JP2000329643A - 位相分布の測定装置及び方法 - Google Patents

位相分布の測定装置及び方法

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JP2000329643A
JP2000329643A JP11135331A JP13533199A JP2000329643A JP 2000329643 A JP2000329643 A JP 2000329643A JP 11135331 A JP11135331 A JP 11135331A JP 13533199 A JP13533199 A JP 13533199A JP 2000329643 A JP2000329643 A JP 2000329643A
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cell
mirror
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Hiroyuki Suhara
浩之 須原
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 干渉計全体を回転させずに、静止した状態の
位相物体の屈折率分布を測定できる装置及び方法を提供
する。 【解決手段】 本発明の屈折率分布測定装置は、同一光
源からの可干渉光を、少なくとも一方が被検物を透過す
る2つの光束に分け、双方の光束を重ねる干渉光学系
と、該干渉光学系内にあって上記被検物とほぼ同じ屈折
率の試液を有するとともに1つの回転軸Oを中心に回動
可能なセル27と、該セル27が回転しても上記被検物
が回転しないようにセル27内に被検物を保持する被検
物保持手段と、上記回転軸Oに対して平行に進んできた
光束を折り曲げ回転軸Oと交叉する方向から被検物を透
過させ、透過した光束を上記回転軸と平行な方向に射出
するとともに、上記セル27と同期して回転軸を中心に
回転可能な回転偏向手段M1〜M4と、を有する構成で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、干渉縞の解析によ
り被検物における位相分布を3次元的に測定する技術に
関し、特に、被検物が液体や気体の場合にも適用可能な
測定技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コスト低減や非球面レンズの製作
性に優れていることから、レーザプリンタやカメラなど
の光学機器に使用される光学レンズにプラスチック成形
レンズが実用化されている。しかし、そのような利点が
ある反面、プラスチックを材料とする場合はレンズの内
部に不均一性を生じることがあり屈折率分布が不安定
で、このためレンズ内部の屈折率分布を高精度に測定
し、光学レンズの均質性を評価する必要がある。
【0003】そこで、本発明の出願人は、被検物をその
屈折率が被検物とほぼ同じ試液内に浸した状態で、光軸
と直交する軸を中心に回転させ、複数の回転角位置の各
々で干渉縞の解析を行い、これらの干渉縞から透過波面
量を算出し、これを一次フーリエ変換し、さらに、二次
元逆フーリエ変換を行って屈折率の分布を求める方法を
提案した(例えば、特開平8−122210号等)。こ
の屈折率測定方法によれば、被検物がレンズのように固
体で、時間的に変化しない被検物には非常に有効な方法
である。しかし、 液体や気体の屈折率分布及び濃度分布の測定 時間的に変化する媒質の分布の測定 結晶成長時の経時変化の状態を3次元の分布として
測定する 等の場合には、上記方法のように被検物を回転させる方
式では、被検物の状態が変化してしまい、測定が難し
い。
【0004】そこでさらに、本発明の出願人は、被検物
を静止させた状態でも位相分布の測定ができる測定方法
と装置を提供している。この測定装置を、図7を用いて
具体的に説明する。同図の装置は、マハツェンダ型の干
渉光学系を基本構成としており、可干渉光としてのレー
ザ光を射出する光源1と、偏光子2と、ミラー3と、ビ
ームエキスパンダ4と、光束分割用のビームスプリッタ
5と、2つの反射ミラー7、9と、光束重畳用のビーム
