JP2002039304A - 摩擦ローラ式変速機 - Google Patents

摩擦ローラ式変速機

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JP2002039304A
JP2002039304A JP2000220383A JP2000220383A JP2002039304A JP 2002039304 A JP2002039304 A JP 2002039304A JP 2000220383 A JP2000220383 A JP 2000220383A JP 2000220383 A JP2000220383 A JP 2000220383A JP 2002039304 A JP2002039304 A JP 2002039304A
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center
cylindrical surface
outer ring
wedge
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JP2000220383A
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Satoshi Omutsuno
智 大六野
Hiroyuki Ito
裕之 伊藤
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プーリ33から出力軸20aに加わるラジア
ル荷重に拘らず、この出力軸20a及び外輪15aの中
心軸が傾斜する事を防止し、摩擦係合部の伝達効率及び
転がり疲れ寿命の確保を図る。 【解決手段】 上記出力軸20aを支持筒部30の内側
に、互いに離隔して配置した1対の玉軸受32、32に
より支持する。上記プーリ33に加わるラジアル荷重の
中心を、これら1対の玉軸受32、32の間部分に位置
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種機械装置に
組み込んで、減速或は増速しつつ回転運動を伝達する摩
擦ローラ式変速機の改良に関し、高い伝達効率を維持す
ると共に構成部品の耐久性を確保できる構造を実現する
ものである。
【0002】
【従来の技術】摩擦ローラ式変速機は、遊星歯車式等の
歯車式変速機に比べて、高速で運転した場合にも発生す
る騒音が小さい。この為、例えば摩擦ローラ式変速機を
電動モータの出力部に組み付けて減速機として使用し、
この電動モータの回転運動を減速すると共にトルクを増
大させる構造が、例えば特開平8−210455号公報
に記載されている。この公報等に記載された一般的な摩
擦ローラ式変速機は、各ローラの周面同士の当接圧を、
伝達すべきトルクの変動に拘らず、常に一定のままに保
持している。
【0003】一方、良好な伝達効率を確保する事を目的
として、伝達すべきトルクが小さい場合には上記当接圧
を低くし、反対に伝達すべきトルクが大きい場合には上
記当接圧を高くする構造として、米国特許第47095
89号明細書には、図6〜8に示す様な摩擦ローラ式変
速機が記載されている。この従来の摩擦ローラ式変速機
は、有底円筒状の本体1とこの本体1の基端開口部を塞
ぐ蓋体2とから成る固定のハウジング3内に中心ローラ
4の内半部(図6の右半部)を、上記蓋体2の略中央部
に形成した通孔5を通じて挿入している。尚、この通孔
5は、上記蓋体2の中心から、少しだけ外れた位置に設
けている。又、上記中心ローラ4の外半部(図6の左半
部)で上記蓋体2から突出した部分には、第一の回転軸
である入力軸6の端部を結合固定している。
【0004】又、上記ハウジング3の内側で上記中心ロ
ーラ4の周囲部分には、3本の枢軸7a、7b、7c
を、それぞれこの中心ローラ4と平行に配置している。
即ち、これら各枢軸7a、7b、7cの一端部(図6の
左端部)を上記蓋体2に支持すると共に、他端部(図6
の右端部)を連結板8に支持している。尚、これら3本
の枢軸7a、7b、7cのうち、図7〜8の上部中央に
位置する1本の枢軸7aは、その両端部を上記蓋体2及
び連結板8に形成した嵌合孔に圧入固定している。従っ
て、この枢軸7aが、上記ハウジング3内で円周方向或
は直径方向に変位する事はない。
【0005】これに対して、図7〜8の下部左右両側に
位置する残り2本の枢軸7b、7cは、両端部を上記蓋
体2及び連結板8に対し、上記ハウジング3の円周方向
及び直径方向に若干の変位自在に支持している。この為
に、上記蓋体2及び連結板8の一部で上記枢軸7b、7
cの両端部に整合する部分には、図8に示す様に、上記
両枢軸7b、7cの外径よりも大きな内径を有する支持
孔9、9を形成し、これら各支持孔9、9に、上記両枢
軸7b、7cの両端部を緩く係合させている。そして、
これら各枢軸7a、7b、7cの中間部周囲に、それぞ
れが中間ローラであるガイドローラ10及びウェッジロ
ーラ11a、11bを、それぞれラジアルニードル軸受
12により、回転自在に支持している。尚、上記連結板
8は、上記蓋体2の内面(上記ガイドローラ10及びウ
ェッジローラ11a、11bを設置した空間側の面で、
図6の右面)の一部で、上記ガイドローラ10及びウェ
ッジローラ11a、11bから外れた位置に突設した突
部13、13に突き当て、連結ボルト14、14によ
り、上記蓋体2に連結固定している。
【0006】又、上記ハウジング3の内側で上記ガイド
ローラ10及びウェッジローラ11a、11bを囲む部
分には、円環状の外輪15を、回転自在に設けている。
