JP4560894B2 - 摩擦ローラ式変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種機械装置に組み込んで、減速或は増速しつつ回転運動を伝達する摩擦ローラ式変速機の改良に関し、高い伝達効率を維持できる構造を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】
摩擦ローラ式変速機は、遊星歯車式等の歯車式変速機に比べて、高速で運転した場合にも発生する騒音が小さい。この為、例えば摩擦ローラ式変速機を電動モータの出力部に組み付けて減速機として使用し、この電動モータの回転運動を減速すると共にトルクを増大させる構造が、例えば特開平8−210455号公報に記載されている。この公報等に記載された一般的な摩擦ローラ式変速機は、各ローラの周面同士の当接圧を、伝達すべきトルクの変動に拘らず、常に一定のままに保持している。この為、伝達効率が必ずしも良好とは言えない。良好な伝達効率を確保する為には、伝達すべきトルクが小さい場合には上記当接圧を低くし、反対に伝達すべきトルクが大きい場合には上記当接圧を高くする事が考えられる。
【0003】
この様に、伝達すべきトルクの大きさに応じて、各ローラの周面同士の当接圧を変化させる構造として、米国特許第4709589号明細書には、図14〜16に示す様な摩擦ローラ式変速機が記載されている。この従来の摩擦変速機は、有底円筒状の本体1とこの本体1の基端開口部を塞ぐ蓋体2とから成る固定のハウジング3内に中心ローラ4の内半部(図14の右半部)を、上記蓋体2の略中央部に形成した通孔5を通じて挿入している。尚、この通孔5は、上記蓋体2の中心から、少しだけ外れた位置に設けている。又、上記中心ローラ4の外半部(図14の左半部)で上記蓋体2から突出した部分には、入力軸6の端部を結合固定している。
【0004】
又、上記ハウジング3の内側で上記中心ローラ4の周囲部分には、3本の枢軸7a、7b、7cを、それぞれこの中心ローラ4と平行に配置している。即ち、これら各枢軸7a、7b、7cの一端部(図14の左端部)を上記蓋体2に支持すると共に、他端部(図14の右端部)を連結板8に支持している。尚、これら3本の枢軸7a、7b、7cのうち、図15〜16の上部中央に位置する1本の枢軸7aは、その両端部を上記蓋体2及び連結板8に形成した嵌合孔に圧入固定している。従って、この枢軸7aが、上記ハウジング3内で円周方向或は直径方向に変位する事はない。
【0005】
これに対して、図15〜16の下部左右両側に位置する残り2本の枢軸7b、7cは、両端部を上記蓋体2及び連結板8に対し、上記ハウジング3の円周方向及び直径方向に若干の変位自在に支持している。この為に、上記蓋体2及び連結板8の一部で上記枢軸7b、7cの両端部に整合する部分には、図16に示す様に、上記両枢軸7b、7cの外径よりも大きな内径を有する支持孔9、9を形成し、これら各支持孔9、9に、上記両枢軸7b、7cの両端部を緩く係合させている。そして、これら各枢軸7a、7b、7cの中間部周囲に、それぞれが中間ローラであるガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11bを、それぞれラジアルニードル軸受12により、回転自在に支持している。尚、上記連結板8は、上記蓋体2の内面(上記ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11bを設置した空間側の面で、図14の右面)の一部で、上記ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11bから外れた位置に突設した突部13、13に突き当て、連結ボルト14、14により、上記蓋体2に連結固定している。
【0006】
又、上記ハウジング3の内側で上記ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11bを囲む部分には、円環状の外輪15を、回転自在に設けている。この外輪15の内周面中央部は直径方向内方に突出させる事により、土手状の凸部16とし、この凸部16の内周面を第二の円筒面17としている。そして、この第二の円筒面17と、上記ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11bの外周面である第三の円筒面18、18とを当接自在としている。又、上記外輪15には、結合ブラケット19の外径側端部を外嵌固定し、この結合ブラケット19の中心部に、出力軸20の内端部(図14の左端部)を結合固定している。この出力軸20は、前記ハウジング3を構成する本体1の中央部に形成した第二の通孔21を回転自在に挿通して、このハウジング3外に突出させている。
【0007】
上記ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11bの外周面である、上記各第三の円筒面18、18は、それぞれ前記中心ローラ4の外周面に設けた第一の円筒面22と、上記外輪15の内周面に設けた上記第二の円筒面17とに当接させている。上記中心ローラ4の中心と上記出力軸20及び外輪15の中心とは互いに偏心している。即ち、前述の様に、上記中心ローラ4を挿通する通孔5は、上記ハウジング3の中心から少しだけ外れた位置に設けているのに対して、上記出力軸20を挿通する第二の通孔21は、上記ハウジング3の中心に設けている。又、この第二の通孔21の内側に回転自在に支持した出力軸20と外輪15とは、互いに同心である。従って、上記中心ローラ4と上記外輪15及び出力軸20とは、上記通孔5のハウジング3の中心からのずれ量δ(図14参照)分だけ、互いに偏心している。そして、上記中心ローラ4の外周面に設けた上記第一の円筒面22と上記外輪15に設けた上記第二の円筒面17との間に存在して上記ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11bが設けられた環状空間23の幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う分だけ、円周方向に関して不同になっている。
【0008】
この様に、上記環状空間23の幅寸法を円周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11bの外径を異ならせている。即ち、上記外輪15に対し中心ローラ4が偏心している側(図15〜16の下側)に位置するウェッジローラ11a、11bの径を、互いに同じとすると共に比較的小径にしている。これに対し、上記外輪15に対し中心ローラ4が偏心しているのと反対側(図15〜16の上側)に位置するガイドローラ10の径を、上記両ウェッジローラ11a、11bよりも大きくしている。そして、これら3個の、それぞれが中間ローラであるガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11bの外周面である第三の円筒面18、18を、上記第一、第二の円筒面22、17に当接させている。
