JP2001057223A - 3価の硫酸バナジウムの製造方法及びバナジウム系電解液の製造方法 - Google Patents

3価の硫酸バナジウムの製造方法及びバナジウム系電解液の製造方法

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JP2001057223A JP2000173541A JP2000173541A JP2001057223A JP 2001057223 A JP2001057223 A JP 2001057223A JP 2000173541 A JP2000173541 A JP 2000173541A JP 2000173541 A JP2000173541 A JP 2000173541A JP 2001057223 A JP2001057223 A JP 2001057223A
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信幸 徳田
Mitsuru Hisahata
満 久畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 還元剤を用いるだけで、4価又は5価のバナ
ジウム化合物を主成分とするバナジウム化合物から一気
に3価の硫酸バナジウムのみを製造し得る、低コストな
3価バナジウム化合物の製造方法及びレドックスフロー
型バナジウム系電解液の製造方法を提供すること。 【解決手段】 5価のバナジウム化合物を主成分とする
バナジウム化合物と、当該5価のバナジウム化合物中の
バナジウム原子1モルに対して、硫黄は0.5モル倍以
上、濃硫酸は1.5〜2.3モル倍をペースト状になる
まで混練し、次いで、該ペースト状の混合物を150℃
以上440℃未満に加熱して3価バナジウム化合物を得
る。次いで、該3価バナジウム化合物を硫酸又は硫酸水
溶液に溶解させることによりレドックスフロー型電解液
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レドックスフロー
型電池用電解液として用いられる3価の硫酸バナジウム
の製造方法及びバナジウム系電解液の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】我が国の電力需要の伸びは、年々増大し
続けているが、電力需要の変動も産業構造の高度化と国
民生活水準の向上を反映してさらに著しくなる傾向があ
る。例えば、夏期における昼間の電力需要量を100と
すると、明け方は30以下となっているのが現状であ
る。一方、電力の供給面からみると、出力変動が望まし
くない原子力発電所や新鋭火力発電所の割合も増加の傾
向にあり、電力貯蔵する設備の必要性が高まっている。
現在の電力貯蔵は、揚水発電によって行われているが、
その立地条件は次第に厳しくなっている。以上のような
事情から、環境汚染がなく、しかも、汎用性の高いエネ
ルギーである電力を貯蔵する方法として各種の二次電池
が研究されているが、中でも2種類のレドックス系薬剤
を隔膜を介して接触させて構成したレドックスフロー型
二次電池が注目されている。
【0003】レドックスフロー型二次電池は、酸化数が
変化する金属イオンの水溶液(電解液)を2種類調製し
てそれぞれ正極液又は負極液として別のタンクに貯蔵し
ておき、この正極液又は負極液を、隔膜を介して2種類
の電解液が接触する構造の電解槽を有する流通型電解槽
に、ポンプで供給し、一の電解槽で金属イオンの酸化数
が高くなると共に、他の電解槽で金属イオンの酸化数が
低くなって充放電が行われる形式の電池のことである。
【0004】このようなレドックスフロー型電池に関す
る技術としては、従来、鉄−クロム系の塩酸溶液を電解
液とするもの(例えば特開昭60−148068号公
報、特開昭63−76268号公報)とバナジウム系の
硫酸溶液を電解液とするもの(例えば特開平4−286
871号公報、特開平6−188005号公報)とが代
表的に提案されている。しかしながら、鉄−クロム系の
レドックスフロー型電池は、電解質の混合及び溶解度の
点から電解液の調製が制約され、また、出力電圧が1V
(ボルト)程度とエネルギー密度が低い。さらに、正極
液−負極液間の充電状態が不均衡になったり、充電時に
正極から塩素ガスが発生するおそれがある等の問題があ
る。
【0005】これに対し、バナジウム系のレドックスフ
ロー型電池は、出力電圧が1.4Vと高く、高効率でエ
ネルギー密度が高い。このため、近年は、バナジウム系
