JP3267178B2 - 加工性に優れたZn−Al合金めっき鋼板 - Google Patents

加工性に優れたZn−Al合金めっき鋼板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、家電、建
材等に用いっれる、加工時の皮膜の耐割れ性及び密着性
に優れた溶融Zn −Al 合金めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融Zn −Al 合金めっき鋼板はZn の
持つ犠牲防食性能とAl の持つ高耐食性及び耐熱性の両
性能を有するため、Zn めっき鋼板に較べて優れた耐食
性を有している。このような鋼板の代表例としてZn ―
55重量%Al ―1.6 重量%Si合金めっき鋼板がある
が、その優れた耐食性から、屋根・壁材等の建材製品、
ガードレール、配線配管や防音壁等の土木製品、自動車
の排気系部品、及び電気洗濯機、電子レンジ等の家電製
品などに急速に普及しつつある。
【0003】しかし、溶融Zn ―Al 合金めっき鋼板の
めっき皮膜の加工性は必ずしも十分ではなく、厳しい加
工を受けた部分で耐食性が好ましくない場合がある。例
えば厳しい曲げ加工を施すとめっき皮膜に割れが生じる
場合があり、その部分から腐食が進行して、平板部の耐
食性は優れているにもかかわらず部品としての商品価値
が早期に損なわれる等の問題がある。
【0004】めっき皮膜の加工性が好ましくない理由の
1つは、母材とめっき皮膜との界面に存在する合金相に
よる。Zn ―Al 合金を鋼板に溶融めっきすると、母材
とめっき皮膜との界面にFe ―Al 合金層が形成され
る。この合金層は硬質かつ脆弱であるので、この合金層
が厚く生成すると厳しい加工を受けた時に亀裂を生じ、
めっき皮膜の密着性が損なわれると共に、腐食の起点に
なって耐食性が損なわれることがある。
【0005】合金化反応を抑制する目的でめっき浴にS
i を添加してめっきするAl ―Znめっき製品とその製
造方法が特開昭50―59234 号公報に開示されている。S
i をAl 含有量の0.5 %以上含ませためっき浴で溶融Z
n −Al 合金めっきし、かつ、めっき後めっき皮膜が完
全に凝固するまで急冷(約11℃/秒以上)することで耐
食性を向上させ、合金層の発達を抑制して皮膜の加工性
を改善させるものである。この製品及びその製造方法で
はめっき皮膜の耐食性は改善されるが、Fe ―Al やF
e ―Al ―Si を主体とする金属間化合物が形成される
合金化反応は完全には抑制されず、皮膜の加工性は十分
ではない。
【0006】特開昭52-60239号公報には、溶融Al めっ
き鋼板に生じるFe ―Al あるいはFe ―Al ―Si 合
金層を薄くするために、液体や液体と気体の混合物など
をめっき直後に吹き付けて急冷する方法が提案されてい
る。しかしこの方法では、スパングル品の製造が困難で
あり、塗装鋼板の母材として使用する場合は問題ない
が、溶融Al −Zn めっき鋼板特有のスパングル外観を
必要とする場合には用いることができない。また、めっ
き皮膜を急速に冷却すると、皮膜内部に残留歪みが多く
なり、めっき皮膜の加工性を損なうおそれもある。
【0007】Al −Zn 合金めっき皮膜の加工性を改善
する別の方法として、めっき後に熱処理を施して、めっ
き皮膜を軟質化して皮膜の延性を向上させる方法がある
(AIME 123rd TMS Annual Meeting and Exhi
bition. P137〜152 )。この方法は、めっき後に低温長
時間の加熱処理(例えば200 ℃×24時間加熱)を施すも
のであり、このような長時間の処理は連続操業を阻害
し、生産性が大幅に低下するので好ましくない。また、
合金層の発達を抑制する方法も開示されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、厳しい加工
に耐え得るめっき皮膜を有し、しかも経済的に製造でき
る耐食性に優れた溶融Al −Zn 合金めっき鋼板を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は下記に記
載の「加工性に優れたZn −Al 合金めっき鋼板」にあ
る。
【0010】重量%で、Si :0.04〜0.3 %、Mn :0.
06〜0.35%、P:0.03〜0.15%、sol.Al :0.005 〜0.