【0009】
尚、それぞれが中間ローラである、上記1個のガイドローラ10及び2個のウェッジローラ11a、11bのうち、ガイドローラ10を支持した枢軸7aは、前述の様に、上記ハウジング3内に固定している。これに対して、ウェッジローラ11a、11bを支持した枢軸7b、7cは、やはり前述した様に上記ハウジング3内に、円周方向及び直径方向に若干の変位を自在に支持している。従って、上記ウェッジローラ11a、11bも、上記ハウジング3内で円周方向及び直径方向に若干の変位自在である。そして、前記蓋体2のシリンダ孔24、24内に装着した圧縮コイルばね25、25等の弾性材により、上記各ウェッジローラ11a、11bを支持した枢軸7b、7cを、これら各枢軸7b、7cに回転自在に支持したウェッジローラ11a、11bを前記環状空間23の幅の狭い部分に向け移動させるべく、弾性的に軽く押圧している。
【0010】
上述の様に構成される従来構造の摩擦ローラ式変速機の場合、入力軸6に結合した中心ローラ4の回転は、この中心ローラ4の外周面である第一の円筒面22と、ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11bの外周面である第三の円筒面18、18との当接部である、各内径側当接部26a、26bを介して、これらガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11bに伝わる。更に、これらガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11bの回転は、上記各第三の円筒面18、18と前記外輪15の内周面に設けた第二の円筒面17との当接部である、各外径側当接部27a、27bを介して、この外輪15に伝わる。そして、この外輪15に結合固定した前記出力軸20が回転する。
【0011】
上記中心ローラ4が図15〜16の時計方向(又は反時計方向)に、外輪15が同じく反時計方向(又は時計方向)に、それぞれ回転すると、図15〜16の右側の枢軸7b(又は左側の枢軸7c)に回転自在に支持したウェッジローラ11a(又は11b)が、上記第一、第二の円筒面22、17同士の間に存在する環状空間23内で、この環状空間23の幅の狭い部分(図15〜16の下側中央部分)に向け移動する。この結果、上記枢軸7b(又は7c)に回転自在に支持したウェッジローラ11a(又は11b)の外周面である第三の円筒面18が、上記第一の円筒面22と第二の円筒面17とを強く押圧する。そして、当該ウェッジローラ11a(又は11b)に関する第三の円筒面18と上記第一の円筒面22との当接部である内径側当接部26b、及び、当該ウェッジローラ11a(又は11b)に関する第三の円筒面18と上記第二の円筒面17との当接部である外径側当接部27bの当接圧が高くなる。
【0012】
上記1個のウェッジローラ11a(又は11b)に関する内径側、外径側両当接部26b、27bの当接圧が高くなると、上記中心ローラ4と外輪15とのうちの少なくとも一方の部材が、組み付け隙間、或は弾性変形等に基づき、それぞれの直径方向に関して僅かに変位する。この結果、残り2個の中間ローラである、ガイドローラ10及びウェッジローラ11b(又は11a)の外周面である第三の円筒面18、18と上記中心ローラ4の外周面である第一の円筒面22との当接部である2個所の内径側当接部26a、26b、及びこれらウェッジローラ11b(又は11a)及びガイドローラ10の外周面である第三の円筒面18、18と上記外輪15の内周面である第二の円筒面17との当接部である2個所の外径側当接部27a、27bの当接圧が高くなる。
【0013】
上記1本の枢軸7b(又は7c)に回転自在に支持したウェッジローラ11a(又は11b)を、上記環状空間23内でこの環状空間23の幅の狭い部分に向け移動させようとする力は、上記中心ローラ4から上記外輪15に伝達するトルクの大きさに応じて変化する。即ち、上記中心ローラ4の駆動トルクが大きくなる程、上記ウェッジローラ11a(又は11b)を上記環状空間23の幅の狭い部分に向け移動させようとする力が大きくなる。そして、この力が大きくなる程、上記各内径側、外径側両当接部26a、26b、27a、27bの当接圧が大きくなる。逆に言えば、上記駆動トルクが小さい場合には、これら各内径側、外径側両当接部26a、26b、27a、27bの当接圧が小さい。
【0014】
尚、上述した従来構造は、3個の中間ローラのうち、1個の中間ローラのみをガイドローラ10とし、残り2個の中間ローラをウェッジローラ11a、11bとしている。これに対して、3個の中間ローラのうちの2個の中間ローラをガイドローラとし、残り1個の中間ローラのみをウェッジローラとする構造も、従来から知られている。この様な構造を有する摩擦ローラ式変速機の場合には、一方向の回転力のみを伝達可能であり、逆方向の回転力に対しては内部で滑りが発生して、この回転力を伝達しない。言い換えれば、回転力の伝達を一方向のみ行なう、クラッチ機能を備える。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に構成され作用する、ウェッジローラを組み込んだ摩擦ローラ式変速機による伝達効率を確保する為には、各ローラ4、10、11a、11bの外周面及び外輪15の内周面同士の当接部である、各内径側当接部26a、26b及び各外径側当接部27a、27bの当接圧を確保する必要がある。これら各当接部26a、26b、27a、27bの当接圧が不足すると、これら各当接部26a、26b、27a、27bで滑りが発生し、入力軸6から出力軸20への動力伝達の効率が悪化するだけでなく、上記各当接部26a、26b、27a、27b部分で発生する摩擦熱により、焼き付き等の損傷が発生する可能性がある。
【0016】
上記入力軸6から出力軸20への動力伝達が行なわれる様になった状態では、前述した様に、何れかのウェッジローラ11a(11b)が環状空間23の幅が狭い部分に、伝達すべき動力に見合った大きな力で移動する為、上記各当接部26a、26b、27a、27bの当接圧が不足する事はない。これに対して、上記出力軸20が無負荷状態で回転する場合の様に、上記入力軸6から出力軸20への動力伝達があまり行なわれていない状態では、上記ウェッジローラ11a(11b)を上記環状空間23の幅が狭い部分に移動させようとする力は、シリンダ孔24、24内に設けた圧縮コイルばね25、25の弾力のみになる。従来は、この圧縮コイルばね25、25の弾力は極く小さく、摩擦ローラ式変速機の性能、諸元との関係でこの弾力を規制する様な考慮はしていなかった。
【0017】
