

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、少なくとも感熱層、シリコーン
    ゴム層を有する直描型水なし平版印刷版原版であって、
    前記シリコーンゴム層がシリコーンレジンを含むことを
    特徴とする直描型水なし平版印刷版原版。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010506972A (ja) * 2006-11-10 2010-03-04 アドバンスド エラストマー システムズ,エル.ピー. 水素化ケイ素化剤によるゴムの硬化
JP2014160460A (ja) * 2013-01-25 2014-09-04 Fujifilm Corp 透明樹脂膜、転写フィルム、導電膜積層体、静電容量型入力装置および画像表示装置

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