JP5256352B2 - X線撮像装置及びx線撮像方法 - Google Patents

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Description

本発明はX線撮像装置及びX線撮像方法に係わり、特に、物体の内部を非破壊に検査するのに適した屈折コントラスト型のX線撮像装置及び方法に関する。
X線は物質に対する透過能が非常に高く、被写体内部の構造や組成等を非破壊で観察・検査する方法として、医療診断をはじめとして様々な分野で広く利用されている。このうち、X線を発生するX線源とX線を検出するX線フィルムなどの間に被写体を設置し、被写体によって生じたX線の強度の変化を画像化する方法は、吸収コントラスト型X線イメージング、或いは一般にレントゲンという名称で、各種のスクリーニングなどに利用されている。また、X線源を試料の周りで高速に回転させ、各角度で取得した試料の投影像から3次元像を計算によって得る方法は、Computed Tomography(CT)と呼ばれ、各種の非破壊観察に不可欠な計測手法になっている。しかし、酸素や炭素などの原子番号の小さい軽元素はX線に対してほぼ透明であり、X線が透過してもその強度はほとんど変化しない。このため、軽元素で主に構成された生体の軟部組織や、有機材料などに対しては感度が低く、高精細に観察することが難しいという問題があった。
この問題の原理的な解決方法として、X線の位相情報を用いた方法が近年注目されている。X線は波長の短い電磁波であり、試料を透過する際に強度の変化に加えて、位相の変化(位相シフト)も同時に生じる。X線のエネルギーが10 keV以上の硬X線領域において、位相シフトを与える散乱断面積は、強度変化を与える散乱断面積に比べて、軽元素に対して3桁以上高いという特徴がある。このため、位相シフトを画像化する「位相コントラストX線イメージング法」は、強度変化を画像化する従来の方法に比べて、感度が非常に高く、低被曝かつ短時間で造影剤等の補助手段を用いることなく、生体の軟部組織等を高精細に観察することが可能なる。しかし、X線の振動数は極めて高く、直接位相シフトを検出することは現在のところ不可能である。このため、位相シフトを検出可能な強度の変化に変換し、検出する必要がある。これまでに変換方法として、非特許文献1に記載されているように(1)X線干渉計を用いる特許文献1や特許文献2に記載された方法(X線干渉法)、(2)位相シフトの空間微分に比例するX線の屈折角θを利用する特許文献3や特許文献4に記載された方法(屈折コントラスト法、Diffraction enhanced imaging :DEI)、(3)X線のフレネル回折を用いる方法、などが研究・開発されている。
上記方法の原理的な違いは、(1)のX線干渉法が干渉縞の動きから位相シフトを直接検出しているのに対して、他の方法では位相シフトの空間微分を検出していることである。このため、干渉法が最も高感度で、がんと正常組織の無造影での識別や、アルツハイマー病のβアミロイドの可視化などが行われている。一方、屈折コントラスト法などでは、感度は干渉法に比べると若干低下するが、密度のダイナミックレンジが広いという特徴がある。また、屈折コントラスト法では装置構成が単純で、かつ特別な光源を必要としないという特徴がある。このため、他の方法に比べて汎用性が高く種々のサンプルの観察に適していると考えられ、これまでに、密度差の大きな部位を含んだ乳がんや、膝軟骨の観察に適用され、従来法に比べてより高精細な画像が得られている。
次に、本発明に関わる屈折コントラスト法の原理について、図面を参照しながら詳しく説明する。屈折コントラスト法は、X線が試料を透過した際に生じたX線進行方向の「曲がり」、すなわち屈折角X線回折を利用して位相シフトを検出する方法である。図11は、試料と透過したX線の角度と、アナライザー結晶によるX線の回折を示す図である。空間的に密度が不均一な試料をX線が透過すると、X線の伝搬方向(波面)は図11に示すように屈折によってわずかに曲げられる。屈折された角度(屈折角)dθは試料によって生じる位相シフトpの空間的な微分(dp/dx)の関数として、式(1)で与えられる。
Figure 0005256352
ここで、λはX線の波長である。したがって、dθを検出することにより、位相シフトの空間的な微分(dp/dx) を求めることができる。さらに、位相シフトpは試料の密度に比例するため、dp/dx をX方向(図11の紙面に平行な方向)積分することにより密度ρを定量的に求めることができる。
硬X線領域において、屈折角dθは一般に数μrad 程度と非常に小さいために、アナライザー結晶と呼ばれる単結晶から一体で削りだした結晶板のX線回折を利用して検出する。X線回折では、アナライザー結晶に対するX線の入射角θBが式(2)
Figure 0005256352
となる回折条件を数μrad の角度範囲で満たしているときのみ、図11に示すように入射X線がアナライザー結晶によって回折(反射)される。ここで、dは回折に関わる格子面の面間隔である。したがって、X線の伝搬方向にずれがないとき(dθ= 0)、式(2)を満たすように設定しておけば、回折されるX線の強度Iはdθに依存し、dθ=0で最大になり、dθの増加に従って減少し、dθが数μrad でほぼ0 になる。この現象を利用して、回折強度Iの空間的な分布(回折像)からdθ、即ち位相シフトの空間的な微分量をコントラストとする像を、更に積分計算によって位相シフトpの空間的な分布像(位相マップ)を得ることができる。
しかし、1枚の回折像だけでは、サンプルの吸収による強度変化と、dθによる強度変化を区別できず、位相シフトpを定量的に求めることができない。このため、アナライザー結晶をブラッグ角θBの近傍で回転させ、取得した複数の回折像から計算によってdθを求める方法が提案されている。この方法には大きく分けて2種類あり、(a)2つの角度のみで測定を行う「2点方式」(非特許文献2)と、(b)3つ以上の角度で測定を行う「スキャン方式」(特許文献4や非特許文献3など)がある。
上記(a)の「2点方式」では、図12に示すようにブラッグ角θBを挟んだ2つの角度で像を取得する。すなわち、試料の任意の位置Pmにおける屈折角を、ブラッグ角θBを挟んだ2つの角度(θB±ω/2)の回折像から定量的に求める。X線のアナライザー結晶への入射角を、回折強度がピーク値の約半分となる角度(θB±ω/2)に設定したとき、結晶によって回折されたX線の強度Irは、式(3)で与えられる。
Figure 0005256352
ここで、ωはアナライザー結晶の回折角度幅、Ioは入射X線の強度、Rはアナライザー結晶の反射率である。なお、回折強度の「ピーク位置」とは、回折強度の値が大きい角度(図12の回折条件を満たした中央の領域)、換言すると、回折X線強度の最大値及びその近傍の「X線のロッキングカーブが略フラットな中央の領域」を意味している。なお、dθがゼロの時は「ピーク位置」がブラッグ角θBと一致する(以下、同じ)。
上記の角度(θB±ω/2)において、Rは角度に対してほぼ比例するため、Rは式(4)