一方、ウェッジローラを組み込んだ摩擦ローラ式変速機の用途として従来は、電動補助自転車の減速機構の様な、使用回転速度が低く、入力軸の回転上昇も比較的緩やかに行なわれる場合が殆どであった。この為、上述の様な考慮をしなくても、特に問題を生じる様な事はなかった。これに対して、上記摩擦ローラ式変速機を、工作機械等の使用回転速度の最高値が高い用途に使用する場合には、前述した伝達効率の低下や焼き付き等の損傷発生と言った問題が顕在化する。即ち、使用回転速度が高くなる程、前記各当接部26a、26b、27a、27b部分で滑りが発生し易くなる為、動力の非伝達時にも上記ウェッジローラ11a(11b)を上記環状空間23の幅が狭い部分に移動させようとする力の大きさを考慮する必要が生じる。特に、使用回転速度の最高値が高く、伝達可能なトルクの最大値(最大トルク)の1/10以下の軽負荷で使用する事があり、しかもその状態から回転速度を急上昇させる様な場合に、上記問題が顕在化し易い為、上記考慮が必要になる。
本発明の摩擦ローラ式変速機は、この様な事情に鑑みて、伝達効率を確保し、しかも焼き付き等の損傷が発生するのを防止すべく発明したものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の摩擦ローラ式変速機は何れも、前述した従来から知られている摩擦ローラ式変速機と同様に、ハウジングと、このハウジングに対し回転自在に設けられた入力軸と、この入力軸の端部にこの入力軸と同心に且つ回転力の伝達自在に結合され、外周面を第一の円筒面とされた中心ローラと、内周面を第二の円筒面としてこの中心ローラの周囲に、この中心ローラに対する相対回転を自在に設けられた外輪と、この外輪と同心で一端部をこの外輪に回転力の伝達自在に結合されると共に上記ハウジングに対し回転自在に支持された出力軸と、上記第一の円筒面と上記第二の円筒面との間の環状空間内に、上記中心ローラと平行に配置された複数本の枢軸と、これら各枢軸により回転自在に支持され、それぞれの外周面を第三の円筒面とされた複数個の中間ローラとを備える。そして、上記中心ローラの中心と上記外輪の中心とを偏心させる事により、上記環状空間の幅寸法を円周方向に関して不同にし、上記複数個の中間ローラのうちの少なくとも1個の中間ローラを、少なくとも上記環状空間の円周方向に変位自在に支持してウェッジローラとする共に、残りの中間ローラをガイドローラとする事により、上記中心ローラ及び外輪が所定方向に回転した場合に、上記ウェッジローラとなる中間ローラを、上記環状空間の幅の狭い部分に向け移動自在としている。
【0019】
特に、本発明の摩擦ローラ式変速機に於いては、何れも、上記出力軸の基端部に形成した外向フランジ状の鍔部の外周縁に形成した突片と上記外輪の軸方向一端縁部に形成した切り欠きとを係合させる事により、これら出力軸と外輪とを、回転力の伝達を可能に、且つ、ラジアル方向に関する相対変位自在に接続している。又、上記ウェッジローラとなる中間ローラを周囲に回転自在に支持した枢軸の両端部を弾性材により押圧して、このウェッジローラとなる中間ローラを上記環状空間の幅の狭い部分に向け弾性的に押圧する事により、無負荷状態でも上記ウェッジローラとなる中間ローラに関する第三の円筒面と上記第一、第二両円筒面との当接部に当接圧を存在させる為の予圧を付与している。
そして、請求項1に記載した摩擦ローラ式変速機に於いては、使用状態での上記第一の円筒面の周速の最大値をUmax [m/sec ]とし、上記第二の円筒面と上記ウェッジローラとなる中間ローラに関する第三の円筒面との当接部の、上記予圧に基づく当接圧の平均値をPmean[GPa]とした場合に、Pmean>{(Umax1/2 }/9を満たす。
又、請求項2に記載した摩擦ローラ式変速機に於いては、上記予圧に基づく上記第二の円筒面と上記ウェッジローラとなる中間ローラに関する第三の円筒面との当接部の当接圧の平均値をPmean[GPa]とした場合に、Pmean>0.3[GPa]を満たす。
【0020】
【作用】
上述の様に構成する本発明の何れの摩擦ローラ式変速機も、使用回転速度が高くなっても、各ローラの外周面及び外輪の内周面同士の当接部である、各内径側当接部及び各外径側当接部の当接圧を確保して、これら各当接部で滑りが発生しにくくできる。この為、伝達効率を確保し、しかも焼き付き等の損傷が発生するのを防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、図示の例では、3個の中間ローラのうちの2個の中間ローラをガイドローラ10a、10bとし、残り1個の中間ローラのみをウェッジローラ11とする事により、摩擦ローラ式変速機に一方向クラッチの機能を持たせた構造で、本発明を実施した場合に就いて示している。
【0022】
本発明の摩擦ローラ式変速機も、前述した従来構造の場合と同様に、鋼或はアルミニウム合金製で有底円筒状の本体1aと、この本体1aの基端開口部を塞ぐ、鋼製の蓋体2aとから成る、固定のハウジング3aを有する。そして、このハウジング3a内に中心ローラ4aの内半部(図1の左半部)を、上記蓋体2aの略中央部に形成した通孔5aを通じて挿入している。尚、この通孔5aは、上記蓋体2aの中心から、少しだけ外れた位置に設けている。又、上記中心ローラ4aの外端部(図1の右端部)には、入力軸である、図示しない電動モータの駆動軸28の端部を結合している。
【0023】
図示の例の場合には、上記中心ローラ4aを、上記駆動軸28により回転駆動自在としつつ、ラジアル方向(中心ローラ4a自身の直径方向)に関する若干の変位自在に設けている。この為に本例の場合には、上記通孔5aの内径を上記中心ローラ4aの外径よりも大きくして、この中心ローラ4aがこの通孔5aの内側でラジアル方向に変位できる様にしている。又、この中心ローラ4aの基端面(図1の右端面)に係合凹溝29を、直径方向に亙って形成すると共に、上記駆動軸28の先端面(図1の左端面)に係合突部30を、直径方向に亙って形成している。そして、この係合突部30と上記係合凹溝29とを、緩く係合させている。この為に、この係合凹溝29の幅は、この係合突部30の幅よりも少しだけ大きくしている。従って、上記中心ローラ4aと上記駆動軸28とは、回転力の伝達を自在に、且つ、ラジアル方向に関する相対変位自在に結合されている。尚、この様に中心ローラ4aと駆動軸28とを回転力の伝達を自在に、且つ、ラジアル方向に関する相対変位自在に結合する為の構造は、図示の様なものに限らず、緩いスプライン係合、或は緩いキー係合でも良い。
【0024】
又、上記中心ローラ4aの先端面(図1の左端面)中心部には鋼球31を圧入固定し、この鋼球31を、後述する連結板8aの片面(図1の右面)中心部に突き当てて、ピボット軸受を構成している。このピボット軸受は、上記中心ローラ4aの回転を自在としつつ、この中心ローラ4aの軸方向に関する位置決めを図る為に設けている。尚、本例の場合には、上記中心ローラ4aの外周面と上記通孔5aの内周面との間に隙間が存在する。そこで、この様な隙間を通じて、前記ハウジング3a内に異物が入り込むのを防止する為に、図示しない電動モータのケーシングと前記蓋体2aとの間にシール材を設ける。或は、上記中心ローラ4aの外周面と上記通孔5aの内周面との間に、弾性変形自在なOリング等のシールリングを設けて、上記隙間そのものを塞いでも良い。