スプリッタ11と、結像レンズ13と、CCDなどから
なる干渉縞検出器15と、高速画像処理装置、マイクロ
コンピュータなどからなる演算処理装置17とを備え、
装置全体を回転テーブル40上に載せている。これらの
構成のうち、光源1から干渉縞検出器15までで、干渉
光学系を構成している。
【0005】回転テーブル40は、被検物Aのほぼ中心
を通る回転軸Oの回りに回動自在な構成である。そし
て、この回転テーブル40は、サーボモータ等により、
例えば、1゜刻みの微小な回転ができるようになってい
る。セル27も回転テーブル40と一緒に回転軸Oを中
心に回転自在である。
【0006】被検物Aは内部に結晶が成長していく経時
的な変化を測定するもので、液状の試液Bと隔離する必
要があるため、セル27内に容器45を配置しこの容器
45内に液体状の被検物Aを入れる。この容器45は、
回転軸O上の図示しない被検物保持手段に保持されてい
る。この被検物保持手段は、回転テーブル40が回転軸
Oを中心に回転しても回転することはなく、被検物Aを
固定した状態に保つ。すなわち、セル27やオプチカル
フラット35,37は周辺の干渉光学系と一緒に回転軸
Oを中心に回動するが、容器45及びこの内部の被検物
Aは回動されず、測定に際して被検物Aが流動すること
はない。なお、被検物Aは、その中心が回転軸Oと一致
する位置が望ましいのであるが、多少ずれていても、回
転によって被検物Aがセル31からはみ出ないようにな
っており、かつ、常に測定部分が光束内に入っていれば
よい。
【0007】この被検物Aの屈折率は空気の屈折率とは
かなり相違しているため、被検物の入射面と射出面とが
平行でない限り、被検物Aを透過した被検波bは、不規
則に収束・発散する。一方、干渉光学系で干渉縞を結像
させるには、被検波bは、ほぼ平行な光束となっていな
ければならない。そこで、被検物Aがどのような形状で
あっても、被検物Aを透過した被検波bがほぼ平行光束
になるために、具他的には次のような構成としている。
【0008】すなわち、セル27内には、その屈折率が
被検物Aの屈折率とほぼ同一に調合された試液Bを満た
し、被検物Aは円形容器状の内側セルにより試液Bから
隔離してセル27内に設置する。また、セル27の両端
にある入射窓31と射出窓33は互いに平行、かつそれ
ぞれに面精度が高いオプチカルフラット35,37を取
り付けて液密にシールドしている。こうして、被検物A
と試液Bで充填されたセル27は、全体として均一な屈
折率の位相物体となり、かつ、入射面と射出面とが平行
なので、セル27内を透過した被検波bは、ほぼ平行な
光束となって射出される。この位相物体の透過光を参照
波と干渉させその位相分布を測定すれば、被検物の外形
に関係なく被検物自体の位相分布が測定可能となるわけ
である。
【0009】光源1より出射するレーザ光は、偏光子2
を透過し、ミラー3で反射されてビームエキスパンダ4
に入射し、これによって光束径を拡大され、ビームスプ
リッタ5によって直角に曲げられる参照波aと、直進し
てミラー9で直角に曲げられ、被検物Aとしての位相物
体を透過する被検波bとに分割される。参照波aと被検
波bとは、ほぼ1:1となるようになっている。
【0010】反射ミラー7は、ピエゾ素子などによる電
気−変位変換素子19により支持され、位相シフト法に
よる干渉縞解析を行うために、参照波aの光路長を波長
以下のオーダで変更できるように配置されている。参照
波aは反射ミラー7で反射され、ビームスプリッタ11
に達し、他方の被検波bは、被検物Aを透過してビーム
スプリッタ11に達して参照波aと重なり合うが、電気
−変位変換素子19により参照波aと被検波bとの光路
長には、nπ/2の位相の差ができるように調整され
る。
【0011】参照波aと被検波bは重畳され、ビームス
プリッタ11から2つの光束に分割される。一方の光束
は、直進して結像レンズ13に入射し、干渉縞検出器1
5の撮像面に干渉縞を結像する。干渉縞検出器15には
リニアCCDやアレイ状のセンサを用いる。ビームスプ
リッタ11で直角に曲げられた方の光束は、別の結像レ
ンズ23に入射し、モニター25に干渉縞を結像する。
【0012】干渉縞像は、干渉縞検出器15で検出さ