のレドックスフロー型電池の開発が特に望まれている。
バナジウム系のレドックスフロー型電池は、正極液とし
てV4+(4価)とV5+(5価)の間で酸化数が変化する
電解液、負極液としてV2+(2価)とV3+(3価)の間
で酸化数が変化する電解液を用いて充放電するものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バナジ
ウム系のレドックスフロー型電池は、電解液の調製にか
かるコストが非常に高いため、価格が高くなり汎用化の
大きな障害となっている。このうち、正極液に関して
は、比較的安価で入手し易い五酸化バナジウム等の5価
バナジウムをそのまま硫酸中に溶解して調製すればよく
特に問題は生じない。しかし、負極液に関しては、2価
又は3価の安価で適当なバナジウム化合物がないため、
5価バナジウム化合物等を還元して得る必要があり、調
製にコストがかかるという問題がある。このため、2価
又は3価のバナジウム電解液を低コストで製造可能な方
法が強く望まれている。
【0007】このような2価又は3価のバナジウム電解
液を製造する発明としては、特開平4−149965号
公報に、5価のメタバナジン酸アンモニウム等を出発原
料として用い、これを無機酸の存在下に電解還元または
亜硫酸等の還元剤で、5価バナジウムを2価又は3価の
バナジウムに還元する方法が開示されている。しかしな
がら、電解還元する方法は電解装置等の設置の必要があ
りコストがかかると共に、酸化数の異なるバナジウムの
混合物が得られ易いという問題がある。
【0008】また、特開平5−290871号公報に
は、五酸化バナジウム等の5価のバナジウム化合物を硫
黄等の還元剤で還元して4価バナジウム溶液を得、次い
で、3価バナジウム溶液を得る方法が開示されており、
この発明によれば、安価な還元剤を用いて5価のバナジ
ウム化合物を還元して、3価又は4価のバナジウム化合
物に同時に製造できる。しかしながら、この方法は、3
価のバナジウム化合物のみを製造したい場合でも同時に
4価バナジウムや不溶解物が生成してしまうため、これ
らを分離、除去するのにコストがかかるという問題があ
る。
【0009】従って、本発明の目的は、還元剤を用いる
だけで、4価又は5価のバナジウム化合物を主成分とす
るバナジウム化合物から一気に3価の硫酸バナジウムの
みを製造し得る、低コストな3価バナジウム化合物の製
造方法及びこの3価バナジウム化合物を含有するレドッ
クスフロー型バナジウム系電池用電解液の製造方法を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、4価又は5価のバナ
ジウム化合物を主成分とするバナジウム化合物、硫黄及
び濃硫酸を特定の配合割合で共に混練してペースト状と
し、次いで、このペースト状の混合物を所定温度に焼成
すれば、4価又は5価のバナジウム化合物から3価の硫
酸バナジウムのみを一気に製造可能であることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、4価又は5価のバナ
ジウム化合物を主成分とするバナジウム化合物、硫黄及
び濃硫酸をペースト状になるまで混練し、次いで、該ペ
ースト状の混合物を150℃以上440℃未満に焼成し
て3価の硫酸バナジウムを製造する方法において、前記
バナジウム化合物が4価のバナジウム化合物を主成分と
する場合、4価のバナジウム化合物中のバナジウム原子
1モルに対して、硫黄は0.25モル倍以上、濃硫酸は
1.5〜2.3モル倍を配合し、前記バナジウム化合物
が5価のバナジウム化合物を主成分とする場合、5価の
バナジウム化合物中のバナジウム原子1モルに対して、
硫黄は0.5モル倍以上、濃硫酸は1.5〜2.3モル
倍を配合することを特徴とする3価の硫酸バナジウムの
製造方法を提供するものである。
【0012】また、本発明は、4価又は5価のバナジウ
ム化合物を主成分とするバナジウム化合物、硫黄及び濃
硫酸をペースト状になるまで混練し、次いで、該ペース
ト状の混合物を150℃以上440℃未満に焼成し、該
焼成物をそのまま又は冷却後、硫酸又は硫酸水溶液に溶
解させてバナジウム系電解液を製造する方法において、
前記バナジウム化合物が4価のバナジウム化合物を主成
分とする場合、バナジウム化合物中のバナジウム原子1
モルに対して、硫黄は0.25モル倍以上、濃硫酸は
1.5〜2.3モル倍を配合し、前記バナジウム化合物
が5価のバナジウム化合物を主成分とする場合、バナジ
ウム化合物中のバナジウム原子1モルに対して、硫黄は