【0025】
又、前記ハウジング3aの内側で上記中心ローラ4aの周囲部分には、3本の枢軸7a、7b、7cを、それぞれこの中心ローラ4aと平行に配置している。
即ち、これら各枢軸7a、7b、7cの一端部(図1の右端部)を上記蓋体2aに支持すると共に、他端部(図1の左端部)を連結板8aに支持している。尚、この連結板8aは、前述の図14〜16に示した従来構造の様な円輪状ではなく、円板状に形成している。この理由は、上記ピボット軸受を構成する為である。
【0026】
又、本例の場合に、上記3本の枢軸7a、7b、7cのうち、図2の上部中央並びに下部左側に位置する2本の枢軸7a、7bは、その両端部を上記蓋体2a及び連結板8aに形成した嵌合孔32、32に圧入固定している。従って、これら両枢軸7a、7bが、上記ハウジング3a内で円周方向或は直径方向に変位する事はない。これに対して、図2の下部右側に位置する残り1本の枢軸7cは、両端部を上記蓋体2a及び連結板8aに対し、上記ハウジング3aの円周方向及び直径方向に関して若干の変位自在に支持している。この為に、上記蓋体2a及び連結板8aの一部で上記枢軸7cの両端部に整合する部分には、この枢軸7cの外径よりも大きな幅及び長さを有する支持孔9a、9aを形成し、これら各支持孔9a、9aに、上記枢軸7cの両端部を緩く係合させている。
【0027】
そして、これら各枢軸7a、7b、7cの中間部周囲に、それぞれが中間ローラであるガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11を、それぞれラジアルニードル軸受12により、回転自在に支持している。尚、上記連結板8aは、上記蓋体2aの内面(上記ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11を設置した空間側の面で、図1の左面)の一部で、上記ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11から外れた位置に突設した突部13、13に突き当て、連結ボルト14、14により、上記蓋体2aに連結固定している。又、上記ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11の軸方向両端面と上記連結板8a及び蓋体2aとの間には、それぞれスラストニードル軸受33、33を設けて、上記各ローラ10a、10b、11の回転が円滑に行なわれる様にしている。
【0028】
又、上記ハウジング3aの内側で上記ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11を囲む部分には、円筒状の外輪15aを設け、この外輪15aの内周面を、第二の円筒面17としている。そして、この第二の円筒面17と、上記ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11の外周面である第三の円筒面18、18とを当接自在としている。又、上記外輪15aには、鍔部34を介して、出力軸20aを結合している。この出力軸20aは、前記ハウジング3aを構成する本体1aの中央部に形成した支持筒部35の内側に挿通して、このハウジング3a外に突出させている。図示の例では、上記出力軸20aを上記支持筒部35の内側に、1対の玉軸受36a、36bにより回転自在に支持すると共に、この支持筒部35の先端開口部と上記出力軸20aの中間部内周面との間を、シールリング37により塞いでいる。
【0029】
本例の場合には、上記外輪15aを上記ハウジング3aの内側に、回転並びにラジアル方向に関する若干の変位自在に設けている。即ち、本例の場合には、上記出力軸20aの基端部(図1の右端部)に、外向フランジ状の上記鍔部34を形成している。そして、この鍔部34の外周縁に形成した突片38、38と、上記外輪15aの軸方向一端縁部(図1の左端縁部)に形成した切り欠き39、39とを、ラジアル方向に関する若干の変位自在に係合させている。又、上記各突片38、38を上記各切り欠き39、39の奥部(図1の右部)に進入させた状態で、上記外輪15aの端部内周面に形成した係止溝40に止め輪41を係止して、上記各突片38、38が上記各切り欠き39、39から抜け出ない様にしている。従って、上記外輪15aと上記出力軸20aとは、回転力の伝達を自在に、且つ、ラジアル方向に関する相対変位自在に結合されている。
【0030】
又、前記各ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11の外周面である、前記各第三の円筒面18、18は、それぞれ前記中心ローラ4aの外周面に設けた第一の円筒面22と、上記外輪15aの内周面に設けた前記第二の円筒面17とに当接させている。上記中心ローラ4aの中心と上記出力軸20a及び外輪15aの中心とは互いに偏心している。即ち、前述の様に、上記中心ローラ4aを挿通する通孔5aは、上記ハウジング3aの中心から少しだけ外れた位置に設けているのに対して、上記出力軸20aを挿通する支持筒部35は、上記ハウジング3aの中心に設けている。又、この支持筒部35の内側に回転自在に支持した出力軸20aと外輪15aとは、互いに同心である。従って、上記中心ローラ4aと上記外輪15a及び出力軸20aとは、上記通孔5aのハウジング3aの中心からのずれ量δ(図1参照)分だけ、互いに偏心している。そして、上記中心ローラ4aの外周面に設けた上記第一の円筒面22と上記外輪15aに設けた上記第二の円筒面17との間に存在して上記ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11が設けられた環状空間23の幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う分だけ、円周方向に関して不同になっている。
【0031】
この様に、上記環状空間23の幅寸法を円周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11の外径を異ならせている。即ち、上記外輪15aに対し中心ローラ4aが偏心している側(図2の下側)に位置するガイドローラ10b及びウェッジローラ11の径を、互いに同じとすると共に比較的小径にしている。これに対し、上記外輪15aに対し中心ローラ4aが偏心しているのと反対側(図2の上側)に位置するガイドローラ10aの径を、上記ガイドローラ10b及びウェッジローラ11よりも大きくしている。そして、これら3個の、それぞれが中間ローラであるガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11の外周面である第三の円筒面18、18を、上記第一、第二の円筒面22、17に当接させている。
【0032】