この外輪15の内周面中央部は直径方向内方に突出させ
る事により、土手状の凸部16とし、この凸部16の内
周面を第二の円筒面17としている。そして、この第二
の円筒面17と、上記ガイドローラ10及びウェッジロ
ーラ11a、11bの外周面である第三の円筒面18、
18とを当接自在としている。又、上記外輪15には、
結合ブラケット19の外径側端部を外嵌固定し、この結
合ブラケット19の中心部に、第二の回転軸である出力
軸20の内端部(図6の左端部)を結合固定している。
この出力軸20は、前記ハウジング3を構成する本体1
の中央部に形成した第二の通孔21を回転自在に挿通し
て、このハウジング3外に突出させている。
【0007】上記ガイドローラ10及びウェッジローラ
11a、11bの外周面である、上記各第三の円筒面1
8、18は、それぞれ前記中心ローラ4の外周面に設け
た第一の円筒面22と、上記外輪15の内周面に設けた
上記第二の円筒面17とに当接させている。上記中心ロ
ーラ4の中心と上記出力軸20及び外輪15の中心とは
互いに偏心している。即ち、前述の様に、上記中心ロー
ラ4を挿通する通孔5は、上記ハウジング3の中心から
少しだけ外れた位置に設けているのに対して、上記出力
軸20を挿通する第二の通孔21は、上記ハウジング3
の中心に設けている。又、この第二の通孔21の内側に
回転自在に支持した出力軸20と外輪15とは、互いに
同心である。従って、上記中心ローラ4と上記外輪15
及び出力軸20とは、上記通孔5のハウジング3の中心
からのずれ量δ(図6参照)分だけ、互いに偏心してい
る。そして、上記中心ローラ4の外周面に設けた上記第
一の円筒面22と上記外輪15に設けた上記第二の円筒
面17との間に存在して上記ガイドローラ10及びウェ
ッジローラ11a、11bが設けられた環状空間23の
幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う分だけ、円周方向
に関して不同になっている。
【0008】この様に、上記環状空間23の幅寸法を円
周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ10及
びウェッジローラ11a、11bの外径を異ならせてい
る。即ち、上記外輪15に対し中心ローラ4が偏心して
いる側(図7〜8の下側)に位置するウェッジローラ1
1a、11bの径を、互いに同じとすると共に比較的小
径にしている。これに対し、上記外輪15に対し中心ロ
ーラ4が偏心しているのと反対側(図7〜8の上側)に
位置するガイドローラ10の径を、上記両ウェッジロー
ラ11a、11bよりも大きくしている。そして、これ
ら3個の、それぞれが中間ローラであるガイドローラ1
0及びウェッジローラ11a、11bの外周面である第
三の円筒面18、18を、上記第一、第二の円筒面2
2、17に当接させている。
【0009】尚、それぞれが中間ローラである、上記1
個のガイドローラ10及び2個のウェッジローラ11
a、11bのうち、ガイドローラ10を支持した枢軸7
aは、前述の様に、上記ハウジング3内に固定してい
る。これに対して、ウェッジローラ11a、11bを支
持した枢軸7b、7cは、やはり前述した様に上記ハウ
ジング3内に、円周方向及び直径方向に若干の変位を自
在に支持している。従って、上記ウェッジローラ11
a、11bも、上記ハウジング3内で円周方向及び直径
方向に若干の変位自在である。そして、前記蓋体2のシ
リンダ孔24、24内に装着した圧縮コイルばね25、
25等の弾性材により、上記各ウェッジローラ11a、
11bを支持した枢軸7b、7cを、これら各枢軸7
b、7cに回転自在に支持したウェッジローラ11a、
11bを前記環状空間23の幅の狭い部分に向け移動さ
せるべく、弾性的に軽く押圧している。
【0010】上述の様に構成される従来構造の摩擦ロー
ラ式変速機の場合、入力軸6に結合した中心ローラ4の
回転は、この中心ローラ4の外周面である第一の円筒面
22と、ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、
11bの外周面である第三の円筒面18、18との当接
部である、各内径側当接部26a、26bを介して、こ
れらガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11
bに伝わる。更に、これらガイドローラ10及びウェッ
ジローラ11a、11bの回転は、上記各第三の円筒面
18、18と前記外輪15の内周面に設けた第二の円筒
面17との当接部である、各外径側当接部27a、27
bを介して、この外輪15に伝わる。そして、この外輪
15に結合固定した前記出力軸20が回転する。
【0011】上記中心ローラ4が図7〜8の時計方向
(又は反時計方向)に、外輪15が同じく反時計方向
(又は時計方向)に、それぞれ回転すると、図7〜8の
右側の枢軸7b(又は左側の枢軸7c)に回転自在に支
持したウェッジローラ11a(又は11b)が、上記第
一、第二の円筒面22、17同士の間に存在する環状空
間23内で、この環状空間23の幅の狭い部分(図7〜
8の下側中央部分)に向け移動する。この結果、上記枢
軸7b(又は7c)に回転自在に支持したウェッジロー
ラ11a(又は11b)の外周面である第三の円筒面1
8が、上記第一の円筒面22と第二の円筒面17とを強
く押圧する。そして、当該ウェッジローラ11a(又は
11b)に関する第三の円筒面18と上記第一の円筒面
22との当接部である内径側当接部26b、及び、当該
ウェッジローラ11a(又は11b)に関する第三の円