れ、光電変換されて電気的な画像信号となり、A/D変
換された後、演算装置17に入力される。なお、演算装
置17は、位相シフト法などによる干渉縞像の解析によ
って透過波面の計測演算を行う透過波面計測部18を含
んでいる。
【0013】次に上述の構成よりなる測定装置を利用し
て被検物Aの屈折率を計測する方法を図8のフローチャ
ートを使用して説明する。まず、被検物Aをセットしな
い状態で、干渉縞検出器15が出力する干渉縞像の画像
信号を演算処理装置17に取り込んで演算処理装置内部
の透過波面計測部18により干渉縞像の解析を行い、初
期状態の透過波面の計測をする。この計測結果に基づい
て測定装置自身の定常的な誤差成分を排除する初期処理
を行う。
【0014】ついで、回転軸上に被検物Aをセットし
(S1)、回転テーブルがθ=0の位置(基準となる位
置)で干渉縞検出器15の撮像面に干渉縞を結像し、干
渉縞検出器15が出力する干渉縞像の画像信号を演算処
理装置17に取り込んで干渉縞像の解析を行う(S
2)。回転テーブルが初期回転位置にある透過波面の計
測では、干渉縞像の解析結果は被検物Aの厚み方向(光
軸方向)に積算されており、これだけでは屈折率の不均
一部分の空間的な位置を特定することができない。
【0015】回転テーブルを0≦θ≦πの範囲にわたっ
て回転させ、次々と干渉縞を結像し、透過波面を計測す
る。回転テーブルの初期回転位置より、所定角度回転さ
せ、回転軸上に固定された被検物Aを被検波bの光軸に
対して変化させる(S3)。被検物Aに対して変位する
被検波bが干渉縞検出器15の撮像面に結像する。この
状態で干渉縞検出器15が出力する干渉縞像の画像信号
を演算処理装置17に取り込んで透過波面の計測をする
(S2)。こうしてたとえば、1゜刻みで180゜
(π)あるいは360゜(2π)の方向から複数回に渡
って干渉縞を形成し(S4)、この透過波面を計測し
て、コンピュータ、すなわち、演算処理装置17上で再
合成する。この画像の再構成は、公知のX線CT(Comp
uted Tomography)解析の手法を用いて行うことができ
る。
【0016】図9はCT法の原理を示すものであり、角
度θから入射した被検波による透過波面のデータp
(x,θ)を変数xについて一次元フーリエ変換すれ
ば、求めるべき屈折率の分布Δn(x,y)の二次元フ
ーリエ変換の極座標表現におけるθ方向成分が得られ
る。
【0017】すなわち、0≦θ≦2π又は0≦θ≦πの
角度範囲にわたって透過波面を計測し、その透過波面デ
ータを位相つなぎ処理によって接続し(S5)、一次元
フーリエ変換し(S6)、フーリエ変換された各断面の
極座標データP(x,θ)を直交座標データに変換し
(S7)、その後二次元逆フーリエ変換し(S8)、さ
らに屈折率に変換することにより被検物Aの三次元屈折
率分布を再構成することができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の装
置は、被検物を静止させた状態でも回転テーブル40の
回転により位相分布の測定ができる。しかし、そのよう
に被検物を中心に固定してこの被検物に対して回転テー
ブル40上に載せた干渉計の全体を回転させる構成で
は、装置が大型となってしまう。この場合に干渉光学系
全体を回転させずに、被検物に対する任意の入射方向か
らの透過波面を計測するためには、 入射ビームのスキャニング機構 出射ビームの受光方法 等が重要な技術となってくる。そこで、本発明は、上記
従来の測定技術にさらに改良を加え、装置全体を回転さ
せることなく、静止した状態の位相物体の屈折率分布を
測定できる装置及び方法を提供することを目的としてい
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の位相分布の測定装置は、同一光源からの可
干渉光を、少なくとも一方が被検物を透過する2つの光
束に分け、双方の光束を重ねて干渉縞を形成する干渉光
学系と、該干渉光学系内にあって上記被検物とほぼ同じ
屈折率の試液を有するとともに1つの回転軸を中心に回
動可能なセルと、該セルが回転しても上記被検物が回転
しないようにセル内に被検物を保持する被検物保持手段
