JP2000345368A - めっき鋼板 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐食性、あるいは更に加工部耐食性又は加工
性に優れるめっき鋼板を提供する。 【解決手段】 めっき皮膜が2層以上の互いに組成の異
なる層によって構成され、鋼板と接する下層はAlを20〜
95重量%及びSiを1.0〜2.0重量％含有する溶融亜鉛めっ
き層で、その上層は1層または2層以上の互いに組成の異
なる層で構成され、上層のうち下層と直接接する層は下
層の溶融亜鉛めっき層よりも融点が高いめっき鋼板であ
り、上層の合計厚さが、0.1〜10μmであると耐食性に優
れ、0.5〜10μmであると加工部耐食性に優れ、0.5〜5μ
mであると加工性に優れる。
性に優れるめっき鋼板を提供する。 【解決手段】 めっき皮膜が2層以上の互いに組成の異
なる層によって構成され、鋼板と接する下層はAlを20〜
95重量%及びSiを1.0〜2.0重量％含有する溶融亜鉛めっ
き層で、その上層は1層または2層以上の互いに組成の異
なる層で構成され、上層のうち下層と直接接する層は下
層の溶融亜鉛めっき層よりも融点が高いめっき鋼板であ
り、上層の合計厚さが、0.1〜10μmであると耐食性に優
れ、0.5〜10μmであると加工部耐食性に優れ、0.5〜5μ
mであると加工性に優れる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性、あるいは
更に加工部耐食性又は加工性に優れためっき鋼板に関す
る。
更に加工部耐食性又は加工性に優れためっき鋼板に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】Alを20〜95重量%含有する溶融亜鉛めっ
き鋼板は、特公昭46-7161号公報に示されているよう
に、通常の溶融亜鉛めっき鋼板に比べて優れた耐食性を
示すことから、近年建材分野を中心に需要が伸びてい
る。
き鋼板は、特公昭46-7161号公報に示されているよう
に、通常の溶融亜鉛めっき鋼板に比べて優れた耐食性を
示すことから、近年建材分野を中心に需要が伸びてい
る。
【０００３】この鋼板は、熱間圧延後酸洗脱スケールし
た熱延鋼板、またはさらに冷間圧延して得た冷延鋼板を
連続式溶融めっき設備に装入して、以下のように製造さ
れる。
た熱延鋼板、またはさらに冷間圧延して得た冷延鋼板を
連続式溶融めっき設備に装入して、以下のように製造さ
れる。
【０００４】鋼板は、先ず還元性雰囲気に保持された焼
鈍炉内に入り、所定温度に加熱されて、焼鈍と同時に鋼
板表面に付着する圧延油等の除去、酸化膜の還元除去が
行われた後、下端がめっき浴に浸漬されたスナウト内を
通って、所定量のAlを含有した溶融亜鉛が入っているめ
っき浴内に浸漬される。めっき浴で所定のめっきを施さ
れた鋼板は、シンクロールを経由し、めっき浴の上方に
引き上げられ、次いでめっき浴上に配置されたワイピン
グノズルから鋼板の表面に向かって加圧した気体を噴射
してめっき付着量を調整し、冷却装置により冷却して、
所定のめっき皮膜が形成された溶融めっき鋼板になる。
鈍炉内に入り、所定温度に加熱されて、焼鈍と同時に鋼
板表面に付着する圧延油等の除去、酸化膜の還元除去が
行われた後、下端がめっき浴に浸漬されたスナウト内を
通って、所定量のAlを含有した溶融亜鉛が入っているめ
っき浴内に浸漬される。めっき浴で所定のめっきを施さ
れた鋼板は、シンクロールを経由し、めっき浴の上方に
引き上げられ、次いでめっき浴上に配置されたワイピン
グノズルから鋼板の表面に向かって加圧した気体を噴射
してめっき付着量を調整し、冷却装置により冷却して、
所定のめっき皮膜が形成された溶融めっき鋼板になる。
【０００５】連続式溶融めっき設備では、焼鈍炉での熱
処理条件、焼鈍炉の雰囲気条件、めっき浴組成、めっき
後の冷却速度等の操業条件は、所要のめっき品質や材質
を確保するために、所定の管理範囲で精度良く管理され
ている。
処理条件、焼鈍炉の雰囲気条件、めっき浴組成、めっき
後の冷却速度等の操業条件は、所要のめっき品質や材質
を確保するために、所定の管理範囲で精度良く管理され
ている。
【０００６】このようにして製造された鋼板のめっき皮
膜は、Znを過飽和に含有したAlが凝固したデントライト
部分と、残りのデンドライト間隙の部分からなってお
り、デンドライトはめっき皮膜の膜厚方向に積層してい
る。このような特徴的な皮膜構造により、Alを20〜95重
量%含有する溶融亜鉛めっき鋼板は優れた耐食性を示
す。
膜は、Znを過飽和に含有したAlが凝固したデントライト
部分と、残りのデンドライト間隙の部分からなってお
り、デンドライトはめっき皮膜の膜厚方向に積層してい
る。このような特徴的な皮膜構造により、Alを20〜95重
量%含有する溶融亜鉛めっき鋼板は優れた耐食性を示
す。
【０００７】めっき皮膜中にAlを20〜95重量%含有する
溶融亜鉛めっき鋼板は、めっき浴に通常1.5重量%程度添
加されているSiの働きにより、めっき皮膜／下地鋼板界
面の合金相成長が抑えられ、合金相厚さは約1〜2μmに
なっている。
溶融亜鉛めっき鋼板は、めっき浴に通常1.5重量%程度添
加されているSiの働きにより、めっき皮膜／下地鋼板界