Figure 0005256352
の2次のテーラー展開で近似することができ、式(3)及び式(4)から、上記角度の低角側(θ=θ-ω/2)と高角側(θH+ω/2)における回折強度(I及びI)は各々、式(5)及び式(6)となる。
Figure 0005256352
Figure 0005256352
上両式からIoを消去すると、dθは最終的に式(7)と表すことができる。
Figure 0005256352
したがって、サンプル上の各点(ピクセル)における屈折角dθ(x,y)は、二つの角度で取得したI及びIの各点について、式(7)の計算を行うことによって求めることができる。また、位相マップは、得られた各ピクセルのdθ(x,y)を図12に示したX軸方向に積分することによって求めることができる。
一方、上記(b)の「スキャン方式」は、図13に示すように、アナライザー結晶をブラッグ角近傍で回折角度幅ω以上に回転させ、取得した複数(通常は3枚以上)の像から計算によって屈折角dθを求める方法である。すなわち、試料の任意の位置Pmにおける屈折角を、複数の回転角度θAの回折像から定量的に求める。図14Aは、屈折コントラスト法における、アナライザー結晶の角度スキャンによる回折X線強度の変化を説明する図、図14Bは、図14Aの各点A〜Cにおける回折X線強度の変化を示す特性図である。アナライザー結晶の回転θA(θ=−0.5秒、0秒、+0.5秒,)に伴って、図14AのA点、B点、C点における回折X線強度は図14Bのように変化するので、A点ではdθ1、B点では0,C点ではdθ2だけ本来のブラッグ角θからオフセットした角度にピークを持つことになる。このため、屈折角dθは回折強度の重心として、式(8)から算出することができる。
Figure 0005256352
ここで、θはアナライザー結晶の各角度、I(θ,x,y)はθで得られた回折強度である。したがって、位相シフトpの空間的な分布像(位相マップ)は、2点方式と同様に各ピクセルでのdθ(x,y)を図13上の紙面と水平な方向に積分することによって求めることができる。
なお、非特許文献4では、(a)の「2点方式」と上記(b)の「スキャン方式」の定量的な比較を行った結果が論じられている。
特開平4−348262号公報 特開平10−248833号公報 WO95/05725号パンフレット 特開平9−187455公報
Phys. Today 53, (2000) P 23 Phys. Med. Biol. 42, (1997) P2015 Jpn. J. Appl. Phys. 44, (2005) P8219 Med. Phys. 35(10), October 2008 P4724-4734
上記に示した屈折コントラスト法の「2点方式」と「スキャン方式」を比較すると、後者は測定する回折像の枚数が多いために、長い測定時間を要するが、アナライザー結晶をスキャンすることで原理的にはいくらでも大きな屈折角を検出することができる。このため、密度のダイナミックレンジが広いという特徴がある。しかし、後述するように角度のスキャン範囲が広くスキャン点の数が多いほど、雑音が増幅されて密度分解能が低下してしまうという問題がある。一方、「2点方式」では「スキャン方式」のような問題がないために密度分解能は高いが、図15に示すように屈折角dθが、回折X線強度とdθが比例する角度領域(図中の灰色で、回折強度がピーク値の半分となる角度(θB±ω/2)近傍(θLとθH))より大きい場合、回折されたX線の強度は屈折角にもはや比例しなくなるため、正常に屈折角度、すなわち位相を求めることができないという問題がある。また、CTのように長時間の測定ではアナライザー結晶の角度がドリフトしてしまい、やはり、屈折角度、すなわち位相を正常に求めることができないという問題があった。
以上をまとめると、「スキャン方式」では密度ダイナミックレンジが広いが密度分解能が低く、一方の「2点方式」では密度分解能は高いがダイナミックレンジが狭くなっていて、密度分解能とダイナミックレンジはトレードオフの関係にあることがわかる。このため、大きな密度差がある領域を含んだ試料を密度分解能良く高精細に観察することはできないという問題があった。これらの問題については、非特許文献4に詳細に述べられている。
本発明の目的は、上記の問題を解消し、観察を可能とするダイナミックレンジが広くかつ密度分解能が高い、屈折コントラスト型のX線撮像装置及びX線撮像方法を提供することにある。
本発明の代表的なものを示せば次の通りである。本発明のX線撮像装置は、X線を試料に照射する手段と、前記試料を透過した前記X線を回折するアナライザー結晶と、回折された前記X線の強度を検出するX線検出器とを備えたX線撮像装置において、前記アナライザー結晶の角度をスキャンして取得した測定対象域における各ピクセルの回折X線強度の情報を解析する解析手段を有し、該解析手段は、前記各ピクセルの回折X線強度の情報に対して、該強度のピーク位置の左右で該回折X線強度の変化率の大きい部分の比重を大きくする重み付けを行い、当該重み付けされた回折X線強度の情報から前記試料による前記X線の屈折角及び位相シフトを算出し、当該試料の屈折角及び位相シフトの空間分布像を得ることを特徴とする。
本発明のX線撮像装置及びX線撮像方法によれば、密度差の大きな領域を含んだ試料でも、広い密度ダイナミックレンジ、かつ高い密度分解能で高精細な観察が可能になる。
角度スキャン点の数と密度分解能の関係を示す図。 本発明の実施例1になるX線撮像装置のシステム構成例を示す図。 本発明の概念を説明する図。 実施例1における測定の手順を示すフロー図。 本発明の実施例2になる、CTによる断面像を取得する測定手順を示すフロー図。 本発明の実施例3の対象となる、回折X線強度の特性に対してアナライザー結晶の角度スキャン時の送り幅が大きい場合の例を示す図。 本発明の実施例3における、屈折角の算出手順を示すフロー図。 本発明の実施例4における、屈折角の算出手順を示すフロー図。 本発明の実施例4の処理の手順を説明する図。 本発明の実施例5における、屈折角の算出手順を示すフロー図。 本発明の実施例5の処理の手順を説明する図。 試料と透過したX線の角度と、アナライザー結晶によるX線の回折を示す図。 従来例の1つである屈折コントラスト法において屈折角を2つの角度の回折像から定量的に求める方法を示す図。 屈折コントラスト法において屈折角を複数の角度の回折像から定量的に求める方法を示す図。 屈折コントラスト法における、アナライザー結晶の角度スキャンによる回折X線強度の変化を説明する図。 図14Aの各点A〜Cにおける回折X線強度の変化を示す特性図。 回折X線強度が屈折角に対して敏感な角度領域を示す特性図。
本発明は、アナライザー結晶の角度をスキャンして取得した回折X線強度情報の一部に重み付けを行い、当該重み付けされた情報から試料によるX線の屈折角及び位相シフトを算出し、当該試料の屈折角及び位相シフトの空間分布像を得ることに特徴がある。すなわち、本発明では、上記「スキャン方式」に着目し、アナライザー結晶の角度スキャンにより得られた各回折X線強度のうち、屈折角の算出に関して有用な情報を持った角度の強度だけに重みをつけて計算することによって密度分解能を向上し、上記課題を解決する。以下、詳細に説明する。
