JP6566839B2 - X線トールボット干渉計及びトールボット干渉計システム - Google Patents

X線トールボット干渉計及びトールボット干渉計システム Download PDF

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Description

本発明は、X線トールボット干渉計及びトールボット干渉計システムに関する。
X線の被検体による吸収を利用した撮像法は医療や工業の諸領域において従来広く利用されている。さらに近年、X線が被検体を透過する際の位相シフトを利用した撮像法が開発されている。特に、X線回折格子を利用した撮像法であるX線トールボット干渉計は広く研究されている。
X線トールボット干渉計は、X線の干渉パターンを形成するビームスプリッター格子と干渉パターンを検出する検出器とを備える。X線トールボット干渉計を用いると、被検体に依る干渉パターンの変化から、吸収像、微分位相像、散乱像の3種の被検体画像を取得することができる。吸収像は、従来の被検体によるX線の吸収を利用したX線撮像により得られる画像と同様のものである。また微分位相像は、被検体によるX線の位相シフトの空間微分値に基づく画像であり、被検体中の諸構造のエッジ部などが特に顕著に描出される画像である。そして散乱像は、被検体における、干渉計の空間分解能を上回るような微細な構造に起因するX線の散乱力の大きさに基づく画像である。尚、微分位相像については、干渉パターンのうち、撮像に利用した周期成分の周期方向に沿って位相シフト分布を微分した結果に相当する情報が得られる。また、散乱像については、干渉パターンのうち、撮像に利用した周期成分により、その周期の長さと周期方向とに特有の散乱に関する情報が得られる。被検体中の微細構造からの散乱は散乱方向に対して構造に固有の分布を持つことから、例えば複数の周期成分を撮像に利用した場合、そのそれぞれを利用して得られる散乱力の情報は、2次元的な散乱力分布に関する独立した情報を持つ。つまり、x方向とy方向の周期成分を利用した場合、x方向の散乱像とy方向の散乱像はそれぞれ独立した情報を持つ。特許文献1には、正方格子を用いてx方向、y方向、x軸と45°の角度で交わる2つの方向(以下、斜め方向と呼ぶことがある)の計4方向における散乱像を取得することが開示されている。
このように、トールボット干渉計により取得される被検体のX線散乱像は、一般には、各位置における2次元的な散乱力分布の情報を部分的に(例えば、x方向における情報の一部だけ)反映したものである。
近年、この散乱の角度分布の情報を利用した、従来よりも高度な散乱像の取得方法が提案されている。例えば非特許文献2には、1次元格子を用い、干渉パターン中の単一周期成分を利用した散乱力測定を、被検体を回転させながら複数回行うことにより、結果的に被検体に対しては複数の方向における散乱力を測定する方法が開示されている。非特許文献2ではさらに、複数の方向における散乱力の測定結果を用いて、散乱の異方性に関する情報を取得した例が開示されている。尚、散乱の異方性に関する情報とは、散乱の異方性の度合い(散乱異方度と呼ぶことがある)や主散乱方向(散乱力が最大となる方向のことをいう)の情報のことを指す。このように、複数の方向における散乱力を測定することにより、散乱に関するより多くの情報(すなわち、散乱の原因となっている被検体中の微細構造に関するより多くの情報)を取得することが可能となる。
I.Zanette et al."Two‐Dimensional X‐Ray Grating Interferometer"Physical Review Letters,Vol.105,248102(2010) T.H.Jensen et al."Directional x‐ray dark‐field imaging"Physics in Medicine and Biology,Vol.55,3317‐3323(2010)
非特許文献2のような1次元格子を用いた方法では一度に測定できる散乱力は1方向における散乱力のみである。一方、散乱の異方性に関する情報を得るためには少なくとも3方向以上の方向における散乱力の情報が必要である。従って、散乱の異方性の情報を得るためには被検体又は格子を光軸周りに回転させながら複数回の撮像を行う必要があった。
一方、非特許文献1で取得される複数の方向における散乱力を用いて、非特許文献2の開示に従って散乱の異方性の情報を取得すると、その異方性の情報は信頼性が低くなることが本発明の発明者によって明らかになった。それは、斜め方向の周期成分は、x,y方向の周期成分に比べて周期が短いため、同一の散乱に対する振幅変化率が変わる(通常は変化が大きくなる)、つまり散乱への感度が変わる(通常は高くなる)ためである。つまり、実際にはx方向と斜め方向とで同じ散乱力の大きさであるにも関わらず、取得される散乱力の大きさが斜め方向の方が大きく計測される場合が発生する。このように、正方格子を用いて非特許文献2のように散乱力の異方性を取得しようとしても、測定方向により散乱感度が異なるため、異方性の情報の信頼性が低いという問題がある。
そこで本発明は、光軸を中心とする格子又は被検体の回転を行わなくとも3方向以上の方向における散乱力が取得可能で、非特許文献1に記載のトールボット干渉計よりも方向毎の散乱感度の差異が小さいトールボット干渉計を提供することを目的とする。
本発明のX線トールボット干渉計の一側面は、X線を回折して六角格子状の干渉パターンを形成するビームスプリッター格子と、前記干渉パターンを検出するX線検出器と、前記X線検出器による検出結果を用いてX線光路中に配置される被検体によるX線散乱に関する情報を算出する演算装置と、を備え、前記演算装置は前記干渉パターンのうちの周期が等しく周期方向が異なる3周期成分の振幅変化を利用して前記X線散乱に関する情報を算出し、前記X線散乱に関する情報は散乱の異方性の度合いの情報と主散乱方向の情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする。
本発明のその他の側面は発明を実施するための形態において説明をする。
本発明によれば、光軸を中心とする格子又は被検体の回転を行わなくとも3方向以上の方向における散乱力が取得可能で、且つ、非特許文献1に記載のトールボット干渉計よりも方向毎の散乱感度の差異が小さいトールボット干渉計を提供することができる。
実施形態のX線撮像システムの模式図。 実施形態における各格子の格子パターン例。 実施形態により得られる干渉パターン例。 散乱強度分布及び2次元変調伝達関数の模式図。 被検体の散乱強度分布の例。
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態のX線トールボット干渉計は、六角格子状の干渉パターンを形成する。これにより、格子又は被検体を、光軸を中心として回転させなくとも、3つの方向における被検体の散乱力を取得することができる。更に、六角格子状の干渉パターンは、3つの方向における周期が等しいため、周期のバラつきに起因する散乱感度のバラつきを軽減することができる。
図1は、本実施形態のX線トールボット干渉計システム100の模式図である。X線トールボット干渉計システム100は、X線源1と、トールボット干渉計10とを備える。トールボット干渉計は、線源格子2と、ビームスプリッター格子3と、アナライザー格子4と、X線検出器5と、演算装置6と、ビームスプリッター格子移動部7とを備える。線源格子2は、X線の遮蔽部と透過部とを有し、微小なX線源のアレイを仮想的に形成する。ビームスプリッター格子は、線源格子2からのX線を回折して干渉パターンを形成する。アナライザー格子4は、X線の遮蔽部と透過部とを有し、干渉パターンの一部を遮蔽してモアレを形成する。X線検出器5は、アナライザー格子4を透過したX線の強度分布を検出するエリアセンサ―である。演算装置6は、X線検出器5による検出結果を用いて被検体による散乱の異方性に関する情報を取得する。ビームスプリッター格子移動部7はビームスプリッター格子を移動させる。以下、各構成について説明をする。尚、図1に示したように、撮像時には、被検体8がビームスプリッター格子3にごく近い上流側の位置に配置される。但し、被検体8はビームスプリッター格子3の下流側に配置しても良い。
