JP2841889B2 - 合金化溶融Znめっき鋼板の製造方法 - Google Patents
合金化溶融Znめっき鋼板の製造方法Info
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Description
動車用鋼板等に用いられる合金化溶融Znめっき鋼板の製
造方法に係わるもので、特に密着性の極めて優れた合金
化溶融Znめっき鋼板の製造方法に関する。
融Znめっきを施した後、加熱してめっき層表面のZn相と
基材である鋼板との間に相互拡散を行わせ、めっき層全
体をFe−Zn合金としたものである。この合金化溶融Znめ
っき鋼板は塗装性、耐食性、溶接性、経済性等に優れて
おり、近年、家電、自動車および建材の産業分野におい
て広く用いられている。
を施した鋼板を、合金化用熱処理炉で 500〜600 ℃の雰
囲気温度で 3〜30秒間保持することにより行われる。ま
た、溶融Znめっきを施す前の鋼板は予熱され、H2+N2の
保護雰囲気中でかつ材料に応じた温度条件下で還元焼鈍
され、溶融Znめっきを施されるまで大気に触れることな
くめっき浴の浴温前後まで冷却される。
保護雰囲気の露点が−20℃より高いと、溶融Znめっきを
施しても不めっきが生じる場合がある。この不めっきの
発生原因は、焼鈍工程で鋼板の表面にSi、Mn等の酸化物
が生成し、そのまま溶融Znめっきが施されるからであ
る。鋼板の表面にSi、Mn等の酸化物が生成するのを抑制
するため、焼鈍前の予熱工程(一般的には、無酸化炉で
予熱する)で、鋼板の表面にFeの酸化物を若干量生成さ
せることが望ましいとされている。
Znの金属間化合物からなり、そのFe濃度は通常、 8〜12
重量%である。まためっきの付着量は通常、片面当たり
25〜70g/m2である。通常の手段によって付着量を25g/m2
以下にすることは困難であり、また付着量を70g/m2以上
にするとめっき層の耐パウダリング性が悪化する。
含有する。この理由は二つある。その一つは、合金化溶
融Znめっき鋼板と通常の溶融Znめっき鋼板の製造設備が
同一の場合が多いので、通常の溶融Znめっき鋼板を製造
するときにZn浴中に添加したAlが、合金化溶融Znめっき
鋼板を製造するときに不可避的に混入するからである。
通常の溶融Znめっき鋼板の製造において、Alを添加する
目的は、めっき層と基材鋼板との界面(以下、これを単
に「界面」という)に形成される合金相の加工性が悪い
から、この合金相の形成を抑制し、めっき層の加工性を
確保するためである。
板のめっき層の耐パウダリング性を確保し、かつ合金化
溶融Znめっき鋼板のドロス欠陥(これは、溶融Zn浴中の
Fe−Zn合金が鋼板の表面に砂粒状に付着し、シンクロー
ルにより押しつけられたものである。)の発生を防止す
るために、合金化溶融Znめっき鋼板を製造するときにも
0.08〜0.11重量%のAlをZn浴中に添加して溶融Znめっき
を施すからである。Alはめっき層中で富化する傾向があ
り、Al濃度が0.08〜0.11重量%のZn浴中で溶融Znめっき
を施せば、めっき層中のAl濃度は0.12〜0.2 重量%とな
る。
来、低炭素Alキルド鋼が用いられることが多かったが、
近年、合金化溶融Znめっき鋼板の用途が拡大するにつれ
て、その深絞り性が要求されており、IF鋼(Interstit
ial Free鋼)と呼ばれる極低炭素鋼の使用が増加してい
る。IF鋼はN、C等の不可避的な侵入型固溶元素をT
i、若しくはNb等の合金元素で固定した極低炭素の合金
鋼であり、非時効性でかつ加工性の高い材料である。I
F鋼を基材とする場合、C< 0.003%、Si< 0.04%、M
n:0.12〜0.30%、P:0.01〜0.02%、S:0.008〜0.02
%、N<0.04%、Al:0.02〜0.05%、Ti:0.02〜0.06
%、Nb< 0.015%の組成からなる材料が広く採用されて
いる。尚、Nbは添加されない場合もある。
材とめっき層からなる合金化溶融Znめっき鋼板において
は、そのめっき層が金属間化合物であるから、界面にお
けるめっき層の密着性が低いという欠点がある。即ち、
めっき層が変形能に欠ける金属間化合物であるから、め
っき層に剪断力が作用すると、界面で剥離が生じ易い。