0.5モル倍以上、濃硫酸は1.5〜2.3モル倍を配
合することを特徴とするバナジウム系電解液の製造方法
を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の3価の硫酸バナジウムの
製造方法においては、まず、4価又は5価のバナジウム
化合物を主成分とするバナジウム化合物(以下、単に
「バナジウム化合物」ともいう)、硫黄及び濃硫酸をペ
ースト状になるまで混練する。
【0014】バナジウム化合物としては、4価のバナジ
ウム化合物を主成分とする場合、4価のバナジウム化合
物が、バナジウム化合物中、95重量%以上、好ましく
は98重量%以上含有するものが使用でき、また、5価
のバナジウム化合物を主成分とする場合、5価のバナジ
ウム化合物が、バナジウム化合物中、95重量%以上、
好ましくは98重量%以上含有するものが使用できる。
4価のバナジウム化合物としては、特に限定されない
が、例えば、硫酸バナジル(VOSO4 :4価)、二酸
化バナジウム(VO2 :4価)等が挙げられる。また、
5価のバナジウム化合物としては、特に限定されない
が、例えば、五酸化バナジウム(V2 5 :5価)等が
挙げられる。五酸化バナジウムを主成分とするものは工
業的に容易に入取可能であるため、これらが好ましく用
いられる。また、4価又は5価のバナジウム化合物は、
工業的に入手できるものであれば特に制限されず、例え
ば、バナジウム鉱石から得られる五酸化バナジウム、化
石燃料の燃焼の際の集塵機灰から得られる五酸化バナジ
ウム等であってもよい。化石燃料の燃焼の際の集塵機灰
としては、例えば、重油、タール、アスファルト及び石
灰、若しくはこれらをエマルジョン化した燃料、又はオ
リマルジョン等の燃焼の際に得られるものが挙げられ
る。
【0015】硫黄としては、例えば、粉末硫黄、フレー
ク硫黄、塊状硫黄等が挙げられ、このうち1種又は2種
以上組み合わせて用いることができる。硫黄はバナジウ
ムの還元作用を行うものである。濃硫酸としては、水分
を含まない通常のものが用いられる。濃硫酸はバナジウ
ムと反応し硫酸塩生成の作用を行うものである。
【0016】バナジウム化合物、硫黄及び濃硫酸の配合
比率は、バナジウム化合物が、4価のバナジウム化合物
を主成分とする場合、純度100%の4価のバナジウム
化合物のバナジウム原子1モルに対して、硫黄は0.2
5モル倍以上、好ましくは0.3〜0.4モル倍、濃硫
酸は1.5〜2.3モル倍、好ましくは1.7〜2モル
倍である。一方、5価のバナジウム化合物を主成分とす
る場合、純度100%の5価のバナジウム化合物のバナ
ジウム原子1モルに対して、硫黄は0.5モル倍以上、
好ましくは0.6〜0.8モル倍、濃硫酸は1.5〜
2.3モル倍、好ましくは1.7〜2モル倍である。4
価及び5価のバナジウム化合物の場合、共に、硫黄の配
合量が上記範囲内にあると、バナジウムの還元が十分に
行われるため好ましい。また、濃硫酸の配合量が上記範
囲内にあると、3価の硫酸バナジウムの生成に十分な量
であるため好ましい。
【0017】バナジウム化合物、硫黄及び濃硫酸をペー
スト状になるまで混練する方法としては、例えば、ナウ
ターミキサー、パドルミキサー、ニーダーミキサー等の
ミキサーで混練する方法が挙げられる。混練時間は、特
に制限されないが、例えば、10〜60分である。ここ
で、ペースト状とは、混練物が粘性をかなり有する状態
を示し、塊状の状態をも含む概念である。本発明では、
バナジウム化合物、硫黄及び濃硫酸の混合物をペースト
状とすることにより、反応が均一に行なわれるなどの作
用が生じる。
【0018】混練終了後は、ペースト状の混練物を15
0℃以上440℃未満、好ましくは180℃以上350
℃未満で、さらに好ましくは200℃以上300℃未満
で焼成炉で加熱する。焼成温度が上記範囲内であると、
還元反応がスムーズでかつ硫酸の分解が少ない点で好ま
しい。焼成時間は、30分〜24時間、好ましくは2〜
5時間である。焼成時間が上記範囲内であると、還元が
十分に行なわれるため好ましい。焼成炉としては、例え
ば、トンネルキルン、リングキルン、ロータリーキルン
等が挙げられる。焼成終了後は焼成物を冷却し、次いで
水で洗浄して、焼成物中に存在する水に可溶な金属塩不
純物を除去し、3価の硫酸バナジウム(V2(SO4)3
を得るか、あるいは、焼成終了後の焼成物を冷却するこ
となく、そのままで3価の硫酸バナジウム(V2(SO4)
3 )を得る。
【0019】上記方法で得られた3価の硫酸バナジウム
