JP6797762B2 - 放射線画像生成装置及び放射線画像生成方法 - Google Patents
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線源部から検出部までの経路上に配置された試料と格子群とを透過した放射線についての強度分布画像を用いて、前記試料の異方性を可視化する異方性可視化画像を生成するための装置であって、
画像抽出部と、並進画像処理部と、異方性可視化処理部とを備えており、
前記画像抽出部は、前記経路に交差する方向に延びる並進面に沿って並進しながら、前記並進面に垂直な回転軸を中心として自転している前記試料についての複数の強度分布画像から、前記試料の自転における回転角が同じ複数の強度分布画像の集合を抽出する構成となっており、
前記並進画像処理部は、前記集合に属する前記複数の強度分布画像に基づいて、前記集合ごとに、対応する散乱画像を生成する構成となっており、
前記異方性可視化処理部は、前記集合ごとに生成された前記散乱画像を用いて、前記試料の異方性を表す異方性可視化画像を生成する構成となっている
ことを特徴とする放射線画像生成装置。
前記並進画像処理部は、画素値演算部と、画像演算部とを備えており、
前記画素値演算部は、前記集合に属する前記複数の強度分布画像を用いて、各強度分布画像上の領域(Ak)に前記試料上の点(p,q)が属するかどうかを判定し、かつ、各領域(Ak)に属する前記点(p,q)における各強度分布画像上での画素値を足し合わせることによって、各領域(Ak)における合計画素値(Jk)を求める構成となっており、
前記画像演算部は、前記領域(Ak)における合計画素値(Jk)を用いて、前記散乱画像を生成する構成となっている
項目1に記載の放射線画像生成装置。
さらに領域特定部を備えており、
前記領域特定部は、初期画像演算部と、初期画像判定部と、範囲算出部とを備えており、
前記初期画像演算部は、前記試料なしの状態で、前記線源部と前記格子群と前記検出部との位置関係を少なくとも部分的に変化させながら取得された複数の強度分布画像を用いて、少なくとも微分位相像(φ0)を算出する構成となっており、
前記初期画像判定部は、前記微分位相像における画素値が、前記試料の移動方向において、−π〜+πの値域で連続的に分布しているかどうかを判定する構成となっており、
前記範囲算出部は、前記領域(Ak)を、前記微分位相像における前記画素値が特定の範囲にある画素の集合となるように決める構成となっている
項目2に記載の放射線画像生成装置。
医療用途に用いられている
項目1〜3のいずれか1項に記載の放射線画像生成装置。
食品、工業部品、又は工業製品の検査用途に用いられている
項目1〜3のいずれか1項に記載の放射線画像生成装置。
項目1〜3のいずれか1項に記載の放射線画像生成装置と、前記線源部と、前記格子群と、前記検出部とを備えており、
前記検出部は、前記経路上に配置された前記試料と前記格子群とを透過した前記放射線についての強度分布画像を取得する構成となっている
放射線検査装置。
医療用途に用いられている
項目6に記載の放射線検査装置。
食品、工業部品、又は工業製品の検査用途に用いられている
項目6に記載の放射線検査装置。
線源部から検出部までの経路上に配置された試料と格子群とを透過した放射線についての強度分布画像を用いて、前記試料の異方性を可視化する異方性可視化画像を生成するための方法であって、
前記経路に交差する方向に延びる並進面に沿って並進しながら、前記並進面に垂直な回転軸を中心として自転している前記試料についての複数の強度分布画像から、前記試料の自転における回転角が同じ複数の強度分布画像の集合を抽出するステップと、
前記集合に属する前記複数の強度分布画像に基づいて、前記集合ごとに、対応する散乱画像を生成するステップと、
前記集合ごとに生成された前記散乱画像を用いて、前記試料の異方性を表す異方性可視化画像を生成するステップと
を備えることを特徴とする放射線画像生成方法。
医療用途に用いられている
項目9に記載の放射線画像生成方法。
食品、工業部品、又は工業製品の検査用途に用いられている
項目9に記載の放射線画像生成方法。
項目9に記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
以下、添付の図面を参照しながら、本実施形態に係る放射線検査装置の構成を説明する。この放射線検査装置は、試料(被写体)10(図2参照)として、生体、又は、生体以外の物体のいずれかを対象とするものである。また、この装置は、医療用又は非医療用の用途において用いることができるものである。非医療用の用途としては、例えば、食品、工業部品、あるいは工業製品の検査用途を例示することができるが、これらに制約されるものではない。
