JP2000310306A - 可変径プーリ - Google Patents

可変径プーリ

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JP2000310306A
JP2000310306A JP11118392A JP11839299A JP2000310306A JP 2000310306 A JP2000310306 A JP 2000310306A JP 11118392 A JP11118392 A JP 11118392A JP 11839299 A JP11839299 A JP 11839299A JP 2000310306 A JP2000310306 A JP 2000310306A
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pulley
diameter pulley
variable diameter
diameter
centrifugal
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Shinji Yasuhara
伸二 安原
Takao Tamagawa
隆雄 玉川
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】慣性部材の遠心力を用いて変速する遠心式の可
変径プーリにおいて、可変径プーリをベルト変速システ
ムに組み込むときや、可変径プーリ自体を組み立てると
きに、慣性部材の位置が不安定であると作業し難い。 【解決手段】慣性部材59は、円錐テーパ面からなる一
対の案内面60,61間に区画される遠心方向へいくほ
ど狭くなる断面楔状の収容空間58に収容される。可変
径プーリの停止時でベルト7の張力が働かないとき、圧
縮コイルばね65がプランジャ64を介して慣性部材5
9を弾性的に押圧し、遠心方向に最大量変位した位置に
保持する。動力伝達リング6が同心位置に保持され、可
変径プーリの全体ががたつかないので、組込みや組立の
作業が容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、慣性部材の遠心力
を用いてベルトの有効径を変更する遠心式の可変径プー
リに関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来よ
り、ベルトに対する有効径を変化させることのできる可
変径プーリを用いたベルト伝動装置が提供されている。
このベルト伝動装置では、油圧アクチュエータや電動モ
ータ等の駆動手段にて駆動される変速比調整用のテンシ
ョナによって、ベルトの張力を増大させつつベルトをた
ぐり寄せ、これにより、可変径プーリの有効径を変更し
て変速するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このベ
ルト伝動装置では、変速比調整用のテンショナ、このテ
ンショナを駆動させる駆動機構、およびこの駆動機構の
動作を制御するためのコントローラ等の機構を用いるこ
とが必要であり、このため、部品点数が多くて構造が複
雑であると共に製造コストが高く、また、配置スペース
を広くとるという問題がある。
【0004】そこで、遠心力により旋回径を増大させる
慣性部材によってプーリ主体を軸方向に押して変速する
可変径プーリが提供されている(例えば特開平2−16
9824号公報)。この場合、可変径プーリの構造を簡
素化でき、ベルト伝動装置に適用された場合に、ベルト
伝動装置の構造を簡素化できると共に、製造コストや配
置スペースを削減することができる。
【0005】通例、慣性部材は遠心方向にいくにしたが
って幅の狭くなる断面楔状の収容空間に配置される。ま
た、例えば一対のプーリ主体間に、外周面にベルトが巻
き掛けられる偏心可能な動力伝達リングを介在させる場
合、この動力伝達リングがプーリ主体の軸心から最大量
偏心したときに、慣性部材が最小径位置となる一方、動
力伝達リングがプーリ主体と同心の位置にあるときに、
慣性部材が最大径位置となる。慣性部材は、断面楔状の
収容空間を区画する一対の案内面によって支持される
が、求心方向にはフリーである。このようにフリーであ
っても、可変径プーリの回転中は、慣性部材は遠心力に
