JP2000313808A - 可溶化組成物 - Google Patents
可溶化組成物Info
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Abstract
可溶化組成物を提供する。 【解決手段】 式(A)の高分子ポリエーテル変性シリ
コーンと、水とを含有する可溶化組成物。また、さらに
シリコーン油等を水不溶性成分として含有する可溶化組
成物。 【化1】 (mは10〜500、nは0〜50、pは0〜50、a
は0〜50、bは0〜100、cは0〜100の数であ
るが、n,pの少なくとも一方は0ではなく、また、
b,cの少なくとも一方は0でない。)
Description
に水系可溶化組成物の安全性、安定性、可溶可能、使用
感の改善に関する。
性成分を水に透明に可溶化する技術は、化粧品や医薬品
の分野等で広く利用されている。最も古くから広く行わ
れている可溶化方法は、低分子界面活性剤によるもので
あるが、最近では、刺激性等の点からこのような低分子
界面活性剤の使用量を低減することが強く望まれてい
る。
子化合物を用いて可溶化組成物を得る方法が検討されて
いるが、可溶化組成物の安定性や、可溶化能、使用感等
の点で十分なものは未だ得られていない。また、現在油
分として化粧料に広く用いられているシリコーン系油分
は、その性質が他の油分と非常に異なるため、これを水
中やエタノール水溶液中に良好に可溶化することは非常
に困難であった。
来技術の課題に鑑み為されたものであり、その目的は、
低分子界面活性剤を用いずとも、安定性、可溶化能、使
用感に優れる可溶化組成物を提供することである。
に、本発明者等が鋭意検討を行った結果、ある種の高分
子ポリエーテル変性シリコーンによるミセル水溶液が、
べたつかず、なめらかな使用感触を有し、低分子界面活
性剤を用いずとも香料やシリコーン油等の油性成分を透
明に可溶化でき、安定性にも非常に優れていることを見
出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明に
かかる可溶化組成物は、一般式(A)で示される高分子
ポリエーテル変性シリコーンと、水を含むことを特徴と
する。
pは0〜50、aは0〜50、bは0〜100、cは0
〜100の数であるが、n,pの少なくとも一方は0で
はなく、また、b,cの少なくとも一方は0でない。)
シリコーンの平均分子量が10,000以上であること
が好適である。また、本発明の組成物において、下記式
1で計算される数値xが、x≧0.7であることが好適
である。
義と同じ。)
タノールを含有し、前記式1で計算される数値xが、0
<x<0.7であり、しかも組成物中のエタノール濃度
yとのx−y平面上で、(x,y)がy>−70x+4
9の領域にあることが好適である。また、本発明の組成
物において、さらに水不溶性成分を含有することが好適
であり、さらには水不溶性成分がシリコーン油であるこ
とが好適である。また、本発明にかかる化粧料は、前記
何れかに記載の可溶化組成物からなる。
ポリエーテル変性シリコーンは、前記一般式(A)で示
され、その1種又は2種以上を用いることができる。一
般式(A)中、mは10〜500、nは0〜50、pは
0〜50、aは0〜50、bは0〜100、cは0〜1
00の数(ただし、n,pの少なくとも一方は0ではな
く、且つb,cの少なくとも一方は0でない)を表す。
なお、一般式(A)において、各構成単位の配列は制限
されるものではなく、用いる高分子ポリエーテル変性シ
リコーンの各構成単位の平均モル数がそれぞれm、n、
pとなればよい。また、高分子ポリエーテル変性シリコ
ーンの平均分子量は10,000〜100,000、さ
らには30,000〜80,000であることが好まし
い。分子量が小さすぎる場合には、安定性が低くなり、
大きすぎると使用感が低下する傾向がある。
ンは、ミセルを形成して水に容易に溶解することがで
き、透明〜半透明のミセル水溶液となる。そして、この
ミセル溶液にシリコーン油等の水不溶性成分を添加すれ
ば、水不溶性成分は可溶化され、透明〜半透明の水溶液
を得ることができる。なお、高分子ポリエーテル変性シ
リコーンは、疎水部と親水部を有している。親水部が疎
水部に比して少ないと、高分子ポリエーテル変性シリコ
ーンそのものが水に溶解しにくく、経時的に濁りを生じ
ることがある。
シリコーンの親水度xは前記式1で定義される。xが
0.7以上の場合には、経時安定性は良好で、濁りや油
分の分離を生じることはほとんどない。一方、xが0.
