JP2000347547A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JP2000347547A
JP2000347547A JP15016699A JP15016699A JP2000347547A JP 2000347547 A JP2000347547 A JP 2000347547A JP 15016699 A JP15016699 A JP 15016699A JP 15016699 A JP15016699 A JP 15016699A JP 2000347547 A JP2000347547 A JP 2000347547A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着ローラを記録ドラムや受像シートに確実
に接触させることができるようにして記録ドラムや受像
シート上のゴミを取り除き、したがって、受像シートと
トナーシートとの密着不良に起因するゴミによる記録欠
陥を無くする。 【解決手段】 受像シート14を固定するための記録ド
ラム11と記録ヘッド6とを備え、かつ、該記録ドラム
11が前記受像シート14の厚さの影響を避けるための
段差部13を有する記録装置において、段差部13に対
応する段差付き粘着ローラ12を記録ドラム11の表面
をクリーニングするためおよび記録ドラムに固定された
受像シート14の表面をクリーニングするために、記録
ドラム近傍に設置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録装置に係り、
より詳細には、記録ドラム又は受像シート上にゴミ等の
異物がのらないようにこれらの異物を除去する記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明が対象としている記録装置は、記
録用回転ドラム(以後、「記録ドラム」という。)又は
記録平面の上に、記録媒体(すなわち、受像シートを記
録ドラム上に固定し、その上にこの受像シートを覆うよ
うにトナーシートを固定して成る受像シートとトナーシ
ートの総称)を固定し、これに光ヘッドからのレーザビ
ーム等を照射して画像記録を行なうものである。本発明
が対象とする記録装置の全体の概念図が図13に示され
ている。同図において、30がこの記録装置で、記録装
置30はフルカラー画像を得るため、記録媒体供給部3
2と、記録ドラム34と、この記録ドラム34上に設け
られる記録媒体固定/解除機構36と、記録ドラム34
の外周に沿って配置されるラミネート機構38と、露光
ヘッド40と、剥離機構42と、給紙部44と、ラミネ
ート部46と、定着部48と、剥離部50と、トレイ部
52と制御部54とを有する。
【0003】この記録装置30は、記録媒体供給部32
から記録ドラム34上に受像シートRおよびトナーシー
トTとを供給し、まず、記録ドラム34上に受像シート
Rを記録媒体固定/解除機構36によって固定し、次い
で、ラミネート機構38によって加圧加熱押圧して受像
シートR上にトナーシートTを粘着して積層する。この
加熱工程は記録媒体の種類によっては不要となる場合が
ある。次いで制御部54によって画像信号に応じて制御
された露光ヘッド40によって像様にヒートモードレー
ザ露光して潜像として画像を記録する。続いて剥離機構
42によってトナーシートTを記録ドラム34上に固定
されている受像シートRから剥離して、潜像として記録
されたトナーシートTの画像を受像シートRに転写して
現像して、受像シートR上に画像を形成する。これを3
〜4色について繰り返し、受像シートR上にカラー画像
を形成した後、この受像シートRと給紙部44から供給
された本紙Hとをラミネート部で積層・密着し、定着部
48で受像シートRの受像層16を光硬化させた後、剥
離部50で剥離し、フルカラー画像が形成された本紙H
はプルーフトレイ52aに、使用済受像シートRは廃材
スタッカ52bに排出される。こうして、フルカラー画
像をハードコピーとして得ることができる。
【0004】記録媒体供給部32は、記録媒体(すなわ
ち、ロール状の受像シートR、および複数のトナーシー
トT、例えばK(黒)、C(シアン)、M(マゼンタ)
およびY(イエロー)の標準トナーシートや印刷分野で
用いられる金、銀等の特色シートなどのロール状感熱材
料)が保持されている記録媒体ステーション53と、1
つの記録媒体を引き出す1対の引出ローラ54と、引出
ローラ54によって記録媒体ステーション53から所定
の長さに引き出された記録媒体をシート状に切断するカ
ッタ55と、シート状記録媒体を挟持搬送する1対のロ
ーラ56と、シート状記録媒体を記録ドラム34上に案
内し、記録媒体の先端を記録ドラム34上の取り付けら
れた記録媒体固定/解除機構36に固定位置まで案内す
るガイド57とからなる。
【0005】記録ドラム34には、まず受像シートRが
供給されるが、その先端が機構36にクランプ等により
固定され、記録ドラム34の図中矢印方向の回転によっ
て記録ドラム34の外周上に巻き付けられ、後端も記録
媒体固定/解除機構36により固定される。ここで、記
録媒体固定/解除手段36の先端固定部と後端固定部の
少なくとも一方は、色々な長さの記録媒体シートの記録
ドラム34上への固定が可能なように、記録ドラム34
の外周上を移動可能であるのが好ましい。次いで、記録
ドラム34の外周上に巻き付けられた受像シートR上
に、全く同様にして記録媒体供給部32から搬送されて
きたトナーシートTが積層して巻き付けられる。このト
ナーシートTの受像シートR上への積層は、内部に図示
しないヒータを内蔵するラミネートローラ58と、ラミ
ネートローラ58を支点59aを中心に回動し、記録ド
ラム34の外周に接離させるアーム59と、ラミネート
ローラ58を所定押圧力で記録ドラム外周に押圧する押
圧手段60からなるラミネート機構38によって行われ
る。押圧手段60は、ばね等の付勢手段であってもエア
シリンダのマニュピレータであってもよい。受像シート
Rの最表層の受像層は粘着性を有しているため、ラミネ
ートローラ58によって所定押圧力により押圧しながら
トナーシートを巻き付けてラミネートできるので、トナ
ーシートTにしわなどを発生させないことはもちろん、
均一な粘着力で受像シートRの受像層とトナーシートT
のトナー層とを接着することができる。ここで、受像シ
ートRへのトナーシートTのラミネートは、均一に強く
接着させるため、加圧ラミネートローラ58によって行
われるが、粘着力の向上を図るためラミネートローラ5
8を加圧と同時に加熱しながらラミネートするのも好ま
しい。加熱条件は130℃以下好ましくは100℃以下
とするのがよい。
【0006】また、記録ドラム34への受像シートRの
巻き付けの際に、その先端を記録媒体固定/解除機構3
6によって固定し、搬送ローラ対56またはラミネート
ローラ58もしくはその他の手段で受像シートRの他の
部分を保持し、受像シートRに所定の張力をかけて記録