まず、「スキャン方式」の密度分解能が「2点方式」より低い原因は、屈折角dθの算出方法にある。図12や図15に示したように屈折角dθの変化に対して回折強度が敏感に変化するのはブラッグ角θBから回折角度幅ωの半分を加減算した角度であるθLとθHの2つの角度近傍だけである。したがって、これ以外の角度における回折強度には屈折角の算出に関して有用な情報は含まれていない。このため、すべての回折X線強度を計算に組み込んだ場合、屈折角の算出精度を単に劣化させるだけになってしまう。その実例を図1に示す。図1は、発明者が実験により求めた、角度スキャン点の数と密度分解能の関係を示している。すなわち、横軸が「スキャン方式」における角度スキャン点の数Mで、縦軸が「スキャン方式」によって得られたファントム(密度および形状が既知の標準的な試料)の断面像から密度分解能(相対値)を算出した結果である。この結果から、スキャン点の数Mの増加に伴って密度分解能が低下することが分かる。図1中に「従来例」と表示したように、従来の「スキャン方式」におけるスキャン点の数Mは、通常9あるいはそれ以上である。そのため、従来の「スキャン方式」では、本来であれば向上するはずの密度分解能が逆に低下してしまっている。これは、上述したように有用な情報を持たない角度(回折強度曲線の裾野およびピーク中心近傍)の回折X線強度を計算に組み込んでしまっているからである。
以上から、「スキャン方式」において密度分解能を向上させるためには、有用な情報を持った角度、すなわちアナライザー結晶の角度がθLとθH近傍の回折強度だけを計算に用いるようにすればよいことがわかる。しかし、測定によって得られたデータ群からθLとθHに相当する角度を固定し、その角度の回折X線強度を単に抽出して計算に用いたのでは「2点方式」となんら変わるところがなく、上述したようにより大きな屈折角を正常に検出できなくなってしまう。
そこで、本発明では、従来の「スキャン方式」により得られたデータ群について、ピクセルごとにθLとθHに該当する角度の抽出や重み付けを行い、これを用いて屈折角度の計算を行うようにする。これにより、図1中に「本発明」と表示したように、スキャン点の数Mを2、もしくは4ないし6相当とすることができるため、より高い密度分解能で高精細な観察が可能になる。
次に、本発明の基本的な概念について、説明する。本発明では、試料像の測定対象域におけるデータの全てのピクセルP1〜Pnについて、「スキャン方式」により得られたデータ群について、それぞれ、θLとθHに該当する角度、すなわち回折X線強度のピーク位置の左右で強度の変化率の最も大きい位置もしくはその近傍にある情報の抽出を行い、抽出されたこれらの情報の比重を大きくする重み付けを行い、これらの情報を用いて屈折角度dθの計算・抽出を行う。強度の変化率の最も大きい位置は、例えば、強度の差分の最も大きい位置として求められる。ピーク位置の左右でピーク位置における強度の1/2程度となる位置でも良い。あるいは、得られた各ピクセルのX線強度特性におけるブラッグ角θBに対して+ω/2および−ω/2もしくはそれらの近傍として求められる。これらθLとθHの位置(角度)もしくはその近傍(角度)の求め方の詳細は、以下に述べる。
すなわち、屈折角度dθの抽出は、アナライザー結晶の角度がθLとθH近傍のとき、回折強度が大きく変化することを利用して、例えば、以下のように行う。
まず、「スキャン方式」により、アナライザー結晶の各角度θで取得した回折強度I(θ,x,y)について、θに対する差分ΔI(θ,x,y)を式(9)で計算する。
Figure 0005256352
次に、得られた差分ΔIのうち、最大及び最小となる角度θmaxおよびθminを求める。
そして、以上により得られたθmaxおよびθminにおける回折X線強度を「2点方式」の式(7)に代入して、各ピクセルにおける屈折角dθ(x,y)を求める。さらに、位相シフトは屈折角を積分することによって求める。以上により、情報を持った角度の回折強度のみを計算に使用することになるので、「2点方式」と同程度の密度分解能を得ることができる。
なお、アナライザー結晶の角度スキャンにおける送り幅Δθoが大きい場合、図6に示すように、アナライザーの角度がピーク位置の左右のθLやθHから離れ、差分の最小及び最大値の回折X線強度だけを計算に用いたのでは正確に屈折角度を計算できないことがある。この場合は、θmaxおよびθminに加えて、両隣の角度における回折X線強度も計算に使用すればよい。このとき、屈折角dθ(x,y)は式(7)ではなく、「スキャン方式」の式(8)を改良した式(10)を用いて行う。
Figure 0005256352
また、θmaxおよびθminと、差分の2番目に大きな角度θmax2及びθmin2における回折X線強度を使用してもよい。このとき、屈折角dθ(x,y)は式(11)を用いて行う。
Figure 0005256352
また、角度抽出の別の方法として、アナライザー結晶の回折角度幅ωが、結晶の種類やX線のエネルギーに依存した固有の値で、試料によるX線の屈折角とは無関係であることを利用して、以下のように行うこともできる。
(1)「スキャン方式」の測定を行い、式(8)により得られたデータから屈折角θtempを算出する。
(2)使用するアナライザー結晶の種類、回折格子面、及びX線のエネルギーなどからあらかじめ計算により求めた回折角度幅ωの半分の値(ω/2)をθtempから加減算する。
(3)測定を行ったアナライザーの各角度のうち、角度θtemp+ω/2およびθtemp −ω/2近傍にあるθH‘とθL’を抽出する。
以上によって、得られたθH‘とθL’における回折X線強度を「2点方式」である式(7)に代入して、各ピクセルにおける屈折角dθ(x,y)を求める。さらに、位相シフトは屈折角を積分することによって求める。なお、角度スキャンにおける送り幅Δθoが広く、前述した方法と同様に図6のような場合には、θH‘やθL’の近傍にある角度における回折X線強度を用いて式(10)や式(11)に基づいて計算すればよい。
さらに、屈折角の別の算出法として、以下のように回折強度曲線の近似関数に回帰させることによって求めることもできる。
(1)「スキャン方式」により、アナライザーの各角度θにおける回折強度I(θ)の測定を行う。
(2)I(θ)を用いて、回折強度曲線を近似した関数(ガウス、ローレンツ、及びフォークト関数など)の各パラメータを最小2乗法などの回帰計算により求める。
(3)上記(2)で求めた関数の各パラメータから屈折角に相当する値を算出する。(上記の3種類の近似関数であれば、いずれも最大値となる角度)
