JP4036347B2 - 成型後耐食性に優れた燃料タンク用防錆鋼板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の燃料タンク用鋼板として優れたプレス成型性、成型後耐食性を兼備する防錆鋼板を提供する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の燃料タンクは、車体のデザインに合わせて最後に設計されることが通常で、その形状は近年益々複雑になる傾向にある。また燃料タンクは自動車の重要保安部品であるため、この燃料タンクに使用される材料には、極めて優れた深絞り特性が、更には成型後の衝撃による割れが無いことも要求される。これに加えて、孔あき腐食やフィルター目詰まりに繋がる腐食生成物の生成の無い材料で、しかも容易に安定して接合できる材料であることも重要である。
【0003】
これら様々な特性を有する材料として、従来よりターンシートと称されるPb−Sn合金めっき鋼板、例えば(特公昭57−61833号公報)が主に使用されてきた。この材料はガソリンに対して安定な化学的性質を持ち、かつめっきが潤滑性に優れるためプレス成形性に優れ、Pbが溶接電極のCuと反応し難いために溶接性にも優れている。これ以外にも亜鉛めっき鋼板に厚クロメート処理を施した鋼板も使用されており、Pb−Sn合金程ではないが、やはり優れた加工性、耐食性、溶接性を有している。しかし近年環境への負荷という意味からPbを使用しない材料が希求されている。
【0004】
このPbを使用しない自動車燃料タンク材料の候補材の一つが、アルミ(Al−Si)めっき鋼板である。アルミはその表面に安定な酸化皮膜が形成されるため、ガソリンを始めとして、アルコールやガソリン等が劣化したときに生じる有機酸に対しても耐食性が良好である。しかしながら、アルミめっき鋼板を燃料タンク材料として使用する際の課題が幾つかある。その一つはプレス成型性である。アルミめっき鋼板は被覆層と鋼板の界面に生成する非常に硬質なFe−Al−Siの金属間化合物層(以下合金層と称する)のため、アルミめっき層が無いものと比べて材質が低下する。このため、厳しい加工により割れを発生しやすい。
【0005】
また、合金層を起点として、めっき剥離やめっきのクラックを生じやすいという欠点もある。めっきにクラックが発生すると、ここより内面からの腐食が進行して、短期に孔あきに至る可能性があるため、成型後の耐食性も大きな課題である。更にはAlは溶接電極のCuと容易に反応するために電極寿命が短いという短所もある。この中で成型後の耐食性に対して、本発明者らは特願平7−329193号において、めっき後の冷却速度、再加熱により解決できることを示した。しかしこの方法は工程増となるために、コスト増を伴う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特に前記のプレス成型性、成型後耐食性の課題を解決することで、Pbを使用せず、タンク製造工程において今後増すと予想される苛酷なプレス条件にも充分耐え得る優れたプレス加工性を有し、しかも成型後の有機物に対する耐食性も確保した新しい燃料タンク用防錆鋼板を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アルミめっき鋼板の成型後耐食性を改善するため種々検討した結果、鋼成分、表層皮膜の最適化を行うことでこれを達成したものである。本発明者らは、燃料タンクの内面環境における腐食状況を詳細に調査し、次の知見を得た。すなわち、内面環境の主要な腐食成分は燃料が分解して生成する蟻酸である。めっき層、合金層のクラックを起点として母材の腐食が始まり、母材と合金層の界面を腐食が進行し、めっきが徐々に母材より浮き上がって全面的な腐食に至る。母材と合金層の界面を腐食が進行するのは、蟻酸存在下で合金層の電位が母材に比べて約0.4V高く(貴と)なり、合金層近傍の母材腐食が促進されるからである。かかる知見に基づき、合金層に沿った母材の腐食を抑制すべく種々検討を加え、蟻酸100ppm残部水分という環境で測定した、合金層と母材の電位差が20℃において0.35V以下であれば、合金層−母材界面の腐食を抑制でき、めっき層、合金層にクラックが存在しても腐食の進行が緩やかとなるとの知見を得た。
【0008】
本発明はこの知見に基づくもので、更に溶接性、プレス成型性等の課題を解決するために、最表層に有機樹脂皮膜を付与するものとする。最表層の有機樹脂は、溶接性、プレス成型性、耐食性に寄与し、めっきクラック部からの腐食抑制効果とあわせて、タンク材として総合的に極めて優れた特性を付与する。この樹脂中にクロメートを含有すると溶接性、耐食性が向上し、より好ましい。
