JP2000313228A - 車両ルーフのルーフ開口部を閉鎖するカバー及びその製造方法 - Google Patents

車両ルーフのルーフ開口部を閉鎖するカバー及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要な密封性を保証するための構成を妥当な
コストで製造できるようにする。 【解決手段】 車両ルーフのルーフ開口部を閉鎖する透
明材料製または半透明材料製カバー(特に、ガラスカバ
ー)であって、カバー縁部を少なくとも部分的に囲む合
成樹脂フォーム外装体3によってカバー1に結合された
縁側のカバー内側パネル2を有し、カバー内側パネル2
の一部10が、合成樹脂フォーム外装体に続いて上記フ
ォーム外装体から内方へ突出しカバー内面7に平行に延
びる形式のものにおいて、カバー内面7に平行に延びる
カバー内側パネル2の部分10とカバー内面7の間に
は、合成樹脂フォーム外装体3の材料が少なくとも部分
的に充填された0.1−0.5mmの間隙12が構成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両ルーフのルー
フ開口部を閉鎖するカバー及びその製造方法に関する。
より詳しくは、本発明は、車両ルーフのルーフ開口部を
閉鎖する透明材料製または半透明材料製カバー(特に、
ガラスカバー)であって、カバー縁部を少なくとも部分
的に囲む合成樹脂フォーム外装体によってカバーに結合
された縁側のカバー内側パネルを有し、カバー内側パネ
ルの一部が、合成樹脂フォーム外装体に続いて上記フォ
ーム外装体から内方へ突出しカバー内面に平行に延びる
形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来は、通常、カバー下面とカバー内側
パネルとの間に所要の密封性を保証するため、上記双方
の構成部材の間に少なくとも1つの密封要素を設ける。
この種のカバーの例は、ドイツ特許公開第374271
9号に記載されている。この公知のカバーの場合、カバ
ー内側パネルは、カバー外縁から内方へ隆起部を有し、
この隆起部は、カバー内面に当接し、カバーに合成樹脂
材料を発泡接合する際に上記合成樹脂発泡材料を限定す
る(境界を設ける)のに役立つ。上記隆起部とカバー内
側パネルの外面との間には、パッキンが設けてある。こ
の場合、パッキンは、カバー製造時に、まず、カバー内
面に設置し、次いで、カバー上のカバー内側パネルの縁
部およびカバーのまわりに合成樹脂を発泡成形する必要
がある。
【0003】冒頭に述べた種類の他のカバーは、ドイツ
特許第3506009号に記載されている。この公知の
カバーの場合、密封要素は、カバー内側パネルの凹みに
カバー内側パネルとカバー内面との間に配置され、カバ
ーおよびカバー内側パネルの縁側の合成樹脂フォーム外
装体を限定するのに役立つ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記前者の従来技術の
カバーは、特殊なカバー要素の使用およびこれに関連す
る補足の製造工程にもとづき、高価である。また、後者
の従来技術のカバーも、前者カバーと同様、高い製造費
を要する。先行技術に鑑みて、本発明の課題は、妥当な
コストで製造できる冒頭に述べた種類のカバーを創成す
ることにある。本発明は、従来技術の種々の問題点を解
決できるようにした車両ルーフのルーフ開口部を閉鎖す
るカバー及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題は、請求項1の
特徴記載部分に開示の特徴によってまたはカバー製造方
法に関する請求項6の特徴によって解決される。本発明
の有利な実施例を従属請求項に示した。従って、本発明
は、所望の密封性の達成のために特殊な密封要素を補足
するのではなく合成樹脂フォーム外装体を利用すること
によって、カバーに対するカバー内側パネルの密封のた
めに全く異なる方策を取るものである。このため、カバ
ー内側パネルとカバーとの間には、縁側に、間隔が0.
