JP2006322597A - 軸受複合一方向クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】高速条件下でのスプラグの偏摩耗を防ぎ、一対の転がり軸受を備えながら製造コストを比較的減少させることが可能な軸受複合一方向クラッチを提供する。
【解決手段】軸受複合一方向クラッチ1を、内輪2の外周と外輪3の内周間にスプラグ4と保持器5を組み込み、内輪2の外周と外輪3の内周に円筒状の係合面6a、6bを形成した一方向クラッチ機構10を備え、この一方向クラッチ機構10のアキシャル方向両側に内輪2と外輪3を支持する転がり軸受20、30を設け、保持器5を内輪2に固定し、一方の転がり軸受20を円筒ころ軸受とし、この軌道面22a、22bを内輪2の外周と外輪3の内周に形成し、軌道面22a、22bと係合面6a、6bの径寸を同一として上記内外輪2、3に一連で形成し、転動体保持器23をアキシャル方向に位置決めし、他方の転がり軸受30を、玉軸受とした。
【選択図】図1

Description

この発明は、内輪と外輪との間にスプラグを組込み、そのスプラグの変位によって外輪と内輪の相互間で回転トルクの伝達と遮断とを行うようにした、スプラグタイプの一方向クラッチ機構を備えた軸受複合一方向クラッチに関する。
一般に、内燃機関においては、エンジンのクランクシャフトの回転をベルト伝動装置によりオルタネータ等のエンジン補機の回転軸に伝達して、エンジン補機を駆動するようにしている。
上記のようなエンジン補機の駆動装置においては、エンジンが急減速した場合、エンジン補機の回転軸に取付けられたプーリも同様に急減速しようとする。しかし、エンジン補機がオルタネータの場合、そのオルタネータの回転軸は慣性力が大きいため、その回転軸上に取付けられたプーリは一定の速度で回り続けようとし、クランクシャフト上のプーリとオルタネータの回転軸上のプーリ間に大きな回転速度差が生じ、ベルトの張力が増加して破損し易くなる。
また、クランクシャフトは1回転中において角速度が変動しており、その角速度変動に起因してエンジン補機の回転軸上におけるプーリとベルトの間で滑りが生じ、その滑りによってベルトが摩耗し、耐久性が低下することになる。
そのような不都合を解消するため、エンジン補機の回転軸とプーリとの間に一方向クラッチを組み込み、前記プーリの回転速度が回転軸の回転速度より低下した場合に、一方向クラッチのロック解除によってプーリをフリー回転させ、ベルトの張力増加を防止すると共に、プーリとベルトの相互間における滑りを防止するようにしている。
このような目的に好適な一方向クラッチとしては、図6に示す軸受複合一方向クラッチ60がある(特許文献1参照)。
軸受複合一方向クラッチ60は、プーリ61の中に、エンジン補機の回転軸に取付けられる一方向クラッチ機構62のアキシャル方向両側に一対の玉軸受63、63を組み込んだものである。
一方向クラッチ機構62は、プーリ61の内周面に圧入される外輪64を有し、この外輪64と内輪65との間に組み込まれた保持器66の各ポケット67内にスプラグ68が収容されている。
玉軸受63は、外輪64と内輪65とを支持している。一方の玉軸受63の保持器は、一方向クラッチ機構62の保持器66と一体化されている。
上記構成の軸受複合一方向クラッチ60によれば、一方向クラッチ機構62の空転時に、一方の玉軸受63の保持器の公転を利用することにより、スプラグ68が、空転時のトルクが大きい外輪64と一体となって空転することを防止できる。このため、スプラグ68の外輪64側と内輪65側が比較的均等に滑るようになり、内輪65に対するスプラグ68の摺動速度が低下する。したがって、軸受複合一方向クラッチ60は、スプラグ68の内輪65側の極端な偏摩耗が防止されるので、一方向クラッチ機構62の耐久性を向上させることができた。
特開2001−187931号公報
ところが、近年、エンジンの高速回転化が進んだことに伴い、エンジンが急減速した場合の一方向クラッチ機構62の空転回転数が大きくなっている。このように、外輪64、内輪65ともに高速回転する状況下では、一方向クラッチ機構62の中に密封されている潤滑剤が遠心力により外輪64側に偏ってしまい、内輪65側にほとんど存在しない。したがって、高速条件下で両輪が相対的に連続空転すると、例え、スプラグ68の外輪64側と内輪65側が均等に滑るとしても、内輪65側は潤滑条件が劣悪なため、スプラグ68の内輪65側がどうしても偏摩耗する。
