JPH04348262A - 位相型トモグラフィ装置 - Google Patents

位相型トモグラフィ装置

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JPH04348262A
JPH04348262A JP3166700A JP16670091A JPH04348262A JP H04348262 A JPH04348262 A JP H04348262A JP 3166700 A JP3166700 A JP 3166700A JP 16670091 A JP16670091 A JP 16670091A JP H04348262 A JPH04348262 A JP H04348262A
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phase
rays
wave
interferometer
tomography
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Atsushi Momose
敦 百生
Akira Fukuhara
福原 明
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物体内部を非破壊的に
評価するために、複数の異なる方向からの物体の投影像
から物体の断面図を再生するトモグラフィ装置に関する
ものである。特に、X線やγ線、中性子線などのエネル
ギー波を用いるトモグラフィ装置に関係するものである
。中でも、有機材料や生体物質内部の元素分布や密度分
布を調べる用途に有効である。
【0002】
【従来の技術】X線やγ線、中性子線などが用いられる
従来のトモグラフィは被観察物体の複数の異なる方向か
らの透過像をX線やγ線、中性子線などを用いて取得し
、取得データを演算処理することにより物体の断面像を
再生するものである。ここで、透過像はX線やγ線、中
性子線などに対する物体の吸収率を示すものであり、再
生される断面像は断面での吸収率分布を示すものとなる
【0003】さて、X線やγ線、中性子線などが物体を
透過する際、X線やγ線、中性子線などの振幅と位相の
両方が変化する。一般的に振幅の変化分に比べ位相の変
化分のほうが顕著に現われることが知られている。従っ
て、従来のトモグラフィのように振幅の変化分を取得デ
ータとするよりも位相の変化分を取得データにした方が
よりコントラストの高い画像が得られる。この場合に再
生される断面像は断面での屈折率分布を示すものとなる
。しかし、振幅の変化分は吸収として現われ容易に検出
されるものの、位相の変化分は通常検出されない。位相
の変化分を計測して断層像を再生するトモグラフィ装置
はこれまで発明されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はX線や
γ線、中性子線などを用いるトモグラフィ装置において
、X線やγ線、中性子線の位相の変化分を検出して断面
像を再生する方式を導入し、X線やγ線、中性子線など
を用いる従来トモグラフィ装置が持つ高分解能断面像が
得られるという特徴に加えて、高コントラストの断面像
が得られる特徴が加わった装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
には、X線やγ線、中性子線の位相の変化分を検出する
手段を導入せねばならない。そのためにはX線やγ線、
中性子線の干渉現象を利用する方法がある。即ち、X線
やγ線、中性子線を二つの伝播路に分離し、物体を透過
させるX線やγ線、中性子線(以下、信号波と呼ぶ)と
それと干渉しあって干渉縞を発生させるX線やγ線、中
性子線(以下、参照波と呼ぶ)を形成する仕組みを持つ
装置が上記目的を満たす。
【0006】本発明の実施例ではボンゼ・ハート型干渉
計(ボンゼとハートがX線干渉計を初めて提案している
論文「アプライド・フィジックス・レターズ  第6巻
(1965)第155貢(Appl. Phys. L
ett. 6(1965)155)」に記載されている
ようなX線干渉計)を使用した。この干渉計は3枚の薄
い結晶板がほぼ等間隔でほぼ平行に位置するように一個
の単結晶から切り出したもので、通常材質はシリコン単
結晶である。X線やγ線、中性子線がラウエケース(反
射回折波が結晶を透過する方向に出てくる場合)で三枚
の結晶板を順次回折するようにしたものである。第一番
目の結晶(ビームスプリッタと呼ぶ)により入射線が二
