JP2010243241A - 屈折率測定装置及び屈折率測定方法 - Google Patents

屈折率測定装置及び屈折率測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、小型且つ軽減化で、高精度且つ安定的にプリズムの屈折率を測定することができる屈折率測定装置を提供する。
【解決手段】屈折率測定装置(10)は、頂角(θ)を構成する入射面(S1)と射出面(S2)とを有する試料(P)の屈折率(n)を測定する屈折率測定装置(10)である。該屈折率測定装置(10)は回転軸(0A)を中心に回転可能であり試料(P)を載置する試料台(21)と、測定光を入射面(S1)に入射させる測定光発生光学系(11)と、射出面(S2)から射出した測定光を反射するとともに回転軸(0A)と共通の軸を中心に回転可能な回転反射鏡(16)と、回転反射鏡(16)で反射された測定光を射出面(S2)及び入射面(S1)を介して受光する受光部(18)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリズムなどの試料の屈折率を測定する屈折率測定装置に関し、特に、高精度な測定を安定的に行うことが可能である屈折率測定装置及び屈折率測定方法に関する。
従来から、プリズムなどの試料の屈折率を測定する方法として、最小偏角法、任意偏角法あるいはリュードベルク法(Rudbergs Method)等が知られている。
特許文献1に開示された屈折率測定装置は、基台に略垂直な軸を中心として回転自在なように試料台及びスウィーベルアームがそれぞれ設けられ、スウィーベルアームには望遠鏡が取り付けられている。さらに、その望遠鏡の中には試料台上に載置されているプリズムから射出する光を観測するための撮像素子を内蔵している。
特開平6−167420号公報
しかし、特許文献1に開示された屈折率測定装置では、光学系が大型化すると、望遠鏡を回転させるスウィーベルアームがさらに大型化が余儀なくされる。これらのスウィーベルアームの回転角計測値は最小偏角値にほぼそのまま直結し、計測精度に影響する。このため、スウィーベルアーム・ロータリエンコーダーは大型なものでかつ精度が要求されるさまざま点で困難が生じる。
また、コリメータや望遠鏡の光学系を構成する機械部品による偏芯や角度変位のために、像シフトが生じ、測定誤差が大きくなる。光学系が小型な場合は、このような像シフトの影響を小さくするために線膨張係数の小さい材料を使用する等で比較的影響を軽微にすることができるが、長さ1000mmもなる光学系をすべてこのような材料で構成することは困難である。
さらに、コリメータや望遠鏡の光学系内の距離は非常に長くなり、空気揺らぎや振動といった外乱による誤差も大きくなる。それを回避するためには、温度ムラを均一化するために大型チャンバーを用い、また振動を軽減するために除震台を用いたりする。しかしながら、光学系が肥大化になるため、軽減化が非常に困難である。
本発明は上記問題点に鑑みて創案されたものであり、望遠鏡の代わりに測定光を反射する回転反射鏡を備えている屈折率測定装置及び屈折率測定方法を提供する。
本発明の第1の態様の屈折率測定装置は、頂角を構成する入射面と射出面とを有する試料の屈折率を測定する屈折率測定装置である。そして、該屈折率測定装置は回転軸を中心に回転可能であり試料を載置する試料台と、測定光を入射面に入射させる測定光発生光学系と、射出面から射出した測定光を反射するとともに回転軸と共通の軸を中心に回転可能な回転反射鏡と、回転反射鏡で反射された測定光を射出面及び入射面を介して受光する受光部とを備える。
このような構成によれば、望遠鏡の光学系の代わりに回転反射鏡を用いることで、屈折率測定装置の小型且つ軽減化を図ることができる。
本発明の第2の態様の屈折率測定装置は、受光部と入射面との間に配置された参照ハーフミラーを備え、受光部は参照ハーフミラーで反射された測定光を受光する第1態様に記載の屈折率測定装置である。
このような構成によれば、参照ハーフミラーを用いることで、空気揺らぎや振動などの外乱による影響を小さくすることができる。
本発明の第3の態様の屈折率測定方法は、頂角を構成する入射面と射出面とを有する試料の屈折率を測定する屈折率測定方法である。該屈折率測定方法は回転軸を中心に回転可能な試料台に試料を載置するステップと、測定光を入射面及び射出面に照射させて頂角を測定するステップと、測定光を入射面に入射させるとともに射出面から射出した測定光を回転軸と共通の軸を中心に回転可能な回転反射鏡で反射させるステップと、回転反射鏡で反射された測定光を射出面及び入射面を介して受光するステップとを備える。