このため、軸受複合一方向クラッチ60には、高速条件下で使用すると、スプラグ68の内輪65側に偏摩耗が進行し、その結果、耐久性が低下するという問題があった。
また、軸受複合一方向クラッチ60は、高速条件下での安定動作を特に考慮し、一対の玉軸受63、63を設けているが、各玉軸受63の内外輪はそれぞれ独立部材から構成されている。このため、軸受複合一方向クラッチ60は、一対の玉軸受63、63の設置に伴い、部品点数、組立工数が増大しており、製造コストの点で改良の余地があった。
そこで、この発明の目的は、上記のような問題に鑑み、高速条件下でのスプラグの偏摩耗を防ぎ、一対の転がり軸受を備えながら製造コストを比較的減少させることが可能な軸受複合一方向クラッチを提供することにある。
上記の目的を達成するため、この発明は、内輪外周と外輪内周間にスプラグと保持器を組み込み、上記内輪外周と上記外輪内周に円筒状の係合面を形成した一方向クラッチ機構を備え、この一方向クラッチ機構のアキシャル方向両側に上記内輪と上記外輪を支持する転がり軸受を設けた軸受複合一方向クラッチにおいて、上記保持器を上記内輪に固定し、一方の転がり軸受を円筒状の軌道面を有するものとし、この軌道面を上記内輪外周と上記外輪内周に形成し、上記他方の転がり軸受を、ラジアル荷重およびアキシャル荷重を支持可能なものとしたことを特徴とする。なお、スプラグは、スプラグタイプの意味であり、繭形のものに限定されない。
この発明の構成によれば、上記保持器を上記内輪に固定したので、上記スプラグが倒れて係合解除状態となり、上記外輪と上記内輪とが相対的に空転しても、上記保持器に保持された上記スプラグは、上記内輪に対し相対的に空転しなくなり、上記外輪とのみ相対的に空転するようになる。すなわち、一方向クラッチ機構が高速空転しても、上記スプラグは、外輪側のみで摺動し、潤滑条件の劣悪な内輪側では摺動しない。
このため、上記スプラグは、外輪側で偏摩耗することになるが、遠心力による潤滑剤の移動に伴い外輪側は潤滑条件が良好なため、その偏摩耗の進行は従来例に対し僅かとなる。
したがって、この発明の軸受複合一方向クラッチは、高速条件下で使用される場合でも、スプラグが外輪側で極端に偏摩耗することを防止することができる。
この発明の構成において、上記保持器をしめしろをもって上記内輪に嵌合した構成を採用すれば、部品点数を増加させることなく、保持器を固定することができる。
また、上記保持器は、ナイロン等の樹脂製のものを用いることができる。温度変化などによる上記しめしろの変化を考慮し、上記保持器は、上記内輪に対して回り止めするための別部材を介して上記内輪に固定することもできる。
例えば、上記別部材を、しめしろをもって上記クラッチ内輪に嵌合したスリーブとし、上記スリーブと上記保持器とに回り止め用の係合部を設けた構成を採用することができる。また、上記スリーブに相当する部分を上記内輪に形成することもできる。
また、この発明の構成によれば、一方の転がり軸受を円筒状の軌道面を有するものとしたので、円筒状の係合面が形成される上記内輪と上記外輪と、一方の転がり軸受の内外輪との共通化が可能になる。
そこで、この発明では、一方の転がり軸受の軌道面を上記内輪外周と上記外輪内周に形成した構成を採用することにより、一方の転がり軸受の内外輪を省略した。この分、この発明の軸受複合一方向クラッチは、部品点数、組立工数を比較的減少させることができる。
上記のことから、他方の転がり軸受も円筒状の軌道面を有するものとすれば、製造コストがより減少することは明らかである。ところが、両方の転がり軸受を円筒状の軌道面を有するものにすると、上記内輪と上記外輪に作用するアキシャル荷重が確実に支持され難くなり、一方向クラッチ機構の動作が不安定になる恐れがある。これでは、高速条件下での使用に不安がある。
そこで、この発明では、上記他方の転がり軸受を、ラジアル荷重およびアキシャル荷重を支持可能なものとした構成を採用することにより、上記内輪および上記外輪に作用するアキシャル荷重が支持されるように工夫した。したがって、この発明の軸受複合一方向クラッチは、製造コストの低減化と共に、高速条件下でも一方向クラッチ機構の安定動作を確保することができる。
なお、上記他方の転がり軸受の軌道面を上記内輪外周と上記外輪内周に形成することが許されるのであれば、これにより、上記他方の転がり軸受の内外輪も省略することができる。
