JP2011215205A - 湿し水不要平版印刷版の製造方法 - Google Patents

湿し水不要平版印刷版の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】現像工程が簡便な、画線部のピンホールや非画線部の地汚れが低減され、印刷再現性が良好な湿し水不要平版印刷版の製造方法を提供すること。
【解決手段】支持体上に形成された、撥インキ性化合物 と少なくとも1つの反応性官能基を有するインキ親和性化合物を含む連続した表面層を有する印刷版原版の少なくとも1つの領域を露光または加熱する工程(A)、表面層のインキ親和性化合物の少なくとも一部を除去する工程(B)を有することを特徴とする湿し水不要平版印刷版の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は湿し水不要平版印刷版の製造方法に関する。
近年、電子部品の低コスト化および微細化に対応するため、電子部品を製造するための画像パターンを印刷法により形成することが試みられている。微細な画像パターンを形成するための印刷版として、エッジ角度が5°以上45°以下である水なし平版印刷版(例えば、特許文献1参照)や、シリコーン層の初期弾性率が0.2MPa以上0.8MPa以下である水なし平版印刷版原版(例えば、特許文献2参照)が提案されている。これらの例示される表面にシリコーン層のパターンを有する水なし印刷版を用いた水なしオフセット印刷は、印刷版のシリコーン層のパターンがない部分にインキが付着して画線部分となり、シリコーン層のパターン部分にはインキが付着せず、非画線部分となる印刷方法である。PS版を使用するオフセット印刷と異なり、インキ付着性の制御のために湿し水が不要であるため、滲みのない精細な印刷物が得られる。より微細なパターンを形成するために、シリコーン層の初期弾性率が0.6MPa以上0.8MPa以下である水なし平版印刷版原版(例えば、特許文献3参照)が提案されているが、さらに高精細なパターンが求められている。
また、微細な画像パターンを形成するための印刷法として、(1)画線部(撥樹脂機能)と非画線部(親樹脂機能)を有する画像形成版に樹脂を塗布し、(2)撥樹脂機能を施した画像転写シートを画像形成版に押圧し画線部上樹脂を画像転写シートに転写する工程、(3)画像転写シートの画線部上樹脂を基板に転写する工程を有する方法(いわゆる剥離印刷)が提案されている(例えば、特許文献4参照)。剥離印刷は、シリコーン層のパターン部分をインキ転写部とし、印刷版の全面に塗布したインキのうち、シリコーン層のパターン部分のインキを選択的にブランケットに転写し、さらに被印刷体に再転写する印刷方法であり、インキの糸曳き現象をなくし、フォトリソ法に近い高品質の印刷物が得られる。この印刷法においても、より微細なパターンを形成するために、より高精細なシリコーン層のパターンを有する印刷版が求められている。
上記の水なしオフセット印刷や剥離印刷に使用される湿し水不要平版印刷版は、支持体上に感光層または感熱層(以下、感光(熱)層と表記することもある)、その上にインキ反発性のあるシリコーン層を設けて形成され、該感光層の光化学反応や感熱層の熱反応により、感光(熱)層が溶解性の変化をもたらすかまたは感光(熱)層とシリコーン層との接着性に変化をもたらすことを利用して印刷版を形成するものであるため、印刷版を作製する工程において、版を画像露光した後に、不要となるシリコーン層を除去させるためにシリコーン層を物理的に剥離するための現像工程が必要であった。
現像工程は、工程が煩雑なため様々なトラブルの原因となりやすく、また、時間的損失が大きいという問題点を抱えている。かかる現像工程を経ることなしに、画像露光のみで湿し水不要のオフセット印刷が可能となる現像不要の湿し水不要感光性平版印刷版として、基板と該基板上に設けられる画像記録層からなる平版印刷用原版において、該画像記録層は、撥インキ性物質よりなるバインダー中に親インキ性物質よりなる微粒子が分散されたものであることを特徴とする平版印刷用原版(例えば、特許文献5参照)や、支持体上に、少なくとも露光により親水性化される光触媒性半導体粒子を分散したポリオルガノシロキサンを含有する層を設けてなる現像不要の湿し水不要感光性平版印刷版(例えば、特許文献6参照)が提案されている。
しかし、上記の製造工程が簡便な、湿し水不要平版印刷版においては、画線部のピンホールや非画線部の地汚れが解消できないなど印刷再現性が十分ではないため、高精細なパターン印刷への適用が困難であった。
特開2004−191964号公報 特開2007−148386号公報 特開2007−219358号公報 特開2004−249696号公報 特開平5−8575 特開平11−305423
本発明の目的は、現像工程が簡便な、画線部のピンホールや非画線部の地汚れが低減され、印刷再現性が良好な湿し水不要平版印刷版の製造方法を提供することである。
すなわち本発明は、支持体上に形成された、撥インキ性化合物 と少なくとも1つの反応性官能基を有するインキ親和性化合物を含む連続した表面層を有する印刷版原版の少なくとも1つの領域を露光または加熱する工程(A)、表面層のインキ親和性化合物の少なくとも一部を除去する工程(B)を有することを特徴とする湿し水不要平版印刷版の製造方法であり、本発明のもう一つの態様は、支持体上に形成された撥インキ性化合物と少なくとも1つのインキ親和性化合物を含む連続した表面層を有し、表面層の少なくとも2つの領域においてインキ親和性化合物の濃度が異なる印刷版であって、インキ親和性化合物が重合体であることを特徴とする印刷版である。
