JP3865300B2 - 経皮吸収促進剤及びこれを含有する皮膚外用剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、経皮吸収促進剤若しくは経皮吸収コントロール剤、及びこれを配合した皮膚外用剤に関する。
さらに詳しくは、製剤中の水相もしくは水相領域近傍に存在し、特に皮膚への浸透性が低い水溶性有効成分を、特異的に皮膚内のターゲット部位へ効率的に貯留させ有効濃度を高めることによって、皮膚浸透促進することを特徴とする経皮吸収促進剤若しくは経皮吸収コントロール剤、及びこれを配合した皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
薬効成分の投与方法としては、経口投与や注射による投与等がひろく行われてきた。
しかしながら、経口投与の場合には吸収が不十分であったり、胃腸障害等の副作用をひきおこしたりする欠点があった。
また、注射による投与では吸収は速いが、医師等の専門家が必要である。
【0003】
近年、このような副作用や欠点を改善するために、経皮投与による外用製剤が開発されている。経皮投与は、下記の1〜4の理由から注目されている。
1:制御された速度で長時間投与が可能である。
2:投与が確実である。
3:肝臓での代謝をうけにくい。
4:必要に応じて投与を中止できる。
【0004】
特に、皮膚を薬効成分の作用部位とする化粧料などの皮膚外用剤の場合、薬効成分をダイレクトに皮膚に浸透可能かつ、従来のように皮膚の薬効成分通過量を高めるのではなく、有効薬剤のターゲット部位である皮膚各部位での薬剤濃度を高めるような、経皮外用剤を用いることが好ましい。
【0005】
しかしながら、そのような外用製剤においても、未だ十分な皮膚浸透効果が得られない場合が多く、満足できる状態とは言いがたい。
すなわち、皮膚の最外層は角質層と呼ばれ、本来体外からの異物の侵入を防御するバリアー層としての生理的機能を有するものであるため、ただ単に従来外用製剤に常用されてきた基剤中に薬効成分を配合しただけでは、十分に皮膚内での薬剤濃度の向上は認められない。
【0006】
これを改良するために、界面活性剤や油分等の低分子の経皮吸収促進剤を配合したり、あるいは、剤型としてパック、シートを用いることにより皮膚に対するオクルージョン効果を高めたりする方法が主なものとして挙げられる。
例えば、特開平9−118636号公報には、グリセリル変性シリコーンの経皮吸収促進性を利用した皮膚外用剤が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、低分子量の界面活性剤または油分からなる経皮吸収促進剤の使用は、角層間脂質を乱す、製剤上での制約がある、一過的性に皮膚透過量は増加するが皮内ターゲット部位での濃度の持続性がないため有効濃度を保つことができない、等の理由で、十分なものとは言いがたい。
また、角層間脂質に対して影響が小さい高分子経皮吸収促進剤、特に水に不溶の油性の高分子経皮吸収促進剤は、水相中の薬剤とは相互作用しにくいため、水溶性薬剤の経皮への浸透促進には不適である。
さらに、パック、シートは使用時の行動が制限される。
【0008】
したがって、皮膚浸透促進剤自体は皮膚への刺激がなく、目的とする薬剤のみを皮膚内のターゲットとする場所へ、選択的に効率よく、かつ持続的に浸透促進させることの可能な基剤の開発が望まれてきた。
【0009】
本発明者等は、上述の観点に鑑み、簡便かつ的確に被験物の皮膚浸透量を測定する方法について鋭意研究した結果、本出願人が出願した特願平2000-330836号において、皮内各部位へ浸透した被験物量を皮膚浸透された被験物量の指標として、in vitroまたは、in vivoで関連付けることにより、簡便かつ的確に被験物の皮膚浸透量(濃度)を簡便かつ的確に把握することが可能であることを見出した。
そして、本評価法を用い、皮内で薬効を発揮する成分、特に皮膚への浸透性が低い水溶性薬剤選択的に、皮膚中への浸透性を高める基剤について鋭意検討を重ねた結果、分子内にポリグリセリン基を有するオルガノポリシロキサンが上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、目的とする薬剤のみを選択的に効率よく皮膚内のターゲット部位に浸透させ、有効濃度を長時間にわたり維持することが可能な、水溶性高分子からなる経皮吸収促進剤若しくは経皮吸収コントロール剤、及びこれを配合した皮膚外用剤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の通りである。
1:トリグリセリン基を有する水溶性ポリグリセリン変性シリコーンからなる、アルブチン、アスコルビン酸2−グルコシド、トラネキサム酸、4メトキシサリチル酸カリウムから選ばれる美白剤の経皮吸収促進剤若しくは経皮吸収コントロール剤。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0013】
本発明において、水溶性ポリグリセリン変性シリコーンとは、多価アルコール性のポリグリセリン基とポリシロキサンとを分子内に有する化合物である。
分子内にポリシロキサンセグメントを有し、その側鎖若しくは末端において、ヘテロ分子を含むアルキル基を介する一般式(a)〜(g)で表わされるトリグリセリン以上のポリグリセリン基を少なくとも1つ以上有する化合物である。
