JP2000291754A - 摩擦ローラ式変速機 - Google Patents

摩擦ローラ式変速機

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JP2000291754A
JP2000291754A JP11100414A JP10041499A JP2000291754A JP 2000291754 A JP2000291754 A JP 2000291754A JP 11100414 A JP11100414 A JP 11100414A JP 10041499 A JP10041499 A JP 10041499A JP 2000291754 A JP2000291754 A JP 2000291754A
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JP
Japan
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roller
rotating shaft
outer ring
center
cylindrical surface
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JP11100414A
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English (en)
Inventor
Koichi Sakai
幸一 坂井
Ryoichi Otaki
大滝  亮一
Atsushi Ozawa
敦 尾澤
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝達すべきトルクが変動した場合にも伝達効
率を確保する構造で、安定した動作の確保と騒音の発生
防止とを図る。 【解決手段】 運転時に外輪15aに加わるラジアル荷
重を、ウェッジローラ11cでは受けず、ガイドローラ
10a、10bにより受ける。出力軸及び上記外輪15
aが傾斜するのを防止して、上記課題を解決する。或
は、出力軸の途中に、緩いスプライン係合部を設け、上
記外輪15aを傾斜させようとする力を吸収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種機械装置に
組み込んで、減速或は増速しつつ回転運動を伝達する摩
擦ローラ式変速機の改良に関し、優れた伝達効率を確保
できる構造を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】摩擦ローラ式変速機は、遊星歯車式等の
歯車式変速機に比べて、高速で運転した場合にも発生す
る騒音が小さい。この為、例えば摩擦ローラ式変速機を
電動モータの出力部に組み付けて減速機として使用し、
この電動モータの回転運動を減速すると共にトルクを増
大させる構造が、例えば特開平8−210455号公報
に記載されている。この公報等に記載された一般的な摩
擦ローラ式変速機は、各ローラの周面同士の当接圧を、
伝達すべきトルクの変動に拘らず、常に一定のままに保
持している。この為、伝達効率が必ずしも良好とは言え
ない。良好な伝達効率を確保する為には、伝達すべきト
ルクが小さい場合には上記当接圧を低くし、反対に伝達
すべきトルクが大きい場合には上記当接圧を高くする事
が考えられる。
【0003】この様に、伝達すべきトルクの大きさに応
じて、各ローラの周面同士の当接圧を変化させる構造と
して、米国特許第4709589号明細書には、図5〜
7に示す様な摩擦ローラ式変速機が記載されている。こ
の従来の摩擦変速機は、有底円筒状の本体1とこの本体
1の基端開口部を塞ぐ蓋体2とから成る固定のハウジン
グ3内に中心ローラ4の内半部(図5の右半部)を、上
記蓋体2の略中央部に形成した通孔5を通じて挿入して
いる。尚、この通孔5は、上記蓋体2の中心から、少し
だけ外れた位置に設けている。又、上記中心ローラ4の
外半部(図5の左半部)で上記蓋体2から突出した部分
には、第一の回転軸である入力軸6の端部を結合固定し