筒面18と上記第二の円筒面17との当接部である外径
側当接部27bの当接圧が高くなる。
【0012】上記1個のウェッジローラ11a(又は1
1b)に関する内径側、外径側両当接部26b、27b
の当接圧が高くなると、上記中心ローラ4と外輪15と
のうちの少なくとも一方の部材が、組み付け隙間、或は
弾性変形等に基づき、それぞれの直径方向に関して僅か
に変位する。この結果、残り2個の中間ローラである、
ガイドローラ10及びウェッジローラ11b(又は11
a)の外周面である第三の円筒面18、18と上記中心
ローラ4の外周面である第一の円筒面22との当接部で
ある2個所の内径側当接部26a、26b、及びこれら
ガイドローラ10及びウェッジローラ11b(又は11
a)の外周面である第三の円筒面18、18と上記外輪
15の内周面である第二の円筒面17との当接部である
2個所の外径側当接部27a、27bの当接圧が高くな
る。
【0013】上記1本の枢軸7b(又は7c)に回転自
在に支持したウェッジローラ11a(又は11b)を、
上記環状空間23内でこの環状空間23の幅の狭い部分
に向け移動させようとする力は、上記中心ローラ4から
上記外輪15に伝達するトルクの大きさに応じて変化す
る。即ち、上記中心ローラ4の駆動トルクが大きくなる
程、上記ウェッジローラ11a(又は11b)を上記環
状空間23の幅の狭い部分に向け移動させようとする力
が大きくなる。そして、この力が大きくなる程、上記各
内径側、外径側両当接部26a、26b、27a、27
bの当接圧が大きくなる。逆に言えば、上記駆動トルク
が小さい場合には、これら各内径側、外径側両当接部2
6a、26b、27a、27bの当接圧が小さい。
【0014】尚、上述した従来構造は、3個の中間ロー
ラのうち、1個の中間ローラのみをガイドローラ10と
し、残り2個の中間ローラをウェッジローラ11a、1
1bとしている。これに対して、3個の中間ローラのう
ちの2個の中間ローラをガイドローラとし、残り1個の
中間ローラのみをウェッジローラとする構造も、従来か
ら知られている。この様な構造を有する摩擦ローラ式変
速機の場合には、一方向の回転力のみを伝達可能であ
り、逆方向の回転力に対しては内部で滑りが発生して、
この回転力を伝達しない。言い換えれば、回転力の伝達
を一方向のみ行なう、クラッチ機能を備える。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用する摩擦ローラ式変速機による伝達効率を確保する為
には、第一、第二、第三の円筒面22、17、18同士
が転がり接触しつつ動力伝達を行なう、各当接部26
a、26b、27a、27bが、軸方向(図6の左右方
向、図7〜8の表裏方向)に関して均等に当接する必要
がある。上記各当接部26a、26b、27a、27b
の当接状態が不均一になると、動力の伝達ロスが発生し
て伝達効率が悪化するだけでなく、上記各当接部26
a、26b、27a、27bの面圧が一部で過大になる
事により、上記各円筒面22、17、18の一部の転が
り疲れ寿命が短くなり、上記摩擦ローラ式変速機の耐久
性が損なわれる。一方、図6〜8に示した様な従来の摩
擦ローラ式変速機の場合、外輪15の中心軸が、中心ロ
ーラ4、ガイドローラ10、ウェッジローラ11a、1
1bの中心軸に対し非平行になり易い。この理由は、次
の通りである。
【0016】図6〜8に示した摩擦ローラ式変速機を減
速機として使用する場合、入力軸6には図示しない電動
モータの出力軸等を結合する。従って、この入力軸6に
ラジアル荷重が加わる事は殆どなく、この入力軸6の中
心軸が上記ガイドローラ10及びウェッジローラ11
a、11bの中心軸に対し非平行になる事はない。これ
に対して、上記外輪15にその基端部を、結合ブラケッ
ト19を介して結合した出力軸20には、動力伝達に伴
って大きなラジアル荷重が加わる場合が多い。即ち、こ
の出力軸20の回転を他の回転部材に伝達する為には、
この出力軸20の先端部に外嵌固定した駆動歯車とこの
他の回転部材に固定した従動歯車とを噛合させたり、上
記出力軸20の先端部に外嵌固定した駆動プーリと上記
他の回転部材に固定した従動プーリとの間に無端ベルト
を掛け渡したりする。何れの場合でも、上記駆動歯車或
は駆動プーリを介して上記出力軸20の先端部にラジア
ル荷重が加わり、この出力軸20の中心軸が本来の位置
に対して傾斜し易い。そして、この出力軸20の中心軸
が本来の位置に対して傾斜した場合には、上記結合ブラ
ケット19を介して上記外輪15の中心軸も、本来の位
置に対し傾斜してしまう。
【0017】そして、この様に外輪15の中心軸が本来
の位置に対し傾斜した場合には、この外輪15の内周面
である前記第二の円筒面17と、上記ガイドローラ10
及びウェッジローラ11a、11bの外周面である第三
の円筒面18、18との当接状態が不均一になる。この
結果、前述した様に、動力の伝達ロスが発生して伝達効
率が悪化するだけでなく、上記各円筒面17、18の一
部の転がり疲れ寿命が短くなり、上記摩擦ローラ式変速
機の耐久性が損なわれる。特に、円周方向への変位自在
なウェッジローラ11a、11bを設けた構造の場合、
内部隙間が大きく、上記出力軸20にラジアル荷重が加
わった場合に、上記外輪15が傾斜し易い為、上述の様
な問題が顕著になる。上記入力軸6に、歯車又はプーリ
を設けた場合には、この入力軸6に関しても、同様の問
題を生じる。本発明は、この様な原因による効率並びに
耐久性の低下を防止できる摩擦ローラ式変速機を実現す
べく発明したものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦ローラ式変
