JP2001021448A - 屈折率分布の測定装置及び方法 - Google Patents
屈折率分布の測定装置及び方法Info
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Abstract
定できる装置及び方法を提供する。 【解決手段】 同一光源からの可干渉光を参照波aと被
検波bとに分割し、被検物Aとほぼ同一の屈折率のマッ
チング液内に保持した被検物収容器30に上記被検波を透
過させビームスプリッタ11にて基準となる参照波と重畳
させる二光束干渉計と、該二光束干渉計にて重畳された
光束を干渉縞像として結像可能な結像光学系15〜21
と、該結像光学系により結像する光像を検出する干渉縞
像検出器22,23と、該干渉縞像検出器の検出結果から被
検物Aの屈折率分布を求める演算装置24と、を有する位
相分布測定装置であって、上記二光束干渉計には、ビー
ムスプリッタ11をその光軸方向に波長オーダで変位させ
る光路差可変手段13と、上記被検物Aの被検波透過位置
を光軸の直交方向へ移動させる透過位置変位手段とを備
え、上記結像光学系には、上記干渉計からの光束を非干
渉光に変換する拡散手段17と、該拡散手段から入射し干
渉縞像検出器22,23に結像する干渉縞の大きさを可変と
する変倍手段18とを備える構成である。
Description
ズ等の屈折率分布の測定装置及び方法に関するものであ
る。
メラ等に使用される光学素子として、プラスチック材料
による成形レンズが普及している。このプラスチック成
形レンズは、ガラス研磨レンズに比べて非球面レンズの
製作性に優れ低コストであるが、屈折率の分布が不安定
で、レンズ内部に不均質性を生じることが多い。レンズ
内部の屈折率の不均質性は、光学特性に大きな影響を及
ぼし、結像性能を劣化させる原因となる恐れがある。こ
のようなことから、プラスチックレンズの品質安定化の
ためには、屈折率の分布を高精度に測定する必要があ
る。
偏角を計測して屈折率を求める方法と、干渉計を構成し
て透過波面を計測し、屈折率分布を求める方法が知られ
ている。しかしながら、いずれの方法も被検物を所定の
形状に加工する必要があり、測定対象の光学素子を破壊
しなければならない。
ままそのレンズ等の屈折率分布を計測する装置を考案し
た。その代表的な例として、特開平8−122210号
記載の「光学素子の屈折率分布の測定方法及び測定装
置」を提供している。この種の測定装置を、図13を用
いて具体的に説明する。
全体構成を示している。この測定装置は、マッハ・ツェ
エンダ型の干渉計を基本構成としており、レーザ光源1
と、ビームエキスパンダ5と、光束分割手段のビームス
プリッタ7と、二つの高反射ミラー9,9′と、光束重
畳手段のビームスプリッタ11と、結線レンズ20と、
CCDなどによるエリアイメージセンサを用いた干渉縞
検出器22と、高速画像処理装置、マイクロコンピュー
タなどよりなる演算処理装置25とを含んでいる。
のレーザ光は、ビームエキスパンダ5によって光束径を
拡大され、光束分割手段であるビームスプリッタ7にて
下方に直角に屈折する参照波aと、ビームスプリッタ7
によって直進する被検波bとに分割される。参照汲a
は、参照用の高反射ミラー9′で反射して測定対象の被
検物Aを透過することなくビームスプリッタ11に入射
し、被検波bは高反射ミラー9で反射して被検物Aを透
過してビームスプリッタ11に入射する。ビームスプリ
ッタ11に入射した参照波aと被検波bとはビームスプ
リッタ11によって相互に重畳され、結像レンズ20に
よって干渉縞像を干渉縞検出器22のCCD撮像面に結
像する。
ミラー9′のミラーホルダ8の概略構造を例示する。こ
の参照波用の高反射ミラー9′は、あおり調整可能なミ
ラーホルダ8に保持され、これがピエゾ駆動素子などよ
りなる電気―変位変換素子による光路差可変手段13′
で支持される。こうして位相シフト法による干渉縞解析
を行なうために、被検波bの光路長を波長オーダ以下で
可変設定すべく光路方向に微動変位可能に配置されてい
る。
は被検物Aを収容する容器状の被検物セル31が配置さ
れている。被検物セル31内には、光軸方向に直交する
軸y周りに被検物Aを回転させる回転被検物台37が配
置され、この回転被検物台37は、図示しないサーボモ
ータにより所定回転角位置に回転駆動される。また、被
