JPH10281248A - 摩擦ローラ式変速機 - Google Patents

摩擦ローラ式変速機

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JPH10281248A
JPH10281248A JP8264697A JP8264697A JPH10281248A JP H10281248 A JPH10281248 A JP H10281248A JP 8264697 A JP8264697 A JP 8264697A JP 8264697 A JP8264697 A JP 8264697A JP H10281248 A JPH10281248 A JP H10281248A
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JP
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roller
wedge
center
cylindrical surface
straight line
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JP8264697A
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Inventor
Ryoichi Otaki
大滝  亮一
Koichi Sakai
幸一 坂井
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い伝達効率を確保して、性能の向上を図
る。 【解決手段】 中心ローラ4aの外周面に設けた第一の
円筒面22aとウェッジローラ11cの外周面に設けた
第三の円筒面18aとの当接部を内径側当接部26とす
る。外輪15aの内周面に設けた第二の円筒面17aと
上記第三の円筒面18aとの当接部を外径側当接部27
とする。内径側、外径側両当接部26、27部分のトラ
クション係数をμとする。又、上記ウェッジローラ11
cが環状空間23aの幅の狭い部分に食い込む原因とな
るくさび角をαとする。この場合に、(tan-1μ)/2 ≦α
≦ tan-1μとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種機械装置に
組み込んで、減速或は増速しつつ回転運動を伝達する摩
擦ローラ式変速機の改良に関し、優れた伝達効率を確保
できる構造を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】摩擦ローラ式変速機は、遊星歯車式等の
歯車式変速機に比べて、高速で運転した場合にも発生す
る騒音が小さい。この為、例えば摩擦ローラ式変速機を
電動モータの出力部に組み付けて減速機として使用し、
この電動モータの回転運動を減速すると共にトルクを増
大させる構造が、例えば特開平8−210455号公報
に記載されている。この公報等に記載された一般的な摩
擦ローラ式変速機は、各ローラの周面同士の当接圧を、
伝達すべきトルクの変動に拘らず、常に一定のままに保
持している。この為、伝達効率が必ずしも良好とは言え
ない。良好な伝達効率を確保する為には、伝達すべきト
ルクが小さい場合には上記当接圧を低くし、反対に伝達
すべきトルクが大きい場合には上記当接圧を高くする事
が考えられる。
【0003】この様に、伝達すべきトルクの大きさに応
じて、各ローラの周面同士の当接圧を変化させる構造と
して、米国特許第4709589号明細書には、図6〜
8に示す様な摩擦ローラ式変速機が記載されている。こ
の従来の摩擦変速機は、有底円筒状の本体1とこの本体
1の基端開口部を塞ぐ蓋体2とから成る固定のハウジン
グ3内に中心ローラ4の内半部(図6の右半部)を、上
記蓋体2の略中央部に形成した通孔5を通じて挿入して
いる。尚、この通孔5は、上記蓋体2の中心から、少し
だけ外れた位置に設けている。又、上記中心ローラ4の
外半部(図6の左半部)で上記蓋体2から突出した部分
には、第一の回転軸である入力軸6の端部を結合固定し
ている。
【0004】又、上記ハウジング3の内側で上記中心ロ
ーラ4の周囲部分には、3本の枢軸7a、7b、7c
を、それぞれこの中心ローラ4と平行に配置している。
即ち、これら各枢軸7a、7b、7cの一端部(図6の
左端部)を上記蓋体2に支持すると共に、他端部(図6
の右端部)を連結板8に支持している。尚、これら3本
の枢軸7a、7b、7cのうち、図7〜8の上部中央に
位置する1本の枢軸7aは、その両端部を上記蓋体2及
び連結板8に形成した嵌合孔に圧入固定している。従っ
て、この枢軸7aが、上記ハウジング3内で円周方向或
は直径方向に変位する事はない。
【0005】これに対して、図7〜8の下部左右両側に
位置する残り2本の枢軸7b、7cは、両端部を上記蓋
体2及び連結板8に対し、上記ハウジング3の円周方向
及び直径方向に亙る若干の変位自在に支持している。こ
の為に、上記蓋体2及び連結板8の一部で上記枢軸7
b、7cの両端部に整合する部分には、図8に示す様
に、上記両枢軸7b、7cの外径よりも大きな内径を有
する支持孔9、9を形成し、これら各支持孔9、9に、
上記両枢軸7b、7cの両端部を緩く係合させている。