式(8)からわかるように、「スキャン方式」では屈折角をI(θ)の重心計算から求めている。このため、強度の大きな角度ほど屈折角の算出への影響が大きく、有用な情報を含まないにも関わらず回折強度が大きい角度(図12や図15の回折条件を満たした中央の平らな領域)に大きな重みがかかり密度分解能をより低下させる原因となっている。一方、上記の方法では各角度の屈折角算出への影響は強度に依存せず均等である。このため、より高い精度で屈折角を算出することが可能なる。加えて、式(9)により差分を計算し、その大きさに応じた重みを加えた回折強度のデータを用いて回帰計算を行うことにより、さらに高い精度で屈折角を算出することができる。
以上のいずれかの屈折角の算出方法を用いることにより、「スキャン方式」の広い密度ダイナミックレンジを保持したまま、密度分解能を向上させることができ、密度差の大きな領域を含んだ試料を高精細に観察することが可能になる。
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。なお、以下に示す図において、同じ機能を有する部分には同じ符号を付し、重複する説明は省略した。
本発明の第一の実施例を、図2〜図4により説明する。まず、図2は、本発明で使用するX線撮像装置のシステム構成例を示す図である。図2に示すように、本X線撮像装置は、X線源1、このX線源から放出されたX線ビーム14の幅を広げる非対称結晶2、この非対称結晶2の保持および位置決めをする非対称位置決め機構3、被写体15を保持する被写体ホルダー4、入射X線ビーム14に対して被写体15を位置決めする被写体位置決め機構5、被写体を透過したX線ビーム16を回折する結晶(単結晶)6、結晶ホルダー7、結晶6の角度を調整する結晶ホルダー位置決め機構8、回折されたX線ビーム17の空間的な強度分布像を検出する2次元X線画像検出器9、制御部10、処理部11、表示装置12及び角度設定ユニット13を備えている。非対称結晶2にはシリコンやゲルマニウムなどの単結晶を用いる。処理部11は、制御部10を介して被写体位置決め機構5を制御すると共に、入射する集光X線ビームがブラッグの回折条件をほぼ満たすように、制御部10、角度設定ユニット13を介して結晶ホルダー位置決め機構8を制御しX線ビーム16に対する結晶6の角度を調整する。なお、処理部11は、制御部10や表示装置12と共に、結晶6の角度をスキャンして取得した回折X線強度の情報を解析し、その結果を表示する解析手段を構成する。
すなわち、解析手段は、被写体位置決め機構5や2次元X線画像検出器9等を制御し回折X線像の情報を取得し、取得された回折X線像の情報を処理部11で処理し、この処理の結果得られた画像等を表示装置12に表示する。解析手段の処理部11は、例えば、中央処理部、入出力部と記憶装置、及びネットワークインターフェース等を備えたコンピュータからなる。記憶装置はメモリや外部記憶装置18等により構成され、以下のフローチャートで述べるX線画像の取得、画像解析処理及び表示処理などを行う少なくとも1つのプログラムを保持すると共に、X線画像のデータ、測定パラメータ等をテーブル等に格納する。中央処理部は、マイクロプロセッサを主体に構成され、記憶装置に格納されている上記プログラムを実行する。
2次元X線画像検出器9及び解析手段のコンピュータは、グラフィックコントローラの機能を備えており、2次元X線画像検出器9で取得された2次元画像はn個のピクセル(画素)P1〜Pnに分解され,逐次的に解析手段のコンピュータに送信され、記憶装置に記録される。表示部12ではコンピュータから逐次的に受け取ったn個のピクセル(画素)を組み合わせて1つの画像として画面に表示する。入出力部からのオペレーターの指示により、実行するプログラムや測定条件、検出画像の処理範囲などが選択また設定される。
このX線撮像装置により、X線源1から放射されたX線ビーム14は、非対称結晶2により横方向に拡大され、被写体ホルダー4で保持され、被写体位置決め機構5によって位置決めされた被写体15に照射される。被写体を透過したX線ビーム16は、結晶ホルダー7で保持され、結晶ホルダー位置決め機構8で入射角度を調整されたアナライザー結晶6に入射する。そして、アナライザー結晶によって回折されたX線ビーム17は、2次元画像検出器9で検出される。アナライザー結晶6の角度スキャンや、各角度における回折像の検出、試料の位置決めなどは制御部10で行う。処理部11では、取得した像の各ピクセル位置における屈折角及び位相シフト量を算出する。そして、この算出した量を表示部12で画像化して表示する。なお、上記解析手段は、本発明に必要な機能を実現できるものであれば、上記構成例に限定されないことは言うまでもない。
次に、本発明の基本的な概念を、図3を参照しながら説明する。図3において、(A)は密度差の大きな領域を含んだ試料の像を含む全てのピクセルP1〜Pnの位置関係、(B)〜(F)は、各ピクセルにおけるアナライザー結晶の回転θAと回折強度特性との関係の一例を示している。ここでは、スキャン点の数Mは2とする。図3の例では、ピクセルP1、Pnが背景の一部に相当し、ピクセルP101〜P103が試料像の一部に対応しており、これらの位置関係により、ブラッグ角θBに対するθLとθHの関係が異なっている。すなわち、図3の(B)と(F)では、破線で示した回折X線強度曲線のピーク位置と本来のブラッグ角θBの位置とが一致し屈折角dθがほぼゼロである。一方、(C),(D),(E)では、回折X線強度曲線のピーク位置がブラッグ角θBに対して屈折角dθ(dθ2〜dθ4)だけずれている。
本発明では、図3の(B)〜(F)に示すように、試料像の測定対象域におけるデータの全てのピクセルP1〜Pnについて、「スキャン方式」により、それぞれ、θLとθHに該当する角度、すなわちブラッグ角θBもしくはピーク位置の左右で強度特性の変化率の最も大きい位置もしくはその近傍にある情報の抽出を行い、抽出された情報の比重を大きくする重み付けを行い、これらの情報を用いて屈折角度dθの計算・抽出を行う。本発明では、(C),(E)のように、例えば人体における軟組織中の骨の部分のように、屈折角dθがX線回折の角度幅(ω)よりも大きい部分がある場合でも、正常にそれらの領域の屈折角度すなわち位相を求めることができる。従って、試料内に大きな密度差のある領域があっても、高い密度分解能で高精細な画面を得ることができる。本発明の装置により人体を撮影した場合、従来に比べてX線の被爆量を抑えながら例えば癌組織の有無をより明確に判断できるようになる。
次に、第一の実施例における測定の手順について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。まず、オペレーター等による、試料像の測定対象領域やスキャン角度、スキャン点の数、計算・抽出に使用するアルゴリズム、画像の表示方法など、測定のために必要な各種条件の設定、すなわち初期設定がなされ(S400)、制御部10は設定された条件に基づき測定を開始する(S402)。はじめに、被写体位置決め機構5を用いて、被写体14をX線の光路から退避する(S404)。次に、角度設定ユニット13により、2次元画像検出器9で検出している回折X線像の中心近傍における強度が最大となる角度θcになるようにアナライザー結晶6の角度を調整する(S406)。その後、制御部10および角度設定ユニット13により、アナライザー結晶の角度を上記により調整した角度θcを中心として±0.1mrad程度の範囲で0.001mrad程度の送り幅でスキャンし、各角度における回折像の予備測定を行う(S408)。なお、スキャン範囲、および送り幅は、使用するアナライザー結晶の種類、回折格子面、およびX線のエネルギーに依存して決定する。通常は、スキャン範囲を回折角度幅の5倍程度に、送り幅を回折角度幅の1/10程度に設定すればよい。たとえばシリコン結晶の(220)面の回折、X線のエネルギー15keVにおける回折角度幅は124μmradであるので、スキャン範囲は60μrad、送り幅は1μrad程度となる。