つの伝播路に分離され、第二番目の結晶(ミラーと呼ぶ
)でそれぞれの伝播方向に分離されていたX線やγ線、
中性子線がそれぞれ回折され、第三番目の結晶(アナラ
イザと呼ぶ)の位置で重なりあい、干渉縞を形成する。 この干渉縞の縞間隔は結晶の格子間隔と同じである。第
一結晶と第二結晶との間または第二結晶と第三結晶との
間で、2つの伝播路のうち一方に観察すべき物体を挿入
すると、物体を挿入した伝播路のX線やγ線、中性子線
の位相がずれ干渉縞の位置は僅かに変化する。この物体
によるエネルギー波の干渉の様子は干渉縞の間隔が極め
て狭く(結晶の格子間隔程度であるので、数Åの間隔)
、直接観察することはできないが、アナライザを透過さ
せて観察すれば、アナライザの結晶格子と干渉縞が重な
りあい、モアレ縞として模様が観察される。このモアレ
縞がX線やγ線、中性子線の位相のずれに関する情報を
含む。モアレ縞から位相情報を取り出すためには、振幅
情報を利用してモアレ縞から位相情報を導出する方法と
、一方の伝播路に位相シフタを挿入する方法が有効であ
る。また、アナライザを回折ベクトル方向に移動させる
方法も可能である。
【0007】第一の方法では、参照波を遮断する手段を
設置して、これを出し入れすることによって位相の分布
に関する情報を有する投影像(モアレ縞)と吸収率分布
を示す投影像が得られるようにする。両方の画像の強度
分布から演算により位相ずれの分布の形で投影像が得ら
れる。
【0008】第二は、信号波か参照波のどちらか一方に
位相シフタを挿入し、位相シフタの厚さを変えながらモ
アレ縞の変位を調べる方法である。モアレ縞の位置にお
ける位相のずれは位相シフタが無ければ2πの整数倍で
ある。従って、モアレ縞の位置から位相ずれの分布が得
られる。しかし、縞の間での位相ずれは正確にはわから
ない。そこで位相シフタを挿入し、位相ずれを知りたい
位置へモアレ縞を移動させることにより、任意の位置に
おける位相のずれを知ることができる。位相シフタの厚
さを変える方法としては、位相シフタを楔形にして伝播
路に挿入し、伝播路に対して垂直な方向に移動させる手
段がある。
【0009】上記第二の方法において、位相シフタの厚
さを変える代わりにアナライザを回折ベクトル方向に移
動させても良い。移動は圧電素子で行う。その際、アナ
ライザは干渉計全体から切り離さず、干渉計土台部の一
部に切り込みを入れ、アナライザが微小距離だけ移動可
能とする。アナライザの移動量をモニタする方法として
、例えば、次の二つがある。一つはアナライザに鏡を取
り付け、レーザー干渉計を用いて微小変位を直接読み取
る方法、もう一つは、アナライザを透過するX線やγ線
、中性子線の強度がアナライザの移動量に対応して変化
することを利用する方法である。
【0010】
【作用】X線やγ線、中性子線などが物体を透過する際
、X線やγ線、中性子線などの振幅と位相の両方が変化
する。振幅の変化(減衰)は物体の吸収率に依存し、位
相の変化は物体の屈折率に依存する。一般的に振幅の変
化分より位相の変化分のほうが顕著に現われることが知
られている。本発明の位相型トモグラフィ装置は位相の
変化分を取得データにしているので、振幅の変化分(吸
収)を取得データとする従来のトモグラフィ装置に較べ
てコントラストの高い画像が得られるようになった。尚
、従来のトモグラフィ装置が吸収率分布の形で断面像を
再生するのに対し、本発明の位相型トモグラフィ装置は
屈折率分布の形で断面像を再生する。吸収率分布の形で
断面像が必要な場合は参照波を遮断することにより得ら
れる。また、いろいろな断面での像を組み合わせれば最
終的に三次元像を得ることができる。最後に、X線やγ
線、中性子線などが物体を透過する際、微小ながら屈折
により伝播路が曲げられる。これは本発明の原理的な分
解能の限界を与える。
【0011】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例について
説明する。各実施例はX線の場合について示すがγ線及
び中性子線の場合も全く同様に構成できる。
【0012】実施例1 図1は本発明による位相型トモグラフィ装置の一実施例
の構成を示す図である。同図に示すように、位相型トモ
グラフィ装置は、X線源20、ボンゼ・ハート型X線干
渉計1、2次元X線検出器11、シャッタ12、被観察
物体10、信号変換装置31、トモグラフィ信号処理装
置30、制御装置41及び表示装置40とから構成され