と、上記回転軸に対して平行に進んできた光束を折り曲
げて、上記回転軸と交叉する方向から被検物を透過さ
せ、透過した光束を上記回転軸と平行な方向に射出する
とともに、上記セルと同期して回転軸を中心に回転可能
な回転偏向手段と、を有することを特徴としている。
【0020】また、上記回転偏向手段が複数のミラーか
らなり、回転軸と平行に入射した光束を回転軸から逸ら
す方向に反射する第1のミラーと、該第1のミラーから
反射された光束を回転軸と直交する方向に反射して被検
物を透過させる第2のミラーと、該被検物を透過した光
束を回転軸に向けて反射させる第3のミラーと、第3の
ミラーから反射された光束を回転軸と平行な方向に反射
する第4のミラーとを有する構成とすることができる。
また、上記セル及び回転偏向手段が、一の円筒形の回転
構造体に一体的に設置された構成にすることができる。
【0021】また、上記干渉光学系がマハツェンダ干渉
計又はトワイマングリーン干渉計である構成とすること
ができる。あるいは、上記第3のミラーが2つの平行な
反射面を有し、被検物を透過した光束を横ずらしされた
2つの光束に分割可能である構成とすることもできる。
【0022】本発明の位相分布の測定方法は、請求項1
から6のいずれかに記載された位相分布の測定装置を用
い、1の被検物に対して複数の方向から可干渉光を入射
して、各透過波面を測定することを特徴としている。
【0023】また、上記軸を回転軸として被検物に入射
する可干渉光を回転させながら次々に透過波面を測定
し、CT法(computed tomography)を用いて再構成
し、被検物の位相分布を三次元的に測定することができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の
実施例を詳細に説明する。本実施例の測定装置は、上述
の従来例と同様に、同一光源からの可干渉光を少なくと
も2つの光束に分け、一方の被検波を、被検物とこの被
検物と同一の屈折率の試液で満たした状態に収容したセ
ルとからなる一の位相物体に透過させ、このセル内を透
過しない他方の参照波と重ねて干渉縞を形成し、被検物
自体の位相分布を測定するものである。したがって、そ
の構成の大部分が従来例と共通するため、共通する部分
には同一の符号を付して説明を省略する。
【0025】まず、図1から図3を用いてマハツェンダ
干渉計の実施例を説明する。図1は、実施例のマハツェ
ンダ干渉計の全体構成を示す図であり、図2は、図1の
回転構造体41を拡大して示す図である。このマハツェ
ンダ干渉計では、被検物Aを透過させるための被検波b
は反射ミラー9と、ビームスプリッタ11との間に設置
された回転構造体41を経由する。被検物Aを収容した
セル27はこの回転構造体41の回転軸O上に設置して
おり、反射ミラー9で反射された被検波bは、回転構造
体41内に入射して上記セル27を通過した後、ビーム
スプリッタ11へ出射され、参照波aと重畳する。
【0026】図2中の鎖線で示したように、上記回転構
造体41は両端が開放された円筒状のものであり、中空
内部にセル27と、このセル27へ被検波bを案内する
ための偏向部材として、4つのミラーM1からM4とを
備えている。この回転構造体41は、その一の回転軸O
を中心にしてセル27と、4つのミラーM1からM4と
を回転させるためのものである。
【0027】図3は、図2のセル27のC−C断面図で
ある。同図に示すように、セル27は外側セルと内側セ
ルとの2重の構造になっており、内側セルである容器4
5内に溶媒状の被検物Aを収容できる。被検物Aを入れ
た容器45はセル27内に収容するが、この容器45周
辺をその屈折率が被検物Aの屈折率とほぼ同一に調合さ
れた試液Bで満たして、かつ両端を面精度の高い入射窓
35、出射窓37でシールドしている。こうして、被検
物Aを含む一の位相物体を構成している。
【0028】上記セル27は、回転構造体41とともに
回転自在であるが、容器45はセル27が回転しても回
転しなように静止した状態に保持されている。すなわ
ち、容器45は、セル27が回転してもセル27からは
み出さないように回転軸Oの近傍に、図示しない被検物