本発明の湿し水不要平版印刷版の製造方法によれば、簡便な現像方法によって、画線部のピンホールや非画線部の地汚れが低減され、印刷再現性が良好な湿し水不要平版印刷版を得られる。
本発明において好適に使用される湿し水不要平版印刷版原版は、支持体上に形成された連続した表面層を有する印刷版原版である。
連続した表面層は、支持体上に直接、または支持体上の単独または多層積層の樹脂層の上に、表面層形成物質の溶液の塗布、乾燥することによって形成できる。また、支持体上に直接、または支持体上の単独または多層積層の樹脂層の上に、液状の表面層形成物質を塗布、硬化することによって形成できる。
支持体は、寸法安定性のある板またはフィルムが使用できる。具体的には、アルミニウム、ステンレスなどの金属板、ソーダライム、石英などのガラス板、シリコンウエハー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、アラミド、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーなどの耐熱フィルムなどが挙げられる。これらのうち、アルミニウム板は寸法的に安定であり、しかも安価な点から好ましい。また、軽印刷用の基板として用いられているポリエチレンテレフタレートフィルムも好ましく使用される。より高精細なパターンを形成する目的には、表面の平滑なガラス板やシリコンウエハーが好ましい。
支持体と表面層の接着を向上し、印刷時の耐久性を増大する目的や、露光や加熱に対する支持体の影響を遮断する目的などから、支持体上に単独または多層積層の樹脂層を設けることができる。樹脂層を形成する材料としては、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル、ポリアミド、尿素樹脂、ポリビニルブチラール、カゼイン、ゼラチン等を含むものが挙げられる。これらの樹脂は単独であるいは二種以上混合して用いることができる。これらの中では、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂等を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることが好ましい。樹脂層の耐溶剤性を向上する目的で、架橋剤や有機錯化合物を混合することが好ましい。また、露光光線の反射の影響の解消や、印刷時の画像確認を容易にすることを目的に、顔料、染料等の着色添加剤を混合することが好ましい。
表面層形成物質は、少なくとも1種の撥インキ性化合物と少なくとも1種のインキ親和性化合物を含有する。撥インキ性化合物はフィルム形成能を有する撥インキ性ポリマーであることが好ましい。
フィルム形成能を有する撥インキ性ポリマーとしては、シリコーン樹脂、シリコーンアクリル樹脂、シリコーンエポキシ樹脂、シリコーンアルキド樹脂、シリコーンウレタン樹脂、変性シリコーン樹脂、シリコーングラフト樹脂等のシリコーン含有ポリマーや、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、四フッ化エチレンーエチレン共重合樹脂、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フッ素を含有するアクリル酸エステル誘導体もしくはメタクリル酸エステル誘導体の重合体もしくは共重合体等のフッ素含有ポリマー等が好ましい。インキ反撥性がたかく、表面層の形成が容易な点からシリコーン樹脂がより好ましい。
シリコーン樹脂としては、良質なフィルム形成が可能なシリコーンゴムやシリコーンレジンが好ましく、シリコーンゴムがより好ましい。シリコーンゴムは、オルガノポリシロキサンと架橋剤、硬化触媒等とともに使用することが好ましい。
オルガノポリシロキサンとしては、末端または側鎖にビニル基またはシラノール基を有するオルガノポリシロキサンが好ましく、両末端ビニル基ポリジメチルシロキサン、両末端シラノール基ポリジメチルシロキサンがより好ましい。
両末端ビニル基ポリジメチルシロキサンは、少なくとも2個のケイ素−水素結合を有する架橋剤、ヒドロシリル化反応触媒、シランカップリング剤等と合わせて使用できる。
両末端シラノール基ポリジメチルシロキサンは、少なくとも2個の加水分解性シロキサン結合を有する架橋剤、縮合反応触媒、シランカップリング剤等と合わせて使用できる。
インキ親和性化合物は、親インキ性を示す化合物であり、表面層のインキに対する親和性を増大させる作用を有する。インキに対する親和性の増大は、表面層のインキ組成物に対する濡れ性が増大することによって確認できる。インキに対する親和性が増大すると、インキが付着しやすくなったり、一旦塗布したインキが剥離しにくくなったりする。
インキ親和性化合物は、光または熱の作用(露光または加熱)で重合または分解する反応性官能基(以下単に反応性官能基と表す場合がある。)を有することが必要である。
光または熱の作用で重合する重合性官能基としては、アクリル基及びメタクリル基などのラジカル重合反応性基、ビニルエーテル基、オキセタン基、エポキシ基などのカチオン重合反応性基等が挙げられる。中でも、アクリル基及びメタクリル基などのラジカル重合反応性基が好ましい。ここで、重性官能基を有する場合は、製造された印刷版において、インキ親和性化合物が重合体となるので、耐久性に優れ、好ましい。