ドラム34の外周に巻き付けるのが好ましい。この時、
後述するように記録ドラム34の外周に吸入孔を設けて
おき、受像シートRを吸着手段を用いて吸着するように
してもよい(図14参照)。この吸着手段と記録媒体固
定/解除機構36とは併用するのが好ましいが、いずれ
か一方のみとしてもよい。こうすることにより、しわ等
を発生させず、また位置ずれを生じさせることなく、受
像シートRを記録ドラム34の外周に固定することがで
きる。さらに、トナーシートTの受像シートRへの積層
時にも、トナーシートTに張力をかけておくのが好まし
い。この時受像シートRの巻き付けと同様に記録媒体固
定/解除機構36を用いて、トナーシートTの先端およ
び/または後端を固定するようにしてもよいし、上述の
吸着手段を併用するようにしてもよい。なお、積層時に
トナーシートTにかける張力は記録ドラム34への巻き
付け時に受像シートRにかける張力より小さくしておく
のが好ましい。
【0007】露光ヘッド40は、変調手段を含み、レー
ザビーム等の高密度エネルギ光を射出するレーザ光源と
レーザ光のビームスポット径を調整する結像レンズ等か
らなるレーザヘッド24と、レーザヘッド24を記録ド
ラム34の軸方向(図1の紙面に垂直な方向)に移動し
て副走査を行う副走査手段61とを有する。なお、レー
ザ光によるトナーシートTの主走査は、記録ドラム34
の回転によって行う。ここで、露光ヘッド40に副走査
移動手段61を設けず、記録ドラム34に軸方向の移動
手段を設け、記録ドラム34を回転主走査しつつ軸方向
に移動させて副走査させてもよい。レーザ光源として
は、ヒートモード露光が可能な高密度エネルギ光を射出
できればよく、例えば、アルゴンイオンレーザ、ヘリウ
ムネオンレーザ、ヘリウムカドミウムレーザ等のガスレ
ーザ、YAGレーザなどの固体レーザ、半導体レーザな
どの他に、色素レーザ、エキシマーレーザなどを用いる
ことができる。画像信号によるレーザ光の変調は、例え
ばアルゴンイオンレーザの場合には外部変調器にビーム
を通し、また半導体レーザの場合には、レーザーに注入
する電流を信号により制御(直接変調)する等、公知の
方法により行なわれる。光熱変換層上で集光されるレー
ザスポットの大きさ、および走査速度は、画像に必要と
される解像力、材料の記録感度等に応じて設定される。
印刷用途の場合、一般に高い解像力が必要であり、ビー
ムスポットは小さい方が画質的に好ましいが、一方で焦
点深度が小さくなり、機械的な制御が困難になる。ま
た、走査速度が小さすぎると、トナーシート支持体等へ
の熱伝導による熱損失が大きくなり、エネルギ効率が低
下すると共に、記録時間が長くなり好ましくない。以上
から、本発明での記録条件は、光熱変換層上のビーム径
が5〜50μm、特に好ましくは6〜30μm、走査速
度1m/秒以上、好ましくは3m/秒以上である。
【0008】画像信号は、本発明の記録装置30の外部
の画像読取装置、画像処理装置、DTP機能を持つワー
クステーション(W/S)、電子出版システムや各種の
記憶媒体(磁気テープ、フロッピーディスク、ハードデ
ィスク、RAMカード等々)から、インターフェース等
を介してディジタル信号として、制御部54に伝送さ
れ、必要な処理が施された後、露光ヘッド40に伝送さ
れ、レーザヘッド24のヒートモード露光の制御が行わ
れる。制御部54は、露光ヘッド40の副走査手段61
による副走査および記録ドラム34の回転主走査の制御
を始めとして、本発明の記録装置30の各部の制御およ
び全体シーケンスの制御などを行う。
【0009】剥離機構42は、露光ヘッド40によるヒ
ートモード露光によって潜像として画像が形成されたト
ナーシートTを受像シートRから剥離すると同時にトナ
ーシートTの潜像を受像シートRに剥離転写して現像す
るためのもので、剥離ローラ62と、剥離ローラ62に
当接する2個の分割ローラ63,64と、剥離ローラ6
2に沿って分割ローラ63,64の分割ローラ片間に設
けられる櫛刃ガイド板65、これらを一体として取り付
けるブラケット(図示しない)とを有する。剥離ローラ
62はアーム67に軸支され、支点67aを中心に回動
し、記録ドラム36上を接離可能に構成される。またア
ーム67を介して剥離ローラ62を記録ドラム34上の
受像シートRとトナーシートTとの積層体を押圧するた
めの押圧手段68が設けられる。
【0010】ヒートモード露光によって熱エネルギが像
様に印加され、トナー層22の接着力が低下することで
潜像として画像が形成されトナーシートTと、これが接
着された受像層16を持つ受像シートRとの積層体に対
し、支点67aを中心にアーム67がそれぞれ回動し
て、ブラケットを近づけ、積層体の受像シートRの受像
層16とトナーシートTのトナー層22との間に櫛刃ガ
イド板65を挿入するとともに積層体をトナーシートT
側から剥離ローラ62によって押圧する。ここで、トナ
ーシートTと受像シートRのいずれかの接合長さを変え
ておけば櫛刃ガイド板65を両者間に容易に挿入でき
る。この後記録ドラム34を回転するとともに剥離ロー
ラ62、分割ローラ63,64を回転させ、トナーシー
トTの先端を櫛刃ガイド65に沿って移動させ剥離ロー
ラ62と分割ローラ63の間に挟持させる。こうして、
トナーシートTを剥離ローラ62で押圧しながら、剥離
ローラ62と分割ローラ63,64との間で挟持搬送し
て、受像シートRから剥離する。こうして、トナーシー
トTは剥離ローラ62で押圧した部分で、一定の剥離速
度で剥離することができるので、剥離力も一定とするこ
とができ、スティックスリップなど振動現象が発生する
ことがなく、剥離ムラを生じることがない。また剥離の
際に、受像シートRに加わる剥離力が変動しないので、
受像シートRの記録ドラム34上の固定位置がずれるこ
ともない。従って、見当精度の低下を招くこともない。
こうして、剥離ムラや見当ズレ等のない1色の高画質、
高解像度、高階調網点画像を得ることができる。このよ
うにしてC,M,YおよびKの4色の画像が正確に見当
合わせされて剥離・転写・現像された受像シートRは、
ガイド部材70,70に案内されつつ、搬送ローラ対7
1によって搬送されて、ラミネート部46に搬送され
る。ラミネート部46においては、受像シートRの搬送
にタイミングを合わせて、本紙供給ロール72が本紙カ
セット73から本紙Hを送り出し、ガイド部材70によ
って案内しつつ図中左方向に搬送する。本紙Hを手差し
供給口44aから本紙供給ロール72に供給してもよ
い。次いで、受像シートRおよび本紙Hは、レジストロ
ーラ対75によって位置合わせされつつ積層され、定着
部48に搬送される。このラミネート部は記録装置とは
別体にされる場合もある。
【0011】定着部48において、ラミネート部46に
おいて積層された受像シートRと本紙Hは、圧着ローラ
76aおよび加熱ローラ76bより構成される加熱定着
ローラ対76によって加熱定着されつつ挟持搬送され、
さらに紫外線ランプ等の後露光ランプ77によってさら