尚、それぞれが中間ローラである、上記2個のガイドローラ10a、10b及び1個のウェッジローラ11のうち、両ガイドローラ10a、10bを支持した枢軸7a、7bは、前述の様に、上記ハウジング3a内に固定している。これに対して、ウェッジローラ11を支持した枢軸7cは、やはり前述した様に上記ハウジング3a内に、円周方向及び直径方向に関する若干の変位を自在に支持している。従って、上記ウェッジローラ11も、上記ハウジング3a内で円周方向及び直径方向に若干の変位自在である。そして、前記蓋体2a及び連結板8aのシリンダ孔24a、24a内に装着した圧縮コイルばね25、25等の弾性材により、上記ウェッジローラ11を支持した枢軸7cを、この枢軸7cに回転自在に支持したウェッジローラ11を前記環状空間23の幅の狭い部分に向け移動させるべく、弾性的に押圧している。
【0033】
図示の例では、上記圧縮コイルばね25、25により、それぞれの先端部(図2の左下端部、図3の下端部)に外向フランジ状の鍔部42を形成した押圧ピン43、43を押圧し、これら両押圧ピン43、43により、上記枢軸7cの両端部を同方向に押圧している。上記各シリンダ孔24a、24aの両端開口のうち、前記各支持孔9a、9aと反対側開口部は、ねじ蓋47により塞いでいる。上記各圧縮コイルばね25、25は、このねじ蓋47或はシリンダ孔24aの端部内面と上記鍔部42との間に設けて、上記各押圧ピン43、43に、上記方向の弾力を付与している。
【0034】
本発明の摩擦ローラ式変速機の場合には、上記各圧縮コイルばね25、25の弾力を規制する事により、使用回転速度の最高値が高く、しかも伝達可能なトルクの最大値(最大トルク)の1/10以下の軽負荷で使用する場合でも、伝達効率を確保し、しかも焼き付き等の損傷が発生するのを防止する。即ち、上記各圧縮コイルばね25、25の弾力を適切に大きくする事により、上記摩擦ローラ式変速機の運転状態に拘らず、前記中心ローラ4aの外周面である第一の円筒面22と、前記ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11の外周面である第三の円筒面18、18との当接部である各内径側当接部26a、26b、並びに、前記外輪15aの内周面である第二の円筒面17と上記第三の円筒面18、18との当接部である各外径側当接部27a、27bで滑りが発生しない様にしている。この様に各当接部26a、26b、27a、27bで滑りが発生しない様にする為に、上記各圧縮コイルばね25、25の弾力の最低値を、次の▲1▼▲2▼のうちの何れかを満たすものとしている。
▲1▼ 上記中心ローラ4aの外周面である上記第一の円筒面22の使用状態での周速の最大値をUmax [m/sec ]とし、上記外輪15aの内周面である上記第二の円筒面17と上記ウェッジローラ11の外周面である第三の円筒面18との当接部である外径側当接部27bの、上記各圧縮コイルばね25、25の弾力による予圧に基づく当接圧の平均値をPmean[GPa]とした場合に、Pmean>{(Umax1/2 }/9を満たす。
▲2▼ 上記各圧縮コイルばね25、25の弾力による予圧に基づく上記外径側当接部27bの当接圧の平均値をPmean[GPa]とした場合に、Pmean>0.3[GPa]を満たす。この場合には、上記第一の円筒面22の使用状態での周速の最大値Umax の値は問わない。
【0035】
本発明は、上記▲1▼▲2▼の条件の何れか(又は双方)を満たす事により、使用回転速度が高く、しかも軽負荷で使用する場合でも、伝達効率を確保し、しかも焼き付き等の損傷が発生するのを防止する様にしている。そこで、上記▲1▼▲2▼の条件を求める為に、本発明者が行なった実験に就いて、図4〜5により説明する。
【0036】
実験では、図4に示す様に、電動モータ44により、前述の図1〜3に示す様な構造を有し減速比がiである摩擦ローラ式変速機45の入力軸6を、Nin(min-1 )なる速度で回転駆動した。そして、この入力軸6の回転速度Ninを回転計46aにより、上記摩擦ローラ式変速機45の出力軸20aの回転速度Nout を別の回転計46bにより、それぞれ測定した。そして、次の(1)式で求める滑り率Sが5%を越える(S>0.05)場合に、上記摩擦ローラ式変速機45の入力軸6の回転速度が滑り限界速度を越えたと判定した。そして、上記外径側当接部27bの当接圧の平均値Pmean[GPa]と、次の(2)式で求められる、前記中心ローラ4aの外周面であり外径がDinである、前記第一の周面22の周速U[m/sec ]が上記滑り限界速度に及ぼす影響を求めたところ、図5に示す様な結果を得られた。
S=(Nin−i・Nout )/Nin −−− (1)
U=π・Din・Nin −−− (2)
【0037】
この様な実験の結果を表した図5の横軸は上記外径側当接部27bの当接圧の平均値Pmean[GPa]を、縦軸は上記第一の周面22の周速U[m/sec ]を、それぞれ表している。又、上記図5中の「◆」印は、上記滑り限界速度を表している。この図5の横軸をx軸とし、同じく縦軸をy軸とすれば、上記「◆」印を結ぶ曲線αは、y=81x2 で近似できる。この事から、前記▲1▼の条件を満たせば、上記摩擦ローラ式変速機45の入力軸6と出力軸20aとの間の滑り率を5%以下に抑えられる事が分かる。又、図5に「◇」印で示す様に、上記外径側当接部27bの当接圧の平均値Pmean[GPa]を0.3[GPa]を僅かに超える値としたところ、上記第一の周面22の周速U[m/sec ]の如何に拘らず(周速がいくら大きくなっても)上記滑り率が5%以下に抑えられた。これは、上記外径側当接部27bの当接圧の平均値Pmean[GPa]が0.3[GPa]よりも大きければ、例え上記出力軸20aが無負荷状態であっても、前記ウェッジローラ11が確実に前記環状空間23の幅が狭い側に移動し、前記各内径側、外径側各当接部26a、26b、27a、27bの面圧が上昇する為である。
【0038】
以上に述べた様に構成する本発明の摩擦ローラ式変速機の場合、前記駆動軸28に結合した上記中心ローラ4aの回転は、この中心ローラ4aの外周面である第一の円筒面22と、ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11の外周面である第三の円筒面18、18との当接部である、上記各内径側当接部26a、26bを介して、これらガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11に伝わる。更に、これらガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11の回転は、上記各第三の円筒面18、18と前記外輪15aの内周面に設けた第二の円筒面17との当接部である、上記各外径側当接部27a、27bを介して、この外輪15aに伝わる。そして、この外輪15aに結合した前記出力軸20aが、上記中心ローラ4aとは逆方向に回転する。
【0039】