本発明の屈折率測定装置は、小型且つ軽減化されたものであり、高精度且つ安定的にプリズムの屈折率を測定することができる。
本発明の第1の実施例に係る屈折率測定装置を示した側面図である。 本発明の第1の実施例に係る屈折率測定装置を示した平面図である。 本発明の屈折率測定装置の屈折率測定原理を説明するための図である。 本発明の屈折率測定装置によりプリズムの頂角の測定を説明するための図である。 本発明の屈折率測定装置によりプリズムの最小偏角の測定を説明するための図である。 本発明の第1の実施例に係る屈折率測定方法を示したフローチャートである。 本発明の第2の実施例に係る屈折率測定装置を示した側面図である。 (a)は本発明に係る屈折率測定装置の投影用指標の平面図である。(b)は本発明の第2の実施例に係る屈折率測定装置の投影用指標の投影像のずれを説明するための図である。 本発明の第2の実施例に係る屈折率測定方法を示したフローチャートである。
(第1の実施例)
<屈折率測定装置の全体構成>
本実施例の屈折率測定装置10の全体構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は本実施例の屈折率測定装置を示した側面図であり、図2はその平面図である。
屈折率測定装置10は最小偏角法で入射面S1と射出面S2とを有するプリズムPなどの屈折率nを測定する精密な屈折率測定装置である。図1及び図2に示されたように、屈折率測定装置10は測定光発生光学系11と、プリズム回転台21と、回転反射鏡16とを備える。測定光をプリズムPに入射させる測定光発生光学系11は光源12、レンズ14、コリメータ15、ビームスプリッタ17及び投影用指標20を有する。また、コリメータ15、ビームスプリッタ17、撮像素子18及び投影用指標20はハウジング13の中に収容されている。また、光源12を載置している光源支持部22と、回転反射鏡16を載置している反射鏡回転アーム24と、反射鏡回転アーム24を固定する基台25と、ハウジング13及びそれを支持するハウジング支持部23とも備える。さらに、光源支持部22、ハウジング支持部23及び基台25はベース部50によって支持されている。
なお、光源12としては一般的に水銀ランプ又はヘリウムランプである基準光源波長となるスペクトルランプが用いられる。白色光源を用いる場合には、光源12とレンズ14との間に単色フィルターを配置する。また、コリメータ15はその鏡筒の後部に設けられ、投影用指標20を通過してきた光を平行光にして射出する。さらに、投影用指標20は、光源12からの光を遮蔽する遮蔽体に光を透過する縦長の細い帯状の貫通溝を設けたものである。詳しくは、図8で後述する。ここで、投影用指標20はレンズ14の後方焦点とコリメータ15の前方焦点とが重ねている箇所に位置される。
プリズムPを載置するプリズム回転台21は、図2の矢印AR1のように基台25に略垂直な回転軸OAを中心として回転可能な構成である。また、このプリズム回転台21の上面にはプリズムPを接着剤などで固定して載置することができるプリズム固定部21aが設けられている。さらに、プリズム回転台21の下方には、プリズム回転台21の角度の検出が可能であるロータリーエンコーダなどの角度検出部40aと、プリズム回転台21の高さ調節ができる調整ネジ31a、31bが設けられている。
また、回転反射鏡16は反射鏡回転アーム24によって測定光発生光学系11と同じ高さに設けられ、プリズムPから射出した測定光を反射することができる。ここで、反射鏡回転アーム24は、プリズム回転台21と同じに回転軸OAを中心として回転可能な構成である。具体的に、図2の矢印AR2のように時計方向または反時計方向に沿って回転することができる。さらに、反射鏡回転アーム24もその下方に反射鏡回転アーム24の角度の検出が可能であるロータリーエンコーダなどの角度検出部40bが設けられている。
さらに、屈折率測定装置10は撮像素子18及び角度検出部40a、40bを制御してこれらからの情報を処理するとともに必要な演算及び表示を行うディスプレイ機能付き画像演算・処理装置(図示しない)が設けられている。ここで、処理装置は、マイクロプロセッサと情報処理用回路等の必要な回路とを内蔵し、表示用のディスプレイを有するものである。また、処理装置は所定の指令によりあらかじめ記憶されている所定のプログラムにしたがって角度検出部40a、40b及び撮像素子18を制御するとともにこれらから送出される角度信号や画像信号の処理、必要な演算、もしくは表示を行う処理を実行するものである。
屈折率測定装置10の動作については、図1及び図2を参照しながら説明する。