1−0.5mm(好ましくは、約0.3mm)であり、
幅が、有利には、15−25mm(好ましくは、約20
mm)の所定の間隙を構成する。発泡工具における製造
時、合成樹脂フォーム外装体の材料は、上記間隙に入
り、間隙内に薄層を形成する。この薄層は、残余の合成
樹脂フォームよりも迅速に硬化し、カバー内側パネルと
カバーとの間の間隙を自己密封原理の態様で閉鎖する。
【0006】本発明に係る方法の場合、発泡工具を使用
して、カバー内面に平行に延びるパネル部分がカバー内
面に当接するよう、カバー内側パネルをカバー内面に位
置決めし、次いで、カバーおよびカバー内側パネルから
なる複合体を発泡工具内に挿入する。発泡操作中、合成
樹脂フォーム外装体の材料が、カバー内面とカバー内面
に平行に延びる部分との間に間隙を形成して押込まれる
よう、カバー内側パネルをカバーに押しつけるか、所定
の力でカバーに押圧する。この間隙にもとづき、更に、
製造時にガラス板に対する圧力が過大になることはな
く、ガラス板が破損されることはない。更に、カバー内
側パネルのプロフィルジオメトリ、即ち、起伏ジオメト
リに関して、鋭いエッジはなく、コーナまたはエッジが
丸くなるよう上記ジオメトリを構成するこに留意すべき
である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。添付の図1は、車両ルーフのルー
フ開口部を閉鎖する当該のカバーの縁範囲の略図であ
る。カバーを概ね参照数字1で示した。板状カバーは、
透明または半透明材料からなる。この場合、ガラスまた
は合成樹脂が対象となる。カバー1の安定化のため、カ
バー1の縁側でカバー内面に設置され、カバー1の縁部
に接する合成樹脂フォーム3によってカバーに結合され
たカバー内側パネル2が設けてある。図示の実施例の場
合、合成樹脂フォームは、カバー1の縁部から側方へ突
出するよう構成されている。合成樹脂フォーム3外装体
の上面4は、カバー1の上面とともに1つの平面内にあ
り、即ち、上記上面と面一をなす。合成樹脂フォーム外
装体3の外側縁は、外方へ斜めに延びる外側エッジ5に
よって固定され、合成樹脂フォーム3の下面6は、合成
樹脂フォーム3がカバー1の内面7にほぼ平行にカバー
1を下方から被い且つ僅かに上昇する範囲を介して外側
エッジ5に移行する範囲に延びる。
【0008】カバー内側パネル2は、形状部材として形
成され、本質的にU字状またはV字状の部分8を内側に
含む。この場合、上記部分8は、カバー1から内方へ突
出し、カバー1の内面7にほぼ平行に延びる短い内方の
縁部9に移行する。U字状部分8は、対向側において、
直線部分10に続く。この直線部分は、カバー1の内面
7に平行に延び、以下に詳細に説明する如く、間隙決定
のためカバー1の内面7から離れている。直線部分10
には、外方へ、段状部分11が続いている。この段状部
分は、直線部分10に対して本質的に平行に下方へシフ
トして延び、カバー1の外側縁から突出する。段状部分
11は、合成樹脂フォーム外装体3に完全に埋込まれて
いる。
【0009】冒頭に述べた先行技術のカバーの場合、直
線部分10とカバー1の下面との間には、カバー内側パ
ネル2とカバー1との間に必要な密封性を保証するため
カバー全縁のまわりに延びる密封要素が設けてあるが、
本発明の場合、このような密封は行わない。その代わり
に、直線部分10は、カバー1の内面7から離して配置
し、かくして、上記範囲には、0.1−0.5mm(好
ましくは、0.3mm)の間隔を有する間隙12が形成
される。この間隙または間隙空間12には、少なくとも
部分的に、合成樹脂フォーム外装体3の材料が充填さ
れ、上記材料は、合成樹脂フォーム外装体3に結合され
る。間隙12内に存在する合成樹脂フォーム外装体3の
材料は、先行技術において使用されるパッキンの代替を
なし、カバー1とカバー内側パネル2との間の必要な密
封を達成する。
【0010】間隙12の幅、即ち、本質的にカバー内側
パネル2の直線部分の幅は、15−25mm(特に、約
20mm)であれば好ましい。カバー内側パネル2の鋭
いエッジまたは縁部によるガラス製または合成樹脂製カ
バー1に対する負荷を避けるため、カバー内側パネルの
ジオメトリ、即ち、起伏ジオメトリは、エッジの鋭い範
囲およびコーナはなく、丸いコーナが生ずるよう、選択
する。本発明に係るカバーは、発泡型を使用して製造す
るのが好ましい。この場合の操作推移を以下に示す:ま
ず、カバー内側パネル2のカバー内面7に平行に延びる
直線部分10が、カバー1の内面7に直接に載るよう、
カバー1の内面7上にカバー内側パネル2を位置決めす
