JP2012112914A - X線撮像装置及びx線撮像方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 被写体の密度分布に応じて、非対称結晶の非対称度を変化させることによって、入射X線と回折X線がほぼ比例する角度領域を広げ、回折X線強度が最大値の半分となる低角および高角の入射角度で測定を行う。
【選択図】 図13
Description
また、X線源を試料の周りで高速に回転させ、各角度で取得した試料の投影像から3次元像を計算によって得る方法は、Computed Tomography(CT)と呼ばれ、各種の非破壊観察に不可欠な計測手法になっている。しかし、酸素や炭素などの原子番号の小さい軽元素はX線に対してほぼ透明であり、X線が透過してもその強度はほとんど変化しない。このため、軽元素で主に構成された生体の軟部組織や、有機材料などに対しては感度が低く、高精細に観察することが難しいという問題があった。
この問題の原理的な解決方法として、X線の位相情報を用いた方法が近年注目されている。X線は波長の短い電磁波であり、試料を透過する際に強度の変化に加えて、位相の変化(位相シフト)も同時に生じる。X線のエネルギーが10 keV以上の硬X線領域において、位相シフトを与える散乱断面積は、強度変化を与える散乱断面積に比べて、軽元素に対して3桁以上高いという特徴がある。このため、位相シフトを画像化する「位相コントラストX線イメージング法」は、強度変化を画像化する従来の方法に比べて、感度が非常に高く、低被曝かつ短時間で造影剤等の補助手段を用いることなく、生体の軟部組織等を高精細に観察することが可能になる。
このため、他の方法に比べて汎用性が高く種々のサンプルの観察に適していると考えられ、これまでに、密度差の大きな部位を含んだ乳がんや、膝軟骨の観察に適用され、従来法に比べてより高精細な画像が得られている。
ここで結晶による吸収は無視してあり、またWは、図21に示す〔数3〕で、θBはブラッグ角、χhは電気感受率のh次のフーリエ成分である。
(a)の「2点方式」では、X線のアナライザー結晶への入射角を図2に示したθLとθHに設定して像を取得する。このとき、結晶によって回折されたX線の強度Irは、図21に示す〔数4〕で与えられる。
ここで、Ioは入射X線の強度、Rはアナライザー結晶の反射率である。上記の角度において、Rはθに対してほぼ比例するため、Rは図21に示す〔数5〕の2次のテーラー展開で近似することができ、数4及び数5から、θLとθHにおける回折強度(Il及びIh)は各々
図21に示す〔数6〕および〔数7〕となる。
上式からIoを消去すると、dθは最終的に図21に示す〔数8〕と表すことができる。
ここで、θnはアナライザー結晶の各角度、In(θn)はθnで得られた回折強度である。したがって、位相シフトpの空間的な分布像(位相マップ)は、2点方式と同様に各点のdθ(x,y)を積分することによって求めることができる。
「2点方式」において、密度のダイナミックレンジが狭い原因は、A領域の角度幅が狭いことにある。そこで、本発明では入射X線の平行度(X線のビーム広がり)を人為的に低下させることによって、A領域の幅を広げる。これにより、「2点方式」における高い密度分解能を維持したまま、広いダイナミックレンジを確保することが可能になる。
ここで、bは非対称因子と呼ばれる変数で、図22に示す〔数11〕で定義される。
ここで、θBはブラッグ角、αは回折格子面と結晶表面のなす角度(非対称角)である。したがって、αが大きいほどbは小さく、X線の角度広がりは小さく平行光に近づくことになり、逆にαが小さいほど角度広がりは大きくなる。
そこで、本発明では回折格子面に垂直な軸を回転軸として非対称結晶を回転させる機構を設けることにより、任意のαを選択できるようにする。
したがって、内積の計算から結晶表面と入射X線のなす角度θi’は、図22に示す〔数14〕となる。
回折条件が成り立つための条件(θi=θB)、数14、及び数16から、非対称因子bをα及びβの関数として表すと、図22に示す〔数17〕となる。
ここで、図22に示す〔数19〕で、Hは結晶の厚さである。
裾野の領域で振動が生じているが、基本的な形状は厚い結晶と同じくシルクハット型になっていることがわかる。この結晶について、図5と同様に入射X線の角度広がりを矩形と仮定し、各広がりにおける回折強度曲線を計算した結果を図11に示す。この結果から、入射X線の角度広がりが大きくなるに従って裾野の振動が消え、6.5μrad程度の広がりになると曲線はほぼ三角形で両方のA領域が繋がり、中心部のフラットな領域がなくなってしまうことがわかる。したがって、X線が透過するような薄い結晶であっても、X線が透過しない厚い結晶と同様な取扱いが可能で、入射するX線の角度広がりを変化させることによって、A領域、すなわち密度のダイナミックレンジを調整できることがわかる。
の手順により行う。
Claims (12)
- X線ビームをコリメートする前置結晶と、前置結晶により回折されたX線ビームを被写体に照射する手段と、上記被写体を透過した透過X線ビームを回折するアナライザー結晶と、上記回折されたX線ビームを検出するX線検出器と、上記X線検出器から出力された信号から演算により上記被写体によって生じたX線の屈折角、及び位相シフトをコントラストとする像を得る処理部から構成されるX線撮像装置において、前置結晶の表面と回折格子面が非平行であり、かつ、回折格子面に垂直な軸を回転軸として結晶を回転する機構を有すことを特徴とするX線撮像装置。