検物セル31内には屈折率を被検物Aの屈折率とほば同
一に調合された試液(接触液)が充填されている。この
ような試液を以下、「マッチング液B」と称する。そし
て被検物セル31が被検波bの光路を横切る両端面は、
各々面精度が高い入射窓38と出射窓39とからなるオ
フチカルフラットによって液密にシールドされている。
こうして、被検物Aはマッチング液Bに浸された状態
で、可干渉な被検波bは被検物セル31全体を平行に透
過するようになり、被検物Aの外形形状に拘わらずその
位相分布を容易に測定できるようになる。
22の撮像面には、被検物Aと共役な干渉縞像が結像
し、干渉縞検出器22によって光電変換されて電気的な
画像信号となり、A/D変換器を経てコンピュータ24
の演算装置25に入力される。なお、演算装置25は、
位相シフト法などによる干渉縞像の解析によって透過波
面の計測演算を行う透過波面計測部を含んでいる。
検物Aの屈折率分布を計測する方法を説明する。まず、
回転被検物台37に被検物Aをセットする前に、干渉縞
検出器22が出力する干渉縞像の画像信号を演算装置2
5に取り込んで透過波面計測部により干渉縞橡の解析を
行い、初期状態の透過波面の計測する。この計測結果に
基づいて測定装置自体の定常的な誤差成分を排除する初
期処理を行う。
ットし、干渉縞検出器22が出力する干渉縞像の画橡信
号を演算装置25に取り込んで透過波面計測部により干
渉縞像の解析を行い、透過波面の計測する。ここで、被
検物Aの屈折率が完全に均一で、この屈折率が被検物セ
ル31内に充填されているマッチング液Bの屈折率と等
しい場合には、位相シフト法による干渉縞俊の解析は0
になるはずである。これに対し、回転被検物台37が一
定の位置にあるとき、被検物Aの屈折率がマッチング液
の屈折率より僅かに相違している場合、干渉縞検出器2
2の撮像面に結像した干渉縞像の解析結果は、z方向
(光路進行方向)に積算される。ここで、レーザ光の波
長を「λ」とすれば、透過波面(rad)は、次のよう
に求まる。 透過波面=(2π/λ)×∫(AとBの屈折率差)dx
元空間分布として測定する場合には、被検物Aをy軸周
りに回転させて被検物Aに対する被検波bの入射方向を
180度あるいは360度の範囲で変化させ、各回転角
位置における透過波面の計測データを収集してコンピュ
ータ24により画俊を再構成する。この画像の再構成は
公知のCT(コンピュータ・トモグラフイ)法により可
能である。
をマッチング液Bに浸して測定する測定装置及び方法に
おいて、被検物セル31内に充填したマッチング液は、
屈折率の基準となるため均質な状態になければならな
い。しかしながら、マッチング液Bは、僅かでも温度分
布に偏りが有ると屈折率が変化するため、屈折率が不均
質となってしまい、これが測定精度の低下の原因となっ
ていた。
変化させるためのピエゾ素子などの光路差可変手段1
3′を参照波a用の高反射ミラー9′に設けることが一
般的に行われている。この高反射ミラー9′は、光線が
斜めから照射するため有効径が必然的に大きくなってい
る。また、図14に示すように、高反射ミラー9′のミ
ラーホルダ8は参照光aの光軸と被検光bのそれとを合
わせるためのあおり調整部分8aを持つ構成である。こ
のためもともと剛性が低く、その光路差可変手段の素子
13′がいくら高精度でもその光学面自体を精度良く駆
動することが難しかった。
リンタなどの書込光学系に使用されるfθレンズは、細
長い形状のものである。このため、上記従来の装置にお
いては、被検物Aが大きい場合、その必要な有効領域を
測定するには、光束の径によって制限されている有効径
(以下「測定有効径」と称する)を越えて測定しなけれ
ばならない。しかし、装置の構造上、測定有効径は限ら
れることから、例えばfθレンズのように主走査方向の
屈折率分布に有効な測定が困難であった。
屈折率を均質に保つことができ、また、精度良く光路差
を変化させることができ、さらに、被検物の大きさに拘
わらず容易に被検物の有効領域を測定できる屈折率分布
の測定装置及び方法を提供することにある。
に本発明の屈折率分布の測定装置は、可干渉光を出射す
る光源と、該光源からの可干渉光を被検波と参照波とに
分割する手段と、測定対象である被検物を該被検物とほ
ぼ同一の屈折率のマッチング液内に保持する被検物収容
器と、該被検物収容器を透過した被検波と上記参照波と
を重畳させ干渉させる重畳手段と、該重畳手段から出射