面の合金相成長が抑えられ、合金相厚さは約1〜2μmに
なっている。
【０００８】合金相が薄ければ、優れた耐食性を示す特
徴的な皮膜構造の部分が多くなるので、合金相成長抑制
は耐食性向上に寄与する。合金相はめっき皮膜よりも固
く加工時にクラック起点として作用するので、合金相成
長はクラック発生を促進し、加工性を低下する。クラッ
ク部は下地鋼板が露出していて耐食性に劣るので、クラ
ックの増加は加工部耐食性を低下させる。
徴的な皮膜構造の部分が多くなるので、合金相成長抑制
は耐食性向上に寄与する。合金相はめっき皮膜よりも固
く加工時にクラック起点として作用するので、合金相成
長はクラック発生を促進し、加工性を低下する。クラッ
ク部は下地鋼板が露出していて耐食性に劣るので、クラ
ックの増加は加工部耐食性を低下させる。
【０００９】また、前記めっき浴には、Si以外の元素が
添加されている場合もあり、合金相やめっき皮膜中には
それら元素が合金あるいは単体のかたちで存在してい
る。
添加されている場合もあり、合金相やめっき皮膜中には
それら元素が合金あるいは単体のかたちで存在してい
る。
【００１０】めっき皮膜中にAlを20〜95重量%含有する
溶融亜鉛めっき鋼板は、折り曲げ等の加工を行うと、加
工の程度によっては加工部のめっき皮膜にクラックが生
じる。この鋼板では、めっき皮膜／下地鋼板界面の約1
〜2μm厚の合金相がクラックの起点となり、まためっき
皮膜のデンドライト間隙部がクラックの伝播経路になる
ことから、同程度の加工を行った場合でも、同一めっき
皮膜厚の通常の溶融亜鉛めっき鋼板に比べて、クラック
が比較的大きく開口する傾向がある。
溶融亜鉛めっき鋼板は、折り曲げ等の加工を行うと、加
工の程度によっては加工部のめっき皮膜にクラックが生
じる。この鋼板では、めっき皮膜／下地鋼板界面の約1
〜2μm厚の合金相がクラックの起点となり、まためっき
皮膜のデンドライト間隙部がクラックの伝播経路になる
ことから、同程度の加工を行った場合でも、同一めっき
皮膜厚の通常の溶融亜鉛めっき鋼板に比べて、クラック
が比較的大きく開口する傾向がある。
【００１１】そのため、通常の溶融亜鉛めっき鋼板では
初期錆発生までの時間が加工部と平板部であまり変わら
ないのに対し、めっき皮膜中にAlを20〜95重量%含有す
る溶融亜鉛めっき鋼板では、加工部の初期錆発生が平板
部に比べて早くなる傾向がある。また、加工の程度によ
ってはクラックが肉眼で視認され、外観を損なうという
問題がある。
初期錆発生までの時間が加工部と平板部であまり変わら
ないのに対し、めっき皮膜中にAlを20〜95重量%含有す
る溶融亜鉛めっき鋼板では、加工部の初期錆発生が平板
部に比べて早くなる傾向がある。また、加工の程度によ
ってはクラックが肉眼で視認され、外観を損なうという
問題がある。
【００１２】溶融めっき鋼板の耐食性向上のために、例
えば特開平2-267282号公報（以下先行技術1とする）で
は、溶融めっき皮膜を下層とし、上層に別の金属もしく
はその金属と亜鉛からなる上層皮膜を設けた複層めっき
鋼板、すなわち、Alを重量百分率で5〜55%含有する溶融
亜鉛合金めっき皮膜、もしくはそれにさらにMg,Si,Ni,
鉄,Co,Sbを0.1〜1.0%含有する皮膜を下層とし、Si,Ti,A
l,Mg,P,Bの金属皮膜もしくは前記金属と亜鉛を重量百分
率で50%以下含有する亜鉛合金めっき皮膜を上層とする
ことを特徴とする複層めっき鋼板が記載されている。
えば特開平2-267282号公報（以下先行技術1とする）で
は、溶融めっき皮膜を下層とし、上層に別の金属もしく
はその金属と亜鉛からなる上層皮膜を設けた複層めっき
鋼板、すなわち、Alを重量百分率で5〜55%含有する溶融
亜鉛合金めっき皮膜、もしくはそれにさらにMg,Si,Ni,
鉄,Co,Sbを0.1〜1.0%含有する皮膜を下層とし、Si,Ti,A
l,Mg,P,Bの金属皮膜もしくは前記金属と亜鉛を重量百分
率で50%以下含有する亜鉛合金めっき皮膜を上層とする
ことを特徴とする複層めっき鋼板が記載されている。
【００１３】
【発明が解決しようとする課題】前記のような皮膜で、
その特徴である耐食性を十分に発揮するには、下地鋼板
／下層あるいは下層／上層の密着力が確保されていなけ
ればならない。しかしながら、先行技術1においては、
下層溶融めっき皮膜中にはSiが最大でも1%しか含まれな
いので、下地鋼板／下層界面で合金相が厚く成長して、
その界面で剥離が起きやすくなる。したがって、先行技
術1に記載された耐食性向上の試みは、剥離などにより
所期の耐食性が発揮できない懸念がある。
その特徴である耐食性を十分に発揮するには、下地鋼板
／下層あるいは下層／上層の密着力が確保されていなけ
ればならない。しかしながら、先行技術1においては、
下層溶融めっき皮膜中にはSiが最大でも1%しか含まれな
いので、下地鋼板／下層界面で合金相が厚く成長して、
その界面で剥離が起きやすくなる。したがって、先行技
術1に記載された耐食性向上の試みは、剥離などにより
所期の耐食性が発揮できない懸念がある。
【００１４】本発明は、上記問題を考慮して、耐食性、
あるいは更に加工部耐食性又は加工性に優れるめっき鋼
板を提供することを目的とする。
あるいは更に加工部耐食性又は加工性に優れるめっき鋼
