JP2003021577A - 屈折率分布測定方法および装置 - Google Patents

屈折率分布測定方法および装置

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JP2003021577A
JP2003021577A JP2001208620A JP2001208620A JP2003021577A JP 2003021577 A JP2003021577 A JP 2003021577A JP 2001208620 A JP2001208620 A JP 2001208620A JP 2001208620 A JP2001208620 A JP 2001208620A JP 2003021577 A JP2003021577 A JP 2003021577A
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Hiroyuki Suhara
浩之 須原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸対称の屈折率分布を有する光学系におけ
る屈折率分布を非破壊的に且つ高精度に計測する。 【解決手段】 内側のコア部の屈折率がn1そして外
側のクラッド部の屈折率がn2の光ファイバからなる該
被検体41の外側のクラッド部と略一致する屈折率n2
を有するマッチング液43で被検体41の周囲を覆う。
マッチング液43は、被検体41を収容するマッチング
セル42内に充填され、マッチングセル42には計測波
を入射させてマッチング液43を介して被検体41に照
射するための入射窓44および被検体41を透過した計
測波をマッチング液43を介して外部に射出させるため
の射出窓45が設けられる。入射窓44の手前、および
射出窓45の後方にそれぞれ第1の集光光学系としての
第1の集光レンズ40、および第2の集光光学系として
の第2の集光レンズ46を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ等の光学素
子の屈折率分布を測定する技術に関し、特にプラスチッ
ク光ファイバ(GI−POF)あるいは屈折率分布型レ
ンズ、いわゆるGRINレンズ、などのように軸線(通
常は光軸)に対して軸対称となる屈折率分布を有する測
定対象物、すなわち被検体の測定に好適な屈折率分布測
定方法およびそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ、特に、プラスチック光ファ
イバ、およびGRINレンズのように設計上屈折率差を
有する光学系の屈折率分布を高精度に測定するための従
来技術としては、最小偏角法などにより偏角を計測して
屈折率を求める方法と、干渉計を構成して透過波面を計
測し、屈折率分布を求める方法とが知られている。しか
しながら、いずれの方法も基本的に計測対象物、つまり
被検体を所定の形状とするなど被検体自体に加工を施す
必要があり、事実上、測定対象の光学素子を破壊しなけ
ればならなくなる。これに対して、特開平8−1222
10号公報、特開平8−201221号公報および特開
平11−044641号公報等には、光ファイバまたは
GRINレンズ等の光学系をマッチング液に浸して屈折
率分布を測定することが示されており、これらは被検体
である測定対象の光学素子をマッチング液に浸すことに
より、かならずしも破壊的でない被検体の測定を可能と
することを示している。なお、上記特開平8−1222
10号公報には、同一光源からの光を、参照波と計測波
とに分割し、これら参照波と計測波とによる二光束干渉
計により形成される干渉縞像を解析して、屈折率分布を
求める光学素子の屈折率分布の測定方法および装置が開
示されている。
【0003】また、上記特開平8−201221号公報
には、光路径を断続的に変化させて出射光の光パターン
を観測し、最適な光路径における偏角、つまり屈折角を
求めて屈折率分布を計測する屈折率分布の測定方法およ
び測定装置が開示されている。この特開平8−2012
21号公報に示された方法は、先に述べた偏角を計測し
て屈折率分布を求める方法を採用しており、屈折角の高
精度な測定をあまり期待することができない。そして、
上記特開平11−044641号公報には、光源からの
可干渉光を、参照波と計測波とに分割し、計測波をマッ
チング液に浸したGRINレンズを含む被検体に透過さ
せて、これら参照波と計測波とによる二光束干渉計によ
り形成される干渉縞像を解析して透過波面を求め、基準
となる透過波面と、被検体の設計値から求めた光軸方向
の厚さとから、任意の測定断面についての屈折率差を求
めて、屈折率分布を得る屈折率分布の測定法および装置
が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、特開
平8−122210号公報および特開平11−0446
41号公報等には、光ファイバまたはGRINレンズ等
の光学系をマッチング液に浸して屈折率分布を測定する
ことが示されているが、計測波はほぼ平行光のまま被検
体を透過しており、高精度化には限界がある。すなわ
ち、図10に示されるように、例えばコア部の屈折率n
1およびその周囲を覆うクラッド部の屈折率n2の光フ
ァイバからなる被検体1が、マッチングセル2中に収容
された屈折率n2のマッチング液3内に配置され、該被
検体1の軸に垂直の方向からマッチングセル2の入射窓
4に計測波が入射し、マッチング液3および被検体1を
透過して、マッチングセル2の射出窓5から射出され
る。被検体1である光ファイバの外側部分であるクラッ
ド部とほぼ一致する屈折率n2のマッチング液3で被検
体1の光ファイバの周囲を覆って、被検体1の表面での
反射の影響を抑制しており、被検体1に対して平行光を
照射する構成となっている。なお、マッチングセル2の
入射窓4および射出窓5は、光学ガラス等の透明材料に
より、オプティカルフラット、すなわち光学平面に形成
されている。この構成は、屈折率差が小さな被検体ある
いは、設計上均質な被検体に対しては有効であるが、屈
折率差が大きくなると、屈曲の影響を考慮する必要があ
る。
【0005】また、上記特開平8−201221号公報
では、光ファイバをマッチング液に浸して屈折率分布を
測定しており、計測光を集光して光ファイバに入射させ
ることが示されているが、この方式は屈折角を測定する
方式を採用しており、原理的に高精度測定には限界があ
る。本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、
プラスチック光ファイバおよびGRINレンズ等のよう
に軸対称の屈折率分布を有する光学系における屈折率分
布を非破壊的に且つ高精度に計測することを可能とする
屈折率分布測定方法および装置を提供することを目的と
している。本発明の請求項1の目的は、特に、屈折率分
布が軸対称をなす光学系における屈折率分布を非破壊的
に且つ高精度に計測することを可能とする屈折率分布測