次に、上記のスキャンにより得られた各角度における回折像について、中心近傍の回折強度曲線を求めてθcがスキャン範囲の中心であること、および回折強度が最大値のほぼ半分になる角度(θLとθH)で測定を行っていること、を確認する。中心が一致していなければスキャン開始角度およびスキャン角度幅の調整を行い、θcがスキャン中心となるようにする。また、角度θLとθHで測定していなければ、アナライザー結晶の送り幅およびスキャンの開始点を調整し、低角および高角側の両方で半分となる角度に測定角度がくるようにする(S410)。以上の調整の後に、再度アナライザー結晶の各角度における回折像の測定を行い、背景像となるデータを取得する(S412)。次に、被写体位置決め機構5を用いて、被写体14をX線の光路に設置する(S414)。
そして、制御部10および角度設定ユニット13により、背景データの取得と同じ条件で本測定となる各アナライザー結晶の角度における回折像を取得する(S416)。
以上の測定によって得られた回折像を用いて、処理部11により以下の計算手順により試料像を算出する。はじめに、アナライザー結晶6の各角度θで得られた各回折像I(θ、x、y)について、アナライザー結晶の同じ角度で取得した背景回折像Ibk(θ、x、y)で、除算する(S418)。すなわち式(12)
Figure 0005256352
を計算して、2次元X線画像検出器9の各位置における感度の差や、アナライザー結晶6の回折反射率不均一性によるノイズの影響を除去した規格化した像I'を得る。
次に、オペレーターなどにより指定された測定対象域における全てのピクセルについて、ピクセルごとに以下の計算を行う。すなわち、図3に示したようにして、θLとθHに該当するピークの左右の強度特性の変化率の最も大きい2つの位置の抽出を行い、これら2つの位置の回折強度の情報を用いて屈折角度dθの計算・抽出を行う。
(1)θに関する差分ΔI(θ,x,y)を式(9)により計算する(S420)。
(2)得られた差分ΔIのうち、最大及び最小となる角度θmaxおよびθminを求める(S422)。
(3)θmaxおよびθminにおける回折強度I’から式(7)を用いて試料によって生じたX線の屈折角度dθ(x,y)を求める(S424)。
さらに、得られた屈折角についてX方向に積分を行い、位相シフトp(x,y)の空間的な分布像(位相マップ)を求める(S426)。
以上の手順により得られた試料の像を、オペレーターの指示等により表示部12で表示し(S428)、一連の処理を終了する(S430)。
図2に戻って、本発明の装置では、非対称結晶2にとして、シリコンやゲルマニウムなどの単結晶を用いる。結晶表面と回折面のなす角をαとしたとき、非対称結晶6の回折によりX線の横幅は式(13)に拡大される。
Figure 0005256352
ここで、ブラッグ角θBはX線のエネルギーに依存するために、拡大率はX線のエネルギーによって異なる。従って、観察に必要な視野の大きさに応じて、適当なαの結晶を準備すればよい。
アナライザー結晶6には、非対称結晶と同様にシリコンやゲルマニウムなどの単結晶を用いる。そして回折の格子面は、使用するX線のエネルギー等に基づいて決定する。低次の回折ほど大きな回折X線強度を確保でき、測定時間を短縮できるので、基本的には低次の回折(Si(111)や(220)など)を利用するとよい。ただし、高エネルギーX線の場合、低次ではブラッグ角が小さくなるために調整が難しくなる。この場合は、高次の回折(Si(311)やSi(440)など)を利用すればよい。
一般に単結晶による回折の角度幅は0.01mrad以下と極めて狭いために、非対称結晶2とアナライザー結晶6の角度は、高い精度でその回転を調整する必要がある。また、測定中に結晶が回転ドリフトすると、正確にX線の屈折角を求められなくなってしまうため、回転ドリフトは極力抑える必要がある。そこで、非対称位置決め機構3と結晶ホルダー位置調整機構8として、タンジェンシャルバーを用いた精密ゴニオステージを用いるのが望ましい。この機構を採用することにより、回転位置決め精度を1/100角度秒、ドリフトを1/10角度秒以下と、測定に全く支障がない精度で回転を制御することができる。
X線画像検出器9としては、サチコン管や蛍光体+集光光学系(レンズやオプティカルファイバー)+CCDカメラを組み合わせたものなどを用いるとよい。X線の検出効率が高いため、より短い測定時間で精度の高い測定を行うことができる。
本実施例のX線撮像装置によれば、例えば図3の(C),(E)のように、回折X線強度曲線のピーク位置がブラッグ角θBに対して大きくずれているピクセル(P101=dθ2,P103=dθ4)が存在する場合でも、各ピクセルについてピーク位置の左右の強度特性の変化率の最も大きい2つの角度の抽出を行って「2点方式」のアルゴリズムに基づく処理を行うので、「2点方式」の高い密度分解能が得られる。一方、本実施例のX線撮像装置によれば、2つの角度の抽出を行って処理するので、図1のアナライザーの角度スキャン点の数Mが2の場合に相当し、高い密度分解能が得られる。
このように、本実施例によれば、密度差の大きな領域を含んだ試料を高精細に観察することが可能になる。
次に、本発明の第二の実施例を、図5を用いて説明する。
被写体位置決め機構5として、被写体の2次元的な位置決め(x−z面)の他に、X線ビームに対して被写体を回転させる機能を付加し、被写体の各角度で2次元像を取得するようにすれば、Computed Tomography(CT)の原理により、非破壊で被写体の断面像を取得することができる。この場合、測定は、図5のフローチャートに示したように、以下の手順で行なう。
(1)透過像と同様な手順(図4のフローチャートのS400からS426に相当)により、試料によって生じた屈折角dθの空間的な分布、及び位相マップを求め(S500〜518)、表示部12で表示する(S520)。
(2)試料位置決め機構4に付加された回転機構により、試料15をΔrだけ回転する(S522)。
(3)上記(1)〜(2)を必要なステップ数n(=180°/Δr)だけ繰り返し、被写体の断面の各角度に対する屈折角dθの空間的な分布、及び位相マップを求める(S524、S526、S528)。
の手順により行う。