7より小さい場合には、高分子ポリエーテル変性シリコ
ーンのミセル溶液の安定性は低下し、経時的に濁りや油
分の分離を生じることがある。本発明者等の検討によれ
ば、高分子ポリエーテル変性シリコーンの安定性向上に
は、エタノールの配合が非常に有効であり、有効なエタ
ノール濃度は、高分子ポリエーテル変性シリコーンの親
水度xと関係があることが判明した。
て、組成物中のエタノール濃度と、高分子ポリエーテル
変性シリコーンの親水度xの関係を調べたものである。
方法は、高分子ポリエーテル変性シリコーンをエタノー
ルに溶解し、その後水で希釈して所定の組成のミセル水
溶液を調製した。なお、高分子ポリエーテル変性シリコ
ーンの終濃度は全て1wt%であった。ポイック積分球式
濁度計にて調製直後の濁度を測定し、その値をuとし
た。次に、100mlスクリュー管にミセル溶液50m
lを入れ、振動試験器(シェーキング試験機)にて20
分間振とうし、振とう後の濁度をvとした。測定結果を
基に、v−u<5となる領域、すなわち安定領域を求め
た。
い場合、エタノール濃度yに関係なく経時的に安定な可
溶化組成物が得られ、濁りはほとんど生じない。一方、
xが0.7以下の場合であっても、y>−70x+49
の領域では良好な濁度安定性が得られる。なお、この傾
向は、油性成分を配合した場合においても同様であっ
た。従って、エタノール濃度を考慮しない場合には、安
定性の点でx≧0.7であることが好ましく、0<x<
0.7の場合には、エタノールの配合が有効である。そ
して、このときの組成物中のエタノール濃度yは、y>
―70x+49となるように設定するのが好ましい。
リエーテル変性シリコーンの配合量は、0.01〜10
重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。高分子
ポリエーテル変性シリコーンの配合量が少なすぎると水
不溶性成分に対する可溶可能が小さく、多すぎる場合に
はべたつき等を生じることがある。本発明において水不
溶性成分としては、例えば、化粧品や医薬品で用いられ
る香料、油分、薬剤等を用いることができる。油分とし
ては、例えば次のようなものが例示される。
カデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリー
ブ油、アボガド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー
油、ホホバ油、ヒマワリ油、アーモンド油、ナタネ油、
ゴマ油、大豆油、落花生油、トリグリセリン、トリオク
タン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン
等。(2)エステル油:オクタン酸セチル、ラウリン酸
ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸オ
クチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イ
ソプロピル、イソパルミチン酸オクチル、オレイン酸イ
ソデシル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、テ
トラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、コハ
ク酸 2−エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル等。
ワラン、スクワレン、パラフィン、イソパラフィン、セ
レシン等。 (4)シリコーン油:ジメチルポリシロキサン、メチル
フェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシ
ロキサン等の鎖状シリコーン、オクタメチルシクロテト
ラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ド
デカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコー
ン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコー
ン、アルキル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等
の各種変性シリコーン、高重合度シリコン樹脂等。 (5)高級脂肪酸:ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸
等。
ル、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコー
ル、2-オクチルドデカノール等。 薬剤としては、例えば、紫外線吸収剤、各種抽出物、美
白剤、ビタミン類、ホルモン等の薬剤のうち、油溶性の
ものが挙げられる。これらのうち、水不溶性成分として
好ましくは油分、または香料であり、油分としては、シ
リコーン油、特に低重合度(常温で、粘度1000cs以下)
の鎖状、もしくは環状のポリシロキサンが好ましい。な
お、本発明においては、水不溶性成分は1種または2種
以上を配合することができ、その総量は本発明の効果が
損なわれない限り限定されないが、通常組成物中0.0
1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
品、医薬部外品、医薬品等に配合可能な成分を本発明の