定方法を提供することにある。また、本発明の請求項2
の目的は、特に、コモンパス率が高く高精度に安定した
測定をすることが可能なフィゾー型干渉方式を用いるこ
とを可能とする屈折率分布測定方法を提供することにあ
る。
【0006】本発明の請求項3の目的は、特に、光学素
子の波面収差および外乱の影響を受けにくいコモンパス
干渉方式を用いることを可能とする屈折率分布測定方法
を提供することにある。本発明の請求項4の目的は、特
に、入・射出窓を曲面形状とすることにより、高精度測
定を行うことを可能とする屈折率分布測定方法を提供す
ることにある。本発明の請求項5の目的は、特に、入・
射出窓を基準参照面とすることにより、部品点数を少な
くすることができ、高精度測定を行うことを可能とする
屈折率分布測定方法を提供することにある。本発明の請
求項6の目的は、特に、被検物の全周方向を効率よく測
定することが可能である屈折率分布測定方法を提供する
ことにある。さらに、本発明の請求項7の目的は、特
に、屈折率分布が軸対称をなす光学系における屈折率分
布を非破壊的に且つ高精度に計測することを可能とする
屈折率分布測定装置を提供することにある。本発明の請
求項8の目的は、特に、コモンパス率が高く高精度に安
定した測定をすることが可能なフィゾー型干渉方式を用
いることを可能とする屈折率分布測定装置を提供するこ
とにある。
【0007】本発明の請求項9の目的は、特に、光学素
子の波面収差および外乱の影響を受けにくいコモンパス
干渉方式を用いることを可能とする屈折率分布測定装置
を提供することにある。本発明の請求項10の目的は、
特に、入・射出窓を曲面形状とすることにより、高精度
測定を行うことを可能とする屈折率分布測定装置を提供
することにある。本発明の請求項11の目的は、特に、
入・射出窓を基準参照面とすることにより、部品点数を
少なくすることができ、高精度測定を行うことを可能と
する屈折率分布測定装置を提供することにある。本発明
の請求項12の目的は、特に、被検物の全周方向を効率
よく測定することが可能である屈折率分布測定装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した本発
明に係る屈折率分布測定方法は、上述した目的を達成す
るために、同一光源からの可干渉光を用い、軸線に対し
て軸対称となる屈折率分布を有する被検体の位相分布を
干渉計測し、その結果に基づいて屈折率を算出するにあ
たり、前記被検体に対する照射光を、集光光学系によ
り、前記被検体の前記軸線近傍に集光させることを特徴
としている。また、請求項2に記載した本発明に係る屈
折率分布測定方法は、前記被検体を、屈折率が該被検体
とほぼ一致しているマッチング液中に浸して、フィゾー
型干渉系を構成することより、前記被検体の位相分布を
測定することを特徴としている。請求項3に記載した本
発明に係る屈折率分布測定方法は、前記被検体を、屈折
率が該被検体とほぼ一致しているマッチング液中に浸し
て、被検体を透過した波面をわずかにずらして重ね合わ
せて干渉させることより、前記被検体の位相分布を測定
することを特徴としている。請求項4に記載した本発明
に係る屈折率分布測定方法は、前記被検体を、屈折率が
該被検体とほぼ一致しているマッチング液を収容するマ
ッチング液用セル内の該マッチング液中に浸し、少なく
とも1つを曲面形状とした前記セルの入射窓および射出
窓を介して、該マッチング液中の前記被検体に対する前
記照射光の照射を行なうことを特徴としている。
【0009】請求項5に記載した本発明に係る屈折率分
布測定方法は、前記被検体を、屈折率が該被検体とほぼ
一致しているマッチング液を収容するマッチング液用セ
ル内の該マッチング液中に浸し、該マッチング液中の前
記被検体に対する前記照射光の照射を行なうための前記
マッチングセルの入射窓および射出窓のうちの少なくと
も1つを基準参照面として用いることを特徴としてい
る。請求項6に記載した本発明に係る屈折率分布測定方
法は、前記被検体を、前記軸線を軸として回転させて、
前記被検体全周についての屈折率分布を測定するステッ
プを含むことを特徴としている。そして、請求項7に記
載した本発明に係る屈折率分布測定装置は、上述した目
的を達成するために、軸線に対して軸対称となる屈折率
分布を有する被検体の位相分布を、同一光源からの可干
渉光を用いて干渉計測し、その結果に基づいて屈折率を
算出する屈折率分布測定装置において、前記被検体に対
する照射光を前記被検体の前記軸線近傍に集光する集光
光学系を具備することを特徴としている。
【0010】請求項8に記載した本発明に係る屈折率分
布測定装置は、屈折率が前記被検体とほぼ一致している
マッチング液中に前記被検体を浸して、前記被検体の位
相分布を測定するフィゾー型干渉計を構成することを特
徴としている。請求項9に記載した本発明に係る屈折率
分布測定装置は、屈折率が前記被検体とほぼ一致してい
るマッチング液中に前記被検体を浸し、前記被検体を透
過した波面をわずかにずらして重ね合わせて干渉させる
ことによって位相分布を測定する手段を含むことを特徴
としている。請求項10に記載した本発明に係る屈折率
分布測定装置は、屈折率が前記被検体とほぼ一致してい
るマッチング液を収容し且つ該マッチング液中に前記被
検体を浸すためのマッチング液用セルを備えるととも
に、該マッチング液用セルが、前記マッチング液中の前
記被検体に対する照射光の照射を行なうための少なくと
も1つを曲面形状とした入射窓および射出窓を有するこ
とを特徴としている。
【0011】請求項11に記載した本発明に係る屈折率
分布測定装置は、屈折率が前記被検体とほぼ一致してい
るマッチング液を収容し且つ該マッチング液中に前記被
検体を浸すためのマッチング液用セルを備えるととも
に、該マッチング液用セルが、前記マッチング液中の前
記被検体に対する照射光の照射を行なうための入射窓お
よび射出窓を有し、これら入射窓および射出窓のうちの
少なくとも1つを基準参照面として用いることを特徴と
している。請求項12に記載した本発明に係る屈折率分
布測定装置は、前記被検体全周についての屈折率分布を
測定するため、前記被検体を前記軸線を軸として回転さ
せる手段を含むことを特徴としている。
【0012】
【作用】すなわち、本発明の請求項1による屈折率分布
測定方法は、同一光源からの可干渉光を用い、軸線に対
して軸対称となる屈折率分布を有する被検体の位相分布
を干渉計測し、その結果に基づいて屈折率を算出するに
あたり、前記被検体に対する照射光を、集光光学系によ
り、前記被検体の前記軸線近傍に集光させる。このよう
な構成により、プラスチック光ファイバおよびGRIN
レンズ等のように軸対称の屈折率分布を有する光学系に
おける屈折率分布を非破壊的に且つ高精度に計測するこ
とが可能となり、特に、屈折率分布が軸対称をなす光学
系における屈折率分布を非破壊的に且つ高精度に計測す
ることが可能となる。また、本発明の請求項2による屈
折率分布測定方法は、前記被検体を、屈折率が該被検体