された光束を干渉縞像として結像可能な結像光学系と、
該結像光学系により結像する光像を検出する干渉縞像検
出器と、該干渉縞像検出器の検出結果から被検物の屈折
率分布を求める演算装置と、を有する屈折率分布の測定
装置において、上記マッチング液の屈折率をほぼ均一に
維持するための制御手段を備えたことを特徴としてい
る。
接触する隔壁の外側に沿って熱交換媒体が流れる通路を
有し、上記制御手段により、上記通路へ温度制御された
熱交換媒体を循環させる構成とすることができる。この
場合、上記通路は、ほぼ同一の横断面形状が連続するも
ので、上記マッチング液の接触する隔壁に沿って隙間無
く蛇行するように配置されているとよい。
結像する光像の大きさを可変とする変倍手段を備え、少
なくとも該変倍手段に基準となるスケール像を投影可能
な投光手段と、上記変倍手段を介して結像したスケール
像からその変倍率を求める計算手段とを有する構成とす
ることができる。
された光像を非干渉な光像に変換する拡散手段を備えた
構成にするとよい。この場合、上記変倍手段の入射側手
前に上記拡散手段を配置し、該拡散手段上の非干渉な光
像が上記変倍手段を介して上記干渉縞像検出器に結像す
る構成にすることができる。
向に波長以下のオーダで変位可能な光路差可変手段を備
えた構成にすることができる。
の光軸方向と直交する方向へ移動させる透過位置変位手
段を備えた構成にすることができる。
た複数画素よりなる光センサを有するものであり、該光
センサにより2次元の屈折率分布を測定可能な構成にす
ることができる。
上記いずれかの構成の測定装置を用い、上記干渉縞像検
出器で検出される干渉縞像を解析し、各透過位置におけ
る透過波面を計測することにより、その光軸方向に平均
化された屈折率分布を測定することを特徴としている。
動させ、各移動位置にて透過波面を計測し、各透過波面
データをつなぎ合わせ処理することにより、その測定有
効径を越えた範囲の屈折率分布を求めることができる。
を相対的に回転させ、各回転位置にて透過波面を計測
し、各透過波面データからCT(コンピュータ・トモグ
ラフィ)法により画像を再構成し、該再構成画像より被
検物の屈折率分布を求めることができる。
の実施例を説明する。図1は、本実施例の屈折率分布測
定装置の全体構成を示している。同図に示すように、こ
の測定装置の光学系には、上記従来例と同様のマハツェ
ンダ干渉計を採用している。したがって、大部分の構成
が従来例と共通しているため、同一の部分には同じ符号
を付して説明は省略する。
e―Neレーザー、波長633nm)は、NDフィルタ
2を通過し、ミラー3で偏向されて2枚の偏光板4を通
過する。各偏光板4により光量と偏光方向を適正に調整
されたビームは、2つのビームエキスパンダレンズ5に
よって必要な大きさの有効径まで拡大される。また、ビ
ームエキスパンダレンズ5間に配した空間フィルタ6に
より、フレア光、ゴースト光といった不要な光がカット
される。そして、ビームスプリッタ7によって、直角に
曲げられた参照波aと、直進して測定対象の位相物体で
ある被検物Aを通過する被検波bとに分割される。
造を示しており、(a)は斜視図、(b)は上面図であ
る。被検物収容器30のセル31内には、その屈折率が
被検物Aとほぼ等しいマッチング液Bが充填されてお
り、被検物Aの表面における屈折を排除するとともに、
マッチング液Bに対してもその入射側および射出側の窓
には面精度の高いオプティカルフラットを配置してい
る。したがって、被検物Aがいかなる外径形状であって
も被検波bは直進可能となっている。ここで被検物Aに
対する光軸の水平幅方向をx軸、その光軸と直交する上
下方向をy軸、光軸方向をz軸として説明する。
31内にある被検物保持台32により保持されている。
被検物保持台32は、被検物Aに対する被検波bの透過
位置を移動する透過位置変位手段を構成する。すなわ
ち、この透過位置変位手段としての被検物保持台32
は、被検物Aをセル31内のほぼ中央に保持した状態で
y軸方向を軸として回動自在である。また同時に、その
被検波bが透過する一の測定有効径よりも大きな被検物
Aを測定可能とするために、その保持した被検物Aをy
軸方向に沿って所定距離内で上下に変位可能な昇降手段
を備えている。
せ、被検物Aの任意方向からの透過波面を測定できる。
なお、このように被検物A自体を移動する手段に限ら