合金層−母材の電位制御は鋼成分、めっき浴の成分を調整する、あるいは溶融めっき前にプレめっきをすることで可能で、例えば鋼中にCrを添加する、鋼の表面へCr系プレめっきを施す、あるいはクラッド鋼を使用する、めっき浴にZn等を添加する等の手法が可能である。
【0009】
本発明の要旨とするところは、
(1)めっき原板の表面に、Al−Fe−Si系金属間化合物層を有し、その表面にSiを3〜13%含有し残部がAlおよび不可避的不純物からなるめっき層を有し、かつ蟻酸100ppmを含有し残部が水および不可避的不純物からなる溶液に浸漬した場合の前記めっき原板と前記金属間化合物層との浸漬電位の差が0.35V以下であるアルミ系めっき鋼板であり、めっき原板の組成が重量%で、C:0.01%以下、Si:0.063%以下、Mn:0.1〜1%、酸可溶Al:0.01〜0.1%、N:0.01%以下、Ti,Nb合計で(C+N)の原子当量〜0.2%、Cr:1.15〜7%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする成型後耐食性に優れた燃料タンク用防錆鋼板。
【0010】
(2)Al−Si系のめっき層の組成が、重量%で、Si:3〜13%、Sn,Zn,Sb,Biの1種または2種以上を合計で0.5〜5%含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなることを特徴とする前記(1)に記載の成型後耐食性に優れた燃料タンク用防錆鋼板にある。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。まずめっき層は、Al−Si系とし、Siの含有量は3〜13%とする。Siは、通常合金層を薄くする目的から10%程度添加されている。前述したように溶融アルミめっきで生成する合金層は非常に硬質で、かつ脆性であるために破壊の起点となりやすい。通常の2〜3μm程度の合金層でもめっき密着性が劣化するほかに、めっきクラックの起点ともなり、また母材の材質をも劣化させる。従ってこの合金層は薄ければ薄いほど加工に対して有利に働く。Siは3%以上存在しないとこの合金層低減の効果が薄く、また13%を超えるとその効果が飽和することに加えてSiが電気化学的にカソードとなりやすいことからめっき層の耐食性劣化につながる。このためSi量は2〜13%に限定する。
【0012】
次に合金層とめっき原板の電位差については、0.35V以下とする。測定環境は、実際の燃料タンク内の腐食環境に近い蟻酸を含有する環境が好ましく、この環境で従来のアルミめっき鋼板は0.4V程度の電位差を有していたが、この場合には前記したように、合金層−めっき原板間で腐食が進行しやすい。電位差は小さいとめっき層、合金層にクラックがあっても腐食の進行は軽微となる。電位差がこの範囲内であれば、合金層と原板のどちらが貴であっても構わないが、実際的には合金層の方が卑になることはあまりないと思われる。
【0013】
次に有機樹脂皮膜中のクロメート量の限定理由を説明する。前記したように、有機樹脂皮膜は溶接性、プレス成型性、耐食性を目的としたもので、この有機樹脂の中にクロメートを含有させるのは、一層溶接性、耐食性を向上させるためである。クロメートが溶接性に寄与する理由は不明確であるが、電極と鋼板との間の反応を抑制するバリア皮膜を形成することが考えられる。また、当然耐食性にも寄与するが、これらの効果が現れるには、金属Cr換算で、5mg/m2 以上のクロメートが必要で、一方、100mg/m2 を超えると効果が飽和するためにこの値を上限とする。
【0014】
次に鋼成分を限定した場合の限定理由を説明する。
C:本発明において、燃料タンクのような複雑な形状に加工できるだけの高度な深絞り性を有する鋼板であることが必要である。この目的のためにはC量は少ないほど好ましい。C量が0.01%を超えると所定の成型性が得られなくなるためにこの値%を上限とする。しかし、今後ますます複雑化するタンクの形状を考えると、より望ましくは0.005%以下である。
【0015】
Si:Siは酸素との親和性が強く、溶融アルミめっき工程で表面に安定な酸化皮膜を形成しやすい。酸化皮膜が形成されるとめっき浴中でのAl−Fe反応を阻害してアルミめっき時に不めっきと呼ばれるめっき欠陥を形成しやすくなる。またこの元素は鋼板を硬化させる元素でもあるので、本発明のような高成型性を要求される鋼板としては少ない方が好ましく、0.1%以下とする。
【0016】
Mn:Mnは鋼板の高強度化に有効な元素であるが、本発明は軟質な鋼板を目的とするもので、少ない方が好ましい。Mnが1%を超えると鋼が硬化して延性に富んだ鋼板を製造することは困難であるために、Mnは1%以下とする。また、Mnの通常の製鋼工程における下限値の0.1%を下限値とする。
酸可溶Al:Alは製鋼段階で脱酸材として使用される。AlもSiと同様酸素との親和性が強く、酸可溶Alが残存していると不めっきを生成しやすくなる。また、加工性も劣化させる元素で、上限を酸可溶Alとして0.1%、下限を0.01%とする。