保持手段により固定されている。そのような被検物保持
手段は容器45を静止状態に支持できればよく、容器4
5と一体のものであってもよい。
【0029】なお、上記容器45は、試液Bと被検物A
とを隔離することが主な目的であるから、原則的には被
検波bを透過できれば形状や材質は任意のものでよい。
しかし、透過波面への影響を抑えるためには、その中心
軸が回転軸Oと平行な円筒状で肉厚の薄いものが望まし
く、また、被検物Aと化学反応しない材質を選ぶとよ
い。
【0030】上記構成のマハツェンダ干渉計において、
回転構造体41はサーボモータ等により、例えば1゜刻
みに微小回転自在であって、この回転構造体41内に備
え付けた4つのミラーM1からM4が回転すれば、下記
に説明するような被検物Aのスキャニング機構となる。
【0031】すなわち、回転軸O上の一端から回転構造
体41内に入射した被検波bは、まず回転軸O上のミラ
ーM1に偏向され回転軸Oから逸れてミラーM2へ導か
れる。このミラーM2は回転軸Oを離れた光軸が今度は
回転軸Oに対して直角に入射するように偏向する。回転
軸Oを横切ってセル27を透過した光軸はミラーM3に
より再び回転軸Oと交わる方向に導かれ、回転軸O上の
ミラーM4により回転軸Oに沿って他端側へ出射され
る。この回転構造体41の外径付近に位置するミラーM
2とミラーM3との間に形成された光軸は、回転構造体
41の回転により各ミラーM1〜M4及びセル27とと
もに回転する。こうしてセル27を透過する光軸が回転
自在であって、且つ上記セル27に対する入射・出射方
向の関係、すなわち光軸に垂直なオプティカルフラット
を維持したまま回転可能となる。
【0032】このようにして、その被検波bの光路の一
部、つまり被検物Aを通過する一部の光路のみを回転自
在としたことによって、干渉計全体を回転させなくとも
被検物Aに対する任意の方向に被検波bの透過波面を設
定できる。しかも、回転構造体41の回転軸O上に沿っ
て入射及び出射させているので、投光位置と受光位置と
が動くことなく一定位置に維持される。
【0033】なお、上記の各実施例では、一の筒状の回
転構造体41に各ミラーM1〜M4やセル27を固定し
ているが、このように必ずしも一つの構造体内に一体と
して設ける必要はなく、ミラーとセルとが同期して回転
される構成であればスキャニング機能を得ることができ
る。
【0034】つぎに、上記回転構造体41を、他種の干
渉計に適用した実施例を説明する。図4は、上記回転構
造体41を用いたトワイマングリーン干渉計の構成図で
あり、図5は、図4の回転構造体41の具体的な構成を
示している。レーザ1から出射されミラー3で反射した
光束はビームエキスパンダ4で拡げられ、ビームスプリ
ッタBSにより2分割される。回転構造体41は、ビー
ムスプリッタBSにより分割された光路のうち、リファ
レンスミラーRFとは別の光路上に設置される。ビーム
スプリッタBSを直進してリファレンスミラーRFで反
射された参照波aと、ビームスプリッタBSを直角に偏
向し回転構造体41内を経て同一経路を戻る被検波bと
が干渉してレンズ13により結像する。ここでCCDカ
メラ等の検出器15により干渉縞が観測される。このト
ワイマングリーン干渉計の場合、回転構造体41は図5
に示すような構成とすることで、被検波bを同一経路に
戻すことができる。
【0035】図5に示すように、トワイマングリーン干
渉計の回転構造体41では、被検波bの入射する回転軸
O上に偏向ビームスプリッタPBSを設置し、被検波は
偏向ビームスプリッタPBSにより直角に偏向された
後、ミラーM1′及びM2により回転軸Oと直角方向に
偏向され回転軸O上に設置したセル27を透過する。セ
ル27を透過した光軸はミラーM3及びミラーM4′に
より回転軸O上に偏向され、ミラーM5により再び偏向
ビームスプリッタPBSに戻される。
【0036】こうしてセル27を透過した後、入射光路
と同一の光路へ戻ることができ、かつミラーM2とミラ
ーM3との間の光路が回転するので、上記第1実施例と
同様にセル27内に静止状態に保持した被検物Aをスキ
ャンニングできる。また、特にこのような構成の場合、
セル27は回転構造体41上部に配置されており、この