板を提供することを目的とする。
【００１５】
【課題を解決するための手段】上記課題は以下の手段に
よって解決される。
よって解決される。
【００１６】（１）めっき皮膜が2層以上の互いに組成
の異なる層によって構成され、鋼板と接する下層はAlを
20〜95重量%及びSiを1.0〜2.0重量％含有する溶融亜鉛
めっき層で、その上層は1層または2層以上の互いに組成
の異なる層で構成され、上層のうち下層と直接接する層
は下層の溶融亜鉛めっき層よりも融点が高く、また上層
の合計厚さが0.1〜10μmであることを特徴とする耐食性
に優れためっき鋼板（第１発明）。
の異なる層によって構成され、鋼板と接する下層はAlを
20〜95重量%及びSiを1.0〜2.0重量％含有する溶融亜鉛
めっき層で、その上層は1層または2層以上の互いに組成
の異なる層で構成され、上層のうち下層と直接接する層
は下層の溶融亜鉛めっき層よりも融点が高く、また上層
の合計厚さが0.1〜10μmであることを特徴とする耐食性
に優れためっき鋼板（第１発明）。
【００１７】（２）前記（１）において、上層のうち下
層と直接接する、下層の溶融亜鉛めっき層よりも融点が
高い層が、Al,Mg,Ti,Siから選ばれた金属、Zn,Al,Mg,T
i,Siから選ばれた金属の合金、及びZn,Al,Mg,Ti,Siから
選ばれた金属の酸化物、のうちの何れか１種からなるこ
とを特徴とする耐食性に優れためっき鋼板（第２発
明）。
層と直接接する、下層の溶融亜鉛めっき層よりも融点が
高い層が、Al,Mg,Ti,Siから選ばれた金属、Zn,Al,Mg,T
i,Siから選ばれた金属の合金、及びZn,Al,Mg,Ti,Siから
選ばれた金属の酸化物、のうちの何れか１種からなるこ
とを特徴とする耐食性に優れためっき鋼板（第２発
明）。
【００１８】（３）前記（１）又は（２）において、上
層が2層以上の互いに組成の異なる層で構成される場
合、上層のうち少なくとも1つの層がAlからなり、またA
lの層の厚さが1.0μm以上であることを特徴とする耐食
性に優れためっき鋼板（第３発明）。
層が2層以上の互いに組成の異なる層で構成される場
合、上層のうち少なくとも1つの層がAlからなり、またA
lの層の厚さが1.0μm以上であることを特徴とする耐食
性に優れためっき鋼板（第３発明）。
【００１９】（４）前記（１）〜（３）において、上層
は下層の溶融亜鉛めっき層が凝固完了する前に形成され
たものであることを特徴とする耐食性に優れためっき鋼
板（第４発明）。
は下層の溶融亜鉛めっき層が凝固完了する前に形成され
たものであることを特徴とする耐食性に優れためっき鋼
板（第４発明）。
【００２０】（５）めっき皮膜が2層以上の互いに組成
の異なる層によって構成され、鋼板と接する下層はAlを
20〜95重量%及びSiを1.0〜2.0重量％含有する溶融亜鉛
めっき層で、その上層は1層または2層以上の互いに組成
の異なる層で構成され、上層のうち下層と直接接する層
は下層の溶融亜鉛めっき層よりも融点が高く、また上層
の合計厚さが0.5〜10μmであることを特徴とする加工部
耐食性に優れためっき鋼板（第５発明）。
の異なる層によって構成され、鋼板と接する下層はAlを
20〜95重量%及びSiを1.0〜2.0重量％含有する溶融亜鉛
めっき層で、その上層は1層または2層以上の互いに組成
の異なる層で構成され、上層のうち下層と直接接する層
は下層の溶融亜鉛めっき層よりも融点が高く、また上層
の合計厚さが0.5〜10μmであることを特徴とする加工部
耐食性に優れためっき鋼板（第５発明）。
【００２１】（６）前記（５）において、上層のうち下
層と直接接する、下層の溶融亜鉛めっき層よりも融点が
高い層が、Al,Mg,Ti,Siから選ばれた金属、Zn,Al,Mg,T
i,Siから選ばれた金属の合金、及びZn,Al,Mg,Ti,Siから
選ばれた金属の酸化物、のうちの何れか１種からなるこ
とを特徴とする加工部耐食性に優れためっき鋼板（第６
発明）。
層と直接接する、下層の溶融亜鉛めっき層よりも融点が
高い層が、Al,Mg,Ti,Siから選ばれた金属、Zn,Al,Mg,T
i,Siから選ばれた金属の合金、及びZn,Al,Mg,Ti,Siから
選ばれた金属の酸化物、のうちの何れか１種からなるこ
とを特徴とする加工部耐食性に優れためっき鋼板（第６
発明）。
【００２２】（７）前記（５）又は（６）において、上
層に含まれる金属Zn量が5g/m2よりも多いことを特徴と
する加工性に優れためっき鋼板（第７発明）。
層に含まれる金属Zn量が5g/m2よりも多いことを特徴と
する加工性に優れためっき鋼板（第７発明）。
【００２３】（８）前記（５）〜（７）において、上層
は下層の溶融亜鉛めっき層が凝固完了する前に形成され
たものであることを特徴とする加工部耐食性に優れため
っき鋼板（第８発明）。
は下層の溶融亜鉛めっき層が凝固完了する前に形成され
たものであることを特徴とする加工部耐食性に優れため
っき鋼板（第８発明）。
【００２４】（９）めっき皮膜が2層以上の互いに組成
の異なる層によって構成され、鋼板と接する下層はAlを
20〜95重量%及びSiを1.0〜2.0重量％含有する溶融亜鉛
めっき層で、その上層は1層または2層以上の互いに組成
の異なる層で構成され、上層のうち下層と直接接する層