また、分子内にポリシロキサンセグメントを有し、その側鎖若しくは末端において、ヘテロ分子を含むアルキル基を介する下記一般式(a)〜(g)で表わされるトリグリセリン以上のポリグリセリン基を少なくとも1つ以上有する化合物である。
若しくは、分子内にポリシロキサンセグメントを有し、その側鎖若しくは末端において、下記一般式(h)に示される繰り返し単位からなるトリグリセリン以上のポリグリセリンのセグメントと結合してなる化合物が好ましい。
ポリグリセリン基はトリグリセリン以上である。
以下に(a)〜(h)のポリグリセリン基を示す。
【化1】
p、qは3以上、r+r ' 、s+s ' は3以上の正の整数、t、t ' 、u、u ' 、v、v ' は、1以上の正の整数、xは3以上の正の整数、Qは炭素数1〜18の炭化水素基。
水溶性ポリグリセリン変性シリコーンは、下記一般式(A)の構造を有するオルガノポリシロキサンが好ましい。
【化2】
式中、R1は同一または異なってもよく、そのうち少なくとも1つ以上は、ヘテロ分子を含むアルキル基を介する一般式(a)〜(g)で表されるポリグリセリン基、もしくは一般式(h)で表される繰り返し単位からなるポリグリセリンで表される基を示す。
また、式中、R1、R2の少なくとも1つ以上は、アルキル基(メチル基、エチル基、イソプロピル基、ドデシル基、オクタデシル基等)、アルケニル基(ビニル基、アリル基等)、シクロアルキル基、(シクロアルキル基、シクロヘプチル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチル基等)、または、これらの基の水素原子が部分的にハロゲン原子、任意の有機基やイオン性基(カルボニル基、硫酸基、リン酸基、リン酸アミド基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基、アンモニウム基、アミンオキサイド基、ベタイン基等)、ノニオン性基(ポリエチレン基、ポリプロピレン基等のポリアルキレン基、糖残基等)等で置換した、炭素数1〜20の非置換、または置換1価炭化水素基であり、酸素原子等のヘテロ原子を介してもよい。さらに、R2は、一般式(i)で表されるアリルグルコシド基等の糖残基(すべての立体構造を含む)、もしくは、一般式(j)で表されるアミノアルキル基で置換されてよい。
k、lは1以上、mは0以上の正の整数である。
【化3】
【0014】
上記のオルガノポリシロキサンとしては、トリグリセリン変性シリコーン、テトラグリセリン変性シリコーン、ペンタグリセリン変性シリコーン、ヘキサグリセリン変性シリコーン、デカグリセリン変性シリコーン、トリグリセリン・糖変性シリコーン、トリグリセリン・ポリオキシアルキレン変性シリコーン、リン酸化トリグリセリン変性シリコーン、硫酸ナトリウムトリグリセリン変性シリコーンなどが挙げられる。
これらのオルガノポリシロキサンは、対応するハイドロジェンポリシロキサンに目的のポリグリセリン基を公知の方法にて付加させることにより容易に製造できる。また、市販品を使用できる。
【0015】
上記のオルガノポリシロキサンのさらに具体的な構造としては下記が例示される。
【化4】
【0016】
上記のオルガノポリシロキサンは、ポリシロキサン部を含む疎水部と、ポリグリセリン基を含む親水部とからなり、疎水性部、親水性部を分子内に含有する。
このような構造としては、下記のオリガノポリシロキサンがあるが、本発明においては水溶性であることが必須である。
▲1▼オルガノシロキサン基または、親水性的もしくは疎水的な炭化水素基とオルガノシロキサン基の共重合体を主鎖とし、ポリグリセリン基を含む親水基を側鎖とするオルガノポリシロキサン。
▲2▼ポリグリセリン基を含む親水基を主鎖とし、オルガノシロキサン基または炭化水素系の疎水基を側鎖とするオルガノポリシロキサン
【0017】
上記オルガノポリシロキサンが水溶性であることにより、皮膚に吸収させる薬剤が水溶性の場合、薬剤と経皮吸収促進剤とが同じ水相に存在することで、有効成分に直接作用し、本発明の効果が一層発揮される。
ポリシロキサン部は、分子内にポリグリセリン基を有するオルガノポリシロキサンの皮脂や角層間脂質等への親和性を高め、結果として有効成分を含有する基剤の表面張力を低下させ、水溶性有効成分と皮膚角層との親和性を高めることで有効成分の浸透を助ける働きを有する。
ポリシロキサン部を含まない炭化水素系物質と比較して、有効成分の基剤への分配が低い、皮膚への浸透を高める効果を有する。
また、ポリグリセリン基は水溶性を保持する上で必須であるのみならず、水分保持能が高いことから、角層表面上で有効成分保持性の高い水和膜を形成し、有効成分を皮膚へ持続して放出させることが可能となり、結果として水溶性有効成分特異的に高い皮膚浸透効果を有する。
さらに、分子量1,000以上の比較的高分子量のオルガノポリシロキサンが好ましく、経皮吸収促進剤自身は皮膚へ浸透することがないため、角層間脂質を乱さず、安全性が高く、使用感も良好な浸透促進基剤となる。
【0018】
上記以外の他の部分は、基剤の性質、剤型(O/W、W/O、水系、オイル系、アルコール系)、薬剤の物性、目的に応じてその組成を変えることができる。
【0019】
本発明の経皮吸収促進剤若しくは経皮吸収コントロール剤の皮膚浸透促進効果若しくはコントロール効果をより有効に発揮させるためには、薬剤を配合する皮膚外用剤の基剤が水系もしくはO/W型であることが好ましい。
【0020】
本発明の経皮吸収促進剤若しくは経皮吸収コントロール剤は、化粧料に好適に配合され、薬効成分(薬剤)を効率的かつ持続的に皮膚浸透することができる。
