JPH0996325A - クラッチ内蔵形回転部品 - Google Patents

クラッチ内蔵形回転部品

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JPH0996325A
JPH0996325A JP7325877A JP32587795A JPH0996325A JP H0996325 A JPH0996325 A JP H0996325A JP 7325877 A JP7325877 A JP 7325877A JP 32587795 A JP32587795 A JP 32587795A JP H0996325 A JPH0996325 A JP H0996325A
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Masahiro Kurita
昌弘 栗田
Kenichi Ichikawa
健一 市川
Masakazu Domoto
正和 堂本
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NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチ内蔵形回転部品の軸方向長さのコン
パクト化を図る。 【解決手段】 軸に固定されるインナー部材1の外径面
および筒状のアウター部材2の内径面に軌道溝4、6
と、その両側に円筒面5、7とを設ける。両部材1、2
間に組込んだ保持器3にポケット10とスプラグ収納部
11とを周方向に交互に設ける。ポケット10に軌道溝
4、6に沿って転動自在の転動体12を収容する。スプ
ラグ収納部11に軌道溝4、6の両側の円筒面5、7に
跨がる長さのスプラグ14aを収容し、そのスプラグ1
4aを弾性部材16によって円筒面5、7に当接する方
向に押圧する。上記のように、軌道溝4、6の両側の円
筒面5、7に跨がる長さのスプラグ14aを転動体12
間に配置することによって、軸方向長さのコンパクト化
を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、クラッチが内蔵
された軸受やプーリユニット等のクラッチ内蔵形回転部
品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、全自動洗濯機においては、モー
タにより駆動される主軸の回転を第1出力軸に伝達して
その第1出力軸に取付けたパルセータを回転させ、ある
いは上記第1出力軸とその外側に設けられた筒状の第2
出力軸のそれぞれに伝達して、パルセータおよび第2出
力軸に取付けられた洗濯槽を共に回転させるようにして
いる。
【0003】上記のような全自動洗濯機においては、普
通、ハウジングに取付けられた軸受で第2出力軸を回転
自在に支持しているため、第1出力軸の回転時に第2出
力軸がつれ回るおそれがある。そのつれ回りを防止する
ため、一方向クラッチとバンドブレーキとを併用して第
2出力軸の回転を防止するようにした全自動洗濯機が知
られている。
【0004】上記一方向クラッチと第2出力軸を回転自
在に支持する軸受とは近接した取付けであり、両部品を
別々に組立てる設計であると組立てに手間がかかる。
【0005】特開昭54−109557号公報において
は、図14および図15に示すように、外輪50と内輪
51との間にボール52およびスプラグ53を組込み、
そのスプラグ53を外輪50および内輪51の円筒面5
4、55に係脱させるようにしたクラッチ内蔵形軸受が
開示されており、そのようなクラッチ内蔵形軸受を用い
ることにより、上記の問題点を解決することができる。
【0006】また、特開昭61−228153号公報に
は、自動車のクランクシャフトの回転を、慣性力が大き
く、略一定で回転しようとするオルタネータ等のエンジ
ン補機の回転軸に伝達するベルト伝動装置が記載されて
いる。
【0007】上記ベルト伝動装置においては、エンジン
補機の回転軸と、その回転軸に支持されたプーリとの間
に一方向クラッチを組込み、1回転中において角速度が
微小に変動するクランクシャフトの角速度増加時、その
クランクシャフトの回転を回転軸に伝え、クランクシャ
フトの角速度低下時、回転軸への回転伝達を遮断してい