ている。上記構成において、トモグラフィ信号処理装置
30は従来使われているトモグラフィ装置のものをその
まま使用した。すなわち、信号変換装置31の出力信号
は、従来のともグラフィ装置で物体の透過像を信号処理
する手続きと同様に処理できるということである。もっ
とも、図1では信号処理の機能を分かりやすくするため
、信号変換装置31、トモグラフィ信号処理装置30お
よび制御装置41を独立したブロックで示したが、実際
の装置では、これらは所定のプログラムを実装したいわ
ゆるマイコンで構成されることは言うまでもない。この
ことは、以下の全ての実施例においても同じである。 なお、同図では2次元X線検出器11がアナライザ5に
密着しているが、以下の全ての実施例において一定距離
(l/cosθ:lはビーム幅、θは入射角)以上であ
れば離れていてもよい。
【0013】ボンゼ・ハート型X線干渉計1はシリコン
完全結晶から切り出した一体の結晶で構成され、十分厚
い土台2と、ビームスプリッタ3、ミラー4、アナライ
ザ5からなっている(図4参照)。結晶の方位は同図に
示すようにx軸方向を<1,0,0>、y軸方向が<1
,1,0>、z軸方向を<1,−1,0>とした。また
、ビームスプリッタ3、ミラー4、及び、アナライザ5
の厚さを1mm、ビームスプリッタ3とミラー4、及び
、ミラー4とアナライザ5の間隔を共に15mmとした
。X線は(2,2,0)面でラウエケースで回折される
【0014】X線源20から予め単色化されたX線6が
ビームスプリッタ3にブラッグの回折条件を満たす角度
θで入射され、透過回折波7と反射回折波8に分離され
る。透過回折波7と反射回折波8はさらにミラー4で回
折され、それぞれ信号波7´および参照波8´となり互
いに重なりあい干渉する。その結果、結晶の(2,2,
0)面の周期d220(約1.9Å)と同じ周期を持ち
、(2,2,0)面に平行な干渉縞9がアナライザ5の
表面上に発生する。信号波7´の伝播路に物体10を設
置した場合、物体10を透過した信号波7´の位相は変
化し、その変化に対応してアナライザ5の表面上の干渉
縞9が変位する。この干渉縞9を調べれば位相のずれを
知ることができるが、縞の間隔が極めて狭いので、直接
観察することはできない。しかし、この干渉縞9がアナ
ライザ5を透過すると干渉縞9とアナライザ5の(2,
2,0)面との重なりあいにより2次元検出器11の位
置でモアレ縞が観察できる。このモアレ縞を2次元X線
検出器11により検出し、電気信号に変換し信号変換装
置31に送り下記に示す原理に基づいて、モアレ縞の画
像を位相のずれを示す画像に変換しトモグラフィ信号処
理装置30の入力信号とする。この信号変換処理を物体
10を物体回転用モータ52により一定角度(例えば1
°)おきに180°回転させながら取得した投影像に対
して行い、トモグラフィ信号処理装置30内で断面像の
再生を行い表示装置40に表示する。なお、物体10の
回転軸を信号波の伝播路にほぼ垂直、かつ、信号波と参
照波を含む面にほぼ平行にしたここで、信号変換装置3
1で行われる信号処理内容を示す。干渉縞9はE(r)
=A(r)exp(ik’・r)+exp(ik・r)
 …………(1)で表される。第1項が信号波、第2項
が参照波を示す。 ここでrは位置ベクトル、kおよびk´はそれぞれ参照
波及び信号波の波数ベクトルである。iは虚数単位であ
る。A(r)は信号波が被観測物体10を透過したこと
による変化分を示す項である。信号波の変化分A(r)
は複素数であり、絶対値が振幅の変化分(吸収)、偏角
が位相の変化分を示す。最終的に得たい情報はA(r)
の偏角であり、この情報を用いて像再生が行われる。な
お、物体の複素屈折率を1−δ−iβで表すと、X線が
物体を通り抜ける距離をLとして、A(r)の絶対値は
exp(−2πβL/λ)、偏角はδL/λである。λ
はX線の波長である。
【0015】干渉縞9がアナライザ5を透過すると、二
次元X線検出器11の位置でモアレ縞が観察される。ア
ナライザ5裏面、或は、二次元X線検出器11入射面を
(y,z)座標で表すと(アナライザ5裏面と二次元X
線検出器11入射面は密着しており、実質的に同一面で
ある。)、モアレ縞の強度分布I(y,z)は、I(y
,z)=W(y)|E(0,y,z)|2  …………
……(2)と表せる。ここで、W(y)はアナライザの
透過率の分布を示す周期関数(周期d220)である。 アナライザ5の表面における信号波の変化分A(r)を
A(0,y,z)=A0(y,z)exp{iΦ(y,