薬効成分(薬剤)としては水溶性、油溶性、両親媒性のいずれも適用し得るが、水溶性であることが特に好ましい。
したがって、本発明の皮膚外用剤は水性化粧料が好ましく、水相を構成する水性成分の含有量は、全量に対して50%(質量百分率)以上が好ましく、さらに好ましくは70%以上である。
また、水溶性薬剤を含有するローションにおいて、水相を構成する水性成分の含有量は全量に対して80%以上が好ましい。
【0021】
本発明の経皮吸収促進剤若しくは経皮吸収コントロール剤によって皮膚に吸収される薬剤としては、例えば、美白剤、保湿剤、抗炎症剤、抗菌剤、ホルモン剤、ビタミン類、各種アミノ酸およびその誘導体や酵素、抗酸化剤、育毛剤などの薬剤成分が挙げられる。
以下に具体例を列挙するが、水溶性の薬剤が好ましい。
【0022】
美白剤としては、例えば、アルブチン等のハイドロキノン誘導体及び配糖体、コウジ酸、L−アスコルビン酸(ビタミンC)およびその誘導体、パントテン酸誘導体、トラネキサム酸およびその誘導体、4メトキシサリチル酸カリウム等サリチル酸誘導体、レゾルシン誘導体、その他フェノール誘導体、プラセンタエキスや植物抽出物(例えばカミツレエキス等)等の各種抽出物などが例示される。
【0023】
L−アスコルビン酸誘導体としては、例えば、L−アスコルビン酸モノステアレート、L−アスコルビン酸モノパルミテート、L−アスコルビン酸モノオレート等のL−アスコルビン酸モノアルキルエステル類、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルなどのL−アスコルビン酸モノエステル類;L−アスコルビン酸ジステアレート、L−アスコルビン酸ジパルミテート、L−アスコルビン酸ジオレートなどのL−アスコルビン酸ジアルキルエステル類;L−アスコルビン酸ジリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸ジエステル類;L−アスコルビン酸トリステアレート、L−アスコルビン酸トリパルミテート、L−アスコルビン酸トリオレートなどのL−アスコルビン酸トリアルキルエステル類;L−アスコルビン酸トリリン酸エステルなどのアスコルビン酸トリエステル類;L−アスコルビン酸2−グルコシドなどのL−アスコルビン酸グルコシド類などが挙げられる。L−アスコルビン酸およびその誘導体としては、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシドまたはそれらの塩が挙げられる。
【0024】
パントテン酸誘導体としては、例えば、パントテニルエチルエーテル、パントテニルアルコール等が挙げられる。
【0025】
トラネキサム酸誘導体としては、例えば、トラネキサム酸の二量体(例えば、塩酸トランス−4−(トランス−アミノメチルシクロヘキサンカルボニル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、等)、トラネキサム酸とハイドロキノンのエステル体(例えば、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸4’−ヒドロキシフェニルエステル、等)、トラネキサム酸とゲンチシン酸のエステル体(例えば、2−(トランス−4−アミノメチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)−5−ヒドロキシ安息香酸およびその塩、等)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルアミドおよびその塩、トランス−4−(P−メトキシベンゾイル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸およびその塩、トランス−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボン酸およびその塩、等)などが挙げられる。
【0026】
抗炎症剤としては、例えば、グリチルリチン、グリチルリチン酸塩(例えばグリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、等)、アラントインなどが挙げられる。
【0027】
保湿剤としては、例えば、尿素などが挙げられる。
【0028】
抗菌剤としては、例えば、レゾルシン、イオウ、サリチル酸などが挙げられる。
【0029】
ホルモン剤としては、例えば、オキシトシン、コルチコトロピン、バソプレッシン、セクレチン、ガストリン、カルシトニン、ヒノキチオール、エチニルエストラジオールなどが挙げられる。
【0030】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンAおよびその誘導体(例えば、レチノール、ビタミンAパルミテート等)、ビタミンB6、ビタミンB6塩酸塩等のビタミンB6誘導体、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のニコチン酸誘導体、ビタミンEおよびその誘導体、β−カロチンなどが挙げられる。
【0031】
各種アミノ酸およびその誘導体や酵素としては、例えば、L−グルタミン酸やウロカニン酸、トリプシン、塩化リゾチーム、キモトリプシン、セミアルカリプロテナーゼ、セラペプターゼ、リパーゼ、ヒアルロニダーゼなどが挙げられる。
【0032】
抗酸化剤としては、例えば、チオタウリン、グルタチオン、カテキン、アルブミン、フェリチン、メタロチオネインなどが挙げられる。
【0033】