そして、これら各枢軸7a、7b、7cの中間部周囲
に、それぞれが中間ローラであるガイドローラ10及び
ウェッジローラ11a、11bを、それぞれラジアルニ
ードル軸受12により、回転自在に支持している。尚、
上記連結板8は、上記蓋体2の内面(上記ガイドローラ
10及びウェッジローラ11a、11bを設置した空間
側の面で、図6の右面)の一部で、上記ガイドローラ1
0及びウェッジローラ11a、11bから外れた位置に
突設した突部13、13に突き当て、連結ボルト14、
14により、上記蓋体2に連結固定している。
【0006】又、上記ハウジング3の内側で上記ガイド
ローラ10及びウェッジローラ11a、11bを囲む部
分には、円環状の外輪15を、回転自在に設けている。
この外輪15の内周面中央部は直径方向内方に突出させ
る事により、土手状の凸部16とし、この凸部16の内
周面を第二の円筒面17としている。そして、この第二
の円筒面17と、上記ガイドローラ10及びウェッジロ
ーラ11a、11bの外周面である第三の円筒面18、
18とを当接自在としている。又、上記外輪15には、
結合ブラケット19の外径側端部を外嵌固定し、この結
合ブラケット19の中心部に、出力軸20の内端部を結
合固定している。この出力軸20は、前記ハウジング3
を構成する本体1の中央部に形成した第二の通孔21を
回転自在に挿通して、このハウジング3外に突出させて
いる。
【0007】上記ガイドローラ10及びウェッジローラ
11a、11bの外周面である、上記各第三の円筒面1
8、18は、それぞれ前記中心ローラ4の外周面に設け
た第一の円筒面22と、上記外輪15の内周面に設けた
上記第二の円筒面17とに当接させている。上記中心ロ
ーラ4の中心と上記出力軸20及び外輪15の中心とは
互いに偏心している。即ち、前述の様に、上記中心ロー
ラ4を挿通する通孔5は、上記ハウジング3の中心から
少しだけ外れた位置に設けているのに対して、上記出力
軸20を挿通する第二の通孔21は、上記ハウジング3
の中心に設けている。又、この第二の通孔21の内側に
回転自在に支持した出力軸20と外輪15とは、互いに
同心である。従って、上記中心ローラ4と上記外輪15
及び出力軸20とは、上記通孔5のハウジング3の中心
からのずれ量δ(図6参照)分だけ、互いに偏心してい
る。そして、上記中心ローラ4の外周面に設けた上記第
一の円筒面22と上記外輪15に設けた上記第二の円筒
面17との間に存在して上記ガイドローラ10及びウェ
ッジローラ11a、11bが設けられた環状空間23の
幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う分だけ、円周方向
に亙り不同になっている。
【0008】この様に、上記環状空間23の幅寸法を円
周方向に亙り不同にした分、上記ガイドローラ10及び
ウェッジローラ11a、11bの外径を異ならせてい
る。即ち、上記外輪15に対して中心ローラ4が偏心し
ている側(図6〜8の下側)に位置するウェッジローラ
11a、11bの径を、互いに同じとすると共に比較的
小径にしている。これに対し、上記外輪15に対して中
心ローラ4が偏心しているのと反対側(図6〜8の上
側)に位置するガイドローラ10の径を、上記両ウェッ
ジローラ11a、11bよりも大きくしている。そし
て、これら3個の、それぞれが中間ローラであるガイド
ローラ10及びウェッジローラ11a、11bの外周面
である第三の円筒面18、18を、上記第一、第二の円
筒面22、17に当接させている。
【0009】尚、それぞれが中間ローラである、上記1
個のガイドローラ10及び2個のウェッジローラ11
a、11bのうち、ガイドローラ10を支持した枢軸7
aは、前述の様に、上記ハウジング3内に固定してい
る。これに対して、ウェッジローラ11a、11bを支
持した枢軸7b、7cは、やはり前述した様に上記ハウ
ジング3内に、円周方向及び直径方向に亙る若干の変位
を自在に支持している。従って、上記ウェッジローラ1
1a、11bも、上記ハウジング3内で円周方向及び直
径方向に亙り若干の変位自在である。そして、前記蓋体
2のシリンダ孔24、24内に装着した圧縮コイルばね
25、25等の弾性材により、上記各ウェッジローラ1
1a、11bを支持した枢軸7b、7cを、これら各枢
軸7b、7cに回転自在に支持したウェッジローラ11
a、11bを前記環状空間23の幅の狭い部分に向け移
動させるべく、弾性的に軽く押圧している。
【0010】上述の様に構成される従来構造の摩擦ロー
ラ式変速機の場合、入力軸6に結合した中心ローラ4の
回転は、この中心ローラ4の外周面である第一の円筒面
22と、ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、
11bの外周面である第三の円筒面18、18との当接
部である、各内径側当接部26、26を介して、これら
ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11bに
伝わる。更に、これらガイドローラ10及びウェッジロ
ーラ11a、11bの回転は、上記各第三の円筒面1
8、18と前記外輪15の内周面に設けた第二の円筒面
17との当接部である、各外径側当接部27、27を介