上記駆動軸28により上記出力軸20aを回転駆動すべく、上記中心ローラ4aが図2の時計方向に回転すると、ウェッジローラ11が、この中心ローラ4aから加わる力と前記各圧縮コイルばね25、25の弾力とにより、上記第一、第二の円筒面22、17同士の間に存在する環状空間23内で、この環状空間23の幅の狭い部分(図2の下側中央部分)に向け移動する。この結果、上記ウェッジローラ11の外周面である第三の円筒面18が、上記第一の円筒面22と第二の円筒面17とを強く押圧する。そして、このウェッジローラ11に関する第三の円筒面18と上記第一の円筒面22との当接部である内径側当接部26b、及び、上記ウェッジローラ11に関する第三の円筒面18と上記第二の円筒面17との当接部である外径側当接部27bの当接圧が高くなる。
【0040】
上記ウェッジローラ11に関する内径側、外径側両当接部26b、27bの当接圧が高くなると、上記中心ローラ4aと外輪15aとのうちの少なくとも一方の部材が、組み付け隙間、或は弾性変形等に基づき、それぞれの直径方向に関して僅かに変位する。この結果、残り2個の中間ローラであるガイドローラ10a、10bの外周面である第三の円筒面18、18と上記中心ローラ4aの外周面である第一の円筒面22との当接部である2個所の内径側当接部26a、26a、及びこれらガイドローラ10a、10bの外周面である第三の円筒面18、18と上記外輪15aの内周面である第二の円筒面17との当接部である2個所の外径側当接部27a、27aの当接圧が高くなる。そして、上記外輪15a及び上記出力軸20aが、図2の反時計方向に回転する。
【0041】
上記ウェッジローラ11を、上記環状空間23内でこの環状空間23の幅の狭い部分に向け移動させようとする力は、上記中心ローラ4aから上記外輪15aに伝達するトルクの大きさに応じて変化する。即ち、上記中心ローラ4aの駆動トルクが大きくなる程、上記ウェッジローラ11を上記環状空間23の幅の狭い部分に向け移動させようとする力が大きくなる。そして、この力が大きくなる程、上記各内径側、外径側両当接部26a、26b、27a、27bの当接圧が大きくなる。逆に言えば、上記駆動トルクが小さい場合には、これら各内径側、外径側両当接部26a、26b、27a、27bの当接圧が小さい。この為、上記各内径側、外径側両当接部26a、26b、27a、27bの当接圧を、前記駆動軸28と前記出力軸20aとの間で伝達すべきトルクの大きさに応じた適正値にできて、摩擦ローラ式変速機の伝達効率を高くできる。この状態では、クラッチ機構がONとなる。
【0042】
本発明の場合、前述した様に、上記各圧縮コイルばね25、25の弾力を確保している為、上記出力軸20aが無負荷状態で回転する場合等、上記駆動軸28と上記出力軸20aとの間で伝達すべきトルクが極く小さい場合でも、上記各内径側、外径側両当接部26a、26b、27a、27bの当接圧を確保できる。この為、これら各当接部26a、26b、27a、27bで著しい滑りが発生する事を防止して、焼き付き等の損傷が発生する事を防止できる。
【0043】
一方、上記駆動軸28が停止した状態のまま、上記外輪15aが、図2の反時計方向に回転する場合には上記ウェッジローラ11が、上記外輪15aから加わる力により、前記各圧縮コイルばね25、25の弾力に抗し、上記環状空間23内で、この環状空間23の幅の広い部分(図2の右側中央部分)に向け移動する。この結果、上記ウェッジローラ11の外周面である第三の円筒面18が、上記第一の円筒面22と第二の円筒面17とを押圧しなくなる。そして、このウェッジローラ11並びに前記各ガイドローラ10a、10bに関する第三の円筒面18、18と上記第一の円筒面22との当接部である内径側当接部26a、26b、及び、上記ウェッジローラ11並びに前記各ガイドローラ10a、10bに関する第三の円筒面18、18と上記第二の円筒面17との当接部である外径側当接部27a、27bの当接圧が、低下若しくは喪失する。この結果、上記外輪15aの回転が上記駆動軸28にまで伝達されなくなる。この状態では、クラッチ機構がOFFとなる。
【0044】
更に、図示の摩擦ローラ式変速機の場合には、上記各ガイドローラ10a、10bの外径や取付位置が多少ずれたり、構成各部材が弾性変形したり、更には上記外輪15aが熱膨張した場合でも、これら各ガイドローラ10a、10bの外周面である第三の円筒面18、18と、上記中心ローラ4aの外周面である第一の円筒面22及び上記外輪15aの内周面である第二の円筒面17との接触部の接触面圧を、設計値通りに規制できる。即ち、上記各ガイドローラ10a、10bの外径や取付位置がずれた場合には、上記ウェッジローラ11が上記環状空間23の幅寸法が狭い部分に変位するのに伴って、上記中心ローラ4a及び外輪15aがラジアル方向に変位する。そして、上記ガイドローラ10a、10b及び上記ウェッジローラ11の外周面である、上記各第三の円筒面18、18と、上記中心ローラ4aの外周面である第一の円筒面22及び上記外輪15aの内周面である第二の円筒面17との接触部の接触面圧を設計値通りにする。従って、上記外径や取付位置が多少ずれたり、或は構成部材が弾性変形した場合でも、高い伝達効率を得られる。
【0045】
次に、図6〜8は、請求項3〜7に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例は、上述した第1例の構造に改良を加え、各内径側当接部26a、26bと各外径側当接部27a、27b(図1〜2参照)との間で、当接圧をほぼ同じとし、低負荷時の安定性をより向上させるものである。即ち、上記各内径側当接部26a、26bと上記各外径側当接部27a、27bは、何れもそれぞれが中間ローラであるガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11の外周面である各第三の円筒面18、18と、中心ローラ4aの外周面である第一の円筒面22或は外輪15bの内周面である第二の円筒面17との当接部である。従って、特に工夫をしない限り、上記各内径側当接部26a、26bの幅と上記各外径側当接部27a、27bの幅とは等しくなる。
【0046】
一方、上記各内径側当接部26a、26bは、円周方向に関する形状が凸円弧同士の当接状態であるのに対して、上記各外径側当接部27a、27bは、円周方向に関する形状が凸円弧と凹円弧との当接状態である。従って、上記各内径側当接部26a、26bの幅と上記各外径側当接部27a、27bの幅とが等しい場合には、これら各内径側当接部26a、26bの接触面積が、上記各外径側当接部27a、27bの接触面積よりも狭くなる。そして、その分、これら各外径側当接部27a、27bの当接圧が、上記各内径側当接部26a、26bの当接圧よりも低くなって、これら各外径側当接部27a、27bの当接圧を確保しにくくなる。そして、前述の発明が解決しようとする課題部分で述べた様な問題を解決する為には、圧縮コイルばね25、25(図2〜3参照)の弾力を大きくする必要が生じる。これに対して、これら各圧縮コイルばね25、25の弾力を大きくすると、クラッチ機構がOFFされた状態のまま上記外輪15bが回転する、所謂オーバーラン時に、引き摺りトルクが大きくなり、最悪の場合にはオーバーランを行なえなくなると言った不都合を生じる。
