JP3632358B2 - 摩擦ローラ式変速機の組立方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種機械装置に組み込んで、減速或は増速しつつ回転運動を伝達する摩擦ローラ式変速機の組立方法の改良に関し、安価で小型に構成でき、しかも優れた耐久性を有する構造を実現できる組立方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
摩擦ローラ式変速機は、遊星歯車式等の歯車式変速機に比べて、高速で運転した場合にも発生する騒音が小さい。この為、摩擦ローラ式変速機を電動モータの出力部に組み付けて減速機として使用し、この電動モータの回転運動を減速すると共にトルクを増大させる構造が、例えば特開平8−210455号公報に記載されている。図7〜8は、この公報に記載されている、摩擦ローラ式減速機付電動モータを示している。
【0003】
電動モータ1を構成するモータケース2は、有底円筒状のケース本体3と、このケース本体3の一端(図7の下端)開口部を塞ぐ蓋体4とから成る。そして、この様なモータケース2の内側中心部に回転駆動軸5を、回転自在に支持している。上記ケース本体3の内周面にはステータ6を、上記回転駆動軸5の中間部外周面でこのステータ6の内周面に対向する部分にはロータ7を、それぞれ固定し、上記ステータ6への通電に基づいて、上記回転駆動軸5を回転駆動自在としている。そして、上記蓋体4の外面(図7の下面)に、摩擦ローラ式減速機8を設けている。
【0004】
この摩擦ローラ式減速機8は、第一の回転軸である上記回転駆動軸5の一端部(図7の下端部)で、上記蓋体4の外面から突出した部分を、中心ローラ9として機能させている。この中心ローラ9は、上記回転駆動軸5と同心であり、外周面を第一の円筒面10としている。上記中心ローラ9の周囲には外輪11を、この中心ローラ9に対する相対回転自在に配置している。図示の例では、上記蓋体4の外面外径寄り部分に形成した円筒壁部12の内側に上記外輪11を内嵌すると共に、複数本の固定ボルト21、21により上記外輪11を、上記蓋体4の下面に固定している。即ち、図示の例では、固定の上記外輪11の内側で、上記中心ローラ9が回転する。この様な外輪11の内周面は、第二の円筒面13としている。
【0005】
この第二の円筒面13と、上記第一の円筒面10との間の環状空間14内には、複数本(図示の例では4本)の枢軸15、15の一部を挿入している。これら各枢軸15、15は、それぞれ上記回転駆動軸5と平行に配置している。又、これら各枢軸15、15の一部で上記環状空間14の内側に位置する部分に中間ローラ16、16を、ラジアルニードル軸受17、17により、これら各枢軸15、15に対する回転自在に支持している。上記各中間ローラ16、16の外周面は、それぞれ上記第一の円筒面10及び上記第二の円筒面13に当接する第三の円筒面18としている。更に、上記各枢軸15、15の端部で上記環状空間14から突出した部分を、支持部材である円輪状の連結板19に結合固定している。そして、この連結板19の中心部に、第二の回転軸である出力軸20の基端部を結合固定している。この出力軸20は、複数本の連結ボルト22、22により上記円筒壁部12の先端部に連結固定したカバー23の中心部に設けた円筒部24の内側に、1対の玉軸受66、66により、回転自在に支持している。
【0006】
上述の様に構成される摩擦ローラ式減速機付電動モータの作用は、次の通りである。前記ステータ6への通電に基づいて前記回転駆動軸5が回転すると、前記中心ローラ9の第一の円筒面10と上記各中間ローラ16、16の第三の円筒面18、18との摩擦に基づき、これら各中間ローラ16、16が、上記中心ローラ9の周囲で自転しつつ公転する。この公転運動は、上記各枢軸15、15及び上記連結板19を介して上記出力軸20に伝達され、この出力軸20が、上記回転駆動軸5よりも低速で回転する。
【0007】
尚、摩擦ローラ式変速機の伝達効率を確保すべく、上記第三の円筒面18、18と上記第一、第二の円筒面10、13との滑りを防止する為には、これら各円筒面18、10、13同士の当接圧を確保する必要がある。この当接圧を確保する為に図7〜8に示した構造の場合、焼きばめにより、上記各中間ローラ16、16を上記第一の円筒面10と上記第二の円筒面13との間の環状空間14内に挿入している。即ち、上記第二の円筒面13を設けた外輪11を加熱してこの外輪11を熱膨張させる事により、上記第二の円筒面13の直径を広げた状態で、上記各中間ローラ16、16を上記環状空間14内に挿入する。挿入後、上記外輪11が冷却されて上記第二の円筒面13の直径が縮めば、上記各円筒面18、10、13同士が、摩擦ローラ式減速機8の構成各部材9、11、16の弾性変形に基づいて、十分に大きな圧力で当接する。
【0008】