ず、例えば、被検物Aは動かさずに固定し、これに対し
て干渉計全体を昇降自在な一の回転台に載せるような構
成によっても透過位置を相対的に変更することができ
る。この場合、液状又は気体状の被検物Aの測定に有効
である。
ング液Bの屈折率を均質化するためには、その温度分布
を高精度に制御する必要がある。そこで、図1にも示さ
れるように、マッチング液Bの屈折率を均一にするため
の制御手段として、セル31の周りを熱交換媒体として
の水で満たし、セル31に接触する水が常に一定温度を
維持するようにな循環流水装置Cを設けている。
は、マッチング液Bを充填する円筒状のセル31と、水
の循環する通路である水槽部33とをアルミ一体鋳造に
よって形成した二重の円筒形状となっている。このセル
31は、レーザ光軸の入射及び出射用の窓を除いて円筒
状の隔壁がそのまま水槽部33の内壁を形成し、さら
に、この水槽部33は外気と間の熱伝達を遮断するため
に外側に断熱材が充填されている。また、水が出入りす
る注入口34及び排出口35は、被検物収容器30の一
側面の下方位置に設けている。
且つy軸方向に平行な複数の仕切36によって流水通路
となる4つの小部屋33a〜33dに区切られ、また、
流れの方向からみて各部屋33a〜33dの断面積が常
に一定であり、流れの抵抗を低減して水流をスムーズに
している。図示の例では、注入口34から進入した水
は、4つの仕切36a〜36dにより小部屋33aか
ら、33b、33c、33dの順番に流れるようになっ
ている。
を仕切る仕切36aと、小部屋33aの上方と小部屋3
3bの上方を接続する仕切36bと、小部屋33bの下
方と小部屋33cの下方とを接続する仕切36cと、小
部屋33cの上方と小部屋33dの上方とを接続する仕
切36dと、が設けられ、小部屋36a〜36dからな
る一続きの通路はセル31の隔壁を隙間無く上下に蛇行
するようになっている。この場合、本実施例のように隣
り合う注入口34と排出口35とが同じ高さにあれば、
上記のように注入口34と排出口35間を完全に仕切る
一枚の仕切と、注入口34から排出口35までの通路を
形成するために奇数枚の仕切が必要となる。なお、例え
ば、注入口34と排出口35のいずれかが側面の上方に
あり、注入口34と排出口35が上下反対位置の関係な
らば上記仕切36aの間に偶数枚の仕切を設けることと
なる。
手段は、注入口34及び排出口35から循環流水装置C
の図示しないサーキュレータを介して温度制御された水
を、各小部屋36a〜36dの上方向と下方向の交互に
循環させ、マッチング液Bとの熱交換を行う。これによ
り、常に一定の温度の水を交換しつづけ、セル31の円
筒状の隔壁を均一な温度にし、さらにセル31を介した
熱交換によりマッチング液Bの温度も一定になり、その
温度分布は±0.1℃以下の範囲で均一に維持される。
また、セル31の円筒隔壁のうち、入射・出射窓の部分
を除くすべての隔壁が循環水流と接触するため、熱の伝
達が良く温度制御の効率を高めることができる。
したマッハ・ツェンダ干渉計において、図1に示すよう
に、上記被検物Aを通過しビームスプリッタ10で図中
の下方に直角に曲げられた被検波bと、高反射ミラー9
で直角に曲げられた参照波aとは、ビームスプリッタ1
1により干渉を起こす。ここで本実施例では、干渉縞解
析のための光路差可変手段は、上記重畳手段であるビー
ムスプリッタ11に設けている。
ムスプリッタ11の構成を示す斜視図である。ビームス
プリッタ11は、スプリッタホルダ12と共に光路差可
変手段としてのピエゾ素子13上に設置され、このピエ
ゾ素子13がスプリッタベース14上に固定されてい
る。このピエゾ素子13によりビームスプリッタ11を
図中矢印方向に駆動可能である。この場合、ピエゾ素子
13の駆動方向は被検波bと平行な方向であり、参照波
aの光路長を波長以下のオーダで可変としている。な
お、光路差は相対的なものであるから、ピエゾ素子13
の駆動方向はそのような被検波b方向に限らず、被検波
bと垂直な別光路の参照波aに沿った方向でもよく、ま
た、このような光路差可変手段は可干渉光の分割手段で
あるビームスプリッタ7に設けてもよい。
素子13を取り付けた構成により、その光学面が非常に
安定した状態で駆動可能となる。すなわち、この光学系
では干渉縞像の解析のために駆動するステップ量π/2
は、λ/4(波長λ=633nm)の約160nmであ