る。次いで、カバー1およびカバー内側パネル2からな
る複合体を発泡工具に挿入し位置決めする。発泡中、即
ち、カバー1の縁部における合成樹脂フォーム外装体3
の構成中、合成樹脂フォーム3の材料が、発泡圧にもと
づき、内面7と上記内面に平行に延びる直線部分10と
の間に間隙12を形成するとともに押込まれるよう、カ
バー内側パネル2をカバー1に、即ち、カバー内面7に
押つけるか、上記内面7に押圧する。カバー1とカバー
内側パネル2との間に意図する密封性を保証するには、
合成樹脂フォーム外装体3の材料を極く僅かに間隙12
に押込めば十分である。何れにせよ、間隙12の幅は、
間隙12に押込まれた合成樹脂フォーム外装体の材料が
上記間隙を越えてU字状部分8に達することのないよ
う、選択する。かくして、間隙12に構成された合成樹
脂フォーム薄層は、下方へ視覚的に隠蔽される。上記薄
層は、極めて薄いので、合成樹脂フォーム外装体3の残
余の材料よりも迅速に反応し、カバー内側パネル2の直
線部分10の範囲においてカバー内側パネル2とカバー
1との間の間隙12を閉鎖し、かくして、直線部分10
とカバー1の内面7との間にはカバー縁部のまわりに、
合成樹脂フォーム3の材料からなる密封層が形成され
る。上記合成樹脂フォーム外装体の材料が、ポリウレタ
ン(PU)であれば好ましい。
【0011】上述した本発明の車両ルーフのルーフ開口
部を閉鎖するカバーの特徴は、第1に、車両ルーフのル
ーフ開口部を閉鎖する透明材料製または半透明材料製カ
バー(特に、ガラスカバー)であって、カバー縁部を少
なくとも部分的に囲む合成樹脂フォーム外装体(海綿状
樹脂被覆材)3によってカバー1に結合された縁側のカ
バー内側パネル(エッジ補強フレーム)2を有し、カバ
ー内側パネル2の一部(直線部分)10が、合成樹脂フ
ォーム外装体3に続いて上記フォーム外装体3から内方
へ突出しカバー内面7に平行に延びる形式のものにおい
て、カバー内面7に平行に延びるカバー内側パネル2の
部分(直線部分)10とカバー内面7の間には、合成樹
脂フォーム外装体3の材料が少なくとも部分的に充填さ
れた0.1−0.5mmの間隙(ギャップ)12が構成
されていることである。
【0012】これによって、パッキン等の特殊な密封要
素を補足することなく、合成樹脂フォーム外装体3を利
用して、カバー内側パネル2とカバー1との間の間隙1
2を自己密封原理の態様で閉鎖でき、必要な密封性を保
証するための構成を妥当なコストで製造できる。第2
に、間隙12の大きさが、約0.3mmであることであ
る。これによって、カバー内側パネル2とカバー1との
間の所望の密封性を確実に達成できる。
【0013】第3に、カバー内面7に平行に延びるカバ
ー内側パネル2の部分10の幅が、15−25mmであ
ることである。これによって、カバー内側パネル2とカ
バー1との間の所望の密封性を確実に達成できる。第4
に、カバー内面7に平行に延びるカバー内側パネル2の
部分10の幅が、約20mmであることである。これに
よって、カバー内側パネル2とカバー1との間の所望の
密封性を確実に達成できる。
【0014】第5に、前記第1−4の1つに記載のカバ
ーであって、カバー内側パネル2をカバー内面に平行に
延びる部分10に続いて波状に形成した形式のものにお
いて、カバー内面パネル7に平行に延びる部分10から
1つまたは複数の波状部分への移行部(直線部分10か
らU字状部分を経て縁部9に移行する部分)が、鋭いエ
ッジのないよう構成されていることである。これによっ
て、カバー内側パネル2のプロフィルジオメトリはコー
ナまたはエッジが丸くなり、間隙12への合成樹脂フォ
ーム外装体3の発泡押込みが良好になる。
【0015】本発明の車両ルーフのルーフ開口部を閉鎖
するカバーの製造方法の特徴は、第1に、発泡型(発泡
工具)を使用して請求項1−5の1つに記載のカバーを
製造する方法であって、カバー1の内面7に平行に延び
るパネル部分(直線部分)10がカバー内面に当接する
よう、カバー内側パネル2をカバー1の内面7上に位置
決めし、次いで、カバー1およびカバー内側パネル2か
らなる複合体を発泡工具内に挿入し、発泡操作中、合成
樹脂フォーム外装体3の材料が、内面7とカバー内面に
平行に延びる部分10との間に間隙12を形成して押込
まれるよう、カバー内側パネル2をカバー1に押しつけ
ることである。
【0016】これによって、パッキン等の特殊な密封要
素を補足することなく、カバー内側パネル2とカバー1
との間の間隙12に、合成樹脂フォーム外装体3を発泡
させて押込むだけで自己密封原理の態様で閉鎖でき、必
要な密封性を保証するための構成を妥当なコストで製造