ている。
【0004】又、上記ハウジング3の内側で上記中心ロ
ーラ4の周囲部分には、3本の枢軸7a、7b、7c
を、それぞれこの中心ローラ4と平行に配置している。
即ち、これら各枢軸7a、7b、7cの一端部(図5の
左端部)を上記蓋体2に支持すると共に、他端部(図5
の右端部)を連結板8に支持している。尚、これら3本
の枢軸7a、7b、7cのうち、図6〜7の上部中央に
位置する1本の枢軸7aは、その両端部を上記蓋体2及
び連結板8に形成した嵌合孔に圧入固定している。従っ
て、この枢軸7aが、上記ハウジング3内で円周方向或
は直径方向に変位する事はない。
【0005】これに対して、図6〜7の下部左右両側に
位置する残り2本の枢軸7b、7cは、両端部を上記蓋
体2及び連結板8に対し、上記ハウジング3の円周方向
及び直径方向に亙る若干の変位自在に支持している。こ
の為に、上記蓋体2及び連結板8の一部で上記枢軸7
b、7cの両端部に整合する部分には、図7に示す様
に、上記両枢軸7b、7cの外径よりも大きな内径を有
する支持孔9、9を形成し、これら各支持孔9、9に、
上記両枢軸7b、7cの両端部を緩く係合させている。
そして、これら各枢軸7a、7b、7cの中間部周囲
に、それぞれが中間ローラであるガイドローラ10及び
ウェッジローラ11a、11bを、それぞれラジアルニ
ードル軸受12により、回転自在に支持している。尚、
上記連結板8は、上記蓋体2の内面(上記ガイドローラ
10及びウェッジローラ11a、11bを設置した空間
側の面で、図5の右面)の一部で、上記ガイドローラ1
0及びウェッジローラ11a、11bから外れた位置に
突設した突部13、13に突き当て、連結ボルト14、
14により、上記蓋体2に連結固定している。
【0006】又、上記ハウジング3の内側で上記ガイド
ローラ10及びウェッジローラ11a、11bを囲む部
分には、円環状の外輪15を、回転自在に設けている。
この外輪15の内周面中央部は直径方向内方に突出させ
る事により、土手状の凸部16とし、この凸部16の内
周面を第二の円筒面17としている。そして、この第二
の円筒面17と、上記ガイドローラ10及びウェッジロ
ーラ11a、11bの外周面である第三の円筒面18、
18とを当接自在としている。又、上記外輪15には、
結合ブラケット19の外径側端部を外嵌固定し、この結
合ブラケット19の中心部に、出力軸20の内端部を結
合固定している。この出力軸20は、前記ハウジング3
を構成する本体1の中央部に形成した第二の通孔21を
回転自在に挿通して、このハウジング3外に突出させて
いる。
【0007】上記ガイドローラ10及びウェッジローラ
11a、11bの外周面である、上記各第三の円筒面1
8、18は、それぞれ前記中心ローラ4の外周面に設け
た第一の円筒面22と、上記外輪15の内周面に設けた
上記第二の円筒面17とに当接させている。上記中心ロ
ーラ4の中心と上記出力軸20及び外輪15の中心とは
互いに偏心している。即ち、前述の様に、上記中心ロー
ラ4を挿通する通孔5は、上記ハウジング3の中心から
少しだけ外れた位置に設けているのに対して、上記出力
軸20を挿通する第二の通孔21は、上記ハウジング3
の中心に設けている。又、この第二の通孔21の内側に
回転自在に支持した出力軸20と外輪15とは、互いに
同心である。従って、上記中心ローラ4と上記外輪15
及び出力軸20とは、上記通孔5のハウジング3の中心
からのずれ量δ(図5参照)分だけ、互いに偏心してい
る。そして、上記中心ローラ4の外周面に設けた上記第
一の円筒面22と上記外輪15に設けた上記第二の円筒
面17との間に存在して上記ガイドローラ10及びウェ
ッジローラ11a、11bが設けられた環状空間23の
幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う分だけ、円周方向
に亙り不同になっている。
【0008】この様に、上記環状空間23の幅寸法を円
周方向に亙り不同にした分、上記ガイドローラ10及び
ウェッジローラ11a、11bの外径を異ならせてい