して、この外輪15に伝わる。そして、この外輪15に
結合固定した前記出力軸20が回転する。
【0011】上記中心ローラ4が図7〜8の時計方向
(又は反時計方向)に、外輪15が同じく反時計方向
(又は時計方向)に、それぞれ回転すると、図7〜8の
右側の枢軸7b(又は左側の枢軸7c)に回転自在に支
持したウェッジローラ11a(又は11b)が、上記第
一、第二の円筒面22、17同士の間に存在する環状空
間23内で、この環状空間23の幅の狭い部分(図7〜
8の下側中央部分)に向け移動する。この結果、上記枢
軸7b(又は7c)に回転自在に支持したウェッジロー
ラ11a(又は11b)の外周面である第三の円筒面1
8が、上記第一の円筒面22と第二の円筒面17とを強
く押圧する。そして、当該ウェッジローラ11a(又は
11b)に関する第三の円筒面18と上記第一の円筒面
22との当接部である内径側当接部26、及び、当該ウ
ェッジローラ11a(又は11b)に関する第三の円筒
面18と上記第二の円筒面17との当接部である外径側
当接部27の当接圧が高くなる。
【0012】上記1個のウェッジローラ11a(又は1
1b)に関する内径側、外径側両当接部26、27の当
接圧が高くなると、上記中心ローラ4と外輪15とのう
ちの少なくとも一方の部材が、組み付け隙間、或は弾性
変形等に基づき、それぞれの直径方向に亙り僅かに変位
する。この結果、残り2個の中間ローラである、ガイド
ローラ10及びウェッジローラ11b(又は11a)の
外周面である第三の円筒面18、18と上記中心ローラ
4の外周面である第一の円筒面22との当接部である2
個所の内径側当接部26、26、及びこれらウェッジロ
ーラ11b(又は11a)及びガイドローラ10の外周
面である第三の円筒面18、18と外輪15の内周面で
ある第二の円筒面17との当接部である2個所の外径側
当接部27、27の当接圧が高くなる。
【0013】上記1本の枢軸7b(又は7c)に回転自
在に支持したウェッジローラ11a(又は11b)を、
上記環状空間23内でこの環状空間23の幅の狭い部分
に向け移動させようとする力は、上記中心ローラ4から
上記外輪15に伝達するトルクの大きさに応じて変化す
る。即ち、上記中心ローラ4の駆動トルクが大きくなる
程、上記ウェッジローラ11a(又は11b)を上記環
状空間23の幅の狭い部分に向け移動させようとする力
が大きくなる。そして、この力が大きくなる程、上記各
内径側、外径側両当接部26、27の当接圧が大きくな
る。逆に言えば、上記駆動トルクが小さい場合には、こ
れら各内径側、外径側両当接部26、27の当接圧が小
さい。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用する、従来から知られている摩擦ローラ式変速機は、
各ローラの周面同士の当接圧を一定のままに保持してい
る一般的な構造のものに比べれば、伝達効率が良いが、
より伝達効率を向上させる為には改良の余地がある。即
ち、ウェッジローラ11a(又は11b)により内径
側、外径側両当接部26、27の当接圧を高くし、これ
ら各当接部26、27で滑りが生じない様にする為に
は、通孔5のハウジング3の中心からのずれ量δを適正
値にし、上記ウェッジローラ11a(又は11b)の環
状空間23の幅の狭い部分への食い込み量を確保する必
要がある。更には、上記ウェッジローラ11a(又は1
1b)の食い込みが過度になり、上記各当接部26、2
7の当接圧が過大になる事を防止する事も、伝達効率を
向上させる為には必要である。これに対して、前述した
米国特許第4709589号明細書に記載された構造の
場合には、この様な点に関する考慮をしてはいない。本
発明は、この様な事情に鑑みて、中間ローラのうちの少
なくとも1個をウェッジローラとした構造で、内径側、
外径側両当接部の当接圧を適正値に規制して、良好な伝
達効率を実現できる摩擦ローラ式変速機を実現すべく発
明したものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦ローラ式変
速機は、前述した従来の摩擦ローラ式変速機と同様に、
第一の回転軸と、この第一の回転軸の端部にこの第一の
回転軸と同心に固定され、外周面を第一の円筒面とした
中心ローラと、内周面を第二の円筒面として上記中心ロ
ーラの周囲に、この中心ローラに対する相対回転を自在
に設けた外輪と、この外輪と同心で一端部をこの外輪に
結合固定した第二の回転軸と、上記第一の円筒面と上記
第二の円筒面との間の環状空間内に、上記第一の回転軸
と平行に配置された3本以上の枢軸と、これら各枢軸に
より回転自在に支持され、それぞれの外周面を第三の円
筒面とした3個以上の中間ローラとを備える。そして、
上記第一の回転軸の中心と上記第二の回転軸及び外輪の
中心とを偏心させる事により、上記環状空間の幅寸法を
円周方向に亙って不同にし、上記3個以上の中間ローラ
のうちの少なくとも1個の中間ローラを、少なくとも上
記内部空間の円周方向に亙る若干の変位自在に支持して
ウェッジローラとする共に、残りの中間ローラをガイド
ローラとする事により、上記第一の回転軸及び外輪が所
定方向に回転した場合に、上記ウェッジローラとなる少
なくとも1個の中間ローラを、上記環状空間の幅の狭い
部分に向け移動自在としている。