N:Cと同様の理由でNも少ない方が好ましく、成型性確保の観点よりNの上限を0.01%とする。
【0017】
Ti,Nb:これらの元素はC,Nを固定する元素として知られ、これらの元素でC,Nを固定して実質的に固溶C,Nを無くした鋼板がIF鋼として知られ、このようなIF鋼は軟質であるのは勿論、深絞り性にも優れている。本発明においてもこの目的でこれら元素を添加する。その添加量は(C+N)の原子当量以上含有することが必要で、この値を下限とする。また、添加量が多すぎても効果が飽和するとともに、特にTiはAl−Fe反応を促進する元素のため、合金層成長を促進して鋼板加工性を阻害しやすい。従って上限を0.2%とする。
【0018】
Cr:Crは鋼板電位を上昇させる元素で、この元素の添加により、合金層−原板の電位差を減少させることができる。この効果のためには、0.5%以上のCrが必要で、また、Cr量が7%を超えると溶融めっき工程でCr系酸化物の表面濃化が著しく、通常のプロセスではめっきが困難となる。このためこの値を上限とする。
【0019】
Cu,Ni,Mo,B:これらの元素は必要に応じて添加することができる。Cu,Ni,Moは耐食性向上に寄与する元素で、特にNi,Moは耐孔食性を向上させる。またBは疲労強度を向上させ、車体の下で振動を受けても破断しにくくなる。これらの効果が発現されるにはCu,Ni,Moで0.05%以上、Bで0.0001%以上の添加が必要で、一方、添加しすぎるとCuの場合には熱延時のヘゲ疵発生を引き起こす懸念がある。Ni,Mo,Bは添加しすぎても効果が飽和するために、上限濃度を0.5%(Cu,Ni,Mo)、0.0030%(B)とする。
【0020】
次にアルミめっき層への添加元素の限定理由を説明する。めっきはAl−Si系とし、これにSn,Zn,Pb,Sb,Bi,Cdを合計で0.5〜5%添加することができる。これらの元素はいずれも合金層へ混入してこの層の電位を低下させる元素で、合計0.5%以上添加することでその効果が現れる。また添加しすぎるとめっき層の耐食性を阻害することから上限を5%とする。
アルミめっきのめっき付着量は本発明において特に限定しないが、性能への影響は大きい。付着量が増加するほど耐食性が増し、一方でめっき密着性、溶接性が劣化する傾向がある。厳しい成型、種々の溶接を必要とする自動車燃料タンク材料としては片面当たり50mg/m2 以下であることが望ましい。一方、合金層厚みは前述したようにアルミめっき鋼板の延性に悪影響を及ぼすために薄い方が好ましい。
【0021】
めっきの後行程として、クロメート、有機樹脂被覆の他に、外観調整のためのゼロスパングル処理、表面状態、材質の調整のための調質圧延等があり得る。本発明においては特にこれらの処理は限定せず、行っても行わなくても構わない。
めっき原板の製造法は通常の方法によるものとする。鋼成分は例えば転炉−真空脱ガス処理により調節されて溶製され、鋼片は連続鋳造法等で製造され,熱間圧延される。
【0022】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
表1に示す鋼(P:0.008%,S:0.010%)を通常の転炉−真空脱ガス処理により溶製し、鋼片とした後、加熱温度1140〜1180℃、仕上げ温度800〜900℃、捲取温度620〜670℃で熱延を、冷延率約80%で冷延を行い、板厚0.8mmの冷延鋼帯を得た。これらを材料として、溶融アルミめっきを行った。溶融アルミめっきは無酸化炉−還元炉タイプのラインを使用し、焼鈍もこの溶融めっきライン内で行った。焼鈍温度は800〜850℃とした。めっき後ガスワイピング法でめっき厚みを両面約60mg/m2 に調節した。この際のめっき温度は660℃とし、めっき浴組成としてはAl−9.4%Siとした。浴中のFeは浴中のめっき機器やストリップから不純物として供給されるものである。こうして製造したアルミめっき鋼板の一部にクロム酸−シリカゾル−リン酸−有機樹脂(アクリル)系の下地処理を行い、更にその一部は樹脂皮膜で被覆した。同時にクロメート処理の樹脂分を増減させた鋼板も製造した。このような材料の燃料タンクとしての性能を評価した。このときの評価方法は下に示した方法により、めっき条件と性能評価結果を表2および表3に示す。なお、めっき層組成の分析は、アルミめっき層のみを3%NaOH+1%AlCl・6H2 O中で電解剥離した溶液を採取し、酸処理後IPCで定量分析し、めっき層中のSi組成を求めた。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
(1)外観評価
めっき後の外観を目視判定した。
[評価基準]
○:異常なし △:微少な点状不めっき有り ×:不めっき有り