る。即ち、上記外輪15に対し中心ローラ4が偏心して
いる側(図5〜7の下側)に位置するウェッジローラ1
1a、11bの径を、互いに同じとすると共に比較的小
径にしている。これに対し、上記外輪15に対し中心ロ
ーラ4が偏心しているのと反対側(図5〜7の上側)に
位置するガイドローラ10の径を、上記両ウェッジロー
ラ11a、11bよりも大きくしている。そして、これ
ら3個の、それぞれが中間ローラであるガイドローラ1
0及びウェッジローラ11a、11bの外周面である第
三の円筒面18、18を、上記第一、第二の円筒面2
2、17に当接させている。
【0009】尚、それぞれが中間ローラである、上記1
個のガイドローラ10及び2個のウェッジローラ11
a、11bのうち、ガイドローラ10を支持した枢軸7
aは、前述の様に、上記ハウジング3内に固定してい
る。これに対して、ウェッジローラ11a、11bを支
持した枢軸7b、7cは、やはり前述した様に上記ハウ
ジング3内に、円周方向及び直径方向に亙る若干の変位
を自在に支持している。従って、上記ウェッジローラ1
1a、11bも、上記ハウジング3内で円周方向及び直
径方向に亙り若干の変位自在である。そして、前記蓋体
2のシリンダ孔24、24内に装着した圧縮コイルばね
25、25等の弾性材により、上記各ウェッジローラ1
1a、11bを支持した枢軸7b、7cを、これら各枢
軸7b、7cに回転自在に支持したウェッジローラ11
a、11bを前記環状空間23の幅の狭い部分に向け移
動させるべく、弾性的に軽く押圧している。
【0010】上述の様に構成される従来構造の摩擦ロー
ラ式変速機の場合、入力軸6に結合した中心ローラ4の
回転は、この中心ローラ4の外周面である第一の円筒面
22と、ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、
11bの外周面である第三の円筒面18、18との当接
部である、各内径側当接部26、26を介して、これら
ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11bに
伝わる。更に、これらガイドローラ10及びウェッジロ
ーラ11a、11bの回転は、上記各第三の円筒面1
8、18と前記外輪15の内周面に設けた第二の円筒面
17との当接部である、各外径側当接部27、27を介
して、この外輪15に伝わる。そして、この外輪15に
結合固定した前記出力軸20が回転する。
【0011】上記中心ローラ4が図6〜7の時計方向
(又は反時計方向)に、外輪15が同じく反時計方向
(又は時計方向)に、それぞれ回転すると、図6〜7の
右側の枢軸7b(又は左側の枢軸7c)に回転自在に支
持したウェッジローラ11a(又は11b)が、上記第
一、第二の円筒面22、17同士の間に存在する環状空
間23内で、この環状空間23の幅の狭い部分(図6〜
7の下側中央部分)に向け移動する。この結果、上記枢
軸7b(又は7c)に回転自在に支持したウェッジロー
ラ11a(又は11b)の外周面である第三の円筒面1
8が、上記第一の円筒面22と第二の円筒面17とを強
く押圧する。そして、当該ウェッジローラ11a(又は
11b)に関する第三の円筒面18と上記第一の円筒面
22との当接部である内径側当接部26、及び、当該ウ
ェッジローラ11a(又は11b)に関する第三の円筒
面18と上記第二の円筒面17との当接部である外径側
当接部27の当接圧が高くなる。
【0012】上記1個のウェッジローラ11a(又は1
1b)に関する内径側、外径側両当接部26、27の当
接圧が高くなると、上記中心ローラ4と外輪15とのう
ちの少なくとも一方の部材が、組み付け隙間、或は弾性
変形等に基づき、それぞれの直径方向に亙り僅かに変位
する。この結果、残り2個の中間ローラである、ガイド
ローラ10及びウェッジローラ11b(又は11a)の
外周面である第三の円筒面18、18と上記中心ローラ
4の外周面である第一の円筒面22との当接部である2
個所の内径側当接部26、26、及びこれらウェッジロ
ーラ11b(又は11a)及びガイドローラ10の外周