X線源1は、X線を発し、線源格子2又はビームスプリッター格子3にX線を照射するものであれば詳細は特に限定されない。具体的には、連続X線を発するものでも、特性X線を発するものでも良い。また、波長としては、一般的には0.1Åから5Å程度から適宜選択される。また、X線源1の下流に、波長選択フィルター、シャッター、絞り等を適宜設けても良い。尚、X線源1はX線トールボット干渉計10と共にX線トールボット干渉計システム100を構成することができる。
線源格子2は、発光点(焦点)サイズが十分に小さくないX線源を利用できるようにするために用いられる振幅変調格子(吸収格子)である。この格子は通常X線源の発光点(焦点)付近に配置され、一定の空間的広がりを持つX線発光点を、その周期構造により多数の微細な発光点に仮想的に分割する働きを担う。個々の仮想発光点はビームスプリッター格子3の作用により生ずる干渉パターンのフリンジビジビリティを維持できる程度に小さく、かつ隣接する仮想発光点の形成する干渉パターン同士がその周期の整数倍だけずれて重畳するような周期で配列する。これにより、実際の発光点サイズが大きい場合には多数の干渉パターンが重畳するにもかかわらず、ビジビリティの高い周期的強度分布を形成することができる。尚、このような原理に基づく線源格子を用いたトールボット干渉計は一般的にトールボット・ロー干渉計と呼ばれ、トールボット・ロー干渉計において多数の干渉パターンが重畳してできる周期的強度分布も干渉パターンと呼ばれる。本実施形態の干渉計10は線源格子2を備えるが、ビームスプリッター格子3により干渉パターンが形成できる程度に発光点が小さいX線源を用いる場合、線源格子2は不要である。
本実施形態の線源格子2の格子のパターンを図2(a)に示す。線源格子2はX線遮蔽部21とX線透過部22から成り、一様なX線遮蔽部21の間に分離したX線透過部22が六角格子状に配列した構造を有している。尚、本明細書ではこのようにX線遮蔽部とX線透過部とにより形成される格子パターンが六角格子(正三角格子)状の周期性を持つような時、当該格子は六角格子状のX線透過率分布を有するなどと表現する。線源格子2のピッチdは図2に示す距離とする。ピッチdは、六角格子パターンを構成するひとつの正三角形の高さに相当する長さである。また、線源格子2のピッチdは、X線透過率パターンを構成する3つの基本波成分の1周期の長さでもある。
尚、X線遮蔽部は入射したX線の全てを遮蔽する必要はなく、線源格子を透過したX線がビームスプリッター格子3により回折されることで干渉パターンが形成されれば良い。概ね、X線遮蔽部に対して垂直に入射したX線の80%が遮蔽されれば良い。一般的に、X線遮蔽部はX線の吸収係数が高い重金属で構成され、X線透過部はX線の吸収係数が低いシリコンや樹脂系材料などの軽元素で構成される材料で構成されるか、空隙である。
ビームスプリッター格子3は、線源格子2からのX線を周期構造により回折し、トールボット効果による微細な干渉パターンをX線の下流の所定の位置に形成する。ビームスプリッター格子3は通常被検体8の付近に配置される。被検体8の存在により、被検体8を透過したX線には被検体によるX線吸収による振幅変化だけでなく位相シフトが発生する。加えて、振幅や位相の分布の空間的に微細な変化による散乱が発生することにより、干渉パターンには被検体の特徴を反映した歪みやビジビリティ(コントラスト)低下などが発生する。この被検体に起因する干渉パターンの変化を計測し、各種の解析を行うことにより、従来のような吸収コントラストのみを利用した撮像よりも多くの情報を取得することが可能となる。尚、格子のX線透過率を高めることでより多くのX線を利用できることから、ビームスプリッター格子には振幅変調格子よりも位相変調格子(位相格子)が用いられることが多い。
本実施形態のビームスプリッター格子3の格子パターンを図2(B)に示す。ビームスプリッター格子3は、X線を回折することで図3に示すような六角格子状の干渉パターンを形成する。尚、六角格子状の干渉パターンのX線強度分布をフーリエ変換して周波数領域で表現すると、原点を中心とする1つの円上に、基本波成分に相当する6つのピークを持つような分布となる。但し、格子の製造誤差などにより、ピークの位置が円上からずれることがある。このようにピークの位置が円上からずれた場合であっても、そのずれが10%以下(ピークと原点との距離が円の半径rの0.9倍以上1.1倍以下)であれば散乱の異方性を取得する性能は大きく低下しない。よって、本発明及び本明細書では、基本波成分に相当する6つのピークと原点との距離が0.9r以上1.1r以下の範囲にある場合、その6つのピークは半径rの円上に存在するものとみなす。但し、rは任意の空間周波数値である。言い換えると、この時これらのピークに対応する周期は等しいとみなす。ピーク位置のずれは、5%以下であること、つまり、6つの基本波成分のピークと原点との距離が0.95r以上1.05r以下の範囲にあることがより好ましい。尚、正方格子状の干渉パターンの場合、斜め方向における周期は、x、y方向における周期の約0.7倍である。
本実施形態のビームスプリッター格子3は位相進行部31と位相遅延部32をと有し、一様な位相進行部31の間に位相遅延部32が六角格子状に配置されたパターンを有している。また、図2(B)中に破線で示した正六角形は、単位位相変調パターン33を示している。ビームスプリッター格子3は正六角形の単位位相変調パターン33が隙間なく敷き詰められたような格子パターンを有している。
ビームスプリッター格子3のピッチdは図2(b)に示す距離とする。ピッチdは、線源格子2のピッチdと同様に、六角格子パターンを構成するひとつの正三角形の高さに相当する長さである。また、ビームスプリッター格子3のピッチdは、ビームスプリッター格子3のパターンを構成する3つの基本波成分の1周期の長さでもある。
位相進行部31は、位相進行部31を透過したX線が位相遅延部32を透過したX線に対して相対的に位相が進行するように構成された領域である。また、ここで示しているビームスプリッター格子のパターンはあくまで一例であり、他にも例えば位相進行部と位相遅延部が反転したパターンなどであっても良い。
透過するX線に位相差を与えるために、位相進行部31と位相遅延部32とは、例えば同じ材料でX線の入射方向に関する厚さを変えることで構成することができる。例えば、シリコン基板の表面を半導体加工技術を用いて微細加工することでそのような構成を実現できる。尚、本明細書では厚さが大きい方を位相進行部、厚さが小さい方を位相遅延部と呼ぶ。また、厚さにより差を付ける代わりに、位相進行部と位相遅延部とを屈折率の異なる材料により構成することもできる。
アナライザー格子4は、干渉パターンが形成される位置に配置され、アナライザー格子と干渉パターンが重なることでモアレが形成される。尚、本発明及び本明細書では、X線検出器5の検出面よりも大きい周期を有するモアレもモアレと呼ぶ。干渉パターンの周期と周期方向が、アナライザー格子の周期と周期方向に正確に一致する場合、モアレの周期は無限大となるが、このようにX線検出器で検出できない程周期が大きいモアレのことも本発明及び本明細書ではモアレと呼ぶ。尚、周期方向は0°から180°の範囲で定義するものとする。