この発明の構成においては、上記係合面および上記軌道面の径寸を同一とし、上記内外輪に一連で形成した構成を採用するとよい。この構成によれば、上記内輪と上記外輪にセンタレス研削を施し、上記係合面および上記軌道面を一連で形成することが可能になる。センタレス研削によれば、製造時間がより短縮され、上記係合面および上記軌道面の研削精度も一様に保たれるので、軸受複合一方向クラッチの製造が容易になる。
また、上記一方の転がり軸受が、円筒ころ軸受からなり、上記他方の転がり軸受が、玉軸受からなる構成を採用することが好ましい。円筒ころ軸受は、円筒状の軌道面を有し、かつ、高速条件下での使用に好適である。また、玉軸受は、ラジアル荷重およびアキシャル荷重を支持可能であり、かつ高速条件下での使用に好適である。したがって、この構成によれば、軸受複合一方向クラッチは、従来と遜色のない高速回転下での耐久性を有するものとなる。
この発明の構成では、上記一方の転がり軸受の軌道面が円筒状なので、高速条件下で、その転動体保持器がアキシャル方向に比較的不安定になり易い。
そこで、この発明の構成においては、上記一方の転がり軸受の転動体保持器をアキシャル方向に位置決めした構成を採用することが好ましい。これにより、上記転動体保持器をアキシャル方向に安定させることができる。
好ましくは、上記転動体保持器がその内周に突片部を有し、上記内輪が、その外周に上記突片部が嵌まった状態で上記転動体保持器をアキシャル方向に位置決めする係合溝を有し、上記転動体保持器が上記内輪外周に対しアキシャル方向に嵌合される際、上記突片部が、弾性変形した後に弾性回復により上記係合溝に嵌まるようにした構成を採用するとよい。
この構成によれば、上記突片部と上記係合溝により上記転動体保持器がアキシャル方向に位置決めされる。ここで、上記転動体保持器が上記内輪外周に対しアキシャル方向に嵌合される際、上記突片部が、弾性変形した後に弾性回復により上記係合溝に嵌まるようにしたので、上記転動体保持器を一体の環状体部材で構成することができる。なお、上記転動体保持器は、合せ保持器としてもよいが、部品数が増える点で好ましくない。
より好ましくは、上記転動体保持器が、樹脂から形成されている構成を採用するとよい。この構成によれば、上記転動体保持器の一体成形が可能となり、製造時間がより短縮されると共に、上記転動体保持器の上記内輪外周への圧入嵌合時、上記突片部が上記内輪外周を傷つけ難くなり、さらには、上記突片部の弾性も柔軟に設けることができる。
なお、この発明の構成において、上記転がり軸受、上記円筒ころ軸受、上記玉軸受の転動体の列数、鍔の有無等を特に限定されるものではない。また、上記一方の転がり軸受の転動体を鍔付のものとしたり、上記軌道面に肩を設けたりすることにより、若干のアキシャル荷重を支持させることもできる。
以上に述べたように、この発明の軸受複合一方向クラッチは、高速条件下でのスプラグの偏摩耗を防ぎ、一対の転がり軸受を備えながら製造コストを比較的減少させることができる。
以下、この発明の第1実施形態に係る軸受複合一方向クラッチを図面に基づいて説明する。図1は、第1実施形態に係る軸受複合一方向クラッチのアキシャル方向に平行する方向の縦断面を示す。図2は、図1のII−II線の断面を示す。
図1、図2に示すように、この軸受複合一方向クラッチ1は、プーリPの内周に組み込まれている。プーリPは、例えば、サーペンタインレイアウトのベルト伝動装置において、クランクシャフトに結合された駆動プーリの回転を伝達するVリブドベルトが架けられる従動プーリから構成される。
軸受複合一方向クラッチ1は、回転軸に取付けられる内輪2と、その外側に設けられたプーリPの内周面に圧入される外輪3と、内輪2の外周と外輪3の内周との間に組込まれたスプラグ4と保持器5とを有し、内輪2の外周と外輪3の内周に円筒状の係合面6a、6bが形成された一方向クラッチ機構10を備える。
内輪2と外輪3は、回転軸心が同一とされており、内輪2が回転軸と共回りし、外輪3がプーリPと共回りする状態で相対回転可能とされている。内輪2の外周は、全体として見ればラジアル方向の径寸が同一となっており、外輪3の内周も同様である。これにより、内輪2の外周と外輪3の内周には、それぞれ相対面し、回転軸心と同一の円筒軸を有する係合面6a、係合面6bが形成されている。なお、上記内輪2および上記外輪3には、高炭素鋼を用い、係合面6a、係合面6bのみ高周波焼入れを施すと、必要部分だけ焼入れをすることができ、効率的である。