また、光または熱の作用で分解する分解性官能基としては、キノンジアジド化合物、ジアゾニウム化合物、アジド化合物などが挙げられる。反応性官能基はインキ親和性化合物に2個以上、好ましくは3個以上有することが、光または熱に対する感度向上の点から好ましい。
また、反応性官能基としては、光の作用で重合または分解する、光反応性官能基が、熱の作用で重合または分解する、熱反応性官能基に比べて、微細パターンの形成が容易である点から好ましい。
光の作用を利用する場合には、反応性官能基を有する化合物を光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤などの光重合開始剤や光増感剤等とともに使用することが好ましい。また、反応性官能基を有する化合物を、カーボンブラックや赤外線吸収染料等の光熱変換物質とともに、熱重合開始剤や触媒等とともに使用してもよい。
熱の作用を利用する場合には、反応性官能基を有する化合物を熱重合開始剤や触媒等とともに使用することが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、メルカプト類、グリシン類、オキシム類、ベンジリデン類、クマリン類、アントラキノン類等が挙げられる。これらの開始剤は単独でも混合して用いてもよい。
光ラジカル重合開始剤の具体例としては、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製のIRGACURE(登録商標)651、127、184、819、907、1870、500、369、1173、2959、4265、4263等(いずれも商品名)、日本化薬(株)製のKAYACURE DETX−S、BP−100、BDMK、CTX、BMS、2−EAQ、ABQ、CPTX、EPD、ITX、QTX、BTC、MCA等(いずれも商品名)が挙げられる。
光カチオン重合開始剤としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族スルホニウム塩類、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族ヨードニウム塩類、芳香族ヨードシル塩類、芳香族スルホキソニウム塩類、有機金属錯体類が挙げられる。これらの開始剤は単独でも混合して用いてもよい。
光カチオン重合開始剤の具体例としては、(株)アデカ社製オプトマーSP−150(商品名)、オプトマーSP−170(商品名)、ゼネラルエレクトロニクス社製UVE−1014(商品名)、ローディア社製ロードシル2074(商品名)、サートマー社製CD−1012(商品名)等が挙げられる。また、有機金属錯体類としては、例えば、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体等の化合物を挙げられる。
また、光カチオン重合促進剤として、9,10−ジメトキシ−2−エチル−アントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2,4−ジエチルチオキサントン等を加えることも好ましく行われる。
上記の光重合開始剤は、公知の光増感剤とともに使用することが好ましい。
反応性官能基を有するインキ親和性化合物は骨格として、分子内にシロキサン結合を有することが好ましい。シロキサン結合を有する骨格は、RSiO1/2(M単位)、RSiO2/2(D単位)、RSiO3/2(T単位)、SiO4/2(Q単位)の単独、または混合を含有する。代表例として、RSiO2/2を基本構造するポリシロキサン、RSiO3/2を基本単位とするポリシルセスキオキサンを挙げられる。中でもポリシルセスキオキサンが好ましい。
反応性官能基を有するポリシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサンの側鎖、片末端、両末端の少なくとも1個のメチル基が反応性官能基を含む置換基に置換したものが好ましい。
具体的には、アクリロキシプロピル基、メタクリロキシプロピル基、3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシプロピル基、3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシプロピル基、グリシドキシプロピル基、エポキシシクロヘキシルエチル基に、側鎖、片末端、両末端の少なくとも1個のメチル基が置換したポリジメチルシロキサンが挙げられる。これら反応性感光基はポリシロキサンに2個以上、好ましくは3個以上有することが、光または熱に対する感度向上の点から好ましい。
また、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸がスルホン酸エステルあるいはスルホンアミドを介して結合した置換基が側鎖、片末端、両末端の少なくとも1個のメチル基と置換したポリジメチルシロキサンが挙げられる。これら反応性感光基はポリシロキサンに2個以上、好ましくは3個以上有することが、光または熱に対する感度向上の点から好ましい。
反応性官能基を有するシルセスキオキサンとしては、シルセスキオキサンの置換基の少なくとの1個が反応性官能基を有する置換基に置換したものが好ましい。