よって楔状の収容空間の狭い側へ付勢されているので、
問題ない。
【0006】一方、停止状態の可変径プーリを例えばエ
ンジンに組み付ける場合には、動力伝達リングが同心位
置にある状態で、すなわち、慣性部材が最大径位置にあ
る状態で組み付けた後、ベルトのテンションを負荷する
ようにしている。ところが、最大径位置にある慣性部材
は、楔状の収容空間が次第に広くなる求心方向へはフリ
ーなので、容易に求心方向へ移動してしまう。したがっ
て、動力伝達リングの同心位置を保った状態で組み付け
を行う作業が非常に困難であった。
【0007】また、可変径プーリ自体を組み立てるとき
にも、慣性部材の位置が不安定なので、組立作業が困難
であった。本発明は上記課題に鑑みてなされたものであ
り、本可変径プーリを組み立てるときや、本可変径プー
リをベルト変速システムに組み付けるときに、作業が行
い易い遠心式の可変径プーリを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の課題解決手段として、請求項1記載の発明の態様は、
遠心力により旋回径を増大させる慣性部材によって一対
のプーリ主体の少なくとも一方を軸方向に押し、上記一
対のプーリ主体に巻き回されたベルトの有効径を変更す
る可変径プーリにおいて、上記慣性部材を収容し、遠心
方向にいくほど狭くなる断面楔状の収容空間を区画する
一対の案内面と、慣性部材を遠心方向に弾性的に付勢す
ることにより、当該可変径プーリの停止時に慣性部材を
遠心方向の所定位置に保持する弾性部材とを備えること
を特徴とするものである。
【0009】本態様では、可変径プーリの回転を停止し
た状態で、慣性部材に遠心力は働かなくなるが、弾性部
材が慣性部材を遠心方向へ弾性的に付勢しているので、
慣性部材を遠心方向の所定位置に保持することができ
る。遠心方向の所定位置は、遠心方向へ最大量変位した
位置(最大径位置)であっても良いし、最大径位置と最
小径位置との間の予め定める中間位置であっても良い。
また、弾性部材としては、圧縮コイルばねであっても良
いし、板ばねであっても良い。
【0010】請求項2記載の発明の態様は、請求項1に
おいて、上記慣性部材は少なくとも一方の案内面を転動
する転動部材を含み、上記弾性部材は転動部材を摺接さ
せるプランジャを介して慣性部材を付勢することを特徴
とするものである。プランジャであれば、転動部材が案
内面に対してスムーズに転動することを妨げることのな
い形状や素材を自在に選べ、結果として、スムーズな変
速が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を添付図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の一実
施形態に係る可変径プーリの断面図である。本可変径プ
ーリは、巻きかけられたベルトの有効径を変化させるこ
とのできるものであり、駆動プーリおよび従動プーリの
少なくとも一方に適用される。
【0012】図1を参照して、本可変径プーリは、第1
及び第2の端部1a,1bを有する回転軸1の周囲に、
軸方向に移動自在な第1および第2の環状のプーリ主体
2,3を備えており、これらプーリ主体2,3の互いの
対向面にそれぞれ動力伝達面4,5を形成している。こ
れら一対の動力伝達面4,5は互いに逆向きに傾斜した
円錐テーパ状にされており、両動力伝達面4,5によっ
て、断面略台形形状の動力伝達リング6が、両プーリ主
体2,3の軸心Kに対して図1に示すように偏心可能に
挟持されている。Lはベルト7の幅中心の位置(以下で
は、ベルトセンタLともいう)である。
【0013】この動力伝達リング6の外周面にはベルト
7への伝動面8が形成され、この伝動面8にベルト7が
巻き掛けられている。伝動面8にはベルト7のリブと噛
み合う周溝が形成されている。動力伝達リング6の両側
面はそれぞれ対応する動力伝達面4,5と接触してトル
クを伝達する動力伝達面9,10を構成している。ま
た、可変径プーリは、第1及び第2のプーリ主体2,3
を互いに近づく方向に付勢する付勢手段としてのダイヤ
フラムスプリング11を備えており、このダイヤフラム
スプリング11は、回転軸1の第1の端部1aに一体に
設けられた円板フランジからなる連結部材12に、各々