育毛剤としては、例えば、β−グリチルレチン酸、パントテニルエチルエーテル、ミノキシジルなどが挙げられる。
【0034】
また、カンファー、メントール等の清涼剤も用いることが可能である。
【0035】
本発明においては、水溶性薬剤に対する経皮吸収促進若しくはコントロール効果が大である。特に、水−オクタノール分配係数をあらわすlogP値が、1.2以下の水溶性薬剤が好ましく、例えば、ハイドロキノン配糖体、アスコルビン酸及びその誘導体、トラネキサム酸およびその誘導体、パントテン酸誘導体が該当する。
logP値とは、Chemical Reviews vol71(6), 525 (1971)などで定義されている水とオクタノールへの物質の分配のしやすさにより、極性をあらわす係数である。
【0036】
経皮吸収促進剤若しくは経皮吸収コントロール剤と、薬剤の皮膚外用剤中への配合量は、薬剤の種類及び意図する吸収速度などにより、適宜決定される。
通常、経皮吸収促進剤若しくは経皮吸収コントロール剤は、皮膚外用剤全量に対して0.0001〜50%(質量百分率)、薬剤は皮膚外用剤全量に対して0.0001〜20%(質量百分率)程度である。
本発明の皮膚外用剤は経皮吸収性に優れているので薬剤の配合量を少なくすることが出来る。
なお、本発明において経皮吸収促進剤若しくは経皮吸収コントロール剤とは、皮膚に作用する薬剤(薬効成分)の吸収を促進させたり、あるいはその吸収速度をコントロールしたりする作用を有するものを意味する。
【0037】
本発明の皮膚外用剤には、上記した必須成分の他に、通常皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調製剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形及び製品形態に応じて常法により製造することが出来る。
【0038】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を説明する。本発明はこれらの実施例に限定されない。配合量は特に断りのない限り%(質量百分率)を表わす。
【0039】
「実施例1〜6、比較例1〜12」
本発明の経皮吸収促進剤と、その他のシリコーン化合物について、各表に記載された処方により、水溶性および油溶性薬剤成分の皮膚浸透性促進効果を評価した。
結果を表1〜3に示す。
【0040】
[経皮吸収促進効果]
評価試験はin vitroの形態で行った。皮膚モデルとしてミニブタの皮膚を用い下記の如く、特願平2000−330836号の方法に従った。
【0041】
各薬剤の単純溶液(水溶性薬剤のアルブチン、アスコルビン酸2−グルコシドは水溶液、油溶性薬剤のレチノールはオクタン酸セチル−流動パラフィンを油相とするO/Wエマルション。いずれも防腐剤のメチルパラベン又はフェノキシエタノールを含む)、またはポリグリセリン変性シリコーンを含む上記溶液をミニブタ皮膚に適用、37℃で6hrインキュベートし、表皮(アルブチン、アスコルビン酸2−グルコシド)または表皮および真皮(レチノール、メチルパラベン)を溶媒で抽出、単位重量当たりに含まれる薬剤量をHPLCにより定量し、分子内にポリグリセリン基を有するオルガノポリシロキサン含有、非含有(コントロール)の場合の皮膚浸透量を比較した。
【0042】
表1〜3の結果より、分子内にポリグリセリン基を有するオルガノポリシロキサンを配合することにより各種薬剤の皮膚中への浸透性、貯留性が向上することが確認された。
グリセリン基を含むオルガノポリシロキサンでも、水溶性でないモノグリセリン変性オルガノポリシロキサン、ジグリセリン変性オルガノポリシロキサンでは、薬効成分の皮膚浸透効果は認められなかった(比較例1、2、5、6、9、10)。
一方、分子内にポリグリセリン基を含まずポリオキシアルキレン基を含む水溶性オルガノポリシロキサン(比較例3、4、5、6、11、12)においては薬効成分(アルブチン、アスコルビン酸2−グルコシド、レチノール)の皮膚浸透効果はみられなかった。
ポリグリセリン基を有する水溶性オルガノポリシロキサンを配合することにより、皮膚には不要な成分である防腐剤(メチルパラベン、フェノキシエタノール)の皮膚中への浸透量の増加は認められないことから、分子内にポリグリセリン基を有する水溶性オルガノポリシロキサンは、浸透のコントロール性があることが示された。
また、油溶性のレチノールに比べ、水溶性のアルブチン、アスコルビン酸2−グルコシドの皮膚浸透比に顕著な効果が見られる。
【0043】
【表1】
【表2】
【表3】
【0044】
【化5】
「実施例で用いたシリコーン化合物(水溶性ポリグリセリン変性シリコーン)」
「比較例で用いたシリコーン化合物」
【0045】
実施例及び比較例で使用したシリコーン化合物は、対応するメチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−H結合部分)に、目的の置換基を公知の方法により付加反応させて製造できる。
例えば、実施例で使用したトリグリセリン変性シリコーン1、トリグリセリン変性シリコーン2は、対応するメチルハイドロジェンポリシロキサン及びアリル化ジイソプロピリデントリグリセリンを、硫酸カリウムのエタノール溶液及び白金触媒を添加したIPA溶媒中にて加熱還流して反応させ、さらに塩酸を添加して脱アセトン化して、目的の変性シリコーンを製造した。
【0046】
以下にポリグリセリン変性シリコーンを経皮吸収促進剤若しくは経皮吸収コントロール剤として用いた化粧料の処方例を示す。
