JP4264157B2 - 耐食性に優れた燃料タンク用溶融アルミめっき鋼板 - Google Patents

耐食性に優れた燃料タンク用溶融アルミめっき鋼板 Download PDF

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【0001】
本発明は、ガソリンタンク材等に使用される耐食性に優れた燃料タンク用溶融アルミめっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶融アルミめっき鋼板は、高い耐食性と耐熱性、美しい外観等から、前記したような自動車部品、建材、家電部品等に鋼板に使用されている。近年の自動車排気系部材の耐食性向上要求に対応するため、めっき原板にCrを含有する鋼板、あるいはステンレスにアルミめっきを施し、高い耐食性を持たせたものが多数開発されている(特開昭61−231152号公報、特開平3−277761号公報等)。原板としてCr含有鋼ないしステンレス鋼を使用すると、当然耐食性は向上するが、製造コストの増大となり、また加工性は劣化する傾向にある。そこで、めっき浴に耐食性向上元素を添加する検討も種々なされ、特開平2−88754号公報、特開平7−20091号公報等において、Cr,Mn添加等が開示されている。
【0003】
一方、最近では、自動車燃料タンクのPbフリー化が検討されつつあり、この用途へのアルミめっき鋼板の適用も進みつつある。この際の課題は、耐食性と加工性、溶接性の高度なバランスである。一般に表面処理鋼板において、めっきの付着量が増大するほど、耐食性は当然向上するが、加工性、溶接性は低下する傾向にある。この際の溶接性は、電極との反応性を意味し、アルミは電極材質の銅と容易に反応するため、付着量を増すと、電極と反応しやすくなり、電極寿命の低下を招く。そこで、これらの特性を両立させるべく、やはり多数の発明がなされている(特開平10−46358号公報等)が、耐食性と溶接性、加工性を完全に両立できるとは言い難い状況である。また、アルミめっきは特に乾湿繰り返し環境では非常に耐食性に優れるが、常時濡れた環境では溶解が進行しやすい傾向にある。塩害環境では、アルミめっきは鋼板を犠牲防食して優先的に溶解するが、常時濡れた環境ではその速度が大きく、短期間でめっきが溶解してしまう可能性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明において、アルミめっき層に耐食性に寄与するMgを添加することで、めっき層の耐食性を従来より飛躍的に優れさせ、これにより低付着量で十分な耐食性を発揮することができ、加工性、溶接性をも向上させた溶融アルミめっき鋼板を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、めっき浴における添加元素、特にSi,Mgの挙動につき詳細な検討を行い、本発明を完成させたものである。以下本発明を詳細に説明する。
特開昭56−127762号公報において、本出願人らは既にSi,Mgを含有するアルミめっき鋼板の製造法を開示している。本発明者らは、Si,Mg量を変えたときのめっき組織、その時の耐食性等を更に詳細に検討し、以下の知見を得た。即ち、Al−Si−Mg三元状態図から明らかなように、この系ではMg2 Siという金属間化合物を形成する。この重量比は、Mg/Si=1.73であり、Al隅からこの組成で線をひくと、その上下に状態図は二分され、この線より上側においては、Al−Mg2 Si−Al8 Mg5 の三元共晶、下側においては、Al−Mg2 Si−Siの三元共晶となる。一方、Mg/Si=1.73の線上はAl−Mg2 Siの二元共晶となる。
【0006】
本発明において、アルミめっき層にMgを添加することで耐食性が顕著に向上する知見が得られたが、これはMg/Siと大きく関係しこの比率が1.73前後以上、つまりAl−Mg2 Si二元共晶、あるいはAl−Mg2 Si−Al8 Mg5 の三元共晶域では殆どMg添加の効果が認められなかった。このときめっき層の組織もほぼ状態図に従って変化を示し、めっき層の組織が耐食性に大きく影響していることが窺われた。金属組織が耐食性に影響する理由は詳細には未だ不明であるが、Mg2 Siの存在が耐食性に寄与していると考えられる。