る。
【0008】すなわち、クランクシャフトの角速度増加
時、一方向クラッチの係合によりエンジン補機の回転軸
とプーリとを結合してクランクシャフトの回転を回転軸
に伝え、回転軸の回転がプーリの回転より速くなると、
一方向クラッチの係合解除により回転軸をフリー回転さ
せるようにしている。
【0009】上記ベルト伝動装置においては、プーリと
ベルトとの間でスリップが生じるのを防止することがで
きるため、ベルトの寿命低下およびベルトのスリップ音
を抑制することができるという特徴を有する。
【0010】ところで、上記ベルト伝動装置において、
回転軸とプーリとの間に一方向クラッチを直接組込む
と、プーリに作用するラジアル荷重やモーメント荷重が
一方向クラッチに直接作用することとなり、一方向クラ
ッチを高精度に作動させることができない。また、クラ
ッチの寿命を低下させることにもなる。
【0011】そのような問題点は、プーリを軸受で支持
することにより解決することができるが、一方向クラッ
チと軸受とを別々に組込む設計であると組立てに手間が
かかる。
【0012】そこで、図14および図15に示すクラッ
チ内蔵形軸受の軸受外輪50に代えてプーリを嵌合した
クラッチ内蔵形プーリユニットを用いることにすれば組
立ての容易化を図ることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図14およ
び図15に示すクラッチ内蔵形軸受においては、ボール
52とスプラグ53を軸方向に直列に設けた構成である
ため、クラッチ内蔵形軸受やクラッチ内蔵形プーリユニ
ットの軸方向長さが長いという不都合がある。
【0014】この発明の課題は、クラッチ内蔵形軸受や
クラッチ内蔵形プーリユニット等の回転部品の軸方向長
さのコンパクト化を図ることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、第1の発明においては、軸に固定されるインナー
部材の外径面と、そのインナー部材の外側に設けられた
筒状のアウター部材の内径面それぞれに軌道溝と、その
両側に円筒面とを設け、上記軌道溝間に複数の転動体を
組込み、その転動体間に上記軌道溝の両側の円筒面間に
跨がる長さを有するスプラグを配置し、上記転動体が収
容されるポケットと、スプラグが収容されるスプラグ収
納部とを有する保持器をインナー部材とアウター部材と
の間に組込み、上記スプラグの内・外端の円弧面がイン
ナー部材及びアウター部材の円筒面と係合する方向にそ
のスプラグを弾性部材で押圧した構成を採用している。
【0016】ここで、弾性部材として、ばねリングにス
プラグと同数のばね片を切り起こしにより形成したもの
を用いることができる。この弾性部材は、ばねリングを
保持器の端面に固定し、各ばね片を保持器の端面に形成
した窓からスプラグ収納部内に挿入してスプラグを押圧
する。
【0017】また、第2の発明においては、第1の発明
におけるスプラグに代えて、遠心力により起立して内・
外端の円弧面の一部がインナー部材およびアウター部材
の円筒面と接触するエンゲージタイプのスプラグを用
い、第1の発明における弾性部材の組付けを省略した構
成としている。
【0018】ここで、アウター部材として軸受用のアウ
ターレースを用いることにより、クラッチ内蔵形軸受が
得られ、また、アウター部材としてプーリを用いること
により、クラッチ内蔵形プーリユニットを得ることがで
きる。
【0019】クラッチ内蔵形プーリユニットの場合、ベ
ルトの安定した案内を行なうため、プーリのインナー部
材に対する角度振れの剛性を高めるのが好ましい。角度
振れの剛性を高める方法として、転動体とその移動を案
内する内・外の軌道溝間のラジアルすきまを負とする方
法と、内・外の軌道溝のそれぞれを転動体と4点で接触
するアンギュラコンタクト形の軌道溝を採用する方法と
がある。
【0020】
【作用】上記のように、軌道溝の両側の円筒面に跨がる
長さのスプラグを用い、そのスプラグを転動体間に配置
することによって、転動体とスプラグとを軸方向に並べ
たものに比較して軸方向の長さのコンパクト化を図るこ
とができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