は下層の溶融亜鉛めっき層よりも融点が高く、また上層
の合計厚さが0.5〜5μmであることを特徴とする加工性
に優れためっき鋼板（第９発明）。
の異なる層によって構成され、鋼板と接する下層はAlを
20〜95重量%及びSiを1.0〜2.0重量％含有する溶融亜鉛
めっき層で、その上層は1層または2層以上の互いに組成
の異なる層で構成され、上層のうち下層と直接接する層
は下層の溶融亜鉛めっき層よりも融点が高く、また上層
の合計厚さが0.5〜5μmであることを特徴とする加工性
に優れためっき鋼板（第９発明）。
【００２５】（１０）前記（９）において、上層のうち
下層と直接接する、下層の溶融亜鉛めっき層よりも融点
が高い層が、金属、合金又は金属の酸化物の何れかから
なることを特徴とする加工性に優れためっき鋼板（第１
０発明）。
下層と直接接する、下層の溶融亜鉛めっき層よりも融点
が高い層が、金属、合金又は金属の酸化物の何れかから
なることを特徴とする加工性に優れためっき鋼板（第１
０発明）。
【００２６】（１１）前記（９）又は（１０）におい
て、上層は下層の溶融亜鉛めっき層が凝固完了する前に
形成されたものであることを特徴とする加工性に優れた
めっき鋼板（第１１発明）。
て、上層は下層の溶融亜鉛めっき層が凝固完了する前に
形成されたものであることを特徴とする加工性に優れた
めっき鋼板（第１１発明）。
【００２７】
【発明の実施の形態】本発明で鋼板と接する下層をAlを
20〜95重量%含有する溶融亜鉛めっき層とするのは、こ
のめっき層がAlを多く含むデンドライト構造を骨格とし
た皮膜組織を有し、下層皮膜のみを形成した鋼板であっ
ても通常の溶融亜鉛めっき鋼板よりも良好な耐食性を示
すためである。
20〜95重量%含有する溶融亜鉛めっき層とするのは、こ
のめっき層がAlを多く含むデンドライト構造を骨格とし
た皮膜組織を有し、下層皮膜のみを形成した鋼板であっ
ても通常の溶融亜鉛めっき鋼板よりも良好な耐食性を示
すためである。
【００２８】また、下層にSiを1.0〜2.0重量％含有する
のは、Siの働きによって、めっき皮膜／下地鋼板界面の
合金相を約1〜2μmに抑えるためである。これによっ
て、優れた耐食性を示す前記皮膜構造の部分を多くして
耐食性を向上し、また加工時に合金相がクラックの起点
となることによるクラック発生を減少し、加工性向上効
果をもたらす。またクラック部は下地鋼板が露出してい
て耐食性に劣るので、クラック発生を減少することは加
工部耐食性を向上させる効果もある。
のは、Siの働きによって、めっき皮膜／下地鋼板界面の
合金相を約1〜2μmに抑えるためである。これによっ
て、優れた耐食性を示す前記皮膜構造の部分を多くして
耐食性を向上し、また加工時に合金相がクラックの起点
となることによるクラック発生を減少し、加工性向上効
果をもたらす。またクラック部は下地鋼板が露出してい
て耐食性に劣るので、クラック発生を減少することは加
工部耐食性を向上させる効果もある。
【００２９】本発明で、めっき皮膜が下層のAlを20〜95
重量%及びSiを1.0〜2.0重量％含有する溶融亜鉛めっき
層と、それとは組成の異なる上層によって構成されるの
は、下層のデンドライト間隙を伝播してきたクラックが
上層によってその伝播を妨げられ、めっき皮膜表面にク
ラックが開口しないようにするためである。
重量%及びSiを1.0〜2.0重量％含有する溶融亜鉛めっき
層と、それとは組成の異なる上層によって構成されるの
は、下層のデンドライト間隙を伝播してきたクラックが
上層によってその伝播を妨げられ、めっき皮膜表面にク
ラックが開口しないようにするためである。
【００３０】上層のうち下層と直接接する層（以下、上
層第1層という）が下層よりも高融点である。これによ
り、下層と上層第1層は界面で拡散反応を起こして密着
力が向上する。また、上層第１層の上に更に上層第2層
以上の層が付与された場合、上層第1層が先に凝固して
下層と上層第2層以上の層との間で拡散反応を起きにく
くする。その結果、下層は上層第1層との界面近傍以外
は本来の組成を保ち、その結果Alを多く含むデンドライ
ト構造を形成するので、下層が本来有している特徴すな
わち優れた耐食性を維持しつつ、上層との良好な密着力
を確保できる。
層第1層という）が下層よりも高融点である。これによ
り、下層と上層第1層は界面で拡散反応を起こして密着
力が向上する。また、上層第１層の上に更に上層第2層
以上の層が付与された場合、上層第1層が先に凝固して
下層と上層第2層以上の層との間で拡散反応を起きにく
くする。その結果、下層は上層第1層との界面近傍以外
は本来の組成を保ち、その結果Alを多く含むデンドライ
ト構造を形成するので、下層が本来有している特徴すな
わち優れた耐食性を維持しつつ、上層との良好な密着力
を確保できる。
【００３１】耐食性を良好にするには、上層の合計厚さ
は0.1〜10μmとする必要がある。0.1μm未満では上層が
連続的な皮膜を形成しないので上層の作用を十分に発揮
できず、10μmよりも厚いと上層の作用は飽和し、一方
で上層が厚くなることで加工性が低下する。
は0.1〜10μmとする必要がある。0.1μm未満では上層が
連続的な皮膜を形成しないので上層の作用を十分に発揮