【0007】
本発明に従えば、Mgを添加し、かつMg/Siの比率を適正に制御することで飛躍的に耐食性の向上した溶融アルミめっき鋼板を得ることが可能になり、その優れた耐食性のため、めっき付着量を低減、あるいは後処理皮膜も簡易な処理が可能となり、溶接性、あるいは加工性の向上効果を有する。Mgの効果は、塩害環境、特に濡れ環境において顕著であるが、大気環境、硫酸環境等においても十分な効果を有する。更に、Mgを添加することで、従来困難であった、大気環境下での端面防食作用も得られる。
【0008】
本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)鋼板の表面に、Al,Fe,Siを含有し、かつ厚みが5μm以下であるような金属間化合物被覆層を有し、前記金属間化合物被覆層の表面に、量%でSi:2〜13%、Mg:3%超〜15%であり、Mg/Siが0.41〜1.70、かつ残部が実質的にAlからなる被覆層を有することを特徴とする耐食性に優れた燃料タンク用溶融アルミめっき鋼板。
(2)金属間化合物層の厚みが3μm以下であることを特徴とする前記(1)の耐食性に優れた燃料タンク用溶融アルミめっき鋼板。
【0009】
(3)Al系被覆層の表層に、シリカ換算で10〜1000mg/m2 を含有する後処理皮膜を有することを特徴とする前記(1)または(2)の耐食性に優れた燃料タンク用溶融アルミめっき鋼板。
(4)鋼板の少なくとも片面の最表層が有機樹脂層であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1に記載の耐食性に優れた燃料タンク用溶融アルミめっき鋼板。
(5)アルミ被覆層と金属間化合物の合計被覆量が、片面当たり20〜60g/m2 であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1に記載の耐食性に優れた燃料タンク用溶融アルミめっき鋼板にある。
【0010】
次に本発明の数値の限定理由について説明する。まずアルミ系被覆層(以降めっき層と略称)と金属間化合物層(以降合金層と略称)の限定理由を説明する。
Si:溶融アルミめっきにおいて、通常合金層の成長を抑制するためにSiを添加する。このため、アルミ被覆層、あるいは合金層中にもSiが含有される。Si量が少なすぎると前記した合金層の成長抑制効果が無くなり、一方多すぎると粗大なSi初晶が生成して耐食性を阻害する。従って好ましい添加量はアルミ被覆層で2〜13%である。
【0011】
Mg:本発明において、耐食性向上のためにMgを添加するものとする。Mgの添加は3%超で耐食性に奏功し、5〜6%で最大の効果を有する。Mgは極めて酸化しやすい元素であるが、アルミめっき浴中にこの程度の量を添加しても、特にドロスの発生が多くなることはない。但し、Mg添加量を増大していくと、徐々に浴の粘度が上昇していき、操業性が劣化するため、またその耐食性への効果も飽和する傾向があるため、Mgの上限値を15%とする。また、本発明においてはMg/Siを1.70以下に限定するものとする。これは前述したようにこの領域でAl−Mg2 Si−Siの三元共晶型のめっき組織を呈し、この時耐食性が顕著に向上するためである。
【0012】
めっき層には、これら元素のほかに、不可避的不純物としてFeを含有しうるが、この量は通常1%以下であり、めっき組織への影響も比較的少ない。更にめっき層中に、Cr,Mn,Ti等の元素を微量添加することも可能である。また、Sn,Zn,Bi等の低融点金属は一般に耐食性に対して悪影響を及ぼすため、これらは不純物レベルとする。
【0013】