速機は、前述した従来から知られている摩擦ローラ式変
速機と同様に、ハウジングと、中心ローラと、外輪と、
第一の回転軸と、第二の回転軸と、複数本の枢軸と、複
数個の中間ローラとを備える。このうちの中心ローラ
は、上記ハウジングに対し回転自在に設けられたもの
で、その外周面を第一の円筒面としている。又、上記外
輪は、その内周面を第二の円筒面として上記中心ローラ
の周囲に、この中心ローラに対する相対回転を自在に設
けられている。又、上記第一の回転軸は、上記外輪と上
記中心ローラとのうちの一方の部材に、この一方の部材
と同心に且つ回転力の伝達自在に設けられている。又、
上記第二の回転軸は、上記外輪と上記中心ローラとのう
ちの他方の部材にその基端部を、この他方の部材との間
での回転力の伝達自在に結合されると共に、上記ハウジ
ングに対し、回転自在に支持されている。又、上記各枢
軸は、上記第一の円筒面と上記第二の円筒面との間の環
状空間内に、上記中心ローラと平行に配置されている。
又、上記各中間ローラは、上記各枢軸により回転自在に
支持され、それぞれの外周面を第三の円筒面としてい
る。又、上記中心ローラの中心と上記外輪の中心とを偏
心させる事により、上記環状空間の幅寸法を円周方向に
関して不同にしている。更に、上記複数個の中間ローラ
のうちの少なくとも1個の中間ローラを、少なくとも上
記環状空間の円周方向に変位自在に支持してウェッジロ
ーラとする共に、残りの中間ローラをガイドローラとす
る事により、上記中心ローラ及び外輪が所定方向に回転
した場合に、上記ウェッジローラとなる中間ローラを、
上記環状空間の幅の狭い部分に向け移動自在としてい
る。そして、上記各第三の円筒面と上記第一の円筒面及
び第二の円筒面との摩擦係合に基づき、上記第一の回転
軸から上記第二の回転軸への回転力の伝達を自在として
いる。これと共に、上記第二の回転軸の端部で上記ハウ
ジングから突出した部分に固定した伝達部材を介して、
この第二の回転軸と他の回転部材との間での回転力の伝
達を自在としている。
【0019】特に、本発明の摩擦ローラ式変速機に於い
ては、上記ハウジングの一部で上記第一の回転軸と上記
第二の回転軸とのうちの少なくとも一方の回転軸は、こ
の少なくとも一方の回転軸の中間部外周面に対向する部
分に設けられた支持部の内側に、軸方向に離隔した状態
で設けられた1対の軸受により回転自在に支持されてい
る。又、上記伝達部材は、円筒状の主部と結合部とを設
けたものであって、この結合部を上記少なくとも一方の
回転軸に結合している。更に、この少なくとも一方の回
転軸の軸方向に関して、上記伝達部材に加わるラジアル
荷重の中心位置は、上記1対の軸受の間部分に存在す
る。
【0020】
【作用】上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式変速
機の場合には、動力伝達時に伝達部材から第一の回転軸
と第二の回転軸とのうちの少なくとも一方の回転軸に加
わるラジアル荷重に拘らず、この少なくとも一方の回転
軸に、その中心軸を本来の位置に対し傾斜させる方向の
モーメントが加わる事がない。この為、上記少なくとも
一方の回転軸に結合した中心ローラ又は外輪の中心軸
が、本来の位置に対し傾斜する事がなくなる。この結
果、第一〜第三の円筒面同士の接触状態が均一になっ
て、上記摩擦ローラ式変速機の効率並びに耐久性を確保
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の1例を示している。尚、図示の例では、3個の中間ロ
ーラのうちの2個の中間ローラをガイドローラ10a、
10bとし、残り1個の中間ローラのみをウェッジロー
ラ11とする事により、摩擦ローラ式変速機に一方向ク
ラッチの機能を持たせた構造で、本発明を実施した場合
に就いて示している。
【0022】本発明の摩擦ローラ式変速機も、前述した
従来構造の場合と同様に、鋼或はアルミニウム合金製で
有底円筒状の本体1aと、この本体1aの基端開口部を
塞ぐ、鋼製の蓋体2aとから成る、固定のハウジング3
aを有する。そして、このハウジング3a内に中心ロー
ラ4aの内半部(図1の左半部)を、上記蓋体2aの略
中央部に形成した通孔5aを通じて挿入している。この
状態で上記中心ローラ4aをこの通孔5aの内側に、玉
軸受39により、回転自在に支持している。尚、この通
孔5aは、上記蓋体2aの中心から、少しだけ外れた位
置に設けている。上記中心ローラ4aの基端部には、請
求項に記載した第一の回転軸に相当する入力軸6aを、
この中心ローラ4aと一体に設けている。上記摩擦ロー
ラ式変速機の運転時に上記入力軸6aは、図示しない電
動モータにより回転駆動される。
【0023】又、上記ハウジング3aの内側で上記中心
ローラ4aの周囲部分には、3本の枢軸7a、7b、7
cを、それぞれこの中心ローラ4aと平行に配置してい
る。即ち、これら各枢軸7a、7b、7cの一端部(図
1の右端部)を上記蓋体2aに支持すると共に、他端部
(図1の左端部)を連結板8aに支持している。又、本
例の場合、上記3本の枢軸7a、7b、7cのうち、図
2の下部中央並びに上部右側に位置する2本の枢軸7
a、7bは、その両端部を上記蓋体2a及び連結板8a
に形成した嵌合孔28、28に圧入固定している。従っ
て、これら両枢軸7a、7bが、上記ハウジング3a内
で円周方向或は直径方向に変位する事はない。これに対
して、図2の上部左側に位置する残り1本の枢軸7c
は、両端部を上記蓋体2a及び連結板8aに対し、上記
ハウジング3aの円周方向及び直径方向に関して若干の