とほぼ一致しているマッチング液中に浸して、フィゾー
型干渉系を構成することより、前記被検体の位相分布を
測定する。このような構成により、特に、コモンパス率
が高く高精度に安定した測定をすることが可能なフィゾ
ー型干渉方式を用いることが可能となる。
【0013】本発明の請求項3による屈折率分布測定方
法は、前記被検体を、屈折率が該被検体とほぼ一致して
いるマッチング液中に浸して、被検体を透過した波面を
わずかにずらして重ね合わせて干渉させることより、前
記被検体の位相分布を測定する。このような構成によ
り、特に、光学素子の波面収差および外乱の影響を受け
にくいコモンパス干渉方式を用いることが可能となる。
本発明の請求項4による屈折率分布測定方法は、前記被
検体を、屈折率が該被検体とほぼ一致しているマッチン
グ液を収容するマッチング液用セル内の該マッチング液
中に浸し、少なくとも1つを曲面形状とした前記セルの
入射窓および射出窓を介して、該マッチング液中の前記
被検体に対する前記照射光の照射を行なう。このような
構成により、特に、入・射出窓を曲面形状とすることに
より、高精度測定を行うことが可能となる。
【0014】本発明の請求項5による屈折率分布測定方
法は、前記被検体を、屈折率が該被検体とほぼ一致して
いるマッチング液を収容するマッチング液用セル内の該
マッチング液中に浸し、該マッチング液中の前記被検体
に対する前記照射光の照射を行なうための前記マッチン
グセルの入射窓および射出窓のうちの少なくとも1つを
基準参照面として用いる。このような構成により、特
に、入・射出窓を基準参照面とすることにより、部品点
数を少なくすることができ、高精度測定を行うことが可
能となる。本発明の請求項6による屈折率分布測定方法
は、前記被検体を、前記軸線を軸として回転させて、前
記被検体全周についての屈折率分布を測定するステップ
を含む。このような構成により、特に、被検物の全周方
向を効率よく測定することが可能となる。さらに、本発
明の請求項7による屈折率分布測定装置は、軸線に対し
て軸対称となる屈折率分布を有する被検体の位相分布
を、同一光源からの可干渉光を用いて干渉計測し、その
結果に基づいて屈折率を算出する屈折率分布測定装置に
おいて、前記被検体に対する照射光を前記被検体の前記
軸線近傍に集光する集光光学系を具備する。このような
構成により、プラスチック光ファイバおよびGRINレ
ンズ等のように軸対称の屈折率分布を有する光学系にお
ける屈折率分布を非破壊的に且つ高精度に計測すること
を可能とし、特に、屈折率分布が軸対称をなす光学系に
おける屈折率分布を非破壊的に且つ高精度に計測するこ
とが可能となる。
【0015】本発明の請求項8による屈折率分布測定装
置は、屈折率が前記被検体とほぼ一致しているマッチン
グ液中に前記被検体を浸して、前記被検体の位相分布を
測定するフィゾー型干渉計を構成する。このような構成
により、特に、コモンパス率が高く高精度に安定した測
定をすることが可能なフィゾー型干渉方式を用いること
が可能となる。本発明の請求項9による屈折率分布測定
装置は、屈折率が前記被検体とほぼ一致しているマッチ
ング液中に前記被検体を浸し、前記被検体を透過した波
面をわずかにずらして重ね合わせて干渉させることによ
って位相分布を測定する手段を含む。このような構成に
より、特に、光学素子の波面収差および外乱の影響を受
けにくいコモンパス干渉方式を用いることが可能とな
る。本発明の請求項10による屈折率分布測定装置は、
屈折率が前記被検体とほぼ一致しているマッチング液を
収容し且つ該マッチング液中に前記被検体を浸すための
マッチング液用セルを備えるとともに、該マッチング液
用セルが、前記マッチング液中の前記被検体に対する照
射光の照射を行なうための少なくとも1つを曲面形状と
した入射窓および射出窓を有する。このような構成によ
り、特に、入・射出窓を曲面形状とすることにより、高
精度測定を行うことが可能となる。
【0016】本発明の請求項11による屈折率分布測定
装置は、屈折率が前記被検体とほぼ一致しているマッチ
ング液を収容し且つ該マッチング液中に前記被検体を浸
すためのマッチング液用セルを備えるとともに、該マッ
チング液用セルが、前記マッチング液中の前記被検体に
対する照射光の照射を行なうための入射窓および射出窓
を有し、これら入射窓および射出窓のうちの少なくとも
1つを基準参照面として用いる。このような構成によ
り、特に、入・射出窓を基準参照面とすることにより、
部品点数を少なくすることができ、高精度測定を行うこ
とが可能となる。本発明の請求項12による屈折率分布
測定装置は、前記被検体全周についての屈折率分布を測
定するため、前記被検体を前記軸線を軸として回転させ
る手段を含む。このような構成により、特に、被検物の
全周方向を効率よく測定することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に基づき、図面
を参照して本発明の屈折率分布測定装置を詳細に説明す
る。図1および図2は、本発明の第1の実施の形態に係
る屈折率分布測定装置の要部の構成を示している。図1
は、マハツェンダ干渉計を用いた屈折率分布測定装置の
全体の構成を示す模式的ブロック図、そして図2は、被
検体設置部の構成を示す模式的断面図である。図1に示
すマハツェンダ干渉計式の屈折率分布測定装置は、He
−Ne(ヘリウム−ネオン)レーザ11、ND(ニュー
トラルデンシティ〜中間濃度)フィルタ12、第1のミ
ラー(M1)13、第1のビームエキスパンダレンズ
(BE1)14、空間フィルタ15、第2のビームエキ
スパンダレンズ(BE2)16、第1のビームスプリッ
タ(BS1)17、第2のビームスプリッタ(BS2)
18、第3のビームスプリッタ(BS3)19、第2の
ミラー(M2)20、第3のミラー(M3)21、第1
の結像レンズ(FL1)22、拡散板(ディフューザ)
23、ズームレンズ24、第4のビームスプリッタ(B
S4)25、第2の結像レンズ(FL2)26、1次元
撮像素子(1D−CCD)27、第3の結像レンズ(F
L3)28、2次元撮像素子(2D−CCD)29、ハ
ロゲンランプ30、スケール31、および第4のミラー
32を具備している。
【0018】そして、第1のビームスプリッタ(BS
1)17と第2のビームスプリッタ(BS2)18との
間に挿入される被検体設置部MCは、図2に示すように
構成される。すなわち、図2に示す被検体設置部MC
は、第1の集光レンズ(L1)40、被検体41、マッ
チングセル42、マッチング液43、入射窓44、射出
窓45および第2の集光レンズ46を備えている。図1
に示す構成は、マハツェンダ干渉計を用いた屈折率分布
測定装置であり、その機能について説明する。光源であ
る波長633nmのHe−Neレーザ11から出力され
るレーザ光は、NDフィルタ12、必要ならば1個以上
の偏光板(図示されていない)、および第1のミラー1
3を通過して光量と偏光方向が適正に調整され且つ偏向