1乃至図13に基づいて説明する。
【0022】図1乃至図4はクラッチ内蔵形軸受を示
す。この軸受は、軸に取付けられるインナー部材として
のインナーレース1と、その外側に設けられたアウター
部材としてのアウターレース2と、両レース1、2間に
組込まれた保持器3とを有する。
【0023】インナーレース1の外径面には軸方向の中
央に軌道溝4と、その軌道溝4の両側に円筒面5とが設
けられている。
【0024】一方、アウターレース2の内径面には軸方
向の中央に軌道溝6と、その両側に円筒面7とが設けら
れている。
【0025】保持器3は、円筒形の保持器本体3aと、
リング状の蓋3bとから成り、保持器本体3aの軸方向
の一端に複数のピン8が形成され、一方、蓋3bにはピ
ン孔9が設けられ、そのピン孔9にピン8を挿入し、ピ
ン8の端部の溶融により、保持器本体3aと蓋3bとが
一体化されている。
【0026】なお、図10に示すように、蓋3bにピン
8を設け、そのピン8を保持器本体3aに形成したピン
孔9に圧入してもよく、あるいは、ピンを用いず、保持
器本体3aと蓋3bの接触部を溶融一体化させてもよ
い。
【0027】保持器本体3aにはその保持器本体3aの
軸方向の一端で開口するポケット10とスプラグ収納部
11とが周方向に交互に形成され、上記ポケット10に
転動体12が収容されている。
【0028】転動体12はインナーレース1およびアウ
ターレース2の軌道溝4、6に沿って転動自在となり、
蓋3bに形成した突起13によってポケット10の開口
端から軸方向に抜け出るのが防止されている。
【0029】なお、転動体12として、ボールの他にこ
ろを用いることができる。
【0030】前記スプラグ収納部11にはスプラグ14
aが収納されている。このスプラグ14aは軌道溝4、
6の両側の円筒面5、7に跨がる長さを有し、内端およ
び外端にはインナーレース1の円筒面5およびアウター
レース2の円筒面7と係合可能な円弧面15が設けられ
ている。
【0031】上記スプラグ14aは、エンゲージ、ディ
スエンゲージのいずれでもよい。
【0032】このスプラグ14aは、スプラグ収納部1
1の周方向前後で対向する一方の壁面11aの内径側端
部に当接し、その当接部に対する背面側が弾性部材16
で押圧され、内・外端の円弧面15がインナーレース1
およびアウターレース2の円筒面5、7に当接してい
る。
【0033】弾性部材16として、ここでは、コの字形
折曲部16aの両端に一対の弾性片16bを形成した金
属薄板から成るものを示したが、コイルスプリングある
いはゴム状弾性体を用いてもよい。また、保持器本体3
aあるいは蓋3bと一体となった樹脂弾性体を用いても
よい。
【0034】上記弾性部材16の折曲部16aはスプラ
グ収納部11の他方の壁面11bに形成した支持溝17
に挿入され、蓋3bに設けた突出片18によって軸方向
に移動するのが防止されている。
【0035】いま、インナーレース1を図2の矢印方向
に回転させると、そのインナーレース1の円筒面5とス
プラグ14aの内端の円弧面15との接触によって、ス
プラグ14aが図2に示す状態において右回りの回転モ
ーメントを受け、スプラグ14aの内・外端の円弧面1
5の一部がインナーレース1およびアウターレース2の
円筒面5、7に係合する。
【0036】このため、アウタレース2をハウジング等
に固定しておけば、インナーレース1を回り止めするこ
とができると共に、上記アウターレース2をフリーの支
持としておけば、インナーレース1の回転をスプラグ1
4aを介してアウターレース2に伝達することができ
る。
【0037】また、インナーレース1を図2の矢印で示
す方向と反対の方向に回転させると、スプラグ14aが
弾性部材16を弾性変形させる方向に回転して内端の円
弧面15とインナーレース1の円筒面5との間で滑りが
生じ、インナーレース1をフリー回転させることができ
る。
【0038】上記のようなクラッチ内蔵形軸受は、全自
動洗濯機の洗濯槽を支持する第2出力軸の支持用軸受と
して用いることができる。
【0039】ところで、クラッチ内蔵形軸受は、インナ
ーレース1およびアウターレース2の軌道溝4、6の両
側の円筒面5、7に跨がる長さのスプラグ14aを軌道