保持器5は、ナイロン等の樹脂により一体に形成されており、スプラグ4を収めるポケット5aを有する。保持器5は、しめしろをもって内輪2の外周に嵌合することにより、内輪2に対して回り止め状態に固定されている。各ポケット5aの周方向に対向する2つの内壁面のうち、図2のA方向回りの側に位置する内壁面にはそれぞれ弾性部材7が配置されている。弾性部材7は、スプラグ4を図2のB方向回り側に位置する内壁面に向けて押し付けるようになっている。
スプラグ4は、両端に円弧状のカム面4a、4bを有し、弾性部材7により、カム面4aが内輪2の係合面6aに係合し、カム面4bが外輪3の係合面6bに係合する方向に常時付勢されている。この状態から、スプラグ4は、外輪3の相対回転方向に応じて傾動するようになっている。具体的には、スプラグ4は、外輪3が内輪2に対してロック方向(B方向回り)に相対回転したとき、その相対回転によりB方向回りに傾動し、カム面4a、4bが内外輪2、3の係合面6a、6bに食い込み、この状態で内外輪2、3間のトルク伝達を行うようになっている。一方、スプラグ4は、外輪3がフリー方向(A方向回り)に相対回転したとき、その相対回転により同図のA方向回りに傾動し、カム面4aが内輪2の係合面6aに対して相対空転することなく接触し、カム面4bが外輪3の係合面6bに対して相対空転することにより摺動し、上記トルク伝達を遮断するようになっている。
この一方向クラッチ機構10のアキシャル方向両側には、内輪2と外輪3を支持する転がり軸受20、30が設けられている。転がり軸受20、30は、内輪2と外輪3に作用するラジアル荷重およびモーメント荷重を支持し、一方向クラッチ機構10に偏荷重が作用することを防止する。
一方の転がり軸受20は、単列の円筒ころ軸受からなる。円筒ころ21の軌道面22a、22bは、内輪2の外周と外輪3の内周とに円筒状で形成されている。上記のように、内輪2の外周と外輪3の内周が全体として見ればラジアル方向の径寸が同一となっているので、内輪2側の軌道面22aは、回転軸心と同一の円筒軸を有し、上記係合面6aとラジアル方向に同径の寸法でアキシャル方向に一連で形成されている。一方、外輪3側の軌道面22bも、回転軸心と同一の円筒軸を有し、上記係合面6bとラジアル方向に同径の寸法でアキシャル方向に一連で形成されている。これにより、円筒ころ21は、内外輪2、3の回転軸心と直交する内外輪2、3間の単一平面上に配置されており、転動体保持器23により一定間隔に保持されるようになっている。
転動体保持器23は、図3に示すように、ナイロン等の樹脂から一体の環状体として形成されている。転動体保持器23は、その内周のアキシャル方向一端縁に突片部24を有する。転動体保持器23のアキシャル方向一端側面には、突片部24のラジアル方向外側に切欠き25が形成されている。
一方、内輪2の外周には、突片部24の嵌まる係合溝26が形成されている。この係合溝26は、突片部24が係合溝26に嵌まった状態で、転動体保持器23をアキシャル方向に位置決めするようになっている。ただし、転動体保持器23は公転するため、突片部24と係合溝26との間には、僅かに隙間が設けられている。
転動体保持器23の内周は、突片部24を除いて内輪2の外周よりも僅かに大径とされている。突片部24は、内輪2の外周のうち、アキシャル方向一端と係合溝26との間の部分の外径よりも小径とされている。これにより、転動体保持器23が内輪2の外周に対しアキシャル方向一端側から嵌合される際、突片部24が、切欠き25側に後退するように(ラジアル方向外側に)弾性変形し、内輪2の外周上を滑りながら係合溝26に達すると、弾性回復により係合溝26に嵌まるようになっている。
なお、突片部24は、内周全周に亘って形成されているが、突起状に形成することもできる。
他方の転がり軸受30は、単列の深溝玉軸受からなる。軸受内輪31と軸受外輪32間には、鋼球33を保持する転動体保持器34が組み込まれている。軸受外輪31と軸受内輪32に形成された軌道溝35a、35bは、内外輪2、3の回転軸心と直交する内外輪2、3間の単一平面上に配置されており、内輪2と外輪3に作用するラジアル荷重およびアキシャル荷重を支持するようになっている。