されて、第1および第2のビームエキスパンダレンズ1
4および16によって必要なビームサイズに拡大され
る。例えば、第1のビームエキスパンダレンズ14と第
2のビームエキスパンダレンズ16との間に配置される
空間フィルタ15は、フレア光およびゴースト光等の不
要な光をカットするために設けられている。
【0019】ビームエキスパンダレンズ14および16
によって拡大されたビームは、次に、第1のビームスプ
リッタ17によって、直角方向に偏向された参照波と、
直進して位相特性を有する被検体が配置される被検体設
置部MCを通過する計測波とに分割される。前記参照波
は、第2のミラー20で直角方向に偏向され、被検体設
置部MCを通過した計測波は、第2のビームスプリッタ
18で直角方向に偏向される。これら、第2のミラー2
0を経た参照波と、被検体設置部MCおよび第2のビー
ムスプリッタ18を経た計測波は、第3のビームスプリ
ッタ19で重畳合波されて干渉を起こす。この重畳合波
されたビームは、第3のミラー21で偏向して、第1の
結像レンズ22に入射される。第1の結像レンズ22に
関連して、被検体と拡散板23とが幾何光学的に共役関
係になるように拡散板23を配置しており、第3のビー
ムスプリッタ19による重畳合波に基づく干渉縞像を、
第1の結像レンズ22によって、一旦拡散板23等に投
影してインコヒーレント光とし、拡散板23以降にある
レンズ系やCCDの前面の保護ガラスでの多重反射によ
る干渉縞ノイズを低減するようにしている。
【0020】拡散板23に生じた干渉縞は、ズームレン
ズ24、第4のビームスプリッタ25、第2の結像レン
ズ26、および第3の結像レンズ28を介して、例えば
座標軸x方向に配列されたデータ取り込み用の1次元C
CD(電荷結合素子)等からなる1次元撮像素子27
と、例えば2次元データ取り込み用の2次元CCD等か
らなる2次元撮像素子29とで検出される。すなわち、
1次元撮像素子27は、拡散板23に生じた干渉縞像
を、ズームレンズ24、第4のビームスプリッタ25お
よび第2の結像レンズ26を介してx方向についての1
次元像情報として取得する。そして、2次元撮像素子2
9は、拡散板23に生じた干渉縞像を、ズームレンズ2
4、第4のビームスプリッタ25および第3の結像レン
ズ28を介して2次元像情報として取得する。ここで、
拡散板23の位置と1次元撮像素子27または2次元撮
像素子29の各結像面とは、ズームレンズ24と第2の
結像レンズ26または第3の結像レンズ28によってそ
れぞれ共役関係となっている。2次元撮像素子29は、
アラインメント(位置合わせ)用のモニタとしても使用
する。また、1次元撮像素子27および2次元撮像素子
29上の干渉縞像の大きさは、ズームレンズ24により
可変である。さらに、実際の大きさを確認するためのス
ケール(目盛板)31を、ハロゲンランプ30を用いて
投影し、第4のミラー32を介して、第2のビームスプ
リッタ18で、計測波と合波し、スクリーン上に投影す
るようにしている。
【0021】次に、被検体設置部MCについて詳細に説
明する。図2に示す被検体設置部MCにおいては、図1
0に示した従来の被検物設置部の場合と同様に、被検体
41は、例えば内側のコア部の屈折率がn1そして外側
のクラッド部の屈折率がn2の光ファイバであり、該被
検体41の外側のクラッド部と略一致する屈折率n2を
有するマッチング液43で被検体41の周囲を覆い、被
検体41の表面での反射の影響を抑制している。マッチ
ング液43は、被検体41を収容するマッチングセル4
2内に充填され、マッチングセル42には計測波を入射
させてマッチング液43を介して被検体41に照射する
ための入射窓44および被検体41を透過した計測波を
マッチング液43を介して外部に射出させるための射出
窓45が液密に設けられている。入射窓44および射出
窓45は、透明で且つ、例えばオプティカルフラット、
つまり光学的平坦、な光学ガラスまたは光学プラスチッ
ク等により構成されている。
【0022】図10に示した従来の構成においては、被
検体1に対する計測波は平行光のままで照射する構成と
なっており、屈折率差が小さい被検体あるいは設計上均
質な被検体に対しては有効であるが、屈折率差が大きく
なると、屈曲の影響を考慮する必要があった。また、被
検体1が理想的に軸対称に製作されていても、透過光の
原理的な位相分布が均一とならず、各部の位相差がゼロ
とならないため、干渉縞解析後に設計値から位相偏倚分
を差し引く処理が必要になってくる。これらは、従来の
構成における計測精度の低下、処理および構成の複雑
化、並びにコストの増大を招いていた。これに対して、
本発明に従った図2の被検体設置部MCの構成において
は、入射窓44の手前、および射出窓45の後方にそれ
ぞれ第1の集光光学系としての第1の集光レンズ40、
および第2の集光光学系としての第2の集光レンズ46
を設けている。図2に示す被検体設置部MCでは、被検
体41の屈折率対称軸に向けて集光して計測波を照射し
ているため、周面のいずれの場所に対しても屈折率の異
なる境界面に対して、垂直に入射することになり、光
(計測波)は偏向されることなく直進する。また、波面
も揃っているため被検体41が理想的に軸対称に製作さ
れている場合には、位相分布が均一となり、各部の位相
差がゼロとなる、いわゆるヌルテスト干渉計を構成する
ことが可能となる。
【0023】このような構成とすれば、光ファイバおよ
びGRINレンズ等の被検体41の屈折率分布を非破壊
で高精度に計測することが可能となる。また、マッチン
グ液に浸して測定しているので、被検体41の外形形状
に関わらず測定することが可能となる。次に、図1およ
び図2に示した屈折率分布測定装置の基本的な動作を説
明する。被検体41の表面形状の影響を抑制するために
被検体41を収容したマッチングセル42をマッチング
液43で充填する。上述したようにして計測される干渉
縞像は、もしも被検体41が理想状態であれば、干渉縞
はヌル(位相差0)となるはずである。したがって、干
渉縞を解析して位相分布を測定することにより被検体4
1の屈折率分布を測定することができる。干渉縞像の解
析方法としては、干渉縞の明暗を直接、位相差として算
出する方法の他に、公知の位相シフト法やフーリエ変換
法を用いるようにしてもよい。また、被検体41は、軸
対称な屈折率を有するものであり、外形形状は、任意の
形状でよく、例えば、外形形状が、非対称形状、直方体
形状および球面形状等であってもマッチング液43を用
いれば測定が可能である。
【0024】また、外形形状が軸対称、すなわち円柱形
状で表面形状精度が高ければ、マッチング液は不要とな
る。すなわち、図3は、本発明の第2の実施の形態に係
る屈折率分布測定装置の要部である被検体設置部MCの
構成を示しており、マッチング液を用いない被検体設置
部MCの構成の例である。図3に示す被検体設置部MC
は、第1の集光光学系である第1の集光レンズ50、被
検体51および第2の集光光学系である第2の集光レン