z)} ………(3)のように、振幅A0(y,z)と
偏角、即ち、位相のずれΦ(y,z)で表すと、(2)
式は(1)式を用いて    I(y,z)=W(y)
[{A0(y,z)}2+1+2A0(y,z)cos
{Φ(y,z)+2πy/d220}]  ……(4) と表すことができ、A0(y,z)とW(y)が既知で
あればΦ(y,z)を求めることができる。
【0016】W(y)の関数形は標準試料を用いて決定
できる。物体のX線に対する複素屈折率は反射率や透過
率を調べることにより測定できる。従って、複素屈折率
が予め測定されている実質的に均一な物体をくさび型に
加工し標準試料とするとよい。標準試料のA0m(y,
z)やΦm(y,z)は標準試料の形状から計算により
求められるので、標準試料を信号波7´中に挿入したと
きのIm(y,z)を測定することにより(4)式を用
いてW(y)を求めることができる。添字mは標準試料
に対して得られる値であることを示す。
【0017】次に、物体10が挿入されている状態で参
照波8´を遮断した場合、(1)式において第2項が零
であることに相当するから、(4)式に対応する式はI
´(y,z)=W(y){A0(y,z)}2  ……
…………(5)となるので、標準試料を用いて求めたW
(y)を使ってA0(y,z)を求めることができる。 以上、W(y)とA0(y,z)が求められたので(4
)式よりΦ(y,z)、即ち、位相のずれの分布が得ら
れる。
【0018】図2(a)は上記第1の実施例における物
体の断面像を得る処理手順を示す。まず、アナライザ5
の透過率を示す周期関数W(y)を標準試料を用いて決
定する(ステップ1)。即ち、X線に対する屈折率が予
め測定されている均一な物体を楔形に加工した標準試料
を使用して、モアレ縞の強度分布Im(y,z)を測定
し、その強度分布Im(y,z)、標準試料の計算によ
って求められたA0m(y,z)とΦm(y,z)とか
ら(4)式に基づいてW(y)を求める。被観測物体1
0を設置する(ステップ2)。シャッター12を挿入し
、参照波8´の伝播を遮断し、2次元X線検出器11で
強度分布I´(y,z)を測定する(ステップ3)。シ
ャッター12を退避させ、発生するモアレ縞の強度分布
I(y,z)を2次元X線検出器11で測定する(ステ
ップ4)。上記測定によって得られたデータ、W(y)
、I´(y,z)から(5)式によりA0(y,z)を
求め、W(y)、A0(y,z)及びI(y,z)を用
いて(4)式に基づき、Φ(y,z)を演算によって求
める(ステップ5)。物体10を一定角度(例えば1°
)だけ回転し、上記ステップ3〜5を物体10が180
°回転するまで繰り返し、各回転位置、即ち、各投影方
向におけるΦ(y,z)を求める。上記ステップによっ
て得られたデータΦ(y,z)をトモグラフィ処理装置
30に送り、物体10の断面像を再生し表示装置40に
表示する(ステップ7)。また、従来装置と同様に、物
体10の吸収率分布像を得る場合は、図2(b)に示す
処理手順で行える。ステップ3´で得えられた強度分布
I´(y,z)から直接ステップ7´の処理によって像
再生できる。なお、ステップ7、7´の処理は従来知ら
れているトモグラフィにおける投影像からの像再生法と
同一である。
【0019】制御装置41は操作者があらかじめ与えた
上記のプログラムに従って信号変換装置31、モータ駆
動装置51および53の動作を制御する。このことも、
以下の全ての実施例において同じである。
【0020】実施例2 図3は本発明による位相型トモグラフィ装置の第二の実
施例の要部構成を示す図である。同図に示すように、使
用する干渉計1は実施例1のものと同じである。また、
斜視図を図4に示した。ただし、同図では干渉計1本体
、物体10と位相シフタ19を除く部品は省略した。
【0021】前記(4)式より分かるように、モアレ縞
は位相2πごとに現れるので、モアレ縞の位置、即ち、
強度の極大位置における位相ずれΦ(y,z)は2nπ
(nは整数)であることがA0(y,z)が未知であっ
てもわかる。しかし、最終的には全ての座標(y,z)
における位相ずれΦ(y,z)が必要であるから、モア
レ縞の間の位置における位相ずれΦ(y,z)も知る必
要がある。以下、A0(y,z)を求めずにΦ(y,z
)を求める方法を示す。
【0022】ここでは信号波或は参照波の少なくとも一
方に楔型の位相シフタを挿入した場合を考える。図3で
は、信号波に楔型の位相シフタ19が挿入されている。 この場合、二次元X線検出器が捕らえるモアレ縞は、一