(2)合金層、地鉄の電位差
アルミめっき層を3%NaOH+1%AlCl3 ・6H2 O中で電解剥離することで合金層電位測定試料を、また、20%NaOH中に浸漬してアルミめっき層、合金層を剥離することで地鉄電位測定試料を得た。これらを蟻酸100ppmを含有する20℃の溶液中で浸漬電位を測定して電位差を測定した。なお、参照電極は飽和カロメル電極を使用し、合金層が高い電位を示すときを+で表示した。
【0027】
(3)プレス成型性評価
油圧成形試験機により、直径50mmの円筒ポンチを用いて、無塗油で絞り比2.2の成形試験を行った。このときのシワ抑え圧は500kgで、成形性の評価は次の指標によった。
[評価基準]
◎:成形可能で、めっき層の大きな欠陥無し
△:成形可能で、めっき層に目視可能なひび割れ有り
×:成形可能で、めっき層剥離有り
−:成形不可能(原板に割れが発生)
【0028】
(4)成型後耐食性評価
引張試験機に油圧式のビード付き金型を取り付け、板を油圧で押さえてビード引き抜きを行った。ビードは径4mm、半円形で、加圧力は600kgfである。こうしてビード引き抜きを行った試料をガラス性の容器に燃料とともに封入して耐食性を評価した。試験液はガソリン+蒸留水10%+蟻酸100ppm、期間は3ヶ月、温度は室温(20℃)である。試験後の腐食状況を試験液へのFe溶出量という形で評価した。
[評価基準]
○:Fe溶出2g/m2 未満
△:Fe溶出2〜5g/m2
×:Fe溶出5g/m2 超
−:成型性不可のため評価せず
【0029】
表2に示すように、鋼中のCrが低く、鋼板−合金層の電位差が大きいとき(比較例23、24)には、絞り性に優れてもめっき層の微細なクラックを起点として鋼板の腐食が進行する。鋼中のCやNが高く、Ti/(C+N)の原子当量が1未満になったり(比較例18、22)、Mnが高く延性が不足したりするとき(比較例20)には、プレス加工性に劣り、燃料タンクのような深絞り加工は困難である。また、鋼中のSi等の溶融アルミめっきを阻害する元素が高いときには(比較例19)、不めっきが多く、不めっき部より腐食が進行するため当然耐食性も劣化する。
【0030】
また、鋼中のTiが高すぎるとき(比較例21)や、アルミめっき中のSi量が少ないとき(比較例25)には、合金層が厚く発達し、プレスの際にめっきが剥離しやすくなり、やはり耐食性が劣化する。一方、めっき中のSiが多すぎても(比較例26)、耐食性が劣化する。鋼成分、めっきの組成が適正であると、外観、プレス成型性、外観、成型後耐食性の全てに優れた溶融アルミめっき鋼板が得られる。
【0031】
(実施例2)
実施例1の表1に示す成分の冷延鋼帯を原板として、溶融アルミめっきを行った。溶融アルミめっきの条件は原則的にAl−9%Siとし、これにSn,Zn等の元素を添加した。なお、めっき浴(めっき層)中に不純物としてのFeが2%程度混入することがある。アルミめっき後は実施例1の表2(6)の後処理を施した。これらの材料の燃料タンクとしての性能を、実施例1の評価方法で評価した。外観、プレス成型性はいずれの試料も良好であった。
表4に示すように、浴中添加元素により鋼−合金層電位差を制御した場合にも同様の効果が得られ、成型後の耐食性は安定する。
【0032】
【表4】
【0033】
【発明の効果】
本発明は、自動車燃料タンク材料として必要なプレス成型性、成型後耐食性を兼備した溶融アルミめっき鋼板を提供するもので、今後Pb系材料が環境問題で使用が困難となったときの新しい燃料タンク材として非常に有望であり、産業上の寄与は大きい。
Claims (2)
- めっき原板の表面に、Al−Fe−Si系金属間化合物層を有し、その表面にSiを3〜13%含有し残部がAlおよび不可避的不純物からなるめっき層を有し、かつ蟻酸100ppmを含有し残部が水および不可避的不純物からなる溶液に浸漬した場合の前記めっき原板と前記金属間化合物層との浸漬電位の差が0.35V以下であるアルミ系めっき鋼板であり、めっき原板の組成が重量%で、C:0.01%以下、Si:0.063%以下、Mn:0.1〜1%、酸可溶Al:0.01〜0.1%、N:0.01%以下、Ti,Nb合計で(C+N)の原子当量〜0.2%、Cr:1.15〜7%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする成型後耐食性に優れた燃料タンク用防錆鋼板。
- Al−Si系のめっき層の組成が、重量%で、Si:3〜13%、Sn,Zn,Sb,Biの1種または2種以上を合計で0.5〜5%含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の成型後耐食性に優れた燃料タンク用防錆鋼板。
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