ズ52を有する。集光レンズ50と集光レンズ52との
間の空間に被検体51を配置している。被検体51の外
形形状の軸対称性および表面形状精度が高い場合には、
このような構成も有効である。なお、便宜上、図2およ
び図3に示した実施の形態においては、被検体41およ
び51が、図11および図12のように屈折率がn1の
コア部の周囲に屈折率がn2のクラッド部とを有するス
テップインデックス(SI)レンズ構成の光ファイバま
たはレンズであるものとして、「屈折率の異なる境界
面」という表現を用いたが、図13および図14のよう
に屈折率が軸対称に連続的に変化するGRINレンズ構
成等にもあてはまることはいうまでもない(以上が請求
項1および請求項7に対応する)。
【0025】図4は、本発明の第3の実施の形態に係る
屈折率分布測定装置の要部である被検体設置部MCの構
成を示しており、図2における入射窓44および射出窓
45のような光学的平坦ではなく、曲面形状に構成した
例である。すなわち、図4に示す被検体設置部MCは、
図2と同様の第1の集光レンズ40、被検体41、マッ
チングセル42、マッチング液43および第2の集光レ
ンズ46を備え、さらに図2の構成における光学的平坦
な入射窓44および射出窓45に代えて、外面側、つま
り入射面および射出面をそれぞれ曲面形状とした入射窓
44′および射出窓45′を設けたものである。また、
図5は、本発明の第4の実施の形態に係る屈折率分布測
定装置の要部である被検体設置部MCの構成を示してお
り、図2におけるマッチングセルに代えて、入射窓およ
び射出窓をセルに一体化したシリンダ形状のシリンダセ
ルを用いて構成した例である。すなわち、図5に示す被
検体設置部MCは、第1の集光レンズ60、被検体6
1、シリンダセル62、マッチング液63および第2の
集光レンズ64を備えている。シリンダ形状のシリンダ
セル62は、入射窓および射出窓がセル本体に一体化さ
れており、このシンリンダセル62にマッチング液63
が充填されるとともに、被検体61が同軸的に収納され
る。この場合、製作が容易で、且つデッドスペースが小
さく、しかもマッチング液63の量も最小限とすること
ができ、マッチング液63の屈折率を高精度に管理する
ことができる(以上が請求項4および請求項10にほぼ
対応する)。
【0026】図6は、本発明の第5の実施の形態に係る
屈折率分布測定装置の要部の構成を示しており、被検体
を透過した計測波をミラーで横ずらしさせて2つの波面
を生成して干渉させるシアリング干渉方式を採用してい
る。なお、被検体設置部MCについては、図2に示した
通りの構成を有している。図6に示すシアリング干渉方
式の屈折率分布測定装置は、He−Neレーザ71、第
1のミラー(M1)72、ビームエキスパンダ73、被
検体設置部MC、第2のミラー(M2)74、ビームス
プリッタ(BS)75、結像レンズ76、1次元撮像素
子(1D−CCD)77、結像レンズ78および2次元
撮像素子(2D−CCD)79を具備している。そし
て、ビームエキスパンダ73と第2のミラー74との間
に挿入される被検体設置部MCは、図2の通りに構成さ
れる。すなわち、図2に示す被検体設置部MCは、第1
の集光レンズ40、被検体41、マッチングセル42、
マッチング液43、入射窓44、射出窓45および第2
の集光レンズ46を備えている。
【0027】図6に示す構成は、シアリング干渉方式を
用いた屈折率分布測定装置であり、その機能について説
明する。光源であるHe−Neレーザ71から出力され
るレーザ光は、第1のミラー72で偏向されて、ビーム
エキスパンダ73によって必要なビームサイズに拡大さ
れる。ビームエキスパンダ73によって拡大されたビー
ムは、第2のミラー74で偏向され、ビームスプリッタ
75を透過して、結像レンズ76を介してデータ取り込
み用の1次元CCD等からなる1次元撮像素子77の入
力面に結像される。また、ビームスプリッタ75におい
て、直角方向に偏向された光は、結像レンズ78を介し
て2次元データ取り込み用の2次元CCD等からなる2
次元撮像素子79で検出される。この場合、第2のミラ
ー74が、2つの異なる位置の間で平行移動可能に設け
られており、被検体41を透過した計測波を第2のミラ
ー74で横ずらしさせて2つの波面を生成して干渉させ
るシアリング干渉方式を採用している。この方式のメリ
ットは、干渉する2つの波面が共通の光路を通過してい
るため、集光レンズ40、集光レンズ46、入射窓44
および射出窓45等の光学素子の波面収差による影響を
受けにくく、また、外乱の影響も受けにくい点にある。
この場合も、被検体41をマッチング液43に浸して測
定しているので、被検体41の外形形状にかかわらずに
測定することが可能である(以上、請求項3および請求
項9にほぼ対応する)。
【0028】図7は、本発明の第6の実施の形態に係る
屈折率分布測定装置の要部の構成を示しており、被検物
を透過した被検波を反射させるフィゾー干渉計を構成し
ている。なお、被検体設置部MCについては、図2に示
した通りの構成を有している。図7に示すフィゾー干渉
計方式の屈折率分布測定装置は、図2のマッチングセル
部分とほぼ同様の構成を有する被検体41、マッチング
セル42、マッチング液43、入射/射出窓47および
入射/射出窓48からなるマッチングセル部分に加え
て、He−Neレーザ81、ミラー82、第1のビーム
エキスパンダレンズ(BE1)83、空間フィルタ8
4、ビームスプリッタ85、λ/4波長板86、第2の
ビームエキスパンダレンズ(BE2)87、対物レンズ
88、ビーム反射ミラー89、絞り90、結像レンズ
(FL)91およびイメージセンサ92を具備してい
る。なお、マッチングセル42の入射/射出窓47およ
び入射/射出窓48は、図2の入射窓44および射出窓
45と同様の構成であるが、この例では、入射と射出の
両方に使用される。
【0029】図7に示す構成は、フィゾー干渉計を用い
た屈折率分布測定装置であり、その機能について説明す
る。光源であるHe−Neレーザ81から出力されるレ
ーザ光は、ミラー82で偏向されて、第1のビームエキ
スパンダレンズ83および第2のビームエキスパンダレ
ンズ87によって必要なビームサイズに拡大される。第
1のビームエキスパンダレンズ83と第2のビームエキ
スパンダレンズ87との間には、フレア光およびゴース
ト光等の不要な光をカットするための空間フィルタ84
に加えて、ビームスプリッタ85およびλ/4波長板8
6等が挿入配置されている。第1のビームエキスパンダ
レンズ83および第2のビームエキスパンダレンズ87
によって拡大されたビームは、対物レンズ88で集光さ
れて、図2とほぼ同様の構成を有するマッチングセル部
分に入射する。対物レンズ88で集光されたビームは、
マッチングセル42の入射/射出窓47を介してマッチ
ング液43内の被検体41を通り、入射/射出窓48か
ら射出されビーム反射ミラー89で反射される。ビーム
反射ミラー89で反射されたビームは、入射光路に沿っ