は、硫酸又は硫酸水溶液に溶解させることによりレドッ
クスフロー型電池用バナジウム系電解液として使用する
ことができる。この場合、3価のバナジウムイオン濃度
が、通常、1〜5モル/L、好ましくは1〜2モル/
L、硫酸イオン濃度が、通常、3〜6モル/L、好まし
は4〜5モル/Lとなるようにし、通常、60℃以上、
好ましくは80〜100℃の温度で、0.5時間以上、
好ましくは1.5〜3時間攪拌下に溶解させればよい。
【0020】なお、上記のバナジウム系電解液には、他
の添加剤、例えば、カリウム、ルビジウム、アンモニウ
ム等の硝酸塩、リン酸塩、ショウ酸塩等の1種又は2種
以上を添加することができる。
【0021】また、本発明において、レドックスフロー
型電池は、公知の電池であり、酸化数が変化する金属イ
オンの水溶液(電解液)を2種類調製してそれぞれ正極
液又は負極液として別のタンクに貯蔵しておき、この正
極液又は負極液を、隔膜を介して2種類の電解液が接触
する構造の電解槽を有する流通型電解槽に、ポンプで供
給し、一の電解槽で金属イオンの酸化数が高くなると共
に、他の電解槽で金属イオンの酸化数が低くなって充放
電が行われる形式の電池である。
【0022】
【実施例】次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限
するものではない。
【0023】製造例1 火力発電所より排出された表1に示す組成のオリマルジ
ョン灰100gを電気炉にて440℃で24時間焼成
し、次いで焼成物を水で洗浄して可溶成分を除去し、残
分を乾燥した。乾燥物の重量は4.4gであり、X線回
折を行ったところ5価のバナジウム化合物V2 5 であ
ることが確認された。得られたV2 5 の品位を表2に
示す。なお、表1及び表2中、数値は重量%で示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】実施例1 製造例1で得られた5価のバナジウム化合物V2 5
9.4g、硫黄4.2g、及び濃硫酸39gを乳鉢で約
10分間混練してペースト状にした。次いで、該ペース
ト状の混練物を電気炉を用いて、200℃で2時間焼成
を行った。冷却後の当該焼成物の重量は41.5gであ
り、X線回折を行ったところ3価のバナジウム化合物V
2(SO4)3 であることが確認された。得られたV2(SO
4)3 の品位を表3に示す。なお、表3中、数値は重量%
で示す。
【0027】
【表3】
【0028】実施例2 市販の五酸化バナジウム(V2 5 純度99%以上)1
8.4g、硫黄4.2g、及び濃硫酸39gを乳鉢で約
10分間混練してペースト状にした。次いで、該ペース
ト状の混練物を電気炉を用いて、200℃で2時間焼成
を行った。冷却後の当該焼成物の重量は39.2gであ
り、X線回折を行ったところ3価のバナジウム化合物V
2(SO4)3 であることが確認された。得られたV2(SO
4)3 の品位を表4に示す。なお、表4中、数値は重量%
で示し、NDとは検出限界値以下の数値であることを示
す。
【0029】
【表4】
【0030】比較例1 市販の五酸化バナジウム(V2 5 純度99%以上)1
8.4g、硫黄4.2g、及び濃硫酸39gを乳鉢で約
10分間混練してペースト状にした。次いで、該ペース
ト状の混練物を電気炉を用いて、450℃で2時間焼成
を行った。冷却後、焼成物を水で洗浄して可溶成分を除
去し、残分を乾燥した。乾燥物の重量は18.1gであ
り、X線回折を行ったところ5価のバナジウム化合物V
2 5 であることが確認された。
【0031】実施例3 <電解液の作製及び充放電特性の測定>上記実施例2で
得た3価の硫酸バナジウムV2(SO4)3 と硫酸を混合
し、100℃で3時間攪拌して、3価のバナジウムイオ
ン濃度が2モル/リットル、硫酸イオン濃度が4モル/
リットルの3価の硫酸バナジウム溶液を調製して負極電
解液を得た。また、3価の硫酸バナジウム溶液と五酸化
バナジウムV2 5 を混合し、60℃で1時間攪拌下に
反応させ、4価のバナジウムイオン濃度が2モル/リッ
トル、硫酸イオン濃度が4モル/リットルの4価の硫酸
バナジル(VOSO 4 )溶液を調製して正極電解液とし
た。これらの負極及び正極電解液を用いて下記仕様の小
型電池を組み、充放電特性を調べた。本電池を、約2カ
月にわたり、累計1500サイクル連続充放電させて長
期特性を調べたが、効率変化もなく、非常に安定した特
性が得られた。