まず、レンズ14及び投影用指標20を通過した光源12からの測定光はコリメータ15によって平行光となり、プリズムPの入射面S1入射し、入射面S1及び射出面S2で屈折されて射出面S2から射出される。反射鏡回転アーム24を回転させることで、回転反射鏡16は射出された測定光を反射することができる。このように反射された測定光は、ハウジング13の中に設けられているビームスプリッタ17に入射し、撮像素子18にて投影用指標20の投影像を形成する。ここで、投影用指標20として本実施例では一直線の細い帯状のスリットを備えた投影用指標20が用いられたが、同様の機能を果たす他の形態のものでもよい。撮像素子18は、MOS又はCCDなど二次元画像素子であればよい。
撮像素子18で投影用指標20の投影像が観察された際、プリズム回転台21及び反射鏡回転アーム24の角度を角度検出部40a、40bにより検出することができる。この検出結果に基づいて、プリズムPの屈折率nの求めに必要なプリズムPの頂角θおよび最小偏角δminを測定することができる。以下、プリズムPの頂角θおよび最小偏角δminでプリズムPの屈折率nが求められる最小偏角法について説明する。
<最小偏角法の概略>
最小偏角法は、プリズムPなどの試料の屈折率測定に関する技術である。最小偏角法について、図3、図4及び図5を参照しながら説明する。なお、図3、図4及び図5では理解し易いようにハウジング13省略し、全てをXY平面で説明する。
図3は屈折率測定装置10の屈折率測定原理を説明するための図である。頂角をθとした入射面S1及び射出面S2を有しているプリズムPの屈折率をnとし、雰囲気の屈折率を1とする場合である。光源12から入射された測定光(入射角:α1)はプリズムPと雰囲気の境界において屈折し(屈折角:α2)、プリズムP内部を通過して、再びプリズムPと雰囲気の境界において屈折する(入射角:α3、屈折角:α4)。ここで、測定光のプリズムPへの入射光とプリズムPからの射出光とより成す角は偏角δと呼ばれている。
まず、プリズム回転台21を回転させることで、光源12からの入射角α1を変化させる。したがって、偏角δも変化する。そして、入射角α1において偏角δが最小となる角度がある。そのときの偏角δが最小偏角δminである。ここで、屈折角に関するスネルの法則によると、偏角δが最小となるときは入射角α1と屈折角α4とが等しくなるときである。さらに、プリズムPの屈折率nは最小偏角δminと頂角θとを用いて、数式1を用いて求めることができる。
…(1)
数式1に示されたように、最小偏角法による屈折率nの測定にはプリズムPの頂角θおよび最小偏角δminの測定を行う必要がある。
図4はプリズムPの頂角θの測定を説明するための図である。図4(a)に示されたように、光源12の方からHe−Neレーザーのような測定光を入射し、測定光とプリズムPの入射面S1とが垂直になるようにプリズム回転台21を回転させる。そのとき、プリズム回転台21の角度β1を角度検出部40aにより検出する。次に、プリズムPの射出面S2でレーザー光が反射するようにプリズム回転台21をAR3の方向に回転させる。そのときのプリズム回転台21の角度β2を角度検出部40aにより検出する。その後、数式2を用いてプリズムPの頂角θを求められる。
…(2)
最小偏角は入射光の向き(非偏角位置)と最小偏角δminの条件での射出光の向き(最小偏角位置)の角度差から得られる。図5はプリズムPの最小偏角δminの測定を説明するための図である。図5(a)に示されたように、非偏角位置はプリズムPを取り外した状態で光源12の光を入射し、回転反射鏡16を回転させて光源12からの光が検出された位置で角度検出部40bにより反射鏡回転アーム24の角度β3を検出する。次に、図5(b)に示されたようにプリズムPを取り付け、プリズムPからの射出光の位置を確認し、プリズム回転台21の回転に対して射出光の動き(つまり、反射鏡回転アーム24の動き)が反転する場所を見つける。その場所でプリズム回転台21及び反射鏡回転アーム24を固定する。このとき反射鏡回転アーム24の角度β4を角度検出部40bにより検出し、その検出された位置が最小偏角位置である。非偏角位置の角度β3と最小偏角位置の角度β4とに基づいて、数式3を用いて最小偏角δminが求められる。
…(3)
<屈折率測定方法>
図6は、本実施例に係る屈折率測定方法を示したフローチャートである。
ステップS111において、まず、プリズムPを載置しない状態で、光源12からの測定光が直接に回転反射鏡16に入射される。そして、反射鏡回転アーム24は回転反射鏡16に反射された測定光が撮像素子18の上で投影用指標20の投影像を形成するように回転される。そのとき、撮像素子18にて投影用指標20の投影像が確認される。図5(a)を参照。
ステップS112において、ステップS111により光源12からの測定光が垂直に回転反射鏡16に入射する際、回転反射鏡16を載置している反射鏡回転アーム24の角度β3が角度検出部40bにより検出される。