るが、ピエゾ素子13を参照ミラー9に取り付けた構成
では、(λ/4)/√2の約110nmである。したが
って、同じ駆動素子を使用した場合、駆動誤差の割合が
相対的に小さくなる。
は、次に説明する結像光学系によって、干渉縞検出器2
2,23のCCD受光部に干渉縞像を結像させる。この
結像光学系は、ミラー15と、結像レンズ16,20,
21、拡散板17からなる拡散手段(diffuser)、ズーム
レンズ18からなる変倍手段と、2つの干渉縞検出器へ
光路を分割するビームスプリッタ19とを有する。拡散
板17の手前には、拡散板17が被検物Aと幾何光学的
に共役関係になるように結像レンズ16を配置してい
る。
縞検出器23は2次元CCDを用いている。干渉縞検出
器22の1次元CCDはx方向に配列されたデータ取り
込み用のラインセンサである。干渉縞検出器23の2次
元CCDは、x,y面の2次元データを取り込むことの
できるエリアセンサであってこれはアライメント用のモ
ニターとしても使用される。また、拡散板17の結像面
と、干渉縞検出器22の1次元CCDの受光面とがズー
ムレンズ18及び結像レンズ20によってそれぞれ幾何
光学的に共役関係にあり、また、干渉縞検出器23の2
次元CCDの受光面が、ビームスプリッタ19の別光路
において、ズームレンズ18及び結像レンズ21によっ
て同様に拡散板17と共役関係である。このズームレン
ズ18を備えた結像光学系により、干渉縞検出器22,
23の位置を変えることなく各CCD面に結像する干渉
縞像の大きさが可変となっている。各干渉縞検出器2
2,23からの出力は、図示しないA/D変換器を経て
コンピュータの演算装置に取り込まれる。
プリッタ11からの光束はミラー15で反射し、拡散板
17に結像レンズ16を介して干渉縞像が結像する。こ
の拡散板17に至るまでの光束は、可干渉(コヒーレン
ト)なレーザ光であるが、ここで一旦、拡散板17に映
し出される干渉縞像はその裏面に非干渉光(インコヒー
レント光)な光像として投影される。ズームレンズ18
には、その拡散板17からの非干渉な光束が入射する。
したがって、これによって拡散板17以降にある光学部
品、すなわち、干渉縞検出器22,23の前面の保護ガ
ラス等での多重反射による干渉が起こらないので、干渉
縞ノイズが低減される。
系で、被検物Aの実長を計測するための手段の一例を説
明する。本実施例で採用する計測手段は、ビームスプリ
ッタ10の別光路にハロゲンランプ26からなる光源
と、その大きさが既知のスケール板27と、ミラー28
とを設置し、スケール板27の背後から照射されたスケ
ール像を結像光学系を介してCCD面にて検出し、ズー
ムレンズ18の実際の変倍率についてキャリブレーショ
ン可能としている。
率の求め方を説明する。例えば、スケール板27には短
形をした不透明の板であり、基準となるスケール像を投
影するために2本の透明なスリットが既知のLmmの間
隔で平行に形成されている。ハロゲンランプ26が点灯
するとスケール板27のスリットを透過した光束がビー
ムスプリッタ10を直進し干渉光と同様の光路でズーム
レンズ18に入射する。スケール板27から投影される
スケール像は、ズームレンズ18の設定倍率Mにより拡
大されて干渉縞検出器22,23のCCD面に結像す
る。ここでLmmの間隔のスリット状の透過光が受光さ
れた画素のレベルのみが大きくなるので、この結像した
スケール像の間隔L′を測定し、M=L/L′からズー
ムレンズ18の設定倍率が求まる。
測定方法を説明する。図4に被検物と共役な干渉縞像の
一例を示す。1次元CCDではこの干渉縞像のx方向断
面の波面が検出される。以下、干渉縞像の解析方法とし
ては、上記光路差可変手段により光路差をπ/2間隔で
ステップ状に駆動し、5回前後、干渉縞像を取り込んで
解析する位相シフト法を用いる。なおこれに限らず、フ
ーリエ変換法等の他の公知の縞解析方法を使用してもよ
い。
果を示している。まず、設計値又は汎用測定器等を用
い、あらかじめ被検物Aの光軸方向肉厚d(x)を計算
しておく。被検物Aに被検波bを透過して干渉縞検出器
22に干渉縞像を結像させる。そして、そのリニアCC
Dで受光を行う干渉縞検出器22の出力が、透過波面計
測部を有する演算装置25に取り込まれる。その透過波
面計測部により、位相シフト法などの縞解析方法を用い
て、透過波面WF(x)(単位:λ)を計測することが