反応性官能基を有するポリシルセスキオキサンとしては、かご型シルセスキオキサン、部分開裂かご型シルセスキオキサン、ラダー型シルセスキオキサン、不定形シルセスキオキサンなどを挙げられる。前記かご型シルセスキオキサン化合物としては、例えば特開2004−143449号公報に記載の方法によって合成することができる。
中でもかご型シルセスキオキサンが現像によって容易にピンホールのない画線部や地汚れのない非画線部が形成できる点から好ましく、例えば(RSiO3/2の化学式で表されるT6タイプ、(RSiO3/2の化学式で表されるT8タイプ、(RSiO3/210の化学式で表されるT10タイプ、(RSiO3/212の化学式で表されるT12タイプ、(RSiO3/214の化学式で表されるT14タイプが挙げられる。これらのかご型シルセスキオキサンの中ではT8タイプ、T10タイプ、T12タイプがより好ましく、T8タイプがさらに好ましい。部分開裂したかご型シルセスキオキサンもかご型シルセスキオキサンと同様に好ましく使用できる。
前記のT8タイプのかご型シルセスキオキサン化合物は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2011215205
ただし、前記一般式(1)中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基から選択され、同一でもそれぞれ異なっていても良い。
アルキル基としては、炭素数1〜18、好ましくは1〜10のアルキル基が挙げられ、これらは直鎖状でも分枝状でも何れでもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。また、シクロアルキル基としては炭素数5〜18、好ましくは5〜12のシクロアルキル基が挙げられ、その具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基などが挙げられる。アラルキル基としては、炭素数7〜13、好ましくは7〜11のアラルキル基が挙げられ、その具体例としては、例えば、ベンジル基、メチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、フェニルベンジル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。アリール基としては炭素数6〜14、好ましくは6〜12のアリール基が挙げられ、その具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基、ベンジルフェニル基、ビフェニル基などが挙げられる。上記アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基およびアリール基はさらに反応に不活性な官能基、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基、例えば、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、シアノ基、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のN,N−二置換アミノ基、フルオロ基などで置換されていてもよい。
これらの中で、撥インキ性化合物との相溶性の点から、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
反応性官能基を有するかご型シルセスキオキサンとしては、シルセスキオキサンの少なくとも1個の置換基が前記の反応性官能基を含む置換基に置換したものを使用できる。具体例として、アクリロキシプロピル基、メタクリロキシプロピル基、3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシプロピル基、3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシプロピル基、グリシドキシプロピル基、エポキシシクロヘキシルエチル基等が少なくとも1個置換したかご型シルセスキオキサンが挙げられる。これら反応性感光基はかご型シルセスキオキサンに2個以上、好ましくは3個以上有することが、光または熱に対する感度向上の点から好ましい。
反応性官能基を有するかご型シルセスキオキサンの具体例として、米国Hybrid Plastics社製の、商品名MA0702(メタクリルイソブチル−POSS、C35H74O14Si8)、MA0719(メタクリルイソオクチル−POSS、C63H130O14Si8)、MA0734(メタクリルフェニル−POSS、C49H46O14Si8)、MA0699(アクリロシクロヘキシル−POSS、C48H86O14Si8)、MA0700(アクリロシクロペンチル−POSS、C41H72O14Si8)、MA0701(アクリロイソブチル−POSS、C34H72O14Si8)、MA0704(メタクリルシクロヘキシル−POSS、C49H88O14Si8)、MA0705(メタクリルシクロペンチル−POSS、C42H74O14Si8)、MA0717(メタクリルエチル−POSS、C21H46O14Si8)、MA0745(オクタメタクリルジメチルシリル−POSS、C72H136O36Si16)等の(メタ)アクリル化合物、商品名EP0410(エポキシプロピルシクロペンチル−POSS、C38H68O13Si8)、EP0414(エポキシプロピルイソブチル−POSS、C31H68O13Si8)、EP0415(グリシジルシクロヘキシル−POSS、C48H88O14Si8)、EP0416(グリシジルシクロペンチル−POSS、C41H74O14Si8)、EP0417(グリシジルエチル−POSS、C20H46O14Si8)、EP0418(グリシジルイソブチル−POSS、C34H74O14Si8)、EP0419(グリシジルイソオクチル−POSS、C62H130O14Si8)、EP0399(エポキシシクロヘキシルシクロヘキシル−POSS、C50H90O13Si8)、EP0400(エポキシシクロヘキシルシクロペンチル−POSS、C43H76O13Si8)、EP0402(エポキシシクロヘキシルイソブチル−POSS、C36H76O13Si8)EP0430(オクタエポキシシクロヘキシルジメチルシリル−POSS、C80H152O28Si16)、EP0435(オクタグリシジルジメチルシリル−POSS、C56H120O36Si16)、等のエポキシ化合物などが挙げられる。
部分開裂したT8タイプのかご型シルセスキオキサン化合物は、下記一般式(2)で表される。
Figure 2011215205
ただし、前記一般式(2)中、Rは、一般式(1)中のRと同様にアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基から選択され、同一でもそれぞれ異なっていても良い。
反応性官能基を有するかご型シルセスキオキサンとしては、シルセスキオキサンのシラノール基の少なくとも1個の水素が前記の反応性官能基を含む置換基に置換したものを使用できる。具体例として、アクリロキシプロピルジメチルシリル基、メタクリロキシプロピルジメチルシリル基、グリシドキシプロピルジメチルシリル基、エポキシシクロヘキシルエチルジメチルシリル基が少なくとも1個置換したシルセスキオキサンが挙げられる。
反応性官能基を有する、部分開裂かご型シルセスキオキサンの具体例として、米国HybridPlastics社製の、商品名MA0747(トリスメタクリルシクロヘキシル−POSS、C69H128O18Si10)、MA0750(トリスメタクリルイソブチル−POSS、C55H114O18Si10)、MA0715(メタクリルジシラノールシクロヘキシル−POSS、C51H96O14Si8)、MA0713(メタクリルジシラノールイソブチル−POSS、C37H82O14Si8)、MA0711(メタクリルジシラノールシクロペンチル−POSS、C44H82O14Si8)等の(メタ)アクリル化合物、以下商品名EP0421(トリスグリシジルシクロヘキシル−POSS、C66H128O18Si10)、EP0423(トリスグリシジルイソブチル−POSS、C52H114O18Si10)、EP0407(エポキシシクロヘキシルジシラノールイソブチル−POSS、C38H84O13Si8)等のエポキシ化合物などが挙げられる。これら反応性感光基はかご型シルセスキオキサンに2個以上、好ましくは3個以上有することが、光または熱に対する感度向上の点から好ましい。
表面層形成物質は溶剤に溶解し、溶液として塗布、乾燥することによって、連続した表面層を形成できる。表面層形成物質が液状の場合には、そのまま塗布、硬化することによっても、連続した表面層を形成できる。
溶剤としては、表面層形成物質を溶解または分散できるものであれば如何なるものでも使用できる。例えば、肪族飽和炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素、脂環族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、エステル類、アミド類、アルコール類等の溶剤が挙げられる。
表面層形成物質またはその溶液は、公知の塗布技術を用いて、支持体上に直接または多層積層の樹脂層の上に塗布される。塗布装置の例としては、スリットダイコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、リバースロールコーター、ナチュラルロールコーター、エアーナイフコーター、ロールブレードコーター、バリバーロールブレードコーター、トゥーストリームコーター、ロッドコーター、ディップコーター、カーテンコーター等が挙げられる。塗膜精度や生産性及びコストの面で、スリットダイコーター、グラビアコーター、ロールコーターが特に好ましい。
塗布後の表面層形成物質は、公知の方法によって乾燥または硬化される。
表面層の膜厚は0.3〜20g/mが好ましい。
本発明の印刷版の製造方法は、支持体上に形成された、撥インキ性化合物 とインキ親和性化合物を含む連続した表面層を有する印刷版原版の少なくとも1つの領域を露光または加熱する工程(A)、表面層のインキ親和性化合物の少なくとも一部を除去する工程(B)を有することを特徴とする湿し水不要平版印刷版の製造方法である。
まず、印刷版原版の少なくとも1つの領域を露光または加熱する工程(A)(露光または加熱工程)について説明する。印刷版原版を露光光源からの光またはレーザーで所望のパターンに露光するか、熱源からの熱で所望のパターンに加熱する。所望のパターンは露光または加熱の最少単位となる領域によって構成され、少なくとも1つの領域を含む。印刷版原版が保護フィルムを有する場合には、保護フィルムを剥離してから、あるいは保護フィルム上から露光または加熱する。露光光源としては低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯、紫外光レーザー、可視光レーザー、赤外光レーザーなどが挙げられる。加熱の熱源としては、サーマルヘッドなどが挙げられる。