できず、10μmよりも厚いと上層の作用は飽和し、一方
で上層が厚くなることで加工性が低下する。
【００３２】加工部耐食性を良好にするには、上層の合
計厚さは0.5〜10μmとする必要がある。0.5μm未満では
クラック開口部で上層の作用を十分に発揮できず、10μ
mよりも厚いと上層の作用は飽和し、一方で上層が厚く
なることで加工性が低下する。
計厚さは0.5〜10μmとする必要がある。0.5μm未満では
クラック開口部で上層の作用を十分に発揮できず、10μ
mよりも厚いと上層の作用は飽和し、一方で上層が厚く
なることで加工性が低下する。
【００３３】加工性を良好にするには、上層の合計厚さ
は0.5〜5μmとする必要がある。0.5μm未満では上層が
連続的な皮膜を形成しないので上層の作用を十分に発揮
できず、5μmよりも厚いと上層の作用は飽和し、一方で
上層が厚くなることで加工性が低下する。
は0.5〜5μmとする必要がある。0.5μm未満では上層が
連続的な皮膜を形成しないので上層の作用を十分に発揮
できず、5μmよりも厚いと上層の作用は飽和し、一方で
上層が厚くなることで加工性が低下する。
【００３４】第１０発明において、下層よりも高融点の
上層第1層を、金属、合金又は金属の酸化物の何れかか
らなることとしたのは、下層を前記した上層第1層で被
覆することによって、下層のデンドライト間隙を伝播し
てきたクラックが、めっき皮膜表面に開口しないように
する効果を期待できるためである。
上層第1層を、金属、合金又は金属の酸化物の何れかか
らなることとしたのは、下層を前記した上層第1層で被
覆することによって、下層のデンドライト間隙を伝播し
てきたクラックが、めっき皮膜表面に開口しないように
する効果を期待できるためである。
【００３５】また、第２発明、第６発明において、下層
よりも高融点の上層第1層を、Al,Mg,Ti,Siから選ばれた
金属、又は、Zn,Al,Mg,Ti,Siから選ばれた金属の合金、
又は、Zn,Al,Mg,Ti,Siから選ばれた金属の酸化物、のう
ちの何れか1種としたのは、これらの層は、保護性のあ
る酸化皮膜を作って下地鋼板をバリア的に保護する効果
が期待されるためである。亜鉛を含む層の場合は、更に
下地鋼板に対する犠牲防食作用が期待されるので、より
優れた効果が期待できる。
よりも高融点の上層第1層を、Al,Mg,Ti,Siから選ばれた
金属、又は、Zn,Al,Mg,Ti,Siから選ばれた金属の合金、
又は、Zn,Al,Mg,Ti,Siから選ばれた金属の酸化物、のう
ちの何れか1種としたのは、これらの層は、保護性のあ
る酸化皮膜を作って下地鋼板をバリア的に保護する効果
が期待されるためである。亜鉛を含む層の場合は、更に
下地鋼板に対する犠牲防食作用が期待されるので、より
優れた効果が期待できる。
【００３６】また、上層第１層の上に更に上層第2層以
上の層を形成する場合、上層第2層以上の層の成分組成
については特に限定されない。例えば、Zn,Al,Mg,Ti,S
i、前記金属の合金、前記金属の酸化物から選ばれた1種
または2種以上とすることができる。
上の層を形成する場合、上層第2層以上の層の成分組成
については特に限定されない。例えば、Zn,Al,Mg,Ti,S
i、前記金属の合金、前記金属の酸化物から選ばれた1種
または2種以上とすることができる。
【００３７】上層が2層以上の互いに異なる層で構成さ
れる場合、上層のうち少なくとも1つの層がAlであるこ
とが好ましい。前述の保護作用を与えるものの中で、上
層として付与するのにAlが最も容易なためである。この
場合、Alの層の厚さは1.0μm以上とすることが好まし
い。
れる場合、上層のうち少なくとも1つの層がAlであるこ
とが好ましい。前述の保護作用を与えるものの中で、上
層として付与するのにAlが最も容易なためである。この
場合、Alの層の厚さは1.0μm以上とすることが好まし
い。
【００３８】また、上層に含まれる金属Zn量が5g/m2よ
りも多いことが好ましい。クラック開口部でZnの犠牲防
食作用を得るためである。
りも多いことが好ましい。クラック開口部でZnの犠牲防
食作用を得るためである。
【００３９】下層の溶融亜鉛めっき後、前記層が凝固完
了する前に、上層を形成することが好ましい。上層と下
層の界面が溶融状態で反応することにより、両者の密着
力を高めるためである。
了する前に、上層を形成することが好ましい。上層と下
層の界面が溶融状態で反応することにより、両者の密着
力を高めるためである。
【００４０】上層を付与するには、どのような方法を採
用しても構わないが、下層が凝固完了するよりも前に上
層を付与することが好ましい。例として挙げるならば、
溶融めっき直後の凝固完了前の鋼板に、粉末状にしたA
l,Mg,Ti,Si、Zn,Al,Mg,Ti,Siの合金、及びZn,Al,Mg,Ti,
Siの酸化物の１種又は２種以上を吹き付ける方法があ
る。また、前記金属粉末（合金粉末を含む）又はそれら
の酸化物を水と混合し、ミストスプレー等で吹き付ける
方法もある。連続式溶融めっき設備では、溶融めっき浴
から鋼板が立ち上がり、上方のロールで向きを変えられ
るまでの間にめっき皮膜が凝固するのであるから、上層
は溶融めっき浴面から上方のロールまでの間で付与する
ことが有利である。