軸受内輪31は、しめしろをもって内輪2の外周に嵌合されており、軸受外輪32は、プーリPの内周に圧入嵌合されている。なお、内外輪2、3に適宜軌道溝35a、35bを形成することにより、軸受内外輪31、32を省略することもできる。
軸受複合一方向クラッチ1においては、保持器5を内輪2に対して回り止めするための別部材を介して内輪2に固定することもできる。以下、軸受複合一方向クラッチ1と同一の構成は、同符号を付し、その説明を省略する。
図4は、この発明の第2の実施形態に係る軸受複合一方向クラッチ40を示す。軸受複合一方向クラッチ40は、軸受複合一方向クラッチ1において、保持器5に代えて、内輪2の外周に嵌合したスリーブ41と、内輪2の外周に嵌合された状態でスリーブ41と係合する保持器42とを備えている。
図5に示すように、スリーブ41の外周には、突起部41aが形成されており、保持器42の軸方向一側面には、突起部41aに嵌合する切欠き部42aが形成されている。
スリーブ41と保持器42は、しめしろをもって内輪2の外周に嵌合することにより内輪2に固定されている。この状態で、突起部41aと切欠き部42aが周方向に係合し、スリーブ41と保持器42のアキシャル方向側面は略同一面を構成する。
このように、スリーブ41を介して保持器42を内輪2に固定すると、クラッチ40の高速回転に伴う温度上昇などが生じても、保持器42のしめしろ変化を防ぐことができる。これにより、保持器42が内輪2に対して確実に回り止めされる。
なお、軸受複合一方向クラッチ40においては、スリーブ41は、温度変化によるしめしろの変化を防ぐため、鉄などの金属材料からなることが好ましい。また、スリーブ41に代えて、軸受内輪31のアキシャル方向側面にスリーブ41相当部を形成したり、内輪2の外周にスリーブ41相当部を形成することもできる。
第1実施形態に係る軸受複合一方向クラッチのアキシャル方向に平行する方向の縦断面図 図1のII−II線の断面図 図1の円筒ころ軸受の転動体保持器の斜視図 第2実施形態の軸受複合一方向クラッチのアキシャル方向に平行する方向の縦断面図 (a)図4のスリーブの側面図、(b)図4の一方向クラッチの保持器の側面図 従来の軸受複合一方向クラッチのアキシャル方向に平行する方向の縦断面図
符号の説明
1、40、60 軸受複合一方向クラッチ
2 内輪
3 外輪
4 スプラグ
5、42 保持器
6a、6b 係合面
10 一方向クラッチ機構
20、30 転がり軸受
21 円筒ころ
22a、22b 軌道面
23、34 転動体保持器
24 突片部
25 切欠き
26 係合溝
31 軸受内輪
32 軸受外輪
33 鋼球
35a、35b 軌道溝
41 スリーブ
41a 突起部
42a 切欠部

Claims (6)

  1. 内輪外周と外輪内周間にスプラグと保持器を組み込み、上記内輪外周と上記外輪内周に円筒状の係合面を形成した一方向クラッチ機構を備え、この一方向クラッチ機構のアキシャル方向両側に上記内輪と上記外輪を支持する転がり軸受を設けた軸受複合一方向クラッチにおいて、上記保持器を上記内輪に固定し、一方の転がり軸受を円筒状の軌道面を有するものとし、この軌道面を上記内輪外周と上記外輪内周に形成し、上記他方の転がり軸受を、ラジアル荷重およびアキシャル荷重を支持可能なものとしたことを特徴とする軸受複合一方向クラッチ。
  2. 上記係合面および上記軌道面の径寸を同一とし、上記内外輪に一連で形成した請求項1に記載の軸受複合一方向クラッチ。
  3. 上記一方の転がり軸受が、円筒ころ軸受からなり、上記他方の転がり軸受が、玉軸受からなる請求項1または2に記載の軸受複合一方向クラッチ。
  4. 上記一方の転がり軸受の転動体保持器をアキシャル方向に位置決めした請求項1から3のいずれかに記載の軸受複合一方向クラッチ。
  5. 上記転動体保持器がその内周に突片部を有し、上記内輪が、その外周に上記突片部が嵌まった状態で上記転動体保持器をアキシャル方向に位置決めする係合溝を有し、上記転動体保持器が上記内輪外周に対しアキシャル方向に嵌合される際、上記突片部が弾性変形した後に弾性回復により上記係合溝に嵌まるようにした請求項4に記載の軸受複合一方向クラッチ。
  6. 上記転動体保持器が、樹脂から形成されている請求項5に記載の軸受複合一方向クラッチ。
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