溝4、6に沿って転動する転動体12間に設けた構成で
あるため、転動体とスプラグとを軸方向に直列したもの
に比較して軸方向長さのコンパクト化を図ることができ
る。
【0040】また、インナーレース1およびアウターレ
ース2に作用するラジアル荷重を転動体12で支持する
ことができるため、スプラグ14aにラジアル荷重が殆
ど作用せず、クラッチを精度よく機能させることがで
き、転動体12としてころを用いることによって比較的
大きなラジアル荷重を受けることができる。
【0041】図5は、この発明の第2の実施の形態を示
す。この第2の実施の形態では、先に述べた第1の実施
の形態のアウターレース2に代えてベルト案内用のプー
リ30を用いている。プーリ30の内径面には軌道溝3
1と、その両側に円筒面32とが設けられている。
【0042】図6は図5に示すクラッチ内蔵形プーリユ
ニットの使用例を示し、慣性力が大きく、略一定の速度
で回転しようとするオルタネータ40の回転軸41にイ
ンナーレース1を固定し、そのインナーレース1上のプ
ーリ30とクランクシャフト42に取付けられたプーリ
43との間にベルト44をかけ渡している。
【0043】上記のような使用において、角速度が微小
変動するクランクシャフト42の回転により、図2のア
ウターレース2に相当する上記プーリ30を図2の状態
において時計方向に回転させると、そのクランクシャフ
ト42の角速度増加時、スプラグ14aがインナーレー
ス1およびプーリ30の円筒面5、32と係合し、クラ
ンクシャフト42の回転がオルタネータ40の回転軸4
1に伝達される。
【0044】また、クランクシャフト42の角速度が低
下し、そのクランクシャフト42の回転速度がオルタネ
ータ40の回転軸41の回転速度より低下すると、スプ
ラグ14aが円筒面5、32上を滑り、プーリ30の回
転が回転軸41に伝達されず、回転軸41がフリーに回
転する。このためプーリ30とベルト44との間でスリ
ップが生じず、ベルト44の摩耗やベルト44のスリッ
プ音を抑制することができる。
【0045】図5に示すクラッチ内蔵形プーリユニット
の使用例において、ボールから成る転動体12の転動を
案内する内・外の軌道溝4、31と転動体12との間に
正のラジアルすきまが形成されていると、アキシャルす
きまはそのラジアルすきまの数倍乃至数十倍となり、プ
ーリ30は軸方向に移動し易い。このため、プーリ30
はインナーレース1に対して角度振れが生じ易く、ベル
ト44を安定よく案内することができない。
【0046】図7(I)では、ボールから成る転動体1
2の内・外の軌道溝4、31とボール12との間のラジ
アルすきまを負のラジアルすきまとしており、このよう
に構成すると、ボール12と軌道溝4、31間のアキシ
ャルすきまは小さくなり、インナーレース1に対するプ
ーリ30の角度振れの剛性を高めることができ、ベルト
44を安定よく案内することができる。
【0047】また、図7(II)では、ボールから成る転
動体12の内・外の軌道溝4、31のそれぞれを転動体
と2点、合計4点で接触するアンギュラコンタクト形の
軌道溝としている。上記のようなアンギュラコンタクト
形の軌道溝4、31を採用すると、転動体12と軌道溝
4、31の相互間に形成されるアキシャルすきまは図7
(I)に示す場合よりも小さい値に抑えることができる
ため、プーリ30の軸方向の移動量が小さくインナーレ
ース1に対するプーリ30の角度振れの剛性をさらに高
めることができる。
【0048】また、ボール12に対する軌道溝4、31
の接触角が大きいため、スラスト荷重に対する剛性も高
めることができる。
【0049】図8および図9は、保持器3と弾性部材1
6の他の例を示す。保持器3は、保持器本体3aと、そ
の一端面に取付けたリング状の蓋3bとから成る。
【0050】なお、蓋3bの取付けには、図3に示す場
合と同様の手段が採用されているため、同じ部品に同一
の符号を付して説明を省略する。
【0051】保持器本体3aには軸方向の一端面で開口
するポケット10とスプラグ収納部11とが周方向に交
互に設けられ、ポケット10内に組込まれた転動体12
は蓋3bに設けた突起13によって抜け止めされてい
る。また、スプラグ収納部11にはスプラグ14aが組
込まれている。