効果が損なわれない範囲で任意に配合することができ
る。このような任意成分を以下に例示する。 (1)保湿剤:ポリエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコ
ール、グリセリン、ジグリセリン、キシリトール、マル
チトール、マルトース、D−マンニット等。
ギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マル
メロ)、デンプン、アルゲコロイド(褐藻エキス)等の
植物系高分子;デキストラン、プルラン等の微生物系高
分子;コラーゲン、カゼイン、ゼラチン等の動物系高分
子;カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロ
ピルデンプン等のデンプン系高分子;アルギン酸ナトリ
ウム等のアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマ
ー(CARBOPOLなど)等のビニル系高分子;ポリオキシエ
チレン系高分子;ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レン共重合体系高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポ
リアクリルアミド等のアクリル系高分子;ベントナイ
ト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト等の
無機系水溶性高分子等。
等の安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸メチル等
のアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸オクチ
ル、サリチル酸フェニル等のサリチル酸系紫外線吸収
剤;パラメトキシ桂皮酸イソプロピル、パラメトキシ桂
皮酸オクチル、ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチル
ヘキサン酸グリセリル等の桂皮酸系紫外線吸収剤;2,4-
ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキ
シベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフ
ェノン-5-スルホン酸等のベンゾフェノン系紫外線吸収
剤;ウロカニン酸;2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール;4-tert-ブチル-4'-メトキシベ
ンゾイルメタン等。
ウム塩、メタリン酸ナトリウム、リン酸等。 (5)酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α-トコ
フェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒド
ロキシアニソール等。 (6)薬剤:ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸
レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン
酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸 DL-α-ト
コフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、ア
スコルビン酸 2-グルコシド、ビタミンD2(エルゴカ
シフェロール)、dl-α-トコフェロール 2-L-アスコル
ビン酸リン酸ジエステルカリウム塩、dl-α-トコフェロ
ール、酢酸dl-α-トコフェロール、パントテン酸、ビオ
チン等のビタミン類;エストラジオール、エチニルエス
トラジオール等のホルモン;アラントイン、アズレン等
の抗炎症剤;アルブチン等の美白剤;酸化亜鉛、タンニ
ン等の収斂剤;L-メントール、カンフルとの清涼剤;イ
オウ;塩化リゾチーム;塩酸ピリドキシン;γ-オリザ
ノール等。
バクエキス、メリロートエキス、オドリコソウエキス、
カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキ
ス、ヘチマエキス、キナエキス、ユキノシタエキス、ク
ララエキス、コウホネエキス、ウイキョウエキス、サク
ラソウエキス、バラエキス、ジオウエキス、レモンエキ
ス、シコンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、
ユーカリエキス、スギナエキス、セージエキス、タイム
エキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキ
ス、チョウジエキス、キイチゴエキス、メリッサエキ
ス、ニンジンエキス、カロットエキス、マロニエエキ
ス、モモエキス、桃葉エキス、クワエキス、ヤグルマギ
クエキス、ハマメリス抽出液、プラセンタエキス、胸腺
抽出物、シルク抽出液等。 (8)その他:粉体、色素、pH調製剤、防腐剤等。
他、可能なものは酸または塩基の塩の形で、また、カル
ボキシル基を有するものはそのエステル誘導体も使用す
ることができる。また、本発明の可溶化組成物は、低分
子界面活性剤を用いずとも製造することができるが、必