【0047】
[処方例1] 透明化粧水
(配 合 成 分) 配合量(%)
1,3−ブチレングリコール 6
グリセリン 4
ポリオキシエチレン・ポリオキシアルキレン共重合体 5
オレイルアルコール 0.1
POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 0.5
ポリグリセリン変性シリコーン 0.5
エタノール 10
アルブチン 2
4メトキシサリチル酸カリウム 1
酸化鉄 0.001
フェノキシエタノール 1
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.6
香料 適 量
精製水 残 余
(製法)
精製水に1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン変性シリコーン、アルブチン、緩衝剤を溶解して水相とする。一方、エタノールにオレイルアルコール、界面活性剤、香料、色剤、防腐剤を溶解してエタノール相とする。このエタノール相を先の水相に添加して可溶化し、透明化粧水を得る。
【0048】
[処方例2] 化粧水
(配 合 成 分) 配合量(%)
ジプロピレングリコール 1
ソルビット 1
POE(20)オレイルアルコールエーテル 1
ポリグリセリン変性シリコーン 0.2
アスコルビン酸2−グルコシド 2
エタノール 15
フェノキシエタノール 0.3
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.6
酸化鉄 0.001
香料 適 量
精製水 残 余
(製法)
精製水にジピロピレングリコール、ソルビット、ポリグリセリン変性シリコーン、アスコルビン酸2−グルコシド、緩衝剤を溶解して水相とする。一方、エタノールにPOE(20)オレイルアルコールエーテル、香料、色剤、防腐剤を溶解してエタノール相とする。このエタノール相を先の水相に添加して可溶化し、化粧水を得る。
【0049】
[処方例3] 化粧水
(配 合 成 分) 配合量(%)
エタノール 10
ジプロピレングリコール 1
ポリグリセリン変性シリコーン 1
ポリエチレングリコール1000 1
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.1
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.2
ジイソステアリン酸ポリグリセリル 0.15
N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 0.1
クエン酸 0.04
クエン酸ナトリウム 0.18
水酸化カリウム 0.4
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
アルギニン 0.1
L−アスコルビン酸 2−グルコシド 2
オウゴンエキス 0.1
ユキノシタエキス 0.1
フェノキシエタノール 0.2
エデト酸3ナトリウム 0.05
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 1.0
香料 適 量
精製水 残 余
(製法)
精製水に保湿剤、アルカリを加えた後、ポリグリセリン変性シリコーン、アスコルビン酸2−グルコシド、グリチルリチン酸ジカリウム、緩衝剤を加えて水相とする。一方、エタノールに、油溶性成分、香料、防腐剤を溶解してエタノール相とする。このエタノール相を先の水相に添加して可溶化し、化粧水を得る。
【0050】
[処方例4] 化粧水
(配 合 成 分) 配合量(%)
エタノール 40
グリセリン 38
ジプロピレングリコール 8
エリスリトール 0.3
ポリグリセリン変性シリコーン 10
ポリエチレングリコール1000 4
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 8
イソステアリン酸 0.5
トリ2−エチルヘキ酸サングリセリル 4
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.7
ジイソステアリンサ酸ポリグリセリル 2
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.5
クエン酸 0.06
クエン酸ナトリウム 0.5
水酸化カリウム 0.7
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
トリメチルグリシン 3
ヒポタウリン 0.5
油溶性甘草エキス 0.5
L−アスコルビン酸 2−グルコシド 2
L−メントール 1
フェノキシエタノール 0.5
エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム 0.1
エデト酸3ナトリウム 0.2
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 7
香料 適 量
精製水 残 量
(製法)
精製水に保湿剤、アルカリを加えた後、ポリグリセリン変性シリコーン、アスコルビン酸2−グルコシド、グリチルリチン酸ジカリウム、緩衝剤を加えて水相とする。一方、エタノールに、油溶性成分、香料、防腐剤を溶解してエタノール相とする。このエタノール相を先の水相に添加して可溶化し、化粧水を得る。
【0051】
[処方例5] 2層式化粧水
(配 合 成 分) 配合量(%)
スクワラン 8
ポリグリセリン変性シリコーン 0.2