【0016】特に、本発明の摩擦ローラ式変速機に於い
ては、上記ウェッジローラの外周面に設けた第三の円筒
面と上記第一の円筒面及び上記第二の円筒面との接触部
のトラクション係数をμとし、上記ウェッジローラの中
心点と、このウェッジローラの外周面に設けた第三の円
筒面と上記第一の円筒面との接触点である第一の接触点
とを結ぶ線分を第一の線分とし、上記ウェッジローラの
中心点と、このウェッジローラの外周面に設けた第三の
円筒面と上記第二の円筒面との接触点である第二の接触
点とを結ぶ線分を第二の線分とし、これら第一、第二の
線分の交差角を二等分する状態で上記中心点を通過する
直線を第一の直線とし、上記第一の線分に対し直角方向
に延びて上記第一の接触点を通過する直線を第二の直線
とし、上記第二の線分に対し直角方向に延びて上記第二
の接触点を通過する直線を第三の直線とし、上記第一の
直線と、上記第二の直線及び上記第三の直線とがそれぞ
れ交差する角度をくさび角αとした場合に、α≦ tan-1
μを満たす。
【0017】更に好ましくは、(tan-1μ)/2 ≦α≦ tan
-1μを満たすものとする。特に、より好ましく具体的な
構造としては、上記各接触部に、これら各接触部のトラ
クション係数μが0.04〜0.12になるトラクショ
ン油を介在させて、上記条件を満たす。この場合、(tan
-10.04)/2 =1.15(度)≦α≦ tan-10.12=6.8
4(度)を満たす事になる。
【0018】
【作用】上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式変速
機によれば、α≦ tan-1μを満たす事により、第一の円
筒面と第三の円筒面との当接部である内径側当接部、並
びに第二の円筒面と第三の円筒面との当接部である外径
側当接部で滑りが発生する事を防止して、これら各当接
部での滑りに基づく伝達効率の低下を防止できる。又、
(tan-1μ)/2 ≦αを満たす事により、上記各当接部の当
接圧が過大になる事を防止して、過大な当接圧に基づく
伝達効率の低下を防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の具体的構造の1例を示している。本発明の対象となる
摩擦ローラ式変速機28は、ハウジング29を備える。
このハウジング29は、電動モータ30の回転駆動軸3
1の端部にこの回転駆動軸31と同心に、且つこの回転
駆動軸31と一体に設けた中心ローラ4aを覆う状態で
設け、図示しないフレーム等に固定している。このハウ
ジング29は、有底円筒状の本体32と、この本体32
の基端開口部を塞ぐ蓋体33とから成る。上記中心ロー
ラ4aは、この蓋体33の中心から少しだけ外れた位置
に設けた通孔34を通じて、上記ハウジング32内に挿
入している。又、この通孔34の内周面と上記中心ロー
ラ4aの基端部外周面との間には、軸受35を設けてい
る。
【0020】又、上記ハウジング29の内側で上記中心
ローラ4aの周囲部分には、3本の枢軸7a、7bを、
それぞれこの中心ローラ4aと平行に配置している。即
ち、これら各枢軸7a、7bの一端部(図1の上端部)
を上記蓋体33に支持すると共に、他端部(図1の下端
部)を連結板8aに支持している。尚、これら3本の枢
軸7a、7bのうち、2本の枢軸7a、7aは、それぞ
れの両端部を上記蓋体33及び連結板8aに設けた嵌合
孔に圧入固定している。従って、これら2本の枢軸7
a、7aが、上記ハウジング29内で円周方向或は直径
方向に変位する事はない。これに対して、残り1本の枢
軸7bは、両端部を上記蓋体33及び連結板8aに対
し、上記ハウジング29の円周方向及び直径方向に亙る
若干の変位自在に支持している。この為に、上記蓋体3
3及び連結板8aの一部で上記枢軸7bの両端部に整合
する部分には、前述の図8に示した様に、上記枢軸7b
の両端部の外径よりも大きな内径を有する支持孔9(図
1〜3には図示せず)を形成し、これら両支持孔9に、
上記枢軸7bの両端部を緩く係合させている。そして、
これら各枢軸7a、7bの中間部周囲に、それぞれが中
間ローラであるウェッジローラ11c及びガイドローラ
10a、10bを、それぞれラジアルニードル軸受12
(図1参照。図2には省略。)により、回転自在に支持
している。尚、上記連結板8aの一部は、上記蓋体33
の内面(上記ウェッジローラ11c及びガイドローラ1
0a、10bを設置した空間側の面で、図1の下面)の
一部で上記ウェッジローラ11c及びガイドローラ10
a、10bから外れた位置に突設した、突部13(図1
参照。図2には省略。)に結合している。
【0021】又、上記ハウジング29の内側で上記ウェ
ッジローラ11c及びガイドローラ10a、10bを囲
む部分には、有底円筒状の外輪15aを、回転自在に設
けている。この外輪15aは、円筒部36と、この円筒
部36の一端(図1の下端)開口を塞ぐ円板部37とか
ら成る。このうちの円筒部36の内周面は平滑な円筒面
として、やはり平滑に形成した、上記ウェッジローラ1
1c及びガイドローラ10a、10bの外周面と当接自
在としている。又、上記円板部37の外側面(上記ウェ
ッジローラ11c及びガイドローラ10a、10bを設
置した空間と反対側面で、図1の下面)中心部には、出