次に、表面層のインキ親和性化合物の少なくとも一部を除去する工程(現像工程)について説明する。表面層のインキ親和性化合物の少なくとも一部を除去する工程としては、現像剤によってインキ親和性化合物を溶出する工程、加熱によってインキ親和性化合物を揮発する工程などが使用でき、現像剤によってインキ親和性化合物を溶出する工程がより好ましい。
現像剤は、水、有機溶剤またはそれらの混合物であることが好ましい。例えば、水や、水と界面活性剤を含有するもの、水と下記の極性溶剤を少なくとも1種含有するものや、イソパラフィン系炭化水素溶剤、脂肪族炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ナフテン系炭化水素溶剤、ハロゲン系炭化水素溶剤などの炭化水素溶剤の少なくとも1種に、下記の極性溶剤を少なくとも1種含有するものが用いられる。極性溶剤としてはアルコール系溶剤、グリコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、カルボン酸、アミンなどを使用できる。アルコール系溶剤としてイソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、エチルアルコールなど、グリコール系溶剤としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリコールエーテル系溶剤としてエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノt−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールなど、エステル系溶剤として酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ノルマルプロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなど、ケトン系溶剤としてメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトンなど、エーテル系溶剤としてテトラヒドロフラン1,4−ジオキサンなど、カルボン酸として、酢酸、2−エチルヘキサン酸、2−エチル酪酸など、アミンとしてモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−メチルアミノエタノール、ジエチレングリコールアミンなどが挙げられる。
イソパラフィン系炭化水素溶剤としては、例えば“アイソパー(登録商標)”E、“アイソパー”G、“アイソパー”H、“アイソパー”L、“アイソパー”M(エクソン社製)が挙げられる。脂肪族炭化水素溶剤としては、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなど、芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなど、ハロゲン系炭化水素溶剤としては、トリクロロエテンなどが挙げられる。
印刷版原版への現像液の付与は、浸漬、スプレー、ブラシまたはローラー付与などを含む普通のどのような方式でも付与することができる。現像液の温度は任意でよいが、10℃〜50℃が好ましい。
本発明の製造方法によって製造される印刷版は、支持体上に形成された連続した表面層を有する印刷版であって、表面層の少なくとも2つの領域においてインキ親和性化合物の濃度が異なることが好ましい。インキ親和性化合物の濃度が異なる少なくとも2つの領域は相互にインキ親和性が異なり、インキ組成物に対する濡れ性や剥離性に差が生じることによって、水なしオフセット印刷において一方の領域のみにインキを付着したり、剥離印刷において一旦印刷版の全面に塗布したインキのうち一方の領域のみのインキを剥離したりすることが可能となる。
以下に実施例を用いて本発明を説明する。まず、各実施例における測定方法について説明する。
印刷版表面に対する水の接触角(度):
協和界面科学製接触角測定器CA−Dで測定した。測定条件は23℃、50%RHとし、水の液滴量12mgで、滴下5分後の接触角を測定した。1試料に対して、5点以上測定し、最大値と最小値を除いて、算術平均した値を使用した。
インキ親和性化合物の含有量:
堀場製作所製フーリエ変換赤外分光光度計FT−720を使用し、透過法または全反射(ATR)法で測定した。
印刷性/印刷再現性:
印刷版全面にインキを塗布し、その後シリコーンブランケットに転写、ポリエステルフィルムに再転写を行い、印刷物を作製した。露光部分にインキが残り、非露光部のインキが選択的に転写し、フィルムに再転写した印刷版を印刷性が良好とした。また、フィルム上の印刷物を光学顕微鏡で観察し、画線部にピンホール(白抜け)がなく、非画線部に地汚れがないものを、印刷再現性が良好とした。
◎:印刷物にピンホールや地汚れはなく、印刷性/印刷再現性は非常に良好だった
○:印刷物にピンホールや地汚れは少なく、印刷性/印刷再現性は良好だった