変位自在に支持している。この為に、上記蓋体2a及び
連結板8aの一部で上記枢軸7cの両端部に整合する部
分には、この枢軸7cの外径よりも大きな幅及び長さを
有する支持孔9aを形成し、これら各支持孔9aに、上
記枢軸7cの両端部を緩く係合させている。
【0024】そして、これら各枢軸7a、7b、7cの
中間部周囲に、それぞれが中間ローラであるガイドロー
ラ10a、10b及びウェッジローラ11を、それぞれ
ラジアルニードル軸受12により、回転自在に支持して
いる。尚、上記連結板8aは、上記蓋体2aの内面(上
記ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11
を設置した空間側の面で、図1の左面)の一部で、上記
ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11か
ら外れた位置に突設した突部13、13に突き当て、連
結ボルト14、14により、上記蓋体2aに連結固定し
ている。
【0025】又、上記ハウジング3aの内側で上記ガイ
ドローラ10a、10b及びウェッジローラ11を囲む
部分には、有底円筒状の外輪15aを設け、この外輪1
5aの内周面を、第二の円筒面17としている。そし
て、この第二の円筒面17と、上記ガイドローラ10
a、10b及びウェッジローラ11の外周面である第三
の円筒面18、18とを当接自在としている。又、上記
外輪15aの底板部29の外面中央部には、請求項に記
載した第二の回転軸である、出力軸20aの基端部(図
1の右端部)を結合している。この出力軸20aは、前
記ハウジング3aを構成する本体1aの中央部に形成し
た、請求項に記載した支持部である、支持筒部30の内
側に挿通して、このハウジング3a外に突出させてい
る。
【0026】又、上記出力軸20aは上記支持筒部30
の内側に、間座31を介して突き合わせた玉軸受32、
32等の、軸方向(図1の左右方向)に離隔した状態で
配置された1対の軸受により、回転自在に支持してい
る。又、上記出力軸20aの先端部(図1の左端部)で
上記ハウジング3aに設けた上記支持筒部30から突出
した部分に、伝達部材であるプーリ33を固定してい
る。このプーリ33は、円筒状の主部34の一端部(図
1の左端部)内周面に内向フランジ状の結合部35を設
けて成る。又、上記主部34の外周面には、段付ベルト
の周面に形成した凹凸と係合させる為の凹凸を形成して
いる。
【0027】この様なプーリ33は、上記結合部35を
上記出力軸20aの先端部に、ナット36の螺合・緊締
等により結合した状態で、上記主部34を上記支持筒部
30の周囲に配置している。この状態で、上記出力軸2
0aの軸方向(図1の左右方向)に関して、上記プーリ
33に加わるラジアル荷重の中心位置は、上記1対の玉
軸受32、32の間部分に存在する。
【0028】即ち、上記出力軸20aの回転を、図示し
ない他の回転部材に伝達する為に、この他の回転部材の
回転軸に設けたプーリと上記プーリ33との間に無端ベ
ルトを掛け渡すと、このプーリ33に、この無端ベルト
の張力に基づいたラジアル荷重が加わる。このラジアル
荷重は、この無端ベルトの全幅に亙って加わるが、その
中心位置は、この無端ベルトの幅方向中心位置になる。
本発明の摩擦ローラ式変速機の場合、上記支持筒部30
及び上記プーリ33の主部34の軸方向長さを大きくす
る事により、図1に鎖線αで示す、上記ラジアル荷重の
中心位置を、同じく2本の鎖線β、βで示す、上記1対
の玉軸受32、32の中心位置の間部分に存在させてい
る。
【0029】又、前記各ガイドローラ10a、10b及
びウェッジローラ11の外周面である、前記各第三の円
筒面18、18は、それぞれ前記中心ローラ4aの外周
面に設けた第一の円筒面22と、上記外輪15aの内周
面に設けた前記第二の円筒面17とに当接させている。
又、上記中心ローラ4aの中心と上記出力軸20a及び
外輪15aの中心とは互いに偏心している。即ち、前述
の様に、上記中心ローラ4aを挿通する通孔5aは、上
記ハウジング3aの中心から少しだけ外れた位置に設け
ているのに対して、上記出力軸20aを挿通する支持筒
部30は、上記ハウジング3aの中心に設けている。
又、この支持筒部30の内側に回転自在に支持した出力
軸20aと外輪15aとは、互いに同心である。従っ
て、上記中心ローラ4aと上記外輪15a及び出力軸2
0aとは、上記通孔5aのハウジング3aの中心からの
ずれ量δ(図1参照)分だけ、互いに偏心している。そ
して、上記中心ローラ4aの外周面に設けた上記第一の
円筒面22と上記外輪15aに設けた上記第二の円筒面
17との間に存在して上記ガイドローラ10a、10b
及びウェッジローラ11が設けられた環状空間23の幅
寸法が、このδ分の偏心量に見合う分だけ、円周方向に
関して不同になっている。
【0030】この様に、上記環状空間23の幅寸法を円
周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ10
a、10b及びウェッジローラ11の外径を異ならせて
いる。即ち、上記外輪15aに対し中心ローラ4aが偏
心している側(図2の上側)に位置するガイドローラ1
0b及びウェッジローラ11の径を、互いに同じとする
と共に比較的小径にしている。これに対し、上記外輪1
5aに対し中心ローラ4aが偏心しているのと反対側
(図2の下側)に位置するガイドローラ10aの径を、
上記ガイドローラ10b及びウェッジローラ11よりも
大きくしている。そして、これら3個の、それぞれが中
間ローラであるガイドローラ10a、10b及びウェッ