用しても構わないが、下層が凝固完了するよりも前に上
層を付与することが好ましい。例として挙げるならば、
溶融めっき直後の凝固完了前の鋼板に、粉末状にしたA
l,Mg,Ti,Si、Zn,Al,Mg,Ti,Siの合金、及びZn,Al,Mg,Ti,
Siの酸化物の１種又は２種以上を吹き付ける方法があ
る。また、前記金属粉末（合金粉末を含む）又はそれら
の酸化物を水と混合し、ミストスプレー等で吹き付ける
方法もある。連続式溶融めっき設備では、溶融めっき浴
から鋼板が立ち上がり、上方のロールで向きを変えられ
るまでの間にめっき皮膜が凝固するのであるから、上層
は溶融めっき浴面から上方のロールまでの間で付与する
ことが有利である。
【００４１】
【実施例】常法で製造した鋼板（板厚0.5mm）を、連続
式溶融めっき設備に通板し55%Al-Zn-1.5%Siめっき浴で
溶融めっきを行った。このとき、めっき浴から鋼板が立
ち上がり凝固するまでの間に、金属もしくは金属酸化物
の粉末を鋼板に吹き付けることのできる装置を設け、金
属もしくは金属酸化物の粉末を鋼板に吹き付け、上層を
付与した（実施例１〜３）。また、比較のために、上層
を付与しない鋼板（実施例１〜３）、4.5%Al-Znめっき
浴、通常のZnめっき浴で溶融めっきを行い、金属の粉末
を鋼板に吹き付け、上層を付与した鋼板（実施例１）を
製造した。
式溶融めっき設備に通板し55%Al-Zn-1.5%Siめっき浴で
溶融めっきを行った。このとき、めっき浴から鋼板が立
ち上がり凝固するまでの間に、金属もしくは金属酸化物
の粉末を鋼板に吹き付けることのできる装置を設け、金
属もしくは金属酸化物の粉末を鋼板に吹き付け、上層を
付与した（実施例１〜３）。また、比較のために、上層
を付与しない鋼板（実施例１〜３）、4.5%Al-Znめっき
浴、通常のZnめっき浴で溶融めっきを行い、金属の粉末
を鋼板に吹き付け、上層を付与した鋼板（実施例１）を
製造した。
【００４２】前記で得た鋼板について、耐食性、加工
性、加工部耐食性を調査した。調査に供した鋼板の内容
及び調査結果について以下に記載する。
性、加工部耐食性を調査した。調査に供した鋼板の内容
及び調査結果について以下に記載する。
【００４３】（実施例１）鋼板の耐食性、加工性を調査
した。
した。
【００４４】耐食性は、供試材から切り出した短冊状の
平板について、複合サイクル試験（JIS K-5621）及び工
業地帯での大気暴露試験を行い、平坦部の外観を目視観
察し、以下のように評価した。 ◎：外観変化ほとんどなし ○：白錆のみ発生 △：部分的に赤錆発生 ×：全面赤錆発生
平板について、複合サイクル試験（JIS K-5621）及び工
業地帯での大気暴露試験を行い、平坦部の外観を目視観
察し、以下のように評価した。 ◎：外観変化ほとんどなし ○：白錆のみ発生 △：部分的に赤錆発生 ×：全面赤錆発生
【００４５】加工性は、曲げ角度180°−3T曲げ加工を
行い、曲げ加工部外側のクラックの発生状況を観察し、
以下のように評価した。 ◎：クラックの発生のないもの ○：目視でクラックがわからないもの △：目視でクラックがわかるもの ×：めっき剥離を伴うクラックのあるもの 供試材の内容及び調査結果を表1に示す。
行い、曲げ加工部外側のクラックの発生状況を観察し、
以下のように評価した。 ◎：クラックの発生のないもの ○：目視でクラックがわからないもの △：目視でクラックがわかるもの ×：めっき剥離を伴うクラックのあるもの 供試材の内容及び調査結果を表1に示す。
【００４６】
【表１】
【００４７】（実施例２）鋼板の加工部耐食性を調査し
た。加工部耐食性は、曲げ角度180°−3T曲げ加工後、
複合サイクル試験（JIS K-5621）及び工業地帯での大気
暴露試験を行い、外観を目視観察し、実施例1と同様の
評価をした。供試材の内容及び調査結果を表２に示す。
た。加工部耐食性は、曲げ角度180°−3T曲げ加工後、
複合サイクル試験（JIS K-5621）及び工業地帯での大気
暴露試験を行い、外観を目視観察し、実施例1と同様の
評価をした。供試材の内容及び調査結果を表２に示す。
【００４８】
【表２】
【００４９】（実施例３）鋼板の加工性を調査した。加
工性は、曲げ角度180°−3T曲げ加工を行い、曲げ加工
部外側のクラックの発生状況を観察し、実施例1と同様
の評価をした。供試材の内容及び調査結果を表３に示
す。
工性は、曲げ角度180°−3T曲げ加工を行い、曲げ加工
部外側のクラックの発生状況を観察し、実施例1と同様
の評価をした。供試材の内容及び調査結果を表３に示
す。
【００５０】
【表３】
【００５１】表１〜表３から、以下のことが判る。第1
発明〜第4発明の範囲を満足する発明例の鋼板は、平坦
部の耐食性（複合サイクル試験、大気暴露試験）の評価
が全て良好であり、前記発明範囲を外れる比較例の鋼板
は、前記発明例の鋼板に比べて平坦部の耐食性が劣って
いる。
発明〜第4発明の範囲を満足する発明例の鋼板は、平坦
部の耐食性（複合サイクル試験、大気暴露試験）の評価
が全て良好であり、前記発明範囲を外れる比較例の鋼板
は、前記発明例の鋼板に比べて平坦部の耐食性が劣って
いる。
【００５２】第５発明〜第８発明の範囲を満足する発明
例の鋼板は、加工部耐食性（複合サイクル試験、大気暴