て戻り、入射/射出窓48からマッチングセル42内に
戻り、マッチング液43および被検体41を通って入射
/射出窓47から射出し、対物レンズ88を通って第2
のビームエキスパンダレンズ87に入射する。
【0030】第2のビームエキスパンダレンズ87に入
射した反射ビームは、λ/4波長板86を通り、ビーム
スプリッタ85で直角方向に偏向され、絞り90を介し
て結像レンズ91により撮像素子であるイメージセンサ
92の入力面に結像され検出される。この場合、フィゾ
ー型干渉計であるので、コモンパス率が高く高精度に安
定した測定をすることが可能である。また、計測波が被
検体41を往復するため、高感度に測定することが可能
となる。もちろん、この場合も、マッチング液に浸して
測定しているので、被検体41の外形形状に関わらず測
定することが可能となる(以上、請求項2および請求項
8にほぼ対応する)。図7のフィゾー干渉計方式を用い
た屈折率分布測定装置における動作を説明する。この動
作は、前述したマハツェンダ干渉方式やシアリング干渉
方式とほぼ同様である。被検体41の表面形状の影響を
抑制するために、マッチングセル42内をマッチング液
43で充填し、その内部に被検体41を配置する。
【0031】フィゾー干渉計における参照面である対物
レンズ88の1つの光学面の曲率中心とビーム反射ミラ
ー89の曲率中心は、被検体41の軸線とほぼ一致する
用に構成されている。この状態では、もしも被検体41
が理想状態であれば、干渉縞はヌル、すなわち位相ゼロ
となるはずである。したがって、干渉縞を解析して位相
分布を測定することにより被検体41の屈折率分布を測
定することができる。干渉縞の解析方法としては、干渉
縞の明暗から位相を直接算出する方法の他に、公知の位
相シフト法やフーリエ変換法を用いてもよい。位相シフ
ト法を用いる場合には、参照面を有する対物レンズ88
あるいはビーム反射ミラー89を駆動して移動させるこ
とにより位相をシフトさせる。また、フーリエ変換法を
用いる場合には、参照面を有する対物レンズ88または
ビーム反射ミラー89を、チルトあるいはシフトさせ
て、意図的に軸心からずらすことにより生成される等厚
干渉縞を解析する。
【0032】この図7等においては、被検体41は、軸
線に対して、回転可能な構成となっている(請求項6お
よび請求項12に対応する)。回転機構としては、ステ
ッピングモータ等を用いることができる。被検体41を
回転させることにより、被検体41の任意の方向からの
測定が可能であるため、被検体41の全周あるいは、測
定断面全域を効率よく測定することが可能である。また
被検体41を軸方向に走査することにより、被検体41
の全領域を測定することも可能となる。なお、回転は相
対的なものであるから、被検体41が固定されていて、
光学系が回転する方式であってもよい。光ファイバのよ
うに母線が長いシリンダ形状であれば、被検体41は軸
方向に直線的に移動し、光学系が軸に対して回転する構
成により、連続的に測定する方式であってもよい。な
お、既に述べた通り、被検体41は、軸対称な屈折率分
布を有するものであり、外形形状は、任意の形状(例え
ば、軸対称形状でない直方体形状または球面形状等の形
状)であってもマッチング液を用いれば測定可能であ
る。また、外形形状が軸対称すなわち円柱形状で表面形
状の精度が高ければ、マッチング液は不要となる。
【0033】また、図7における被検体設置部の主要部
を、図3〜図5の被検体設置部の場合と同様に構成して
もよい。例えば、図8に示す被検体設置部の構成は、図
7における被検体設置部の主要部に代えて、図4に示し
たのとほぼ同様の被検体設置部の主要部を適用した本発
明の第7の実施の形態によるフィゾー干渉計型の屈折率
分布測定装置である。図8においては、対物レンズ88
とビーム反射ミラー89との間に、被検体41を収容し
てマッチング液43を充填したマッチングセル42に、
光学的平坦ではなく曲面形状の入射/射出窓47′およ
び48′を適用している。すなわち、第1の入射/射出
窓47′の外面を球面形状の基準参照面とし、その曲率
中心を被検体41の軸上に一致させ、且つビーム反射ミ
ラー89の反射面も凹球面形状の基準参照面とし、その
曲率中心も被検体41の軸上に一致させている。この場
合、図4における集光レンズ40および46に相当する
レンズを用いる必要がなく、対物レンズ88およびビー
ム反射ミラー89によりそれらの機能を果たしているの
で、高精度に測定することが可能となる(以上、請求項
5および請求項11に対応する)。
【0034】さらに、図9に示す被検体設置部の構成
は、図7における被検体設置部の主要部に代えて、図5
に示したのとほぼ同様の被検体設置部の主要部を適用し
た本発明の第8の実施の形態によるフィゾー干渉計型の
屈折率分布測定装置である。図9においては、対物レン
ズ110、被検体111、シリンダセル112およびマ
ッチング液113を有している。シリンダセル112
は、入射/射出窓112aおよびビーム反射面112b
がセル本体に一体化されており、このシンリンダセル1
12にマッチング液113が充填されるとともに、被検
体111が同軸的に収納される。すなわち、入射/射出
窓112aを円筒面状の基準参照面として、その曲率中
心を被検体111の軸上に一致させ、且つビーム反射ミ
ラーとして機能するビーム反射面112bも凹円筒面状
の基準参照面とし、その曲率中心も被検体111の軸上
に一致させている。図9においては、参照面および反射
面は、シリンダセル112の内面に配置したが、外面に
配置してもよい。このように、入射/射出窓112aを
曲面形状とすることにより、マッチングセルであるシリ
ンダセル112との一体化や参照面または反射面との共
有化を図ることができる。また、入射/射出窓112a
を基準参照面とすることにより、部品点数を少なくする
ことができ、高精度の測定が可能となる(以上、請求項
4、請求項5、請求項10および請求項11に対応す
る)。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、プ
ラスチック光ファイバおよびGRINレンズ等のように
軸対称の屈折率分布を有する光学系における屈折率分布
を非破壊的に且つ高精度に計測することを可能とする屈
折率分布測定方法およびそれを実施するための屈折率分
布測定装置を提供することができる。すなわち、本発明
の請求項1の屈折率分布測定方法によれば、同一光源か
らの可干渉光を用い、軸線に対して軸対称となる屈折率
分布を有する被検体の位相分布を干渉計測し、その結果
に基づいて屈折率を算出するにあたり、前記被検体に対
する照射光を、集光光学系により、前記被検体の前記軸
線近傍に集光させることにより、プラスチック光ファイ
バおよびGRINレンズ等のように軸対称の屈折率分布
を有する光学系における屈折率分布を非破壊的に且つ高
精度に計測することが可能となり、特に、屈折率分布が
軸対称をなす光学系における屈折率分布を非破壊的に且
つ高精度に計測することが可能となる。