ジローラ11の外周面である第三の円筒面18、18
を、上記第一、第二の円筒面22、17に当接させてい
る。
【0031】尚、それぞれが中間ローラである、上記2
個のガイドローラ10a、10b及び1個のウェッジロ
ーラ11のうち、両ガイドローラ10a、10bを支持
した枢軸7a、7bは、前述の様に、上記ハウジング3
a内に固定している。これに対して、ウェッジローラ1
1を支持した枢軸7cは、やはり前述した様に上記ハウ
ジング3a内に、円周方向及び直径方向に関する若干の
変位を自在に支持している。従って、上記ウェッジロー
ラ11も、上記ハウジング3a内で円周方向及び直径方
向に若干の変位自在である。そして、前記蓋体2a及び
連結板8aのシリンダ孔24a内に装着した圧縮コイル
ばね25等の弾性材により、上記ウェッジローラ11を
支持した枢軸7cを、この枢軸7cに回転自在に支持し
たウェッジローラ11を前記環状空間23の幅の狭い部
分に向け移動させるべく、弾性的に押圧している。図示
の例では、上記圧縮コイルばね25により、それぞれの
先端部(図2の右上端部)に外向フランジ状の鍔部37
を形成した1対の押圧ピン38を押圧し、これら両押圧
ピン38により、上記枢軸7cの両端部を同方向に押圧
している。
【0032】以上に述べた様に構成する本発明の摩擦ロ
ーラ式変速機の場合、前記中心ローラ4aの回転は、こ
の中心ローラ4aの外周面である第一の円筒面22と、
ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11の
外周面である第三の円筒面18、18との当接部であ
る、上記各内径側当接部26a、26bを介して、これ
らガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11
に伝わる。更に、これらガイドローラ10a、10b及
びウェッジローラ11の回転は、上記各第三の円筒面1
8、18と前記外輪15aの内周面に設けた第二の円筒
面17との当接部である、上記各外径側当接部27a、
27bを介して、この外輪15aに伝わる。そして、こ
の外輪15aに結合した前記出力軸20aが、上記中心
ローラ4aとは逆方向に回転する。
【0033】前記電動モータ等の駆動源により上記出力
軸20aを回転駆動すべく、上記中心ローラ4aが図2
の時計方向に回転すると、上記ウェッジローラ11が、
この中心ローラ4aから加わる力と上記各圧縮コイルば
ね25の弾力とにより、上記第一、第二の円筒面22、
17同士の間に存在する環状空間23内で、この環状空
間23の幅の狭い部分(図2の上側中央部分)に向け移
動する。この結果、上記ウェッジローラ11の外周面で
ある第三の円筒面18が、上記第一の円筒面22と第二
の円筒面17とを強く押圧する。そして、このウェッジ
ローラ11に関する第三の円筒面18と上記第一の円筒
面22との当接部である内径側当接部26b、及び、上
記ウェッジローラ11に関する第三の円筒面18と上記
第二の円筒面17との当接部である外径側当接部27b
の当接圧が高くなる。
【0034】上記ウェッジローラ11に関する内径側、
外径側両当接部26b、27bの当接圧が高くなると、
上記中心ローラ4aと外輪15aとのうちの少なくとも
一方の部材が、組み付け隙間、或は弾性変形等に基づ
き、それぞれの直径方向に関して僅かに変位する。この
結果、残り2個の中間ローラであるガイドローラ10
a、10bの外周面である第三の円筒面18、18と上
記中心ローラ4aの外周面である第一の円筒面22との
当接部である2個所の内径側当接部26a、26a、及
びこれらガイドローラ10a、10bの外周面である第
三の円筒面18、18と上記外輪15aの内周面である
第二の円筒面17との当接部である2個所の外径側当接
部27a、27aの当接圧が高くなる。そして、上記外
輪15a及び上記出力軸20aが、図2の反時計方向に
回転する。
【0035】上記ウェッジローラ11を、上記環状空間
23内でこの環状空間23の幅の狭い部分に向け移動さ
せようとする力は、上記中心ローラ4aから上記外輪1
5aに伝達するトルクの大きさに応じて変化する。即
ち、上記中心ローラ4aの駆動トルクが大きくなる程、
上記ウェッジローラ11を上記環状空間23の幅の狭い
部分に向け移動させようとする力が大きくなる。そし
て、この力が大きくなる程、上記各内径側、外径側両当
接部26a、26b、27a、27bの当接圧が大きく
なる。逆に言えば、上記駆動トルクが小さい場合には、
これら各内径側、外径側両当接部26a、26b、27
a、27bの当接圧が小さい。この為、上記各内径側、
外径側両当接部26a、26b、27a、27bの当接
圧を、前記電動モータ等の駆動源と前記出力軸20aと
の間で伝達すべきトルクの大きさに応じた適正値にでき
て、摩擦ローラ式変速機の伝達効率を高くできる。この
状態では、クラッチ機構がONとなる。
【0036】一方、上記中心ローラ4aが停止した状態
のまま、上記外輪15aが、図2の反時計方向に回転す
る場合には上記ウェッジローラ11が、上記外輪15a
から加わる力により、前記各圧縮コイルばね25の弾力
に抗し、上記環状空間23内で、この環状空間23の幅
の広い部分(図2の左側中央部分)に向け移動する。こ
の結果、上記ウェッジローラ11の外周面である第三の
円筒面18が、上記第一の円筒面22と第二の円筒面1
7とを押圧しなくなる。そして、このウェッジローラ1
1並びに前記各ガイドローラ10a、10bに関する第
三の円筒面18、18と上記第一の円筒面22との当接
部である内径側当接部26a、26b、及び、上記ウェ