露試験）の評価が全て良好であり、前記発明範囲を外れ
る比較例の鋼板は、前記発明例の鋼板に比べて加工部耐
食性が劣っている。
例の鋼板は、加工部耐食性（複合サイクル試験、大気暴
露試験）の評価が全て良好であり、前記発明範囲を外れ
る比較例の鋼板は、前記発明例の鋼板に比べて加工部耐
食性が劣っている。
【００５３】第９発明〜第１１発明の範囲を満足する発
明例の鋼板は、前記発明範囲を外れる比較例の鋼板に比
べて加工性が優れている。
明例の鋼板は、前記発明範囲を外れる比較例の鋼板に比
べて加工性が優れている。
【００５４】なお本実施例では、めっき鋼板の状態で調
査を行っているが、前記で示した比較例に対する発明例
の優位性は、化成処理を行ったり、スキンパス後に塗装
を施しても損なわれない。
査を行っているが、前記で示した比較例に対する発明例
の優位性は、化成処理を行ったり、スキンパス後に塗装
を施しても損なわれない。
【００５５】
【発明の効果】以上示したように、本発明によれば、耐
食性、あるいは更に加工部耐食性、又は加工性に優れる
めっき鋼板を得ることができる。
食性、あるいは更に加工部耐食性、又は加工性に優れる
めっき鋼板を得ることができる。
【００５６】本発明のめっき鋼板は、平坦部の耐食性が
要求される用途だけでなく、加工後の外観、加工後耐食
性が要求される用途に使用することができる。
要求される用途だけでなく、加工後の外観、加工後耐食
性が要求される用途に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ２３Ｃ 2/40 Ｃ２３Ｃ 2/40 26/00 26/00 Ｋ (72)発明者 山下 正明 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 石川 博司 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 石田 信之 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 治郎丸 和三 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 Ｆターム(参考） 4K027 AA02 AA22 AB02 AB05 AB26 AB44 AB48 AC66 AE03 AE23 4K044 AA02 AB02 BA02 BA10 BA12 BA13 BA14 BA19 BB03 BB04 BB11 BC02 BC05 CA11 CA53
Claims (11)
- 【請求項１】 めっき皮膜が2層以上の互いに組成の異
なる層によって構成され、鋼板と接する下層はAlを20〜
95重量%及びSiを1.0〜2.0重量％含有する溶融亜鉛めっ
き層で、その上層は1層または2層以上の互いに組成の異
なる層で構成され、上層のうち下層と直接接する層は下
層の溶融亜鉛めっき層よりも融点が高く、また上層の合
計厚さが0.1〜10μmであることを特徴とする耐食性に優
れためっき鋼板。 - 【請求項２】 上層のうち下層と直接接する、下層の溶
融亜鉛めっき層よりも融点が高い層が、Al,Mg,Ti,Siか
ら選ばれた金属、Zn,Al,Mg,Ti,Siから選ばれた金属の合
金、及びZn,Al,Mg,Ti,Siから選ばれた金属の酸化物、の
うちの何れか１種からなることを特徴とする請求項１記
載の耐食性に優れためっき鋼板。 - 【請求項３】 上層が2層以上の互いに組成の異なる層
で構成される場合、上層のうち少なくとも1つの層がAl
からなり、またAlの層の厚さが1.0μm以上であることを
特徴とする請求項１又は２記載の耐食性に優れためっき
鋼板。 - 【請求項４】 上層は下層の溶融亜鉛めっき層が凝固完
了する前に形成されたものであることを特徴とする請求
項１〜３記載の耐食性に優れためっき鋼板。 - 【請求項５】 めっき皮膜が2層以上の互いに組成の異
なる層によって構成され、鋼板と接する下層はAlを20〜
95重量%及びSiを1.0〜2.0重量％含有する溶融亜鉛めっ
き層で、その上層は1層または2層以上の互いに組成の異
なる層で構成され、上層のうち下層と直接接する層は下
層の溶融亜鉛めっき層よりも融点が高く、また上層の合
計厚さが0.5〜10μmであることを特徴とする加工部耐食
性に優れためっき鋼板。 - 【請求項６】 上層のうち下層と直接接する、下層の溶
融亜鉛めっき層よりも融点が高い層が、Al,Mg,Ti,Siか
ら選ばれた金属、Zn,Al,Mg,Ti,Siから選ばれた金属の合
金、及びZn,Al,Mg,Ti,Siから選ばれた金属の酸化物、の
うちの何れか１種からなることを特徴とする請求項５記
載の加工部耐食性に優れためっき鋼板。 - 【請求項７】 上層に含まれる金属Zn量が5g/m2よりも
多いことを特徴とする請求項５又は６記載の加工性に優
れためっき鋼板。 - 【請求項８】 上層は下層の溶融亜鉛めっき層が凝固完
了する前に形成されたものであることを特徴とする請求
項５〜７記載の加工部耐食性に優れためっき鋼板。 - 【請求項９】 めっき皮膜が2層以上の互いに組成の異
なる層によって構成され、鋼板と接する下層はAlを20〜
95重量%及びSiを1.0〜2.0重量％含有する溶融亜鉛めっ
き層で、その上層は1層または2層以上の互いに組成の異