一方、米国特許第4709589号明細書には、図9〜11に示す様な摩擦ローラ式変速機が記載されている。この従来構造の第2例の摩擦変速機は、有底円筒状の本体25とこの本体25の基端開口部を塞ぐ蓋体26とから成る固定のハウジング29内に中心ローラ9aの内半部(図9の右半部)を、上記蓋体26の略中央部に形成した通孔27を通じて挿入している。尚、この通孔27は、上記蓋体26の中心から、少しだけ外れた位置に設けている。又、上記中心ローラ9aの外半部(図9の左半部)で上記蓋体26から突出した部分には、第一の回転軸である入力軸28の端部を結合固定している。
【0009】
又、上記ハウジング29の内側で上記中心ローラ9aの周囲部分には、3本の枢軸15a、15b、15cを、それぞれこの中心ローラ9aと平行に配置している。即ち、これら各枢軸15a、15b、15cの一端部(図9の左端部)を上記蓋体26に支持すると共に、他端部(図9の右端部)を連結板19aに支持している。尚、これら3本の枢軸15a、15b、15cのうち、図9〜11の上部中央に位置する1本の枢軸15aは、その両端部を上記蓋体26及び連結板19aに形成した嵌合孔に圧入固定している。従って、この枢軸15aが、上記ハウジング29内で円周方向或は直径方向に変位する事はない。
【0010】
これに対して、図10〜11の下部左右両側に位置する残り2本の枢軸15b、15cは、両端部を上記蓋体26及び連結板19aに対し、上記ハウジング29の円周方向及び直径方向に亙る若干の変位自在に支持している。この為に、上記蓋体26及び連結板19aの一部で上記枢軸15b、15cの両端部に整合する部分には、図11に示す様に、上記両枢軸15b、15cの外径よりも大きな内径を有する支持孔30、30を形成し、これら各支持孔30、30に、上記両枢軸15b、15cの両端部を緩く係合させている。そして、これら各枢軸15a、15b、15cの中間部周囲に、それぞれが中間ローラであるガイドローラ32及びウェッジローラ31a、31bを、それぞれラジアルニードル軸受17により、回転自在に支持している。尚、上記連結板19aは、上記蓋体26の内面(上記ガイドローラ32及びウェッジローラ31a、31bを設置した空間側の面で、図9の右面)の一部で、上記ガイドローラ32及びウェッジローラ31a、31bから外れた位置に突設した突部33、33に突き当て、連結ボルト34、34により、上記蓋体26に連結固定している。
【0011】
又、上記ハウジング29の内側で上記ガイドローラ32及びウェッジローラ31a、31bを囲む部分には、円環状の外輪11aを、回転自在に設けている。この外輪11aの内周面中央部は直径方向内方に突出させる事により、土手状の凸部35とし、この凸部35の内周面を第二の円筒面13aとしている。そして、この第二の円筒面13aと、上記ガイドローラ32及びウェッジローラ31a、31bの外周面である第三の円筒面18a、18aとを当接自在としている。又、上記外輪11aには、結合ブラケット36の外径側端部を外嵌固定し、この結合ブラケット36の中心部に、出力軸20aの内端部を結合固定している。この出力軸20aは、前記ハウジング29を構成する本体25の中央部に形成した第二の通孔37を回転自在に挿通して、このハウジング29外に突出させている。
【0012】
上記ガイドローラ32及びウェッジローラ31a、31bの外周面は、前記中心ローラ9aの外周面と上記外輪11aの内周面とに当接させている。上記中心ローラ9aの中心と上記出力軸20a及び外輪11aの中心とは互いに偏心している。即ち、前述の様に、上記中心ローラ9aを挿通する通孔27は、上記ハウジング29の中心から少しだけ外れた位置に設けているのに対して、上記出力軸20aを挿通する第二の通孔37は上記ハウジング29の中心に設けている。又、この第二の通孔37の内側に回転自在に支持した出力軸20aと外輪11aとは、互いに同心である。従って、上記中心ローラ9aと上記外輪11a及び出力軸20aとは、上記通孔27のハウジング29の中心からのずれ量δ(図9参照)分だけ、互いに偏心している。そして、上記中心ローラ9aの外周面である第一の円筒面10aと上記外輪11aに形成した凸部35の内周面である第二の円筒面13aとの間に存在して上記ガイドローラ32及びウェッジローラ31a、31bが設けられた環状空間14aの幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う分だけ、円周方向に亙り不同になっている。
【0013】
この様に、上記環状空間14aの幅寸法を円周方向に亙り不同にした分、上記ガイドローラ32及びウェッジローラ31a、31bの外径を異ならせている。即ち、上記外輪11aに対して中心ローラ9aが偏心している側(図9〜11の下側)に位置するウェッジローラ31a、31bの径を、互いに同じとすると共に比較的小径にしている。これに対して、上記外輪11aに対して中心ローラ9aが偏心しているのと反対側(図9〜11の上側)に位置するガイドローラ32の径を、上記両ウェッジローラ31a、31bよりも大きくしている。そして、これら3個の、それぞれが中間ローラであるガイドローラ32及びウェッジローラ31a、31bの外周面である第三の円筒面18a、18aを、上記第一、第二の円筒面10a、13aに当接させている。
【0014】