特に、塗装後の合金化溶融Znめっき鋼板に衝撃的な変形
加工または剪断加工を与えると界面で剥離し易い。ま
た、接着剤により合金化溶融Znめっき鋼板を接合して剥
離試験を行うと接着剤とめっき層との界面ではなくめっ
き層と基材鋼板との界面(後者の界面を本願では、単に
「界面」と称している)で剥離することが多い。
にも、そのめっき層が金属間化合物であるから、界面に
おけるめっき層の密着性は低いが、合金めっきに先立っ
て例えば、NiやFeの下地めっき(ストライク)を行うこ
とによってこの問題を解決できることが知られている。
しかし、合金化溶融Znめっき鋼板においては、適切な解
決手段がないのが実状である。
相界面の結晶整合性、界面エネルギーで支配される界面
密着強度の他に、界面の幾何学的な形状、めっき層と基
材の機械的な性質および物理定数(例えば、弾性率)等
が考えられる。従って、界面での密着性に優れた合金化
溶融Znめっき鋼板を得るためには、めっき層の改質、界
面の幾何学的形状の適正化、基材の適正化等の観点から
対策を検討する必要がある。
程で基材のフェライト粒界にZnを拡散浸透させ、投錨効
果を誘起してめっき層の密着性を改善する方法が考えら
れる。この場合、基材がTi添加の極低炭素鋼等、鋼中に
固溶炭素が殆ど存在しない材料であることがより効果的
であるが、この方法を具体化するためには、合金化処理
を低い温度で長時間行うか、または焼鈍工程で鋼板の表
面のみに微細な結晶粒を残存させ粒界のネットワークを
増す必要がある。前者の方法においては、合金化溶融Zn
めっき鋼板の生産性が下がり、後者の方法においては、
その技術的な手段が未解明である。
溶融Znめっき鋼板においては、そのめっき層が金属間化
合物であるから、界面におけるめっき層の密着性が低い
という欠点がある。一方、合金化溶融Znめっき鋼板は塗
装性、耐食性、溶接性、経済性等に優れているから、家
電、自動車および建材の産業分野においてその需要が高
まっており、同時に衝撃的な変形加工若しくは剪断加工
が伴う用途、または接着剤による接合が伴う用途等、従
来よりも苛酷な条件下での用途が拡大しつつある。従っ
て、合金化溶融Znめっき鋼板のめっき層の密着性が益々
要求されている。即ち、界面での密着性を改善するとい
う問題が急務とされている。
た合金化溶融Znめっき鋼板を製造する方法を提供するこ
とにある。
融Znめっき鋼板の製造方法を要旨とする。
し、脱脂後そのままの状態で、鋼板の表面にFeの酸化物
を生成させることなく予熱し、次いで露点が−25℃以下
でかつ酸素濃度が10ppm 以下の雰囲気中で焼鈍し、その
後溶融Znめっきを施す。
い。その場合、鋼板の表面にFeの酸化物を生成させるこ
となく予熱し、次いで露点が−45℃以下でかつ酸素濃度
が10ppm 以下の雰囲気中で焼鈍し、その後溶融Znめっき
を施す。
に触れさせることなく、かつAlを含む溶融Zn浴中で溶融
Znめっき処理を施し、その後合金化処理を施すことを前
提とする。
前に、焼鈍およびその前処理を特殊化する理由は以下の
とおりである。
を制御して焼鈍することによって、鋼板の表面の粒成長
さらには鋼板の表面の集合組織の発達を抑制したり、若
しくは促進することが可能である。また、鋼板の表面の
粒成長を抑制しておけば、その後の合金化反応において
Znが鋼板の表面の粒界に侵入し易くなり、その結果とし
て界面での密着性が改善される。
合組織の発達度を調査した結果を図示したものである。
まず、Ti、Nb添加のIF鋼の未焼鈍材に対し、三種類の
前処理(脱脂なし・・図1中の記号「△」印、脱脂+水
洗・・図1中の記号「○」印、脱脂のみ・・図1中の記
号「●」印)を行った。次いで鋼板の表面にFeの酸化物
を生成させることなく予熱し、雰囲気中の露点を変化さ
せてN2+26%H2の雰囲気中(雰囲気温度は 850℃、酸素
濃度は 4ppm )で60秒間焼鈍した後、40℃/秒の冷却速
度で冷却した。この鋼板をMo管球を用いてX線回折を行
い、α(222) 、α(200) の積分強度を測定した。その積
分強度を標準試料の回折強度で補正した後α(222) /α
(200) を用いて{111 }系の集合組織の発達度を調査し
た。
囲気中の露点が高い場合、{111 }系の集合組織が発達