【0032】・小型電池仕様 電極面積:500cm2 電極:カーボン繊維布 隔膜:陰イオン交換膜 双極板:カーボン板 タンク及び配管の材料:硬質塩化ビニル樹脂 タンク容量:正極電解液用・負極電解液用共に5リット
ル ・充放電特性 電流効率:99.4% 電圧効率:84.5% エネルギー効率:84.0% 電池容量:120WH(電流密度60mA/cm2 、温
度28℃)
【0033】
【発明の効果】本発明の3価の硫酸バナジウムの製造方
法によれば、4価又は5価のバナジウム化合物を主成分
とするバナジウム化合物、硫黄及び濃硫酸を特定の配合
割合で共に混練してペースト状とし、次いで、このペー
スト状の混合物を所定温度で焼成するだけで、4価又は
5価のバナジウム化合物から3価の硫酸バナジウムのみ
を一気に製造することができるため、低コストで3価の
硫酸バナジウムを製造できる。また得られた3価の硫酸
バナジウムは、これを硫酸に溶解することでバナジウム
系電解液として使用することができ、該電解液として用
いたレドックスフロー型は、優れた電池性能を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 保之 東京都江東区亀戸9丁目11番1号 日本化 学工業株式会社研究開発本部内 (72)発明者 堀川 健 東京都江東区亀戸9丁目11番1号 日本化 学工業株式会社研究開発本部内 (72)発明者 三田 宗雄 東京都江東区亀戸9丁目11番1号 日本化 学工業株式会社研究開発本部内 (72)発明者 徳田 信幸 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 久畑 満 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 Fターム(参考) 4G048 AA07 AB01 AB05 AC06 AE05 5H026 AA10 BB00 BB01 BB08 HH05 HH08 RR01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4価又は5価のバナジウム化合物を主成
    分とするバナジウム化合物、硫黄及び濃硫酸をペースト
    状になるまで混練し、次いで、該ペースト状の混合物を
    150℃以上440℃未満に焼成して3価の硫酸バナジ
    ウムを製造する方法において、前記バナジウム化合物が
    4価のバナジウム化合物を主成分とする場合、4価のバ
    ナジウム化合物中のバナジウム原子1モルに対して、硫
    黄は0.25モル倍以上、濃硫酸は1.5〜2.3モル
    倍を配合し、前記バナジウム化合物が5価のバナジウム
    化合物を主成分とする場合、5価のバナジウム化合物中
    のバナジウム原子1モルに対して、硫黄は0.5モル倍
    以上、濃硫酸は1.5〜2.3モル倍を配合することを
    特徴とする3価の硫酸バナジウムの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記4価又は5価のバナジウム化合物を
    主成分とするバナジウム化合物は、二酸化バナジウム、
    硫酸バナジル又は五酸化バナジウムであることを特徴と
    する請求項1記載の3価の硫酸バナジウムの製造方法。
  3. 【請求項3】 4価又は5価のバナジウム化合物を主成
    分とするバナジウム化合物、硫黄及び濃硫酸をペースト
    状になるまで混練し、次いで、該ペースト状の混合物を
    150℃以上440℃未満に焼成し、該焼成物をそのま
    ま又は冷却後、硫酸又は硫酸水溶液に溶解させてバナジ
    ウム系電解液を製造する方法において、前記バナジウム
    化合物が4価のバナジウム化合物を主成分とする場合、
    バナジウム化合物中の4価のバナジウム原子1モルに対
    して、硫黄は0.25モル倍以上、濃硫酸は1.5〜
    2.3モル倍を配合し、前記バナジウム化合物が5価の
    バナジウム化合物を主成分とする場合、5価のバナジウ
    ム化合物中のバナジウム原子1モルに対して、硫黄は
    0.5モル倍以上、濃硫酸は1.5〜2.3モル倍を配
    合することを特徴とするバナジウム系電解液の製造方
    法。
JP2000173541A 1999-06-09 2000-06-09 3価の硫酸バナジウムの製造方法及びバナジウム系電解液の製造方法 Expired - Fee Related JP4646358B2 (ja)

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