尚、それぞれが中間ローラである、上記1個のガイドローラ32及び2個のウェッジローラ31a、31bのうち、ガイドローラ32を支持した枢軸15aは、前述の様に、上記ハウジング29内に固定している。これに対して、ウェッジローラ31a、31bを支持した枢軸15b、15cは、やはり前述した様に上記ハウジング29内に、円周方向及び直径方向に亙る若干の変位を自在に支持している。従って、上記ウェッジローラ31a、31bも、上記ハウジング29内で円周方向及び直径方向に亙り若干の変位自在である。そして、前記蓋体26のシリンダ孔38、38内に装着した圧縮コイルばね39、39等の弾性材により、上記各ウェッジローラ31a、31bを支持した枢軸15b、15cを、これら各枢軸15b、15cに回転自在に支持したウェッジローラ31a、31bを前記環状空間14aの幅の狭い部分に向け移動させるべく、弾性的に軽く押圧している。
【0015】
上述の様に構成される従来構造の第2例の摩擦ローラ式変速機の場合、入力軸28に結合した中心ローラ9aの回転は、この中心ローラ9aの外周面である第一の円筒面10aと、ガイドローラ32及びウェッジローラ31a、31bの外周面である第三の円筒面18a、18aとの当接部である、各内径側当接部40、40を介して、これらガイドローラ32及びウェッジローラ31a、31bに伝わる。更に、これらガイドローラ32及びウェッジローラ31a、31bの回転は、上記各第三の円筒面18a、18aと前記外輪11aの内周面に設けた第二の円筒面13aとの当接部である、各外径側当接部41、41を介して、この外輪11aに伝わる。そして、この外輪11aに結合固定した前記出力軸20aが回転する。
【0016】
上記中心ローラ9aが図10〜11の時計方向(又は反時計方向)に、外輪11aが同じく反時計方向(又は時計方向)に、それぞれ回転すると、図10〜11の右側の枢軸15b(又は左側の枢軸15c)に回転自在に支持したウェッジローラ31a(又は31b)が、上記第一、第二の円筒面10a、13a同士の間に存在する環状空間14a内で、この環状空間14aの幅の狭い部分(図10〜11の下側中央部分)に向け移動する。この結果、上記枢軸15b(又は15c)に回転自在に支持したウェッジローラ31a(又は31b)の外周面である第三の円筒面18aが、上記第一の円筒面10aと第二の円筒面13aとを強く押圧する。そして、当該ウェッジローラ31a(又は31b)に関する第三の円筒面18aと上記第一の円筒面10aとの当接部である内径側当接部40、及び、当該ウェッジローラ31a(又は31b)に関する第三の円筒面18aと上記第二の円筒面13aとの当接部である外径側当接部41の当接圧が高くなる。
【0017】
上記1個のウェッジローラ31a(又は31b)に関する内径側、外径側両当接部40、41の当接圧が高くなると、上記中心ローラ9aと外輪11aとのうちの少なくとも一方の部材が、組み付け隙間、或は弾性変形等に基づき、それぞれの直径方向に亙り僅かに変位する。この結果、残り2個の中間ローラである、ガイドローラ32及びウェッジローラ31b(又は31a)の外周面である第三の円筒面18a、18aと上記中心ローラ9aの外周面である第一の円筒面10aとの当接部である2個所の内径側当接部40、40、及びこれらウェッジローラ31b(又は31a)及びガイドローラ32の外周面である第三の円筒面18a、18aと外輪11aの内周面である第二の円筒面13aとの当接部である2個所の外径側当接部41、41の当接圧が高くなる。
【0018】
上記1本の枢軸15bに回転自在に支持したウェッジローラ31a(又は31b)を、上記環状空間14a内でこの環状空間14aの幅の狭い部分に向け移動させようとする力は、上記中心ローラ9aから上記外輪11aに伝達するトルクの大きさに応じて変化する。即ち、上記中心ローラ9aの駆動トルクが大きくなる程、上記ウェッジローラ31a(又は31b)を上記環状空間14aの幅の狭い部分に向け移動させようとする力が大きくなる。そして、この力が大きくなる程、上記各内径側、外径側両当接部40、41の当接圧が大きくなる。逆に言えば、上記駆動トルクが小さい場合には、これら各内径側、外径側両当接部40、41の当接圧が小さい。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に構成される、従来から知られている摩擦ローラ式変速機は、第一、第二の円筒面10、10a、13、13aと第三の円筒面18、18aとの当接圧を確保しつつ、中心ローラ9、9aと外輪11、11aと各ローラ16、31a、31b、32とを組み立てる事が面倒であった。先ず、図7〜8に示した従来構造の第1例の場合には、外輪11を加熱して第二の円筒面13の直径を大きくした状態で、上記外輪11の内側に中間ローラ16、16と中心ローラ9とを組み付ける、焼きばめ作業を行なう。この中心ローラ9と一体に設けた回転駆動軸5には、摩擦ローラ式変速機を組み立てる以前にロータ7を組み付ける必要がある為、上記中心ローラ9は、重量が嵩むだけでなく、形状的に取り扱いが面倒である。この為、上記摩擦ローラ式変速機の組立作業が面倒で、この摩擦ローラ式変速機のコストが嵩む原因となる。