に受像シートRの受像層16が剥離しやすいように硬化
する。この定着工程は、記録媒体の種類によって不要な
場合がある。次いで、剥離部50において、剥離ローラ
対78および剥離ガイド79によって、硬化して剥離し
やすい受像層16が受像シートRより剥離され、受像層
16が本紙Hに貼着されて画像が転写され、画像が転写
された本紙Hはハードコピーとしてトレイ部52のプル
ーフトレイ52aに排出され、受像層16が剥離された
受像シートRは、廃棄トレイ52bに廃棄される。
【0012】このように、図13の記録装置は、記録媒
体を記録ドラム34上に固定して記録等を行っており、
この場合、記録中には記録ドラム34はかなり高速回転
となるので、記録媒体が記録ドラム34上から浮いたり
ズレたりめくれたりすることがあった。これを防止する
ために図14に示すような記録媒体固定用吸引装置が用
いられている。図14はこの記録媒体固定用吸引装置を
示す図で、図14(a)は記録媒体固定用吸引装置の断
面概念図であり、図14(b)は表面に吸入孔を多数備
えた記録ドラムの斜視図である。同図において、11は
記録ドラム、142は吸入孔、143は回転軸孔、14
4は吸引管、145はエアーブロアである。このように
記録ドラム11には記録媒体10が固定される範囲内に
多数の吸入孔が半径方向に開けられている。そして、記
録ドラム11の内部を空洞にし、回転軸にも孔(回転軸
孔)143が多数開けられている。そして吸引管144
を介して外部の吸引源であるエアーブロア(あるいは真
空ポンプ等)145に接続されている。吸入孔142は
図示の関係上見やすくするために誇張して描いてある
が、実際は図示のものよりもかなり小さくかつもっと多
数散在している。吸引源エアーブロア145が吸引動作
を開始すれば、吸引管144を介して記録ドラム11の
内部の空気が吸引され、記録ドラム11の内部圧力が下
がるので、記録ドラム11の表面に開孔した多数の吸入
孔142より記録媒体10を吸着し、記録媒体10を確
実に記録ドラム11上に保持固定する。より正確に言え
ば、記録媒体10は既述したように受像シートRとトナ
ーシートTとから成るので、まず、受像シートRを記録
ドラム11の上に置くと、受像シートRの下に位置する
多数の吸入孔142によって受像シートRが記録ドラム
11の上に固定される。次に、トナーシートTを受像シ
ートRの上に置く。トナーシートTは受像シートRより
も大きめにカットされているので、トナーシートTの四
辺は受像シートRからはみ出し、このはみ出した部分の
下に位置する多数の吸入孔142によってトナーシート
Tが吸引され、記録ドラム11の上に固定される。
【0013】この場合、トナーシートTが受像シートR
の上に覆われる際に、受像シートRの厚みによってトナ
ーシートTの端部にシワが発生し、このシワは記録に悪
影響を与えるので、シワが発生するのを防止する必要が
あった。このために、記録ドラム11の表面に後述する
ように、段差テープを張りつけたり、又は、記録ド
ラムの表面に溝などを掘ったりして、段差部を設け、こ
の段差部の高さを受像シートの厚みとほぼ同じにしてお
けば、トナーシートが受像シートの上に覆われてもトナ
ーシートの端部にシワは発生しなくなる。このように段
差テープを張りつけたり、又は記録ドラムの表面に溝な
どを掘ったりして、シワ対策用の段差部を設けた記録ド
ラムが用いられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このような記録装置に
おいても、ゴミの付着による記録欠陥が問題となる。ゴ
ミ付着による記録欠陥は2種類に分けられる。 1つは、ゴミが受像シート上に付着した場合の記録
欠陥(いわゆる、「白抜き」発生。)であり、 もう1つは、ゴミが記録ドラム上に付着した場合の
記録欠陥(いわゆる、「白リング」発生。)である。
【0015】図15は、前者の記録欠陥である白抜け
が発生する理由を示す図である。同図において、Rが記
録ドラム面(ハッチング部)の上に固定された受像シー
トで、Tがその上に固定されたトナーシートで、Xがゴ
ミである。同図に示すように、受像シートRの上にゴミ
Xが存在した場合、ゴミXによるトナーシートTと受像
シートRとの密着不良が生じ、図中の矢印Aの範囲で画
像の抜け(いわゆる、「白抜け」)が発生してしまう。
【0016】また、図16は、後者の記録欠陥である
白リングが発生する理由を示す図である。同図におい
て、Rが記録ドラム面(ハッチング部)の上に固定され
た受像シートで、Tがその上に固定されたトナーシート
で、Xがゴミである。同図に示すように、記録ドラムの
上にゴミXが存在した場合、受像シートRは多数の吸入
孔により強く吸引されるのでゴミXの形状に追随する
が、トナーシートTはその周辺しか吸引されないのでゴ
ミXが存在する箇所の吸引力は弱く、しかもナーシート
T自体の剛性があるため、ゴミXが存在する中心部では
トナーシートTと受像シートRとが密着するものの、そ
の周辺においてトナーシートTと受像シートRとの間に
隙間Cがリング状にでき、それゆえこの隙間Cで転写が
できず、ちょうど図中の矢印Bの範囲で白い部分がリン
グ状に(いわゆる、「白リング」が)発生してしまう。
また、ゴミXによる受像シートRおよびトナーシートT
の位置ずれのため記録用レーザ光Lの焦点がずれ、十分
なエネルギ密度が得られなくなり、図中の矢印Bの範囲
で画像の細りや濃度低下等が発生し画像ムラとなった。
【0017】そこで、従来より、図13のラミネートロ
ーラ58にさらに粘着性を持たせたローラ(以下、粘着
ローラという)を用いて、この粘着ローラを受像シート
に接触回転させることにより、受像シートに付着したゴ
ミの除去を行っていた。
【0018】ところが、このような粘着ローラを用いて
従来の段差テープ付き記録ドラム上の受像シートのゴミ
を除去する場合、次のような問題が生じた。図11はこ
の粘着ローラを従来の段差テープ3付き記録ドラム1に
設けたその正面断面図および側面断面図であり、図11
(a)は記録ドラム1上に受像シート4が搬送され固定
された状態、図11(b)は図11(a)の受像シート
4の上にさらにトナーシート5が搬送され固定された状
態を示している。一般に、受像シートの幅は段差テープ
の内側寸法より狭く、またトナーシートの幅は受像シー
トとの密着を上げるため受像シートの幅よりも広くなっ
ている。図11において、記録媒体(すなわち、受像シ
ートおよびトナーシート)を回転しながら巻き付ける記
録ドラム1は、この記録ドラム1の近傍に受像シートに
接するように設けられた粘着ローラ2と、記録ドラム1
の外表面の回転方向の上部および下部、および軸方向の
両端近傍に設けられた段差テープ3とを備え、画像記録
の際には、この段差テープ3の内側(ここで、段差テー
プの「内側」とは、記録ドラム上の外表面の回転方向の
上部および下部、および軸方向の両端近傍に各々略並行
に設けられた段差テープに囲まれた領域すなわち段差部
間のことを指す。)に搬送され固定される受像シート4