- 請求項1記載のX線撮像装置において、前置結晶の回折格子面と表面のなす角度がX線ビームの波長と回折格子面の間隔から計算されるブラッグ角より小さいことを特徴とするX線撮像装置。
- 請求項1記載のX線撮像装置において、X線ビームの光路に対して直交する軸を回転軸として上記試料を回転させ、複数の異なる方向からX線を照射して得られた複数の試料像から上記試料の断面像を再生する手段を備えていることを特徴とするX線撮像装置。
- X線ビームをコリメートする前置結晶と、前置結晶により回折されたX線ビームを被写体に照射する手段と、上記被写体を透過した透過X線ビームの一部を回折する上流アナライザー結晶と、上記回折されたX線ビームを検出するX線検出器1と、上流アナライザー結晶を透過したX線を回折する下流アナライザー結晶と、上記回折されたX線ビームを検出するX線検出器2と、上記X線検出器1及び2から出力された信号から演算により上記被写体によって生じたX線の屈折角、及び位相シフトをコントラストとする像を得る処理部から構成されるX線撮像装置において、前置結晶の表面と回折格子面が非平行であり、かつ、回折格子面に垂直な軸を回転軸として結晶を回転する機構を有すことを特徴とするX線撮像装置。
- 請求項4記載のX線撮像装置において、前置結晶の回折格子面と表面のなす角度がX線ビームの波長と回折格子面の間隔から計算されるブラッグ角より小さいことを特徴とするX線撮像装置。
- 請求項4記載のX線撮像装置において、X線ビームの光路に対して直交する軸を回転軸として上記試料を回転させ、複数の異なる方向からX線を照射して得られた複数の試料像から上記試料の断面像を再生する手段を備えていることを特徴とするX線撮像装置。
- X線ビームを前置結晶によりコリメートし、コリメートされたX線ビームを被写体に照射し、上記被写体を透過した透過X線ビームをアナライザー結晶で回折し、上記回折されたX線ビームをX線検出器で検出し、検出されたX線ビームの像から、演算により上記被写体によって生じたX線の屈折角、及び位相シフトをコントラストとする像を得るX線撮像法において、被写体の密度分布に応じて、前置結晶を回折格子面に垂直な軸を回転軸として回転し、前置結晶の非対称度を調整して上記X線ビーム像を取得することを特徴とするX線撮像方法。
- 請求項7記載のX線撮像方法において、アナライザー結晶に対する透過X線ビームの入射角を回折されたX線ビームの強度が最大値の半分となる二つの角度に順次設定し、各々の角度で得られたX線ビームの像から被写体によって生じた屈折角、及び位相シフトをコントラストとする像を得ることを特徴とするX線撮像方法。
- 請求項7記載のX線撮像方法において、X線ビームの光路に対して直交する軸を回転軸として上記試料を回転させ、複数の異なる方向からX線を照射して得られた複数の試料像から上記試料の断面像を再生することを特徴とするX線撮像方法。
- X線ビームを前置結晶によりコリメートし、コリメートされたX線ビームを被写体に照射し、上記被写体を透過した透過X線ビームの一部を上流アナライザー結晶で回折し、上記回折されたX線ビームをX線検出器1で検出し、上流アナライザー結晶を透過したX線を下流アナライザー結晶で回折し、上記回折されたX線ビームをX線検出器2で検出し、検出されたX線ビームの像から、演算により上記被写体によって生じたX線の屈折角、及び位相シフトをコントラストとする像を得るX線撮像法において、被写体の密度分布に応じて、前置結晶を回折格子面に垂直な軸を回転軸として回転し、前置結晶の非対称度を調整して上記X線ビーム像を取得することを特徴とするX線撮像方法。
- 請求項10記載のX線撮像方法において、上流アナライザー結晶に対する透過X線ビームの入射角が回折されたX線ビームの強度が最大値の半分となる角度で、かつ下流アナライザー結晶に対する透過X線ビームの入射角が回折されたX線ビームの強度が最大値の半分となるもう一方の角度で回折されたX線ビームを検出することを特徴とするX線撮像方法。
- 請求項10記載のX線撮像方法において、X線ビームの光路に対して直交する軸を回転軸として上記試料を回転させ、複数の異なる方向からX線を照射して得られた複数の試料像から上記試料の断面像を再生することを特徴とするX線撮像方法。
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WO2023171612A1 (ja) * | 2022-03-07 | 2023-09-14 | 株式会社リガク | X線回折データ処理装置およびx線分析装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001128960A (ja) * | 1999-11-04 | 2001-05-15 | High Energy Accelerator Research Organization | 微小病変のx線撮影システム |
JP2003010162A (ja) * | 2001-07-04 | 2003-01-14 | Nagata Seiki Co Ltd | 位相コントラストx線撮像装置 |
JP2009008449A (ja) * | 2007-06-26 | 2009-01-15 | Hitachi Ltd | X線撮像装置及びx線撮像方法 |
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