ソルビット 1
グリセリン 1
POEソルビタンテトラオレイン酸エステル 0.2
エタノール 10
グルタチオン 0.2
ヒノキチオール 0.1
フェノキシエタノール 0.3
パラオキシ安息香酸エステル 0.12
酸化鉄 0.001
オレンジ油 0.01
精製水 残 余
(製法)
ヒノキチオールにPOEソルビタンテトラオレイン酸エステル、防腐剤、色剤、エタノールを加えて油相とする。残りの成分を混合して水相とする。油相と水相を混合して2層式化粧水を得る。
【0052】
[処方例6] エモリエントローション(O/W)
(配 合 成 分) 配合量(%)
ステアリン酸 2
セチルアルコール 1.5
ワセリン 2
スクワラン 3
アルブチン 3
レチノール 0.5
トラネキサム酸 2
ユキノシタエキス 0.5
カミツレエキス 0.1
寒天 0.5
ポリグリセリン変性シリコーン 0.5
ソルビタンモノオレイン酸エステル 2
ジプロピレングリコール 5
ポリオキシエチレン・ポリオキシアルキレン共重合体 2
ポリエチレングリコール(PEG1500) 3
L−グルタミン酸 0.3
トリエタノールアミン 0.05
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.6
フェノキシエタノール 0.3
パラオキシ安息香酸エステル 0.12
香料 適 量
精製水 残 余
(製法)
精製水に保湿剤、アルカリを加えた後、L−グルタミン酸、緩衝剤を加えて水相とする。油溶性成分を油分に溶解し、これを水相と混合してホモミキサーで乳化し、O/W型エモリエントローションを得る。
【0053】
[処方例7] エモリエントローション(O/W)
(配 合 成 分) 配合量(%)
ワセリン 2
メチルポリシロキサン 2
ポリグリセリン変性シリコーン 0.5
エタノール 5
ベヘニルアルコール 0.5
バチルアルコール 0.2
グリセリン 7
1,3−ブチレングリコール 5
ポリエチレングリコール20000 0.5
ホホバ油 3
スクワラン 2
ヒドロキシステアリン酸コレステリル 0.5
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 1
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 1
水酸化カリウム 0.1
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.02
メタリン酸ナトリウム 0.05
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
パントテニルエチルエーテル 0.1
アルブチン 7
L−セリン 1
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
パラオキシ安息香酸エステル 0.1
エデト酸3ナトリウム 0.05
4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.5
ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキシル酸酸グリセリル
0.5
キサンタンガム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.2
精製水 残 余
(製法)
精製水に保湿剤、界面活性剤、ポリグリセリン変性シリコーン、薬剤、キレート剤を加え、カルボキシビニルポリマーを溶解する。残りの成分を混合、溶解し、70℃でホモミキサーを用いて乳化し、O/W型エモリエントローションを得る。
【0054】
[処方例8] ローション(O/W)
(配 合 成 分) 配合量(%)
ステアリルアルコール 0.5
ビタミンEアセテート 1
トラネキサム酸 5
硬化パーム油 2
流動パラフィン 3
ポリグリセリン変性シリコーン 1
ポリオキシエチレン変性シリコーン 0.1
ジプロピレングリコール 6
ポリエチレングリコール(PEG400) 4
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 1.6
カルボキシビニルポリマー 1.5
水酸化カリウム 0.42
フェノキシエタノール 0.3
エデト酸3ナトリウム 0.1
香料 適 量
精製水 残 余
(製法)
精製水に保湿剤、界面活性剤、薬剤、キレート剤を加え、カルボキシビニルポリマーを溶解する。残りの成分を混合、溶解し、70℃でホモミキサーを用いて乳化し、O/W型ローションを得る。
【0055】
[処方例9] エモリエントローション(W/O)
(配 合 成 分) 配合量(%)
マイクロクリスタリンワックス 1
ミツロウ 2
ラノリン 2
流動パラフィン 10
スクワラン 20
ビタミンAパルミテート 2
4−メトキシサリチル酸カリウム 2
ポリグリセリン変性シリコーン 0.5
プロピレングリコール 7
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 4
POE(20)ソルビタンモノオレイン酸エステル 1
フェノキシエタノール 0.3
アスコルビン酸リン酸マグネシウム 2
グリシン 0.5
ポリグリセリン変性シリコーン 0.5
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.6
オレンジ油 0.01
精製水 残 余
(製法)