05%を含有する鋼からなる母材の少なくとも片面に、A
l :20〜80%、Si :Al 量の0.5 〜5%、残部はZn
および不可避的不純物からなる化学組成のめっき皮膜を
備えた加工性に優れたZn −Al 合金めっき鋼板。
【0011】本発明者らは、Al を20〜80重量%、Si
をAl 量の0.5 〜5%含有するめっき皮膜の合金層の形
成に対する鋼中添加元素の影響に関する以下の新たな知
見を得て本発明を完成させた。
【0012】 母材にSi を所定量以上含有させる
と、めっき及びめっき後の冷却時に母材表面に形成され
る合金層の発達が抑制され、めっき皮膜の加工時の耐割
れ性及び母材との密着性が著しく改善される。既に述べ
たとおり、めっき浴中にSi を添加してめっきすると、
母材表面とめっき皮膜との界面に形成されるFe −A
l、Fe −Al −Si 等からなる合金層の成長が抑制さ
れる。これと同様の理由で、母材中にSi が存在する
と、めっき浴と鋼板との反応過程において母材からめっ
き皮膜へのFe の拡散が抑制されるものと推測される。
【0013】また、母材にSi が含有されているとZn
が母材に食い込むいわゆる投錨効果が増し、界面での合
金層の密着性、ひいてはめっき皮膜の密着性が更に改善
される。これは、母材中にSi が存在することで、母材
の結晶粒界へのZn の侵入が促進されるためと推測され
る。
【0014】 薄鋼板を母材とするAl −Zn 系溶融
めっきの場合、Si を含有する母材を還元性雰囲気中で
昇温、または焼鈍すると、その過程で母材の表面にSi
酸化物が濃化して不めっき部が生じる場合がある。この
ため、通常は、母材にはSiは添加されない。本発明で
は、このようにめっき性を阻害しない範囲でSi を含有
させてめっき皮膜の加工性を改善する。
【0015】 母材にPを含有させると、Pが母材の
結晶粒界に偏析し、母材からめっき皮膜へのFe の拡散
が抑制される。Pにはこの作用を通じて合金層の発達を
抑制する効果があるうえ、めっき性にも悪影響を及ぼさ
ない。このため、Pもめっき皮膜の加工性を改善する元
素として用いることができる。ただ、PはCと同様、鋼
中へのZn の拡散をも抑制するためZn の投錨効果を促
進する機能はないので密着性改善に対する寄与度はSi
に較べると小さい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のめっき皮膜の密
着性及び加工性に優れた溶融Al −Zn 合金めっき鋼板
について詳細に説明する。なお、以下に記す化学組成の
%表示は重量%を意味する。
【0017】(1)母材の化学組成 Si :母材の鋼板がめっき浴に浸漬された時にめっき皮
膜と鋼板界面に形成される合金相の発達を抑制する作用
がある。このため、めっき皮膜の密着性および加工時の
耐割れ性を向上させる目的でSi を添加する。Si 含有
量が0.04%に満たない場合には合金層の発達を抑制する
効果が不十分である。Si 含有量が増すにつれて、めっ
き前に施す還元性雰囲気での加熱あるいは再結晶焼鈍時
に母材表面に生じるSi 系酸化物が増加し、不めっき部
が発生しやすくなるので、過剰にSi を含有する母材は
耐食性を重視する部位には使用できない。このため、S
i含有量の上限を0.3 %とする。Si 含有量の好適
な範囲は0.081 〜0.2 %である。
【0018】Mn :不可避的不純物として鋼中に混入す
るSに起因する熱間脆性を抑制するためにMn は0.06%
以上含有させる。また、Mn には、めっき皮膜の密着性
を向上させる作用もある。特にSi を増した場合に生じ
やすい不めっき部の発生を抑制する。このため、例えば
Si を0.15%以上含有させる場合には、Mn を0.2 %以
上含有させるのが好適である。ただし、Mn が過剰にな
ると母材の強度が上昇しプレス加工性を損なうので、そ
の含有量の上限は0.35%とする。
【0019】P:母材の結晶粒界に偏析し、母材のFe
がめっき皮膜に拡散するのを抑制し、合金層の形成を抑
制する作用がある。また、母材の結晶粒界へのZn の拡
散を抑制し合金層の成長を抑制する作用もある。ただ
し、Si に較べてその効果が弱いので、合金層の成長抑