そして、測定後に、各角度で得られた位相マップから位相プロジェクション像を求め、更に、フィルターバックプロジェクション法などの断面像再構成アルゴリズムにより位相プロジェクション像から位相コントラストの試料断面像を計算で再構成する。計算により得られた位相コントラスト断面像は、例えばオペレーターの指示等により、表示部12で表示する。位相コントラスト断面像の表示(S520)は、オペレーターの指示等により、例えば各角度毎に行う。
以上、本実施例によれば、「スキャン方式」の広い密度ダイナミックレンジを保持したまま密度分解能を向上させることができる。このため、密度差の大きな領域を含んだ試料のCT像を高精細に観察することができる。
また、試料15を回転しながら長時間の測定を行うことに伴いアナライザー結晶の角度がドリフトしてしまう場合でも、「2点方式」の高い密度分解能が得られるので、屈折角度、すなわち位相を正常に求めることができる。
次に、本発明の第三の実施例を、図6、図7を用いて説明する。
実施例1や実施例2において、アナライザー結晶の角度スキャン時の送り幅Δθoが広いと、図6に示すように測定角度(θ1,θ2,θ3,−,θ11,θ12,θ13,−)が最も感度の高い角度(回折強度が最大値の半分となる角度(θLとθH))から外れてしまい、屈折角度を正確に検出できない場合があった。本実施例では、回折強度の差分が最大および最小となる角度、換言すると回折強度が最大値のほぼ半分になる2つの角度(θLとθH)の回折像に加えて、それら(θLとθH)の前後の角度の回折像も計算に組み込むことでより正確に屈折角を検出できる実施例を示す。なお、装置の構成は実施例1や実施例2と同じである。
本実施例における測定および屈折角の算出手順は、処理部において図7に示すように行う。
(1)実施例1と同様の方法により、アナライザー結晶の角度スキャンを行い、各角度における回折像を取得する。また、背景像も同じ方法で取得し、式(12)により規格化する(S700〜S718)。
(2)θに関する差分ΔI(θ,x,y)を式(9)により計算し(S720)、差分が最大及び最小となる角度θmaxおよびθminを求める(S722)。
(3)θmaxとその前後の角度における回折強度、およびθminとその前後の角度における回折強度を用いて、式(10)により、各ピクセルにおける屈折角dθ(x,y)を計算する(S724)。
以上により求めた各ピクセルの屈折角をX方向に積分することによって、試料の位相マップp(x、y)を取得し(S726)、表示部12で表示する(S728)。このようにして、一連の処理を終了する(S730)。
なお、上記の例では式(10)に基づき、θmaxとθminの前後の角度(図6のθ1,θ2,θ3,及びθ11,θ12,θ13)の6点、即ちスキャン点の数M=6で行っているために、密度分解能は「2点方式」に比べて若干低下することになる(図1参照)。そこで、前後の2点ではなく、差分のより大きなどちらか一方のみを用いて、即ち4点(M=4)で計算を行ってもよい。例えば、図6のθ1とθ2,及びθ11とθ12の4点、あるいは、θ2とθ3,及びθ12とθ13の4点を用い、式(11)で演算処理する。
また、差分の大きさではなく、低角と高角の各角度の組み合わせ
(a)(θmaxとθmax+Δθo)と(θminとθmin+Δθo)
(b)(θmaxとθmax+Δθo)と(θminとθmin-Δθo)
(c)(θmaxとθmax-Δθo)と(θminとθmin+Δθo)
(d)(θmaxとθmax-Δθo)と(θminとθmin-Δθo)
のうち、低角と高角の間隔が回折角度幅ωにより近い組み合わせを選択し、これらの角度における回折強度を用いて式(11)により計算を行ってもよい。このようにして、「2点方式」と比較した密度分解能の低下を、ある程度防止できる。
また、被写体15の断面像は、実施例2と同様に、被写体15をX線14に対して回転させ、各回転角度で得られた位相マップからCTの再構成アルゴリズムにより計算で求めることもできる。
以上、本実施例によれば、アナライザー結晶の角度スキャン時における送り幅が広い「スキャン方式」でも、密度差の大きな領域を含んだ試料を高精細に観察することができる。
次に、本発明の第四の実施例を、図8、図9を用いて説明する。
ここでは、アナライザー結晶の回折角度幅ωを用いて、屈折角を算出する実施例を示す。なお、装置の構成、および測定の手順は、実施例1と同じである。
すなわち、実施例1と同様の方法により、アナライザー結晶の角度スキャンを行い、各角度における回折像を取得する。また、背景像も同じ方法で取得し、式(12)により規格化する(S800〜S804)。
アナライザー結晶によるX線回折において、回折が生じる角度幅ωは、式(14)で与えられる。
Figure 0005256352
ここで、χgは使用するアナライザー結晶の電気感受率のg次のフーリエ成分、θBはブラッグ角度であるので、ωは測定条件のみから予め計算により求めることできる。また、ωは試料による屈折角とは独立しているので、このことを利用して処理部11で、図8に示す以下の手順により屈折角を求める。
(1)測定条件から計算により回折角度幅ωを求める(S806)。
(2)測定によって得られたアナライザー結晶の各角度θnにおける回折強度I(θn)から、従来の「スキャン方式」(式(8))を用いて、図9に示すように、各ピクセルにおける仮の屈折角度θtempを計算する(S808)。
(3)上記(2)の計算によって得られた各ピクセルのθtempから、回折角度幅ωの半分に値(ω/2)を加減算し、図9に示すようなθ‘Lとθ’を求める(S810)。
(4)測定を行ったアナライザーの各角度のうち、角度θ‘Lおよびθ’近傍にあるθ‘’Lとθ‘’Hを抽出する(S812)。
(5)得られたθ‘‘Lとθ’’Hにおける回折強度を用いて、「2点方式」における式(7)を用いて、各ピクセルの屈折角度を求める(S814)。
以上により求めた各ピクセルの屈折角をX方向に積分することによって、試料の位相マップを取得し(S816)、表示部12で表示する(S818)。このようにして、一連の処理を終了する(S820)。
なお、角度スキャンの送り幅が広く、図6に示したような場合は、実施例3と同様に、θtemp+ω/2およびθtemp−ω/の近傍の複数の角度における回折強度を用いて式(11)や式(12)に基づいて計算すればよい。
また、被写体15の断面像は、実施例2と同様に、被写体15をX線14に対して回転させ、各回転角度で得られた位相マップからCTの再構成アルゴリズムにより計算で求めることができる。
以上、本実施例によれば、2つの角度θ‘‘Lとθ’’Hの抽出を行って処理するので、「スキャン方式」の広い密度ダイナミックレンジを保持したまま密度分解能を向上させることができる。このため、密度差の大きな領域を含んだ試料を高精細に観察することができる。
次に、本発明の第五の実施例を、図10A、図10Bを用いて説明する。
ここでは、回折強度曲線の近似曲線への回帰計算により屈折角度を算出する実施例を示す。なお、装置の構成、および測定の手順は、実施例1と同じである。