セル2の上面を開放しておけば被検物A及び容器の取り
付けは容易となる。
【0037】図6は、上記回転構造体を用いたシアリン
グ干渉計の構成図である。この干渉計では、上記マハツ
ェンダ干渉計の例で示したミラーM3の位置に、2枚の
平行平板46,47を備える。両平板46,47の近接
する内側2面は面精度の高い研磨面であり、外側2面は
無反射面となっている。これにより平行平板46,47
の内側面によってレーザから出射されセル27を透過し
た光束の光路が分割され、この内側2面の距離に比例し
て横ずらしした被検波が干渉する。これを検出する検出
部15には、リニアCCDや2次元CCDといったアレ
イ状のセンサを用いる。
【0038】上記シアリング干渉計の場合、別光路の参
照波は必要としないため、上記マハツェンダ干渉計など
より構成が容易となる。なお、横ずらし量はミクロンオ
ーダーなので、2本のビームの回転軸Oからのずれ量は
無視できる程度である。
【0039】以上説明した各干渉計において、被検物A
を透過する被検波bを回転させながら、次々にその透過
波面を測定し、CT法を用いて再構成し、被検物Aの位
相分布を三次元的に計測する。この干渉縞の解析方法と
しては、位相シフト法等を用いる。投影切断面定理によ
れば、物理分布量を持つ物体のラドン変換、すなわち角
度θの方向からの投影データを1次元フーリエ変換した
結果は、物体の2次元フーリエ変換の極座標表現におけ
るθ方向成分と一致する。このCT解析法には、逐次近
似法やフィルタ補正逆投影法などがあるが、最も簡潔に
投影データから画像を再構成する厳密な方法は、従来例
で説明したフーリエ変換法である。
【0040】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
同一光源からの可干渉光を、少なくとも一方が被検物を
透過する2つの光束に分け、双方の光束を重ねて干渉縞
を形成する干渉光学系と、該干渉光学系内にあって上記
被検物とほぼ同じ屈折率の試液を有するとともに1つの
回転軸を中心に回動可能なセルと、該セルが回転しても
上記被検物が回転しないようにセル内に被検物を保持す
る被検物保持手段と、上記回転軸に対して平行に進んで
きた光束を折り曲げて、上記回転軸と交叉する方向から
被検物を透過させ、透過した光束を上記回転軸と平行な
方向に射出するとともに、上記セルと同期して回転軸を
中心に回転可能な回転偏向手段と、を有する構成なの
で、干渉計全体を回転させずに、且つ被検物を静止した
まま任意の入射方向からの透過波面を計測することがで
き、液状や気体の屈折率分布、及び濃度分布測定や時間
的に変化する媒質の分布測定に適した測定装置を提供で
きる。
【0041】また、上記回転偏向部材及び上記セルが、
一の円筒形の回転構造体内に設置された構成によれば、
上記回転構造体の回転により、干渉計全体を回転させず
に上記回転偏向部材及び上記セル同期して回転させて、
セル内の被検物に対して任意の入射方向からの透過波面
を計測することができる。
【0042】また、上記干渉光学系がマハツェンダ干渉
計である構成によれば、干渉計全体を回転させずに任意
の入射方向からの透過波面を計測できるマハツェンダ干
渉計を提供でき、また、上記干渉光学系がトワイマング
リーン干渉計である構成によれば、干渉計全体を回転さ
せずに任意の入射方向からの透過波面を計測できるトワ
イマングリーン干渉計を提供できる。
【0043】また、上記第3のミラーが2つの平行な反
射面を有し、被検物を透過した光束を横ずらしされた2
つの光束に分割可能である構成によれば、干渉計全体を
回転させずに任意の入射方向からの透過波面を計測でき
るシアリング干渉計を提供でき、シアリング部が回転構
造体内にあるので外乱に強いシステムを提供できる。
【0044】また、上記軸を回転軸として被検物に入射
する可干渉光を回転させながら次々に透過波面を測定
し、CT法を用いて再構成し、被検物の位相分布を三次
元的に測定する方法によれば、干渉計全体を回転させず
に且つ静的な状態で被検物の位相分布を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マハツェンダ干渉計の実施例の全体構成を示す