例として、物体が無いときは図5(a)、物体10が挿
入されているときは図5(b)のようなものになる。こ
のように、位相ずれΦ(y,z)は図5(b)の図5(
a)からの変位分として得ることができる。図5(a)
のモアレ縞の間隔をaとして、図5(b)の点Pにおけ
るモアレ縞の変位がf・aとする。上で述べたように、
モアレ縞の間隔は位相ずれ2πに相当するので、変位a
が位相ずれ2πに対応する。従って、点Pにおける位相
ずれは2πfとなる。このやり方で図5(b)中でモア
レ縞が位置する場所での位相ずれΦが求められる。モア
レ縞の間の位置のΦはモアレ縞が位置する場所での位相
ずれΦを用いて補間するか、或は、次に説明する方法で
より詳しく調べることができる。
【0023】図3の楔型位相シフタ19を楔の傾斜方向
に平行移動させる。今、Δtだけ移動させたとする。こ
の時観察されるモアレ縞は、物体が無いときは図5(c
)、物体10が挿入されているときは図5(d)のよう
なものになる。図中の細線は移送シフタ19を移動させ
る前のモアレ縞、即ち、図5(a)及び図5(b)に示
したものと同じである。要するにモアレ縞が移動し、そ
の移動量Δtとなる。従って、図5(d)中の例えばQ
点をモアレ縞が通るようになり、Q点における位相ずれ
Φを知ることができる。このように、Δtを0からaま
で変えることによりΦ(y,z)を詳しく調べることが
できる。以上の作業を物体10を回転させながら繰り返
すことにより断面像を得ることができる。
【0024】図6は断面像再生までの処理手順を示した
ものである。物体10が無い状態で位相シフタ19を一
方の伝播路に挿入してモアレ縞を観察する(ステップ1
1)。被観察物体10を設置する(ステップ12)。モ
アレ縞を観察する(ステップ13)。位相シフタ19を
楔の傾斜方向に移動するかどうかを決める(ステップ1
4)。位相シフタ19を楔の傾斜方向に移動する(ステ
ップ15)。必要な回数だけステップ3、5を繰り返す
。例えば、Δtをa/10として10回繰り返す。上記
ステップによって得られたデータを用いて位相のずれの
分布像Φ(y,z)を演算処理により求める(ステップ
16)。物体10を回転軸13の周りに一定角度(例え
ば1°)だけ回転し、上記ステップ3〜6を物体10が
180°回転するまで繰り返し、各回転位置、即ち、各
投影方向における位相ずれΦ(y,z)を求めるため、
回転が必要かどうか判断する(ステップ17)。上記ス
テップ11−17によって得られた位相ずれΦのデータ
(y,z)をトモグラフィ処理装置30に送り、物体1
0の断面像を再生し、表示装置40に表示する(ステッ
プ18)。
【0025】実施例3 実施例2において、位相シフタを移動させる操作の代わ
りに、アナライザを移動させる方法をここで示す。図7
にアナライザ5が移動可能なように構成された干渉計を
示す。切り込み14が土台2に裏面にまで達するように
形成されており、アナライザ5が回折ベクトル(即ちy
軸)の方向に移動可能となっている。移動の際の駆動は
切り込み14内に挿入された圧電素子15に電圧を印加
して行う。
【0026】アナライザ5が移動する前は、位相ずれΦ
(y,z)=2nπ(nは整数)を満たす座標(y,z
)の位置でモアレ縞が現われる。今、アナライザ5がΔ
yだけ移動したとするとΦ(y,z)=2π(n+Δy
/d220)を満たす位置にモアレ縞が移動する。従っ
て、Δyを0からd220まで変化させたときのモアレ
縞の変位を観察することにより位相ずれΦ(y,z)を
さらに詳しく調べることができる。アナライザ5の変位
Δyをモニタする方法として、例えば、次の二つがある
。 一つは、アナライザ5に鏡16を取り付け、レーザー干
渉計18を用いてΔyを直接測定する方法である。もう
一つは、アナライザ5のX線透過強度を物体10の像か
ら外れている座標位置で計測する方法である。この時の
透過強度はΔyに対して正弦波的に振動し、その周期は
d220である。従って、X線透過強度の変化からΔy
を知ることができる。その他の画像再生操作は実施例2
と同じである。
【0027】
【発明の効果】本発明は、X線やγ線、中性子線などの
位相の変化を測定し、トモグラフィの手法を導入して物
体の屈折率の内部分布像が非破壊的に得られるようにし
たものである。また、一般にX線やγ線、中性子線は物
体を透過したことによる位相変化が吸収より顕著であり
、吸収率を測定する従来のトモグラフィより本発明で示