ビームスプリッター格子の形成する干渉パターンは通常数μm程度の周期を持つ微細なパターンであることから、X線検出器によるパターン検出を容易にするため、アナライザー格子が用いられることが多い。アナライザー格子と干渉パターンとの周期と周期方向を近くすることにより、干渉パターンよりも周期の長いモアレを発生させることができ、空間分解能の特別に高くない検出器によっても干渉パターンの情報を取得することが可能となる。また、干渉パターンとアナライザー格子との相対位置を変えることによりモアレを構成する各周期成分の位相をシフトさせることができるため、位相ステッピング法(縞走査法などとも呼ばれる)によるパターンの解析を行うことが可能である。位相ステッピング法の場合、モアレの周期が非常に大きい場合であっても、被検体の細部の構造をモアレ周期に依存しない空間分解能により画像化することができる。尚、アナライザー格子には振幅変調格子(吸収格子)が用いられることが多い。尚、干渉パターンの周期がX線検出器5で検出できる程度に大きい場合(X線検出器の空間分解能が高い場合)は、アナライザー格子4の使用は必須ではない。
本実施形態のアナライザー格子4の格子パターンを図2(c)に示す。アナライザー格子4は、X線の遮蔽部41と透過部42とを有し、線源格子2と同様に六角格子状のX線透過率分布を有する。アナライザー格子4のピッチdは線源格子2と同様に決まっている。遮蔽部41は入射したX線の全てを遮蔽する必要はなく、アナライザー格子4を透過したX線によりモアレが形成されれば良い。概ね、遮蔽部41に対して垂直に入射したX線の80%が遮蔽されれば良い。一般的に、X線遮蔽部はX線の吸収係数が高い重金属で構成され、X線透過部はX線の吸収係数が低いシリコンや樹脂系材料などの軽元素で構成される材料で構成されるか、空隙である。尚、各格子間の距離は、ビームスプリッター格子3の周期構造により回折されたX線がトールボット効果により形成する比較的ビジビリティの高い干渉パターンがアナライザー格子4上において形成されるような位置関係になるよう調整される。
尚、キャピラリプレートと呼ばれる素子をビームスプリッター格子とアナライザー格子のそれぞれとして利用したトールボット干渉計が、A.Momose and S.Kawamoto“X‐ray Talbot Interferometry with Capillary Plates”Japanese Journal of Applied Physics,Vol.45,No.1A,314‐316(2006)に記載されている。この文献によれば、この素子は部分的に六角格子状の格子パターンを有している。しかしながら同じくこの文献によれば、実験に使用されたキャピラリプレートは通常の撮像実験を行うのに十分な格子としての品質は有していない。従って、高い撮像性能を得るためには、例えばトールボット干渉計のために専用に設計及び作製されたような、格子としての品質のより高い素子を用いることが好ましい。つまり、例えば素子の全面にわたり構造の周期と周期方向が揃っているような格子が望ましい。
X線検出器5はアナライザー格子4を透過したX線の2次元的な強度分布を検出することができるエリアセンサ―である。アナライザー格子4を用いない場合は、干渉パターンが形成される位置にX線検出器5の検出面が配置される。アナライザー格子4を用いるか否かに関わらず、X線検出器5は干渉パターンを検出している。尚、アナライザー格子4を用いない場合、そのX線検出器は干渉パターンを直接検出するといい、アナライザー格子4を用いる場合、そのX線検出器は干渉パターンを間接的に検出するというように、両者を区別することがある。
ビームスプリッター格子移動部7は、ビームスプリッター格子3を面内で移動させることができる移動部であり、ピエゾ素子のようなアクチュエータなどで構成することができる。ビームスプリッター格子移動部7がビームスプリッター格子3を面内で移動させることで、位相ステッピング法を行うことができる。尚、位相ステッピング法は干渉パターンとアナライザー格子との相対位置関係を変化させれば行うことができるため、ビームスプリッター格子3を移動させる代わりに、アナライザー格子4又は線源格子2を移動させても良い。
演算装置6は、X線検出器5による検出結果を用いて、X線の光路中に配置される被検体によるX線散乱に関する情報を算出する。詳細は後述するが、X線散乱に関する情報は、被検体による、検出結果に含まれる主として周期成分の振幅変化から算出される。この振幅変化は、検出されるX線強度分布の小領域毎に算出される。つまり、演算装置6は、検出結果に含まれる周期成分の局所的な振幅変化から被検体によるX線散乱に関する情報を取得する。そして、小領域毎に算出された振幅変化、又はその振幅変化から算出されたその他のX線散乱に関する情報を、小領域毎に配列することで、振幅変化又はその他のX線散乱に関する情報の画像が取得できる。つまり、小領域とは例えば、X線散乱に関する情報の画像中の1ピクセルに対応する。
本実施形態の演算装置6は、被検体によるX線散乱に関する情報として、散乱の異方性の度合い(散乱異方度と呼ぶことがある)の情報と主散乱方向の情報との少なくともいずれかを算出する。尚、散乱の異方性の度合いとは、被検体によるX線散乱にどれほど異方性があるのかを示すものであり、散乱の異方性の度合いが低い程、散乱は等方的となる。例えば、散乱異方度が0であるということは、被検体によるX線の散乱力は完全に等方的であること、つまり、被検体のある位置にX線が入射した時、そのX線の入射方向に垂直な面内において、360°全方向に同じ規模でX線の散乱が起こることを示す。また、主散乱方向とは、同じくX線の入射方向に垂直な面内において、散乱力が最大となる方向のことである。X線検出器5による検出結果を用いて散乱異方度の情報と主散乱方向の情報とを算出する方法については後述する。
演算装置6は、CPU(中央演算処理装置)、主記憶装置(RAMなど)、補助記憶装置(HDD、SSDなど)、各種I/Fを有するコンピュータで構成することができる。演算装置が行う各種演算は、補助記憶装置に格納されたプログラムが主記憶装置にロードされ、CPUにより実行されることで実現される。もちろん、この構成はあくまで一例であり、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、補助記憶装置の代わりに、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してプログラムが主記憶装置にロードされても良い。演算装置6は、X線検出器5から検出結果を受信するが、検出結果の受信方法は特に問わず、有線又は無線のネットワークを介しても良いし、各種記憶媒体を介しても良い。また、演算装置6により取得した被検体によるX線の散乱情報は、画像表示装置(不図示)に送信されても良い。画像表示装置としては、プリンターやディスプレイを用いることができる。画像表示装置は、X線トールボット干渉計と共にX線トールボット干渉計システムを構成することができる。画像表示装置には、例えば被検体の散乱力の大きさ等を値で表示しても良いが、取得したX線の散乱に関する値に基づいて作成された画像を表示することが好ましい。画像と値とを表示しても良い。
本実施形態において、被検体を撮像し、得られた検出結果を用いて被検体によるX線散乱に関する情報を算出する方法について説明する。
図3は、本実施形態の干渉計により得られる干渉パターンの例を示している。図2(A)、(B)に示した線源格子とビームスプリッター格子との効果により、アナライザー格子4上に、図3に示したような六角格子状の干渉パターンが形成される。この干渉パターンは、x軸に平行な周期方向を持つ周期成分と、x軸方向から反時計回りにと60°、120°の角度をなす方向に周期方向を持つ2つの周期成分の、合計3つの周期成分により構成されている。尚、これらの周期成分の周期は全て等しく、以下dIPと表される。この時、検出器のある単位検出面積、例えば内蔵する撮像素子のある1つのピクセルにより検出される程度の小領域における干渉パターンのX線強度分布gIP(x,y)は、
Figure 0006566839