【0036】また、本発明の請求項2の屈折率分布測定
方法によれば、前記被検体を、屈折率が該被検体とほぼ
一致しているマッチング液中に浸して、フィゾー型干渉
系を構成することより、前記被検体の位相分布を測定す
ることにより、特に、コモンパス率が高く高精度に安定
した測定をすることが可能なフィゾー型干渉方式を用い
ることが可能となる。本発明の請求項3の屈折率分布測
定方法によれば、前記被検体を、屈折率が該被検体とほ
ぼ一致しているマッチング液中に浸して、被検体を透過
した波面をわずかにずらして重ね合わせて干渉させるこ
とにより、前記被検体の位相分布を測定する構成によ
り、特に、光学素子の波面収差および外乱の影響を受け
にくいコモンパス干渉方式を用いることが可能となる。
本発明の請求項4の屈折率分布測定方法によれば、前記
被検体を、屈折率が該被検体とほぼ一致しているマッチ
ング液を収容するマッチング液用セル内の該マッチング
液中に浸し、少なくとも1つを曲面形状とした前記セル
の入射窓および射出窓を介して、該マッチング液中の前
記被検体に対する前記照射光の照射を行なうことによ
り、特に、入・射出窓を曲面形状とすることにより、高
精度測定を行うことが可能となる。
【0037】本発明の請求項5の屈折率分布測定方法に
よれば、前記被検体を、屈折率が該被検体とほぼ一致し
ているマッチング液を収容するマッチング液用セル内の
該マッチング液中に浸し、該マッチング液中の前記被検
体に対する前記照射光の照射を行なうための前記マッチ
ングセルの入射窓および射出窓のうちの少なくとも1つ
を基準参照面として用いることにより、特に、入・射出
窓を基準参照面とすることにより、部品点数を少なくす
ることができ、高精度測定を行うことが可能となる。本
発明の請求項6の屈折率分布測定方法によれば、前記被
検体を、前記軸線を軸として回転させて、前記被検体全
周についての屈折率分布を測定するステップを含むこと
により、特に、被検物の全周方向を効率よく測定するこ
とが可能となる。そして、本発明の請求項7の屈折率分
布測定装置によれば、軸線に対して軸対称となる屈折率
分布を有する被検体の位相分布を、同一光源からの可干
渉光を用いて干渉計測し、その結果に基づいて屈折率を
算出する屈折率分布測定装置において、前記被検体に対
する照射光を前記被検体の前記軸線近傍に集光する集光
光学系を具備することにより、プラスチック光ファイバ
およびGRINレンズ等のように軸対称の屈折率分布を
有する光学系における屈折率分布を非破壊的に且つ高精
度に計測することを可能とし、特に、屈折率分布が軸対
称をなす光学系における屈折率分布を非破壊的に且つ高
精度に計測することが可能となる。
【0038】本発明の請求項8の屈折率分布測定装置に
よれば、屈折率が前記被検体とほぼ一致しているマッチ
ング液中に前記被検体を浸して、前記被検体の位相分布
を測定するフィゾー型干渉計を構成することにより、特
に、コモンパス率が高く高精度に安定した測定をするこ
とが可能なフィゾー型干渉方式を用いることが可能とな
る。本発明の請求項9の屈折率分布測定装置によれば、
屈折率が前記被検体とほぼ一致しているマッチング液中
に前記被検体を浸し、前記被検体を透過した波面をわず
かにずらして重ね合わせて干渉させることによって位相
分布を測定する手段を含むことにより、特に、光学素子
の波面収差および外乱の影響を受けにくいコモンパス干
渉方式を用いることが可能となる。本発明の請求項10
の屈折率分布測定装置によれば、屈折率が前記被検体と
ほぼ一致しているマッチング液を収容し且つ該マッチン
グ液中に前記被検体を浸すためのマッチング液用セルを
備えるとともに、該マッチング液用セルが、前記マッチ
ング液中の前記被検体に対する照射光の照射を行なうた
めの少なくとも1つを曲面形状とした入射窓および射出
窓を有することにより、特に、入・射出窓を曲面形状と
することにより、高精度測定を行うことが可能となる。
【0039】本発明の請求項11の屈折率分布測定装置
によれば、屈折率が前記被検体とほぼ一致しているマッ
チング液を収容し且つ該マッチング液中に前記被検体を
浸すためのマッチング液用セルを備えるとともに、該マ
ッチング液用セルが、前記マッチング液中の前記被検体
に対する照射光の照射を行なうための入射窓および射出
窓を有し、これら入射窓および射出窓のうちの少なくと
も1つを基準参照面として用いることにより、特に、入
・射出窓を基準参照面とすることにより、部品点数を少
なくすることができ、高精度測定を行うことが可能とな
る。本発明の請求項12の屈折率分布測定装置によれ
ば、前記被検体全周についての屈折率分布を測定するた
め、前記被検体を前記軸線を軸として回転させる手段を
含むことにより、特に、被検物の全周方向を効率よく測
定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1〜第4の実施の形態に係るマハツ
ェンダ干渉計方式の屈折率分布測定装置の要部の構成を
模式的に示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る図1の屈折率
分布測定装置の被検体設置部の構成を模式的に示す断面
図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る図1の屈折率
分布測定装置の被検体設置部の構成を模式的に示す断面
図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る図1の屈折率
分布測定装置の被検体設置部の構成を模式的に示す断面
図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る図1の屈折率
分布測定装置の被検体設置部の構成を模式的に示す断面
図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係るシアリング干
渉方式の屈折率分布測定装置の要部の構成を模式的に示
すブロック図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態に係るフィゾー干渉
計方式の屈折率分布測定装置の要部の構成を模式的に示
すブロック図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態に係るフィゾー干渉
計方式の屈折率分布測定装置の被検体設置部の構成を模
式的に示す断面図である。
【図9】本発明の第8の実施の形態に係るフィゾー干渉
計方式の屈折率分布測定装置の被検体設置部の構成を模
式的に示す断面図である。
【図10】従来の屈折率分布測定装置の被検体設置部の
構成を模式的に示す断面図である。
【図11】図12に示すステップインデックスレンズの
コア部とクラッド部における屈折率分布を示す特性図で
ある。
【図12】コア部の周囲にクラッド部を有するステップ
インデックスレンズの外形形状を模式的に示す図であ
る。
【図13】図14に示すGRINレンズの軸中心を基準