した位相変化を測定するトモグラフィの方がコントラス
トが強い分布像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の構成を示すブロック図。
【図2】実施例1における信号の処理手順を示すフロー
チャートで(a)は屈折率分布で断面像を得る手順(b
)は吸収率分布で断面像を得る手順を夫々示す。
【図3】実施例2の構成を示すブロック図。
【図4】実施例2の干渉計の部分の構成を模式的に示す
斜視図。
【図5】実施例2で観察されるモアレ縞の例で(a)被
観察物体が無い場合(b)被観察物体がある場合(c)
被観察物体が無く楔を移動させた場合(d)被観察物体
があり楔を移動させた場合を夫々示す。。
【図6】実施例2における信号の処理手順を示すフロー
チャート。
【図7】実施例3の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…ボンゼ・ハート型干渉計、2…干渉計土台部、3…
ビームスプリッタ、4…ミラー、5…アナライザ、6…
入射X線、7…ビームスプリッタによる透過回折波、8
…ビームスプリッタによる反射回折波、7´…波7のミ
ラーによる反射回折波(信号波)、8´…波8のミラー
による反射回折波(参照波)、9…波7´と波8´が立
てる干渉縞、10…被観察物体、11…二次元X線検出
器、12…シャッター、14…切り込み、15…圧電素
子、16…鏡、17…レーザー光、18…レーザー干渉
計、19…位相シフタ、20…X線源、30…トモグラ
フィ信号処理装置、31…信号変換装置、40…表示装
置、41…制御装置、42…圧電素子用電源、50…シ
ャッター駆動用モータ、51…シャッター駆動用モータ
ドライバ、52…物体回転用モータ、53…物体回転用
モータドライバ、54…楔移動用リニアモータ、55…
楔移動用リニアモータドライバ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の異なる方向から物体にエネルギー波
    を照射し、該物体を透過したときに得られる該物体の投
    影像により該物体の断面像を再生する装置において、該
    投影像がエネルギー波が該物体を透過する際に発生する
    エネルギー波の位相のずれの分布に対応したものとして
    与えられることを特徴とする位相型トモグラフィ装置。
  2. 【請求項2】請求項第1項記載の装置において、位相の
    ずれの分布が干渉計を用いることによって得られること
    を特徴とする位相型トモグラフィ装置。
  3. 【請求項3】請求項第1項記載の装置において、エネル
    ギー波としてX線、γ線、或は、中性子線を用いること
    を特徴とする位相型トモグラフィ装置。
  4. 【請求項4】請求項第2項記載の装置において、ボンゼ
    ・ハート型干渉計を用いることを特徴とする位相型トモ
    グラフィ装置。
  5. 【請求項5】請求項第4項記載の装置において、複数の
    異なる方向からの物体の投影像を、エネルギー波源は固
    定し、物体をある特定の回転軸の周りに回転させること
    により取得し、且つ、該回転軸をエネルギー波の進行方
    向にほぼ垂直でボンゼ・ハート型干渉計の信号波と参照
    波とを含む面にほぼ平行になるように選ぶことを特徴と
    する位相型トモグラフィ装置。
  6. 【請求項6】請求項第4項記載の装置において、ボンゼ
    ・ハート型干渉計内で発生する参照波を選択的に遮断す
    る目的のためにシャッタが設置されていることを特徴と
    する位相型トモグラフィ装置。
  7. 【請求項7】請求項第4項記載の装置において、ボンゼ
    ・ハート型干渉計内で発生する信号波、或は、参照波の
    少なくとも一方に位相シフタが挿入されていることを特
    徴とする位相型トモグラフィ装置。
  8. 【請求項8】請求項第7項記載の装置において、位相シ
    フタは楔形に加工され且つ実質的に均質な組成の材料で
    形成されていることを特徴とする位相型トモグラフィ装
    置。
  9. 【請求項9】請求項第4項記載の装置において、ボンゼ
    ・ハート型干渉計の一部であるアナライザが干渉計全体
    に対して相対的に移動可能であることを特徴とする位相
    型トモグラフィ装置。
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