本実施例における屈折角の算出は、処理部11において図10Aに示す以下の手順により行う。すなわち、実施例1と同様の方法により、アナライザー結晶の角度スキャンを行い、各角度における回折像を取得する。また、背景像も同じ方法で取得し、式(12)により規格化する(S1000〜S1006)。
(1)測定によって得られたアナライザー結晶の各角度θnにおける回折強度I(θn,x,y)を用いて、図10Bに示すように、ピクセル毎に最小2乗法により回折強度曲線を近似した関数FAの各パラメータを求める(S1008)。
(2)上記(1)で求めた関数FAの各パラメータから屈折角dθを算出する(S1010)。
以上により求めた各ピクセルの屈折角をX方向に積分することによって、試料の位相マップを取得し(S1012)、表示部12で表示する(S1014)。このようにして、一連の処理を終了する(S1016)。
なお、近似曲線として、ガウス、ローレンツ、あるいはフォークト関数などを用いる。この場合、屈折角は関数が最大となる角度で与えられる。また、使用する近似関数の種類はオペレーターの指示により選択できるようにする。さらに、実施例1に示したように、アナライザーの角度スキャンに伴う回折強度の変化(差分)を計算し、その大きさに応じた重みを加えた回折強度のデータを用いて回帰計算を行ってもよい。このとき重み関数f(θn,x,y)として、たとえば式(15)とすればよい。
Figure 0005256352
ここで、ΔIは式(9)によって求めた差分である。
また、被写体15の断面像は、実施例2と同様に、被写体15をX線14に対して回転させ、各回転角度で得られた位相マップからCTの再構成アルゴリズムにより計算で求めることができる。
以上、本実施例によれば、「スキャン方式」の広い密度ダイナミックレンジを保持したまま密度分解能を向上させることができる。このため、密度差の大きな領域を含んだ試料を高精細に観察することができる。
1:X線源、2:非対称結晶、3:非対称位置決め機構、4:被写体ホルダー被写体位置決め機構、5:被写体位置決め機構、6:アナライザー結晶、7:結晶ホルダー、8:結晶ホルダー位置決め機構、9:2次元X線画像検出器、10:制御部、11:処理部、12:表示装置、13:角度設定ユニット、14:X線、15:被写体、16:透過したX線、17:回折X線、18:外部記憶装置。

Claims (20)

  1. X線を試料に照射する手段と、前記試料を透過した前記X線を回折するアナライザー結晶と、回折された前記X線の強度を検出するX線検出器とを備えたX線撮像装置において、
    前記アナライザー結晶の角度をスキャンして取得した測定対象域における各ピクセルの回折X線強度の情報を解析する解析手段を有し、
    該解析手段は、前記各ピクセルの回折X線強度の情報に対して、該強度のピーク位置の左右で該回折X線強度の変化率の大きい部分の比重を大きくする重み付けを行い、当該重み付けされた回折X線強度の情報から前記試料による前記X線の屈折角及び位相シフトを算出し、当該試料の屈折角及び位相シフトの空間分布像を得る
    ことを特徴とするX線撮像装置。
  2. 請求項1記載のX線撮像装置において、
    前記解析手段は、
    前記測定対象域における全てのピクセルの各々について、前記回折X線強度の情報から前記強度のピーク位置の左右で変化率の最も大きい位置もしくはその近傍にある情報の抽出を行い、該抽出された情報の比重を大きくする重み付けを行う
    ことを特徴とするX線撮像装置。
  3. 請求項2記載のX線撮像装置において、
    前記解析手段は、
    前記測定対象域における全てのピクセルの各々について、前記回折X線強度の情報から該強度のピーク位置の左右で差分の最も大きい位置もしくはその近傍にある情報の抽出を行い、該抽出された情報の比重を大きくする重み付けを行う
    ことを特徴とするX線撮像装置。
  4. 請求項2記載のX線撮像装置において、
    前記解析手段は、
    前記各ピクセルについて、前記回折X線強度の情報から回折強度曲線を近似した関数の各パラメータを回帰計算により求め、該関数の各パラメータから前記回折X線強度の変化率の大きい位置もしくはその近傍にある情報の抽出を行い、該抽出された情報の比重を大きくする重み付けを行う
    ことを特徴とするX線撮像装置。
  5. 請求項1記載のX線撮像装置において、
    前記解析手段は、
    前記アナライザー結晶の角度スキャンに対する前記回折X線強度の変化が最大及び最小となる2つの角度における前記回折X線強度の重みを1、残りの前記回折X線強度の重みを0とし、
    該重み付けに基づく加重平均により前記試料によって生じた前記X線の屈折角を算出し、さらに該屈折角を積分することによって前記位相シフトを算出することを特徴とするX線撮像装置。
  6. 請求項1記載のX線撮像装置において、
    前記解析手段は、
    前記アナライザー結晶の角度スキャンに対する前記回折X線強度の変化が最大及び最小となる角度と該両角度の両隣における前記回折X線強度の重みを1、残りの前記回折X線強度の重みを0とし、
    該重み付けに基づく加重平均により前記試料によって生じたX線の屈折角を算出し、さらに屈折角を積分することによって位相シフトを算出することを特徴とするX線撮像装置。
  7. 請求項1記載のX線撮像装置において、
    前記解析手段は、
    前記アナライザー結晶の角度スキャンに対する前記回折X線強度の変化が最大及び最小となる角度と該両角度の両隣のうち前記強度変化が大きい方の前記回折X線強度の重みを1、残りの前記回折X線強度の重みを0とし、
    該重み付けに基づく加重平均により前記試料によって生じた前記X線の屈折角を算出し、さらに該屈折角を積分することによって前記位相シフトを算出することを特徴とするX線撮像装置。
  8. 請求項1記載のX線撮像装置において、
    前記解析手段は、
    前記アナライザー結晶の各角度θnと各角度における前記回折X線強度I(θn)の積である(θn×I(θn))の和を、前記回折X線強度I(θn)の和で除算した値(θtemp)を求め、
    前記アナライザー結晶の回折格子面及びX線のエネルギーに基づき予め算出した該アナライザー結晶の回折角度幅ωの半分の値を当該θtempに対して加算及び減算して理論低角θLiおよび理論高角θHiを求め、
    前記測定したアナライザー結晶の各角度のうち、当該理論低角θLi及び高角θHiに最も近い角度における回折X線強度の重みを1、残りの回折X線強度の重みを0とし、
    該重み付けに基づく加重平均により前記試料によって生じた前記X線の屈折角を算出し、さらに該屈折角を積分することによって前記位相シフトを算出することを特徴とするX線撮像装置。
  9. 請求項1記載のX線撮像装置において、
    前記解析手段は、
    前記アナライザー結晶の各角度θnと各角度における前記回折X線強度I(θn)の積である(θn×I(θn))の和を、前記回折X線強度I(θn)の和で除算した値(θtemp)を求め、