本実施形態の放射線検査装置(図1参照)は、線源部1と、格子群2と、検出部3と、回転機構4と、並進機構5と、画像生成部6とを備えている。さらにこの装置は、制御部7と出力部8とを追加的に備えている。
線源部1は、試料10に対する透過性を有する放射線を、格子群2に向けて放射する構成となっている(図2参照)。具体的には、本実施形態では、線源部1として、X線(すなわち放射線)を発生するX線源が用いられている。線源部1としては、例えば、ターゲットに電子線を照射することによってX線を発生するX線源を用いることができる。線源部1の具体的構成は、既存のX線源と同様とすることができるので、これについてのこれ以上詳しい説明は省略する。
格子群2は、この格子群2に向けて照射された放射線が透過可能な1枚又は複数枚の格子を備えている。格子群2は、タルボ干渉計(タルボ・ロー干渉計、ロー干渉計である場合を含む)を構成するために必要な機械的構造及び幾何学的配置についての条件を満たしている。ただし、本実施形態においては、タルボ干渉計を構成する条件は、必要な検査を可能にするために十分な程度に満たされていればよく、数学的に厳密な意味で条件を満足する必要はない。
本実施形態の検出部3は、線源部1から検出部3までの経路上に配置された試料10と格子群2とを透過した放射線11についての強度分布画像を取得できる構成となっている。
回転機構4は、並進機構5における並進面(後述)に垂直な回転軸41(図2参照)を中心として、試料10を自転させる構成となっている。より具体的には、本実施形態の回転機構4は、図2中z方向に延長された回転軸41を中心として少なくとも一方向に回転するターンテーブル構造を備えており、その上面に試料10を載置できるようになっている。ここで、回転軸41とは、試料10の回転中心を示す仮想的な軸であればよく、軸部材が実在する必要はない。
並進機構5は、線源部1から検出部3に向かう放射線の経路に交差する方向(図2においてx方向)に延びる並進面51に沿って、回転機構4と共に試料10を並進させる構成となっている。したがって、並進面51は、図2においてz方向に垂直な面、つまりx−y平面の一部となっている。並進面51は、試料10の並進方向を示すための仮想的なものであってよく、現実にそのような表面が存在する必要はない。
画像生成部6は、画像抽出部61と、並進画像処理部62と、異方性可視化処理部63と、領域特定部64とを備えている(図3参照)。
制御部7は、回転機構4及び並進機構5に駆動信号を送り、かつ、画像生成部6に試料10の並進及び回転についての移動速度情報(指示値又は検出値)を送る構成となっている。
出力部8は、画像生成部6で生成された画像を出力できる構成となっている。出力部8としては、ユーザに画像を呈示できるディスプレイ、画像を一時的又は永続的に保存できるメモリ手段、その他の適宜な装置を用いることができる。出力部8は、ネットワークを介して画像データを他の装置に伝送する構成であってもよい。
以下、本実施形態の放射線検査装置を用いた画像生成方法を説明する。この方法は、大きく分けて、領域特定段階(図6のステップSA−1)と、画像生成段階(図6のステップSA−2)とから構成される。以下、順次説明する。
以下、図7を参照しながら説明する。
まず、この段階は、試料10を用いない状態(試料なしの状態)で行われる。したがって、この段階では、回転機構4及び並進機構5を停止させておくことができる。この状態で、従来の縞走査法を行う。すなわち、格子周期をTとすると、距離T×1/M(Mは3以上の自然数)だけ、格子を順次移動させつつ、X線による撮像を行い、検出部3で、複数の強度分布画像を取得する。この画像は、「線源部1と格子群2と検出部3との位置関係を少なくとも部分的に変化させながら取得された複数の強度分布画像」の一例に相当する。このようにして得られた強度分布画像の例を図8(a)〜(e)に示す。この例ではM=5としている。また、図8の例では、格子の歪みに由来するモアレ縞が生成されている。
ついで、領域特定部64の初期画像演算部641は、取得された複数の強度分布画像を用いて、初期画像として、少なくとも、ラップされた微分位相像φ0(x,y)を算出する(図9参照)。ここで、(x,y)は、検出部3での視野上あるいは画像取込み範囲上の座標を示す。本例の初期画像演算部641は、さらに、吸収像A0(x,y)と、ビジビリティ像V0(x,y)とを算出する。