【0047】
本例の構造は、この様な事情に鑑みて、上記各内径側当接部26a、26bの当接圧と、上記各外径側当接部27a、27bの当接圧とをほぼ等しく、具体的にはこれら両当接部26a、26b、27a、27bの当接圧の差が(小さい方から見た場合で)±20%以内となる様にして、各圧縮コイルばね25、25の弾力を大きくしなくても、軽負荷時の動作を安定させるものである。
【0048】
この為に本例の構造の場合には、上記各内径側当接部26a、26bの幅と上記各外径側当接部27a、27bの幅とを互いに異ならせている。即ち、上記各内径側当接部26a、26bの幅に比べて、上記各外径側当接部27a、27bの幅を狭くしている。具体的には、上記外輪15bの内周面である、前記第二の円筒面17の一部に、他の部分に比べて径方向外方に凹んだ凹部48を、全周に亙って形成している。この凹部48は、上記各第三の円筒面18、18のうちの軸方向中間部に対向する部分に形成されており、その幅W48は、これら各第三の円筒面18、18の幅W18よりも小さい(W48<W18)。従って、これら各第三の円筒面18、18と上記第二の円筒面17とは、これら各第三の円筒面18、18の軸方向両端寄り部分でのみ当接している。
【0049】
本例の場合には、この様に各内径側当接部26a、26bの幅と各外径側当接部27a、27bの幅とを互いに異ならせる事で、これら各当接部26a、26b、27a、27bの当接圧をほぼ同じとし、各圧縮コイルばね25、25の弾力を大きくしなくても、上記各外径側当接部27a、27bの当接圧を確保できる様にして、軽負荷時の動作を安定させる様にしている。
【0050】
尚、上記各内径側当接部26a、26bの幅と各外径側当接部27a、27bの幅とを互いに異ならせる事で、これら各当接部26a、26b、27a、27bの当接圧をほぼ同じにする為には、上記外輪15bの内周面である、前記第二の円筒面17の一部に、他の部分に比べて径方向内方に突出する土手状の凸部を、全周に亙って設ける事で対応する事もできる。この場合には、上記各第三の円筒面18、18のうちの軸方向中間部のみを、上記凸部の内周面に当接させる。但し、この様な構造の場合には、図示の例とは異なり、各ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11が傾斜し易くなる為、傾斜防止の為の対策が必要にある。
【0051】
何れにしても、上記各外径側当接部27a、27bは、上記各第三の円筒面18、18の幅方向の一部のみを上記第二の円筒面17に当接させる為、当接部と非当接部との境界部分にエッジロードが加わらない様に、上記第二の円筒面17の所定部分にクラウニングを施す等の対策を行なう事が好ましい。
【0052】
次に、図9〜13は、請求項8〜10に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、外輪15cの内周面である第二の円筒面17のうちで、各ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11の外周面である第三の円筒面18、18(図1〜2参照)に当接する部分に、それぞれがヘリングボーン状の凸部49、49と凹部50、50とを、交互に且つ等間隔に形成している。上記各第三の円筒面18、18は、このうちの凸部49、49部分で、上記第二の円筒面17と当接する。即ち、これら両円筒面18、17同士は、軸方向に関しては上記各凸部49、49を形成した範囲で、円周方向に関しては、図10に示した2本の直線αの間部分で当接する。
【0053】
この様な本例の場合、これら各凸部49、49の傾斜角度及び幅を工夫する事により、例えばこの凸部49、49の面積よりも凹部50、50の面積を大きくする事により、各内径側当接部26a、26bの当接圧と、上記各外径側当接部27a、27b(図1〜2参照)の当接圧とをほぼ等しくする。具体的には、これら両当接部26a、26b、27a、27bの当接圧の差が(小さい方から見た場合で)±20%以内となる様にして、各圧縮コイルばね25、25(図2〜3参照)の弾力を大きくしなくても、軽負荷時の動作を安定させる様にしている。又、上記外輪15cの回転時に上記各凹部50、50は、動圧溝として機能し、上記第二の円筒面17と上記各第三の円筒面18、18との当接部に存在する油膜の厚さを確保し、オーバーラン時に、これら各第三の円筒面18、18の一部の摩耗が進行する事を防止する。
【0054】
尚、この様な本例の構造の場合、上記各第三の円筒面18、18と上記第二の円筒面17と当接部分がそれぞれ複数個所ずつ存在するので、図12に示す様に、上記各第三の円筒面18、18にクラウニングを施す場合に、上記各ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11(特にウェッジローラ11)の傾斜を防止しつつ、各接触部分の面圧分布を適正にする為の設計が容易になる。又、上記第二の円筒面17に形成する凸部の形状に関しては、上述の様なヘリングボーン状のものに限らず、図13(A)に示す様な一方向に傾斜したもの、同図(B)に示す様なX字状のもの、 同図(C)に示す様なローレット状のものが、使用可能である。何れのものに就いても、その傾斜角度及び幅を工夫する事により、各内径側当接部26a、26bの当接圧と、上記各外径側当接部27a、27b(図1〜2参照)の当接圧とをほぼ等しくする。
【0055】
【発明の効果】
本発明の摩擦ローラ式変速機は、以上に述べた通り構成し作用するが、著しい滑りに基づいて第一〜第三の円筒面を損傷する事がない為、これら各円筒面の寿命を延長して、摩擦ローラ式変速機の耐久性向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、図2のA−A断面図。
【図2】図1のB−B断面図。
【図3】図2の拡大C−C断面図。
【図4】滑り限界速度を求める為の実験装置を示す略側面図。
【図5】実験結果を示す線図。
【図6】本発明の実施の形態の第2例を示す、外輪の断面図。
【図7】図6のD部拡大図。
【図8】外輪と中間ローラと中心ローラとを組み合わせた状態を示す模式図。
【図9】本発明の実施の形態の第3例を示す、外輪の断面図。
【図10】図9のE部拡大図。
【図11】同F部拡大図。
【図12】外輪と中間ローラとを組み合わせた状態を示す模式図。
【図13】凸部の形状の別の3例を示す模式図。
【図14】従来構造の1例を示す断面図。
【図15】図14のG−G断面図。
【図16】同H−H断面図。
【符号の説明】
1、1a 本体
2、2a 蓋体
3、3a ハウジング
4、4a 中心ローラ
5、5a 通孔
6 入力軸
7a、7b、7c 枢軸
8、8a 連結板
9、9a 支持孔