【0020】
これに対して、図9〜11に示した従来構造の第2例の場合には、焼きばめの必要がない代わりに、各ウェッジローラ31a、31bを枢支した各枢軸15b、15cを圧縮コイルばね39、39の弾力に抗して変位させつつ、中心ローラ9aの組み付け作業を行なう必要がある。即ち、上記各ウェッジローラ31a、31b及び圧縮コイルばね39、39は、上記中心ローラ9aの組み付けに先立って、環状空間14a内に設置しておく必要がある。又、上記各圧縮コイルばね39、39の弾力により上記各ウェッジローラ31a、31bを変位させ切った状態では、これら各ウェッジローラ31a、31b及びガイドローラ32の最大内接円の直径は、上記中心ローラ9aの外径よりも小さくなる。従って、これら3個のローラ31a、31b、32の内側に上記中心ローラ9aを押し込む作業は、この中心ローラ9aを傾斜させた状態でこじる様にして行なわなければならず、やはり面倒である。
本発明の摩擦ローラ式変速機の組立方法は、この様な面倒を解消すべく発明したものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の対象となる摩擦ローラ式変速機は、前述の図9〜11に示した従来構造の第2例の摩擦ローラ式変速機と同様に、ハウジングと、このハウジングに回転自在に支持された第一の回転軸と、この第一の回転軸の端部でこのハウジング内に位置する部分にこの第一の回転軸と同心に固定され、外周面を第一の円筒面とした中心ローラと、内周面を第二の円筒面として上記中心ローラの周囲で上記ハウジング内に、この中心ローラに対する相対回転を自在に設けた外輪と、この外輪と同心で一端部をこの外輪に結合固定した状態で上記ハウジングに回転自在に支持された第二の回転軸と、上記第一の円筒面と上記第二の円筒面との間の環状空間内に、上記第一の回転軸と平行に配置された3本以上の枢軸と、これら各枢軸により回転自在に支持され、それぞれの外周面を第三の円筒面とした3個以上の中間ローラとを備える。そして、上記第一の回転軸の中心と上記第二の回転軸及び外輪の中心とを偏心させる事により、上記環状空間の幅寸法を円周方向に亙って不同にし、上記3個以上の中間ローラのうちの少なくとも1個の中間ローラを、少なくとも上記環状空間の円周方向に亙る若干の変位自在に支持してウェッジローラとする共に、残りの中間ローラをガイドローラとする事により、上記第一の回転軸及び外輪が所定方向に回転した場合に、上記ウェッジローラとなる少なくとも1個の中間ローラを、上記環状空間の幅の狭い部分に向け移動自在としている。
【0022】
【0023】
特に、本発明の摩擦ローラ式変速機の組立方法に於いては、上記ウェッジローラとなる少なくとも1個の中間ローラを上記環状空間の幅の狭い側に向け弾性的に押圧する板ばねを上記ハウジング内に装着せずに、このウェッジローラとなる少なくとも1個の中間ローラを重力の作用により幅の広い部分に退避させたままの状態で、上記3個以上の中間ローラの内側に上記中心ローラを挿入した後、上記板ばねを上記ハウジングに設けた装着孔を通じてこのハウジング内に挿入し、この板ばねにより、上記ウェッジローラとなる少なくとも1個の中間ローラを上記環状空間の幅の狭い部分に向け弾性的に軽く押圧する。
【0024】
【作用】
上述の様に構成される本発明の摩擦ローラ式変速機の組立方法によれば、中心ローラを3個以上の中間ローラの内側に装着し、且つこれら各中間ローラの外周面に設けた第三の円筒面と、上記中心ローラの外周面に設けた第一の円筒面及び外輪の内周面に設けた第二の円筒面との当接圧を確保する作業を容易に行なえる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1〜6は、本発明の実施の形態の1例を示している。本発明の対象となる摩擦ローラ式変速機42は、ハウジング43を備える。このハウジング43は、電動モータ1の回転駆動軸5の端部にこの回転駆動軸5と同心に、且つこの回転駆動軸5と一体に設けた中心ローラ9aを覆う状態で設け、図示しないフレーム等に固定している。このハウジング43は、有底円筒状の本体44と、この本体44の基端開口部を塞ぐ蓋体45とから成る。上記中心ローラ9aは、この蓋体45の中心から少しだけ外れた位置に設けた通孔46を通じて、上記ハウジング43内に挿入している。又、この通孔46の内周面と上記中心ローラ9aの基端部外周面との間には、軸受47を設けている。
【0026】