ッジローラ11並びに前記各ガイドローラ10a、10
bに関する第三の円筒面18、18と上記第二の円筒面
17との当接部である外径側当接部27a、27bの当
接圧が、低下若しくは喪失する。この結果、上記外輪1
5aの回転が上記電動モータ等の駆動源にまで伝達され
なくなる。この状態では、クラッチ機構がOFFとな
る。
【0037】更に、本発明の摩擦ローラ式変速機の場合
には、動力伝達時に図示しない無端ベルトを掛け渡した
前記プーリ33から前記出力軸20aに加わるラジアル
荷重に拘らず、この出力軸20aに、その中心軸を本来
の位置に対し傾斜させる方向のモーメントが加わる事が
ない。この点に就いて、図3により説明する。尚、この
図3では、1対の玉軸受32、32による回転支持部の
ラジアル隙間、並びにこのラジアル隙間に基づく傾斜
を、誇張して描いている。
【0038】本発明の場合には、上記無端ベルトから上
記プーリ33に加わるラジアル荷重Fの中心が、図3
(A)に示す様に、前記1対の玉軸受32、32同士の
間に存在する。この様な状態では上記ラジアル荷重F
は、上記出力軸20aを、上記回転支持部のラジアル隙
間に基づいて平行移動させる事はあっても、傾斜させる
事はない。この為、上記出力軸20aの基端部を結合固
定した前記外輪15aの中心軸が、本来の位置に対し傾
斜する事がなくなる。この結果、前記第一〜第三の円筒
面22、17、18(図1〜2参照)同士の接触状態が
均一になって、摩擦ローラ式変速機の効率並びに耐久性
を確保できる。
【0039】これに対して、図3(B)に示す様に、上
記ラジアル荷重が上記1対の玉軸受32、32の間に存
在しない場合には上記ラジアル荷重Fに基づき、このラ
ジアル荷重Fに近い側の玉軸受32を支点とするモーメ
ントが発生する。そして、このモーメントにより上記出
力軸20aが、上記ラジアル隙間分傾斜する。この状態
では、上記外輪15aの中心軸が本来の位置に対し傾斜
する結果、上記第一〜第三の円筒面22、17、18同
士の接触状態が不均一になって、摩擦ローラ式変速機の
効率並びに耐久性が悪化する。
【0040】尚、図9に示す様に、ハウジング3aを構
成する本体1aに支持筒部30aを設けた場合でも、こ
の支持筒部30a及びこの支持筒部30aの周囲に配置
するプーリ33aの軸方向長さが短い場合には、このプ
ーリ33aに加わるラジアル荷重Fが図3(C)に示す
様に、一方の玉軸受32の中心上又はその近傍に加わ
る。この様な状態では、出力軸20aが傾斜するかどう
か不安定な状態となり、摩擦ローラ式変速機の効率並び
に耐久性を必ずしも確保できない場合を生じる。特に、
無端ベルトから上記プーリ33、33aに加わるラジア
ル荷重Fの位置は、この無端ベルトの走行に伴う振動、
この無端ベルトの弾性変形、各部材の取付誤差等により
微妙に変化するので、上記不安定な状態は好ましくな
い。この様な事を考慮した場合には、1対の玉軸受3
2、32の中心間距離をLとし、これら両玉軸受32、
32のうちの何れか一方の玉軸受の中心から前記プーリ
33に加わるラジアル荷重Fの中心位置までの距離をx
とした場合に、x=(0.2〜0.8)Lとする事が好
ましい。この点に就いて、図4〜5により説明する。
【0041】図4に示す様に、中心間距離Lである1対
の玉軸受32、32のうちの何れか一方の玉軸受32か
ら距離xだけ離れた部分にラジアル荷重Fが加わった場
合を考えると、一方の玉軸受32に加わるラジアル荷重
(ラジアル反力)r1 及び他方向玉軸受32に加わるラ
ジアル荷重r2 は、それぞれ次式で表される。 r1 ={(L−x)/L}F r2 =(x/L)F X=x/L、R1 =r1 /F、R2 =r2 /Fとすれ
ば、 R1 =1−X R2 =X となる。
【0042】上記ラジアル荷重Fを上記1対の玉軸受3
2、32に均等に支承させて、上記出力軸20aの傾斜
をより小さくすると共に、これら両玉軸受32、32の
耐久性に大きな差が生じない様にする為には、上記R
1 、R2 の値をできるだけ等しく、言い換えれば、これ
らR1 、R2 の比(R1 /R2 及びR2 /R1 )を1に
近くする必要がある。これらR1 、R2 の比は、上記距
離xにより変化するが、その変化は、図5の2本の曲線
に示す様になる。この図5から明らかな通り、上記R
1 、R2 の比は、上記距離xがL/2の場合に最小値1
となるが、この距離xが(0.2〜0.8)Lであれ
ば、4以下の値に納められ、しかも、上記距離xが変化
した場合にも上記R1 、R2 の比が急激に変化する事は
ない。そこで、上記ラジアル荷重Fが作用する位置を表
す距離xを、(0.2〜0.8)Lの範囲に規制すれ
ば、上記各玉軸受32、32の耐久性確保と前記出力軸
20aの傾斜防止とを有効に図れる。逆に言えば、上記
距離xが0.2L未満であったり、0.8Lを越えたり
する場合には、前記無端ベルトから加わるラジアル荷重
Fの位置が僅かに変動しただけでも、上記R1 、R2
比が急激に変動する。この様な状態は、上記各玉軸受3
2、32に加わる荷重の急激な変動に結び付く為、これ
ら各玉軸受32、32の耐久性確保が難しくなる。同時
に、出力軸20aの傾斜にも結び付き、摩擦ローラ式変
速機の効率低下に結び付き易くなる。
【0043】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成し作用
するので、優れた伝達効率と耐久性とを有する摩擦ロー
ラ式変速機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】ラジアル荷重の作用位置と出力軸及び外輪の姿