ステップS113において、屈折率nの測定試料としてプリズムPがプリズム固定部21aにより試料台であるプリズム回転台21に固定される。さらに、調整ネジ31a及び調整ネジ31bでプリズムPがXY平面に垂直するように高さ調節が行われる。図1を参照。
ステップS114において、プリズムPをプリズム回転台21に載置すると、光源12からの測定光がプリズムPによって屈折される。このとき、プリズム回転台21及び回転反射鏡16を回転させながら射出面S2からの測定光の回転方向を観測する。プリズム回転台21の回転に対して反射鏡回転アーム24の動きが反転する時点で、プリズム回転台21と反射鏡回転アーム24との回転が停止される。その後、ステップS111のように、撮像素子18にて回転反射鏡16に反射して形成された投影用指標20の投影像が確認される。そのとき、入射面S1に入射する測定光と射出面S2から射出する測定光との位置がプリズムPの最小偏角位置である。図5(b)を参照。
ステップS115において、ステップS114によりプリズム回転台21と反射鏡回転アーム24とが最小偏角位置に到達している際、回転反射鏡16を載置している反射回転アーム24の角度β4が角度検出部40bにより検出される。
ステップS116において、ステップS113及びステップS115の結果に基づいて、数式3を用いてプリズムPの最小偏角δminが求められる。
ステップS117において、プリズム回転台21がプリズムPの入射面S1に反射して形成された投影用指標20の投影像が撮像素子18を介して確認できる箇所まで回転される。このとき、光源12からの測定光がプリズムPの入射面S1に垂直に照射される。図4(a)を参照。
ステップS118において、ステップS117によりプリズムPの入射面S1が光源12の測定光に垂直された際、プリズムPを載置しているプリズム回転台21の角度β1が角度検出部40aにより検出される。
ステップS119において、プリズム回転台21が図4(a)のAR3のように回転される。ここで、プリズム回転台21はプリズムPの射出面S2に反射して形成された投影用指標20の投影像が撮像素子18を介して確認できる箇所まで回転される。このとき、光源12からの測定光がプリズムPの射出面S2に垂直に照射される。図4(b)を参照。
ステップS120において、ステップS119によりプリズムPの射出面S2が光源12の測定光に垂直された際、プリズムPを載置しているプリズム回転台21の角度β2が角度検出部40aにより検出される。
ステップS121において、ステップS118及びステップS120の結果に基づいて、数式2を用いてプリズムPの頂角θが求められる。
ステップS122において、最後にステップS116及びステップS121で求められたプリズムPの最小偏角δmin及び頂角θに基づいて、数式1を用いてプリズムPの屈折率nが求められる。
本実施例の屈折率測定方法によって求められたプリズムPの屈折率nは、空気揺らぎや振動などの外乱による影響を無視している場合で求められた屈折率である。次に、プリズムPからの射出光の角度をより高精度に測定することができる屈折率測定装置及び屈折率測定方法について説明する。
(第2の実施例)
<屈折率測定装置の全体構成>
本実施例の屈折率測定装置10の全体構成について、図7を参考しながら説明する。図7は本実施例に係る屈折率測定装置10を示した側面図である。
本実施例の屈折率測定装置10は、第1の実施例に比べて空気揺らぎや振動などの外乱による影響を小さくするための参照ハーフミラー19を有している。また、参照ハーフミラー19は測定光がその中心を通過するように、直接にハウジング支持部23の上に設けている。したがって、参照ハーフミラー19は回転反射鏡16と同じに撮像素子18の上で投影用指標20の投影像を形成することができる。なお、本実施例の屈折率測定装置10は参照ハーフミラー19を除いて第1の実施例と同様なので、ここでほかの部分に対して説明を省略する。
参照ハーフミラー19の原理について、図8を参照しながら説明する。図8(a)は本実施例に係る屈折率測定装置10の投影用指標20の平面図であり、図8(b)は本実施例に係る屈折率測定装置の投影用指標20の投影像のずれを説明するための図である。
図8(a)に示されたように、投影用指標20は四角形の形状になっている。また、その真ん中には光源12からの光を遮蔽する遮蔽体に光を透過するZ軸方向で伸ばした縦長の細い帯状の貫通溝が設けられている。このため、光は縦長の細い帯状の形状になって射出することができる。