し、鋼板の表面の粒成長を促進する。つぎに、鋼板の表
面に油脂分を存在させたまま予熱し、焼鈍した場合、鋼
板の表面の粒成長が促進され、またこの鋼板を脱脂し、
脱脂後水洗して予熱し、焼鈍した場合、鋼板の表面の粒
成長が幾分抑制され、さらにまた、脱脂後水洗をせずに
予熱し、焼鈍した場合、鋼板の表面の粒成長が著しく抑
制される。
る必要がある。その理由は、鋼板の表面に油脂分が存在
したまま予熱し、焼鈍すると、上に説明したように鋼板
の表面の粒成長が促進されるからである。鋼板の表面の
粒成長が促進されると、その後の合金化反応においてZn
が鋼板の表面の粒界に侵入し難くなり、従って、界面で
の密着性が阻害される。脱脂された鋼板の表面の残留油
分は20mg/m2 以下であるのが望ましい。また、脱脂方法
としては、アルカリ水溶液浴中への浸漬、アルカリ水溶
液の噴霧、アルカリ水溶液の噴射、これらとブラッシン
グとの併用またはアルカリ水溶液浴中での電解脱脂が望
ましい。アルカリはNaOH、KOH あるいはその炭酸塩等が
望ましい。また脱脂された鋼板上には、Naまたは Kのア
ルカリ金属が少なくとも1mg/m2以上残存するのが望まし
い。
予熱し、焼鈍してよい。その理由は、脱脂された後、そ
のままの状態で予熱し、焼鈍すると、前記のとおり鋼板
の表面の粒成長が著しく抑制されるからである。鋼板の
表面の粒成長を著しく抑制すると、Znの侵入経路となる
粒界のネットワークの線分長さの総計が増えるから、そ
の後の合金化反応においてZnが鋼板の表面の粒界に極め
て容易に侵入し、その結果として界面での密着性を著し
く改善することができる。
酸化物を生成させることなく予熱される必要がある。そ
の理由は、鋼板の表面にFeの酸化物を生成させると、鋼
板の表面の再結晶状態の如何を問わず、フェライト粒界
でのFe−Zn反応を抑制するので、合金化反応においてZn
が鋼板の表面のフェライト粒界に拡散浸透し難くなるか
らである。Feの酸化物は皆無であることが勿論望ましい
が、0.05g/m2以下であればよい。予熱の方法としては、
非酸化性雰囲気中で直火型バーナーによる還元炎または
ラジアントチューブを用いて加熱することが望ましい。
かつ酸素濃度が10ppm 以下の雰囲気中で焼鈍される必要
がある。その理由の一つは、露点が−25℃より高くまた
は酸素濃度が10ppm より高い雰囲気中で焼鈍すると、鋼
板の表面の粒成長が促進されるからである。鋼板の表面
の粒成長が促進されると、前記の理由により界面での密
着性が阻害される。もう一つの理由は、露点が−25℃よ
り高い雰囲気中で焼鈍すると、Znとの濡れ性を低下させ
るMn酸化物が鋼板表面に生じるので、その後の溶融Znめ
っき処理において不めっきが発生することがあるからで
ある。
で鋼板を脱脂し、脱脂後そのまま予熱し、次いで焼鈍す
るものである。その後通常の方法で、外気に触れさせる
ことなくZn浴の浴温程度まで冷却し、同じく外気に触れ
させることなく溶融Znめっき処理を施し、さらに合金化
処理を施す。めっき浴のAl濃度は0.10〜0.17重量%が望
ましい。
上記の方法により脱脂し、脱脂後水洗して予熱し、次い
で焼鈍するものである。その後通常の方法で、外気に触
れさせることなくZn浴の浴温程度まで冷却し、同じく外
気に触れさせることなく溶融Znめっき処理を施し、さら
に合金化処理を施す。めっき浴のAl濃度は同様に0.10〜
0.17重量%が望ましい。
わかるように脱脂後そのまま予熱し、焼鈍したものに比
較して鋼板の表面の粒成長が促進されるものの、鋼板の
表面に油脂分を存在させたまま予熱し、焼鈍した場合よ
り鋼板の表面の粒成長を幾分抑制できるからである。ま
た、合金化処理された鋼板の表面の均一性を特に重要と
する場合には、脱脂後水洗するのが望ましい。
以下でかつ酸素濃度が10ppm 以下の雰囲気中で焼鈍する
必要がある。その理由は、鋼板を脱脂し、脱脂後水洗
し、予熱し、次いで露点が−45℃以下でかつ酸素濃度が
10ppm 以下の雰囲気中で焼鈍すると、前記の本願発明の
製造方法の一つ、即ち、鋼板を脱脂し、脱脂後そのまま
予熱し、次いで露点が−25℃以下でかつ酸素濃度が10pp
m 以下の雰囲気中で焼鈍した場合と同等の効果を得るこ
とができるからである。
脂し、脱脂後水洗し、予熱し、次いで焼鈍し、その後通