合金層の厚みは、例えば自動車燃料タンクのようなめっき付着量が少なく、かつ加工の厳しい用途においては、加工性,耐食性に大きく影響する。まず合金層は金属間化合物のため非常に脆性であり、厚みが増大すると内部で破壊され、めっき剥離を惹起する。このため良好な加工性を確保するには厚みが5μm以下であることが必要である。更に合金層厚みが大きいことはめっき層が相対的に薄くなることを意味し、耐食性を大きく阻害する。合金層の厚みが3μm以下では、加工性、耐食性の劣化が少なくなる。合金層は薄ければ薄いほど好ましいが、実際上1μm以下にするのは困難である。合金層の低減方法は特に限定しないが、めっき浴への侵入板温、浴温、ラインスピード、凝固までの時間を制御することで可能である。合金層はFe,Alを含有する。Mgは合金層中には殆ど含有されないため、合金層は原則的にFe,Al,Siから構成されるものとし、微量のMg等を含有しうる。
【0014】
次に母材の鋼成分について説明する。鋼成分の限定は特に行わず、どのような鋼種に対しても耐食性向上効果を有する。鋼種としては、Ti,Nb,B等を添加したIF鋼,Al−k鋼,Cr含有鋼,ステンレス鋼,ハイテンに加え、耐熱性を狙いTi添加鋼、合金化抑制効果を狙いfree−N添加鋼等を使用することも可能である。建材用途には、Al−k系、あるいはステンレス系が、排気系用途には、Ti−IF、Ti添加鋼が、家電用途にはAl−k系、free−N添加鋼系が、燃料タンク用途にはB添加IF鋼の適用がそれぞれ望ましい。
【0015】
アルミめっき鋼板は、通常クロメート等の後処理を施されて使用に供される。本発明において、特にシリカ系処理、あるいは有機樹脂被覆処理をすることで、更に性能を向上させることが可能である。例えば、シリカ系処理としては、クロム酸−シリカ系のクロメート処理、リン酸を添加した白色クロメート系処理、シリカ−樹脂系処理、シリカ−リン酸系処理等が可能であり、これらの付着量はシリカ換算で10〜1000mg/m2 とする。これらの処理の目的は、塗料密着性、溶接性、耐食性等であるが、これらの効果を発揮するには最低10mg/m2 は必要であり、一方その効果が飽和すること、均一処理性が悪くなってくることから上限を1000mg/m2 とする。この処理のさらに表層に有機樹脂で被覆しても良い。
【0016】
有機樹脂としては、アルミの外観を活かしたクリア処理、あるいは顔料を含有するカラー処理、あるいは溶接性を向上させるための処理等あり、樹脂系もアクリル系、ポリエチレン系,ポリエステル系,メラミン系,エポキシ系,ウレタン系,フッ素系等、汎用の処理は全て可能である。膜厚も特に限定するものではなく、通常の0.5〜20μm程度の処理が可能である。後処理として、クロムを使用しないインヒビターが最近検討されているが、これらの処理の適用も当然可能である。めっき後の後処理として、これ以外に、ゼロスパングル処理、焼鈍、調質圧延等が付与されることがあるが、これらについても特に限定せず、適用も可能である。
【0017】
最後にめっきの付着量の限定理由を説明する。本発明は冒頭説明したように、溶接性と耐食性を高度で両立する材料であり、この両特性は付着量の影響が大きい。本発明ではアルミ被覆層と金属間化合物層の合計被覆量(以降めっき付着量と称する)を、片面当たり20〜60g/m2 とすることが望ましい。通常の溶融めっきプロセスで製造可能な下限の付着量が20g/m2 程度であり、これを下限値とする。また付着量が増大すると溶接性が低下することから、上限を60g/m2 とする。
【0018】
【実施例】
次に実施例で本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