複数の第1及び第2の連結軸13,14を介して一体回
転可能に連結されている。すなわち、連結部材12に
は、当該連結部材12を軸方向に貫通する複数のねじ孔
15が円周等配に形成されており、これら貫通孔15に
上記連結軸13,14のねじ部がねじ込まれて固定され
ている。そして、各連結軸13,14がダイヤフラムス
プリング11に形成された連結孔16に嵌め入れられ
て、ダイヤフラムスプリング11と連結部材12とがト
ルク伝達可能に連結されている。
【0014】また、上記のダイヤフラムスプリング11
の内径部17及び外径部18は、第1及び第2のプーリ
主体2,3にそれぞれ一体回転可能に係合されている。
これにより、両プーリ主体2,3とダイヤフラムスプリ
ング11が回転軸1と一体に回転するようになってい
る。例えば本可変径プーリを駆動プーリに適用した場合
には、回転軸1、ダイヤフラムスプリング11、両プー
リ主体2,3および動力伝達リング6を介してベルト7
へトルクが伝達される。従動プーリに適用した場合に
は、この逆でトルクが伝達される。
【0015】図1および図2を参照して、ダイヤフラム
スプリング11の内径部17及び外径部18には、それ
ぞれ円周等配に配置された放射状の連結溝19,20が
形成されている。また、ダイヤフラムスプリング11の
径方向の中間部において、第1及び第2の連結軸13,
14を貫通させてダイヤフラムスプリング11と連結部
材12とをトルク伝達可能に連結する上記連結孔16が
円周等配に形成されている。第1の連結軸13はダイヤ
フラムスプリング11の周方向の変位のみを規制するよ
うに連結孔16の内面に係合される。一方、第2の連結
軸14はダイヤフラムスプリング11の軸方向変位を規
制する。連結孔16の径方向位置(軸心Kからの距離)
はダイヤフラムスプリング11の内径部17と外径部1
8とを相等しいストローク量で互いに逆向きに変位させ
ることが可能となる位置に設定されることが好ましい。
【0016】第1のプーリ主体2は、上記テーパ状の動
力伝達面4を備える円形の環状板21と、この環状板2
1の内周に形成された長尺筒状のボス部22とを備えて
いる。環状板21の動力伝達面4の背面にはねじ23に
よってシールリテーナ24が固定され、このシールリテ
ーナ24の内周溝に、回転軸1の外周との間を密封する
シール部材25が収容されてている。また、シールリテ
ーナ24は回転軸1の第2の端部1bのねじ孔にねじ込
み固定されたボルト26の頭部の段付き状の当て面27
に摺動しながら当接する当接部28を有し、当接部28
を当て面27に当接させることにより、第1のプーリ主
体2の回転軸1からの抜け止め機能と、第1のプーリ主
体2の回転軸1に対する軸方向相対移動を規制する機能
とを果たしている。
【0017】筒状のボス部22は回転軸1を同軸上に挿
入させると共に、ボス部22の先端部は回転軸1の第1
の端部1aの近傍まで延びている。ボス部22は回転軸
1の周面に滑り軸受としての1又は複数のブッシュ29
を介して軸方向にスライド自在に支持されている。ま
た、ボス部12の先端部近傍に形成された内周溝に、O
リング30が収容されており、回転軸1の周面との間を
封止している。Oリング30とシール部材25とにより
ブッシュ29の収容空間が封止され、外部からの泥や水
がブッシュ29に到達しないようにされている。
【0018】第2のプーリ主体3は、動力伝達面5を有
する円形の環状板31と、この環状板31の内周に形成
された円筒状のボス部32とを備えている。環状板31
はボス部32の軸方向の中間部から径方向外方へ延びて
いる。第2のプーリ主体3のボス部32は、第1のプー
リ主体2のボス部22の周囲を取り囲み、この第1のプ
ーリ主体2のボス部22によって滑り軸受としてのブッ
シュ33を介して軸方向にスライド自在に支持されてい
る。ブッシュ33を軸方向に挟んだ両側には、一対のO
リング34,35が配置されており、これら一対のOリ
ング34,35によってブッシュ33が収容される空間
を密封し、ブッシュ33に泥や水が到達しないようにさ
れている。Oリング34はボス部32の内周溝に嵌め入
れられる一対のスナップリング36,37間に保持され
ている。
【0019】また、上記環状板31の径方向外縁から軸
方向(動力伝達面5と反対側)に延びる筒状部38が一