△:印刷物にピンホールや地汚れが目立ち、印刷性はあるが、印刷再現性は不良だった
×:非露光部分と露光部分の差なく、まだらにインキが転写し、印刷性が不良であった
実施例1
(印刷版原版の作製)
下記支持体上に樹脂層、表面層を下記方法でこの順に積層して印刷版原版を作製した。
<支持体>
4インチのシリコーンウエハを支持体とした。
<樹脂層>
支持体上に下記の樹脂層組成物溶液を塗布し、200℃で90秒間乾燥し、膜厚10g/mの樹脂層を設けた。
<樹脂層組成物溶液>
(a)エポキシ樹脂:“エピコート(登録商標)”−1010(ジャパンエポキシレジン(株)製):35重量部
(b)ポリウレタン:“サンプレン(登録商標)”−LQ−T1331D(三洋化成工業(株)製、固形分濃度:20重量%):375重量部
(c)アルミキレート:“アルミキレート”−ALCH−TR(川研ファインケミカル(株)製):10重量部
(d)レベリング剤:“ディスパロン(登録商標)”−LC951(楠本化成(株)製、固形分:10重量%):1重量部
(e)酸化チタン:“タイペーク(登録商標)”−CR−50(石原産業(株)製)のN,N−ジメチルホルムアミド分散液(酸化チタン50重量%):60重量部
(f)溶剤:N,N−ジメチルホルムアミド:730重量部
(g)溶剤:メチルエチルケトン:250重量部。
<表面層>
支持体上に設けた樹脂層の上に、下記の表面層組成物溶液を塗布し、100℃で60秒間加湿加熱し、膜厚2.0g/mの表面層を設けた。
<表面層組成物溶液>
(a)オルガノポリシロキサン:両末端水酸基ポリジメチルシロキサン(分子量約35,000):100重量部
(b)架橋剤:ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン:9重量部
(c)触媒:ジブチル錫ジアセテート:0.5重量部
(d)溶剤:トルエン:500重量部
(e)インキ親和性化合物:かご型シルセスキオキサンMA0750(トリスメタクリルイソブチル−POSS、部分開裂したT8タイプ)(Hybrid Plastics社製):100重量部
(f)光ラジカル重合開始剤:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製イルガキュア907、以下IC907とする):5重量部
(g)光増感剤:2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)製 、以下DETX−Sとする):5重量部
(h)重合禁止剤:ハイドロキノンモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)製、以下HQMEとする):2重量部。
(印刷版原版の露光)
得られた印刷版原版を、超高圧水銀灯露光機PEM−6M(ユニオン光学(株)製)で、解像度テスト用マスクを介して照射露光量500mJ/cm(h線換算)でパターン露光した。
(印刷版原版の現像)
パターン露光した印刷版原版を、トルエンに23℃で1分間浸漬した。その後、イソプロパノールですすぎ、風乾した。
(現像前後の印刷版の観察/水の接触角、インキ親和性化合物の含有量)
現像前の印刷版の露光部、未露光部における水の接触角を協和界面科学製接触角測定器CA−Dで測定したところ、それぞれ89.8度、75.0度であった。現像後の印刷版では、露光部における水の接触角は110.7度に増大した。
また、現像後の印刷版を赤外線分光分析で観察したところ、露光部で観察された、インキ親和性化合物の光反応性基であるメタクリル基のCO伸縮振動が、未露光部ではノイズと識別不可能なレベルまで低減して、インキ親和性化合物が含有量の低減が確認された。
(印刷テスト)
現像工程後の印刷版を定盤に固定し、樹脂と顔料を混入したカラーフイルター用インキに、酢酸イソプロピルとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを調整剤として加えたものをインキとして、ドクターブレードで印刷版全面に塗布した。次いで、シリコーンブランケットを印刷版上のインキ面に押し当て、再度シリコーンブランケットを剥離した結果、印刷版の未露光部のインキのみがシリコーンブランケット面上に転移した。次に、シリコーンブランケット面上のインキパターンをポリエステルフィルムに転移し印刷画像を形成した。印刷したパターンは画線部の地汚れや非画線部のピンホールがない非常に良好な印刷物であり、印刷再現性は良好であった。
実施例2
実施例1のインキ親和性化合物をかご型シルセスキオキサンMA0747(トリスメタクリルシクロヘキシル−POSS、部分開裂したT8タイプ)(Hybrid Plastics社製)に替えて、印刷版原版を作製した。
得られた印刷版原版を実施例1と同様の方法で露光、現像した後、印刷テストした。印刷したパターンは画線部の地汚れや非画線部のピンホールがない非常に良好な印刷物であり、印刷再現性は良好であった。
実施例3
実施例1のインキ親和性化合物をかご型シルセスキオキサンMA0735(メタクリル−POSS混合物、T8タイプ、T10タイプ、T12タイプの混合物)(Hybrid Plastics社製)に替えて、印刷版原版を作製した。
得られた印刷版原版を実施例1と同様の方法で露光、現像した後、印刷テストした。印刷したパターンは画線部の地汚れや非画線部のピンホールがない非常に良好な印刷物であり、印刷再現性は良好であった。