面である第三の円筒面18、18と外輪15の内周面で
ある第二の円筒面17との当接部である2個所の外径側
当接部27、27の当接圧が高くなる。
【0013】上記1本の枢軸7b(又は7c)に回転自
在に支持したウェッジローラ11a(又は11b)を、
上記環状空間23内でこの環状空間23の幅の狭い部分
に向け移動させようとする力は、上記中心ローラ4から
上記外輪15に伝達するトルクの大きさに応じて変化す
る。即ち、上記中心ローラ4の駆動トルクが大きくなる
程、上記ウェッジローラ11a(又は11b)を上記環
状空間23の幅の狭い部分に向け移動させようとする力
が大きくなる。そして、この力が大きくなる程、上記各
内径側、外径側両当接部26、27の当接圧が大きくな
る。逆に言えば、上記駆動トルクが小さい場合には、こ
れら各内径側、外径側両当接部26、27の当接圧が小
さい。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用する、従来から知られている摩擦ローラ式変速機を、
出力軸20にラジアル荷重が加わる状態で使用すると、
作動不良が発生する場合がある。即ち、上記出力軸20
から動力を取り出す為、この出力軸20の端部にプーリ
やスプロケットを固定し、これらプーリやスプロケット
にベルトやチェンを巻き掛けた場合には、これらベルト
やチェンの張力に基づき、上記出力軸20にラジアル荷
重が加わる。又、上記出力軸20の端部に歯車を固定し
た場合でも、この歯車と他の歯車との噛み合いに基づ
き、この出力軸20にラジアル荷重が加わる。
【0015】この様なラジアル荷重により上記出力軸2
0が傾斜すると、この出力軸20に固定した外輪15の
内周に設けた第二の円筒面17とウェッジローラ11
a、11bの外周に設けた第三の円筒面18、18との
当接状態が不正規になる。この結果、トルク伝達を行な
うべき状態に拘らず、何れのウェッジローラ11a、1
1bも環状空間23の幅の狭い部分に向け移動しなくな
って、トルクの伝達ロスが大きくなる可能性を生じる。
或は逆に、一度環状空間23の幅の狭い部分に向け移動
たウェッジローラ11a、11bが、この幅の狭い部分
から抜け出しにくくなって、摩擦ローラ変速機の運転に
伴う騒音が著しくなる他、空転すべきウェッジローラ1
1a、11bの外周面である第三の円筒面18が第一、
第二の円筒面22、17と滑り摩擦する為、摩擦損失も
多くなる。本発明の摩擦ローラ式変速機は、上述の様な
事情に鑑みて発明したものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦ローラ式変
速機は何れも、前述した従来から知られている摩擦ロー
ラ式変速機と同様に、第一の回転軸と、この第一の回転
軸の端部にこの第一の回転軸と同心に固定され、外周面
を第一の円筒面とした中心ローラと、内周面を第二の円
筒面として上記中心ローラの周囲に、この中心ローラに
対する相対回転を自在に設けた外輪と、この外輪と同心
で一端部をこの外輪に結合固定した第二の回転軸と、上
記第一の円筒面と上記第二の円筒面との間の環状空間内
に、上記第一の回転軸と平行に配置された複数本の枢軸
と、これら各枢軸により回転自在に支持され、それぞれ
の外周面を第三の円筒面とした複数個の中間ローラとを
備える。そして、上記第一の回転軸の中心と上記第二の
回転軸及び外輪の中心とを偏心させる事により、上記環
状空間の幅寸法を円周方向に亙って不同にし、上記複数
個の中間ローラのうちの少なくとも1個の中間ローラ
を、少なくとも上記内部空間の円周方向に亙る若干の変
位自在に支持してウェッジローラとする共に、残りの中
間ローラをガイドローラとする事により、上記第一の回
転軸及び外輪が所定方向に回転した場合に、上記ウェッ
ジローラとなる少なくとも1個の中間ローラを、上記環
状空間の幅の狭い部分に向け移動自在としている。
【0017】特に、請求項1に記載した摩擦ローラ式変
速機に於いては、上記第一の回転軸と上記第二の回転軸
との間に加わるラジアル荷重を、上記ガイドローラとな
る中間ローラにより支承する様に、使用状態での組み付