できる。
折率分布Δn(x)を示している。このλは、光源の波
長である。CCDの任意の位置をx=0として基準の透
過波面WF(0)を求め、次式によりz方向(光軸方
向)に平均化された屈折率分布Δn(x)を算出するこ
とができる。 Δn(x)=(WF(x)−WF(0))・λ/d
(x)
体的に表したものである。上記透過位置変位手段によっ
て、被検物Aをy軸に沿って昇降させてyの値を変えな
がら複数のx−z断面について計測する。こうして任意
の測定断面について干渉縞検出器22からの出力をコン
ピュータ24の演算装置25に取り込みそれぞれの透過
波面を計測し、上記複数の断面の測定結果から、下記の
式により2次元的に表現できる。これにより、x,yの
2次元においてz方向(光軸方向)に平均化された平均
屈折率分布が得られる。これを、図7に示すように平均
屈折率分布を縦軸にとれば、立体的に示すことができ
る。こうして被検物Aの外形形状に拘わらず、非破壊で
2次元の平均屈折率分布Δnの測定結果を得ることがで
きる。 Δn(x,y)=(WF(x,y)−WF(0,y))
・λ/d(x,y)
(0,0)ではなくWF(0,y)としている。これ
は、fθレンズのように、被検物Aの肉厚がy方向で数
10%以上異なる場合に、被検物Aとマッチング液Bと
の僅かなずれに伴う誤差要因となるのを補正するためで
ある。このためΔn(0,y)=0と近似している。ま
た、上記Δn(x,y)を多項式級数に展開することも
可能であり、これによりレンズ設計へのフィードバック
が容易となる。また、ここでは、1次元CCDよりなる
ラインセンサを使用し光軸方向に積算された結果として
Z方向で平均化した分布を測定する簡便な方法である
が、このような平均屈折率分布について、つぎに説明す
るように2次元CCDよりなるエリアセンサによっても
同様な測定が可能である。
出された干渉縞像の測定結果を示している。また、図9
は、図8の測定結果におけるy方向断面のデータを示し
ている。一般に2次元CCDは1次元CCDの一方向画
素数と比べて、そのx,yの各方向における画素数は少
ない。このため空間的な分解能はやや落ちることもある
が、1次元CCDと異なり被検物Aを昇降させなくとも
2次元の屈折率分布を測定することができる。例えば、
図9に示すように、y軸方向に局所的な屈折率分布が存
在する場合、これを検出するのに有効である。干渉縞検
出器23の2次元CCDで検出された干渉縞像を解析す
る場合、x−y面の2次元撮像面にて干渉縞を受光し、
位相シフト法などを用いて縞解析を行い位相分布を算出
する。
でy値を変えながら、各移動位置にて透過波面を計測
し、各透過波面データをつなぎ合わせ処理することによ
り、その測定有効径を越えた範囲の屈折率分布を求める
ことができる。これにより例えば、fθレンズのように
y軸方向にかなり大きな被検物Aも効率的に測定でき
る。このような計測及びデータ処理は、上記ラインセン
サ又はエリアセンサのいずれを用いた測定であっても適
用可能である。
z軸方向における平均屈折率分布のみでは、屈折率分布
を3次元的に特定することはできない。以下、公知のC
T(Computed Tomography)法によるZ方向も加味した3
次元屈折率分布の測定方法を説明する。図10は、CT
解析法の原理を説明する図である。同図に示した投影切
断面定理によれば、物理分布量をもつ物体f(x,y)
のradon変換、すなわち角度θの方向からの投影デ
ータg(x,θ)を1次元フーリエ変換した結果のG
(ζ,θ)は、物体の2次元フーリエ変換した結果のF
(ξ,η)の極座標表現におけるθ方向成分と一致する
ことがわかっている。数式で表すと次式となる。 F(ζcosθ,ζsinθ)=G(ζ,θ) ここで、物体f(x,y)を被検物Aの屈折率分布とす
るならば、g(x,θ)は光路差である。この光路差
は、本実施例のようなマッハ・ツェエンダ干渉計の場
合、透過波面として計測される。
チャートである。まず、被検物Aをセットしない状態で
初期処理を行った後、被検物Aを被検物保持台32にセ
ットし(S1)、θ=の位置(基準となる位置)で干渉
縞検出器22が出力する画像信号を演算装置25に取り
込んで透過波面を計測する(S2)。ついで被検物保持
台32の回転により被検物Aを0≦θ≦π(又は0≦θ
≦2π)の角度範囲にわたって回転させ(S3,S