又、上記ハウジング43の内側で上記中心ローラ9aの周囲部分には、3本の枢軸15a、15bを、それぞれこの中心ローラ9aと平行に配置している。即ち、これら各枢軸15a、15bの一端部(図1の上端部)を上記蓋体45に支持すると共に、他端部(図1の下端部)を連結板19bに支持している。尚、これら3本の枢軸15a、15bのうち、2本の枢軸15a、15aは、それぞれの両端部を上記蓋体45及び連結板19bに設けた嵌合孔に圧入固定している。従って、これら2本の枢軸15a、15aが、上記ハウジング43内で円周方向或は直径方向に変位する事はない。これに対して、残り1本の枢軸15bは、両端部を上記蓋体45及び連結板19bに対し、上記ハウジング43の円周方向及び直径方向に亙る若干の変位自在に支持している。この為に、上記蓋体45及び連結板19bの一部で上記枢軸15bの両端部に整合する部分には、前述の図11に示した様に、上記枢軸15bの両端部の外径よりも大きな内径を有する支持孔30(図1〜6には図示せず)を形成し、これら両支持孔に、上記枢軸15bの両端部を緩く係合させている。そして、これら各枢軸15a、15bの中間部周囲に、それぞれが中間ローラであるウェッジローラ31c及びガイドローラ32a、32bを、それぞれラジアルニードル軸受17(図1参照。図2には省略。)により、回転自在に支持している。尚、上記連結板19bの一部は、上記蓋体45の内面(上記ウェッジローラ31c及びガイドローラ32a、32bを設置した空間側の面で、図1の下面)の一部で上記ウェッジローラ31c及びガイドローラ32a、32bから外れた位置に突設した、突部33(図1参照。図2には省略。)に結合している。
【0027】
又、上記ハウジング43の内側で上記ウェッジローラ31c及びガイドローラ32a、32bを囲む部分には、有底円筒状の外輪11bを、回転自在に設けている。この外輪11bは、円筒部48と、この円筒部48の一端(図1の下端)開口を塞ぐ円板部49とから成る。このうちの円筒部48の内周面は平滑な円筒面として、やはり平滑に形成した、上記ウェッジローラ31c及びガイドローラ32a、32bの外周面と当接自在としている。又、上記円板部49の外側面(上記ウェッジローラ31c及びガイドローラ32a、32bを設置した空間と反対側面で、図1の下面)には、出力軸20bの基端部(図1の上端部)を結合固定している。そしてこの出力軸20bを、上記ハウジング43を構成する本体44の中央部に設けた第二の通孔50を通じて、上記ハウジング43外に突出させている。尚、上記出力軸20bの基端寄り部分の外周面と上記第二の通孔50の内周面との間には軸受51を設けて、上記外輪11b及び出力軸20bを、上記ハウジング43に対し回転自在に支持している。又、上記出力軸20bの先半部(図1の下半部)で上記ハウジング43外に突出した部分には、動力取り出し用の歯車52を固定している。
【0028】
上記ウェッジローラ31c及びガイドローラ32a、32bの外周面は、前記中心ローラ9aの外周面と上記外輪11bの内周面とに当接させている。本発明の製造方法により組み立てられる摩擦ローラ式変速機の場合には、前述の図9〜11に示した、従来構造の第2例の摩擦ローラ式変速機の場合と同様に、上記中心ローラ9aの中心と上記出力軸20b及び外輪11bの中心とを偏心させている。即ち、前述の様に、上記中心ローラ9aを挿通する通孔46は、上記ハウジング43の中心から少しだけ外れた位置に設けているのに対して、上記出力軸20bを挿通する第二の通孔50は、上記ハウジング43の中心に設けている。又、この第二の通孔50の内側に支持された出力軸20bと外輪11bとは互いに同心である。従って、上記中心ローラ9aと上記外輪11b及び出力軸20bとは、上記通孔46のハウジング43の中心からのずれ量δ分だけ、互いに偏心している。そして、上記中心ローラ9aの外周面と上記外輪11bの内周面との間に存在して上記ウェッジローラ31c及びガイドローラ32a、32bが設けられた環状空間14bの幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う分だけ、円周方向に亙り不同になっている。
【0029】
この様に、上記環状空間14bの幅寸法を円周方向に亙り不同にした分、上記ウェッジローラ31c及びガイドローラ32a、32bの外径を異ならせている。即ち、上記外輪11bに対して中心ローラ9aが偏心している側(図2の左側)に位置するウェッジローラ31c及びガイドローラ32a(小径ガイドローラ)の径を、互いに同じとすると共に比較的小径にしている。これに対して、上記外輪11bに対して中心ローラ9aが偏心しているのと反対側(図2の右側)に位置するガイドローラ32b(大径ガイドローラ)の径を、ウェッジローラ31c及びガイドローラ32aよりも大きくしている。そして、これら3個の、それぞれが中間ローラであるウェッジローラ31c及びガイドローラ32a、32bの外周面に設けた第三の円筒面18b、18bを、上記中心ローラ9aの外周面に設けた第一の円筒面10bと上記外輪11bの内周面に設けた第二の円筒面13bとに当接させている。尚、摩擦ローラ式減速機42の減速比は、上記第一の円筒面10bの直径と第二の円筒面13bの直径との比により定まる。従って、必要な減速比を得る為に、上記中心ローラ9aの先端部にスリーブを外嵌固定し、このスリーブの外周面と上記ウェッジローラ31c及びガイドローラ32a、32bの外周面とを当接させる事もできる。この場合、第一の円筒面は、上記スリーブの外周面となる。
【0030】