け方向を規制している。更に、請求項2に記載した摩擦
ローラ式変速機に於いては、上記第二の回転軸と同心に
配置された第三の回転軸を備える。そして、この第三の
回転軸の一部にラジアル荷重を受ける部材を支持固定す
ると共に、この第三の回転軸の端部と上記第二の回転軸
の端部とをスプライン係合させている。このスプライン
係合は、第二、第三の回転軸の中心軸同士が若干折れ曲
がり方向に変位する事を許容する程度に緩くする。
【0018】
【作用】上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式変速
機によれば、何れの場合も、第二の回転軸が傾斜するの
を防止できる。先ず、請求項1に記載した摩擦ローラ式
変速機の場合には、第二の回転軸から外輪に加わるラジ
アル荷重を、固定の枢軸により支承された、ガイドロー
ラとなる中間ローラにより支承する為、上記外輪が直径
方向に変位する事を阻止し、この外輪に結合固定した上
記第二の回転軸が傾斜する事を防止できる。又、請求項
2に記載した摩擦ローラ式変速機の場合には、ラジアル
荷重に基づいて第三の回転軸が傾斜した場合でも、この
傾斜はスプライン係合部が吸収し、第二の回転軸が傾斜
する事を防止する。この為、請求項1、2に記載した何
れの摩擦ローラ式変速機の場合でも、ウェッジローラと
なる中間ローラの作動を安定させて、良好な伝達効率の
確保と騒音の発生防止とを図れる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の具体的構造の1例を示している。本例の摩擦ローラ式
変速機の基本構造は、前述の図5〜7に示した従来構造
とほぼ同様である。但し、本例の場合には、3個の中間
ローラのうち、2個の中間ローラをガイドローラ10
a、10bとし、残り1個の中間ローラのみを、ウェッ
ジローラ11cとしている。従って、本例の場合には、
一方向の回転力のみを伝達可能であり、逆方向の回転力
に対しては内部で滑りが発生して、この回転力を伝達し
ない。本例の摩擦ローラ式変速機28は、減速機として
使用する事を考慮している為、中心ローラ4aを入力側
とし、有底円筒状の外輪15aの中心部に出力軸20a
の基端部(図1の右端部)を結合固定している。この様
な摩擦ローラ式変速機28の場合、上記中心ローラ4a
が図2で反時計方向に回転する場合には回転力の伝達を
自在とし、同じく時計方向に回転する場合(或は中心ロ
ーラ4aが停止状態のまま、外輪15aが図2で時計方
向に回転する場合)には、回転力の伝達を行なわせな
い。
【0020】この様な本例の摩擦ローラ式変速機28を
収納するハウジング29は、基部30とカバー部31と
を最中状に組み合わせて成る。このうちの基部30の片
面(図1の左側面)の円周方向に離隔した3個所位置に
突部13a、13aの基端部を結合し、これら各凸部1
3a、13aの先端部に、円板状の連結板8aをねじ止
め固定している。そして、この連結板8aと上記基部3
0との間に、3本の枢軸7a´、7b´、7c´の両端
部を支持している。これら3本の枢軸7a´、7b´、
7c´のうちの2本の枢軸7a´、7b´の両端部は、
上記基部30及び連結板8aに対し、がたつきなく(円
周方向及び直径方向に変位不能に)支持固定している。
上記各枢軸7a´、7b´の中間部には前記ガイドロー
ラ10a、10bを、それぞれラジアルニードル軸受3
3、33により、回転自在に支持している。尚、図示の
例では、一方(図1〜2の中央下方)のガイドローラ1
0aを、上記中心ローラ4aの外周面と上記外輪15a
の内周面との間の環状空間23aの、最も幅が広くなっ
た部分に配置している。これに対して、他方(図2の左
上方)のガイドローラ10bを、上記環状空間23aの
最も幅が広くなった部分と最も狭くなった部分との間部
分に配置している。
【0021】これに対して、残り1本の枢軸7c´の両
端部は、上記基部30及び連結板8aに形成した係合凹
部32或は係合溝に遊合させる事により、円周方向亙る
変位並びに直径方向に亙る若干の変位自在に支持してい
る。そして、上記枢軸7c´の中間部に前記ウェッジロ