と、この受像シート4および段差テープ3の上に搬送さ
れ密着し、段差テープ3からはみ出さない大きさを有す
るトナーシート5とを備える。粘着ローラは受像シート
に接触及び回転することにより、その受像シートに付着
したゴミを除去していた。図11(a)に示すように、
回転している記録ドラム1上に受像シート4を搬送し、
この受像シート4を記録ドラム1上の粘着ローラ2でな
ぞりながら記録ドラム1に巻き付け固定する。この粘着
ローラの動作により、受像シートに付着したゴミ等の異
物が除去される。
【0019】次いで図11(b)に示すように、記録ド
ラム1上に固定された受像シート4の上にトナーシート
5を搬送し、真空吸着によって受像シート4と密着させ
る。この際、記録ドラム上に段差テープが設けられてい
なかったり、あるいはトナーシートが段差テープの外側
寸法より長い場合、受像シートの段差又は段差テープの
段差により、トナーシートの端が折れトナーシートにシ
ワが発生し、均一な画像を得ることができなくなる。し
たがって、トナーシートの幅は受像シートの幅より広く
段差テープの外側寸法よりも短くなっている。
【0020】次に、溝付き記録ドラムについて図12を
参照して説明する。図12は粘着ローラを従来の溝付き
記録ドラム1に設けたその正面断面図および側面断面図
であり、図12(a)は記録ドラム1上に受像シート4
が搬送され固定された状態、図12(b)は図11
(a)の受像シート4の上にさらにトナーシート5が搬
送され固定された状態を示している。図12において、
記録ドラム1は、図11の段差テープの代わりに溝を有
した構造以外は図11と同様であり、近傍に設けられた
粘着ローラ2と、溝に搬送されて固定される受像シート
4と、この受像シートの上に搬送されて密着するトナー
シート5とを有する。この溝によって記録ドラム上に段
差部が設けられる。一般に、受像シートの幅は溝の内側
寸法より狭く、また、トナーシートの幅は受像シートよ
り広くかつ記録ドラムの溝の幅よりも広くなっている。
【0021】しかしながら、上記従来の段差テープまた
は溝付き記録ドラムにおいて、段差テープの厚さが受像
シートの厚さよりも厚い場合、又は記録ドラムの溝の深
さが受像シートの厚さよりも深い場合、すなわち受像シ
ートを変えたときに受像シートが所定の厚さよりも薄い
場合、粘着ローラを用いて受像シートに付着したゴミの
除去を行う際、粘着ローラの両端の一部が段差テープや
記録ドラムに接触し、受像シートに均一に接触しなくな
る。また、たとえテープ厚(溝)が受像厚と同一でも、
一般的にローラ同士が接触する場合は、中央部より両端
部の力が強いため、粘着ローラを用いて受像シートに付
着したゴミの除去を行う際、粘着ローラが受像シートに
均一に接触しなくなる。それゆえ、均一に受像シートの
ゴミを取り除くことができなくなるという問題点があ
る。さらに、上述のように、従来は受像シート上のゴミ
を粘着ローラで除去することを行っていたものの、段差
付き記録ドラムの表面上のゴミを粘着ローラで除去する
ことは行われていなかった。本発明は上記事情に鑑みて
なされたもので、粘着ローラを記録ドラムや受像シート
上に確実に接触させることのできる記録装置を提供し、
これによって記録ドラムや受像シート上のゴミを確実に
取り除くことが可能な記録装置を提供することを目的と
する。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、請求項1記載の発明は、受像シートを固定するため
の記録ドラムと記録ヘッドとを備え、かつ、該記録ドラ
ムが前記受像シートの厚さの影響を避けるための段差部
を有する記録装置において、記録ドラムの表面をクリー
ニングする粘着ローラを記録ドラム近傍に設置したこと
を特徴としている。また、請求項2記載の発明は、前記
粘着ローラが少なくとも記録ドラムが受像シートと接触
するドラム表面をクリーニングすることを特徴としてい
る。そして、請求項3記載の発明は、前記粘着ローラの
粘着力が約8ヘクトパスカル以上であることを特徴とし
ている。さらに、請求項4記載の発明は、前記粘着ロー
ラが前記段差部に対応する段差付き粘着ローラであるこ
とを特徴としている。また、請求項5記載の発明は、前
記粘着ローラの軸方向段差間隔が前記記録ドラム上の段
差部の軸方向段差間隔より狭いことを特徴としている。
そして、請求項6記載の発明は、前記記録ドラムが半径
方向に多数の吸入孔を有し、かつ該記録ドラム上に固定
された記録媒体を記録ドラムに吸引固定するための記録
媒体固定用吸引装置を備えた記録装置において、前記粘
着ローラが前記記録ドラムの表面をクリーニングする際
に、前記吸引装置を動作させることを特徴としている。
さらに、請求項7記載の発明は、前記粘着ローラが前記
記録ドラムの表面をクリーニングした後、前記吸引装置
を動作させ、その後、受像シートを固定し、さらに前記
粘着ローラが該受像シートの表面をクリーニングするこ
とを特徴としている。また、請求項8記載の発明は、前
記吸引装置を動作させ、その後、前記粘着ローラが前記
記録ドラムの表面をクリーニングし、受像シートを固定
し、さらに、前記粘着ローラが該受像シートの表面をク
リーニングすることを特徴としている。
【0023】そして、請求項9記載の発明は、受像シー
トを固定するための記録ドラムと記録ヘッドとを備え、
かつ、該記録ドラムが前記受像シートの厚さの影響を避
けるための段差部を有する記録装置において、前記記録
ドラムに固定された受像シートの表面をクリーニングす
るための段差付き粘着ローラを該記録ドラム近傍に設置
したことを特徴としている。さらに、請求項10記載の
発明は、前記粘着ローラの前記受像シートと接触する面
の軸方向幅が該受像シートの軸方向幅と略一致している
ことを特徴としている。また、請求項11記載の発明
は、前記粘着ローラの受像シートと接触する面の軸方向
幅が、前記受像シート固定部材の段差部間の軸方向幅よ
り狭いことを特徴としている。そして、請求項12記載
の発明は、前記粘着ローラの受像シートと接触する面の
軸方向幅が、前記受像シート固定部材の段差部間の軸方
向幅より、3mm以上狭いことを特徴としている。さら
に、請求項13記載の発明は、前記粘着ローラの受像シ
ートと接触する面の軸方向幅が、前記受像シート固定部
材の段差部間の軸方向幅より、3mm以上狭く、かつ、
受像シートの軸方向幅より広いことを特徴としている。
また、請求項14記載の発明は、前記粘着ローラの受像
シートと接触する面の軸方向幅が、前記受像シートの記
録範囲の軸方向幅と略一致していることを特徴としてい
る。そして、請求項15記載の発明は、前記粘着ローラ
の受像シートと接触する面の軸方向幅が、前記受像シー
ト固定部材の段差部間の軸方向幅より狭く、かつ、前記
受像シートの記録範囲の軸方向幅より広いことを特徴と
している。さらに、請求項16記載の発明は、受像シー
トを固定するための記録ドラムと記録ヘッドとを備え、
かつ、該記録ドラムが前記受像シートの厚さの影響を避