4)、例えば1゜刻みで透過波面を計測する。それらの
透過波面データは、位相つなぎ処理により接続し(S
5)、1次元フーリエ変換する(S6)。1次フーリエ
変換された各断面の極座標データG(ζ,θ)を直交座
標データに変換することによりF(ξ,η)を計算して
(S7)、これを2次元逆フーリエ変換(S8)すれ
ば、被検物Aのx−z断面の屈折率分布を再構成するこ
とができる(S9)。このCT解析法による場合、屈折
率分布に規則性がなく、またその分布が不明である被検
物Aであっても、屈折率分布を被検物Aの屈折率の不均
一部分の空間的位置を特定することが可能になる。
た屈折率分布データを示す。上記のように被検物Aを回
転させてCT解析を行えば、(x,z)の各位置につい
て実際の屈折率が得られる。そして、上記被検物Aの昇
降手段によりy値を変えながら、被検波透過位置をy軸
方向へ相対的に移動させて連続的に計測し、これら複数
の屈折率分布データから3次元の屈折率分布を構成する
ことができる。なお、上記屈折率分布の測定において、
測定断面数やその間隔には特に制限はない。
布の測定装置は、可干渉光を出射する光源と、該光源か
らの可干渉光を被検波と参照波とに分割する手段と、測
定対象である被検物を該被検物とほぼ同一の屈折率のマ
ッチング液内に保持する被検物収容器と、該被検物収容
器を透過した被検波と上記参照波とを重畳させ干渉させ
る重畳手段と、該重畳手段から出射された光束を干渉縞
像として結像させる結像光学系と、該結像光学系により
結像する光像を検出する干渉縞像検出器と、該干渉縞像
検出器の検出結果から被検物の屈折率分布を求める演算
装置と、を有する屈折率分布の測定装置において、上記
マッチング液の屈折率をほぼ均一に維持するための制御
手段を備えた構成なので、被検物の外形形状にかかわら
ず非破壊でその屈折率分布を精度良く測定することがで
きる。
結像する光像の大きさを可変とする変倍手段を備え、少
なくとも該変倍手段に基準となるスケール像を投影可能
な投光手段と、上記変倍手段を介して結像したスケール
像からその変倍率を求める計算手段とを有する構成によ
れば、大きさの異なる種々の被検物に対して、良好な条
件で測定できる。
された光像を非干渉な光像に変換する拡散手段を備えた
構成によれば、拡散手段以降にあるレンズ系や保護ガラ
ス等での多重反射による干渉縞ノイズを低減でき、精度
良く測定できる。
向に波長以下のオーダで変位可能な光路差可変手段を備
えた構成によれば、光路差を精度良く可変することがで
き、また、外乱の影響も小さく抑えるので、再現性がよ
く測定精度が向上する。
の光軸方向と直交する方向へ移動させる透過位置変位手
段を備えた構成によれば、光軸方向の平均屈折率分布を
簡易に計測することができ、測定有効径よりも大きな被
検物を測定することが容易となる。特に、書込光学系の
fθレンズなどの測定対象物に有効で、測定結果をレン
ズ設計へフィードバックすることが容易となる。
た複数画素よりなる光センサを有するものであり、該光
センサにより2次元の屈折率分布を測定可能とした構成
によれば、透過波面又は、屈折率分布を2次元的に測定
することができ、局所的な屈折率の異常分布の検出や任
意の方向の断面の計測に適した測定が可能となる。
い、上記光軸方向と直交する軸線周りに被検物を相対的
に回転させ、各回転位置にて透過波面を計測し、各透過
波面データからCT(コンピュータ・トモグラフィ)法
により画像を再構成し、該再構成画像より被検物の屈折
率分布を求める測定方法によれば、被検物の外形形状に
関わらず非破壊で3次元的な屈折率分布を、より高精度
に計測することが可能となる。
示す平面図である。
図で、(a)は斜視図、(b)は上面図である。
段の構成を示す斜視図である。
一例を示す。
過波面を示す線図である。
布を示す線図である。
立体的に示した図である。
た平均屈折率分布データを示す図である。
る。
原理を説明する図である。
すフローチャートである。
めた屈折率分布の一断面データを示す図である。
す平面図である。
の概略構造を示す斜視図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 可干渉光を出射する光源と、該光源から
の可干渉光を被検波と参照波とに分割する手段と、測定
対象である被検物を該被検物とほぼ同一の屈折率のマッ
チング液内に保持する被検物収容器と、該被検物収容器