ついで、領域特定部64の初期画像判定部642は、座標(x,y)の各yにおいて、ラップされた微分位相像φ0(x,y)の値が、試料10の並進方向(図2の例では図中右方向)において、(−π〜+π)の値域で連続的に分布しているかどうかを判定する。つまり、−π〜+πにわたる連続的な位相変化があるかどうかを判定する。この段階では、試料10は実際には使用されていないので、前記並進方向とは、試料10が並進移動すべき方向という意味である。
座標(x,y)の各yにおいて、ラップされた微分位相像φ0(x,y)の値が、試料10の移動方向において、−π〜+πの値域で連続的に分布していない場合は、格子のアライメントを行う。ここで、格子のアライメントとは、格子における何らかの相対的配置状態の変更を意味し、例えば、格子の傾き、格子間の距離、格子の湾曲などが含まれる。アライメントの作業自体については、作業者が手動で行うこともできるし、何らかの自動化手段により自動的に行うこともできる。その後、前記したステップSB−1に戻り、以降のステップを繰り返す。
ステップSB−4での判断がYesであったとき、範囲算出部643は、ラップされた微分位相像φ0(x,y)の値に基づいて領域(Ak)を決める。
ついで、画素数算出部644は、各領域(Ak)における、試料10の並進方向に沿った方向の画素数を算出する構成となっている。すなわち、各yにおいて、x軸方向に沿って数えられる領域Akに属する画素数Nkのテーブルg(y)
g(y) = (N1(y), N2(y), …, Nn(y) )
を作る。
次に、画像生成段階での処理を、図11をさらに参照しながら説明する。
回転機構4の上部に試料10を載置した状態で、回転機構4により、試料10を、回転軸41を中心として自転させる。一方、並進機構5により、回転機構4と共に、自転している試料10を、並進面51に沿って並進させる。
ついで、画像抽出部61は、試料10の自転における回転角が同じ複数の強度分布画像の集合を抽出する。すなわち、図12に示すフレーム画像Ij(x,y)から、Z枚おきに画像を抜き出す。するとそれらは、試料10が同じ方向を向いた時(つまり同じ回転角の時)のフレーム画像の集合となる。一番目のフレームからZ枚おき、二番目のフレームからZ枚おき、のように抽出することにより、Z個の集合を生成できる。これらの集合をIk(x,y,θ)と表記することとする。kは集合ごとにフレームを順序付ける番号であり、k=1,2,…,N/Zである。θはそれぞれの集合における試料10の自転による回転角を表し、θ=mod(j,Z)×2π/Zである。図12は、Z=36とした例を示す。また、図13には、θ=2π×17/20(図13(a)及び(b))とθ=2π/10(図13(e)及び(f))に対応するモアレ動画像のフレームを、2枚ずつ示した。これらの図中においてjはフレーム番号を示す。
図12に示す各集合Ik(x,y,θ)に属するフレーム画像は、回転角θが一定なので、試料10が回転せずに並進のみしている画像として扱うことができる。すなわち、集合単位で、先行文献(前記した特許文献7)に記載の方法を適用できる。
ついで、画像演算部622は、合計画素値(Jk)を用いて、各集合に対応して少なくとも散乱画像V(x,y,θ)を生成することができる。散乱画像の生成方法は例えば前記した非特許文献3と同様でよい。図13には、各回転角θに対応する集合を処理して得られた吸収画像(図13(c)及び(g))と散乱画像(図13(d)及び(h))とを示した。
ついで、異方性可視化処理部63は、得られた回転角ごとの散乱画像を用いて、試料10の異方性を示す異方性可視化画像を生成する。この生成手法としては、前記した非特許文献4と同様でよい。図14には、異方性可視化画像の例として、平均鮮明度画像A(x,y)、異方性画像B(x,y)、および、主方位画像γ(x,y)を生成した例を示す(図14(b)〜(d))。なお、図14(a)は、同じ試料についての吸収画像である。この試料は水用ホース片(半割)であり、補強のためにホース壁に入れられている糸が異方性を示している。
1 線源部
11 放射線(X線)
2 格子群
3 検出部
4 回転機構
41 回転軸
5 並進機構
51 並進面
6 画像生成部
61 画像抽出部
62 並進画像処理部
621 画素値演算部
622 画像演算部
63 異方性可視化処理部
64 領域特定部
641 初期画像演算部
642 初期画像判定部
643 範囲算出部
644 画素数算出部
7 制御部
8 出力部
10 試料
Claims (12)
- 線源部から検出部までの経路上に配置された試料と格子群とを透過した放射線についての強度分布画像を用いて、前記試料の異方性を可視化する異方性可視化画像を生成するための装置であって、
画像抽出部と、並進画像処理部と、異方性可視化処理部とを備えており、