と書ける。ここで、aはこの領域における平均X線強度、a1_000、a1_060、a1_120はそれぞれ、x軸方向から反時計回りに0°、60°、120°回転させた方向に沿った周期成分の振幅を表す。xIP、yIPはそれぞれ、xy座標系における干渉パターンの位置を表す。尚、ここでは、対象としている小領域における干渉パターンの平均X線強度や振幅・位相の変化は無視できる程度に小さいと仮定している。尚、周期成分の周期方向とは、その周期成分の位相が位置に対して最も早く変化する方向を指す。
次に、当該のピクセルにおいて検出されるX線強度について考える。尚、本実施形態ではアナライザー格子4の格子ピッチdはdIPに等しく、周期方向も干渉パターンに一致していることにより、干渉パターンとアナライザー格子とが形成するモアレの周期が無限大となる場合を想定している。但し、実際には両者の周期と周期方向とが互いに略一致していれば、モアレの周期は検出器のピクセルサイズに比べて十分大きくなるため、近似的に周期が無限大となる場合と同様とみなすことができる。
本実施形態では、ビームスプリッター格子移動部7によりビームスプリッター格子3を2次元的に走査することによる位相ステッピング法を行うことで、平均X線強度と各周期成分の振幅とを測定し、被検体によるX線散乱に関する情報を取得する。尚、ビームスプリッター格子移動部7の制御及びX線検出器5により取得したX線強度情報を元にした後述の各種計算は、共に演算装置6により行う。この時、当該のピクセルにおいて検出されるX線の強度Iは、
Figure 0006566839