力軸20aの基端部(図1の上端部)を結合固定してい
る。そしてこの出力軸20aを、上記ハウジング29を
構成する本体32の中央部に設けた第二の通孔21aを
通じて、上記ハウジング29外に突出させている。尚、
上記出力軸20aの基端寄り部分の外周面と上記第二の
通孔21aの内周面との間には軸受38を設けて、上記
外輪15a及び出力軸20aを、上記ハウジング29に
対し回転自在に支持している。又、上記出力軸20aの
先半部(図1の下半部)で上記ハウジング29外に突出
した部分には、動力取り出し用の歯車39を固定してい
る。
【0022】上記ウェッジローラ11c及びガイドロー
ラ10a、10bの外周面は、前記中心ローラ4aの外
周面と上記外輪15aの内周面とに当接させている。本
発明の摩擦ローラ式変速機の場合も、前述の図6〜8に
示した従来構造の場合と同様に、上記中心ローラ4aの
中心と上記出力軸20a及び外輪15aの中心とを偏心
させている。即ち、前述の様に、上記中心ローラ4aを
挿通する通孔34は、上記ハウジング29の中心から少
しだけ外れた位置に設けているのに対して、上記出力軸
20aを挿通する第二の通孔21aは、上記ハウジング
29の中心に設けている。又、この第二の通孔21aの
内側に支持された出力軸20aと外輪15aとは互いに
同心である。従って、上記中心ローラ4aと上記外輪1
5a及び出力軸20aとは、上記通孔34のハウジング
29の中心からのずれ量δ分だけ、互いに偏心してい
る。そして、上記中心ローラ4aの外周面と上記外輪1
5aの内周面との間に存在して上記ウェッジローラ11
c及びガイドローラ10a、10bが設けられた環状空
間23aの幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う分だ
け、円周方向に亙り不同になっている。
【0023】この様に、上記環状空間23aの幅寸法を
円周方向に亙り不同にした分、上記ウェッジローラ11
c及びガイドローラ10a、10bの外径を異ならせて
いる。即ち、上記外輪15aに対して中心ローラ4aが
偏心している側(図2の左側)に位置するウェッジロー
ラ11c及びガイドローラ10a(小径ガイドローラ)
の径を、互いに同じとすると共に比較的小径にしてい
る。これに対して、上記外輪15aに対して中心ローラ
4aが偏心しているのと反対側(図2の右側)に位置す
るガイドローラ10b(大径ガイドローラ)の径を、ウ
ェッジローラ11c及びガイドローラ10aよりも大き
くしている。そして、これら3個の、それぞれが中間ロ
ーラであるウェッジローラ11c及びガイドローラ10
a、10bの外周面に設けた第三の円筒面18a、18
aを、上記中心ローラ4aの外周面に設けた第一の円筒
面22aと上記外輪15aの内周面に設けた第二の円筒
面17aとに当接させている。尚、摩擦ローラ式減速機
28の減速比は、上記第一の円筒面22aの直径と第二
の円筒面17aの直径との比により定まる。従って、必
要な減速比を得る為に、上記中心ローラ4aの先端部に
スリーブを外嵌固定し、このスリーブの外周面と上記ウ
ェッジローラ11c及びガイドローラ10a、10bの
外周面とを当接させる事もできる。この場合、第一の円
筒面は、上記スリーブの外周面となる。
【0024】尚、それぞれが中間ローラである、上記1
個のウェッジローラ11c及び2個のガイドローラ10
a、10bのうち、ガイドローラ10a、10bを支持
した枢軸7a、7aは、前述の様に、上記ハウジング2
9内に固定している。これに対して、ウェッジローラ1
1cを支持した枢軸7bは、やはり前述した様に上記ハ
ウジング29内に、円周方向及び直径方向に亙る若干の
変位を自在に支持している。従って、上記ウェッジロー
ラ11cも、上記ハウジング29内で、円周方向及び直
径方向に亙る変位自在である。そして、上記中心ローラ
4aが上記所定方向に回転した場合に、上記1本の枢軸
7bに回転自在に支持したウェッジローラ11cを、前
記環状空間23aの幅の狭い部分に向け移動自在として
いる。
【0025】前記ハウジング29を構成する蓋体33と
上記ウェッジローラ11cを枢支する枢軸7bとの間に
は、圧縮コイルばね、板ばね、つるまきばね等の弾性部
材(図示省略)を装着して、上記ウェッジローラ11c
を上記環状空間23aの幅の狭い部分に移動させるべ
く、上記枢軸7bを軽く押圧している。
【0026】上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式
変速機28により回転力の伝達を行なえば、上記1個の
ウェッジローラ11c並びに2個のガイドローラ10
a、10bの外周面に設けた第三の円筒面18a、18
aと、上記中心ローラ4aの外周面に設けた第一の円筒
面22a及び上記外輪15aの内周面に設けた第二の円
筒面17aとの当接圧を確保できる。
【0027】即ち、図示の例では、上記摩擦ローラ式変
速機28による回転力の伝達時に、上記中心ローラ4a
が図2に矢印イで示す様に、同図の時計方向に回転する
様に、構成各部の組み付け方向を規制している。従っ
て、前記電動モータ30への通電時には、上記ウェッジ
ローラ11c及びガイドローラ10a、10bが、図2
に矢印ロ、ロで示す様に、上記各枢軸7a、7bを中心