【0052】弾性部材16は、ばねリング16Aから成
り、そのばねリング16Aには複数の孔18が設けら
れ、一方、保持器本体3aの他端面には突出部19が形
成されている。
【0053】ばねリング16Aは、突出部19に対する
孔18の圧入、あるいは圧入後の突出部19の先端の溶
融によって保持器本体3aの他端面に取付けられる。
【0054】ばねリング16Aにはスプラグ14aと同
数のばね片20が切り起しにより形成され、各ばね片2
0は保持器本体3aの他端面に形成した窓21からスプ
ラグ収納部11内に挿入され、スプラグ14aを保持器
3の周方向に押圧している。
【0055】上記のように、複数のばね片20を有する
ばねリング16Aを弾性部材16として用いることによ
り、スプラグ収納部11に弾性部材を個々に組込む場合
に比較して部品数が少なく、組立てが簡単であり、コス
トの低減を図ることができる。
【0056】図10乃至図12は、この発明の第3の実
施の形態を示す。この実施の形態では、第1の実施の形
態におけるディスエンゲージタイプのスプラグ14aに
代えて、エンゲージタイプのスプラグ14bを用いてお
り、その他の構成は、第1の実施の形態のものと保持器
3の形状が多少変わり、弾性部材16がないのみである
から、同一部品に同一の符号を付して説明を省略する。
【0057】ここで、エンゲージタイプのスプラグ14
bとは、図12に示すように、スプラグ14bの内・外
端における円弧面15のインナーレース1およびアウタ
ーレース2との接触点a、bを結ぶ直線から距離δだけ
保持器3の周方向に離れた位置に重心Gを有し、遠心力
によって起立するようなスプラグをいう。
【0058】第3の実施の形態において、アウターレー
ス2を図10の矢印方向に回転させると、そのアウター
レース2の軌道溝6に対する転動体12の接触回転によ
り、保持器3はアウターレース2と同方向にアウターレ
ース2より低い回転数で回転する。
【0059】その結果、スプラグ14bは保持器と同じ
回転数で公転するが、遠心力の作用によりアウターレー
ス2との接点bではアウターレース2と同じ回転をしよ
うとする。すなわち、スプラグ14bは接点bの回転数
が保持器3との接点cより早いため、起立することにな
る。
【0060】また、エンゲージタイプのスプラグである
ため、スプラグ14bに遠心力が作用すると自動的に起
立し、スプラグ14bはアウターレース2との接点bお
よびインナーレース1との接点aと強く接触してかみ合
うことになり、アウターレース2の回転がインナーレー
ス1に伝達される。
【0061】インナーレース1の回転速度がアウターレ
ース2の回転速度より速くなると、スプラグ14bが倒
れて各レース1、2に対するスプラグ14bの係合が解
除され、アウターレース2からインナーレース1への回
転伝達が遮断される。
【0062】なお、アウターレース2が図10の矢印と
反対方向に回転した場合、保持器3の回転によりスプラ
グ14bの内・外端の円弧面15がインナーレース1の
円筒面5およびアウターレース2の円筒面7に接触する
が、アウターレース2の回転はスプラグ14bを倒す方
向に作用するため、スプラグ14bは両円筒面5、7に
係合せず、アウターレース2はフリー回転する。
【0063】第3の実施の形態のように、エンゲージタ
イプのスプラグ14bを用いることにより、第1の実施
例における弾性部材16を省略することができ、その弾
性部材16を省略し得る分、クラッチ内蔵形回転部品の
組立てが容易となり、コスト低減を図ることができる。
【0064】また、弾性部材16を不要とすることがで
きるため、スプラグ14bのインナーレース1およびア
ウターレース2に対する接触面圧が小さくなり、空転時
のトルクを低くすることができると共に、保持器3に弾
性部材16を組み入れるスペースを確保する必要がない
ため、スプラグ14bの組込み数を多くすることがで
き、トルク容量の増加を図ることができる。
【0065】さらに、弾性部材16がないため、弾性部
材16の共振による機能不良の発生を防止することがで
きる。
【0066】なお、アウターレース2に代えて、図5に
示すプーリを用いてもよく、あるいはローラを用いても
よい。
【0067】図13は、この発明の第4の実施の形態を