常の方法で、溶融Znめっき処理を施し、さらに合金化処
理を施すものは、基材がTi添加の極低炭素鋼の場合に、
合金化反応後の表面の均一性を確保する上でも効果があ
る。Ti添加の極低炭素鋼の合金化溶融Znめっき鋼板は、
合金化反応においてV字型の色むらを巨視的に生じるこ
とがある。しかし、本願発明の製造方法によれば、この
巨視的な色むらを抑制し、美麗な外観を呈する合金化溶
融Znめっき鋼板をも製造することができる。
0.006%、S:0.007%、N:0.0025%、Sol.Al:0.021
%、Ti:0.048%、Nb:0.006%、残部がFeの組成からなる
極低炭素鋼を素材とする冷延鋼板(板厚 0.8mm) の未焼
鈍材を、合金化溶融Znめっき鋼板の基材とするために 2
50× 100mmの寸法に裁断して供試材とした。
3に掲げた各種の前処理(脱脂、水洗、予熱、焼鈍)を
行った後、竪型溶融Znめっき装置を用いて溶融Znめっき
を施し、さらに合金化用加熱炉で合金化処理を施した。
合には、N2の非酸化性雰囲気下で雰囲気温度が 400〜55
0 ℃になるまで15℃/秒の加熱速度で予熱した。また鋼
板の表面にFeの酸化物を生成させる場合には、N2+O2の
雰囲気下でO2を調整した上で、雰囲気温度が 400〜500
℃になるまで15℃/秒の加熱速度で予熱して、Feの酸化
物を0.20〜1.25g/m2生成させた。予熱後の鋼板の表面に
おけるFeの酸化物量を表1−1〜表1−3に併記する。
−3に掲げた値であるN2+26%H2の雰囲気中(雰囲気温
度は 850℃)で60秒間焼鈍した。
冷却し、さらに外気に触れさすことなく全Al濃度が0.13
%、全Fe濃度が0.018%のZn浴中に1秒間浸漬して溶融Z
nめっきを施した。Zn浴に浸漬後ガスワイパーによりZn
付着量を50g/m2(片面当り)に調整した。その後 500℃
の塩浴中に18秒間浸漬して合金化処理を施した。
0 に準拠した引張り剪断試験片を製作し、この試験片に
(株)コニシ製の接着剤CYBONDを約3mmの厚みで塗布
し、次いでJISK6850 に準拠した引張り剪断試験を行
った。その後、界面での剥離面積を試験片の全面積で除
し、めっき剥離面積比率(%)を算出して合金化溶融Zn
めっき鋼板の密着度を評価した。めっき剥離面積比率が
大きいと界面での密着性が低いことを、めっき剥離面積
比率が小さいと界面での密着性が高いことを意味する。
10%NaOHのアルカリ水溶液(液温75℃)に60秒間浸漬し
て脱脂し、脱脂後水洗をせずに予熱し、次いで焼鈍した
場合である。めっき剥離面積比率が20%以下であり、後
述の比較例に比べると界面での密着性はかなり高い。
10%NaOHのアルカリ水溶液(液温75℃)に60秒間浸漬
し、かつブラッシングを併用して脱脂し、脱脂後水洗し
たものを再度 1%Na2CO3のアルカリ水溶液(液温25℃)
に 5秒間浸漬して脱脂し、脱脂後水洗せずに予熱し、次
いで焼鈍した場合である。めっき剥離面積比率が15%以
下であり、後述の比較例に比べると界面での密着性は極
めて高い。また、後述の脱脂後水洗した本発明例(試験
No.6〜9)と同等のめっき剥離面積比率であった。
材を10%NaOHのアルカリ水溶液(液温75℃)に60秒間浸
漬し、かつブラッシングを併用して脱脂し、脱脂後水洗
し、予熱し、次いで焼鈍した場合である。めっき剥離面
積比率が15%以下であり、後述の比較例に比べると界面
での密着性は極めて高い。
る。供試材を10%NaOHのアルカリ水溶液(液温75℃)に
10秒間浸漬し、かつ陽極電解の電解脱脂を併用して脱脂
し、脱脂後水洗し、予熱し、次いで焼鈍した場合であ
る。めっき剥離面積比率が10%以下であり、後述の比較
例に比べると無論、本発明例の中でも界面での密着性は
格段に高い。
脱脂も水洗もせずに圧延油が付着したまま予熱し、次い
で焼鈍した場合である。めっき剥離面積比率が60〜70%
であり、圧延油が付着した鋼板を、その後本願発明の製
造方法に示された条件で予熱し、次いで焼鈍しても界面
での密着性が最も低いことがわかった。
の試験No.1〜3 と同様に供試材を10%NaOHのアルカリ水
溶液(液温75℃)に60秒間浸漬して脱脂し、脱脂後水洗
をせずに予熱し、次いで焼鈍した場合である。試験No.