に反時計方向に回転し、上記外輪15aが同じく矢印ハ
で示す様に反時計方向に回転する。この様に、上記1個
のウェッジローラ11cが矢印ロで示す様に回転し、こ
のウェッジローラ11cを前記ハウジング29の直径方
向の内外両側から挟持した中心ローラ4a及び外輪15
aがそれぞれ矢印イ、ハに示す様に回転する結果、上記
ウェッジローラ11c全体が、図2に矢印ニで示す様
に、図2の時計方向に変位する傾向となる。即ち、上記
ウェッジローラ11cは、矢印イ方向に回転する上記中
心ローラ4aから、上記矢印ニ方向の力を受け、ウェッ
ジローラ11c自身が矢印ロ方向に回転する事で外輪1
5aの内周面との当接部である、外径側当接部27から
受ける反作用により、やはり上記矢印ニ方向の力を受け
る。この結果、上記中心ローラ4aの回転時に上記ウェ
ッジローラ11cが、上記環状空間23aの幅の狭い部
分に向けて移動する傾向になる。そして、このウェッジ
ローラ11cの外周面が、上記中心ローラ4aの外周面
と外輪15aの内周面とを強く押圧する。この結果、当
該ウェッジローラ11cの外周面と上記中心ローラ4a
の外周面との当接部である内径側当接部26、及び、上
記外径側当接部27の当接圧が高くなる。
【0028】上記ウェッジローラ11cに関する内径
側、外径側両当接部26、27の当接圧が高くなると、
それぞれがこのウェッジローラ11cの外周面により押
圧される部材である、上記中心ローラ4aと外輪15a
とのうちの少なくとも一方の部材が、組み付け隙間、或
は弾性変形等に基づき、それぞれの直径方向に亙り僅か
に変位する。この結果、残り2個の中間ローラである、
ガイドローラ10a、10bの外周面と上記中心ローラ
4aの外周面との当接部である2個所の内径側当接部2
6、26、及びこれら2個のガイドローラ10a、10
bの外周面と外輪15aの内周面との当接部である2個
所の外径側当接部27、27の当接圧が高くなる。上記
1本の枢軸7bに回転自在に支持したウェッジローラ1
1cを、上記環状空間23a内でこの環状空間23aの
幅の狭い部分に向け移動させようとする力は、上記中心
ローラ4aから上記外輪15aに伝達するトルクの大き
さに応じて変化する。そして、このトルクが大きくなる
程、上記各内径側、外径側両当接部26、27の当接圧
が大きくなる。逆に言えば、上記駆動トルクが小さい場
合には、これら各内径側、外径側両当接部26、27の
当接圧が小さい。従って、前記摩擦ローラ式変速機28
を通じて伝達するトルクが大きい場合には上記当接圧を
大きくして、当接部で滑りが生じる事を防止し、上記摩
擦ローラ式変速機28の伝達効率低下を防止する。これ
に対して摩擦ローラ式変速機28を通じて伝達するトル
クが小さい場合には上記当接圧を小さくして、過大な当
接圧により上記摩擦ローラ式変速機28の伝達効率が低
下する事を防止する。
【0029】特に、本発明の摩擦ローラ式変速機28の
場合には、前記通孔34がハウジング29の中心からず
れているずれ量δにより定まるくさび角αを規制する事
で、上記内径側、外径側両当接部26、27の当接圧を
適正値に規制して、良好な伝達効率を実現できる様にし
ている。この点に就いて、図3〜5により説明する。
【0030】ウェッジローラ11cの外周面に設けた第
三の円筒面18aと中心ローラ4aの外周面に設けた第
一の円筒面22a及び外輪15aの内周面に設けた第二
の円筒面17aとの接触部である、内径側、外径側両当
接部26、27のトラクション係数をμとする。又、上
記ウェッジローラ11cの中心点O11c と、上記ウェッ
ジローラ11cの外周面に設けた第三の円筒面18aと
上記第一の円筒面22aとの接触点である第一の接触点
1 (=上記ウェッジローラ11cに関する内径側当接
部26の中心)とを結ぶ線分を第一の線分40とする。
又、上記中心点O11c と、上記第三の円筒面18aと外
輪15aの内周面に設けた第二の円筒面17aとの接触
点である第二の接触点P2 (=上記ウェッジローラ11
cに関する外径側当接部27の中心)とを結ぶ線分を第
二の線分41とする。そして、これら第一、第二の線分
40、41の交差角θ40-41 を二等分する状態で上記中
心点O11c を通過する直線を第一の直線42とする。
又、上記第一の線分40に対し直角方向に延びて第一の
接触点P1 を通過する直線を第二の直線43とし、上記
第二の線分41に対し直角方向に延びて上記第二の接触
点P2 を通過する直線を第三の直線44とする。そし
て、上記第一の直線42と、上記第二の直線43及び上
記第三の直線44とがそれぞれ交差する角度をくさび角
αとする。
【0031】そして、このくさび角αを、上記トラクシ
ョン係数μとの関係でα≦ tan-1μを満たす範囲に定め
る。更に好ましくは上記くさび角αを、(tan-1μ)/2 ≦
α≦tan-1μを満たす範囲に規制する。尚、このくさび
角αは、幾何学的に明らかな通り、前記通孔34のハウ
ジング29の中心からのずれ量δに対応して変化する。
即ち、このくさび角αは、上記ずれ量δと、第一〜第三
の円筒面22a、17a、18aの直径D22a 、D
17a 、D18a との関係から、次式の様になる。尚、この
式は、余弦定理に基づいて求められる。 α=cos-1 [{( D22a +D18a)2 +( D17a −D18a)2