実施例4
実施例1の表面層組成物溶液を下記の表面層組成物溶液に替えて、印刷版原版を作製した。
<表面層組成物液>
(a)オルガノポリシロキサン:両末端水酸基ポリジメチルシロキサン(分子量約35,000):100重量部
(b)架橋剤:ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン:9重量部
(c)触媒:ジブチル錫ジアセテート:0.5重量部
(d)溶剤:トルエン:500重量部
(e)インキ親和性化合物:かご型シルセスキオキサンEP0423(トリスグリシジルイソブチル−POSS、部分開裂したT8タイプ)(Hybrid Plastics社製):100重量部
(f)光カチオン重合開始剤:オプトマー SP170((株)ADEKA製):5重量部
(g)光増感剤:オプトマー SP100((株)ADEKA製):1重量部。
得られた印刷版原版を実施例1と同様の方法で露光、現像した後、印刷テストした。印刷したパターンは画線部の地汚れや非画線部のピンホールが少ない良好な印刷物であり、印刷再現性は良好であった。
実施例5
実施例1の表面層組成物溶液を下記の表面層組成物溶液に替えて、印刷版原版を作製した。
<表面層組成物液>
(a)オルガノポリシロキサン:両末端水酸基ポリジメチルシロキサン(分子量約35,000):100重量部
(b)架橋剤:ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン:9重量部
(c)触媒:ジブチル錫ジアセテート:0.5重量部
(d)溶剤:トルエン:500重量部
(e)インキ親和性化合物:両末端型メタクリル変性ポリジメチルシロキサンX−22−164AS(信越化学工業(株)製、官能基当量450g/mol):100重量部
(f)光ラジカル重合開始剤:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製イルガキュア907、以下IC907とする):5重量部
(g)光増感剤:2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)製 、以下DETX−Sとする):5重量部
(h)重合禁止剤:ハイドロキノンモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)製、以下HQMEとする):2重量部。
得られた印刷版原版を実施例1と同様の方法で露光、現像した後、印刷テストした。印刷したパターンは画線部の地汚れや非画線部のピンホールが少ない良好な印刷物であり、印刷再現性は良好であった。
実施例6
実施例1の表面層組成物溶液を下記の表面層組成物溶液に替えて、印刷版原版を作製した。
<表面層組成物液>
(a)オルガノポリシロキサン:両末端水酸基ポリジメチルシロキサン(分子量約35,000):100重量部
(b)架橋剤:ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン:9重量部
(c)触媒:ジブチル錫ジアセテート:0.5重量部
(d)溶剤:トルエン:500重量部
(e)インキ親和性化合物:両末端型脂環式エポキシ変性ポリジメチルシロキサンX−22−169AS(信越化学工業(株)製、官能基当量500g/mol):100重量部
(f)光カチオン重合開始剤:オプトマー SP170((株)ADEKA製):5重量部
(g)光増感剤:オプトマー SP100((株)ADEKA製):1重量部。
得られた印刷版原版を実施例1と同様の方法で露光、現像した後、印刷テストした。印刷したパターンは画線部の地汚れや非画線部のピンホールが少ない良好な印刷物であり、印刷再現性は良好であった。
比較例1
実施例1のインキ親和性化合物を添加しなかったこと以外は同様にして、印刷版原版を作製した。
得られた印刷版原版を実施例1と同様の方法で露光、現像した後、印刷テストした。印刷したパターンは非露光部と露光部の差がなく、まだらにインキが転写し、印刷性が不良であった。
実施例1〜6および比較例1のインキ親和性化合物と印刷再現性の結果を表1に示す。
Figure 2011215205

Claims (5)

  1. 支持体上に形成された、撥インキ性化合物 と少なくとも1つの反応性官能基を有するインキ親和性化合物を含む連続した表面層を有する印刷版原版の少なくとも1つの領域を露光または加熱する工程(A)、表面層のインキ親和性化合物の少なくとも一部を除去する工程(B)を有することを特徴とする湿し水不要平版印刷版の製造方法。
  2. 前記インキ親和性化合物が光反応性官能基を有する化合物であることを特徴とする請求項1記載の湿し水不要平版印刷版の製造方法。
  3. 前記インキ親和性化合物がかご型シルセスキオキサン骨格を有する請求項1または2に記載の湿し水不要平版印刷版の製造方法。
  4. 前記反応性官能基がラジカル重合反応性基である請求項1〜3のいずれかに記載の湿し水不要平版印刷版の製造方法。
  5. 支持体上に形成された撥インキ性化合物 と少なくとも1つのインキ親和性化合物を含む連続した表面層を有し、表面層の少なくとも2つの領域においてインキ親和性化合物の濃度が異なる印刷版であって、インキ親和性化合物が重合体であることを特徴とする湿し水不要平版印刷版。
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