を透過した被検波と上記参照波とを重畳させ干渉させる
重畳手段と、該重畳手段から出射された光束を干渉縞像
として結像させる結像光学系と、該結像光学系により結
像する光像を検出する干渉縞像検出器と、該干渉縞像検
出器の検出結果から被検物の屈折率分布を求める演算装
置と、を有する屈折率分布の測定装置において、 上記マッチング液の屈折率をほぼ均一に維持するための
制御手段を備えたことを特徴とする屈折率分布の測定装
置。 - 【請求項2】 上記被検物収容器が、上記マッチング液
の接触する隔壁の外側に沿って熱交換媒体が流れる通路
を有し、上記制御手段により、上記通路へ温度制御され
た熱交換媒体を循環させることを特徴とする請求項1記
載の屈折率分布の測定装置。 - 【請求項3】 上記通路は、ほぼ同一の横断面形状が連
続するもので、上記マッチング液の接触する隔壁に沿っ
て隙間無く蛇行するように配置されていることを特徴と
する請求項2記載の屈折率分布の測定装置。 - 【請求項4】 上記結像光学系が、上記干渉縞像検出器
に結像する光像の大きさを可変とする変倍手段を備え、
少なくとも該変倍手段に基準となるスケール像を投影可
能な投光手段と、上記変倍手段を介して結像したスケー
ル像からその変倍率を求める計算手段とを有することを
特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の屈折率分
布の測定装置。 - 【請求項5】 上記結像光学系が、上記重畳手段から投
影された光像を非干渉な光像に変換する拡散手段を備え
たことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の
屈折率分布の測定装置。 - 【請求項6】 上記変倍手段の入射側手前に上記拡散手
段を配置し、該拡散手段の非干渉な光像が上記変倍手段
を介して上記干渉縞像検出器に結像するようにしたこと
を特徴とする請求項5記載の屈折率分布の測定装置。 - 【請求項7】 上記分割手段又は上記重畳手段を、光軸
方向に波長以下のオーダで変位可能な光路差可変手段を
備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記
載の屈折率分布の測定装置。 - 【請求項8】 上記被検物に対する被検波の透過位置を
その光軸方向と直交する方向へ移動させる透過位置変位
手段を備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれ
かに記載の屈折率分布の測定装置。 - 【請求項9】 上記干渉縞像検出器が、2次元方向に配
した複数画素よりなる光センサを有するものであり、該
光センサにより2次元の屈折率分布を測定可能としたこ
とを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の屈折
率分布の測定装置。 - 【請求項10】 請求項1から8のいずれかの測定装置
を用い、上記干渉縞像検出器で検出される干渉縞像を解
析し、各透過位置における透過波面を計測することによ
り、その光軸方向に平均化された屈折率分布を測定する
ことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の屈
折率分布の測定方法。 - 【請求項11】 上記被検物に対する被検波の透過位置
を移動させ、各移動位置にて透過波面を計測し、各透過
波面データをつなぎ合わせ処理することにより、その測
定有効径を越えた範囲の屈折率分布を求めることを特徴
とする請求項1から10のいずれかに記載の屈折率分布
の測定方法。 - 【請求項12】 上記光軸方向と直交する軸線周りに被
検物を相対的に回転させ、各回転位置にて透過波面を計
測し、各透過波面データからCT(コンピュータ・トモ
グラフィ)法により画像を再構成し、該再構成画像より
被検物の屈折率分布を求めることを特徴とする請求項1
から11のいずれかに記載の屈折率分布の測定方法。
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JP19523099A JP3913407B2 (ja) | 1999-07-09 | 1999-07-09 | 屈折率分布の測定装置及び方法 |
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