−δ2}/ {( D22a +D18a)( D17a −D18a)}]
【0032】この様な式に基づいて求められる上記くさ
び角αを、上述の範囲に規制すれば、摩擦ローラ式変速
機28(図1〜2)の伝達効率を高く保持できる。この
点に就いて、以下に説明する。摩擦ローラ式変速機28
の運転中、即ち、図示の例の場合には中心ローラ4aか
ら外輪15aへの動力伝達中に、上記ウェッジローラ1
1cには、前記内径側当接部26部分で、FW なる大き
さの接線力が、上記中輪ローラ4aからウェッジローラ
11cに伝達される力として、前記第二の直線43方向
に加わる。一方、前記外径側当接部27には、やはりF
W なる大きさの接線力が、上記ウェッジローラ11cか
ら外輪15aに伝達する力の反力として、前記第三の直
線44方向に加わる。この結果、上記ウェッジローラ1
1cには、2FW・ cosαなる大きさの力が前記第一の直
線42方向に、このウェッジローラ11cを環状空間2
3aのうちの幅が狭い部分に変位させようとする力とし
て加わる。
【0033】ここで、上述の様な力により上記ウェッジ
ローラ11cが環状空間23aのうちの幅が狭い部分に
変位させられ、その結果、前記内径側当接部26及び外
径側当接部27で上記中心ローラ4aの外周面に設けた
第一の円筒面22aに、それぞれNW なる大きさの垂直
力が、この第一の円筒面22aに対して垂直方向に作用
したと仮定する。この場合、上記内径側当接部26及び
外径側当接部27で発生するトラクション力(トルクを
伝達しようとする力)TW は、TW =μ・NW(1式)
で表される。一方、上記NW なる大きさの垂直力は、上
記ウェッジローラ11cを上記環状空間23aのうちの
幅が広い部分に変位させようとする抜け力を発生させ
る。そして、この抜け力の大きさは、2NW・ sinαとし
て、上記2FW・ cosαなる大きさの力と反対方向に加わ
る。
【0034】これら各方向に加わる力の釣り合いを考え
た場合、2FW・ cosα=2NW・ sinαであるから、この
釣り合い式の各辺を整理する事により、FW =NW・ tan
α(2式)となる。更に、摩擦ローラ式変速機28によ
り、上記内径側当接部26及び外径側当接部27で滑り
を発生する事なく動力を伝達する為には、伝達すべき
力、即ち前記接線力FW と、上記トラクション力TW
の関係は、FW ≦TW (3式)である事が必要である。
この3式に上記1、2式を代入すれば、NW・ tanα≦μ
・NW となり、この式を整理すれば、 tanα≦μとな
る。従って、α≦ tan-1μとすれば、摩擦ローラ式変速
機28により、上記内径側当接部26及び外径側当接部
27で滑りを発生する事なく動力を伝達し、上記摩擦ロ
ーラ式変速機28の伝達効率を、滑りにより低下させず
に済む事が分る。
【0035】これに対して、α≦ tan-1μを満たすくさ
び角αを採用した場合でも、このくさび角αを小さくし
過ぎると、伝達すべき力である接線力FW に比べて、上
記トラクション力TW が大きくなり過ぎる。このトラク
ション力TW のうち、上記接線力FW を上回った部分
は、この接線力FW を伝達する為には本来不要の部分で
あり、摩擦ローラ式変速機28の構成各部材を弾性変形
等させる為に消費される、所謂動力伝達のロス部分にな
る。そこで、(tan-1μ)/2 ≦αを満たすべく、上記くさ
び角αを規制すれば、上記トラクション力TW が過大に
なる事、言い換えれば、前記各当接部26、27の当接
圧が過大になる事を防止して、過大な当接圧に基づく伝
達効率の低下を防止できる。
【0036】図4は、上述した様なくさび角αと伝達効
率との理論的関係を示している。このくさび角αが tan
-1μを越えて大きくなると、上記内径側当接部26及び
外径側当接部27で滑りが発生し、上記くさび角αの増
大に伴って上記伝達効率が急激に低下する。これに対し
て、上記くさび角αが tan-1μよりも小さくなると、上
記ロス部分、即ち、図4の直線Xと曲線Yとの差が次第
に増大し、上記伝達効率が次第に低下する。そして、上
記くさび角αが(tan-1μ)/2 よりも小さくなると、上記
ロス部分に基づく伝達効率の低下が顕著になる。そこ
で、上記くさび角αを、(tan-1μ)/2 ≦α≦ tan-1μを
満たす範囲に規制すれば、上記伝達効率を十分に高くで
きる。
【0037】特に、より好ましく具体的な構造として
は、上記各接触部にトラクション係数μが0.04〜
0.12となるトラクション油を介在させて、上記(tan
-1μ/2≦α≦ tan-1μなる条件を満たす様にする。この
場合、上記くさび角αは、(tan-10.04)/2 =1.15
(度)≦α≦ tan-10.12=6.84(度)を満たす事に
なる。即ち、本発明の対象となる摩擦ローラ式変速機2
8用として使用可能な潤滑油の特性を示す線図として、
「出光トライボレビューNo.12 」の第40頁には、図5
に示す様な線図が記載されている。一方、上記摩擦ロー
ラ式変速機28用として好ましく使用できる潤滑油は、
トラクション係数μが高いトラクション油である。この
様なトラクション油のトラクション係数μは、図5から
も明らかな通り、種類及び温度により異なるが、凡そ
0.04〜0.12の範囲に収まる。そこで、μ=0.