通常の熱延、冷延工程を経た、表1に示すような鋼成分の冷延鋼板(板厚0.8mm)を材料として、溶融アルミめっきを行った。溶融アルミめっきは無酸化炉−還元炉タイプのラインを使用し、めっき後ガスワイピング法でめっき付着量を調節し、その後冷却し、ゼロスパングル処理を施した。一部の材料にはシリカ系処理を、更にその一部には塗装を行った。この際のめっき浴組成としてはAl−2%Feをベース成分とし、Mg:0.2〜20%,Si:1〜15%を添加した。このときの浴中のFeは浴中のめっき機器やストリップから供給される不可避のものである。浴温は三元状態図より読み取った融点に60℃加えた値とした。めっき外観は不めっき等なく良好であった。侵入板温、めっき後の冷却速度等を工夫して、合金層の厚みは低めを狙って製造した。このときの製造条件を表2に示す。めっき付着量は両面均一で、表示は両面の付着量とした。
【0019】
このようにして製造した溶融アルミめっき鋼板の性能を下に示した方法で評価した。クロメート種類は、α:クロム酸−シリカ系、β:樹脂クロメート(乾燥重量比で、樹脂/クロム=8、アクリル系樹脂使用)の2種類を使用し、塗装は、シリカを含有したエポキシ系の樹脂を両面1μmとした。クロメート、塗膜の付着量、膜厚は片面当たりの表示である。
【0020】
【表1】
Figure 0004264157
【0021】
【表2】
Figure 0004264157
【0022】
(1)めっき層、合金層組成、厚み分析方法
▲1▼めっき層:3%NaOH+1%AlCl3 ・6H2 O中で定電流電解剥離によりめっき層のみを剥離した。Mgはアルカリ溶液に不溶であるため、電解剥離後、更に20%硝酸で処理して、電解剥離液と混合してめっき層組成分析液とした。各元素の分析はICPで行った。なお、クロメート処理した後分析する場合には、表面を軽研磨してクロメート中のCrの影響を少なくする必要がある。
▲2▼合金層厚み:400倍の断面検鏡写真より合金層厚みを測定した。
【0023】
(2)耐食性評価
▲1▼塩害耐食性
寸法70×150mmの試料に対してJIS Z 2371に準拠した塩水噴霧試験を30日行い、腐食生成物を剥離して腐食減量を測定した。この腐食減量の表示はめっき片面に対しての値である。
〔評価基準〕
◎:腐食減量5g/m2 以下
〇:腐食減量10g/m2 未満
△:腐食減量10〜25g/m2
×:腐食減量25g/m2
【0024】
▲2▼塗装後耐食性
寸法70×150mmの試料をメラミン系黒色塗装20μmを行い、140℃で20分焼付けた。その後クロスカットを入れ、塩水噴霧試験に供した。60日後の外観を目視観察した。
〔評価基準〕
◎:赤錆発生無し
〇:クロスカット以外からの赤錆発生無し
△:赤錆発生率5%以下
×:赤錆発生率5%超
【0025】
▲3▼燃料に対する耐食性
ガソリンに対する耐食性を評価した。方法は上記の油圧成形試験機により、フランジ幅20mm、直径50mm、深さ25mmの平底円筒絞り加工を施した試料に、試験液を入れ、シリコンゴム製のリングを介してガラスで蓋をした。この試験後の腐食状況を目視判定した。
〔試験条件〕
試験液:ガソリン+蒸留水10%+蟻酸200ppm
試験期間:40℃で3ヶ月放置
〔評価基準〕
〇:赤錆発生0.1%未満
△:赤錆発生0.1〜5%あるいは白錆あり
×:赤錆発生5%超あるいは白錆顕著
【0026】
▲4▼排気系凝結水に対する耐食性
寸法25×100mmの試料に対して、自動車技術会規定のJASO M 611−92 B法に従い、試験を行った。試験期間は4サイクルとした。試験後、腐食生成物を剥離し、腐食深さを測定した。
〔評価基準〕
〇:腐食深さ0.05mm未満
△:腐食深さ0.05〜0.2mm
×:腐食深さ0.2mm超
【0027】
(2)溶接性
下に示す溶接条件でスポット溶接を行い、ナゲット径が4√t(t:板厚)を切った時点までの連続打点数を評価した。
〔溶接条件〕
溶接電流:10kA 加圧力:220kg 溶接時間:12サイクル
電極径:6mm 電極形状:ドーム型,先端6φ−40R
〔評価基準〕
〇:連続打点700点超
△:連続打点400〜700点
×:連続打点400点未満
【0028】
(3)加工性
油圧成形試験機により、直径50mmの円筒ポンチを用いて、絞り比2.25でカップ成型を行った。試験は塗油して行い、シワ抑え力は500kgとした。加工性の評価は次の指標によった。
〔評価基準〕
〇:異常無し
△:めっきに亀裂有り