精製水に水溶性成分を添加、溶解し、水相とする。油分および油溶性成分、界面活性剤を混合し70℃で溶解させ、これに先の水相を徐添しながらホモミキサーにより乳化し、W/O型エモリエントローションを得る。
【0056】
[処方例10] クリーム(O/W)
(配 合 成 分) 配合量(%)
メチルポリシロキサン 2
デカメチルシクロペンタシロキサン 28
ベヘニルアルコール 0.77
バチルアルコール 1.65
ポリグリセリン変性シリコーン 5
グリセリン 4
ジプロピレングリコール 5
ラベンダー油 0.04
サラシミツロウ 1.65
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 1
2−エチルヘキサン酸セチル 1
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.09
水酸化カリウム 0.42
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
トリメチルグリシン 0.1
L−アスコルビン酸2−グルコシド 2
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 0.12
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
エデト酸3ナトリウム 0.1
精製水 残 余
(製法)
精製水に保湿剤、界面活性剤、ポリグリセリン変性シリコーン、薬剤、緩衝剤を加え溶解する。残りの成分を混合、溶解し、70℃でホモミキサーを用いて乳化し、O/W型クリームを得る。
【0057】
[処方例10] エモリエントクリーム(W/O)
(配 合 成 分) 配合量(%)
スクワラン 15
デカメチルシクロペンタシロキサン 5
セチルイソオクタノエート 8.5
アスコルビン酸ジパルミテート 2
マイクロクリスタリンワックス 1
ポリグリセリン変性シリコーン 0.2
有機変性スメクタイト 1.3
POEグリセロールトリイソステアリン酸エステル 0.2
シクロデキストリン 0.2
グリセリン 10
フェノキシエタノール 0.3
パラオキシ安息香酸エステル 0.2
香料 適 量
精製水 残 余
(製法)
油分に粘土鉱物、界面活性剤、防腐剤、香料を加え均一分散し、さらに薬剤を添加して油性ゲルを得る。精製水に保湿剤および他の水溶性成分を添加、溶解後、先の油相に添加、ホモミキサーにより攪拌して、W/O型エモリエントクリームを得る。
【0058】
[処方例11] 油性ジェル
(配 合 成 分) 配合量(%)
流動パラフィン 6
ポリジメチルシロキサン 6
グリセロールトリ−2エチルヘキサン酸エステル 50
ソルビトール 10
ポリエチレングリコール(PEG400) 5
アシルメチルタウリン 5
POEオクチルドデシルアルコールエーテル 10
ポリグリセリン変性シリコーン 0.5
ビタミンAパルミテート 2
レゾルシン誘導体 0.5
ラベンダー油 0.001
精製水 残 余
(製法)
精製水に保湿剤、アシルメチルタウリンを加え水相とする。残りの成分を混合溶解して油相とし、先の水相にホモミキサーにより攪拌しながら添加して乳化し、油性ジェルを得る。
【0059】
[処方例12] モイスチャージェル
(配 合 成 分) 配合量(%)
ジプロピレングリコール 7
ポリエチレングリコール(PEG400) 8
カルボキシビニルポリマー 0.4
メチルセルロース 0.2
POE(15)オレイルアルコールエーテル 1
水酸化カリウム 0.1
ポリグリセリン変性シリコーン 0.5
アスコルビン酸 3
尿素 10
フェノキシエタノール 0.3
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.6
香料 適 量
精製水 残 余
(製法)
精製水に水溶性高分子を均一溶解させた後、残りの成分を添加し、均一溶解させ、モイスチャージェルを得る。
【0060】
[処方例13] モイスチャージェル
(配 合 成 分) 配合量(%)
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 5
トリグリセリン変性シリコーン 1
ジプロピレングリコール 3
1,3−ブチレングリコール 10
ポリエチレングリコール1500 1
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1
ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール 5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
パラオキシ安息香酸エステル 0.2
エデト酸−3ナトリウム 0.01
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.7
カルボキシビニルポリマーカリウム 0.5
精製水 残 余
(製法)
精製水に水溶性高分子を均一溶解させた後、残りの成分を添加し、均一溶解させ、モイスチャージェルを得る。
【0061】
[処方例15] エモリエントクリーム(W/O)
(配 合 成 分) 配合量(%)
スクワラン 15
デカメチルシクロペンタシロキサン 5
セチルイソオクタノエート 8.5
アスコルビン酸ジパルミテート 2
4−メトキシサリチル酸K 2
マイクロクリスタリンワックス 1
ポリグリセリン変性シリコーン 0.2
有機変性スメクタイト 1.3
POEグリセロールトリイソステアリン酸エステル 0.2