なる層で構成され、上層のうち下層と直接接する層は下
層の溶融亜鉛めっき層よりも融点が高く、また上層の合
計厚さが0.5〜5μmであることを特徴とする加工性に優
れためっき鋼板。 - 【請求項１０】 上層のうち下層と直接接する、下層の
溶融亜鉛めっき層よりも融点が高い層が、金属、合金又
は金属の酸化物の何れかからなることを特徴とする請求
項９記載の加工性に優れためっき鋼板。 - 【請求項１１】 上層は下層の溶融亜鉛めっき層が凝固
完了する前に形成されたものであることを特徴とする請
求項９又は１０記載の加工性に優れためっき鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15336699A JP2000345368A (ja) | 1999-06-01 | 1999-06-01 | めっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15336699A JP2000345368A (ja) | 1999-06-01 | 1999-06-01 | めっき鋼板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000345368A true JP2000345368A (ja) | 2000-12-12 |
| JP2000345368A5 JP2000345368A5 (ja) | 2005-12-08 |
Family
ID=15560892
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15336699A Pending JP2000345368A (ja) | 1999-06-01 | 1999-06-01 | めっき鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000345368A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006249579A (ja) * | 2005-02-10 | 2006-09-21 | Nippon Steel Corp | 高耐食性めっき鋼材及びその製造方法 |
| JP2006336088A (ja) * | 2005-06-03 | 2006-12-14 | Nippon Steel Corp | 表面処理鋼材 |
| JP2010144193A (ja) * | 2008-12-16 | 2010-07-01 | Nisshin Steel Co Ltd | 複層めっき鋼板およびその製造方法 |
| JP2013241645A (ja) * | 2012-05-21 | 2013-12-05 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 耐食性に優れた燃料タンク用アルミめっき鋼板およびその製造方法 |
| JP2020122199A (ja) * | 2019-01-31 | 2020-08-13 | 日鉄日新製鋼株式会社 | 複層めっき鋼板およびその製造方法 |
| JP2020122198A (ja) * | 2019-01-31 | 2020-08-13 | 日鉄日新製鋼株式会社 | 複層めっき鋼板およびその製造方法 |
-
1999
- 1999-06-01 JP JP15336699A patent/JP2000345368A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006249579A (ja) * | 2005-02-10 | 2006-09-21 | Nippon Steel Corp | 高耐食性めっき鋼材及びその製造方法 |
| JP4751206B2 (ja) * | 2005-02-10 | 2011-08-17 | 新日本製鐵株式会社 | 高耐食性めっき鋼材及びその製造方法 |
| JP2006336088A (ja) * | 2005-06-03 | 2006-12-14 | Nippon Steel Corp | 表面処理鋼材 |
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| JP2013241645A (ja) * | 2012-05-21 | 2013-12-05 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 耐食性に優れた燃料タンク用アルミめっき鋼板およびその製造方法 |
| JP2020122199A (ja) * | 2019-01-31 | 2020-08-13 | 日鉄日新製鋼株式会社 | 複層めっき鋼板およびその製造方法 |
| JP2020122198A (ja) * | 2019-01-31 | 2020-08-13 | 日鉄日新製鋼株式会社 | 複層めっき鋼板およびその製造方法 |
| JP7023880B2 (ja) | 2019-01-31 | 2022-02-22 | 日本製鉄株式会社 | 複層めっき鋼板およびその製造方法 |
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