体に形成され、この筒状部38の先端縁から径方向外方
へ延びる環状フランジ39が一体に形成されている。環
状フランジ39の側面には、ダイヤフラムスプリング1
1の外径部18の複数の連結溝20にそれぞれ嵌め入れ
られる複数の板状の連結突起40が円周等配で放射状に
形成されている。第2のプーリ主体3がダイヤフラムス
プリング11の外径部18によって環状フランジ39を
介して押圧されて、第2のプーリ主体3が第1のプーリ
主体2へ相対的に近づく方向に付勢される一方、第1の
プーリ主体2がダイヤフラムスプリング11の内径部1
7によって連結部44を介して押圧されて、第1のプー
リ主体2が第2のプーリ主体3へ相対的に近づく方向へ
付勢される。
【0020】また、第2のプーリ主体3の動力伝達面5
の背面41(円板部21の背面41に相当)には、第1
の案内面形成体42がねじ43により固定されている。
一方、第1のプーリ主体2のボス部22は、第2のプー
リ主体3のボス部32を貫通して第2のプーリ主体3の
動力伝達面5の背面41側へ延びており、ボス部22の
端部が第2のプーリ主体3の背面側へ延びる部分を構成
している。この背面側へ延びる部分としてのボス部22
の端部には、当該端部とダイヤフラムスプリング11の
内径部17とを一体回転可能に連結するための環状の連
結部44が取り付けられている。
【0021】この連結部44は、ボス部22の先端部に
例えばスプライン嵌合により一体回転可能に連結される
環状の第1の部材45と、この第1の部材45に例えば
スプライン嵌合により一体回転可能に連結される環状の
第2の部材46と、第2の部材46にねじ47により固
定される環状のカバー48とを有している。図1におい
て、49は第1の部材45のボス部22に対する軸方向
移動を規制するようにボス部22の周溝に嵌め入れられ
たスナップリングである。50は第2の部材46の第1
の部材45に対する軸方向移動を規制するように第1の
部材45の周溝に嵌め入れられたスナップリングであ
る。
【0022】上記第1の部材45は筒状部51と、この
筒状部51の一端から径方向外方へ延びる環状フランジ
52とを有する。第2の部材46は第1の部材45の筒
状部51の外周に嵌められる筒状部53と、この筒状部
53の一端から径方向外方へ延びる環状フランジからな
る押圧板部54とを有する。この押圧板部54はダイヤ
フラムスプリング11の内径部17を軸方向に押す。
【0023】押圧板部54には、円周等配で放射状に複
数の連結突起55が形成されている。上記の押圧板部5
4がダイヤフラムスプリング11の内径部17によって
押圧され、第1のプーリ主体2が第2のプーリ主体3へ
相対的に近づく方向に付勢されている。また、複数の連
結突起55は、ダイヤフラムスプリング11の内径部1
7の複数の連結溝19にそれぞれ嵌め入れられ、これに
より、連結部44を介してダイヤフラムスプリング11
と第1のプーリ主体2とが一体回転するようにされてい
る。
【0024】第1の部材45の環状フランジ52には、
第2の案内面形成体56がねじ57により固定されてい
る。第1及び第2の案内面形成体42,56の対向面同
士の間に区画される環状の収容空間58内にローラを含
む慣性部材59が収容されている。また、第1及び第2
の案内面形成体42,56は相対向する第1及び第2の
案内面60,61を有している。各案内面60,61は
互いに逆向きの円錐テーパ面からなり、両案内面60,
61間に案内されて慣性部材59が遠心方向及び求心方
向に変位する。
【0025】上記の収容空間58は、径方向外方へいく
ほど幅狭となる断面楔状の空間である。第2のプーリ主
体3のボス部32には収容空間58の径方向内方に対応
して環状体62が外嵌固定され、環状体62には当該環
状体62を径方向に貫通する複数の案内孔63が形成さ
れる。各案内孔63には対応する慣性部材59に当接す
るプランジャ64が進退自在に収容されると共に、プラ
ンジャ64を介して対応する慣性部材59を遠心方向
(径方向外方)へ押す弾性部材としての圧縮コイルばね
65が収容されている。この圧縮コイルばね65はボス
部32の外周面とプランジャ64との間に介在してい
る。プランジャ64はその頭部の平坦面を慣性部材59
の後述する外ローラ66の周面に当接させ、外ローラ6