×:めっき剥離有り
【0029】
【表3】
Figure 0004264157
【0030】
表3に示すように、比較例No.18のようにMgの添加量が少ない場合は耐食性に劣る。また比較例No.19のように、Si量が低すぎると合金層が成長しすぎて加工時のめっき剥離を惹起し、耐食性にも劣る。本発明例においても、No.4のようにMg量が多すぎても耐食性への寄与は小さくなり、Mgは4〜9%程度が耐食性という観点から好ましい。No.5、8のようにSi量が低いと合金層が成長しやすく、加工性という点ではやや劣位にある。またNo.10のようにめっきの付着量が多すぎると、溶接性が低下する傾向にある。Mg量,Si量,Mg/Siが共に適正域に有ると、極めて優れた耐食性、溶接性、加工性を示す。
【0031】
(実施例2)
めっき浴の組成、操業条件を固定し、めっき原板の影響を調査した。めっき浴組成はAl−9%Si−6%Mg−2%Feとして、めっき付着量は両面60g/m2 、後処理はシリカ−リン酸系のクロムを含有しない処理とし、付着量はシリカ換算70mg/m2 とした。評価項目と方法は、基本的に実施例1と同じであるが、唯一ステンレス系の材料を使用するため加工性評価時の絞り比を2.1とした。このとき、めっき層組成としては、ほぼSi:8.5%、Mg:5.7%、Fe:0.5%、Mg/Si:0.67、合金層厚み:1.8〜2.8μmという数値が得られた。使用した鋼種を表4に示し、その時の評価結果を表5にまとめる。使用する鋼種によらず、優れた特性が得られた。
【0032】
【表4】
Figure 0004264157
【0033】
【表5】
Figure 0004264157
【0034】
【発明の効果】
本発明は、従来に比べて飛躍的に耐食性に優れる溶融アルミめっき鋼板を提供するものである。アルミめっき鋼板の用途は従来の自動車排気系部材、熱器具、屋根壁等から、最近では自動車燃料タンクへの適用も始まっており、これらの用途における耐食性を向上させることでより材料の長寿命化、メンテナンスフリー化が期待され、作業上の寄与は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】Al−Si−Mg三元状態図の液相面であり、Al−Fを結ぶ線がAl−Mg2 Siの擬二元共晶線である。この線より上部ではAl−Al8 Mg5 −Mg2 Siの三元共晶(B)、下部ではAl−Si−Mg2 Siの三元共晶(D)組織となる。

Claims (5)

  1. 鋼板の表面に、Al,Fe,Siを含有し、かつ厚みが5μm以下であるような金属間化合物被覆層を有し、前記金属間化合物被覆層の表面に、量%でSi:2〜13%、Mg:3%超〜15%であり、Mg/Siが0.41〜1.70、かつ残部が実質的にAlからなる被覆層を有することを特徴とする耐食性に優れた燃料タンク用溶融アルミめっき鋼板。
  2. 金属間化合物層の厚みが3μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れた燃料タンク用溶融アルミめっき鋼板。
  3. Al系被覆層の表層に、シリカ換算で10〜1000mg/m2 を含有する後処理皮膜を有することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料タンク用耐食性に優れた溶融アルミめっき鋼板。
  4. 鋼板の少なくとも片面の最表層が有機樹脂層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の耐食性に優れた燃料タンク用溶融アルミめっき鋼板。
  5. アルミ被覆層と金属間化合物層の合計被覆量が、片面当たり20〜60g/m2 であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の耐食性に優れた燃料タンク用溶融アルミめっき鋼板。
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