ーラ11cを、ラジアルニードル軸受により回転自在に
支持している。又、上記枢軸7c´とこの枢軸7c´が
隣接する突部13aとの間に、圧縮コイルばね25と押
圧片34とを設けて、この枢軸7c´及び上記ウェッジ
ローラ11cを、上記環状空間23aの幅が狭くなる方
向に押圧している。この様な構造の場合には、前記中心
ローラ4aが図2で反時計方向に回転する場合にのみ、
この中心ローラ4aに付与されたトルクに応じた当接圧
を各当接部に付与し、この中心ローラ4aから上記外輪
15aへの回転力伝達を行なわせる。この際の作用は、
前述した従来構造とほぼ同様であるから、詳しい説明は
省略する。
【0022】一方、前記外輪15aにその基端部を結合
固定した出力軸20aの中間部は、前記カバー部31に
対し回転自在に支持している。即ち、このカバー部31
に設けた円筒状の支持筒部35の内側に上記出力軸20
aを、それぞれが深溝型の玉軸受である、1対の転がり
軸受36a、36bにより、回転自在に支持している。
又、上記支持筒部35の先端部(図1の左端部)内周面
と上記出力軸20aの中間部先端寄り部分の外周面との
間には、シールリング37を設けて、前記ハウジング2
9の内外を遮断している。
【0023】更に、上記出力軸20aの先端部で上記支
持筒部35から突出した部分には、プーリ、スプロケッ
ト、歯車等の動力伝達部材38を固定している。本例の
摩擦ローラ式変速機28を各種機械装置に組み込み、こ
の動力伝達部材38に無端ベルトやチェンを掛け渡した
状態で、或は他の歯車と噛合させて動力を伝達する状態
で、上記動力伝達部材38を介して上記出力軸20aに
は、所定方向のラジアル荷重が加わる。
【0024】本例の場合には、このラジアル荷重の作用
方向と前記各中間ローラの配列位置とを規制している。
即ち、上記出力軸20aに加わるラジアル荷重を、前記
各ガイドローラ10a、10bとなる中間ローラにより
支承する様に、使用状態での組み付け方向を規制してい
る。より具体的には、上記出力軸20aの中心と上記各
ガイドローラ10a、10bを支承している枢軸7a
´、7b´の中心とを結ぶ直線の間部分(図2のα範
囲)に、上記ラジアル荷重が加わる様に、上記摩擦ロー
ラ式変速機の組み付け方向を規制している。この為、上
記出力軸20aから前記外輪15aに加わるラジアル荷
重を、それぞれが位置固定の枢軸7a´、7b´により
支承された、ガイドローラ10a、10bである中間ロ
ーラにより支承する。この為、上記外輪15aが直径方
向に変位する事を阻止し、この外輪15aに結合固定し
た上記出力軸15aが傾斜する事を防止して、安定した
運転状態の実現と騒音の発生防止とを図れる。
【0025】尚、図1〜2に示した実施の形態の第1例
は、3個の中間ローラのうちの2個をガイドローラ10
a、10bとし、残り1個の中間ローラをウェッジロー
ラ11cとした構造に本発明を適用した場合に就いて説
明した。この様な構造は、入力軸及び出力軸の回転方向
が常に一定の場合に有用であり、逆方向の回転力の伝達
を阻止する、一方向クラッチの機能を合わせ持たせる事
ができる。これに対して、前述の図5〜7に示した従来
構造の如く、入力軸6及び出力軸20が何れの方向に回
転した場合でも、回転力の伝達を行なわせる構造にも、
本発明を適用できる。
【0026】但し、この場合には、ガイドローラ10と
して機能する中間ローラが1個のみである為、ラジアル
荷重がこのガイドローラ10に加わる様にする。具体的
には、それぞれが出力軸20の中心を通る上記ガイドロ
ーラ10の外周面である第三の円筒面18に関する2本
の接線同士の間部分で、上記ラジアル荷重を負荷する。
この様な部分にラジアル荷重を負荷するのは、本発明の
実施の形態の第2例を示す図3の様に、それぞれが中間
ローラであるガイドローラ10cとウェッジローラ11
dとを、それぞれ1個ずつ設けた構造でも、同様であ
る。即ち、この様な場合には、それぞれが出力軸の中心
を通る上記ガイドローラ10cの外周面である第三の円
筒面18に関する2本の接線同士の間部分である、図3