10、10a、10b ガイドローラ
11、11a、11b ウェッジローラ
12 ラジアルニードル軸受
13 突部
14 連結ボルト
15、15a、15b、15c 外輪
16 凸部
17 第二の円筒面
18 第三の円筒面
19 結合ブラケット
20、20a 出力軸
21 第二の通孔
22 第一の円筒面
23 環状空間
24、24a シリンダ孔
25 圧縮コイルばね
26a、26b 内径側当接部
27a、27b 外径側当接部
28 駆動軸
29 係合凹溝
30 係合突部
31 鋼球
32 嵌合孔
33 スラストニードル軸受
34 鍔部
35 支持筒部
36a、36b 玉軸受
37 シールリング
38 突片
39 切り欠き
40 係止溝
41 止め輪
42 鍔部
43 押圧ピン
44 電動モータ
45 摩擦ローラ式変速機
46a、46b 回転計
47 ねじ蓋
48 凹部
49 凸部
50 凹部

Claims (10)

  1. ハウジングと、このハウジングに対し回転自在に設けられた入力軸と、この入力軸の端部にこの入力軸と同心に且つ回転力の伝達自在に結合され、外周面を第一の円筒面とされた中心ローラと、内周面を第二の円筒面としてこの中心ローラの周囲に、この中心ローラに対する相対回転を自在に設けられた外輪と、この外輪と同心で一端部をこの外輪に回転力の伝達自在に結合されると共に上記ハウジングに対し回転自在に支持された出力軸と、上記第一の円筒面と上記第二の円筒面との間の環状空間内に、上記中心ローラと平行に配置された複数本の枢軸と、これら各枢軸により回転自在に支持され、それぞれの外周面を第三の円筒面とされた複数個の中間ローラとを備え、上記中心ローラの中心と上記外輪の中心とを偏心させる事により、上記環状空間の幅寸法を円周方向に関して不同にし、上記複数個の中間ローラのうちの少なくとも1個の中間ローラを、少なくとも上記環状空間の円周方向に変位自在に支持してウェッジローラとすると共に、残りの中間ローラをガイドローラとする事により、上記中心ローラ及び外輪が所定方向に回転した場合に、上記ウェッジローラとなる中間ローラを、上記環状空間の幅の狭い部分に向け移動自在とした摩擦ローラ式変速機に於いて、上記出力軸の基端部に形成した外向フランジ状の鍔部の外周縁に形成した突片と上記外輪の軸方向一端縁部に形成した切り欠きとを係合させる事により、これら出力軸と外輪とを、回転力の伝達を可能に、且つ、ラジアル方向に関する相対変位自在に接続すると共に、上記ウェッジローラとなる中間ローラを周囲に回転自在に支持した枢軸の両端部を弾性材により押圧して、このウェッジローラとなる中間ローラを上記環状空間の幅の狭い部分に向け弾性的に押圧する事により、無負荷状態でも上記ウェッジローラとなる中間ローラに関する第三の円筒面と上記第一、第二両円筒面との当接部に当接圧を存在させる為の予圧を付与しており、使用状態での上記第一の円筒面の周速の最大値をUmax [m/sec ]とし、上記第二の円筒面と上記ウェッジローラとなる中間ローラに関する第三の円筒面との当接部の、上記予圧に基づく当接圧の平均値をPmean[GPa]とした場合に、Pmean>{(Umax1/2 }/9を満たす事を特徴とする摩擦ローラ式変速機。
  2. ハウジングと、このハウジングに対し回転自在に設けられた入力軸と、この入力軸の端部にこの入力軸と同心に且つ回転力の伝達自在に結合され、外周面を第一の円筒面とされた中心ローラと、内周面を第二の円筒面としてこの中心ローラの周囲に、この中心ローラに対する相対回転を自在に設けられた外輪と、この外輪と同心で一端部をこの外輪に回転力の伝達自在に結合されると共に上記ハウジングに対し回転自在に支持された出力軸と、上記第一の円筒面と上記第二の円筒面との間の環状空間内に、上記中心ローラと平行に配置された複数本の枢軸と、これら各枢軸により回転自在に支持され、それぞれの外周面を第三の円筒面とされた複数個の中間ローラとを備え、上記中心ローラの中心と上記外輪の中心とを偏心させる事により、上記環状空間の幅寸法を円周方向に関して不同にし、上記複数個の中間ローラのうちの少なくとも1個の中間ローラを、少なくとも上記環状空間の円周方向に変位自在に支持してウェッジローラとすると共に、残りの中間ローラをガイドローラとする事により、上記中心ローラ及び外輪が所定方向に回転した場合に、上記ウェッジローラとなる中間ローラを、上記環状空間の幅の狭い部分に向け移動自在とした摩擦ローラ式変速機に於いて、上記出力軸の基端部に形成した外向フランジ状の鍔部の外周縁に形成した突片と上記外輪の軸方向一端縁部に形成した切り欠きとを係合させる事により、これら出力軸と外輪とを、回転力の伝達を可能に、且つ、ラジアル方向に関する相対変位自在に接続すると共に、上記ウェッジローラとなる中間ローラを周囲に回転自在に支持した枢軸の両端部を弾性材により押圧して、このウェッジローラとなる中間ローラを上記環状空間の幅の狭い部分に向け弾性的に押圧する事により、無負荷状態でも上記ウェッジローラとなる中間ローラに関する第三の円筒面と上記第一、第二両円筒面との当接部に当接圧を存在させる為の予圧を付与しており、この予圧に基づく上記第二の円筒面と上記ウェッジローラとなる中間ローラに関する第三の円筒面との当接部の当接圧の平均値をPmean[GPa]とした場合に、Pmean>0.3[GPa]を満たす事を特徴とする摩擦ローラ式変速機。
  3. 各第三の円筒面と第一の円筒面との当接部である内径側当接部の接触面圧と、これら各第三の円筒面と第二の円筒面との当接部である外径側当接部の接触面圧とを、差が±20%以内となる様に、ほぼ同一とした、請求項1〜2の何れかに記載した摩擦ローラ式変速機。
  4. 各第三の円筒面と第一の円筒面との当接部である内径側当接部の幅と、これら各第三の円筒面と第二の円筒面との当接部である外径側当接部の幅とを互いに異ならせた、請求項1〜3の何れかに記載した摩擦ローラ式変速機。
  5. 内径側当接部の幅に比べて外径側当接部の幅が狭い、請求項4に記載した摩擦ローラ式変速機。
  6. 外輪の内周面のうちで軸方向に関して一部に、他の部分に比べて径方向外方に凹んだ凹部を、全周に亙って形成している、請求項5に記載した摩擦ローラ式変速機。
  7. 凹部は、各第三の円筒面のうちの軸方向中間部に対向する部分に形成されており、これら各第三の円筒面と第二の円筒面とは、これら各第三の円筒面の軸方向両端寄り部分で当接している、請求項6に記載した摩擦ローラ式変速機。
  8. 外輪の内周面のうちで各第三の円筒面に当接する部分に、それぞれが軸方向に対し傾斜した凹部と凸部とを、円周方向に関して交互に形成した、請求項1〜3の何れかに記載した摩擦ローラ式変速機。
  9. 凹部の面積を凸部の面積よりも大きくした、請求項8に記載した摩擦ローラ式変速機。
  10. 各第三の円筒面にクラウニングを施している、請求項8〜9の何れかに記載した摩擦ローラ式変速機。
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