けるための段差部を有する記録装置において、前記記録
ドラムの表面をクリーニングする段差付き粘着ローラ
と、前記受像シートの表面をクリーニングする段差付き
粘着ローラとを該記録ドラム近傍に設置したことを特徴
としている。
【0024】また、請求項17記載の発明は、前記記録
ドラムクリーニング用段差付き粘着ローラと前記受像シ
ートクリーニング用段差付き粘着ローラを共用すること
を特徴としている。
【0025】そして、請求項18記載の発明は、前記記
録ドラムの代わりに記録平面を用いたことを特徴として
いる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図1〜図1
0を参照して説明する。図1は、本発明の記録装置を示
す斜視図である。図1において、記録装置は、レーザビ
ームを画像データ通りに照射する光ヘッド6と、この光
ヘッド6を搭載して移動する移動ステージ7と、光ヘッ
ド6により照射される受像シートを巻き付け固定する記
録ドラム11と、この記録ドラム11の近傍に備えら
れ、受像シートのゴミを除去するために粘着ローラ12
と、光ヘッド6により照射される受像シートの受像シー
ト14およびトナーシート15と、を備えている。記録
ドラム11の外表面の回転方向の上部および下部、およ
び軸方向の両端近傍には段差テープ13が設けられ、こ
の段差テープ13内に受像シート14が、そしてこの段
差テープ13の上にトナーシート15が固定される。ま
た、前述したように段差テープ13の代わりに、溝を掘
った記録ドラム11が用いられてもよい。以上の2種類
の記録ドラムを総称して、「段差部を有する記録ドラ
ム」と言う。記録装置は受像シート14およびトナーシ
ート15を搬送方向(図中の矢印a)に搬送し、この搬
送方向と略直交する移動方向(図中の矢印b)に移動す
る光ヘッド6からのレーザビームで露光することによっ
てトナーシート15のトナーを画像データに従って受像
シート14に転写するものである。この画像記録の間又
は記録前に本発明による粘着ローラ12を用いて受像シ
ート14に接触および回転させることにより、その受像
シート上のゴミを取り除く。また、段差付き記録ドラム
11に受像シート14を固定する前に、段差付き記録ド
ラム11にも粘着ローラ12を接触および回転させるこ
とにより、この段差付き記録ドラム上のゴミも取り除く
ものである。
【0027】このように本発明の記録装置は次の2つの
実施の形態を有している。 1)第1の実施の形態では、従来のような段差無し粘着
ローラではなく、段差の有る粘着ローラで受像シート上
のゴミを効果的に除去すること。 2)第2の実施の形態では、受像シートの固定されてい
ないときに粘着ローラを用いて段差付き記録ドラム上の
ゴミをも除去すること。
【0028】図2は第1の実施形態における第1実施例
の粘着ローラ12を備えた溝付き記録ドラム11の正面
断面図を示している。図2において、粘着ローラ12の
構造は粘着ゴム17および芯金16の径太部の軸方向幅
を受像シート14の軸方向幅と略一致させたものであ
る。図3は第1の実施形態における第2実施例の粘着ロ
ーラ12を備えた溝付き記録ドラム11の正面断面図を
示している。図3において、粘着ローラの構造は粘着ゴ
ム17の軸方向幅を受像シートの軸方向幅と略一致させ
たものであり、芯金の径太部は粘着ゴムの軸方向幅より
広い。図4は第1の実施形態における第3の実施例にお
ける粘着ローラ12を備えた溝付き記録ドラム11の正
面断面図を示す。図4において、粘着ローラの構造は芯
金の径太部が全て粘着ゴムで覆われ、さらに粘着ゴムの
厚い部分の受像シートと接触する部分の軸方向幅を受像
シートの軸方向幅と略一致させたものである。なお、図
1〜図4において、同じ部材には同じ番号を付してい
る。
【0029】ここで用いられる粘着ローラ12の材質
は、TiOX (酸化チタン)を含み、かつBa(バリウ
ム)は含まない粘着性ゴムローラを使用するのがよい。
または、C−OまたはSi−Oの官能基を持つ炭化水素
化合物を含む粘着性ゴムローラか、TiOX (酸化チタ
ン)と、かつ、C−OまたはSi−Oの官能基を持つ炭
化水素化合物と、を含む粘着性ゴムローラを使用しても
よい。この場合も、Baを含まない粘着性ゴムローラが
良い。
【0030】図2〜図4において、溝付き記録ドラム1
1は、受像シート14上のゴミを取るために設けられた
粘着ローラ(又はスクイーズローラ)12を近傍に設け
ており、画像記録の際には受像シート14が記録ドラム
11上に搬送され固定されて、粘着ローラ12によって
受像シート14の上に付着したゴミが取り除かれる。粘
着ローラ12は、芯金16と、芯金16の周りに設けら
れ、粘着性のゴムにより受像シート上のゴミを除去する
粘着ゴム17とを有して構成され、受像シート上に付着
したゴミ等の異物を取り除く。この粘着ローラ12の構
造は、図2〜図4に示す構造には限らず、受像シートと
接触する部分において粘着ローラ12の軸方向幅が受像
シートの軸方向幅と略一致する以外は適宜に様々な構造
を持つことができる。ここで、粘着ローラの軸方向幅と
は、粘着性によってゴミを取り除く粘着ゴムの受像シー
トと接触する面の粘着ローラの軸方向の幅のことであ
る。
【0031】次に、本発明の第1〜第3の実施例におけ
る粘着ローラを備えた記録ドラムの動作を説明する。こ
の記録ドラムの動作は従来の記録ドラムの動作と同じで
ある。まず、記録ドラム11を回転させながら受像シー
ト14を搬送する。次いで、記録ドラム11上の粘着ロ
ーラ12でなぞりながら受像シート14を記録ドラム1
に巻き付け、固定する。この粘着ローラ12の動作によ
り、受像シート14に付着したゴミが除去される。受像
シートの記録ドラムへの固定は、前述の吸入孔を多数有
する記録ドラム内の空気を抜く記録媒体固定用吸引装置
で実施される。また、受像シートを記録ドラムに巻き付
ける際、粘着ローラとは別のスクイーズローラでなぞり
ながら巻き付けた後、スクイーズローラを別の粘着ロー
ラでゴミ除去工程を実施してもよい。
【0032】受像シート14が記録ドラム11に固定さ
れると、受像シート14の上にトナーシートが搬送さ
れ、同様に粘着ローラによりゴミを除去してもよい。こ
の際、この受像シート14及びトナーシート間の密着を
上げるために記録媒体固定用吸引装置で真空吸着を行
う。受像シートおよびトナーシートが固定されると、光
ヘッド6(図1)によりレーザビーム等を照射して記録
媒体に画像/文字等の情報を記録し、トナーシートを受
像シートから剥離させ画像記録工程が終了する。なお、
K・C・M・Yの4色を用いたカラー画像記録の場合、
上述した画像記録工程がK・C・M・Yの各色について
行われる。
【0033】図2〜図4に示した溝付き記録ドラムが溝
掘り記録ドラムであったのに対して、図5〜図7に示し
た溝付き記録ドラムは段差テープ付き記録ドラムである
点で異なる。図5は、第1実施の形態の第1実施例(図
2)に対応するもので、粘着ローラ12を備えた段差テ