とした屈折率分布を示す特性図である。
【図14】GRINレンズの外形形状を模式的に示す図
である。
【符号の説明】
11,71,81 ヘリウム−ネオン(He−Ne)レ
ーザ 12 NDフィルタ 13,20,21,32,72,74,82 ミラー 14,16,83,87 ビームエキスパンダレンズ 15,84 空間フィルタ 17〜19,25,75,85 ビームスプリッタ 22,26,28,76,78,91 結像レンズ 23 拡散板 24 ズームレンズ 27,77 1次元撮像素子(1次元CCD) 29,79 2次元撮像素子(2次元CCD) 30 ハロゲンランプ 31 スケール 40,46,50,52,60,64 集光レンズ 41,51,61,111 被検体 42 マッチングセル 43,63,113 マッチング液 44,44′ 入射窓 45,45′ 射出窓 47,48,47′,48′ 入射/射出面 62,112 シリンダセル 73 ビームエキスパンダ 86 λ/4波長板 88,110 対物レンズ 89 ビーム反射ミラー 90 絞り 92 撮像素子(イメージセンサ) MC 被検体設置部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一光源からの可干渉光を用い、軸線に
    対して軸対称となる屈折率分布を有する被検体の位相分
    布を干渉計測し、その結果に基づいて屈折率を算出する
    にあたり、 前記被検体に対する照射光を、集光光学系により、前記
    被検体の前記軸線近傍に集光させることを特徴とする屈
    折率分布測定方法。
  2. 【請求項2】 前記被検体を、屈折率が該被検体とほぼ
    一致しているマッチング液中に浸して、フィゾー型干渉
    系を構成することより、前記被検体の位相分布を測定す
    ることを特徴とする請求項1に記載の屈折率分布測定方
    法。
  3. 【請求項3】 前記被検体を、屈折率が該被検体とほぼ
    一致しているマッチング液中に浸して、被検体を透過し
    た波面をわずかにずらして重ね合わせて干渉させること
    より、前記被検体の位相分布を測定することを特徴とす
    る請求項1に記載の屈折率分布測定方法。
  4. 【請求項4】 前記被検体を、屈折率が該被検体とほぼ
    一致しているマッチング液を収容するマッチング液用セ
    ル内の該マッチング液中に浸し、少なくとも1つを曲面
    形状とした前記セルの入射窓および射出窓を介して、該
    マッチング液中の前記被検体に対する前記照射光の照射
    を行なうことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちの
    いずれか1項に記載の屈折率分布測定方法。
  5. 【請求項5】 前記被検体を、屈折率が該被検体とほぼ
    一致しているマッチング液を収容するマッチング液用セ
    ル内の該マッチング液中に浸し、該マッチング液中の前
    記被検体に対する前記照射光の照射を行なうための前記
    マッチングセルの入射窓および射出窓のうちの少なくと
    も1つを基準参照面として用いることを特徴とする請求
    項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の屈折率分
    布測定方法。
  6. 【請求項6】 前記被検体を、前記軸線を軸として回転
    させて、前記被検体全周についての屈折率分布を測定す
    るステップを含むことを特徴とする請求項1〜請求項3
    のうちのいずれか1項に記載の屈折率分布測定方法。
  7. 【請求項7】 軸線に対して軸対称となる屈折率分布を
    有する被検体の位相分布を、同一光源からの可干渉光を
    用いて干渉計測し、その結果に基づいて屈折率を算出す
    る屈折率分布測定装置において、 前記被検体に対する照射光を前記被検体の前記軸線近傍
    に集光する集光光学系を具備することを特徴とする屈折
    率分布測定装置。
  8. 【請求項8】 屈折率が前記被検体とほぼ一致している
    マッチング液中に前記被検体を浸して、前記被検体の位
    相分布を測定するフィゾー型干渉計を構成することを特
    徴とする請求項7に記載の屈折率分布測定装置。
  9. 【請求項9】 屈折率が前記被検体とほぼ一致している
    マッチング液中に前記被検体を浸し、前記被検体を透過
    した波面をわずかにずらして重ね合わせて干渉させるこ
    とによって位相分布を測定する手段を含むことを特徴と
    する請求項7に記載の屈折率分布測定装置。
  10. 【請求項10】 屈折率が前記被検体とほぼ一致してい
    るマッチング液を収容し且つ該マッチング液中に前記被
    検体を浸すためのマッチング液用セルを備えるととも
    に、該マッチング液用セルは、前記マッチング液中の前
    記被検体に対する照射光の照射を行なうための少なくと
    も1つを曲面形状とした入射窓および射出窓を有するこ
    とを特徴とする請求項7〜請求項9のうちのいずれか1
    項に記載の屈折率分布測定装置。
  11. 【請求項11】 屈折率が前記被検体とほぼ一致してい
    るマッチング液を収容し且つ該マッチング液中に前記被
    検体を浸すためのマッチング液用セルを備えるととも
    に、該マッチング液用セルは、前記マッチング液中の前
    記被検体に対する照射光の照射を行なうための入射窓お
    よび射出窓を有し、これら入射窓および射出窓のうちの
    少なくとも1つを基準参照面として用いることを特徴と
    する請求項7〜請求項9のうちのいずれか1項に記載の
    屈折率分布測定装置。
  12. 【請求項12】 前記被検体全周についての屈折率分布
    を測定するため、前記被検体を前記軸線を軸として回転
    させる手段を含むことを特徴とする請求項7〜11のう
    ちのいずれか1項に記載の屈折率分布測定装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102297758A (zh) * 2010-05-25 2011-12-28 佳能株式会社 折射率分布测量方法和折射率分布测量设备
JP2014016253A (ja) * 2012-07-09 2014-01-30 Canon Inc 屈折率分布計測方法、光学素子の製造方法、および、屈折率分布計測装置
JP2015042967A (ja) * 2013-08-26 2015-03-05 国立大学法人宇都宮大学 透過波面計測装置及び透過波面計測方法
CN109459412A (zh) * 2018-12-12 2019-03-12 南京吉隆光纤通信股份有限公司 测量光纤折射率分布装置及采集光纤参数方法和判断一致性方法

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