と概ね表せる。ここで、bはアナライザー格子4の平均透過率(透過率分布の平均値)、bはアナライザー格子4の透過率分布を構成する3つの周期成分の振幅(3周期成分は同一振幅とする)を表す。x、yはそれぞれ、ビームスプリッター格子3の走査量がゼロである時のアナライザー格子4に対する干渉パターンのx、y方向に関する位置ずれ量を表す。xST(k,l)、yST(k,l)はそれぞれ、位相ステッピング法の一連の手順のうちのk,lの2整数により表される検出回における、ビームスプリッター格子3の走査による干渉パターンのx,y方向に関する移動量を表す。
本実施形態におけるビームスプリッター格子3の走査について図2(B)を用いて説明する。図2(B)中に示したu,vの2つの軸は、最近接の単位位相変調パターン33の中心同士を結ぶ直線に平行な座標軸である。u軸はx軸を反時計回りに30度回転させた方向に沿った軸であり、v軸はy軸と同じ方向に沿った軸である。言い換えると、v軸はx軸に平行な周期方向と垂直に交わる軸であり、u軸はx軸を時計回りに30度回転させた方向に平行な周期方向と垂直に交わる軸である。つまり、u軸とv軸のそれぞれは、ビームスプリッター格子の3つの周期方向のうち、2つの周期方向と垂直な軸である。尚、u軸とv軸のそれぞれに沿った方向を第1の方向、第2の方向とする。本実施形態では、ビームスプリッター格子3をu軸とv軸に沿って2次元的に走査する。具体的には、u軸の負の方向に向かってu軸に沿った格子の1周期をN等分した格子移動位置と、v軸の負の方向に向かってv軸に沿った格子の1周期をN等分した格子移動位置とにより構成される合計N通りの格子移動位置条件において画像取得を行う。尚、これらの画像取得はどのような順序で行っても良い。
ここでは、N=3の場合の一例について説明する。格子のステッピング動作は下記式(3)(4)のように行う。
Figure 0006566839
Figure 0006566839