また、図8(b)に示されたように撮像素子18では投影用指標20の参照ハーフミラー19からの投影像201と回転反射鏡16からの投影像202とを同時に観察することができる。また、本実施例の屈折率測定装置10において、レンズ14、コリメータ15及びビームスプリッタ17などの光学部品偏芯等による像シフトは、参照ハーフミラー19による投影像201と回転反射鏡16による投影像202との両方に同程度に生じる。このため、測定誤差には影響を及ぼさない。さらに、ハウジング13内の空気揺らぎや振動などの外乱も同様に影響を及ぼさない。
具体的に、投影像201a及び投影像202aは空気揺らぎや振動などの外乱などの影響による像シフトがない場合の参照ハーフミラー19及び回転反射鏡16による投影用指標20の標準投影像である。また、Lyは空気揺らぎや振動などの外乱によって、参照ハーフミラー19の投影像が標準投影像201aの位置から投影像201の位置までずれたときのY軸におけるずれ量である。Tyは空気揺らぎや振動などの外乱によって、回転反射鏡16の投影像が標準投影像202aの位置から投影像202の位置までずれたときのY軸におけるずれ量である。ここで、参照ハーフミラー19による投影像201と回転反射鏡16による投影像202との両方の像シフトは同程度に生じるので、LyとTyとは同じである。
また、反射鏡回転アーム24を回転させることで、回転反射鏡16による投影像202を図8(b)のAR4ように参照ハーフミラーに19による投影像201の方に向かって移動して重ね合わせることができる。したがって、空気揺らぎや振動などの外乱などの影響があっても、プリズムPからの射出光の角度を高精度に測定することを容易に実現することができる。
ここで、本実施例の屈折率測定装置10も最小偏角法によって試料であるプリズムPの屈折率を求めるので、最小偏角法については説明を省略する。
<屈折率測定方法>
図9は本実施例に係る屈折率測定方法を示したフローチャートである。
ステップS211において、まず、プリズムPを載置しない状態で、反射鏡回転アーム24は撮像素子18の上で投影用指標20の投影像が観察されるように回転される。このとき、光源12からの測定光が直接に回転反射鏡16に反射される。図5(a)を参照。
ステップS212において、反射鏡回転アーム24を少しずつ回転して回転反射鏡16による投影像202と参照ハーフミラー19による投影像201とが重ね合われるようにする。これにより、ハウジング13内の光学系部品の空気揺らぎや振動などの外乱の影響を小さくなり、測定誤差が小さくなる。図8を参照。
ステップS213において、ステップS212により光源12からの測定光が垂直に回転反射鏡16に入射する際、回転反射鏡16を載置している反射鏡回転アーム24の角度β3が角度検出部40bにより検出される。
ステップS214において、屈折率nの測定試料としてプリズムPがプリズム固定部21aにより試料台であるプリズム回転台21に固定される。さらに、調整ネジ31a及び調整ネジ31bでプリズムPがXY平面に垂直するように高さ調節が行われる。図1を参照。
ステップS215において、プリズムPをプリズム回転台21に取り付けると、光源12からの測定光はプリズムPで屈折される。このとき、プリズム回転台21及び反射鏡回転アーム24を回転しながら射出面S2からの測定光の回転方向を観測する。そして、プリズム回転台21の回転に対して反射鏡回転アーム24の動きが反転する時点で、プリズム回転台21と反射鏡回転アーム24との回転が停止される。図5(b)を参照。
ステップS216において、反射鏡回転アーム24を少しずつ回転して回転反射鏡16による投影像202と参照ハーフミラー19による投影像201とが重ね合われるようにする。これにより、ハウジング13内の光学系部品の空気揺らぎや振動などの外乱の影響が小さくなり、測定誤差が小さくなる。そのとき、入射面S1に入射する測定光と射出面S2から射出する測定光との位置がプリズムPの最小偏角位置である。図5(b)及び図8を参照。
ステップS217において、ステップS216によりプリズム回転台21と反射鏡回転アーム24とが最小偏角位置に到達している際、回転反射鏡16を載置している反射回転アーム24の角度β4が角度検出部40bにより検出される。
ステップS218において、ステップS213及びステップS217の結果に基づいて、数式3を用いてプリズムPの最小偏角δminが求められる。
ステップS219において、プリズムPの頂角θを測定する。その頂角θの測定は、第1の実施例のステップS117ないしステップS121に示されているステップと同様なので、本実施例ではその説明を省略する。
ステップS220において、最後にステップS218及びステップS219で求められたプリズムPの頂角θ及び最小偏角δminに基づいて、数式1を用いてプリズムPの屈折率nが求められる。