04〜0.12なる値を、上記(tan-1μ)/2 ≦α≦ tan
-1μなる式に代入すれば、上記くさび角αの値として
1.01〜6.84度という範囲が求まり、上記くさび
角αの値を、この範囲に規制すれば、実用的なトラクシ
ョン油を選択使用する事により、十分な伝達効率を確保
できる事が分る。
【0038】尚、図示の実施の形態は、中心ローラ4a
の回転方向が一定である為、ウェッジローラ11cを1
個のみ設けた場合に就いて説明している。但し、本発明
は、前述の図6〜8に示した従来構造の様に、中心ロー
ラ4の回転方向が不定で、2個のウェッジローラ11
a、11bを設けた構造にも適用できる。
【0039】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、特にコストを高くする事なく伝達効率を向
上させて、摩擦ローラ式変速機を組み込んだ各種機械装
置の性能向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す部分縦断側面
図。
【図2】摩擦ローラ式変速機のみを取り出し、図1と直
角方向で切断した状態で示す略断面図。
【図3】くさび角を説明する為、図2と同方向から見た
模式図。
【図4】くさび角と伝達効率との関係を示す線図。
【図5】各種潤滑油のトラクション係数と温度との関係
を示す線図。
【図6】従来構造の1例を示す断面図。
【図7】図6のA−A断面図。
【図8】同B−B断面図。
【符号の説明】
1 本体 2 蓋体 3 ハウジング 4、4a 中心ローラ 5 通孔 6 入力軸 7a、7b、7c 枢軸 8、8a 連結板 9 支持孔 10、10a、10b ガイドローラ 11a、11b、11c ウェッジローラ 12 ラジアルニードル軸受 13 突部 14 連結ボルト 15、15a 外輪 16 凸部 17、17a 第二の円筒面 18、18a 第三の円筒面 19 結合ブラケット 20、20a 出力軸 21、21a 第二の通孔 22、22a 第一の円筒面 23、23a 環状空間 24 シリンダ孔 25 圧縮コイルばね 26 内径側当接部 27 外径側当接部 28 摩擦ローラ式変速機 29 ハウジング 30 電動モータ 31 回転駆動軸 32 本体 33 蓋体 34 通孔 35 軸受 36 円筒部 38 軸受 39 歯車 40 第一の線分 41 第二の線分 42 第一の直線 43 第二の直線 44 第三の直線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の回転軸と、この第一の回転軸の端
    部にこの第一の回転軸と同心に固定され、外周面を第一
    の円筒面とした中心ローラと、内周面を第二の円筒面と
    して上記中心ローラの周囲に、この中心ローラに対する
    相対回転を自在に設けた外輪と、この外輪と同心で一端
    部をこの外輪に結合固定した第二の回転軸と、上記第一
    の円筒面と上記第二の円筒面との間の環状空間内に、上
    記第一の回転軸と平行に配置された3本以上の枢軸と、
    これら各枢軸により回転自在に支持され、それぞれの外
    周面を第三の円筒面とした3個以上の中間ローラとを備
    え、上記第一の回転軸の中心と上記第二の回転軸及び外
    輪の中心とを偏心させる事により、上記環状空間の幅寸
    法を円周方向に亙って不同にし、上記3個以上の中間ロ
    ーラのうちの少なくとも1個の中間ローラを、少なくと
    も上記内部空間の円周方向に亙る若干の変位自在に支持
    してウェッジローラとする共に、残りの中間ローラをガ
    イドローラとする事により、上記第一の回転軸及び外輪
    が所定方向に回転した場合に、上記ウェッジローラとな
    る少なくとも1個の中間ローラを、上記環状空間の幅の
    狭い部分に向け移動自在とした摩擦ローラ式変速機に於
    いて、上記ウェッジローラの外周面に設けた第三の円筒
    面と上記第一の円筒面及び上記第二の円筒面との接触部
    のトラクション係数をμとし、上記ウェッジローラの中
    心点と、このウェッジローラの外周面に設けた第三の円
    筒面と上記第一の円筒面との接触点である第一の接触点
    とを結ぶ線分を第一の線分とし、上記ウェッジローラの
    中心点と、このウェッジローラの外周面に設けた第三の
    円筒面と上記第二の円筒面との接触点である第二の接触
    点とを結ぶ線分を第二の線分とし、これら第一、第二の
    線分の交差角を二等分する状態で上記中心点を通過する
    直線を第一の直線とし、上記第一の線分に対し直角方向
    に延びて上記第一の接触点を通過する直線を第二の直線
    とし、上記第二の線分に対し直角方向に延びて上記第二
    の接触点を通過する直線を第三の直線とし、上記第一の
    直線と、上記第二の直線及び上記第三の直線とがそれぞ
    れ交差する角度をくさび角αとした場合に、α≦ tan-1
    μを満たす事を特徴とする摩擦ローラ式変速機。
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US09/014,708 US6554730B1 (en) 1997-01-29 1998-01-28 Auxiliary device for bicycle with traction roller type gear
EP98101533A EP0856462B1 (en) 1997-01-29 1998-01-29 Auxiliary drive and reduction gear apparatus
DE69825188T DE69825188T2 (de) 1997-01-29 1998-01-29 Hilfsantrieb und Untersetzungsgetriebe

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100372139B1 (ko) * 1999-08-27 2003-02-14 미쯔비시 지도샤 고교 가부시끼가이샤 벨트식 무단변속기
JP2010121694A (ja) * 2008-11-19 2010-06-03 Toyota Central R&D Labs Inc 摩擦型遊星動力伝達装置

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