6のスムーズな回転を妨げないようにしている。
【0026】図3を参照して、慣性部材59は、転動部
材としての、外ローラ66および内ローラ67を含んで
おり、内ローラ67は、外ローラ66を同心に貫通して
いる。両ローラ66,67は軸受68を介して相対回転
自在に連結されている。軸受68としては、例えばメタ
ル製のブッシュ等のすべり軸受、又は転がり軸受を用い
ることができる。
【0027】外ローラ66は図1に示す第1の案内面6
0によって案内されて転動する。一方、第2の案内面形
成体56は、第1の案内面60に対向する面に放射状に
延びる複数の案内溝69を形成している。この案内溝6
9の両縁部によって対をなす第2の案内面61,61が
構成されており、これら第2の案内面61,61によっ
て内ローラ67の対向する端部70,70がそれぞれ案
内されて転動する。
【0028】案内溝69は外ローラ66の一部を収容し
つつ外ローラ67の変位を許容し、且つ案内溝69の底
部71と外ローラ66の外周面72との接触は回避され
ている。また、案内溝69の相対向する内壁面73,7
3が外ローラ66の両端面74,74にそれぞれ当接す
ることにより、外ローラ66の軸方向変位を規制してい
る。
【0029】慣性部材59が収容空間58内において遠
心方向及び求心方向に変位することにより、両案内面6
0,61間の間隔が増減され、これにより、両プーリ主
体2,3間の間隔が増減されて変速が達成される。変速
時において、各ローラ66,67が対応する案内面6
0,61に対してそれぞれ転がり移動するので、非常に
スムーズな変速が可能となる。したがって、両案内面6
0,61がなす角度θを小さくすることも可能となり、
結果として、可変径プーリの小型化を図ることができ
る。
【0030】また、両ローラ66,67をそれぞれ案内
する両案内面60,61を互いに近づけて配置できるの
で、可変径プーリの一層の小型化を図ることができる。
また、案内溝69の内壁面73,73によって外ローラ
66のがたつき防止し、また、案内溝69の両縁部とし
ての第2の案内面61,61によって内ローラ67の対
向する端部70,70を案内するので、両ローラ66、
67がスムーズに変位でき、この点からもスムーズな変
速が可能となる。
【0031】一方、収容空間58の外周は第2のプーリ
主体3の筒状部38によって区画されている。75は第
2の案内面形成体56の外周面に固定された環状のシー
ルリテーナであり、このシールリテーナ75の外周溝に
は、第2のプーリ主体3の筒状部38の内周面に摺動自
在なOリング76が保持されている。Oリング76によ
って上記の収容空間58が密封されるので、収容空間5
8内への泥や水の侵入が防止される。
【0032】本実施形態では、ベルト7の走行速度が増
して可変径プーリの回転速度が増すと、ローラからなる
慣性部材59が収容空間58内を遠心方向に(図1に示
す状態から図4に示す状態へと)自動的に変位すること
により、ダイヤフラムスプリング11と共働して両プー
リ主体2,3を介して動力伝達リング6を上記軸心Kと
同心位置に付勢し、ベルト7に対する有効径Dを変化さ
せることができる。
【0033】図4に示す状態では、圧縮コイルばね65
に付勢されたプランジャ64が、慣性部材59の遠心方
向への最大量変位に追従して、案内孔63から所定量進
出している。プランジャ64は慣性部材59に摺接する
が、圧縮コイルばね65の付勢力が微小なものなので、
慣性部材59が受ける摩擦抵抗は影響ないレベルであ
る。
【0034】一方、本可変径プーリをベルト変速システ
ムに組みつけるときには、まず動力伝達リング6を同心
位置にしておいてから、ベルト張力を負荷するようにし
ているが、このときにも、図4に示す状態と同様の状態
となり、圧縮コイルばね65によって慣性部材59が遠
心方向へ最大量変位した位置(最大径位置)に保持され
て動力伝達リング6が同心位置に保持されているので、
ベルト変速システムへの組み付け作業も容易である。
【0035】同様に本可変径プーリ自体を組み立てると
きにも、圧縮コイルばね65によって慣性部材59が遠
心方向へ最大量変位した位置(最大径位置)に保持され
るので、可変径プーリの組立作業が容易である。また、
プランジャ64の頭部の平坦面を介して慣性部材59を