尚、それぞれが中間ローラである、上記1個のウェッジローラ31c及び2個のガイドローラ32a、32bのうち、ガイドローラ32a、32bを支持した枢軸15a、15aは、前述の様に、上記ハウジング43内に固定している。これに対して、ウェッジローラ31cを支持した枢軸15bは、やはり前述した様に上記ハウジング43内に、円周方向及び直径方向に亙る若干の変位を自在に支持している。従って、上記ウェッジローラ31cも、上記ハウジング43内で、円周方向及び直径方向に亙る変位自在である。そして、上記中心ローラ9aが上記所定方向に回転した場合に、上記1本の枢軸15bに回転自在に支持したウェッジローラ31cを、前記環状空間14bの幅の狭い部分に向け移動自在としている。
【0031】
この様に上記ウェッジローラ31cを上記環状空間14bの幅の狭い部分に移動させるべく、前記ハウジング43を構成する蓋体45と、上記ウェッジローラ31cを枢支する枢軸15bとの間には、図4〜6に示す様な板ばね53を設けている。特に、本発明の製造方法により組み立てられる摩擦ローラ式変速機の場合には、この板ばね53を上記蓋体45に、上記1個のウェッジローラ31c及び2個のガイドローラ32a、32b、並びに上記中心ローラ9aを前記外輪11bの内側に設置した後、装着自在としている。そして、装着後は上記板ばね53が、上記枢軸15bを介して上記ウェッジローラ31cを、上記環状空間14bの幅の狭い部分に向け弾性的に軽く押圧すると共に、上記板ばね53自身が、上記蓋体45から不用意に脱落する事がない様にしている。
【0032】
この為に本例の場合には、上記蓋体45の一部に装着孔54を設け、この装着孔54により、上記蓋体45の内側面(上記ウェッジローラ31cに対向する面で、図1、4の下面、図5の手前面)に凹設した支持凹孔55と、上記蓋体45の外周縁とを連通している。即ち、上記蓋体45の内側面の一部で上記ウェッジローラ31cに対向する部分には、上記枢軸15bよりも大径で円形の支持凹孔55を、上記内側面から凹ませた状態で形成している。そして、この支持凹孔55の内周面と上記蓋体45の外周面とを、上記装着孔54により連通させている。又、この装着孔54の中間部片側面には係止凹部56を形成して、この装着孔54内に挿入した上記板ばね53が、不用意に脱落する事がない様にしている。上述の様な支持凹孔55、装着孔54、係止凹部56を有する上記蓋体45は、例えばアルミニウム合金のダイキャスト成形により造る。
【0033】
一方、上記板ばね53は、ステンレスのばね鋼等の弾性金属板を曲げ形成する事により、或は合成樹脂等、非金属の弾性材を押し出し成形後切断したり、射出成形する事により、一体に造っている。この板ばね53は、U字形の折り返し部57の片側に係止片58を、他側に押圧片59を、それぞれ設けている。上記折り返し部57には、自由状態でこれら係止片58と押圧片59との間隔を広げる方向の弾力を付与している。又、上記係止片58の中間部には、上記押圧片59と反対方向に突出する係止部60を設け、この係止部60と上記係止凹部56とを係脱自在としている。一方、上記押圧片59の先端部は「へ」字形に折り曲げて、傾斜した押圧部61とし、この押圧部61により、前記ウェッジローラ31cを枢支した枢軸15bの端部で上記支持凹孔55内に位置する部分を、押圧自在としている。
【0034】
上述の様な板ばね53を含んで構成する本発明の摩擦ローラ式変速機42を組み立てるべく、外輪11bの内側に1個のウェッジローラ31c並びに2個のガイドローラ32a、32bを装着すると共に、これら合計3個のローラ31c、32a、32bの内側に中心ローラ9aを装着する作業は、次の様にして行なう。先ず、上記各ローラ31c、32a、32bをそれぞれの中間部周囲に回転自在に支持した枢軸15b、15aを、前記蓋体45と連結板19bとの間に掛け渡す状態で支持する。そして、これら各枢軸15b、15aに支持した上記各ローラ31c、32a、32bを、上記外輪11bの内側に挿入する。この挿入作業時には、上記ウェッジローラ31cを支持した枢軸15bを上記支持凹孔55の内側で、上記蓋体45及び連結板19bの直径方向内方に変位させておく。この状態では、上記各ローラ31c、32a、32bの最小外接円の直径が、上記外輪11bの内周面である第二の円筒面13bの直径よりも小さくなっている。従って、上記各ローラ31c、32a、32bを、上記外輪11bの内側に挿入する作業を容易に行なえる。
【0035】
上述の様にして、上記各ローラ31c、32a、32bを上記外輪11bの内側に挿入したならば、次いで、これら各ローラ31c、32a、32bの内側に、上記中心ローラ9aを挿入する。この挿入作業の際には、上記ウェッジローラ31cを、図3に実線で示す様に、上記ウェッジローラ31cを支持した枢軸15bが上記支持凹孔55の内側で変位できる範囲内で、前記環状空間14bの一部の幅の広い部分で、且つ、上記外輪11bの直径方向外側に退避させておく。この様に上記ウェッジローラ31cを退避させる作業は、重力を利用して行なう、即ち、図3の右側を下にする事により上記ウェッジローラ31c及び枢軸15bを、同図の実線位置に変位させる。この際、前記板ばね53は、未だ前記装着孔54内に装着してはいない。上述の様に、上記ウェッジローラ31c及び枢軸15bを図3の実線位置に変位させた状態で上記各ローラ31c、32a、32bの最大内接円の直径は、上記中心ローラ9aの外周面である、前記第一の円筒面10bの直径よりも大きくなる。従って、上記各ローラ31c、32a、32bの内側に上記中心ローラ9aを挿入する作業を容易に行なえる。