前記画像抽出部は、前記経路に交差する方向に延びる並進面に沿って並進しながら、前記並進面に垂直な回転軸を中心として自転している前記試料についての複数の強度分布画像から、前記試料の自転における回転角が同じ複数の強度分布画像の集合を抽出する構成となっており、
前記並進画像処理部は、前記集合に属する前記複数の強度分布画像に基づいて、前記集合ごとに、対応する散乱画像を生成する構成となっており、
前記異方性可視化処理部は、前記集合ごとに生成された前記散乱画像を用いて、前記試料の異方性を表す異方性可視化画像を生成する構成となっている
ことを特徴とする放射線画像生成装置。 - 前記並進画像処理部は、画素値演算部と、画像演算部とを備えており、
前記画素値演算部は、前記集合に属する前記複数の強度分布画像を用いて、各強度分布画像上の領域(Ak)に前記試料上の点(p,q)が属するかどうかを判定し、かつ、各領域(Ak)に属する前記点(p,q)における各強度分布画像上での画素値を足し合わせることによって、各領域(Ak)における合計画素値(Jk)を求める構成となっており、
前記画像演算部は、前記領域(Ak)における合計画素値(Jk)を用いて、前記散乱画像を生成する構成となっている
請求項1に記載の放射線画像生成装置。 - さらに領域特定部を備えており、
前記領域特定部は、初期画像演算部と、初期画像判定部と、範囲算出部とを備えており、
前記初期画像演算部は、前記試料なしの状態で、前記線源部と前記格子群と前記検出部との位置関係を少なくとも部分的に変化させながら取得された複数の強度分布画像を用いて、少なくとも微分位相像(φ0)を算出する構成となっており、
前記初期画像判定部は、前記微分位相像における画素値が、前記試料の移動方向において、−π〜+πの値域で連続的に分布しているかどうかを判定する構成となっており、
前記範囲算出部は、前記領域(Ak)を、前記微分位相像における前記画素値が特定の範囲にある画素の集合となるように決める構成となっている
請求項2に記載の放射線画像生成装置。 - 医療用途に用いられている
請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線画像生成装置。 - 食品、工業部品、又は工業製品の検査用途に用いられている
請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線画像生成装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線画像生成装置と、前記線源部と、前記格子群と、前記検出部とを備えており、
前記検出部は、前記経路上に配置された前記試料と前記格子群とを透過した前記放射線についての強度分布画像を取得する構成となっている
放射線検査装置。 - 医療用途に用いられている
請求項6に記載の放射線検査装置。 - 食品、工業部品、又は工業製品の検査用途に用いられている
請求項6に記載の放射線検査装置。 - 線源部から検出部までの経路上に配置された試料と格子群とを透過した放射線についての強度分布画像を用いて、前記試料の異方性を可視化する異方性可視化画像を生成するための方法であって、
前記経路に交差する方向に延びる並進面に沿って並進しながら、前記並進面に垂直な回転軸を中心として自転している前記試料についての複数の強度分布画像から、前記試料の自転における回転角が同じ複数の強度分布画像の集合を抽出するステップと、
前記集合に属する前記複数の強度分布画像に基づいて、前記集合ごとに、対応する散乱画像を生成するステップと、
前記集合ごとに生成された前記散乱画像を用いて、前記試料の異方性を表す異方性可視化画像を生成するステップと
を備えることを特徴とする放射線画像生成方法。 - 医療用途に用いられている
請求項9に記載の放射線画像生成方法。 - 食品、工業部品、又は工業製品の検査用途に用いられている
請求項9に記載の放射線画像生成方法。 - 請求項9に記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
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Family Applications (1)
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JP2017144988A Active JP6797762B2 (ja) | 2017-07-27 | 2017-07-27 | 放射線画像生成装置及び放射線画像生成方法 |
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