ープ付き記録ドラム11の正面断面図、図6は同じく第
2実施の形態の第の実施例(図3)に対応するもので、
粘着ローラ12を備えた段差テープ付き記録ドラム11
の正面断面図、図7は第1実施の形態の第3実施例(図
4)に対応するもので、本発明の第3の実施例における
粘着ローラ12を備えた段差テープ付き記録ドラム11
の正面断面図を示す。但し、図5〜図7の各実施例にお
いて、図2〜図4に示した溝付き記録ドラムと同じ部材
には同じ番号を付している。
【0034】図5〜図7において、受像シートを巻き付
け固定する記録ドラム11は、この記録ドラム11の近
傍に設けられ、受像シート上のゴミを取るために設けら
れた粘着ローラ又はスクイーズローラ12と、記録ドラ
ム11の外表面の回転方向の上部および下部、および軸
方向の両端近傍に設けられた段差テープ13とを備え、
画像記録の際には記録ドラム11に搬送され固定され
て、粘着ローラ12によってその上に付着したゴミが取
り除かれる受像シート14を有する。この粘着ローラ1
2は、芯金16と、芯金16の周りに設けられ、粘着性
のゴムにより受像シート上のゴミを除去する粘着ゴム1
7とを有して構成され、受像シート上に付着したゴミ等
の異物を取り除く。この粘着ローラ12は、図2〜図4
における各実施例の構造を有するが、これに限定され
ず、受像シートと接触する部分において粘着ローラ12
の軸方向幅が受像シートの軸方向幅と略一致する以外は
適宜に様々な構造を持つことができる。この粘着ローラ
の構造により、段差テープに接触することなく、受像シ
ート上の受像シートが固定される部分のゴミを取り除く
ことができる。
【0035】ここで、第1および第2の実施の形態にお
ける粘着ローラは、受像シートが、段差テープ又は記録
ドラムに接触することなく段差テープの内側又は記録ド
ラムの溝の中央に搬送され固定された場合のものであ
る。しかしながら受像シートは、必ずしも溝の中央に搬
送されるわけではない。このため粘着ローラは段差テー
プ又は記録ドラムに接触しないようにするため、機械的
寸法の制約を受ける。このように機械的寸法の制限を考
慮した場合、記録装置は、粘着ローラの受像シートと接
触する面の軸方向幅が段差テープ又は溝などによる段差
部の間より狭い構造を有する粘着ローラを備える。それ
によって、粘着ローラが段差テープ又は記録ドラムに接
することなく受像シート上に均一に接触し、受像シート
に付着したゴミを効果的に取り除きことができる。詳し
くは、粘着ローラは、粘着ローラの接触部が段差テープ
または記録ドラムに接触しないようにするためには、機
械的寸法により、段差テープ又は溝の端から各々1.5
mmずつ離れていなければならない。したがってこの場
合、粘着ローラは粘着ローラの軸方向幅が段差テープの
内側寸法又は溝の軸方向幅より3mm程度以上狭い構造
を有する。加えて、受像シートの幅を考慮すると、均一
な画像を得るためには粘着ローラの軸方向幅は受像シー
トの軸方向幅より広くするのが好ましい。従って、この
場合、粘着ローラは、粘着ローラの軸方向幅が段差テー
プ内側寸法又は溝の軸方向幅より3mm以上狭く、か
つ、受像シートの軸方向幅より広い構造を有する。ま
た、粘着ローラの軸方向幅が、記録範囲の軸方向幅と略
一致させても、実質有効である。好ましくは、粘着ロー
ラの軸方向幅は記録範囲の軸方向幅より広く、段差部間
の軸方向幅より狭い構造を有する。
【0036】本発明の記録装置における粘着ローラは、
上記に示したように、その構造により記録ドラムに受像
シートが固定される場合にゴミを効果的に取り除くこと
ができる。しかしながら、記録ドラム上に受像シートが
無い場合(受像シート搬送前、又は排出後)においても
使用でき、段差テープに接することなく、記録ドラム上
の受像シートが固定される部分のゴミを取り除くことが
できる。
【0037】図8〜図10は本発明の第2の実施の形態
で、図8は本発明の第1の実施の形態の実施例1(図
2、図5に対応)における粘着ローラ12を用いて記録
ドラム11をクリーニングする場合を示した正面断面
図、図9は同じく本発明の第1の実施の形態の実施例2
(図3、図6に対応)における粘着ローラ12を用いて
記録ドラム11をクリーニングする場合を示した正面断
面図、図10は本発明の第1の実施の形態の実施例3
(図4、図7に対応)における粘着ローラ12を用いて
記録ドラム11をクリーニングする場合を示した正面断
面図を示している。但し、図8〜図10の各実施例にお
いて、図5〜図7に示した段差テープ付き記録ドラムと
同じ部材には同じ番号を付している。
【0038】図8〜図10において、いずれも、受像シ
ートの厚さの影響を避けるための段差部13を有する記
録ドラム11の表面を、受像シートを固定する前に粘着
ローラ12でクリーニングするものである。溝付き記録
ドラム11および粘着ローラ12の構成は、図5〜図7
に示した構成と同じであり説明は省略する。この粘着ロ
ーラ12は、少なくとも記録ドラムが受像シートと接触
するドラム表面をクリーニングすればよい。
【0039】粘着ローラ12の粘着力は約8ヘクトパス
カル以上である場合、より良い効果がえられる。その理
由は次のとおりである。すなわち、粘着ローラ12の粘
着力が強ければ強いほどゴミ除去の効果は上がるが、他
方で、受像シートの受像層やクッション層などの塗布膜
までも引き剥がしてしまうこととなる。そこで、粘着ロ
ーラ12の粘着力は、つまるところこのA.ゴミ除去効
果とB.塗布膜引き剥げ等(他に、ジャミング、記録媒
体の巻き取り)の両者の許容程度の兼ね合いで決まるも
のである。そこで、実験によると、 A:ゴミ除去効果では、粘着ローラ12の粘着力(ヘク
トパスカル)が、 0〜8未満では、記録欠陥は不許容レベル。 8以上〜25未満では、記録欠陥はおおむね許容レ
ベル。 25以上〜50未満では、記録欠陥は許容レベル。 50以上では、記録欠陥は十分すぎる許容レベル。 B:塗布膜引き剥げでは、粘着ローラ12の粘着力(ヘ
クトパスカル)が、 0〜35未満では、記録媒体が安定して搬送される
レベル。 35以上〜60未満では、搬送中にときどきジャム
等発生するも許容レベル。 60以上では、搬送中に確実にジャム等発生し、不
許容レベル。 以上の結果から、粘着力の違いによって、次のように使
う場所を変える必要があることがわかる。 1)粘着ローラの粘着力が60(ヘクトパスカル)以上
の場合は、記録ドラム表面のクリーニング専用とし、記
録媒体搬送系には使用しない。 2)粘着ローラの粘着力が約25〜40の場合は、記録
媒体搬送系にも使用でき、記録ドラム表面のクリーニン
グと記録媒体(特に、受像シート)表面のクリーニング
とに兼用して使用できる。また、この範囲の粘着力は特
に効果が大きい。 3)粘着ローラの粘着力が約8〜20の場合は、記録媒
体搬送系にも使用でき、記録ドラム表面のクリーニング
と記録媒体(特に、受像シート)表面のクリーニングと
に兼用して使用できる。 そして、粘着ローラ12は、段差部13に対応して段差