以上、本発明の最適な実施例について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施例に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
なお、本発明の屈折率測定方法により求められてプリズムの屈折率は空気等の雰囲気の屈折率を1とする場合のプリズムの相対屈折率である。プリズムの絶対屈折率を求める場合には空気の屈折率を求める必要がある。一般的には空気の温度、気圧、湿度、炭酸ガス濃度を測定し、これらの測定値とElden式等から空気屈折率を求め、これを用いてプリズムの絶対屈折率を求めることができる。
10 屈折率測定装置
11 測定光発生光学系
12 光源
13 ハウジング
14 レンズ
15 コリメータ
16 回転反射鏡
17 ビームスプリッタ
18 撮像素子
19 参照ハーフミラー
20 投影用指標
21 プリズム回転台
21a プリズム固定部
22 光源支持部
23 ハウジング支持部
24 反射鏡回転アーム
25 基台
31a、31b 調整ネジ
40a、40b 角度検出部
50 ベース部
201、201a 参照ハーフミラーによる投影像
202、202a 回転反射鏡による投影像
AR1、AR2、AR3、AR4 矢印
Ly 参照ハーフミラーによる投影像のY軸のずれ量
n プリズムの屈折率
OA 回転軸
P プリズム
S1 入射面
S2 射出面
Ty 回転反射鏡16による投影像のY軸のずれ量
θ 頂角
α1 入射面の入射角
α2 入射面の屈折角
α3 射出面の入射角
α4 射出面の屈折角
β1、β2 プリズム回転台の角度
β3、β4 反射鏡回転アームの角度
δ 偏角
δmin 最小偏角

Claims (9)

  1. 頂角を構成する入射面と射出面とを有する試料の屈折率を測定する屈折率測定装置において、
    回転軸を中心に回転可能であり前記試料を載置する試料台と、
    測定光を前記入射面に入射させる測定光発生光学系と、
    前記射出面から射出した前記測定光を反射するとともに前記回転軸と共通の軸を中心に回転可能な回転反射鏡と、
    前記回転反射鏡で反射された前記測定光を、前記射出面及び前記入射面を介して受光する受光部と、
    を備える屈折率測定装置。
  2. 前記受光部と前記入射面との間に配置された参照ハーフミラーを備え、
    前記受光部は、前記参照ハーフミラーで反射された前記測定光を受光する請求項1に記載の屈折率測定装置。
  3. 前記測定光発生光学系に配置されたビームスプリッタを備え、
    前記受光部は、前記ビームスプリッタで分割された前記測定光を受光する請求項1又は請求項2に記載の屈折率測定装置。
  4. 前記測定光発生光学系は前記測定光用の光源と前記光源の光束を制限するスリットとを備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の屈折率測定装置。
  5. 前記測定光発生光学系は前記光源から前記入射面まで前記測定光を導く反射光学系を有する請求項4に記載の屈折率測定装置。
  6. 前記試料台又は前記回転反射鏡のいずれか一方又は双方の回転角度を検出する角度検出器を備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の屈折率測定装置。
  7. 前記受光部は、前記回転反射鏡からの反射された測定光の焦点面に配置された2次元撮像素子を含む請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の屈折率測定装置。
  8. 頂角を構成する入射面と射出面とを有する試料の屈折率を測定する屈折率測定方法において、
    回転軸を中心に回転可能な試料台に前記試料を載置するステップと、
    測定光を前記入射面及び前記射出面に照射させて、前記頂角を測定するステップと、
    前記測定光を前記入射面に入射させるとともに前記射出面から射出した前記測定光を前記回転軸と共通の軸を中心に回転可能な回転反射鏡で反射させるステップと、
    前記回転反射鏡で反射された前記測定光を、前記射出面及び前記入射面を介して受光するステップと、
    を備える屈折率測定方法。
  9. 前記測定光を前記入射面に入射させるとともに前記受光部と前記入射面との間に配置された参照ハーフミラーで前記測定光を反射させるステップを備え、
    前記受光部は、前記参照ハーフミラーで反射された前記測定光を受光する請求項8に記載の屈折率測定方法。
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