要に応じて界面活性剤を配合することも可能である。こ
のような界面活性剤としては、通常化粧料等に配合され
るアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン
界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
解することにより調製できるが、調製に要する時間を短
縮するためには、高分子ポリエーテル変性シリコーン、
水不溶性成分をエタノールに溶解し、これに水を添加し
て調製することが好適である。また、エタノールを配合
しない場合には、高分子ポリエーテル変性シリコーンを
水に溶解後、水不溶性成分を添加溶解することが好まし
い。
性、可溶可能、使用感に優れるので、化粧料や医薬品と
して特に有用であり、例えば、化粧水、アフターシェー
ブローション、美容液、ボディーローション、ヘアトニ
ック、ヘアリキッド、育毛料、フレグランス等の液状製
剤がとすることができる。また、本発明の可溶化組成物
は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その他の
剤型に適用することも可能である。例えば、公知の増粘
剤等を用いてジェル状製剤とすることができる。また、
不織布等に含浸させてシート状製剤としたり、公知の方
法によりスプレーやエアゾール、ロールオンタイプの製
剤とすることもできる。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。配合量
は特に指定のない限り、重量%で示す。なお、以下で用
いた試験方法は次の通り。 外観 調製直後の外観を、肉眼で観察した。
ついて、官能試験を行った。評価基準は次の通り。 評価基準 ◎:13〜15名が良いと評価した。 ○:10〜12名が良いと評価した。 △:5〜9名が良いと評価した。 ×:0〜4名が良いと評価した。
後の状態を観察した。評価基準は次の通り。 評価基準 ○:油分離が全く認められない。 ×:油分離が認められる。
を得ることができたが、使用感の点ではシリコーン系化
合物が優れていた。そこで、シリコーン油に対する可溶
化能、安定性についてさらに検討を行った。
高分子ポリエーテル変性シリコーンを用いた場合には、
透明で、安定性、使用感ともに良好な水溶液が得られ
た。一方、他の変性シリコーンや、アルキル変性カルボ
キシビニルポリマー等の高分子化合物、POE(15)アル
キルエーテル等の低分子界面活性剤を用いた場合には、
可溶化はできるものの経時的に油分離してしまい、安定
性が悪い。また、アルキル変性カルボキシビニルポリマ
ーや低分子界面活性剤の場合には使用感も劣るものであ
った。
ールの有無に関わらず、透明で安定性の良好な可溶化組
成物が得られる。一方、x<0.7の場合には経時的に
油分の分離が認められたが、エタノールの配合により改
善された。
リコーンの分子量が小さすぎると安定性が低く、大きす
ぎる場合には使用感が低下する傾向がある。従って、高
分子ポリエーテル変性シリコーンの分子量は10,00
0〜100,000、さらには30,000〜80,0
00であることが好ましい。
〜半透明の水溶液であり、安定性、使用感共に優れるも
のであった。
分、特にシリコーン油を良好に可溶化することができ、
安全性、安定性、使用感にも優れるという効果を奏す
る。
ポリエーテル変性シリコーンの親水度xと、組成物中の
エタノール濃度yによる濁度安定領域を示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 一般式(A)で示される高分子ポリエー
テル変性シリコーンと、水とを含むことを特徴とする可
溶化組成物。 【化1】 (一般式(A)中、mは10〜500、nは0〜50、
pは0〜50、aは0〜50、bは0〜100、cは0
〜100の数であるが、n,pの少なくとも一方は0で
はなく、また、b,cの少なくとも一方は0でない。) - 【請求項2】 請求項1記載の組成物において、高分子
ポリエーテル変性シリコーンの平均分子量が10,00
0以上であることを特徴とする可溶化組成物。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の組成物において、
下記の式1で計算される数値xが、x≧0.7であるこ
とを特徴とする可溶化組成物。 【数1】 x=(c×p+b×n)/(c×p+b×n+m+n) … 式1 (式1中、m,n,p,c,bは前記一般式(A)の定
義と同じ。) - 【請求項4】 請求項1又は2記載の組成物において、
さらにエタノールを含有し、前記式1で計算される数値
xが、0<x<0.7であり、しかも組成物中のエタノ
ール濃度yとのx−y平面上で、(x,y)がy>−7
0x+49の領域にあることを特徴とする可溶化組成
物。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の組成物に
おいて、さらに水不溶性成分を含有することを特徴とす
る可溶化組成物。 - 【請求項6】 請求項5記載の組成物において、水不溶
性成分がシリコーン油であることを特徴とする可溶化組
成物。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載の可溶化組
成物からなる化粧料。
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