示す。この実施の形態においては、保持器3に形成され
たスプラグ収納部11の一方の壁面11aにばね収納溝
22を形成し、そのばね収納溝22に弾性部材16を組
込み、その弾性部材16によってスプラグ14cを立ち
上げる方向、すなわち、スプラグ14cがロック方向に
回転する方向にスプラグ14cを抑圧している。
【0068】ここで、スプラグ14cはエンゲージタイ
プのスプラグを用いているが、デイスエンゲージタイプ
のスプラグであってもよい。
【0069】また、弾性部材16は、図3に示す弾性部
材を用いてもよく、あるいは、図9に示す弾性部材を用
いてもよい。図3に示す弾性部材16を用いる場合は、
その弾性片16bの先端部をばね収納溝22より突出さ
せ、図9に示す弾性部材16を用いる場合は、ばね片2
0の先端部をばね収納溝22より突出させるようにす
る。
【0070】上記のように、弾性部材16によってスプ
ラグ14cを立ち上がる方向に押圧することにより、ア
ウターレース2の回転速度がインナーレース1の回転速
度を上回ると、スプラグ14cは遠心力と弾性部材16
の押圧による両作用によってインナーレース1の円筒面
5とアウターレース2の円筒面7に直ちにロックするこ
とになり、ロック性能の向上を図ることができる。
【0071】また、弾性部材16をスプラグ14cがロ
ックする方向の前側に設けたことにより、インナーレー
ス1がアウターレース2の回転速度を上回る空転時、ス
プラグ14cは弾性部材16から離れる方向に傾くた
め、弾性部材16の曲げ撓みの回数が少なくなり、弾性
部材16の耐久性の向上を図ることができる。
【0072】さらに、弾性部材16をばね収納溝22内
に入れたことにより、空転時、スプラグ14cで押され
る弾性部材16が必要以上に撓むのを防止することがで
きる。
【0073】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
おいては、インナー部材の内径面とアウター部材の外径
面それぞれに軌道溝を設け、その軌道溝の両側に円筒面
を形成し、その円筒面に跨がる長さのスプラグを軌道溝
に沿って転動する転動体間に配置したので、転動体とス
プラグとを軸方向に直列したものに比較して軸方向長さ
のコンパクト化を図ることができる。
【0074】また、インナー部材とアウター部材に作用
するラジアル荷重は転動体で支持されるため、スプラグ
にラジアル荷重が殆んど作用せず、クラッチを精度よく
機能させることができると共に、クラッチの寿命延長を
図ることができる。
【0075】さらに、転動体とスプラグとを共通の保持
器で支持することができるため、部品点数が少なく、コ
ストの低減に効果を挙げることができる。
【0076】請求項2に記載の発明においては、複数の
ばね片を有するばねリングを弾性部材として用いたこと
により、スプラグを個々の弾性部材で押圧する場合に比
較して部品点数が少なく、組立て容易であってコストの
低減を図ることができる。
【0077】請求項3に記載の発明においては、請求項
1と同様の効果を挙げることができる他、スプラグとし
て、エンゲージタイプのスプラグを用いたことにより、
弾性部材を省略することができるため、クラッチ内蔵形
回転部品の組立てが容易となり、コストの低減を図るこ
とができるとともに、保持器に対するスプラグの組込み
数を増加させることができるため、トルク容量の大きい
回転部品を得ることができる。
【0078】請求項4に記載の発明においては、軸方向
長さのコンパクトなクラッチ内蔵形軸受を得ることがで
きる。
【0079】請求項5に記載の発明においては、軸方向
長さのコンパクトなクラッチ内蔵形回転部品を得ること
ができる。
【0080】請求項6に記載の発明においては、ボール
と軌道溝間のラジアルすきまを負としたことにより、ア
ウター部材の角度振れの剛性を高めることができ、その
アウター部材がプーリの場合、ベルトを安定よく、案内
することができる。
【0081】請求項7に記載の発明においては、ボール
から成る転動体の案内用軌道軸溝をアンギュラコンタク
ト形としたことにより、アウター部材の角度振れ剛性お
よびスラスト荷重に対する剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るクラッチ内蔵形回転部品の第1