のβ範囲に上記ラジアル荷重が加わる様に、摩擦ローラ
式変速機の組み付け方向を規制する。
【0027】次に、図4は、請求項2に対応する、本発
明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合に
は、第二の回転軸である出力軸20bと同心に配置し
た、第三の回転軸である伝達軸39を、それぞれが深溝
型の玉軸受である1対の転がり軸受36c、36cによ
り、支持フレーム40の一部に回転自在に支持してい
る。そして、上記伝達軸39の先端部(図4の左端部)
に、ラジアル荷重を受ける部材である動力伝達部材38
を支持固定すると共に、上記伝達軸39の基端部と上記
出力軸20bとをスプライン係合させている。即ち、こ
の伝達軸39の基端面にスプライン孔41を形成すると
共に、上記出力軸20bの先端部にスプライン軸部42
を形成している。そして、このスプライン軸部42を上
記スプライン孔41に挿入して、上記出力軸20bと伝
達軸39との間で回転力の伝達を自在としている。尚、
上記スプライン軸部42とスプライン孔41とによるス
プライン係合は、上記出力軸20bと上記伝達軸39と
の中心軸同士が若干折れ曲がり方向に変位する事を許容
する程度に、緩くする。
【0028】上述の様に構成する本例の摩擦ローラ式変
速機28aの場合には、ラジアル荷重に基づいて上記伝
達軸39が傾斜した場合でも、この傾斜は上記スプライ
ン軸部42とスプライン孔41とによるスプライン係合
部が吸収する。従って、特にラジアル荷重の負荷方向を
考慮しなくても、上記出力軸20bが傾斜する事を防止
できる。その他の構造及び作用は、前述した第1例の場
合と同様であるから、重複する説明は省略する。尚、何
れの実施の形態に就いても、入力軸と出力軸とを図示の
例とを逆にし、増速機として使用する事もできる。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、伝達すべきトルクが変動する様な使用状態
でも常に良好な伝達効率を得られる構造で、安定した動
作をし、しかも運転時に騒音を発する事のない摩擦ロー
ラ式変速機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】ウエッジローラの一部を切除して示す、図1の
A−A断面図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同
方向から見た略断面図。
【図4】同第3例を示す断面図。
【図5】従来構造の1例を示す断面図。
【図6】図5のB−B断面図。
【図7】同C−C断面図。
【符号の説明】
1 本体 2 蓋体 3 ハウジング 4、4a 中心ローラ 5 通孔 6 入力軸 7a、7b、7c、7a´、7b´、7c´ 枢軸 8、8a 連結板 9 支持孔 10、10a、10b、10c ガイドローラ 11a、11b、11c、11d ウェッジローラ 12 ラジアルニードル軸受 13、13a 突部 14 連結ボルト 15、15a 外輪 16 凸部 17 第二の円筒面 18 第三の円筒面 19 結合ブラケット 20、20a、20b 出力軸 21 第二の通孔 22 第一の円筒面 23、23a 環状空間 24 シリンダ孔 25 圧縮コイルばね 26 内径側当接部 27 外径側当接部 28、28a 摩擦ローラ式変速機 29 ハウジング 30 基部 31 カバー部 32 係合凹部 33 ラジアルニードル軸受 34 押圧片 35 支持筒部 36a、36b、36c 転がり軸受 37 シールリング 38 動力伝達部材 39 伝達軸 40 支持フレーム 41 スプライン孔 42 スプライン軸部
フロントページの続き (72)発明者 尾澤 敦 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J051 AA01 BA03 BB06 BC03 BD02 BE03 EC03 ED07 FA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の回転軸と、この第一の回転軸の端