【0036】
上述の様にして上記各ローラ31c、32a、32bの内側に上記中心ローラ9aを挿入した後、上記板ばね53を上記装着孔54内に挿入する。尚、この挿入作業に先立って、上記ウェッジローラ31c及び枢軸15bを、図3の鎖線位置に変位させておく。この為に、図3の下側乃至は左側を下にして、上記ウェッジローラ31c及び枢軸15bを、重力により、上記鎖線位置に変位させ、このウェッジローラ31cに設けた第三の円筒面18bを、上記中心ローラ9aに設けた第一の円筒面10b及び外輪11bに設けた第二の円筒面13bに、重力に基づいて軽く当接させる。そして、この状態で上記板ばね53を上記装着孔54内に挿入し、この板ばね53を構成する押圧片59の先端部に設けた押圧部61を、上記枢軸15bの端部で、前記環状空間14bのうちの幅の狭い部分と反対側面に弾性的に当接させる。そして、上記押圧片59により上記ウェッジローラ31cを、上記環状空間14bの幅の狭い部分に向け弾性的に軽く押圧する。尚、上記板ばね53を上記装着孔54内に装着した状態では、前記係止片58の中間部に形成した係止部60と前記係止凹部56とが係合する。従って、上記板ばね53が上記装着孔54から、不用意に抜け出る事はない。
【0037】
上述の様に実施する本発明の摩擦ローラ式変速機の組立方法の場合には、それぞれが中間ローラである1個のウェッジローラ31c並びに2個のガイドローラ32a、32bを外輪11bの内側に装着する作業、並びにこれら合計3個のローラ31c、32a、32bの内側に中心ローラ9aを装着する作業を容易に行なえる。そして、上記各ローラ31c、32a、32bを所定位置に装着して摩擦ローラ式変速機42を構成した後、この摩擦ローラ式変速機42により回転力の伝達を行なえば、上記1個のウェッジローラ31c並びに2個のガイドローラ32a、32bの外周面に設けた第三の円筒面18b、18bと、上記中心ローラ9aの外周面に設けた第一の円筒面10b及び上記外輪11bの内周面に設けた第二の円筒面13bとの当接圧を確保できる。
【0038】
即ち、図示の例では、上記摩擦ローラ式変速機42による回転力の伝達時に、上記中心ローラ9aが図2に矢印イで示す様に、同図の時計方向に回転する様に、構成各部の組み付け方向を規制している。即ち、前記電動モータ1への通電時には、上記ウェッジローラ31c及びガイドローラ32a、32bが、図2に矢印ロ、ロで示す様に、上記各枢軸15a、15bを中心に反時計方向に回転し、上記外輪11bが同じく矢印ハで示す様に反時計方向に回転する。この様に、上記1個のウェッジローラ31cが矢印ロで示す様に回転し、このウェッジローラ31cを前記ハウジング43の直径方向の内外両側から挟持した中心ローラ9a及び外輪11bがそれぞれ矢印イ、ハに示す様に回転する結果、上記ウェッジローラ31c全体が、図2に矢印ニで示す様に、図2の時計方向に変位する傾向となる。即ち、上記ウェッジローラ31cは、矢印イ方向に回転する上記中心ローラ9aから、上記矢印ニ方向の力を受け、ウェッジローラ31c自身が矢印ロ方向に回転する事で外輪11bの内周面との当接部から受ける反作用により、やはり上記矢印ニ方向の力を受ける。この結果、上記中心ローラ9aの回転時に上記ウェッジローラ31cが、上記環状空間14bの幅の狭い部分に向けて移動する傾向になる。そして、このウェッジローラ31cの外周面が、上記中心ローラ9aの外周面と外輪11bの内周面とを強く押圧する。この結果、当該ウェッジローラ31cの外周面と上記中心ローラ9aの外周面との当接部である内径側当接部40、及び、当該ウェッジローラ31cの外周面と外輪11bの内周面との当接部である外径側当接部41の当接圧が高くなる。
【0039】
上記ウェッジローラ31cに関する内径側、外径側両当接部40、41の当接圧が高くなると、それぞれがこのウェッジローラ31cの外周面により押圧される部材である、上記中心ローラ9aと外輪11bとのうちの少なくとも一方の部材が、組み付け隙間、或は弾性変形等に基づき、それぞれの直径方向に亙り僅かに変位する。この結果、残り2個の中間ローラである、ガイドローラ32a、32bの外周面と上記中心ローラ9aの外周面との当接部である2個所の内径側当接部40、40、及びこれら2個のガイドローラ32a、32bの外周面と外輪11bの内周面との当接部である2個所の外径側当接部41、41の当接圧が高くなる。上記1本の枢軸15bに回転自在に支持したウェッジローラ31cを、上記環状空間14b内でこの環状空間14bの幅の狭い部分に向け移動させようとする力は、上記中心ローラ9aから上記外輪11bに伝達するトルクの大きさに応じて変化する。そして、この力が大きくなる程、上記各内径側、外径側両当接部40、41の当接圧が大きくなる。逆に言えば、上記駆動トルクが小さい場合には、これら各内径側、外径側両当接部40、41の当接圧が小さい。従って、前記摩擦ローラ式変速機42を通じて伝達するトルクが大きい場合には上記当接圧を大きくして、当接部で滑りが生じる事を防止し、上記摩擦ローラ式変速機42の伝達効率低下を防止する。これに対して摩擦ローラ式変速機42を通じて伝達するトルクが小さい場合には上記当接圧を小さくして、過大な当接圧により上記摩擦ローラ式変速機42の伝達効率が低下する事を防止する。