    前記アナライザー結晶の回折格子面及びX線のエネルギーに基づき予め算出した前記アナライザー結晶の回折角度幅ωの半分の値を当該θtempに対して加算及び減算して理論低角θLiおよび理論高角θHiを求め、
    測定した前記アナライザー結晶の各角度のうち、当該理論低角θLi及び高角θHiに最も近い角度と2番目に近い角度における回折X線強度の重みを1、残りの回折X線強度の重みを0とし、
    該重み付けに基づく加重平均により前記試料によって生じた前記X線の屈折角を算出し、さらに該屈折角を積分することによって前記位相シフトを算出することを特徴とするX線撮像装置。
  10. 請求項1記載のX線撮像装置において、
    前記解析手段は、
    前記アナライザー結晶の各角度における前記回折X線強度を用いて回折強度曲線に近似した関数へ最小2乗法により回帰計算を行い、
    該回帰計算により得られた関数のパラメータから前記試料によって生じた前記X線の屈折角を算出し、
    さらに該屈折角を積分することによって前記位相シフトを算出することを特徴とするX線撮像装置。
  11. 請求項1記載のX線撮像装置において、
    前記解析手段は、
    前記アナライザー結晶の角度スキャンに対する前記回折X線強度の変化の大きさに比例した重み付けを各角度における回折X線強度に行い、
    当該重み付けに基づく強度を用いて回折強度曲線に近似した関数へ最小2乗法により回帰計算を行い、
    該回帰計算により得られた関数のパラメータから前記試料によって生じた前記X線の屈折角を算出し、
    さらに該屈折角を積分することによって前記位相シフトを算出することを特徴とするX線撮像装置。
  12. 請求項1記載のX線撮像装置において、
    前記解析手段は、
    前記アナライザー結晶の角度スキャンに対する前記回折X線強度の変化の大きさに比例した重み付けを各角度における前記回折X線強度に行い、
    該重み付けに基づく強度を用いてガウス関数へ最小2乗法により回帰計算を行い、
    該得られた前記ガウス関数の中心位置から前記試料によって生じた前記X線の屈折角を算出し、
    さらに該屈折角を積分することによって前記位相シフトを算出することを特徴とするX線撮像装置。
  13. 請求項1記載のX線撮像装置において、
    前記解析手段は、
    前記アナライザー結晶の角度スキャンに対する前記回折X線強度の変化の大きさに比例した重み付けを各角度における前記回折X線強度に行い、
    該重み付けに基づく強度を用いてローレンツ関数へ最小2乗法により回帰計算を行い、
    該得られた前記ローレンツ関数の中心位置から前記試料によって生じた前記X線の屈折角を算出し、
    さらに該屈折角を積分することによって前記位相シフトを算出することを特徴とするX線撮像装置。
  14. 請求項1記載のX線撮像装置において、
    前記解析手段は、
    前記アナライザー結晶の角度スキャンに対する前記回折X線強度の変化の大きさに比例した重み付けを各角度における前記回折X線強度に行い、
    該重み付けに基づく強度を用いてフォークト関数へ最小2乗法により回帰計算を行い、
    該得られた前記フォークト関数の最大値から前記試料によって生じた前記X線の屈折角を算出し、
    さらに該屈折角を積分することによって前記位相シフトを算出することを特徴とするX線撮像装置。
  15. 試料を所定角度ごとに回転する回転機構と、X線を前記試料に照射する手段と、前記試料を透過した前記X線を回折するアナライザー結晶と、回折された前記X線の強度を検出するX線検出器とを備え、被写体の断面の各角度に対する前記X線の強度を求めるX線撮像装置において、
    前記アナライザー結晶の角度をスキャンして取得した測定対象域における各ピクセルの前記各所定角度における回折X線強度の情報を解析する解析手段を有し、
    該解析手段は、前記各ピクセルの回折X線強度の情報に対して、該強度のピーク位置の左右で回折X線強度の変化率の大きい部分の比重を大きくする重み付けを行い、
    当該重み付けされた情報から前記試料による前記X線の屈折角及び位相シフトを算出し、
    当該試料の屈折角及び位相シフトの空間分布像を得る
    ことを特徴とするX線撮像装置。
  16. 請求項15記載のX線撮像装置において、
    前記解析手段は、
    前記各ピクセルについて、前記回折X線強度の情報から該強度のピーク位置の左右で変化率の最も大きい位置もしくはその近傍にある情報の抽出を行い、該抽出された情報の比重を大きくする重み付けを行う
    ことを特徴とするX線撮像装置。
  17. 請求項16記載のX線撮像装置において、
    前記解析手段は、
    前記測定対象域における全てのピクセルの各々について、前記回折X線強度の情報から回折強度曲線を近似した関数の各パラメータを回帰計算により求め、該関数の各パラメータから前記回折X線強度の変化率の大きい位置もしくはその近傍にある情報の抽出を行い、該抽出された情報の比重を大きくする重み付けを行う
    ことを特徴とするX線撮像装置。
  18. X線撮像装置を用いたX線撮像方法であって、
    前記X線撮像装置は、X線を試料に照射する手段と、前記試料を透過した前記X線を回折するアナライザー結晶と、回折された前記X線の強度を検出するX線検出器と、前記アナライザー結晶の角度をスキャンして取得した回折X線強度の情報を解析し表示部に表示する解析手段とを備えており、
    前記アナライザー結晶の角度をスキャンして測定対象域における各ピクセルの回折X線強度の情報を取得し、
    前記各ピクセルの回折X線強度の情報に対して、該強度のピーク位置の左右で該回折X線強度の変化率の大きい部分の比重を大きくする重み付けを行い、
    当該重み付けされた情報から前記試料による前記X線の屈折角及び位相シフトを算出し、当該試料の屈折角及び位相シフトの空間分布像を取得し、
    該取得された試料の像を前記表示部に表示する
    ことを特徴とするX線撮像方法。
  19. 請求項18記載のX線撮像方法において、
    前記測定対象域における全てのピクセルの各々について、前記回折X線強度の情報から該強度のピーク位置の左右で変化率の最も大きい位置もしくはその近傍にある情報の抽出を行い、
    該抽出された情報の比重を大きくする重み付けを行う
    ことを特徴とするX線撮像方法。
  20. 請求項18記載のX線撮像方法において、
    前記解析手段は、
    前記測定対象域における全てのピクセルについて、前記回折X線強度の情報から回折強度曲線を近似した関数の各パラメータを回帰計算により求め、該関数の各パラメータから前記回折X線強度の変化率の大きい位置もしくはその近傍にある情報の抽出を行い、
    該抽出された情報の比重を大きくする重み付けを行う
    ことを特徴とするX線撮像方法。
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