押圧するようにしたので、プランジャ64として、慣性
部材59の外ローラ66が第1の案内面60に対してス
ムーズな転動することを妨げることのない形状や素材を
自在に選べる。その結果として、スムーズな変速が可能
となる。
【0036】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、例えば、圧縮コイルばねに代えて板ばね
を用いることができる。板ばねの場合、例えばZ字形形
状として、プランジャを用いずに板ばねの平坦面にて慣
性部材59を直接押すようにしても良い。板ばねとし
て、断面くの字形形状をなす環状又は円弧状のものを採
用し、くの字の一方の片部により慣性部材59を押すよ
うにしても良い。
【0037】また、上記実施形態では、ベルト張力が負
荷されない可変径プーリの停止時に、圧縮コイルばね6
5によって慣性部材59を最大径位置に保持したが、こ
れに限らず、予め定める最大径位置と最小径位置との中
間の位置に保持するようにしても良い。また、慣性部材
として球を用いることもできる。その他、本発明の範囲
で種々の変更を施すことができる。
【0038】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、停止時にも弾
性部材によって慣性部材を遠心方向の所定位置に保持で
きるので、本可変径プーリを組み立てたり、本可変径プ
ーリをベルト変速システムに組み付けたりするときに、
作業を行い易い。請求項2記載の発明では、慣性部材に
接するプランジャとして、転動部材が案内面に対してス
ムーズに転動することを妨げることのない形状や素材を
自在に選べ、結果として、スムーズな変速が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の可変径プーリの断面図で
あり、回転速度が遅くて動力伝達リングが偏心している
状態を示している。
【図2】ダイヤフラムスプリングの側面図である。
【図3】可変径プーリの要部の一部破断斜視図である。
【図4】動力伝達リングが同心位置へ変位した際の可変
径プーリの断面図である。
【符号の説明】 1 回転軸 2 第1のプーリ主体 3 第2のプーリ主体 4,5 動力伝達面 6 動力伝達リング 7 ベルト 11 ダイヤフラムスプリング 42 第1の案内面形成体 56 第2の案内面形成体 58 収容空間 59 慣性部材 60 第1の案内面 61 第2の案内面 62 環状体 63 案内孔 64 プランジャ 65 圧縮コイルばね(弾性部材) 66 外ローラ(転動部材)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遠心力により旋回径を増大させる慣性部材
    によって一対のプーリ主体の少なくとも一方を軸方向に
    押し、上記一対のプーリ主体に巻き回されたベルトの有
    効径を変更する可変径プーリにおいて、 上記慣性部材を収容し、遠心方向にいくほど狭くなる断
    面楔状の収容空間を区画する一対の案内面と、 慣性部材を遠心方向に弾性的に付勢することにより、当
    該可変径プーリの停止時に慣性部材を遠心方向の所定位
    置に保持する弾性部材とを備えることを特徴とする可変
    径プーリ。
  2. 【請求項2】上記慣性部材は少なくとも一方の案内面を
    転動する転動部材を含み、 上記弾性部材は転動部材の周面を摺接させるプランジャ
    を介して慣性部材を付勢することを特徴とする請求項1
    記載の可変径プーリ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008127599A (ja) * 2006-11-17 2008-06-05 Nippon Steel Corp 凝固組織が微細な鋼鋳片
JP2017161028A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 株式会社エクセディ プーリ装置
JP2017161026A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 株式会社エクセディ プーリ装置

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