【0040】
【0041】
【0042】
【発明の効果】
本発明の摩擦ローラ式変速機の組立方法は、以上に述べた通り構成され作用するので、各ローラに設けた第一〜第三の円筒面同士の当接圧を十分に確保して優れた伝達効率を有する構造を、容易に組み立てる事ができる。従って、高性能の摩擦ローラ式変速機を安価に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す部分縦断側面図。
【図2】摩擦ローラ式変速機のみを取り出し、図1と直角方向で切断した状態で示す略断面図。
【図3】組立時にウェッジローラを変位させる状態を示す模式図。
【図4】組立作業の為、板ばねを取り外した状態で示す略側面図。
【図5】板ばねによりウェッジローラを枢支した枢軸の端部を押圧する部分を示す底面図。
【図6】同じく斜視図。
【図7】従来構造の第1例を示す断面図。
【図8】摩擦ローラ式変速機のみを取り出して示す、図7のB−B断面図。
【図9】従来構造の第2例を示す断面図。
【図10】図9のC−C断面図。
【図11】同D−D断面図。
【符号の説明】
1 電動モータ
2 モータケース
3 ケース本体
4 蓋体
5 回転駆動軸
6 ステータ
7 ロータ
8 摩擦ローラ式減速機
9、9a 中心ローラ
10、10a、10b 第一の円筒面
11、11a、11b 外輪
12 円筒壁部
13、13a、13b 第二の円筒面
14、14a、14b 環状空間
15、15a、15b 枢軸
16 中間ローラ
17 ラジアルニードル軸受
18、18a、18b 第三の円筒面
19、19a、19b 連結板
20、20a、20b 出力軸
21 固定ボルト
22 連結ボルト
23 カバー
24 円筒部
25 本体
26 蓋体
27 通孔
28 入力軸
29 ハウジング
30 支持孔
31a、31b、31c ウェッジローラ
32、32a、32b ガイドローラ
33 突部
34 連結ボルト
35 凸部
36 結合ブラケット
37 第二の通孔
38 シリンダ孔
39 圧縮コイルばね
40 内径側当接部
41 外径側当接部
42 摩擦ローラ式変速機
43 ハウジング
44 本体
45 蓋体
46 通孔
47 軸受
48 円筒部
49 円板部
50 第二の通孔
51 軸受
52 歯車
53 板ばね
54 装着孔
55 支持凹孔
56 係止凹部
57 折り返し部
58 係止片
59 押圧片
60 係止部
61 押圧部
66 玉軸受

Claims (1)

  1. ハウジングと、このハウジングに回転自在に支持された第一の回転軸と、この第一の回転軸の端部でこのハウジング内に位置する部分にこの第一の回転軸と同心に固定され、外周面を第一の円筒面とした中心ローラと、内周面を第二の円筒面として上記中心ローラの周囲で上記ハウジング内に、この中心ローラに対する相対回転を自在に設けた外輪と、この外輪と同心で一端部をこの外輪に結合固定した状態で上記ハウジングに回転自在に支持された第二の回転軸と、上記第一の円筒面と上記第二の円筒面との間の環状空間内に、上記第一の回転軸と平行に配置された3本以上の枢軸と、これら各枢軸により回転自在に支持され、それぞれの外周面を第三の円筒面とした3個以上の中間ローラとを備え、上記第一の回転軸の中心と上記第二の回転軸及び外輪の中心とを偏心させる事により、上記環状空間の幅寸法を円周方向に亙って不同にし、上記3個以上の中間ローラのうちの少なくとも1個の中間ローラを、少なくとも上記環状空間の円周方向に亙る若干の変位自在に支持してウェッジローラとする共に、残りの中間ローラをガイドローラとする事により、上記第一の回転軸及び外輪が所定方向に回転した場合に、上記ウェッジローラとなる少なくとも1個の中間ローラを、上記環状空間の幅の狭い部分に向け移動自在とした摩擦ローラ式変速機を組み立てる、摩擦ローラ式変速機の組立方法に於いて、上記ウェッジローラとなる少なくとも1個の中間ローラを上記環状空間の幅の狭い側に向け弾性的に押圧する板ばねを上記ハウジング内に装着せずに、このウェッジローラとなる少なくとも1個の中間ローラを重力の作用により幅の広い部分に退避させたままの状態で、上記3個以上の中間ローラの内側に上記中心ローラを挿入した後、上記板ばねを上記ハウジングに設けた装着孔を通じてこのハウジング内に挿入し、この板ばねにより、上記ウェッジローラとなる少なくとも1個の中間ローラを上記環状空間の幅の狭い部分に向け弾性的に軽く押圧する事を特徴とする摩擦ローラ式変速機の組立方法。
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