平面図である。
【図2】図1の回転構造体を拡大して示す図である。
【図3】図2のセル27のC−C断面図である。
【図4】トワイマングリーン干渉計の実施例を示す全体
構成を示す平面図である。
【図5】図4の回転構造体の具体的構成を示す図であ
る。
【図6】シアリング干渉計の実施例を示す図である。
【図7】従来の位相分布測定装置の構成を示す平面図で
ある。
【図8】干渉縞の計測から位相分布を求めるための手順
を示すフローチャートである。
【図9】CT解析の原理を説明する図である。
【符号の説明】
1 光源 27 セル 41 回転構造体 46,47 シアリング光を発生させる偏向部材 A 被検物 B 試液 O 回転軸 M1〜M5,PBS 回転偏向部材 M1,PBS 第1のミラー M1′,M2 第2のミラー M3,M4′,46,47 第3のミラー M4,M5 第4のミラー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一光源からの可干渉光を、少なくとも
    一方が被検物を透過する2つの光束に分け、双方の光束
    を重ねて干渉縞を形成する干渉光学系と、 該干渉光学系内にあって上記被検物とほぼ同じ屈折率の
    試液を有するとともに1つの回転軸を中心に回動可能な
    セルと、 該セルが回転しても上記被検物が回転しないようにセル
    内に被検物を保持する被検物保持手段と、 上記回転軸に対して平行に進んできた光束を折り曲げ
    て、上記回転軸と交叉する方向から被検物を透過させ、
    透過した光束を上記回転軸と平行な方向に射出するとと
    もに、上記セルと同期して回転軸を中心に回転可能な回
    転偏向手段と、 を有することを特徴とする位相分布の測定装置。
  2. 【請求項2】 上記回転偏向手段が複数のミラーからな
    り、回転軸と平行に入射した光束を回転軸から逸らす方
    向に反射する第1のミラーと、該第1のミラーから反射
    された光束を回転軸と直交する方向に反射して被検物を
    透過させる第2のミラーと、該被検物を透過した光束を
    回転軸に向けて反射させる第3のミラーと、第3のミラ
    ーから反射された光束を回転軸と平行な方向に反射する
    第4のミラーとを有することを特徴とする請求項1記載
    の位相分布の測定装置。
  3. 【請求項3】 上記セル及び回転偏向手段が、一の円筒
    形の回転構造体に一体的に設置されていることを特徴と
    する請求項1又は2記載の位相分布の測定装置。
  4. 【請求項4】 上記干渉光学系がマハツェンダ干渉計で
    あることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載
    の位相分布の測定装置。
  5. 【請求項5】 上記干渉光学系がトワイマングリーン干
    渉計であることを特徴とする請求項1から3のいずれか
    に記載の位相分布の測定装置。
  6. 【請求項6】 上記第3のミラーが2つの平行な反射面
    を有し、被検物を透過した光束を横ずらしされた2つの
    光束に分割可能であることを特徴とする請求項2記載の
    位相分布の測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載された
    位相分布の測定装置を用い、1の被検物に対して複数の
    方向から可干渉光を入射して、各透過波面を測定するこ
    とを特徴とする位相分布の測定方法。
  8. 【請求項8】 上記軸を回転軸として被検物に入射する
    可干渉光を回転させながら次々に透過波面を測定し、C
    T法を用いて再構成し、被検物の位相分布を三次元的に
    測定することを特徴とする請求項7記載の位相分布の測
    定方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014228425A (ja) * 2013-05-23 2014-12-08 株式会社 清原光学 3次元干渉計

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