の実施の形態を示す断面図
【図2】図1のII−II線に沿った断面図
【図3】図2の一部切欠平面図
【図4】同上保持器の一部分を示す分解斜視図
【図5】同上のクラッチ内蔵形回転部品の第2の実施の
形態を示す断面図
【図6】同上の使用の一例を示す概略図
【図7】(I)、(II)は同上転動体の移動を案内する
軌道溝の他の例を示す断面図
【図8】同上の保持器と弾性部材の他の例を示す一部切
欠正面図
【図9】図8の分解斜視図
【図10】この発明に係るクラッチ内蔵形回転部品の第
3の実施の形態を示す断面図
【図11】同上の保持器を示す分解斜視図
【図12】同上のスプラグを示す正面図
【図13】この発明に係るクラッチ内蔵形回転部品の第
4の実施の形態を示す断面図
【図14】クラッチ内蔵形軸受の従来例を示す断面図
【図15】図14のXV−XV線に沿った断面図
【符号の説明】
1 インナーレース 2 アウターレース 3 保持器 4 軌道溝 5 円筒面 6 軌道溝 7 円筒面 10 ポケット 11 スプラグ収納部 12 転動体 14a、14b スプラグ 15 円弧面 16 弾性部材 16A ばねリング 20 ばね片 21 窓 30 プーリ 31 軌道溝 32 円筒面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸に固定されるインナー部材の外径面
    と、そのインナー部材の外側に設けられた筒状のアウタ
    ー部材の内径面それぞれに軌道溝と、その両側に円筒面
    とを設け、上記軌道溝間に複数の転動体を組込み、その
    転動体間に上記軌道溝の両側の円筒面間に跨がる長さを
    有するスプラグを配置し、上記転動体が収容されるポケ
    ットと、スプラグが収容されるスプラグ収納部とを有す
    る保持器をインナー部材とアウター部材との間に組込
    み、上記スプラグの内・外端の円弧面がインナー部材及
    びアウター部材の円筒面と係合する方向にそのスプラグ
    を弾性部材で押圧したクラッチ内蔵形回転部品。
  2. 【請求項2】 前記弾性部材が保持器の端面に取付けら
    れたばねリングから成り、そのばねリングにスプラグと
    同数のばね片を切り起こしにより形成し、各ばね片を保
    持器の端面に設けた窓からスプラグ収納部内に挿入して
    スプラグを押圧した請求項1に記載のクラッチ内蔵形回
    転部品。
  3. 【請求項3】 軸に固定されるインナー部材の外径面
    と、そのインナー部材の外側に設けられた筒状のアウタ
    ー部材の内径面それぞれに軌道溝と、その両側に円筒面
    とを設け、上記軌道溝間に複数の転動体を組込み、その
    転動体間に上記軌道溝の両側の円筒面間に跨がる長さを
    有するスプラグを配置し、上記転動体が収容されるポケ
    ットと、スプラグが収容されるスプラグ収納部とを有す
    る保持器をインナー部材とアウター部材との間に組込
    み、上記スプラグが、遠心力により起立して内・外端の
    円弧面の一部がインナー部材およびアウター部材の円筒
    面と接触するエンゲージタイプのスプラグから成るクラ
    ッチ内蔵形回転部品。
  4. 【請求項4】 前記アウター部材が軸受用のアウターレ
    ースから成る請求項1乃至3のいずれか1つに記載のク
    ラッチ内蔵形回転部品。
  5. 【請求項5】 前記アウター部材が軌道溝と円筒面とを
    有するベルト案内用のプーリから成る請求項1乃至3の
    いずれか1つに記載のクラッチ内蔵形回転部品。
  6. 【請求項6】 前記転動体がボールから成り、そのボー
    ルと内・外の軌道溝間のラジアルすきまを負とした請求
    項1乃至5のいずれか1つに記載のクラッチ内蔵形回転
    部品。
  7. 【請求項7】 前記転動体がボールから成り、そのボー
    ルの移動を案内する内・外の軌道溝のそれぞれをボール
    と4点で接触するアンギュラコンタクト形軌道溝とした
    請求項1乃至5のいずれか1つに記載のクラッチ内蔵形
    回転部品。
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