勢との関係の3例を、変位を誇張して示す、部分略断面
図。
【図4】好ましいラジアル荷重の作用位置を説明する為
の部分略断面図。
【図5】ラジアル荷重の作用位置と、1対の軸受に加わ
る荷重同士の比との関係を示す線図。
【図6】従来構造の1例を示す断面図。
【図7】図6のB−B断面図。
【図8】同C−C断面図。
【図9】好ましくない構造の1例を示す断面図。
【符号の説明】
1、1a 本体 2、2a 蓋体 3、3a ハウジング 4、4a 中心ローラ 5、5a 通孔 6、6a 入力軸 7a、7b、7c 枢軸 8、8a 連結板 9、9a 支持孔 10、10a、10b ガイドローラ 11、11a、11b ウェッジローラ 12 ラジアルニードル軸受 13 突部 14 連結ボルト 15、15a 外輪 16 凸部 17 第二の円筒面 18 第三の円筒面 19 結合ブラケット 20、20a 出力軸 21 第二の通孔 22 第一の円筒面 23 環状空間 24、24a シリンダ孔 25 圧縮コイルばね 26a、26b 内径側当接部 27a、27b 外径側当接部 28 嵌合孔 29 底板部 30、30a 支持筒部 31 間座 32 玉軸受 33、33a プーリ 34 主部 35 結合部 36 ナット 37 鍔部 38 押圧ピン 39 玉軸受
フロントページの続き Fターム(参考) 3J051 AA01 BA03 BB08 BC02 BC03 BD02 BE03 BE04 EA02 EB03 EC01 ED03 FA10 3J063 AA40 AB35 AC03 BA03 BA04 BB11 CA01 CB36 CB41 CD02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、このハウジングに対し回
    転自在に設けられた、その外周面を第一の円筒面とした
    中心ローラと、その内周面を第二の円筒面としてこの中
    心ローラの周囲に、この中心ローラに対する相対回転を
    自在に設けられた外輪と、この外輪と上記中心ローラと
    のうちの一方の部材に、この一方の部材と同心に且つ回
    転力の伝達自在に設けられた第一の回転軸と、上記外輪
    と上記中心ローラとのうちの他方の部材にその基端部
    を、この他方の部材との間での回転力の伝達自在に結合
    されると共に、上記ハウジングに対し回転自在に支持さ
    れた第二の回転軸と、上記第一の円筒面と上記第二の円
    筒面との間の環状空間内に、上記中心ローラと平行に配
    置された複数本の枢軸と、これら各枢軸により回転自在
    に支持され、それぞれの外周面を第三の円筒面とした複
    数個の中間ローラとを備え、上記中心ローラの中心と上
    記外輪の中心とを偏心させる事により、上記環状空間の
    幅寸法を円周方向に関して不同にし、上記複数個の中間
    ローラのうちの少なくとも1個の中間ローラを、少なく
    とも上記環状空間の円周方向に変位自在に支持してウェ
    ッジローラとする共に、残りの中間ローラをガイドロー
    ラとする事により、上記中心ローラ及び外輪が所定方向
    に回転した場合に、上記ウェッジローラとなる中間ロー
    ラを、上記環状空間の幅の狭い部分に向け移動自在とし
    て、上記各第三の円筒面と上記第一の円筒面及び第二の
    円筒面との摩擦係合に基づき、上記第一の回転軸から上
    記第二の回転軸への回転力の伝達を自在とし、且つ、上
    記第二の回転軸の端部で上記ハウジングから突出した部
    分に固定した伝達部材を介して、この第二の回転軸と他
    の回転部材との間での回転力の伝達を自在とした摩擦ロ
    ーラ式変速機に於いて、上記ハウジングの一部で上記第
    一の回転軸と上記第二の回転軸とのうちの少なくとも一
    方の回転軸は、この少なくとも一方の回転軸の中間部外
    周面に対向する部分に設けられた支持部の内側に、軸方
    向に離隔した状態で設けられた1対の軸受により回転自
    在に支持されており、上記伝達部材は、円筒状の主部と
    結合部とを設けたものであって、この結合部を上記少な
    くとも一方の回転軸に結合しており、この少なくとも一
    方の回転軸の軸方向に関して、上記伝達部材に加わるラ
    ジアル荷重の中心位置は、上記1対の軸受の間部分に存
    在する事を特徴とする摩擦ローラ式変速機。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方の回転軸を支持する為の
    1対の軸受の中心間距離をLとし、これら両軸受のうち
    の何れか一方の軸受の中心から伝達部材に加わるラジア
    ル荷重の中心位置までの距離をxとした場合に、x=
    (0.2〜0.8)Lである、請求項1に記載した摩擦
    ローラ式変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101706612B (zh) * 2009-10-20 2012-06-06 中国科学院国家天文台南京天文光学技术研究所 适用于极大天文望远镜的滚动摩擦传动系统

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101706612B (zh) * 2009-10-20 2012-06-06 中国科学院国家天文台南京天文光学技术研究所 适用于极大天文望远镜的滚动摩擦传动系统

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