    部にこの第一の回転軸と同心に固定され、外周面を第一
    の円筒面とした中心ローラと、内周面を第二の円筒面と
    して上記中心ローラの周囲に、この中心ローラに対する
    相対回転を自在に設けた外輪と、この外輪と同心で一端
    部をこの外輪に結合固定した第二の回転軸と、上記第一
    の円筒面と上記第二の円筒面との間の環状空間内に、上
    記第一の回転軸と平行に配置された複数本の枢軸と、こ
    れら各枢軸により回転自在に支持され、それぞれの外周
    面を第三の円筒面とした複数個の中間ローラとを備え、
    上記第一の回転軸の中心と上記第二の回転軸及び外輪の
    中心とを偏心させる事により、上記環状空間の幅寸法を
    円周方向に亙って不同にし、上記複数個の中間ローラの
    うちの少なくとも1個の中間ローラを、少なくとも上記
    内部空間の円周方向に亙る若干の変位自在に支持してウ
    ェッジローラとする共に、残りの中間ローラをガイドロ
    ーラとする事により、上記第一の回転軸及び外輪が所定
    方向に回転した場合に、上記ウェッジローラとなる少な
    くとも1個の中間ローラを、上記環状空間の幅の狭い部
    分に向け移動自在とした摩擦ローラ式変速機に於いて、
    上記第一の回転軸と上記第二の回転軸との間に加わるラ
    ジアル荷重を、上記ガイドローラとなる中間ローラによ
    り支承する事を特徴とする摩擦ローラ式変速機。
  2. 【請求項2】 第一の回転軸と、この第一の回転軸の端
    部にこの第一の回転軸と同心に固定され、外周面を第一
    の円筒面とした中心ローラと、内周面を第二の円筒面と
    して上記中心ローラの周囲に、この中心ローラに対する
    相対回転を自在に設けた外輪と、この外輪と同心で一端
    部をこの外輪に結合固定した第二の回転軸と、上記第一
    の円筒面と上記第二の円筒面との間の環状空間内に、上
    記第一の回転軸と平行に配置された複数本の枢軸と、こ
    れら各枢軸により回転自在に支持され、それぞれの外周
    面を第三の円筒面とした複数個の中間ローラとを備え、
    上記第一の回転軸の中心と上記第二の回転軸及び外輪の
    中心とを偏心させる事により、上記環状空間の幅寸法を
    円周方向に亙って不同にし、上記複数個の中間ローラの
    うちの少なくとも1個の中間ローラを、少なくとも上記
    内部空間の円周方向に亙る若干の変位自在に支持してウ
    ェッジローラとする共に、残りの中間ローラをガイドロ
    ーラとする事により、上記第一の回転軸及び外輪が所定
    方向に回転した場合に、上記ウェッジローラとなる少な
    くとも1個の中間ローラを、上記環状空間の幅の狭い部
    分に向け移動自在とした摩擦ローラ式変速機に於いて、
    上記第二の回転軸と同心に配置された第三の回転軸を備
    え、この第三の回転軸の一部にラジアル荷重を受ける部
    材を支持固定すると共に、この第三の回転軸の端部と上
    記第二の回転軸の端部とをスプライン係合させた事を特
    徴とする摩擦ローラ式変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011500426A (ja) * 2007-10-23 2011-01-06 カイペル ゲーエムベーハー アンド カンパニー カーゲー 車両座席用ギアステージ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011500426A (ja) * 2007-10-23 2011-01-06 カイペル ゲーエムベーハー アンド カンパニー カーゲー 車両座席用ギアステージ
JP2011500231A (ja) * 2007-10-23 2011-01-06 カイペル ゲーエムベーハー アンド カンパニー カーゲー 車両座席用ギアステージ
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