制はまずはSi を添加して行なう。Si 添加量はめっき
性から制約されているので、その不足分をPで補う。こ
のため、Pは0.03%以上含有させる。Pを過剰に添加す
ると鋼板の強度が高くなりすぎ、成形性が損なわれるの
でその上限は0.15%とする。P含有量の好ましい範囲は
0.05〜0.1 %である。
【0020】sol.Al (酸可溶Al ):溶鋼の脱酸のた
めに用いられる。また、鋼中に混在してくる不可避的不
純物としてのNをAlN として固定し、鋼板の成形性を
向上させる目的でも添加される。これらの効果を得るた
めにsol.Al は0.005 %以上含有させる。他方、sol.A
l を過剰に含有させると不めっき部が生じるおそれがあ
る。これを避けるために含有量の上限を0.05%とする。
【0021】なお、C、Ti 、Nb 、B等の含有量につ
いては特別な規定はないが、下記の点を考慮するのが望
ましい。
【0022】C:鋼の強度を高める一方、絞り性や延性
を劣化させ、歪み時効を生じさせる。このため、深絞り
加工等の用途に用いる場合にはCは少ないほど好まし
い。これらの加工用途に用いる場合には、不可避的に混
入してくるCはTi あるいはNb を添加して析出物とし
て固定して無害化するのが望ましい。この場合には、T
i 等の添加量を抑制するために、C含有量を0.006 %以
下とするのがよい。
【0023】Ti 及びNb :これらの元素には母材の固
溶Cを析出物として固定し、鋼板の成形性を向上させた
り歪時効性を改善させる効果がある。このため、めっき
鋼板の成形性を改善する必要がある場合にはこれらの元
素を含有させるのが望ましい。これらの元素を含有させ
る場合には、Ti 及びNb の1種または2種の合計で0.
005 〜0.2 %含有させるのがよい。これによりめっき皮
膜の加工性が改善される効果もある。
【0024】B:極低C鋼を加工した場合に生じるおそ
れがある加工後の脆性破壊を抑制する効果があるので、
必要に応じて用いる。この効果を得るには0.0005〜0.00
5 %の範囲で含有させるのが好ましい。
【0025】上記の元素以外はFe および不可避的不純
物である。不可避的不純物の中でも特にS及びNはTi
やNb 等と結合しその必要添加量を増加させるので、S
は0.02%以下、Nは0.005%以下とするのが望ましい。
【0026】(2)めっき皮膜の化学組成 Al :めっき皮膜中のAl 含有量が増すにつれて耐熱性
や耐食性が向上する。他方、Zn 含有量が減少するので
犠牲防食性が低下しめっき皮膜の加工性も損なわれる。
また、溶融めっきを施す際にはめっき浴の温度をAl 含
有量に応じて高める必要があるので、Al 含有量が増す
につれてめっき作業の困難さも増加する。本発明では、
めっき皮膜の耐熱性と耐食性を確保するためにめっき皮
膜中にはAl を20%以上含有させる。めっき皮膜中のA
l 含有量が20%に満たない場合には、Zn の犠牲防食作
用の効果が発揮されて初期の防食性は優れるが、皮膜の
腐食減耗が早いために長期的な観点での耐食性が低下す
るので好ましくない。犠牲防食性とめっき皮膜の加工性
を維持するため、めっき皮膜中のAl 含有量の上限は80
%とする。皮膜中のAl 含有量のより好ましい範囲は40
〜70%である。
【0027】Si :めっき皮膜中のSi には、高温で施
す溶融めっきの際に生じるFe ―Al 合金化反応を抑制
して合金層の生成を抑制し、めっき皮膜の密着性を向上
させる作用がある。Si 含有量が皮膜中のAl 含有量の
0.5 %に満たない場合には合金層の発達を抑制する効果
が不十分である。Si を過剰に含有させても合金化抑制
効果が飽和するばかりでなく、めっき後の冷却過程で過
飽和になったSi はめっき皮膜中に金属Si 粒子として
析出し、皮膜の加工性を低下させる。このため、皮膜中
のSi 含有量の上限は、めっき皮膜中のAl 含有量の5
%とする。めっき皮膜中のSi 含有量のより好ましい範
囲は、皮膜中のAl 含有量の1〜3.5%である。
【0028】本発明に関わる加工性に優れたZn ―Al
合金めっき鋼板は、以下に述べる方法で製造できる。な
お、以下に示すのは例であって、本発明に関わるめっき