付きの粘着ローラを使用し、この場合、粘着ローラ12
の軸方向の段差間隔は、段差部13の軸方向段差間隔よ
り狭く選んである。以上の構成により、受像シートが搬
送される前又は受像シートを排出した後、粘着ローラ1
2は回転している記録ドラム11上の受像シートが固定
される部分に接触する。この粘着ローラ12の動作によ
り、記録ドラム11上の受像シートが固定される部分に
付着したゴミが除去される。その後、受像シートが記録
ドラムに巻き付けられ、上記第1実施の形態により次に
受像シート上のゴミが粘着ローラ12によって除去され
る。その後、画像記録工程が行われる。
【0040】また、記録ドラムが上述したように多数の
吸入孔142を有している、いわゆる記録媒体固定用吸
引装置(図14参照)を備えたタイプのものであれば、
粘着ローラ12が記録ドラム11の表面をクリーニング
する際に、この吸引装置(エアーブロア)145を動作
させるといっそう効果が増す。この場合、まず、粘着ロ
ーラ12が記録ドラム11の表面をクリーニングした後
に、吸引装置145を動作させ、その後、受像シート1
4を固定し、さらに粘着ローラ12がこの受像シート1
4の表面をクリーニングするか、あるいは、まず吸引装
置145を動作させ、その後、粘着ローラ12が記録ド
ラム11の表面をクリーニングし、受像シート14を固
定し、さらに粘着ローラ12が受像シート14の表面を
クリーニングする順序がよい。このように吸引装置14
5を動作させることにより、吸引装置145自体が記録
ドラム11の周囲環境のゴミを吸入するので、周囲環境
のゴミが少なくなり記録ドラム11や受像シート14の
表面にゴミが付着しにくくなる効果がある。
【0041】記録ドラムの表面をクリーニングする段差
付き粘着ローラと、受像シートの表面をクリーニングす
る段差付き粘着ローラとを同じ粘着ローラで共用する例
で説明したが、もちろん別別の専用の粘着ローラを用い
てもよい。
【0042】本発明の記録装置は上記に示したよう構成
により、粘着ローラが受像シートと均一に接触すること
が可能となり、受像シート上のゴミなどの異物を効果的
に取り除くことができ、それによりゴミ欠陥のない画像
を得ることができる。また、記録ドラム上に受像シート
が無い場合(受像シートの搬送前又は受像シートの排出
後)でも、粘着ローラにより記録ドラム上の受像シート
が固定される部分のゴミなどの異物を効果的に取り除
き、受像シートおよびトナーシートの密着不良を防ぐこ
とができ、それにより転写不良がない画像を得ることが
できる。
【0043】図17は、本発明装置と従来装置の実験結
果を示す図である。実験結果は、通常環境よりもゴミ量
を多くした加速試験の結果である。また、実験の項目
は、次のとおりである。 1:記録ドラム表面をクリーニングするかしないか。 1)記録ドラム表面をクリーニングしない(従来の記録
装置)。 2)記録ドラム表面をクリーニングする(本発明の第2
実施の形態)。 段差無し粘着ローラでクリーニングする。 段差有り粘着ローラでクリーニングする。 2:クリーニング時に真空吸引を行なうか否か。 3:受像シートの表面をクリーニングするかしないか。 以上の結果、 比較例Aは、記録ドラム表面も受像シ
ート表面もクリーニングしないで、真空吸引も行わない
で記録した場合である。結果はリングムラがA2サイズ
判用紙上に26個発生し、白抜けも15個発生した。 比較例Bは、記録ドラム表面のクリーニングと真空
吸引はしないが、受像シート表面は段差無し粘着ローラ
でクリーニングした場合である。結果はリングムラが2
5個発生し、白抜けは11個発生した。 これに対して記録ドラム表面と受像シート表面をク
リーニングする本発明の場合は、実施例Aが記録ドラム
表面と受像シート表面を段差無し粘着ローラでクリーニ
ングし、真空吸引はしない場合である。結果はリングム
ラが20個発生し、白抜けは9個発生した。白抜けが9
個と1桁台になったことは評価できる。 実施例Bは記録ドラム表面と受像シート表面を段差
有り粘着ローラでクリーニングし、真空吸引はしない場
合である。結果はリングムラが7個、白抜けは6個であ
った。リングムラも白抜けも1桁台になったことは評価
できる。 実施例Cは記録ドラム表面と受像シート表面を段差
有り粘着ローラでクリーニングし、真空吸引も行った場
合である。結果はリングムラが5個、白抜けは4個であ
った。リングムラも白抜けも5以下になったことは高く
評価できる。以上の結果、 段差部を有する記録ドラ
ム表面をクリーニングすること(請求項1〜)と、
段差有りの粘着ローラを用いること(請求項4、請求項
9)が重要であることが分かる。さらに、真空吸引を併
用するといっそう効果が上がること(請求項6〜)が分
かる。
【0044】以上は、回転記録ドラムについて説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、平面状の
記録面に受像シートが固定されるタイプの記録装置にも
適用できること(請求項18)はいうまでもない。
【0045】
【発明の効果】上述のように、本発明の記録装置によれ
ば、粘着ローラを記録ドラムや受像シートに確実に接触
させることができるのでゴミを取り除くことができる。
したがって、受像シートとトナーシートとの密着不良を
防ぐことができ、ゴミによる記録欠陥が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録装置の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における第1実施例
の粘着ローラを備えた溝つき記録ドラムの正面断面図で
ある。
【図3】本発明の第1の実施の形態における第2の実施
例の粘着ローラを備えた溝つき記録ドラムの正面断面図
である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における第3の実施
例の粘着ローラを備えた溝つき記録ドラムの正面断面図
である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における第1実施例
の粘着ローラを備えた段差テープ付き記録ドラムの正面
断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における第2の実施
例の粘着ローラを備えた段差テープ付き記録ドラムの正
面断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における第3の実施
例の粘着ローラを備えた段差テープ付き記録ドラムの正
面断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における第1の実施
例の粘着ローラを備えた段差テープ付き記録ドラムの正
面断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における第2の実施