できる。第2に、合成樹脂フォーム外装体3が、ポリウ
レタン(PU)からなることである。これによって、カ
バー内側パネル2とカバー1との間の間隙12を安価に
かつ確実に密封できる。
【0017】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、種々変形することができる。
【0018】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、特殊な密
封要素を補足することなく、合成樹脂フォーム外装体3
を利用して、カバー内側パネル2とカバー1との間の間
隙12を自己密封原理の態様で閉鎖でき、必要な密封性
を保証するための構成を妥当なコストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示していて、車両ルーフ
のルーフ開口部を閉鎖する当該のカバーの縁範囲の略図
である。
【符号の説明】
1 カバー 2 カバー内側パネル 3 合成樹脂フォーム外装体 4 上面 5 外側縁 6 下面 7 内面 8 U字状部分 9 縁部 10 直線部分 11 段状部分 12 間隙

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両ルーフのルーフ開口部を閉鎖する透
    明材料製または半透明材料製カバーであって、カバー縁
    部を少なくとも部分的に囲む合成樹脂フォーム外装体
    (3)によってカバー(1)に結合された縁側のカバー
    内側パネル(2)を有し、カバー内側パネル(2)の一
    部(10)が、合成樹脂フォーム外装体に続いて上記フ
    ォーム外装体から内方へ突出しカバー内面(7)に平行
    に延びる形式のものにおいて、カバー内面(7)に平行
    に延びるカバー内側パネル(2)の部分(10)とカバ
    ー内面(7)の間には、合成樹脂フォーム外装体(3)
    の材料が少なくとも部分的に充填された0.1−0.5
    mmの間隙(12)が構成されていることを特徴とする
    車両ルーフのルーフ開口部を閉鎖するカバー。
  2. 【請求項2】 間隙(12)の大きさが、約0.3mm
    であることを特徴とする請求項1に記載の車両ルーフの
    ルーフ開口部を閉鎖するカバー。
  3. 【請求項3】 カバー内面(7)に平行に延びるカバー
    内側パネル(2)の部分(10)の幅が、15−25m
    mであることを特徴とする請求項1または2に記載の車
    両ルーフのルーフ開口部を閉鎖するカバー。
  4. 【請求項4】 カバー内面(7)に平行に延びるカバー
    内側パネル(2)の部分(10)の幅が、約20mmで
    あることを特徴とする請求項3に記載の車両ルーフのル
    ーフ開口部を閉鎖するカバー。
  5. 【請求項5】 請求項1−4の1つに記載のカバーであ
    って、カバー内側パネル(2)をカバー内面に平行に延
    びる部分(10)に続いて波状に形成した形式のものに
    おいて、カバー内面パネル(7)に平行に延びる部分
    (10)から1つまたは複数の波状部分への移行部が、
    鋭いエッジのないよう構成されていることを特徴とする
    車両ルーフのルーフ開口部を閉鎖するカバー。
  6. 【請求項6】 発泡型を使用して請求項1−5の1つに
    記載のカバーを製造する方法であって、カバー(1)の
    内面(7)に平行に延びるパネル部分(10)がカバー
    内面に当接するよう、カバー内側パネル(2)をカバー
    (1)の内面(7)上に位置決めし、次いで、カバー
    (1)およびカバー内側パネル(2)からなる複合体を
    発泡工具内に挿入し、発泡操作中、合成樹脂フォーム外
    装体(3)の材料が、内面(7)とカバー内面に平行に
    延びる部分との間に間隙を形成して押込まれるよう、カ
    バー内側パネル(2)をカバー(1)に押しつけること
    を特徴とする車両ルーフのルーフ開口部を閉鎖するカバ
    ーの製造方法。
  7. 【請求項7】 合成樹脂フォーム外装体(3)が、ポリ
    ウレタンからなることを特徴とする請求項6に記載の車
    両ルーフのルーフ開口部を閉鎖するカバーの製造方法。
JP2000111060A 1999-04-22 2000-04-12 車両ルーフのルーフ開口部を閉鎖するカバー及びその製造方法 Expired - Lifetime JP4555431B2 (ja)

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