グリセリン 10
フェノキシエタノール 0.3
香料 適 量
精製水 残 余
(製法)
油分に粘土鉱物、界面活性剤、防腐剤、香料を加え均一分散し、さらに薬剤を添加して油性ゲルを得る。精製水に保湿剤および他の水溶性成分を添加、溶解後、先の油相に添加、ホモミキサーにより攪拌して、W/O型エモリエントクリームを得る。
【0062】
[処方例16] エモリエントローション(O/W)
(配 合 成 分) 配合量(%)
ステアリン酸 2
セチルアルコール 1.5
ワセリン 4
スクワラン 5
レチノール 0.8
ポリグリセリン変性シリコーン 0.5
ソルビタンモノオレイン酸エステル 2
ジプロピレングリコール 5
ポリエチレングリコール(1500) 3
L−グルタミン酸Na 0.3
トリエタノールアミン 0.1
フェノキシエタノール 0.3
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.09
香料 適 量
精製水 残 余
(製法)
精製水に保湿剤、アルカリを加えた後、L−グルタミン酸、緩衝剤を加える。油溶性成分を油分に溶解し、水相とホモミキサーで乳化し、O/W型エモリエントローションを得る。
【0063】
[処方例17] マスク
(配 合 成 分) 配合量(%)
ワセリン 6
ベヘニルアルコール 2.5
グリセリン 9
マルチトール液 2
ポリエチレングリコール1500 12
ポリグリセリン変性シリコーン 0.1
スクワラン 11
ベヘニン酸カリウム 2
ヒドロキシステアリン酸コレステリル 0.1
モノイソステアリン酸N−アルキレン(20-30)グリコール 3
2−エチルヘキサン酸セチル 4
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.3
自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 2
酸化チタン 1
メタリン酸ナトリウム 0.1
L−アルギニン 0.1
ビタミンEアセテート 0.1
ニンジンエキス 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 0.3
ベントナイト 0.5
精製水 残 余
香料 適 量
(製法)
精製水に、酸化チタン、グリセリン、マルチトール水溶液、ポリエチレングリコール15000、ポリグリセリン変性シリコーン、ニンジンエキスを加え十分に混合する。この混合液に残りの水溶性成分を加えて攪拌し、水相とする。スクワランにワセリン及びベヘニルアルコールを混合し、これに残りの油溶性成分を加え攪拌し、さらに、水相とホモミキサーで乳化し、洗い流しタイプのマスクを得る。
【0064】
[処方例18] 口紅
(配 合 成 分) 配合量(%)
二酸化チタン 4.5
赤色201号 0.5
赤色202号 2
赤色223号 0.05
セレシン 4
キャンデリラロウ 8
カルナバロウ 2
ヒマシ油 25
イソステアリン酸ジグリセリド 40
POE(25)ポリオキシプロピレン
(20)2−テトラデシルエーテル 1
レチノール 1
グリセリン 2
プロピレングリコール 1
ポリグリセリン変性シリコーン 0.5
オクチルメトキシシンナメート 0.01
α−トコフェロール 0.1
精製水 残 余
(製法)
二酸化チタン、赤色201号、202号をヒマシ油の一部に加えローラーで処理する。赤色223号をヒマシ油に溶解する。精製水、グリセリン、プロピレングリコールを80℃で均一に溶解する。他の成分を混合し、顔料部、染料部を加えホモミキサーで均一に分散した後、水相を加えホモミキサーで乳化後、型に流し込み冷却し、口紅を得る。
【0065】
〔処方例19〕 養毛剤、白髪防止剤
(配 合 成 分) 配合量(%)
パントテニルエチルエーテル 0.5
β−グリチルレチン酸 0.5
センブリ抽出ペースト 0.5
ニコチン酸アミド 0.5
ビタミンEアセテート 0.5
サンショウエキス 0.1
エタノール 70
ポリグリセリン変性シリコーン 0.5
イソステアリルアルコール 5
ラウリルジメチルアミンオキサイドオレイン酸ナトリウム 0.5
硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル付加物) 0.5
精製水 残 余
(製法)
エタノールに各成分を添加し、養毛、また白髪防止効果等を有するヘアケア用エッセンスを得る。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、目的とする薬剤のみを選択的に効率よく皮膚内のターゲット部位に浸透させ、有効濃度を長時間にわたり維持することが可能な経皮吸収促進剤若しくは経皮吸収コントロール剤を提供出来る。
さらに、薬剤と、経皮吸収促進剤若しくは経皮吸収コントロール剤とを皮膚外用剤に配合し、安全性が高く、使用感触のよい皮膚外用剤を提供出来る。
本発明の皮膚外用剤は、薬剤成分を配合した系において薬効とその持続性に優れ、安全性にも優れている。
特に皮膚に吸収されにくい水性薬剤を配合した場合に経皮吸収促進効果が優れている。
Claims (1)
- トリグリセリン基を有する水溶性ポリグリセリン変性シリコーンからなる、アルブチン、アスコルビン酸2−グルコシド、トラネキサム酸、4メトキシサリチル酸カリウムから選ばれる美白剤の経皮吸収促進剤若しくは経皮吸収コントロール剤。
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