例の粘着ローラを備えた段差テープ付き記録ドラムの正
面断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における第3の実
施例の粘着ローラを備えた段差テープ付き記録ドラムの
正面断面図である。
【図11】従来の段差テープ付き記録ドラムの正面断面
図および側面断面図である。
【図12】従来の溝付き記録ドラムの正面断面図および
側面断面図である。
【図13】本発明が対象とする記録装置の概念図であ
る。
【図14】記録媒体固定用吸引装置の原理図である。
【図15】受像シート上のゴミの問題点を説明する図で
ある。
【図16】記録ドラム上のゴミの問題点を説明する図で
ある。
【図17】本発明装置と従来装置の実験結果を示す図で
ある。
【符号の説明】
1,11 記録ドラム 2,12 粘着ローラ 3,13 段差テープ 4,R 受像シート 5,T トナーシート H 本紙 6 光ヘッド 7 移動ステージ 16 芯金 17 粘着ゴム 30 記録装置 32 記録媒体供給部 34 記録ドラム 36 記録媒体固定/解除機構 38 ラミネート機構 40 露光ヘッド 42 剥離機構 44 給紙部 46 ラミネート部 48 定着部 50 剥離部 52 トレイ部 54 制御部 142 吸入孔 143 回転軸孔 144 吸引管 145 エアーブロア

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受像シートを固定するための記録ドラム
    と記録ヘッドとを備え、かつ、該記録ドラムが前記受像
    シートの厚さの影響を避けるための段差部を有する記録
    装置において、 前記記録ドラムの表面をクリーニングする粘着ローラを
    該記録ドラム近傍に設置したことを特徴とする記録装
    置。
  2. 【請求項2】 前記粘着ローラは、少なくとも記録ドラ
    ムが受像シートと接触するドラム表面をクリーニングす
    ることを特徴とする請求項1記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記粘着ローラはその粘着力が約8ヘク
    トパスカル以上であることを特徴とする請求項1記載の
    記録装置。
  4. 【請求項4】 前記粘着ローラは、前記段差部に対応す
    る段差付き粘着ローラであることを特徴とする請求項1
    記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記粘着ローラの軸方向段差間隔は、前
    記記録ドラムの段差部の軸方向段差間隔より狭いことを
    特徴とする請求項4記載の記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録ドラムが半径方向に多数の吸入
    孔を有し、かつ該記録ドラム上に固定された記録媒体を
    記録ドラムに吸引固定するための記録媒体固定用吸引装
    置を備えた請求項1〜5のいずれか1項記載の記録装置
    において、 前記粘着ローラが前記記録ドラムの表面をクリーニング
    する際に、前記吸引装置を動作させることを特徴とする
    記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の記録装置において、 前記粘着ローラが前記記録ドラムの表面をクリーニング
    した後、前記吸引装置を動作させ、その後、受像シート
    を固定し、さらに前記粘着ローラが該受像シートの表面
    をクリーニングすることを特徴とする記録装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の記録装置において、 前記吸引装置を動作させ、その後、前記粘着ローラが前
    記記録ドラムの表面をクリーニングし、受像シートを固
    定し、さらに前記粘着ローラが該受像シートの表面をク
    リーニングすることを特徴とする記録装置。
  9. 【請求項9】 受像シートを固定するための記録ドラム
    と記録ヘッドとを備え、かつ、該記録ドラムが前記受像
    シートの厚さの影響を避けるための段差部を有する記録
    装置において、 前記記録ドラムに固定された受像シートの表面をクリー
    ニングするための段差付き粘着ローラを該記録ドラム近
    傍に設置したことを特徴とする記録装置。
  10. 【請求項10】 前記粘着ローラの前記受像シートと接
    触する面の軸方向幅が、該受像シートの軸方向幅と略一
    致していることを特徴とする請求項9記載の記録装置。
  11. 【請求項11】 前記粘着ローラの受像シートと接触す
    る面の軸方向幅が、前記受像シート固定部材の段差部間
    の軸方向幅より狭いことを特徴とする請求項9記載の記
    録装置。
  12. 【請求項12】 前記粘着ローラの受像シートと接触す
    る面の軸方向幅が、前記受像シート固定部材の段差部間
    の軸方向幅より、3mm以上狭いことを特徴とする請求
    項11記載の記録装置。
  13. 【請求項13】 前記粘着ローラの受像シートと接触す
    る面の軸方向幅が、前記受像シート固定部材の段差部間
    の軸方向幅より、3mm以上狭く、かつ、受像シートの
    軸方向幅より広いことを特徴とする請求項11記載の記
    録装置。
  14. 【請求項14】 前記粘着ローラの前記受像シートと接
    触する面の軸方向幅が、前記受像シートの記録範囲の軸
    方向幅と略一致していることを特徴とする請求項9記載
    の記録装置。
  15. 【請求項15】 前記粘着ローラの受像シートと接触す
    る面の軸方向幅が、前記受像シート固定部材の段差部間
    の軸方向幅より狭く、かつ、前記受像シートの記録範囲
    の軸方向幅より広いことを特徴とする請求項11記載の
    記録装置。
  16. 【請求項16】 受像シートを固定するための記録ドラ
    ムと記録ヘッドとを備え、かつ、該記録ドラムが前記受
    像シートの厚さの影響を避けるための段差部を有する記
    録装置において、 前記記録ドラムの表面をクリーニングする段差付き粘着
    ローラと、前記受像シートの表面をクリーニングする段
    差付き粘着ローラとを該記録ドラム近傍に設置したこと
    を特徴とする記録装置。
  17. 【請求項17】 前記記録ドラムクリーニング用段差付
    き粘着ローラと前記受像シートクリーニング用段差付き
    粘着ローラを共用することを特徴とする請求項15記載
    の記録装置。
  18. 【請求項18】 前記記録ドラムの代わりに記録平面を
    用いたことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項
    記載の記録装置。
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