尚、ここではxST、ySTにおける第k行第l列の成分がそれぞれxST(k,l)、yST(k,l)を表すものとする。この時、式(2)における各項の係数部はそれぞれ、
Figure 0006566839
Figure 0006566839
Figure 0006566839
Figure 0006566839

により計算できる。尚、式(5)〜(8)はI(k,l)を2次元フーリエ変換することと基本的に等価であるため、FFT等を用いて計算しても良い。尚、ビームスプリッター格子を2次元走査する場合はビームスプリッター格子の3つの周期方向のうち2つの周期方向のそれぞれと略垂直に交わる2つの軸に沿ってビームスプリッター格子を移動させるが、アナライザー格子を2次元走査しても良い。その場合は、アナライザー格子の3つの周期方向のうち2つの周期方向のそれぞれと略垂直に交わる2つの軸に沿ってアナライザー格子を移動させる。尚、本発明及び本明細書において、略垂直とは垂直±5度程度の誤差である。5度程度であれば2次元走査の際の移動方向がずれていても影響が少ない。好ましくは、誤差は±2度の範囲内であり、更に好ましくは±1度の範囲である。
本実施形態では、干渉パターンを構成する3つの周期成分に関する被検体によるビジビリティの変化を測定することにより被検体のX線散乱力を測定する。尚、ビジビリティは、当該周期成分の振幅の平均X線強度に対する比率として定義する。ここで、被検体をX線光路中に設置した状態で各量の計測を行った結果と、被検体を設置せずに計測を行った結果とをそれぞれs、rの添え字により表すとする。この時、干渉パターンを構成する各周期成分に関する規格化ビジビリティV000、V060、V120をそれぞれ、
Figure 0006566839
Figure 0006566839
Figure 0006566839

と定義できる。これらの値は式(5)〜(8)により得られる結果を元に計算可能である。
さらにここで議論を簡単にするため、対象としている小領域において、被検体によるX線散乱は散乱強度分布hSC(x,y)による干渉パターンgIP(x,y)のコンボリューションとして近似できると仮定する。すると、gIPs(x,y)とgIPr(x,y)との関係は、
Figure 0006566839

と書ける。尚ここで*はコンボリューションを表している。この時、ξ、ηをそれぞれx、y方向に関する空間周波数とし、hSC(x,y)の2次元フーリエ変換をHSC(ξ,η)とすれば、畳み込み定理などにより、
Figure 0006566839
Figure 0006566839
Figure 0006566839