鋼板の製造方法がこれに限定されるものではない。
【0029】母材は、上記(1)に記載の条件を満たす
化学組成からなる鋼板であれば、熱間圧延板、冷間圧延
板のいずれを用いてもよい。冷間圧延板を母材に用いる
場合には、焼鈍していないものを用いるのが経済的で好
ましいが、焼鈍済みのものでも構わない。
【0030】母材の少なくとも片面に、上記(2)に記
載の条件を満たす化学組成のめっき皮膜を施す。めっき
の方法は公知の方法でよい。まず、母材の表面を溶融め
っきに適する状態に前処理を行なう。前処理法はアルカ
リ水溶液等で洗浄したり、ナイロンブラシ等で表面を研
削する等の公知の方法が適用できる。引き続き母材を還
元性雰囲気中で600 ℃以上、あるいは再結晶温度以上に
加熱して所要の時間保持した後、めっき浴温近傍まで冷
却する。母材を加熱する場合の還元性雰囲気も通常採用
されている雰囲気でよい。例えばH2 5〜30体積%、残
2 で露点―60〜―30℃の範囲が好適である。その
後所定のめっき皮膜組成が得られるように化学組成を調
整しためっき浴に浸漬し、めっき付着量を所定の量に調
整する。めっき浴の温度は、めっき皮膜組成の合金の融
点よりも30〜60℃高めるのが好ましい。60℃を超えて高
めると、めっき浴に浸漬したときの合金層の発達が著し
くなるので好ましくない。めっき合金の融点は、化学組
成に応じて変化するが、例えば55%Al ―1.6 %Si ―
残Zn であれば600 ℃前後である。めっき皮膜の付着量
は、本発明では特に規定するものではないが、適正な操
業効率を確保するために、片面当たり40〜150 g/m2
範囲が好適である。めっき付着量の調整は気体絞り法等
通常用いられている方法で構わない。
【0031】用途に応じてミニマムスパングル品を製造
する場合は、ミストスプレー法、Zn 粉末吹付け法等の
公知の手法が適用できる。
【0032】
【実施例】
(実施例1)表1に示す化学組成の厚さ0.7 mmの冷間圧
延鋼板を母材とし、縦型溶融めっき装置を用いて以下の
条件でめっきを行なった。
【0033】
【表1】
【0034】母材を75℃のNaOH 溶液で脱脂洗浄し、
2 :20体積%、残N2 、露点―40℃の雰囲気中で850
℃に加熱し、その温度で60秒間保持して再結晶焼鈍を行
なった。その後、浴温近傍まで母材を冷却し、溶融Zn
−Al ―Si 合金めっき浴に浸漬し、気体絞り方式によ
り片面当たりの付着量を100 g/m2に調整してめっきし
た。めっき浴の化学組成は、Al 濃度を10〜85重量%、
残Si およびZn とし、Si 含有量を種々変化させた。
めっき浴の温度は融点+40℃とし、めっき後は強制空冷
で平均冷却速度を15℃/秒で冷却した。一部の鋼板につ
いてはめっき直後に水と空気によるミストスプレーをめ
っき表面に施しミニマムスパングル品を製造した。
【0035】得られためっき鋼板の皮膜性能を以下の方
法で評価した。
【0036】(a)めっき皮膜の曲げ加工性 試験片に
曲げ加工(2t曲げ)を施し、曲げ部の皮膜の断面写真
を撮影してこれから皮膜での亀裂の発生状況を観察し、
下記の5段階の評価を行なった。
【0037】◎ 亀裂が全く認められない。
【0038】○ 小さな亀裂が一部に認められる。
【0039】△ 小さな亀裂が全面に認められる。
【0040】× 大小の亀裂が混在し、全面に認められ
る。
【0041】XX 大きな亀裂が全面に認められる。
【0042】(b)めっき皮膜の密着性 デュポン衝撃
試験により評価を行なった。直径12mmのダイスと直径12
mmのポンチを使用し、質量1.6 kgの重錘を400 mmの高さ
より落下させ、張出し成形された部分から粘着テープで
剥離するめっき皮膜の剥離程度を目視で判定し、下記の
基準で評価した。
【0043】◎ 皮膜の剥離が認められない。
【0044】○ 一部粉末状の剥離が認められる。
【0045】△ 一部皮膜の剥離が認められる。
【0046】× 皮膜の全面剥離が認められる。
【0047】(c)端面の耐食性 幅70mm、長さ150 mmの寸法の上下の切断端面をテープで
シールした試験片を用いて、1サイクルが、塩水噴霧
(35℃×6時間)→乾燥(60℃×12時間)→湿潤(50℃