19〜20は露点が−25℃よりも高い雰囲気中で焼鈍したか
ら、めっき剥離面積比率が55〜65%であった。試験No.
21〜22は酸素濃度が10ppm よりも高い雰囲気中で焼鈍し
たから、めっき剥離面積比率が45%であった。試験No.
19〜20は予熱により鋼板の表面に酸化物を0.23g/m2生成
したから、めっき剥離面積比率が50%であった。
の試験No.4〜5 と同様に供試材を10%NaOHのアルカリ水
溶液(液温75℃)に60秒間浸漬し、かつブラッシングを
併用して脱脂し、脱脂後水洗したものを再度 1%Na2CO3
のアルカリ水溶液(液温25℃)に 5秒間浸漬して脱脂
し、脱脂後水洗をせずに予熱し、次いで焼鈍した場合で
ある。試験No. 24は露点が−25℃よりも高い雰囲気中で
焼鈍したから、めっき剥離面積比率が70%であった。試
験No. 25は酸素濃度が10ppm よりも高い雰囲気中で焼鈍
したから、めっき剥離面積比率が45%であった。試験N
o. 26は予熱により鋼板の表面に酸化物を0.20g/m2生成
させたから、めっき剥離面積比率が55%であった。
の試験No.6〜9 と同様に供試材を10%NaOHのアルカリ水
溶液(液温75℃)に60秒間浸漬し、かつブラッシングを
併用して脱脂し、脱脂後水洗し、予熱し、次いで焼鈍し
た場合である。試験No. 27〜29は露点が−45℃よりも高
い雰囲気中で焼鈍したから、めっき剥離面積比率が65〜
70%であった。試験No. 30〜32は予熱により鋼板の表面
に酸化物を0.34〜0.62g/m2生成させたから、めっき剥離
面積比率が60〜75%であった。試験No. 33は酸素濃度が
10ppm よりも高い雰囲気中で焼鈍したから、めっき剥離
面積比率が50%であった。
の試験No. 10〜11と同様に供試材を10%NaOHのアルカリ
水溶液(液温75℃)に10秒間浸漬し、かつ陽極電解の電
解脱脂を併用して脱脂し、脱脂後水洗し、予熱し、次い
で焼鈍した場合である。露点が−45℃よりも高い雰囲気
中で焼鈍したから、めっき剥離面積比率が45〜55%であ
った。
なように、脱脂後水洗しない場合には、鋼板の表面にFe
の酸化物を生成させることなく予熱し、次いで露点が−
25℃以下でかつ酸素濃度が10ppm 以下の雰囲気中で焼鈍
すれば、界面での密着性に優れた合金化溶融Znめっき鋼
板が得られることがわかる。
面にFeの酸化物を生成させることなく予熱し、次いで露
点が−45℃以下でかつ酸素濃度が10ppm 以下の雰囲気中
で焼鈍すれば、界面での密着性に優れた合金化溶融Znめ
っき鋼板が得られることがわかる。
性に優れた合金化溶融Znめっき鋼板を製造することがで
きる。
1 }系の集合組織の発達程度との相関を示した図であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 溶融Znめっきを施す前に、鋼板を脱脂
し、脱脂後そのままの状態で、鋼板の表面にFeの酸化物
を生成させることなく予熱し、次いで露点が−25℃以下
でかつ酸素濃度が10ppm 以下の雰囲気中で焼鈍し、その
後溶融Znめっきを施すことを特徴とする合金化溶融Znめ
っき鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 溶融Znめっきを施す前に、鋼板を脱脂
し、脱脂後水洗し、鋼板の表面にFeの酸化物を生成させ
ることなく予熱し、次いで露点が−45℃以下でかつ酸素
濃度が10ppm 以下の雰囲気中で焼鈍し、その後溶融Znめ
っきを施すことを特徴とする合金化溶融Znめっき鋼板の
製造方法。
Priority Applications (1)
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