の関係がある(但しHSC(0,0)=1と想定している)。このように、規格化ビジビリティV000、V060、V120は、散乱による干渉パターンの変化を表す2次元変調伝達関数|HSC(ξ,η)|のうち、干渉パターンの周期成分の空間周波数座標に相当する6点(独立した情報としては3点)の値を示す。図4(A)(B)はそれぞれ、散乱強度分布hSC(x,y)及び2次元変調伝達関数|HSC(ξ,η)|の例を模式的に表している。図4では、色の濃い部分がそれぞれの関数の値が大きいことを示している。また、図4(B)中に示した6つの点は、V000、V060、V120の測定により値を得ることのできる6つの周波数座標を示している。このように、六角格子パターンを構成する3つの周期成分に関するビジビリティを測定することで、散乱の特徴を表現する変調伝達関数に関して、半径1/dIPの円周上において60°間隔で6点(独立した情報としては3点)の値を取得することが可能となる。
ここで、x軸方向に対する反時計回りの角度θに対する散乱力S(θ)を、
Figure 0006566839

と定義すると、V000、V060、V120の測定結果を元に、S(0°)、S(60°)、S(120°)を、
Figure 0006566839
Figure 0006566839
Figure 0006566839

と算出できる。
ここで、S(θ)がθに対して周期180°の正弦波状に変化すると仮定すると、
Figure 0006566839

と表現できる。この時、右辺の中の各変数については、Smeanが全方向に関する平均散乱力、Vが散乱の異方性の度合い(散乱異方度)、θが主散乱方向をそれぞれ表しているとみなせる。Smeanの値はS000、S060、S120を元に、
Figure 0006566839

と計算でき、散乱の異方性の度合いVと主散乱方向θとは、
Figure 0006566839
Figure 0006566839

と計算できる。
以上のように、六角格子系のトールボット干渉計を用い、干渉パターンを構成する3つの周期成分の振幅変化と平均X線強度変化を測定することにより、異方性を持つX線散乱に関する情報を取得することができる。また、本説明に用いた解析方法の例からも明らかなように、散乱力の方向依存性を表すS(θ)に関して最も単純なモデルを採用した場合でも、その特徴を表現するためには平均散乱力Smean、散乱異方度V、主散乱方向θという3つの変数が必要となる。言い換えると、異方性散乱に関する情報を得るためには少なくとも3方向に関する散乱力を測定する必要があり、例えば直交する2方向に関する散乱力の測定結果のみからでは、異方性散乱に関して信頼性の高い情報を得ることはできない。例えば、干渉パターン、アナライザー格子が共に正方格子状のパターンを有する正方格子系のトールボット干渉計を用いて、x方向における散乱力とy方向における散乱力を取得した結果、x方向とy方向とで散乱力が同じ値であった場合を考える。このときの散乱強度分布hSC(x,y)は図5(A)のように、異方性を有さない場合もあるし、図5(B)のように、x、y方向に45度で交わる方向に最大散乱力を有するように異方性を有する場合もある。しかしながら、2方向における散乱力を取得しただけでは、被検体によるX線散乱の異方性の度合いの情報も、主散乱方向の情報も正確には取得できない。
本実施形態では、3方向に関する散乱力を取得することができ、且つ、その3方向において干渉パターンの周期が略同一であることから、正方格子系のトールボット干渉計を用いるよりも信頼性が高い異方性散乱の情報を取得することができる。
また、本実施形態では位相ステッピング法を用いて各方向に関する散乱力を取得する場合について説明したが、散乱力の取得法は位相ステッピング法を用いたものに限らない。これ以外の手法として例えば、M.Takeda et al.“Fourier‐transform method of fringe‐pattern analysis for computer‐based topography and interferometry”J.Opt.Soc.Am.,Vol.72,No.1,156‐160(1982)に詳細が記載されているフーリエ変換法等を用いても良い。フーリエ変換法を用いることにより、1回の撮像のみからでも3方向に関する散乱力を測定することが可能である。この場合、ビームスプリッター格子移動部7は不要である。
また、六角格子系のトールボット干渉計では搬送波となるモアレパターン中の3周期成分の周期が等しくなることから、一般的な、等方的な変調伝達関数を有するX線検出器との親和性が正方格子系に比べてより高いと言える。
また、一連の過程により取得される、異方性散乱の特徴を表す平均散乱力Smean、散乱異方度V、主散乱方向θの3値の空間分布を1枚の画像で表現するため、カラー画像情報への変換を行い、画像の表示・記録等を行っても良い。カラー画像情報への変換方法の例は非特許文献2などに記載されているが、例えば、HSV色空間における色相、彩度、明度に対して主散乱方向θ、散乱異方度V、平均散乱力Smeanの取得値をそれぞれ対応させる等の方法により行うことが可能である。
実施例1は上述の実施形態の具体的な実施例である。実施例1のトールボット干渉計10はX線源1として、タングステン陽極を有するX線管を備える。X線管は管電圧やフィルター種による調整により、25keV付近の光子エネルギーを中心に一定の幅を有するエネルギースペクトルを持つX線を発生させる。また、本実施例におけるトールボット干渉計の光学系は、波長0.05nmのX線(光子エネルギーは約25keV)の使用を特に想定して設計されている。線源格子2、ビームスプリッター格子3、アナライザー格子4の格子パターンは図2に示した通りである。線源格子2とアナライザー格子4のX線遮蔽部は、厚さ100μmの金であり、X線透過部は開口である。ビームスプリッター格子3の材料はシリコンであり、位相遅延部の基板厚が位相進行部に比べて32μm薄いことにより、波長0.05nmの透過X線の位相を相対的にπ遅延させる。X線検出器はピクセルサイズ50μmのフラットパネル検出器であり、入射するX線の2次元的な強度分布を測定する。
線源格子、ビームスプリッター格子、アナライザー格子の格子ピッチd、d、dはそれぞれ12μm、4μm、6μmである。また、線源格子‐ビームスプリッター格子間距離、ビームスプリッター格子‐アナライザー格子間距離はそれぞれ960mm、480mmである。この時、干渉パターンの周期成分の周期dIPは6μmである。
干渉計はビームスプリッター格子移動部としてアクチュエータによる格子移動機構を備え、実施形態において記述したような位相ステッピング法により、干渉パターンの周期方向に相当する3方向に関する被検体の散乱力を測定する。被検体を光路中に設置した状態と設置していない状態において一連の測定を行い、得られた結果を元に前述の計算を行うことにより、異方性散乱の特徴を表す平均散乱力、散乱異方度、主散乱方向の3つの量を算出する。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
3 ビームスプリッター格子
5 X線検出器
6 演算装置