×6時間)であるサイクル試験を50サイクル実施した。
試験後、試験片の両側の切断端面からの赤錆が発生した
面積を求め、評価面に対する赤錆発生面積率を測定し
た。犠牲防食能は上記の試験において赤錆発生面積率が
30%以下であれば良好と判断した。
【0048】めっき皮膜の化学組成および上記の性能評
価の結果を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】表2からわかるように、本発明で規定する
条件を満たす試番1〜20のめっき鋼板は、いずれも、め
っき皮膜の密着性や加工性が良好であり、端面耐食性で
代表される犠牲防食性能も良好である。
【0051】母材のSi およびP含有量が本発明の規定
する下限に満たない鋼Jを用いた試番21および母材のS
i 含有量が本発明の規定する条件から低めに外れている
鋼Kを用いた試番22は、皮膜の加工性と密着性が劣る。
また、母材のSi 含有量が本発明の規定する条件から高
めに外れている鋼Lを用いた試番23は一部に不めっき部
が発生したうえ、めっき皮膜の加工性と密着性も好まし
くない。母材のMn 含有量が本発明の規定する下限に満
たない鋼Mを用いた試番24では皮膜の密着性が不十分で
あった。
【0052】母材のP含有量が本発明の規定する条件の
下限に満たない鋼Nを用いた試番25は合金層の発達が抑
制できなかったためにめっき皮膜の曲げ加工性が不足し
た。母材のP含有量が本発明の規定する条件の上限を超
えている鋼Pを用いた試番26はめっき皮膜の性能は良好
であるがめっき鋼板の成形性が好ましくなかった。めっ
き皮膜中のAl 含有量が本発明の規定する下限に満たな
い試番27は長期間での端面耐食性が不足した。めっき皮
膜中のAl 含有量が本発明の規定する上限を超えている
試番28も端面耐食性が好ましくない。めっき皮膜中のA
l に対するSi含有量の比率が本発明の規定する下限に
満たなかった試番29は合金層が発達したために密着性が
損なわれた。めっき皮膜中のAl に対するSi 含有量の
比率が本発明の規定する上限を超えた試番30は、皮膜の
加工性が好ましくなかった。
【0053】以上述べたように、本発明の規定する条件
を満たす鋼板は皮膜の加工性と密着性に優れ、犠牲防食
効果の良好である。また、本発明の鋼板は、本発明の規
定する製造方法によれば容易に安定して良好な性能のZ
n ―Al ―Si 合金めっき鋼板を製造することができ
る。
【0054】
【発明の効果】本発明の溶融Zn ―Al 合金めっき鋼板
は、成形性に優れ、めっき皮膜の加工性と密着性が良好
で、耐食性にも優れる。また、本発明の製品は、良好な
性能のスパングル品でもミニマムスパングル品でもよい
ので、裸使用でも塗装下地鋼板としてでも好適である。
また、この鋼板は、特殊な設備を用いることなく安定し
て合理的に製造できるので経済性に優れる鋼板である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−11771(JP,A) 特開 昭63−286523(JP,A) 特開 平4−254549(JP,A) 特開 平9−291349(JP,A) 特開 平7−34135(JP,A) 特開 平7−48649(JP,A) 特開 平5−287487(JP,A) 特開 昭64−21061(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 301 C22C 38/06 C23C 2/06 C23C 2/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、Si :0.04〜0.3 %、Mn :0.
    06〜0.35%、P:0.03〜0.15%、sol.Al :0.005 〜0.
    05%を含有する鋼からなる母材の少なくとも片面に、A
    l :20〜80%、Si :Al 量の0.5 〜5%、残部はZn
    および不可避的不純物からなる化学組成のめっき皮膜を
    備えた加工性に優れたZn −Al 合金めっき鋼板。
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