Claims (12)

  1. X線を回折して六角格子状の干渉パターンを形成するビームスプリッター格子と、
    前記干渉パターンを検出するX線検出器と、
    前記X線検出器による検出結果を用いてX線光路中に配置される被検体によるX線散乱に関する情報を算出する演算装置と、を備え、
    前記演算装置は前記干渉パターンのうちの周期が等しく周期方向が異なる3周期成分の振幅変化を利用して前記X線散乱に関する情報を算出し、
    前記X線散乱に関する情報は散乱の異方性の度合いの情報と主散乱方向の情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とするX線トールボット干渉計。
  2. 前記干渉パターンの一部を遮蔽するアナライザー格子を備え、
    前記アナライザー格子は六角格子状のX線透過率分布を有し、前記X線検出器は前記アナライザー格子からのX線を検出することを特徴とする請求項1に記載のX線トールボット干渉計。
  3. 前記ビームスプリッター格子にX線を照射するX線源と前記ビームスプリッター格子との間にX線の一部を遮蔽する線源格子を備え、
    前記線源格子は六角格子状のX線透過率分布を有することを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載のX線トールボット干渉計。
  4. 前記3周期成分は周期方向が60°ずつ異なる3周期成分であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のX線トールボット干渉計。
  5. 前記ビームスプリッター格子は位相変調格子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のX線トールボット干渉計。
  6. 前記位相変調格子は正六角形の単位位相変調パターンが敷き詰められたような格子パターンを有し、前記単位位相変調パターンは位相進行部と位相遅延部とにより構成されることを特徴とする請求項5に記載のX線トールボット干渉計。
  7. 前記演算装置は、前記線源格子、前記ビームスプリッター格子、前記アナライザー格子のうちの少なくとも一つの格子を第1の方向と第2の方向とに沿って走査しながら取得した複数のX線強度分布を元にした所定の演算により前記周期成分の振幅変化を算出し、
    前記第1の方向及び前記第2の方向のそれぞれは、走査する格子の格子パターンの周期方向に略垂直な方向であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のX線トールボット干渉計。
  8. 前記演算装置は、
    前記X線検出器により検出した前記干渉パターンの局所的なX線の強度分布から前記周期成分の振幅変化を算出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のX線トールボット干渉計。
  9. 前記演算装置は、
    前記X線検出器により検出した、前記干渉パターンと前記アナライザー格子との重畳により形成されるモアレパターンの局所的なX線の強度分布から前記周期成分の振幅変化を算出することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のX線トールボット干渉計。
  10. 前記演算装置はX線散乱に関する情報として前記主散乱方向、前記散乱の異方性の度合い、さらに全方向に関する散乱力の平均値である平均散乱力の3値を算出し、これらの値の空間分布を元にカラー画像情報を算出し、前記カラー画像情報は前記主散乱方向を色相、前記散乱の異方性の度合いを彩度、前記平均散乱力を明度により表現したものであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のX線トールボット干渉計。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のX線トールボット干渉計と、前記演算装置が取得した前記X線散乱に関する情報を表示する画像表示装置を備えることを特徴とするX線トールボット干渉計システム。
  12. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のX線トールボット干渉計と、前記ビームスプリッター格子にX線を照射するX線源とを備えることを特徴とするX線トールボット干渉計システム。
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